※この作品はR-18です。

ハイスクールDTの境遇   作:Tノシレウ


原作:ハイスクールD×D
タグ:R-18
ハイスクールD×Dに転生した俺は、一番好きな女性キャラクターがいないことに絶望した。寧ろその女性キャラは、TS転生した俺自体だった。
近い未来に起こるパワーインフレを前にして絶望する俺が見出した希望とは―

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一応のRー18


ハイスクールDTの境遇

 ハイスクールD×Dの世界に生まれた時点まではよかった。

 

 だがTSしたリアスグレモリーに成り代わるというのは納得できない。

 

 紅い髪をしたグラマラスでお姉さん気質であり、しかし抜けていて育ちのよさゆえか少し少女らしさが垣間見えるそんなキャラクターが、この世界には存在しないのだ。というか俺なのだ。

 

 俺はリアスが一番好きだった。だがそのキャラは俺が成り代わってしまった。それも性転換した男のキャラクターとして。

 

 

 とてもとても残念なことだ。

 

 

 そんな俺を慰めてくれたのは、兄の妻である。

 

 グレイフィアさんは親身になってくれた。将来来るべき日のために特訓をして強さを求め、故に俺はハードワークで体を痛めがちだった。

 

 彼女はそんな俺を目の届く限りサポートし時に諫めてくれている。

 

 例えば筋肉痛で体が動かないときは、彼女自らが世話をしてくれた。

 

 とてもありがたい。ありがたいが、メイドという職業柄なのか別の思惑かサポートが手厚すぎるときがある。

 

 流石に義理の姉弟とはいえ、タオル一枚で背中を流すのは違うと思う。胸で洗ってくるのはもっと違うと思う。彼女の行き過ぎた奉仕を断るのは至極まっとうなことだ。だから拒否した俺のことを、緊張している童貞を見る目で軽くあしらわないで欲しい。

 

 夫いるのにそういう店並みのお世話をしようとするグレイフィアさんがおかしいと思うのだ。その辺り頼むから自覚してくれないかな。

 

 

 日常の合間合間に指絡めてきたり頬にキスをするのもやめてほしい。

 

 尻撫でてくるとか以ての外よ。まだ男が女の尻を触るのはわかるのよ。

 

 触り方が中年オヤジのそれなのよ。白くて細い指が汚れますからやめていただきたい。

 

 

 一方で兄さんは全く気付いていない。グレイフィアさん別にうまく隠すつもりないよね。もう少し気にかけてほしいよ。

 

 

 グレイフィアさんの明らかな構ってアピールを察せていない。

 

 多分うちの屋敷で気づけていないの兄さんだけだよ。父さんがため息はいてグレイフィアさんに謝るとか相当よ。

 

 だから愛想つかされるのよ

 

 ただ有り余った性に対する欲求を弟の俺にぶつけてくるのはおかしいけどね。

 

 

 

 

「リアス、あなた修行しすぎよ」

 

 

 グレイフィアさんがあきれた表情をしながら、頬に着いた泥をぬぐってくる。

 

「魔力も使いすぎ、だからこうなるのよ」

 

 可愛らしくウィンクされる。

 

 来年高校生になる。もうそろそろ原作が始まることにより実力不足に焦っていた。

 

 駒王町で与えられた家の庭で主に肉体方面を絶賛改造中である。

 

 指の一本すら動かないほど体を追い詰めるのが俺のスタイルだ。

 

 なぜなら既にうちには可愛らしいヒーラー役が常駐している。

 

 ドジっ子で着やせするタイプのピュアで誘い受け上手な美少女ちゃんである。

 

 

 風が吹き、彼女の銀糸のような髪が揺れる。 

 

 ふわりと甘い香りが届いた。紅茶と金木犀の混じったような、俺の好きなにおい。

 

「ふふっ、好きになると思った。いい匂いでしょ?」

 

 グレイフィアさんはメイド服姿で覗き込んでくる。過労で動けないが、血流の回っているときに魅了してくるのはやめてほしい。地面に寝ている状態ではスカートの中も胸の谷間もどちらもしっかりと覗けてしまう。

 

 よく見たら、随分色っぽいものを履いていた。紫のレースがふんだんにあしらわれたものだ。わざとこちらを煽るように絶妙なさじ加減で見せてくる。

 

「そんなにまじまじと見つめるなら、もっと甘えてきていいのに」

 

 部屋の鍵は渡してるでしょ?耳元でささやかれるとこそばゆい。

 

 彼女は義弟が一人で人間界に行くのは不安だと主張して、こちらのマンションの一室を入手していた。

 

「いつでも待ってるから、ね?」

 

 ポニーテールにしていた髪を彼女はほどいた。

 

 くいと顎を捕まえられ、唇を吸われる。銀髪がカーテンのように降りてきて、彼女の顔だけを映し出す。

 

 鼻腔に彼女の香りだけが充満した。やわらかい唇は、季節柄少し冷たく、リップクリームで瑞々しい。リップクリームからは少しだけ味がして、彼女が今日最初からキスをするつもりであることが分かった。

 

 味のするタイプのものである。

 

「いいでしょう?まだ一回も使ったことなかったの。リアスが初めてよ」

 

 唇を離すと彼女は少し目を細めながら言う。

 

 こちらの反応を楽しむように、そして自分の感情、欲情をそのままに表情に出していた。

 

「もう一回、ね」

 

 

 今度はしっかりと舌を入れてきた。

 

 ぬるんと長い舌が歯を撫で侵入してくる。彼女の舌は物凄く丁寧に動き回る。

 

 鼻息が額にかかり少しくすぐったい。彼女の指はこちらの顎をしっかりと抑え逃げることを許さない。

 

 気づけば腰に馬乗りにされて上半身の動きも封じられていた。

 

 ずっしりとほどよい重さと温かさを感じる。彼女は女性として優れた体形をしていて、おまけに格闘技をしているから筋肉質でもある。刺さる人には刺さる垂涎もののスタイルをしている。だからもっと重いはずであるが、15歳になるまで彼女の方が体重が上だったのだから。

 

 察されたのか、唇の端を噛まれた。

 

「リアス」

 

 ふと名前を呼ばれただけで背筋が伸びる。幼いころから姉の立場で調教されてきた影響だ。

 

 

 

 舌が口蓋の上や舌の奥、歯の裏側を縦横無尽に動いてくる。何とか応戦しようとするが、反撃する隙はなく舌を弄ばれるだけだった。

 

 嬉しそうに彼女は笑い声をこぼす。そうだ、こちらが反応しようとすればするほど彼女は喜ぶ。そして反応しない場合、こちらの反応を引き出すことを楽しみだすのだ。無敵か、彼女は。

 

 綺麗な小ぶりの鼻の先が何度もこちらの鼻と擦れる。

 

 彼女はキスをする際の、鼻が触れ合う瞬間が好きらしい。

 

 唇をつなげたまま、味わうように首を傾けあるいは首を振り肌の触感を楽しんでいる。

 

 薄く目を開けると視界の端にこちらを盗み見ている数人の女子が見えた。

 

 ここは一軒家の庭だ。外からは塀で見えなくとも、家側からは丸見えである。

 

 見ているのはアーシアと子猫と朱乃。

 

 朱乃は物凄く嫉妬にかられた瞳でこちらを、というよりグレイフィアさんを見ていた。彼女は主君に仕えるクイーンという立場であり、同じ役柄のグレイフィアに師事している。

 

 いずれはグレイフィアさんから俺を奪うため、今は我慢の時なんてことをしっかり宣言していた。

 

「今はこっちに集中して」

 

 ぐいと顔を上に向けられる。

 

 間近に迫った銀色の瞳は鋭かった。

 

 謝罪する暇もなくまた口を吸われる。

 

 啄むように、上の唇を彼女の小ぶりで柔らかい少し上向きの唇で食まれる。

 

「ハムハムするのも私は好きよ」

 

 ぽそりと耳元で囁かれた。その口調には甘さがあった。きりっとした普段の彼女らしからぬ言葉使いはギャップを感じさせる。しかし彼女の性格上、それは意識されて行われているだろう。

 

 彼女はいい性格なのだ。

 

 計算してギャップを作る。それを察知できるだけの関係が俺と彼女のあいだにあることを知ったうえで、敢えてそういうことをする。

 

 こちらがそこまで把握していることを知ったうえで、敢えて行うことで示される愛情表現なのだろうか。

 

「考え事しないで。私の唇の形を覚えて」

 

 するりと彼女の細い指がこちらの耳を触り、首筋から胸元へ走る。

 

 彼女は俺が修行に専念し始めてから、マッサージに力を入れるようになった。それは性的なことも含まれた知識だと思うが、その実力は本物だ。

 

 ちなみに朱乃も同じことをするのだが、彼女のは電気マッサージ付きである。きっと今日は嫉妬にかられているだろうから、相当びりびりしたのがくるはずだ。

 

 彼女から流れる魔力が俺の体を癒していく。

 

 体の表面から奥の方へ彼女の柔らかい体が溶けていく感覚。

 

 脱力させられ、瞳は彼女の美しい顔から離れられない。

 

 サディスティックな笑みが浮かんでいて、本来上に立たれるのは嫌いなはずなのに抵抗する気にならない。確実に彼女に心を掴まれている。

 

 またあの甘い香りが薫った。しかし先ほどとは少し違うにおいだ。少し温かみを感じる匂いは、きっと彼女の体臭と混ざった匂いだ。

 

 よく見れば彼女の頬も紅潮していた。

 

「私も同じよ。リアス、今だけは家族の関係を忘れて」

 

 

 操られたように自分の腕が上がり、彼女の谷間に手が向かう。

 

 同時に彼女の手が俺の下半身に滑り―

 

 

「グレイフィア様。そこまでがよろしいかと。流石に公衆の面前でそれ以上を行うのは公序良俗に反しますわ」

 

 

 冷たい別の女性の声が割って入り、先ほどまでの桃色の雰囲気が霧散する。

 グレイフィアは少しむっとした顔をした後、すぐに元の怜悧な表情へ戻った。

 

 

「そうね」

 

 

「それとリアスを地面に寝かせるのは少し不敬では?」

 

 

 朱乃の眼はギラリと光っていた。綺麗な弧を描く唇の端がぴくぴくと震えている。眉間にも少ししわが寄っていた。

 

 

「あら?それはあなたの関係だとそうね」

 

「でも私とリアスは姉弟よ。だから状況によっては、私が上で彼が下になるの」

 

 私が上で、というフレーズがやけに強調された。

 

 俺が苦手とするのは、彼女の甘美な肉体と愛嬌に溺れたが最後、死ぬまで魂を縛り付けられそうな恐ろしさがあるからだ。

 

 強く彼女は言い張り、ぐいと柔らかいお尻が強調するように腰に押し付けられる。

 

 

 

「姉弟でその親密さは異常では?」

 

 

「愛の在り方はひとそれぞれよ」

 

 

「グレイフィア様には相手がいるでしょ?」

 

 

「口調が崩れているわよ朱乃」

 

 

「今は女王としての在り方を注意される時間ではございませんわ」

 

「そうかしら、今の状況はあなたの実力不足が引き起こしているのではなくて?」

 

 

 キャットファイトが繰り広げられる。その最中もグレイフィアさんの指先はこちらの顔や唇下半身に触れ愛情表現に暇がないため、それが俺の女王の癇に障る。

 

 双方の魔力が高まり、あわや実力行使といったところで涙目のアーシアが割って入り朝飯をとることになった。

 

 

 当然グレイフィアさんも同席し、それにイラつく朱乃の棘のある言葉を皮切りに始まる二回戦目。

 

 昂る魔力の余波で机がカタカタと揺れる。

 

 視界の端で子猫がおやつを賭けてトトカルチョを始めた。賭けの対象は朱乃と義姉の勝敗。

 

 むりくり朱乃に賭けさせられたギャスパーくんちゃん可哀そう。

 

 これで今日の団子は確保されましたじゃないのよ、子猫。意外と余裕ね。

 

 朱乃も結構強くなっている、原作の三倍程度には、只まだ最強のクイーンと同じ領域には辿り着いていない。

 

 

 ゴゴゴと効果音が付きそうな状況に、アーシアは安定のオロオロ。可愛すぎてつい手元の卵焼きを彼女の薄く綺麗な口に突っ込んでしまう。

 

 間接キスに赤面し、目を白黒させる彼女だけが清涼剤だ。

 

 しかし俺の行動が、戦闘状態のお二方の神経に触れ、飛んできた殺気にアーシアは沈黙。

 

 二人にそれぞれ土曜日と日曜日の予定を取られ、ひとまず争いは沈静化した。

 

 懸念事項は多い。特に主人公に対して。

 

 今の状態を一誠君に見られて、果たして協力してくれるのだろうか。頼む赤龍帝よ、力になってくれ。ただし俺の周りの女はやらん。自分の実力で女は勝ち取れ。健闘を祈る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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