有名女優たちからの枕営業を拒否するために毎晩嫁を抱き潰して賢者タイム出勤する話 作:ぽぶきち
オリジナル:現代/恋愛
タグ:R-18 ギャグ シリアス 嫁 純愛 女優 芸能事務所 枕営業 尻ass 完全人力執筆 一般公開
彼の周りには大勢の有名女優が存在し、時には自分を売り出すために、もしくは気に入られるために、もしくは思い出のために、もしくは普通にヤリモクで、彼の貞操を狙ってくる。
だが、彼は妻に操を立てていた!!
「し、新人の、
その日は部下との会合だった。
いつも苦労している人だから、ちょっと懐を痛めていい感じの席を用意した。
連れてくる新人女優と部下が和めば良いなという思いもあった。
そんな会食の席。
「あ……
目の前に座っているのは二人。
俺、常井ツネタの前でガチガチに緊張している新人女優。
そして、それを眺めてニヤついている女、俺の部下、制作一部部門長。
「では、私はちょっと長めのお手洗いに」
「おい、ちょ──」
「一時間ほどは戻ってこないと思います」
部門長は去った。
懐石料理が並ぶその場所。
贔屓にしているから多少の融通は利く料亭の個室で、俺と、新人女優は取り残された。
「あ、あのっ…………」
新人女優、いや、白雛ナツリさんは、意を決して俺に話しかけた。
「常井社長のお噂はかねがね……」
「あー、いや、俺は……持ち上げられただけっていうか……」
芸能事務所「
それが俺の肩書だ。
ちょっとした理由から始めた会社が、時代とうまくマッチしてあれよあれよという間に大きくなってしまった。
正直、いまだ実感が湧いていない。
いまの経営も、秘書や各部門長たちの力がなかったら何もできていない。
お飾り社長みたいなものだ。
「わ、私、この事務所の、
「ああ、紅屋…………」
「どうしても、ああいう風になりたいんです」
キラキラ、というよりは、どこか切迫したような目でそう言った。
意を決したような顔で、彼女は自分自身の襟元に手をかけた。
ボタンを外していく。
「おい、何して────」
「何でもします。だから、私を…………」
上着が、はらりと落ちる。
高そうな黒いレースのブラジャーにおさまる大きな乳房。
下着姿になった白雛ナツリさんが、そこにいた。
正直言って激エロだった。
部下が連れてきた女優は、ドチャシコだった。
「私を、大女優にしてください」
俺は、しばらく沈黙していた。
彼女の緊張している目元が、そっと伏せられる。
そして、四つん這いでこちらに這い寄ろうとする前に、
俺のほうが動いた。
落ちていたシャツを拾って、彼女にかける。
面食らったような顔をする白雛ナツリさんに、俺はできるかぎり無害そうなふうを装って笑った。
「まず、一つ言わせてほしい」
「……は、はい、なんでしょうか」
「君はとても魅力的だ。私が妻帯者じゃなかったら、心を奪われていたと思う」
「っ……あ、ありがとうございます……!」
「でも、そういうことはしたくない。君も、するべきじゃない」
「………………」
実際に魅力的だ。
透き通るような髪に、ぱっちりとした目元、着痩せするのか、脱いでわかるスタイルの良さ。
「そういった過去の不祥事は大きな足枷になる」
「…………で、も……」
「これから大女優になるんだろ?」
「……! …………はい!」
夢を肯定するように言うと、彼女は頷いた。
でも、まだ俺に何か、期待を向けているような気がする。
「紅屋イザベラが大女優になったのは、俺の力じゃない」
「え、だって…………」
「あいつがスターだからだ。脇役として出演しても主役を食ってしまうくらいのスター性があった。だからいまレッドカーペットを歩けている」
「…………」
俺の幸運をあげるとしたら、まず最初に紅屋イザベラとの出会いがあるだろう。
彼女が俺の事務所に腰を据えているのは、気まぐれのようなものだと考えている。
あの赫灼たる名声なら、どこへだって飛んでいけるのだから……。
「それに…………、」
「…………?」
「例え、君に紅屋イザベラと同じ素質があったとしても、君は彼女の隣には立てない」
そういうものだ。
「二番煎じになるからだ。それにイザベラが今の立ち位置にいるのは、時代の流れもある。同じ方法では、隣には並べない」
慎重に言葉を選ぶ。
憧れは重要だが、多くの場合、人は憧れた人物と同じ手段で同じ場所にいこうとする。それは、悪手だ。
「君には、イザベラより優れた部分が必ずあるはずだ。私のような凡庸なおじさんに構う必要はない、君は、自分の可能性を探すために、まずこの事務所を大いに利用して欲しい」
白雛ナツリさんは、俯いていた。
だけど、それが悲観にくれているわけではないことは、俺の特技でわかった。
「ち、ちがいます…………」
「ぇ……」
と思ったのだが、否定が飛んできた。
「…………じゃないです」
「……」
「社長は、凡庸なんかじゃないです」
白雛ナツリさんが、顔を上げた。
その目が、まっすぐに俺を見た。
同時に、豊かな胸元が見える。
俺は、視線をそらし、
彼女の肩を叩こうとして、やめて、
席に戻った。
裏で話を聞いていたのか、
部門長がニヤケながら戻ってくる。
相変わらず趣味が悪い。優秀だから文句は言えないが。
それから、
俺は、会食にて、
二人の近況や、ナツリさんの来歴について、聞きに徹した。
ナツリさんはダンスが好きらしい。
果てには、いまの女優業界について白熱した議論を、部門長と交わし始めた。
かなりの女優オタクのようだ。
二人のやりとりに微笑みながら、
俺は烏龍茶を飲んだ。
‐‐‐
「なんだあれエロすぎるだろッッッッ!!!!!!」
俺は、叫んだ。
家。
寝室。
目の前には、
大きな尻。
妻、常井シズカ。
彼女をバックで犯していた。
「あっ♡♡♡ ぁ゛ッ♡♡♡ んぁあ゛ぁ゛ッッッ♡♡♡♡」
「なんなんだあの巨乳ッ!! 理性ギリギリだったぞッ!!!」
腰を打ち付ける。
妻の大きな尻がそれで波打って、尋常でない快楽を、会食で火照った体に与えてくる。
「クッソまじでッッ!!! 昨日シズカを抱いてなかったら危なかった!!!!」
「ぁっ♡♡ だ、だめよっ……♡♡♡ 不倫しちゃっ……♡♡」
「しねぇよッッッッ!!!!!」
妻の背後にのしかかって、
一心不乱に肉棒を突きこむ。
「ぁぁああ゛ァあ゛ぁ゛ッッッッッ♡♡♡♡♡♡」
逃げるように前方に伸ばされた妻の手を掴み、握る。
俺の帰りを待ってすでにシャワーを浴びており、シャンプーの香りがするその横髪を嗅ぎながら、胸を揉みしだいた。
「お前以外とセックスするわけないだろッ!!!!」
「んひゅっッ……♡♡♡ すきっ♡♡♡ すきよっ♡♡♡ あなたっ♡♡♡♡」
妻とは、中学生の時から付き合っている。
初体験も妻だ。
まだ彼女の苗字が常井ではなく三依だったころに、互いに童貞と処女を交換した。
覚えている、プール開きのあとで家に誘ってセックスしたのだ。当時はゴムなんて知らなかったから初めてが中出しだった。
妻、シズカは、どちらかというと目立たない少女だった。
長い髪で目元を隠し、口元はマスクで隠していた、図書委員の子。
今では、前髪こそ重めだが、そのきれいな瞳は髪の間から覗ける。
マスクもつけなくなった。俺がいきなりキスできないからだ。
妻の背中を抱きしめ、身動ぎ一つとれないように拘束する。
そのまま腰だけを動かして、
挿れて、
抜いて、
挿れて、
抜く。
「んぉ゛ぉおおお゛ォ゛ォッっ…………♡♡♡♡」
どこか弱点かもわかりきっている。
形のいい胸の横をフェザータッチしながら、
度重なる毎日の交尾で俺専用に整えられた膣内に我が物顔で肉棒を往来させる。
「シズカっ……!! シズカッ!!」
「あ、いぐ゛ッッ♡♡♡♡ ちんぽつよぃい゛ぃ゛ッッッ♡♡♡♡♡」
俺が教え込んだ淫語を言いながら、
シズカはお尻を快楽で跳ね上げた。
鼠径部をすりあげる柔らかな尻肉の感触に包まれて、
俺はあえなく射精した。
「んぃ゛ぃ゛イ゛ッッッッ♡♡♡♡♡ おぉ゛ッッ♡♡♡!?!?
ぐ……ンっ……んォ゛ォ゛お゛お゛ぉッッッッッ♡♡♡♡♡♡」
子宮口に肉棒を押し込み、裏筋で妻のGスポットをゴリゴリと擦り上げながら、
盛大に精液を放つ。
「お゛ッッッ♡♡♡♡ ほっ゛ッッッ♡♡♡♡♡♡」
何度かぐりぐりと子宮口を押し潰したあと、
妻を正常位に変えて、抱きついた。
「は、はむっ……♡♡♡ ぁぅふむ……♡♡♡♡」
濃厚なディープキスをされる。
低い身長なのに、俺にキスするために懸命に上半身を伸ばしていた。
迎えるように少しかがみながら、
妻の後ろ髪をかきあげ、その口内を味わい尽くす。
「あ~~~~嫁とのセックス癒されるーー」
「そんななんでもかんでも口にして、ダメですよっ♡♡??」
額をごっつんこして見つめ合う。
俺は昔から、
妻の前では隠し事ができず、内心をすべて吐露してしまうのだ。
「美人な子たちといっしょに働いてて、私に飽きたり、しないんですかっ♡♡??」
「するわけねぇだろ」
「ふふっ……そうです、よねっ……♡♡」
目を細めて、妻の腕がよりいっそう俺の後頭部に回り込み、
唇どうしが触れ合う。
チロチロと舌をだして、俺の口先を舐めてくる。
「飽きても……捨てないでくださいねっ……♡♡」
妻が、いつのまにかしゃがみ対面座位になっており、
膝を使いながら、ゆるくストロークしだした。
ビリビリと甘い快楽が背中を伝わる。
「私のおまんこ、もうあなたのサイズに、拡張されてるんですっ♡♡♡ 他の人だとっ、気持ちよくなれないしっ♡♡♡♡ あなたの声じゃないと、あなたの匂いじゃない、と、イケないんですッッ♡♡♡」
耳元でささやきながら、腰を打ってくる。
快楽を我慢しながら、俺のために淫語を吐いている。
こんな妻を独占しているという事実に、肉棒が最硬度になる。
「あぅ゛ッ……♡♡♡ おっ、ぎっッ……♡♡♡♡」
腰が抜けたのか、ずぷりと最奥まで貫かれながら妻が俺の膝の上にへたりこんだ。
先ほどまで体を支えていた足が、いまはびくびくと痙攣して絶頂を訴えている。
「シズカ、」
「ふ……、ぃ……っ♡♡♡」
「愛してる」
「にゃッッッッッッ♡♡♡♡♡♡!??!?!」
ぷしぃいいいい!!! と潮を吹きながら、妻はさらに絶頂を重ねた。
口から、「ぉ゛……ぉ………♡」と小さく声を漏らしながら、俺の肩に顔をうずめて全身をめぐる快楽信号に耐えている。
「お前は俺のものだ。他の野郎には渡さない。一生俺の体しか知らなくていい」
「ひぁ、ひゃいっ……♡♡♡」
「今日はあと五回は
「で、でも、今日は安全日でっ……」
「関係ない。抱きたいから抱く」
「ちょっと、まっ────んォ゛ッお゛ォォおォ゛ッッッッッ♡♡♡♡♡♡♡!?!??????」
足ごと妻をがっちりと抱きしめて固定し、
逃げ場を失ったその蜜壺に、
俺は全力で、突き入れた。
‐‐‐
体がダルい。
ヤり過ぎた。
起きると、
隣で、俺の腕を抱きしめて眠っている妻の姿があった。
胸には精液がついており、
口元には陰毛が一本ある。
昨日のプレイの名残だ。
妻の下腹部を見る。
精液でぼっこりと膨れたそこ。
経営が軌道に乗り、俺も休みを使えるようになって数ヶ月が経った。
それまでは、てんやわんやで妻とはゴム有りえっちのみだった。育休を取れる余裕がなかったからだ。
結婚したのは18歳になってすぐだったので、
妊活できるようになるまで、ずいぶん待たせてしまったかもしれない。
妻の額にキスをして、
「おはよう……」
と囁く。
そのまま、そっと腕を解かせようとしたが、
「あなた…………?」
と、妻が起きた。
こっそりシャワーを浴びて朝食を作ろうと思っていたが、起こしてしまったようだ。
風呂に行くのをやめて、ベッドに戻り彼女に腕枕をする。
「変な夢、見ちゃいました」
「どんな?」
「……ひみつ」
妻は、なぜか俺にずっと敬語を使う。
セックスしまくっているときは敬語が外れるのだが、それ以外では基本的にずっとこの口調だ。
「なんで私を選んだんですか……?」
「……?」
「私よりおっぱいが大きい人も、明るい人も、頭がいい人もいるのに…………」
「? でもシズカは一人しかいないだろ」
「………………もう」
その頭を撫でる。
横にある時計にふと目をやると、時間は10時を過ぎていた。
なぜ?
ケータイのアラームは?
いや、そうか、シズカに出向かえられたときに服を脱いでそのまま襲ったから、荷物はまだ玄関にあるんだな。
‐‐‐
「重役出勤なんて、いい度胸ね」
勝ち気な瞳の美人がそう言った。
着用している赤いドレスは背中が開いていて、社交界に出向けば礼節を鍛えられたウェイトレスでさえ目を惹かれてしまうであろうほどの艶やかさがある。
「実際に重役だからな」
「あら、そんな冗談も言うようになったの」
妖艶に微笑みながら、
その美人女優、紅屋イザベラは、俺の顔を見上げた。
いま、俺とイザベラは、社長室にいる。
秘書は出払っている。
本来ならここにいるはずだったのだが、きっとイザベラが何かテコ入れをしたのだろう。
「また、主演よ」
「そうか、よかったな」
「良くないわよ。たまには脇役がしたいわ」
大勢の女優に喧嘩を売るような発言をしている。
しかし、イザベラが過密なスケジュールに参っているのも事実だ。
俺は、2人分のコーヒーを淹れた。
「…………まだこのインスタントコーヒー、飲み続けてるの?」
「お気に入りだからな」
「…………そう」
イザベラは、コーヒーに口をつけた。
にが、と顔をしかめている。
味蕾が鋭敏なのだろう。昔からだ。
昔話をしよう。
本名、
この芸能事務所「
そして、俺が最初にプロデュースした女優でもある。
もともとは別の事務所に加入していた。
が、その事務所は言ってしまえば、有力プロデューサーの肝煎りによって無理矢理創設された、新規性のない事務所だった。
詐欺、とまではいかないが、そういったニュアンスも含意する経営体系だっただろう。
事務所にスカウトされて18歳でひとり上京したイザベラは、右も左もわからぬまま、仕事をこなした。
基本的には宣材写真などの撮影だ。
たまにレッスンをしてそれっぽさを醸しつつ、所属女優の外堀を埋めていく。
あるとき、イザベラは会議と称して、事務所の応接間に通った。
そこには、その事務所と強いコネのあるプロデューサーが一人いた。約束があったはずのマネージャーは来なかった。
言ってしまえば、枕営業だったのだ。
本人の気弱さを利用して、何も告げずにプロデューサーと引き合わせた。
イザベラは、震える声で、息を荒くしていたそのプロデューサーに、
トイレに行きたいと告げた。
そして、自分が住所、名前、顔、すべて事務所に押さえられてることに気づき、絶望した。
そこに、用務員だった俺が現れた。
偶然だった。
俺は、背中を見るだけでも、その人の顔や表情、大まかな感情がわかる。
そういう能力があるのだ。
共感覚、というらしいが、それでイザベラがしていた日々の疲れを隠すためのメイクが涙でボロボロに崩れていることを察した。
俺は、彼女の手を取って事務所から逃げた。
そして、しばらくは、俺たちの家に泊めた。
実家に帰そうとしたが、その実家も知られているようだった。
そこからちょっとした色々があって、
なぜか俺が事務所を立ち上げることになったのだ。
妻も応援していたが、正直、俺はそんな器じゃなかった。
でも、イザベラの夢の後押しをしたかった俺は、結局起業した。
イザベラのためだけに作った芸能事務所、「
雅な名前にしたいというイザベラの願いを汲んで命名されたそれは、いまの
イザベラのプロデュースもしつつ、
スカウトなども並行した。
さきほども話したように、
俺には、一つだけ能力がある。
顔色を
相手の体の一部を見れば、そこから顔の造詣、表情、ある程度の感情がわかる。
俺は、マスクをつけた美人に片っ端から声をかけた。
彼女たちは俺のことをナンパだと思ったようだが、とりあえずナンパということにして喫茶店に連れ、平身低頭で事務所に入ってくれと頼み込んだ。
無論、断られた。当たり前だ。
だが、それから時々彼女たちの悩みを聞くようになった。
ただ聞くだけだ。なにかアドバイスすることはない。
ほとんどの人が、俺に話を何度か聞かせてから、疎遠になった。
しかし、数名、まだ縁が続いている。
女優として、マネージャーとして、秘書として。
俺がいま、他の業界のドンをいくらか押しのけて大手芸能事務所の一角を担うことになったのは、イザベラという存在と、スカウトのときに出会った人脈がほとんどだ。
「ね、」
イザベラが、俺の隣に座った。
両手に持ったコーヒーを置く。
「私、どうしたらいいかしら?」
全く迷いなどないような声色で、そんなことを言う。
「ね、」
俺の太ももに、
手を置いた。
股間近くあたりの太ももをまさぐるように撫で回す。
その手を取って、ソファに戻す。
また太ももに乗せてくる。
「あなたのせいで、私、夢叶っちゃった。
大女優になれちゃったもの」
「まだ、これからだろ」
「勿論。でも、サブクエストは達成したの」
サブクエスト?
俺の家に迎えたとき、よくいっしょにゲームをして時間を潰したのを思い出した。
3人分の生活費を稼ぐのに日雇いバイトを重ねてたから、何度かゲーム中に眠ってしまい、イザベラの膝枕で起きることがあった。
「メインクエストは?」
「ふふ」
妖艶な口元を歪ませる。
あまりにも悩殺的だった。そういうメイクなのかもしれない。
こんな姿を一般人が見てしまったら、脳が焼ききれてしまうだろう。
「あなたの愛人になること。」
イザベラはそういった。
「シズカさんに、奥さんには言わない。脅しもしないし、なんならそっちがハメ撮りを保存してても良いわよ?」
「おい、待て、」
「私、都合のいい女でいいわよ? 処女だし、どんなプレイだってしてあげる…………演技だって上手いわ」
「落ち着け────」
「
あのときの、都会に迷い込んだ子犬のような面影はもうない。
俺と肉体関係を結ぼうとしてくる猛禽類のような雰囲気が漂っている。
イザベラが唇をちろりと出した。それを見て、俺は猛禽類から爬虫類に脳内での比喩を変更した。
「ね、大女優の体、味わってみない?」
耳元に、口を近づけられる。
音を立てて、一度軽く耳にキスされた。
「大女優の処女膜、破ってみたくない?」
俺は、
イザベラの肩を掴んだ。
イザベラが、してやったりという表情を浮かべ、俺の能力がその奥にあるほっとした感情を読み取る。
だが──────、
立ち上がる。
そして、自分のケータイを取った。
「ウオオオオオオオオオ!!!!!」
俺は、トイレに駆け込んだ。
「ちょ、ちょっと……!!」
イザベラがついてくるが、気にしない。
男子トイレの一室にひとり閉じこもり、鍵をかけて入ってこられないようにする。
スマホを開き、
そこから、
シズカの、妻の顔写真を探す。
あった。
中学のときのまだメカクレだったときのシズカ。
その写真を見ながら、
俺は、肉棒を露出させ、擦った。
「くぉおおお!! シズカッ!! シズカ!!」
「なにやってんの!! 馬鹿じゃないの!! でてきなさい!!」
‐‐‐
十数分後、
俺は三回の射精を終え、
トイレの扉を開けた。
顔を真っ赤にしたイザベラがいた。
「いたのか」
「あ、あなたね……!!」
「続きを話そうか」
今の俺は無敵だ。
どんな誘惑をされようとも、すでに妻をオカズにしたオナニーで欲望を排出しきっている。
ソファに戻り、ぬるくなったコーヒーを呷る。
優雅だ。
木々の芽吹き、宇宙の始まり。
いまも花開く生命ひとつひとつに、涙が止まらない。
俺がイザベラを抱くわけがないだろう。
そもそもイザベラは、枕営業を受けて、多分トラウマになっているはずだ。
きっと、さっきのは俺を試そうとしていたのだと思う。
「お、社長……イザベラちゃんといっしょにいたんスね」
部屋にノック無しで誰かが入ってくる。
その顔は、イザベラの次に馴染みがある女優のものだ。
ゆらゆらとダンスをするような、行先を予測できない歩法を洒落で行いながら近づいてくる彼女。
「今日は、私の日なんだけど」
「いいじゃないスか……別に。減るもんでもないでしょ……」
「ツネタの私に対する可処分時間が減るのよ」
「可処分時間て…………」
知名度だけで言えば、この事務所で三番目。
アクション女優と呼ばれる存在で、女優のなかでもっとも動けるというのをコンセプトにしている。
実際に女優のなかで一番かどうかはわからない。
本人は、「日本では二番目ス……」と言っている。
「よいしょと」
と言って、
俺の膝の上に座った。
膝の上に、座った。
「なに、してるのかしら?」
「ん、充電スね。」
腕ごと抱きしめられる。
足も、ハナの足でガッチリと固められて動き出せない。
「ぁ゛~~、いきかえる~~~~…………」
だらけた声を出しながら、それでも拘束を緩めない。
イザベラが背後からぽかぽか叩いているがお構いなしだった。
事務所に入ったばかりの頃、
ハナは、ゲームの
とある格闘ゲームのモデルになったことから名を上げ、
その後、映画で、黒コートのなかに白のぴちぴちボディスーツを着込んだ敵役として登場、以降、格闘だけでなくモデル方面に引っ張りだこだ。
「最近動けなくて欲求不満なんス…………」
俺の肩の上に顎をおいてそんなことを言う。
「写真撮るために止まってるのめちゃくちゃストレス…………」
「あー……そうか……」
俺はなんとか拘束を解く方法を考える。
これまでもこういったことは何回かあったが、基本的にハナが満足するまで終わっていた。
これ、不倫になってしまうだろうか?
やはり、一度ちゃんと…………
「なんか社長、今日オスの匂いつよくないスか……」
ハナが、俺のジャケットを器用に脱がし、シャツのボタンを1枚1枚外す。
インナーをめくりあげて、腹筋を撫でてくる。
「もしかして、ヤッた?」
イザベラと俺の間に視線を彷徨わせる。
俺も、イザベラに助けを求めるが、イザベラは俺の腹部を凝視して動かない。
「んー……、違うっぽいスね。イザベラちゃんまだ処女臭いし」
「は!? あ、あなただって処女でしょう……!」
「そうスね」
ハナはイザベラには興味なさげに、俺の胸元に顔を埋めた。
「社長、」
「ハナさん……離れてくれ……」
「無理ス。
最近トレーニングしてるんすよね」
「……あ、えーと、何の?」
「膣圧トレーニング。」
思わず吹き出しそうになった。
イザベラ然り、この事務所の風紀はどうなっている。
「そもそも自分、結構締まりいいほうだと思うんスよね」
「あー……そう、なんだな……?」
「どう思います?」
なんで俺に話題を振るんだ。
ド下ネタだぞ。
「…………で、でも、あれじゃないか?
締まりが良すぎると、逆に女性側が痛かったりするだろう?
トレーニングのしすぎもダメなんじゃないかと」
「………………。
別に、よくないスか」
俺の前面のボタンはすでにすべて外されていた。
上裸にだけはなるまいと、なんとか抵抗している。
「別に、男の人が気持ちよくなるならそれでよくないスか?」
「よくないだろ」
「それに、社長はそんな激しくしないでしょ」
「…………?」
どういう意味だ。
「なんで俺?」
「? 当たり前じゃないスか……?」
「……?」
「私をオナホ扱いしていいのは社長だけスよ」
いつもと変わらないジト目でこちらを見ながら、
ハナは俺の肋骨あたりをさすさすと撫でた。
「私、都合のいい女スよ?」
イザベラと同じことを言い出した。
「毎日動くから、堕ろさせる必要ないスよ」
「そんなことさせないって、いやそもそもシないんだけど……」
「………………」
ハナが沈黙した。
許されたかと思ったが、
その腰を、ゆっくりとグラインドさせる。
俺のムスコがある位置が完全にバレており、あやすように腰圧を変えて刺激してきた。
「じゃあブチ犯すしかないスね。
今日という今日は……」
「い、イザベラ、助けてくれ…………」
情けなくイザベラのほうを見るが、
こちらもハナと同じく、獲物を見る目を向けてきた。
「手伝うわよ」
「おなしゃす」
「ま、まてっ……!!」
俺は、むくむくと起き上がる肉棒と、それに伴って増大する刺激を感じ取りながら、
なんとか打開策がないかと視線を振り回す。
ない、
どうする。
「ぐ、ぉ…………」
腹部に気合を込める。
そして、
吠えた。
「愛してる!!!!」
「うぇっ…………?」
ハナが、呆然とした。
すでに赤かった頬にさらに朱がさした。
同時に、拘束が解ける。
俺は、その瞬間を見逃さない。
「愛してる!!! シズカ!!!」
ハナの拘束から抜け出し、机のケータイをとる。
トイレに駆け出そうとして、
腕を誰かに掴まれる。
イザベラだ。
やばい、────
「ハナ、捕まえて!! こいつ嫁ニーする気よ!!」
「ぇ……、ぁ、はい。嫁ニーはだめスよ」
「離せぇぇええええ!!!!!」
俺は戦った。
ハナに極め技をかけられたが、
耳元で囁いて隙を作り、
イザベラにのしかかられては、
頭を撫でて放心状態にした。
いつのまにか、
疲労困憊になった俺たち。
社長室のカーペットに崩れ落ちた俺たちを、やってきた他の女優が見つける。
「失礼しま──────
────え、なんじゃこれ」
三人目の女優は、眼鏡をかけていた。
オーバーサイズのジップアップパーカーの襟で口元を隠している。
その女優が、一言。
「3Pですか?」
「違う…………」
上気した体で半裸の俺たち。
疑惑を解消するのに、
かなりの時間を要した。
社長。 芸能事務所「
また、間接的に感情も細分化して読み取れるため、悩みを引き出したり、それによって交渉先から気に入られたりする。
常井ツネタの妻。
内気な性格で、中学時代は長い髪にマスクをしており顔をほとんど隠していた。しかし能力を持つ常井ツネタによって表情を読み取られながら交流するうちに仲を深める。
夫が他の女優より自分を選んでくれるのがちょっと嬉しい。
他の女優のコスプレをして誘惑することもある。
本名:花屋イザベラ。
勝ち気美人。現在の事務所のトップ女優で、スター性があり脇役になれない。赤いもさもさ髪。
ツネタとともに芸能事務所を立ち上げた最初の女優。18歳の時一人暮らしで上京し、そこで契約書詐欺にあってレッスン代の負債を抱え、事務所に枕営業を強要されたが某バイトサイト経由で雇われていた当時のツネタが彼女を連れて脱出。
略奪愛は考えておらず、ずっと一緒にいられればいいと思っている。でも体の関係はほしい。
社長の貞操を狙っている。
所属:制作一部(王道スター女優部門)
本名:
アクション女優。コアな人気がある。
関節の可動域が広く、足をムチのようにしならせて振るうアクション的個性を持っている。本来蹴り技は危険度から距離を開けたアクションになりがちだが、本人のこだわりに合わせて事務所が『1インチアクション』と呼ばれる制作安全体制を確立。コアなファンを増やしている。
社長の貞操を狙っている。
所属:制作二部(アクション女優部門)
本名:
最後に登場した幸薄顔の美人。演技派のカメレオン女優で、ホラー映画適性が高い。
顔があまりにも美人すぎるため、ホラーの怪異として起用されることが多い。ダークな作風、演出、ライトでもまったく損なわれない美貌と浮世離れの雰囲気がその業界の人たちにとって扱いやすさを生んでいる。
普段はパーカーの襟と眼鏡をかけている。
社長の貞操を狙っている。
所属:制作一部(王道スター女優部門)
本名:
新人。他の女優たちから「社長を頼るように」と伝えられたのを深読みした。ムッツリ。
社長の貞操を狙っている。
所属:制作一部(王道スター女優部門)
制作一部部門長。
社長に狂愛を向けており、有名女優で囲うことによって"神"にさせようとしている。
女優たちをマネジメントし、彼女らの写真集をそれぞれ別の出版社に売って利権を渡すことでゴシップをすっぱ抜かれないようにしている。ツネタはその魂胆に気づいていない。
実は社長の貞操を狙っている。