【サタイサR-18】「マッチングアプリでマッチングしたら好きな人が来た……」 作:駒由李
原作:勇気爆発バーンブレイバーン
タグ:R-18 ボーイズラブ 二次創作 腐向け 腐レイバーン サタイサ モブイサ
▼タイトルはあれです、「出会い系で出会ってみたら糞仲悪い同僚が来たww」です 内容もちょっとオマージュしてます
pixivより転載
どうしてこうなったのだろう。カーペットの上で正座をしながら、イサミは降り注ぐ怒りの視線をひたすら浴びるしかない。
場所は勤務地の県外の、ゲイOKのラブホテルの一室。イサミは私服で、彼の前に仁王立ちする男――サタケも私服だ。私服のサタケもかっこいい、などと考える余裕は今のイサミにはない。
そもそもどうしてこんな状況に陥ったか。原因はイサミのポケットに収まっている携帯端末のためだ。
イサミはゲイのマッチングアプリを利用していた。彼は元々ノンケだった。それがアプリを利用するようになったのは、偏にこの目の前の男に惚れてしまったからである。
直属の上司で、同性で、14歳も年の離れた人。
イサミとしては想いを告げるわけにいかず、しかしサタケに抱かれたいと言う気持ちも抑え切れず。妥協案としてサタケに似た男に抱かれることにした。
自衛官として鍛えられて引き締まった身体のイサミはアプリでも入れ食いで、相手には不自由しなかった。ただ30代後半の相手を選ぶと、既婚者ゲイあるいはバイの男性が浮気に利用してくることもある。それが、イサミには辛かった。
サタケの年頃ならば、とっくに結婚して子どもがいてもおかしくないのだ。なぜ独身なのかがわからない。それを思うと、既婚者ゲイの相手は避けたかった。
職場でも休み時間にちょくちょくアプリを開いては好みの相手を漁っていた。1度その意中の相手に背後から声をかけられたことがあって飛び上がったこともある。そのときはただ肩にゴミがついている、というだけだったが……。――イサミは後悔する。恐らく、サタケが知ったのはこのときだ。
数日後、アプリを見ていたとき、好み――つまりサタケ似――ドンピシャの、口から下、肉体の相手を見つけた。即座に自分の画像付のメッセージを送る。返事が来た。浮かれながら、イサミはいつも利用している県外のラブホテルに先に赴いたのだった。
イサミはいつになくテンションが高かった。この前の相手はあまりサタケに似ていなかった。今回は期待できそうだ。部屋の電話に相手が来たと連絡が来る。インターホンが鳴り、イサミはいつもの無表情のまま、しかし心はうきうきと扉を開いた。
そこに立っていたのは、リュウジ・サタケその人だった。
一気に蒼褪めた。
どうぞ、と言う余裕もなくそのままサタケは押し入って来る。扉が閉まった。1度閉まるとフロントに連絡しなければ開かない仕組みだ。ジーザス。イサミの心の中のアメリカ人が嘆いた。
「アオ三尉」
サタケはどんな命令違反をしても出したことのないような重低音で言った。
「はい」
「そこに正座」
「……はい」
そして冒頭に至る。
そうしてしばらく黙っていたサタケは、溜息交じりに言った。頭を掻きむしる。
「まず、携帯端末を勝手に見てしまった……と言うか覗いてしまったことは悪かった。偶々見えてしまったんだ。ただ、それのおかげでお前の行いを知れたんだが」
「……ッス」
「いつからやってる」
「……去年……」
「あのな、まず、自衛官……公務員としての自覚を持て。出逢いを求めるのが難しいのはわかるが。特にお前の場合、その、同性の方がいいんだろうし」
「……っ」
それは誤解だ。サタケがいいから、サタケに似た男に抱かれたがっていただけなのだ。結果としてゲイと言うことになるのだが。イサミはそこまで考え唇をかみしめる。言えない。ここまで来ても、イサミは自分の気持ちを秘するつもりでいた。
流れが変わって来たのはこのときからだ。
「それで、覗いてしまったときの画像を見たんだがな。――俺に似ている、と言うのは気のせいだったか?」
「――っ」
「まさかと思いつつ同じアプリで、他の画像を参考にして撮った画像を載せてアップしたら案の定お前が真っ先に釣れたし」
「……」
「あのな、アオ三尉」
サタケは言った。
「俺に抱かれたいならそう言え」
「……は?」
思わず、ずっと俯いていた顔を上げて呆ける。パニックを起こした。
「は? え? 今なんて」
「復唱する。俺に抱かれたいならそう言え」
「――言えませんよ、そんなの」
イサミはパニックのまま、思わず目尻に涙を浮かべて言う。
「だってあんた抱いてくれないでしょう。今日こうして来たのだって、俺を叱責に来たんじゃ」
「――ほう」
すぅ、とサタケは息を吸った。怒鳴られる、そう身構えたときに、不意に小さな風が起きる。
……正座したイサミの前に、真顔のサタケがしゃがみ込んでいた。
「お前は、そのためだけに俺がわざわざマッチングアプリに登録したと思ってるのか? 呼び出して問い質せば済む話なのに?」
「え」
「俺が抱きたいんだから抱かせろ」
そして、嚙みつくようなキスをした。
体格のいい男2人が、ベッドを軋ませる。サタケがイサミ自身を乱暴に扱いていた。
「あっ、隊長、隊長っ」
「なんだ、慣れてるんじゃなかったのか? これぐらい」
「やっ……そんなこと言わないでくださいっ……」
サタケは乱雑にイサミ自身を擦っていたが、イサミにあまり堪えた様子はない。寧ろサタケの言葉に傷付いている様子だった。それがサタケには腹立たしかった。サタケはその腹立ちのままに言葉にする。
「俺に抱かれたくて仕方なかったんだろう? だから他の男で間に合わせようとして……本当にどうしようもないなお前は」
「……っ」
イサミの目尻に再び涙が浮かぶ。惚れた相手に罵られている、と思っているのだからそれは当然だろう。それでもその惚れた相手に自身を扱かれて、それが嬉しい。相反する感情にイサミが戸惑っていると、サタケは言う。
「去年からだって? それまで何人の男に抱かれて来たんだ。色々されてきたんだろうな、お前の元の性的嗜好がどうだったかは知らんが、処女を奪った相手だっていたんだろうな」
「……隊長?」
何となく、サタケの様子がおかしい気がした。もしかして、まさか。そんな気持ちを抱きながら、イサミの口から思わずその疑問をついて出た。
「……もしかして、嫉妬、してくれてます?」
「当たり前だろうが。年の差階級差性別乗り越えて惚れたお前のことなんだぞ」
イサミは目を瞬く。今、盛大に愛の告白を受けた気がする。扱く手がいつの間にか止まっている。半端な状態で屹立している自身がやや苦しかったが、それでも聞かずにはいられなかった。
「……俺のこと、好きなんですか?」
「あぁ、こうしてお前を抱く口実が作れたことが心の底から嬉しいぐらいにはな! お前はどうなんだ、アオ三尉」
「あの、あの、この状況で言うのもなんだか間が抜けてるんですけど」
イサミはそれでも言わずにはいられなかった。
「好きです、惚れてます、愛してます、隊長」
「……そいつはよかった」
「んぅっ!」
不意にイサミ自身の亀頭に指が埋められる。刺激を欲して半端なままだったそれに強いそれが加わり、イサミは堪らず射精した。勢いのいいそれはサタケの顔も白く汚した。
「あ、すいませ……」
「……活きのいいことだ」
思わず謝るイサミに、サタケは凶悪なほどの笑顔を浮かべた。それにイサミが一瞬怯んだのは致し方のないことだった。本能の問題である。
「んっ、ふ、ん……!」
イサミは枕を抱き締めて喘ぐ。
サタケはイサミの後孔に自身を挿入していた。ぐい、と押し込む度にイサミが喘ぎ声を押し殺す。サタケはそんなイサミに苦笑する。
「声、抑えなくていいんだぞ。ここはラブホだし、俺しかいない」
「隊長だからこそ聞かれたくないです、恥ずかしい……――あっ!?」
――不意に、サタケのそれがイサミの中で太くなる。サタケの声が低い。
「……そういう可愛いこと言うな。またお前の今までの男に嫉妬したくなる」
「そのことはもう忘れてください……! やっ、あ」
「いいや忘れない。いいか、あとでちゃんとアプリの登録解除して削除するんだぞ。俺の目の前でやれ」
言いながらピストンしはじめるサタケに、イサミは意識が茫洋としてきたがそれでも薄暗い歓喜のようなものを覚える。――心底惚れた相手に、嫉妬される。それはなんて甘美だろう。
尻に腰を打ち付けられる度に喘ぐイサミに、サタケが覆い被さって来る。そして耳元で囁いた。
「……イサミ、愛してる」
「っ、俺もです、リュウジさん……!」
絶頂した。
さて、その後2ラウンド、風呂場で3ラウンドとなり、その後チェックアウト間際に「そうだ、アプリを削除しろ」と言って来たサタケに、腰を痛めていたイサミはその年齢不相応の体力と気力に呆れながらもアプリをアンインストールするのだった。
End.