南方使節団が帰還した。珍しい土産物を精査していた壬氏は、その中に南方の秘薬が含まれていたのをみて猫猫を呼び寄せる。
もちろん強制的には飲ませるようなことはしない、対価は南方の珍しい『酒』である。
生成AI画像の挿絵を使ったエッチな物語。
どうしたって原作から離れてしまいますが、できるだけ個性は壊さないようにしたつもりです。
最近は生成AI画像が楽しいので、作成したものにストーリーを付けた感じです。
前作の読み切りと多少つながってますので、そちらも一読してもらえたら幸いです。
※※※
南方外交使節団。黄河を下り外洋を航行し遠く南方諸国まで派遣された使節団である。往復で数年かかるケースもあるが、その一行が無事に中華に戻ってきた。
壬氏(ジンシ)はその使節団の話しを聞き、情報を精査するのも大事な仕事の内だった。その他に最新技術や武器なども輸入している。それらの最高機密とは別に使節団は『土産物』も多数持ち帰っていた。
南方の珍しい保存食、酒、そして後宮の女官向けの衣装や宝飾品などである。
壬氏は土産物をチェックしながら、使節団と中身を確認する。
「この丸薬のようなものはなんだ?」
「青い瓶のものは精力剤でございます」
「ほう・・・」
「一粒飲めば、老人でも若者のような輝きを取り戻します」
「では若者が服用すると?」
「朝まで眠れないでしょうな」
「はっはっはっ・・・」
壬氏は青い瓶を開けて中身を確認した。数十粒は入っている。匂いは薬草のもので複雑だ。腹痛の薬と言われたらそんな気もする。皇帝はまだまだ現役のようだが、このような薬を好まれるかもしれない。とはいえ、安全性の検証は必要だった。
「それでこちらの赤い瓶は?」
「はい、そちらは女性用の催淫剤でございます。南方の媚薬です。」
「ほう・・・どう違う?」
「私どもはそこまでは詳しくなく・・・」
「ふむ、わかった。下がってよい」
壬氏は赤い瓶の蓋を開けた。同じく薬草臭い丸薬かと思ったが、こちらは甘い香りもしてどこかお菓子のような気もする。
「まぁわからぬことは専門家に聞くとするか・・・」
思い浮かぶのはあの小柄な薬屋の猫猫(マオマオ)のことである。
※ ※ ※
猫猫が仕事を終え、早めの湯あみを済ませると執務室に来るようにと連絡があった。
「・・・どうもまた嫌な予感しかしないな」
猫猫は少し考え込んだが、断れるはずもなく壬氏のいる執務室に向かった。壬氏に見受けされてから使用人の1人として働くようになったが、比較的自由な時間も多く大好きな薬に触れる時間も多い。
壬氏は優しいが、優しいのは誰に対しても同じだ。自分になんらかの好意をもってくれていそうではあるが、有能なところを買われているのだろうと客観的に思っている。
ただ仕えてわかったことは壬氏が宦官ではないということだった・・・宦官でもないのに後宮に出入りできる男性は、すなわち皇族の・・・それも特別な位であることを示していた。ただ気付かぬふりをして今も仕えている。
日は沈みあたりは暗くなっている。執務室までは高順(ガオシュン)が案内してくれた。
「護衛など・・・」
「いえ、ここは後宮でありません。夜分に万が一の事があってはなりませんから」
「ここだって相当安全な場所でしょう」
「そうでもないですよ、ここは市井とつながっていますし、後宮ほど隔離されておりませんから。不審者がいるときはいるものです」
「・・・はぁ」
政府高官や皇族なども住む外廷とはいえ、確かに隔絶した場所ではない。とはいえ、こんな小娘を相手にすることもないだろうなっと猫猫は思った。
執務室の中はロウソクや油の灯りで灯っていた。壬氏の姿は見当たらない。
「それで、わたしはなんで呼ばれたのでしょう?」
「なんでも南方の使節団が帰還されたとかで・・・」
「酒かな?」
「酒でしょうな。壬氏様は弱いのでほどほどに」
「うんうん。わかっている。酒かぁ~」
「酒の相手に子猫(シャオマオ)を選ぶのは、よほど楽しいでしょうな」
「それはどうだか・・・」
「あと、壬氏様からは言付けがございまして。上の仮眠室でまっているようにとのこと」
「・・・」
「変なことをする人ではないので、そこは御心配なく」
「それはわかっているが・・・」
「では、失礼」
「あっ、待ってください高順様。あの・・・やはり外で待っているのでしょうか?」
「ええ仕事ですから」
「では、もし万が一何かあったら・・・わたしを助けてくださいますか」
「・・・」
「・・・」
「さて・・・何かとは?もちろん身の危険があればお助けしますが、人命の優先度は壬氏様になります」
「強盗は別に心配していないんだが・・・」
「あまり壬氏様を疑うのも不敬にあたりますぞ」
「ふむ・・・すまない」
「それに・・・」
「?」
「もうお気づきになられているのですね」
そこまで会話をして猫猫はやっと自分が失言してしまったことに気が付いた。壬氏が宦官なら女としての身の危険を感じる必要はない。
高順に対してそのような心配を吐露したということは、壬氏の正体に気が付いていると告白しているようなものだった。
「あっ」
「聞かなかったことにしておきますよ。子猫は頭の回転がいい。いずれ気が付くと思ってましたから」
「すみません」
「では、もし万が一そのようなことでお困りになったなら、外まで逃げるか、大声をお出しください」
「・・・頼みます」
高順が頭を下げて執務室から出て行った。
猫猫は1人残されて心細くなった。自分もずいぶんと変ったなと思う。以前は壬氏のことなど綺麗な宦官だとしか思っていなかった。むしろグイグイとくる感じが苦手ですらあった。
でも最近は会うと少しドキドキする時がある。もちろん悟られぬように以前と同じでそっけない態度を示してはいるが。内心がばれないかと不安になる時もある。
仮眠室に入ると小さなテーブルの上には置手紙があった。
『南方より大麦を発酵させた『ラム』という酒が入った。飲みたければ衣装替えをして待っていろ』
「また衣装遊びか・・・壬氏様も変わった趣味をお持ちだ・・・」
以前呼ばれたときは、西方の変な衣装を着させられた。壬氏は強い酒に酔いつぶれてしまったが、この仮眠室で薄衣の夜具を纏って待っていた自分がいる。酔っていたとはいえ思い出しても恥ずかしい。
今回用意された衣装を見るに、奇天烈な国外の衣装ではなく、この中華の貴族が纏う上等な衣だった。おまけに机の上には化粧道具もある。
湯あみを済ませたあとなので、いつものソバカスメイクは落ちている。気が乗らないが多少は着飾れということなのだろう。
(酒を飲むにも少しは見映えのいい女が欲しいのは、壬氏様も男だなぁ)
だったら緑青館でもいけばいいに・・・と思わなくもない。金で困るような身分ではないのだから。
猫猫はあれこれと考えながら衣装を着て、ずいぶんと迷ったが軽く化粧を施した。あまり派手に着飾ることはしなかった。
『コンコンッ』
ノックの音がした。「どうぞ」と声をかけると、扉は開けず壬氏の声が聴こえる。
「薬屋、酒の席は用意した。下に来い」
「はい」
扉を開けて中に入るには失礼と思ったのか、壬氏からは開けてこなかった。猫猫は扉を開けた。
壬氏が立っていた。こちらも風呂あがりとみえる。何を着ても色男ではあるが、ゆるく着た服だと余計に色気があり艶やかだ。男にしておくのは惜しい。
(相変わらずの色男だな・・・宦官でないとなると、なるほど、モテるのもをよくわかる)
一方、壬氏は火の灯りに揺らめいた猫猫を見て顔を赤くして声が出ない。
【挿絵①】着飾った猫猫
「こんばんは。壬氏様。御馳走になりにきました」猫猫は手を前に組んで仰々しく挨拶をした。
「うむ・・・」と壬氏はうなずくだけである。
「どうでしょうか?この衣装でよろしいですか?」
「・・・うむ・・・」
壬氏は口数少なく階段を降りて行った。
(いつもは無駄なことにも多弁な壬氏様だが、こと女を褒めるのは慣れていないような。まぁ別にかまわないが人に衣装替えさせたら一言ぐらい感想があってもいいだろうに)
猫猫は自分のつまらぬ気持ちが女心とは自覚していなかった。ましてや壬氏が自分に照れているなど思いもしない。
一階の広い執務室の隣には小さな部屋があり、そこには丸テーブルとイスが二脚置いてあった。調度品としては一流のものである。
テーブルの上には見慣れぬ食材と、小さいグラス、それに酒瓶が置いてあった。
「まぁ座れ」
猫猫は言われるがまま座った。どんな酒だろうっと内心テンションがあがる。
壬氏も向かいに座って、酒瓶を開けて小さいグラスに注いだ。何とも言えぬ強く甘い香りが広がった。
「ラムという南方の酒らしい」
「・・・ほほう」
「薬屋。酒ならなんでもいいんだろう?」
「いえいえ、美味しい酒に越したことはありません」
「まぁいい、遠慮せずに飲め」
「仕事は?」
「飲もうが飲むまいが、どの道お前には断れない仕事だ」
「では遠慮なく・・・」
「乾杯」
「乾杯」
グラスをグイッと傾けた。喉が灼けるように熱くなった。先日飲んだ葡萄酒の蒸留酒であるブランデーにどこか似ている。アルコール度数が高い。
「くぅ~、強くていい酒ですね~」
猫猫は瞳をランランと輝けせて、グラスを両手でもって壬氏におかわりとねだった。
「おまえはほんとに酒好きだな」
「美味しい酒なら尚のこと」
壬氏はもう一杯ラムを注いだ。自分のグラスにはまだ残っている。前回はぐいぐいと飲んで酔いつぶれてしまった。今回は恥はかきたくない。
特に慣れない種類の酒だと酔いが回るのが早いのもわかった。
「もう一杯を口にする前に」
「・・・はい」
「先に仕事の内容を話しておこうと思う」
「なんでございましょう」
壬氏は青い瓶と赤い瓶を棚から持ってきてテーブルの上に置いた。
「これが南方より持ち帰った秘薬らしいのだが」
「それはまた珍しい」
「南方の薬については何か知っているか?」
「まだ未開の地ではこのように精製された薬など作られていないかと思いました。我々の漢方のように葉や種子などを薬と持ち入ることはあるとは知っていましたが」
「ふむ」
「それで何の薬なのでしょうか?」
「青い薬は精力剤らしい。そして赤い薬は催淫剤・・・媚薬と言っていた」
「南方にもそんなものがあるのですね」
壬氏が猫猫の前に瓶をすべらせたので、猫猫は開けて中の丸薬を1つづつ出してみた。それを手のひらに置いて匂いを嗅いで確かめる。
「何かわかるか?」
「いえ、いくつか利き覚えのある香りはしますが成分まではわかりません」
「まぁそうだろうな」
「効能や内容を記したものはないのですか?」
「ない」
「・・・なるほど」
内容がわかればこちらで複製もできる。複製ができるなら作る工程で安全性もわかるが、こう複雑な丸薬になるとそうはいかない。となると、この薬をそのまま信じるわけにはいかない。
「そもそも精力剤というのは本当にあるのか?」
「ええ、身近なものですと、ニンニクやショウガもそうです」
「ほう。それは知らなかった」
「男性の精力剤は早い話が興奮剤ですから、体が熱くなるような食べ物ならだいたいは精力剤です」
「そんなもんか。しかしニンニクで精力がつくと思えないが」
「それは量にもよりましょう。料理で軽く香りづけするのと、丸ごと食べるのでは違いますから」
「ふむ」
「それに薬としてもちいるなら、乾燥させて粉末にし、他のものと混ぜる事で効果をさらにあがりますから」
「ふむふむ」
「やはり、これを皇帝陛下に?」
「安全で効果もあるとわかればな。話をしないわけにもいくまい」
「それでわたしの出番なのですね」
「そういうことだ」
「しかし、わたしは女でございますから・・・もちろん許可をもらえるなら緑青館で試してもらってきますが」
「いやいい。もう一つきになってな。そっちの女用はどうなのだ?匂いを嗅いだところでは薬のようではないのだが」
「そうですね。女性に食べさせるものですから、お菓子の様に魅力的なものにしたのでしょう。おそらくは砂糖かはちみつを使って甘くしているかと」
「そのように騙して食べさせたとして、効き目のあるものなのか?」
「さぁ。1つは心理的なものでしょう。男側としても女が『その気のはず』と思っていた方が口説きやすいでしょうし」
「ふむ」
「それに、女性も分かって服用しているならその時点で受け入れているわけですから、いつもよりも乱れるふりなどもしやすいかと」
「ははっ、なるほどな」
「女性用の媚薬というのは、そこまで効果の高いものはありません。ただ美容に良いとされるものが多いです」
そもそも男性ほど性的な変化はない。女性ホルモンの摂取は肌艶を良くしたり、感度を上げて濡れやすくする効果はあるが・・・心理的に男性を求めやすくなるというものとは違う。
「ではこの男性用を女性が飲んだり、男性用を女性が飲んでも意味はないのか?」
「いえ、精力剤は女性が飲めばやはり興奮はしやすいでしょう。単純に血行もよくなりますから」
「・・・難しいもんだな」
「薬の効果というのは人それぞれですから、そこまで過度の期待はできないかと」
「・・・そうか」
「がっかりですか?」
「いや別に」
猫猫はそれぞれの丸薬を同時に口に放り込み、二杯目のラム酒で流し込んだ。
「こら、誰が飲んでいいと申した」
「どうせ誰かが毒見するならわたしでしょう?」
「万が一の時があったらどうする。吐け」
「そんなもったいない。大丈夫ですよ。異常があったら吐き戻しますし、わたしは耐性が強いですから」
「おい、仮にだ・・・仮に・・・それが毒でなくて、本当に効果のあるものだったらどうするのだ?」
「効果とは?」
「催淫剤のだ」
「確かに興味ありますね。壬氏様に報告いたしますよ。ところで・・・」
猫猫はグラスを壬氏の前に差し出した。三杯目のおかわりのおねだりをした。
壬氏は呆れて溜息をつき、一杯目のラム酒を飲み、それから自分のグラスと猫猫のグラスに酒を注いだ。
猫猫は薬草などの知識があった。しかしアルコールと薬が混ざると効果が強くなったり、効能が変わることをあまり知らなかった。
※ ※ ※
猫猫はニコニコと上機嫌であり、その笑顔が壬氏にはまぶしかった。それに火の光に揺らめいてどこか色気がある。
「俺も飲んでみるかな」
壬氏は青い瓶から一粒出して、同じくラムで飲み込んだ。味は酒が強すぎてわからなかった。
「それこそ毒だったらどうなさるのです?」
「その時はお前がなんとかしろ」
(そりゃそうだよな。水を飲ませては吐かせる。この繰り返ししか対処法はないが・・・)
それに自分が飲んだところで毒物の可能性はないことがわかった。体に大きな変化はなかった。即効性でなく遅効性の可能性は否定できないが、毒物特有の異変は感じない。第一持ち帰った使節団にしても毒薬を持ち帰るわけがない。現地で多少は試しているはずなのだ。
「ところで壬氏様」
「なんだ?」
「本当に精力剤だったらどうするのです?」
「その時は・・・ふむ・・・お前がなんとかしろ」
「・・・はぁ?」
猫猫は壬氏の正体をうすうす知っている。ところで壬氏側はどうだろうか?自分がまだ宦官と思われているか、正体を気付かれていると思っているか・・・それが猫猫にはわからない。
猫猫からは壬氏を宦官などとは指摘しない。下手をすれば無礼になり首になる。もちろん壬氏はそんなことをしないことはわかっているが失礼なことは言えない。
「しかし・・・なんというか・・・暑いですな」
「・・・そうか?」
猫猫は着物がいつもより厚いせいだと思った。夏の盛りもすぎているとはいえ、まだまだ暑い夜もある。
(いやまて・・・もう寝苦しいほどの暑いはずがない。だいたい今日はそんなに暑くなかった。ここに来る途中も快適ではあったが暑くはなかった。夜になってから暑くなることはないはず・・・)
猫猫はようやく自分の体に異変が起きていることが分かった。あるいは心理的な作用だろうか・・・
『体の芯から熱い』そう感じた。『疼き』のようなものだ。
「あの・・・壬氏様。この上の羽織りは脱いでも構いませんか?」
「それは別にかまわんが?どうした薬屋?気分が優れぬならいってくれ」
「いえ、気分は平気です」
むしろ、絶好調といっていい。なんなら舞いでも踊って歌い出したいぐらいだった。高揚している。
一枚脱いだ。それを軽くたたみ椅子にかけた。服がぴったりとくっついて熱い。だが、これ以上脱ぐわけにもいかない。
「壬氏様・・・この薬は効くかもしれません」
「ん・・・?どっちがだ?」
「それはわかりませんが・・・壬氏様は平気で?」
「俺は別に平気だが・・・」
猫猫は三杯目のラムを飲みほした。四杯目をねだりたいが迷う。やはり慣れない酒で酔いが回りやすいのだろう。ふわふわとしたいい気分になっていた。
「ほれ、4杯目を」
「壬氏様もお飲みください」
「俺は飲むと寝てしまうからな。もう十分だ」
「では、遠慮なく・・・」
ここで飲まねば女がすたる・・・酒好きを自称した手前、猫猫は四杯目を断らずにすぐに飲みほした。酒は美味いが、体はますます火照ってきた。
「壬氏さまぁ・・・ろうそくの火が熱うございます」
「そうか・・・?ふむ、そんな気もするが・・・」
壬氏も妙な熱さを体に感じていた。だがそれは薬による下半身の火照りかもしれなかった。猫猫が着飾ってから・・・あるいは今夜呼びつけたときから感じているものだった。
(これは本物だ・・・)
猫猫は自分の体の変化に驚いた。毒の痺れを楽しむとは違う。体の芯が熱くなって蕩けるようだった。下半身が濡れていると自分でわかった。
「壬氏さまぁ・・・ここは熱いので・・・失礼・・・」
猫猫は立ち上がろうとして、足元がふらついた。酔いが回っている。壬氏が倒れこむ猫猫を支えた。
「おい、薬屋大丈夫か?やはり毒だったか?」
「いえ、毒ではありません・・・これは媚薬の影響かと・・・」
「まさか。効果が?」
「壬氏さまぁ、とにかくこの部屋は熱いでの外で・・・」
「ふむ」
壬氏もだんだんと熱くなってきた。近くで猫猫の香りを嗅ぎ、酒のせいなのか、精力剤のせいなのかわからないが興奮を感じていた。体は若く健全だった。何もなくても我慢するのが大変な年頃なのだ。
壬氏は猫猫を両手で抱え上げた。いわゆるお姫様抱っこの形だ。
「壬氏さま!?」
「外へいくか」
扉を足で開けて、大きな執務室に出た。確かに小部屋の中よりも多少は温度が低いかもしれないが、熱いのに変りはなかった。
「外はダメです。高順様がいらっしゃいます」
(いやいや、いて何が悪いのだ??)と自分でつっこむが思考がいまいちまとまりきれない。体がますます熱くなっていく。
猫猫は両手で壬氏の首に腕を回して抱きついた。壬氏にいい香りがするのは服にしみ込んだ香の匂いだろうか。
「上で、少し横になれば収まります」
「わかった」
華奢に見えた壬氏も男であり、武道も一通りは鍛えているのでたくましかった。小柄な猫猫を抱えて運ぶのは問題なかった。ただ酔いがあるのでやや足元に不安はあった。
それでも無事に二階の仮眠室まで運び、猫猫をベッドに寝かしつけた。
「ふぅ・・・薬屋らしくないな・・・」
「わたしだって一応は女ですから」
「それは知っておる」
「いいえ知りません。壬氏さまぁはわたしを女とは思っていないでしょう?そうでしょう?」
「そんなことはない。お前、酔っているな?」
「ええ、酔っていますし・・・薬も効いているようです」
「・・・薬か、それでどんな具合だ?」
「壬氏さまぁは?効かないので?」
「俺か・・・俺は・・・」
壬氏は素になっていた。一人称が『俺』になっている。それはもう『壬氏』という仮の姿ではなかった。本来の『月の君』と呼ばれる皇族である。
横になっている猫猫がじぃと壬氏を見つめている。
【挿絵②】横になる猫猫
「いや、待て・・・薬屋・・・」
「マオマオといいます」
「ふむ!?・・・マオマオ。お前、俺の正体に気が付いたな?」
「・・・ええ、壬氏さまが何者かは存じませんが、皇族につらなるものでしょう?正体に気が付いた首をお刎ねになりますか?」
「いや・・・俺はお前を殺すようなことはせん。それは誓おう。しかし、気が付いた・・・」
「今はそれどころでなく・・・」
猫猫はベッドの上で体をはしたなく仰向けにした。今は壬氏が欲しい。もちろん経験はなくその甘美なる喜びをまだ知らない。
「薬屋許せ」
壬氏がベッドの上に片膝を乗せ、猫猫に口づけをした。いつのまにか下は準備万端の状態であり、はしたなく服を膨らませていた。
猫猫は初めて口づけをした。別に自分を高く見積もってはいなかった。緑青館で売られるのがせいぜい、あるいは野盗にさらわれた時に手籠めにされても仕方なかった。対した出自でないから、恋した相手に抱かれるなどは夢に思っていなかった。
(・・・わたしは恋をしているのか?)
ぐるぐると回る頭でふと冷静に考えた。壬氏のことをいつから好きだったか、あるいはこれは薬のせいなのか・・・
「壬氏さまぁ・・・熱いのです・・・」
猫猫はもたつく手で、服の留め具・・・トグルを解いた。下着はないので胸が露わになった。
「はぁ・・・はぁ・・・」
吐息が荒い。胸が苦しい。猫猫はもし壬氏がいないなら自分の手で下半身を触って慰めるところだった。今はそれをじっと我慢している。
「・・・薬屋・・・いいんだな?」
「マオマオと・・・」
「・・・マオマオ。いいんだな?」
「・・・はい。今宵は夢でございましょう。それにわたしは壬氏さまに見受けされた時より、壬氏さまのものでございます。どうして断りきれましょうか?」
「いや、断るなら断ればいい、俺は無理になど・・・」
猫猫は壬氏の態度が紳士的なのか、うぶな若者なのかわからなかった。こらえきれずまた首に腕をからめて壬氏を抱き寄せた。
壬氏はバランスを崩して猫猫の胸に顔をうずめる。
(ああ、こんな時には小さい胸はがっかりされるだろうな)
つい忘れていた。こんな風に男を抱き寄せて誘えるようないい体をしていなかった。
【挿絵③】胸がはだける猫猫
壬氏はそのまま猫猫の小ぶりな胸に舌をはわせ、乳首を吸った。
「んっ・・・んんっ・・・」と猫猫から声が漏れる。
猫猫は緑青館の出だけあって性の知識は豊富だった。後宮の妃に講義をしたこともある。未経験とはいえウブではなかった。緑青館では後学のためと称して男女のまぐわいも見ている。何をするのか、どうすればいいのか全部わかっていた。
「はぁはぁ・・・」
壬氏は息をしながら、猫猫の胸を吸ったり撫でまわしたりした。揉むにはいささか小さい。指先で軽く遊ぶように乳首をいじって、猫猫の感じる顔を見ていた。
猫猫は快楽を感じている自分に驚いていた。性の知識があるので自分でしたこともある。しかしそれは悪い感じはしなかったが、こんなにも気持ちのいいものではなかった。どこかくすぐったいだけだった。下半身も同じだった。だから自慰にふけるようなことはなかったのだ。
一方的に感じるのが悔しいわけでないが、自分の感じる顔を見られた猫猫は、壬氏の赤く照れた顔を同じように恥ずかしめてやりたくなった。手を壬氏の下半身に伸ばして、性器を握ろうとした。
「・・・でかい」
思わず口にしてしまった。猫猫の手では親指が他の指とくっつかないほどには太い。それは想像以上の大きさだった。こんな細い体の色男なのだから、やはり細くて美しいものでもついているのかと思った。
手で握っただけでも、それが硬くて大きいのがわかった。
(こんなの入らないだろ・・・指でも痛いんだぞ!?)
猫猫が壬氏の性器を服の上から握りながら動かすと、壬氏の目がとろんとしてきていた。
(これはもう収まらないよな・・・さっきなんかいってたな。その時はお前がなんとかしろとかなんとか・・・)
「はぁ・・・はぁ・・・壬氏さま・・・仰向けになってください」
「・・・分かった」
猫猫は壬氏の経験人数を聞きたかったが聞けなかった。ただあまり豊富な印象は受けない。胸を弄ぶ手や舌が優しいようで荒々しかった。それにたどたどしいのも伝わる。
「いうまでもありませんが、わたしは初めてですので・・・」
「・・・ふむ」
「知識ほど上手くはできませんが・・・」
そういって、猫猫は自分の火照る体はいったんは忘れて、壬氏の服を脱がせた。脱がせるといっても緩く縛った帯を解いて外すだけである。着物はすぐにはだけ、壬氏は裸になった。
(やはり見た目ほど華奢ではないんだな。しっかりと肉付きがある・・・)
目線を下にすると、壬氏の物がすでに反り返っていた。
(でかいっ!冗談だろ・・・)
猫猫はまずは知識通りに両手で包み込むように性器を握った。
※ ※ ※
『いい?マオマオ、男性の皮を下に引っ張ってはだめよ?それ以上は伸びないから痛くなってしまう。上にかぶせるように優しくしごくの』
(梅梅(メイメイ)姉ちゃんが、からかうように言ってたな・・・)
猫猫は手を優しく動かした。反応を見ながら強く握っていけばいいらしい。壬氏は女以上に色気があって、猫猫がみていて恥ずかしくなるぐらい顔を横にして真っ赤になっていた。
(なんだかわたしが壬氏を犯しているみたいだな・・・)
「はぁはぁ・・・」と両者ともに気遣いが荒い。猫猫の手の動きに合わせて壬氏が顔で反応する。
(こんな下手糞がやっても気持ちいいものなんだな?)
猫猫は感じる壬氏を見て、少し冷静になってきた。元来、悪戯っぽい性格なのだ。
(ここからは口でして濡らさないとあまり強くできないんだよな・・・)
このでかいものを口に咥えるか迷った。それは汚いと思ったからではない。思ったよりもでかすぎて口にすら入るかわからなかったからだ。
(まぁやるか・・・)
猫猫は一度手を離した。それから首の当たりの留め具も外して、上半身だけ脱いだ。下まで全部脱ぐのはいささか恥ずかしい。上だって恥ずかしいが、熱さと服の邪魔さがきになったのだ。
それから舌で亀頭の先を舐めた。
『感じるところはね。尿道、それから裏筋ね。先端が敏感で・・・』
(ええぃ黙れぇ!)
まったくろくな環境で育たなかったな・・・と改めて思った。まさか口淫のやり方をここまで詳しいとは思ってもみなかった。姉さんたちが回りでみているかのような錯覚すらおきる。
「うぐっ・・・はぁはぁ・・・」
壬氏は何かを我慢しているかのように感じている。両手を上にしているあたりの仕草がなんとも女みたいだった。
猫猫は壬氏の反応をみつつ、今度は裏筋をゆっくりと攻めていく。鬼頭の回りが感じるらしく、性器はますます硬くなっていくように感じた。
猫猫は片手を自分の股に這わせて確認した。
(おいおい・・・この媚薬は本物だな・・・)
ぐっしょりと濡れて服を濡らしていた。陰核を少し触ったら、電撃が走るかのように気持ちがいい。このまま自慰にふけりたいとすら思った。
続いて猫猫は口を大きく開いて、壬氏のものを口に含んだ。とうてい奥まで咥えられるような大きさではなかった。喉の奥までいれるような技法もあるみたいだが、『今の自分には』できそうにないなと思った。
『唇でカリ首を包むように刺激しながら、舌で鬼頭を舐め、口では吸引するようにするようにして・・・』
(こうでいいのですかね?姉さま・・・)妄想で姉の指導と会話をする。
猫猫は懸命に知識を総動員して壬氏の性器を刺激した。太すぎてこのまま続けたら顎が痛くなりそうだった。
「じゅぼっ・・・」
猫猫は一度咥えるのをやめて、気になったので壬氏にきいてみた。
「壬氏さまぁ。気持ちよいでしょうか?」
「・・・」
「あの・・・下手すぎてわからないのですけど」
「・・・」
「じんしさまぁ・・・」
「ああっ」
壬氏は横向いたままうなずいた。
「なら続けますよ・・・?」
「・・・」
返事がない。「くぅ・・・」という何か苦痛にでも耐えているような声をときどき出すので気持ちいいのだろう。なら別に問題はないのだが、どこまですればいいのかがいまいちわからない。
再びテカテカに輝くようにでかくなった鬼頭を口に含んだ。舌の動きがよくわからないが、前後に動かしてカリ首を唇で刺激する。
涎でベトベトになったので、さっきよりもずっと動かしやすい。両手で陰茎をもって激しく動かしていく。強く握ってもスムーズに動くし、壬氏が痛がっている様子もないので大丈夫なのだろうと考えていた。
(あご痛いんだが・・・これ、どうすればいいんだ?)
(どうするも何もするしかないよな・・・)
(入るんか・・・?これ・・・)
「ジュボジュボ・・・」とリズムの悪い音を立てながら、猫猫は迷っていた。そろそろ挿入してもいいが怖い。
緑青館では最初の客はベテランと決まっていた。客が妓女に手ほどきするのが慣例だ。
(わたしが主導でするには限界があるが・・・)
猫猫が考え事しながら、手を激しく動かしていると、
「うぅ・・・マオマオ・・・」
壬氏がうめき声をあげて、名前を呼んだ。
「ふぁい?」
口に咥えたまま返事をしたので、思わず変な口調になってしまった。
『びゅっ』と、音が鳴った気がした。口に温かいものがあふれ出した。
「はひゃっ!?」
猫猫は慌てて咥えていたものを離すと、白い精液がまた盛大に2度3度飛び出した。驚いたがどうやら壬氏を射精まで導くことに成功したらしい。
(さすが姉ちゃんたちだな・・・的確なアドバイスだった)
驚きながらもまじまじと見つめてみると、実にでかい。まるでそこだけ生きているようにみえた。蛇に例えられるのがよくわかる形をしていた。冷静になってみると口の中に広がった精液の味がしてきた。苦味がある。魚の白子が同じものだと知っていたが甘さがない。
「べぇ・・・」と猫猫は口に含んだ精液を手に吐き出した。飲みたい好奇心もあったが少し気持ち悪い。
当たりを見回したが手を拭けるような紙がないので、すでに汚れてしまったシーツで手を拭いた。
(まだ脈打ってる・・・)
けれど小さくなる気配はあまりなかった。少しくったりとしているが壬氏の性器は大きさを保ったままだった。
(もともとでかいとか・・・いやいやそんなはずはないな)
(わたしとしては役割は果たしたし、あとは壬氏様に任せよう・・・)
猫猫はじぃーと壬氏の性器を見つめて観察していた。
「壬氏さま・・・いかがでしたでしょうか」
「・・・」
「初めてでいまいちわからなかったですが」
「・・・」
「あの・・・壬氏さまぁ?」
壬氏は無言のまま上半身を起こした。猫猫は口淫に夢中で忘れていたが上半身はすでに裸である。
「マオマオ・・・」
壬氏はそのまま猫猫を抱き寄せた。そしてそのまま口づけをまたした。
(うわぁ・・・今咥えていたのに・・・)
「いけない口だな・・・」
「・・・」(汚いといったら失礼になるのだろうか?)
続いて壬氏は猫猫をベッドに寝かせた。それから猫猫の胸を両手で優しく包み指ではじいて遊ぶ。
「俺はまだ・・・」
「好きにしてください」
「・・・ふむ」
壬氏は猫猫の服をすべて脱がせた。猫猫はシーツの濡れている部分が冷たいのが少し気になった。
攻守入れ替わって・・・というわけでもないが、今度は壬氏が上になっていた。猫猫は壬氏に見つめられて気恥ずかしくなってきた。だいたい見られて喜ばせるような裸ではない。
シーツをめくって胸を隠した。
【挿絵④】胸を隠す猫猫
「なぜ隠す?」
「お見せするような大層なものは持ち合わせておりませんので」
「そうか・・・なら・・・」
壬氏はそれを無理に剥ぎとろうなどと野暮なことはしなかった。
「あっ・・・あっ・・・」
思わず声が漏れた。壬氏が猫猫の秘所を触ってきたのだ。その指は細く繊細だった。壬氏も心得ているとみえ、直接陰核などには刺激せずに周りからゆっくりと触れていた。指の第一関節までの浅い深度で内部に挿入し、猫猫の反応を伺っている。
「痛くはないか?」
「・・・はい・・・」
(くぅ・・・壬氏様に弄ばされるのはなんか腹立たしいが、こいつ・・・さっきと違って上手いな)
壬氏は焦る気持ちを押し殺して、優しく優しく猫猫の秘部を触り、反応が良さそうなので陰核にも触れた。
「あああっ・・・」と猫猫の体に電気のように快楽が走った。さらに指の先だけで内部をぐるぐるとかき混ぜる。猫猫は少しの痛みも感じたが、快楽がまさる。
くちゅくちゅと音が立つことからもだいぶ濡れているのが自分でもわかった。
「はぁはぁはぁ・・・くぅ・・・」
「まいったな・・・薬屋」
「なんでしょう?」
「もう少しゆっくりとお前を気持ちよくさせてやりたいのだが・・・」
グイッと、壬氏は性器の先を猫猫に押しあてた。もう硬さは完全に取り戻している。
「我慢ができぬ」
「御意のままに」
「一度出せば少しは落ち着くと思ったんだがな・・・」
話して気をそらしながら、猫猫の中へと押し入った。
「痛いぃ・・・くぅ・・・」
十分に濡れているようで、内部はそうでもないのか、壬氏の侵入を拒む。それでも無理矢理押し広げるように挿入していく。やっとの思いで鬼頭のまで入った。
猫猫は半泣きである。痛みには耐性があるのでぐっと我慢する。あまり痛い痛いといっても壬氏を困らせる。最初はそういうものだと聞いているし、覚悟もあった。
「痛いか?」
壬氏の問いかけに猫猫はうなずくことしかできない。
先っぽだけをゆっくりと出し入れする。それでも気持ちのいいものだったが、奥へといれたい衝動はだんだんと高まってくる。一方で猫猫は目を固く閉じたまま涙が溢れている。
ときどき動きを止めて、指先で陰核を刺激する。それには猫猫も反応して体をのけぞるように感じていた。
「これは気持ちいいんだな?」
猫猫はやはりうなずくので精一杯だった。さっきまでぐるぐるといろんなことを考えていたが、今は何も思い浮かばない。姉さんたちのアドバイスも浮かんでこなかった。ただ壬氏の体が熱いのを感じていた。
壬氏は陰核を愛撫しつつ、ゆっくりと挿入していった。だいぶ動かしたおかげで内部もしっとりと濡れている。
猫猫は快楽を感じていたが、やはりでかくて硬い異物が挿入してくる感じだけが強くなっていった。押し広げられる感覚よりも、貫かれる痛みが勝った。とてもじゃないが交わいが気持ちいいものとは思えなかった。
壬氏は猫猫が苦痛に耐えているのを申し訳ないなと思いつつも、もう止めることはできなかった。猫猫が手を上に上げてベッドの木枠を掴んでいるのに対して、もう抑えられていないシーツを剥がした。
全裸の猫猫の体は小柄でどこかまだ子供っぽいところがあるが、腰はくびれているし、腕を上げたことで横乳のラインは綺だった。十分に女である。しかし、ほっそりとした体つきはどこか背徳感もあった。
傷つけるような事はしたなかったので、猫猫を抱かないようにと思っていたが、いざはじまってみたら気遣うこともできなくなってきた。
壬氏は猫猫が泣いているがやめることもできず、ただただ深く挿入していった。
「あぐっ・・・」猫猫のうめき声が漏れる。
もう痛いか?などと聞いてもしょうがない。見れば痛いのはわかる。
「すまん」
壬氏は謝ってから猫猫を抱きしめた。頭を抱えるように抑えて、腰を動かした。
「痛っ・・・くぅ・・・」
「はぁ・・・はぁ・・・」
それはもう止められるようなものでなかった。ゆっくりとしたら痛くなくなるのだろうか?それともできるだけ激しく動かして早くイッてしまった方がいいのか、それすら壬氏にはわからない。
今はただ快楽に身をゆだねて激しく腰を振るだけだった。
「あっ、あっ、あっ・・・」と壬氏の腰の動きに合わせて、猫猫の口から吐息がもれる。「痛い」という言葉すらでなくなった。顔は涙でぐしょ濡れになっていた。
壬氏はだんだんと絶頂を迎えようとしているのが分かった。腰はますます激しく動かした。できることならずっとこうしていたいと思いつつ・・・
「出るぞっ・・・・」
「じんしさまぁ・・・!!」
【挿絵⑤】感じる猫猫
猫猫は木枠を離して壬氏の背中に抱き着いた。痛みしかないが、どこか喜びもある。不思議な感覚だった。
「はぁはぁ・・・はぁ・・・・・はぁ・・・」
あんなに激しかった腰の動きがゆっくりになり、やがて止まった。猫猫は下腹部にじんじんとした痛みを感じていた。
「じんしさまぁ?」
「はぁ・・・・はぁ・・・はぁ・・・マオマオ」
「終わりました?」
「ああ」
しかし壬氏はすぐに抜こうとはしなかった。中に何度も大量に出しながらも、まだ猫猫の中にいたかった。
猫猫はさっきまでつよく圧迫していたものが縮んでいくのが感じてとれた。しかし、精液の温かさや量などはぜんぜんわからなかった。
いつまでたっても抜こうとしないので猫猫は困惑した。これで壬氏は二度果てたはずだ。
「壬氏様・・・そろそろ」
「薬屋、大事な話をいいそびれかもしれん」
「はい?」
猫猫としては裸であることはもう恥ずかしいとは思わなかったが、流石に挿入して交わっている状態で会話するのは恥ずかしかった。
「なんでもあの精力剤なんだがな・・・若い人が飲むと朝まで眠れなくなるらしい」
「・・・?どういうことですか?」
「すまんが、このまま付き合ってもらうぞ」
「はい!?」
ジンジンとする痛みを感じながら、マオマオは壬氏が何を言っているのか理解した。なぜならまた膣内を押し広げて硬くなっていくのを感じ取ったからだ。
(おいおい・・・冗談じゃないぞ)
猫猫は焦った。自分としてはけっこう満足していた。それに薬や酒への耐性が強いせいか、少し冷静になりつつある。
(そういえば壬氏様は酒に弱かったな・・・もしかして薬もよく効いて・・・あっ)
壬氏がまた腰を動かし始めた。でも、今度は激しくなくて、さっきよりもゆっくりだった。
(気持ちよくはないが、痛みはさっきよりはひどくないな)
しかし、だんだんと復活してきた壬氏は腰をまた激しく動かしはじめ・・・
※ ※ ※
「あああっ~~~!」
という声が外まで聞こえてきた。
「・・・」
高順は2階を見上げた。それから、溜息をひとつ付き、もう今日は猫猫を送る必要もなさそうだと悟り、家路についた。
月は綺麗に輝いていた。
【了】
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