気がつけば謎の空間にいた男。そこでは女の子のキャラクターを自由に作ることができた。明晰夢を見ていると思った男は、見た目や特徴などを設定する。すると、なぜか自分がその女の子になってしまった。しかも、現実にも設定が反映されてしまい……。

pixivとのマルチ投稿です。

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喪女化はやれ!!


理想の女の子を作ろう!

 

 

「あれ、ここどこだ。」

 

気がつけば真っ白な空間にいた。

上下の間隔もない、体がふわふわ浮いているような感覚もする。

ただ、こんな異常事態だというのに、全く焦りの感情が湧いてこない。

 

「なんだこれ、夢?」

 

ふわふわ浮かび?ながら考える。

いわゆる明晰夢ってやつだろうか。

夢だと自覚できる夢。

聞くところによると、夢を自在に操れるようだが……。

 

「むむむ、なんかでろ!」

 

ーーポン!

 

「うわ!なんかでた!」

 

適当に念じてみると、目の前にゲームウィンドウみたいなものが現れた。

自分の身長くらい馬鹿でかい。

 

「ん?なんか書いてあるな。

ん~、『理想の女の子を作ろう!』だって?」

 

まるで何かのゲームみたいだ。

タイトルから察するにキャラクリ系のゲームなのか?

 

……なんで?

確かにゲームは好きだけど、こんな奴に手を出したことはない。

気づいてなかっただけで、実は興味があったのかな?

 

ボーっと画面を眺めていると、急に画面が切り替わり全裸の女の子が出てきた。

 

「うわっ!びっくりしたぁ。」

 

目の前にいきなり全裸の女が現れたらだれだってビビるだろう。

ビビるついでに、じっくりと体を眺めてしまう。

 

「なんか、ゲームのモブみたいだな」

 

女の子は確かに美人なのだが、

なんか地味というか、特徴がないというか。

少なくともタイプではないな、とか考えていると、どこからともなく音声が流れだした。

 

『見た目を自由にカスタマイズしましょう』

『想像すれば、あなたの思い通りになります。』

 

「思い通り、か。」

 

う~ん。いきなり言われてもな。

とりあえず、胸をおっきくしてみようかな。

 

ーーむくむくっ

 

「おぉ!でっかくなった!」

 

なんて親切設計なのだろう。

普通くらいだった胸が、一気に巨乳のAV女優並みになった。

 

「面白くなってきたぞ……。」

 

俺はあれこれ妄想しながら女の子の体をカスタマイズしていった。

 

……。

 

「よしっ。こんなもんだろう。」

 

どれだけの時間がたっただろうか。

そこには見事な美少女がいた。

 

足元にまで届きそうな長い髪をツインテールでまとめている。

色はピンクとパステルブルーのグラデーション。

いわゆる、ゆめかわ系だ。

 

顔もそれに合わせてかわいい系。

ぱっちりとした目は、髪と同じ色をしている。

パステルブルーが基本で、瞳孔がピンクのハート。

ちょっとしたアクセントとして、口元にほくろを付けてみた。

 

身長は低め。

AV女優並みのおっぱいをそのままに、

いや、むしろもっと大きくして目立たせる。

 

 

「……やりすぎたかな。」

 

我ながら性癖を詰め込みすぎだ。

こんな女がリアルにいたら、生活することすらままならないだろう。

自由に、しかも簡単にカスタマイズできてしまうので調子に乗ってしまった。

しかし、後悔はない。

 

「んー!しかし疲れた。いくら夢とはいえ時間をかけすぎたな~。」

 

夢の中に疲れや時間という概念があるかは分からないけど、なんかそんな気分だ。

やり切った感がすごいとも言える。

しばらく完成したアバターをぼんやり眺めていると、また音声が聞こえた。

 

『次は詳細設定に移ます。』

『名前、年齢、特技など、複数の項目がありますので設定してください。』

 

「え~、まだあるの?もう疲れたんだけど。」

 

さすがにもう飽きてきた。

もともとキャラクリなんて適当に済ます派だし、満足感もある。

さっさと夢から覚めたいとまで考えているのに……。

 

『では、ある程度こちらで設定しますが、よろしいでしょうか。』

 

「あ~、はいはい。じゃ、それで。」

 

ちょうどいい機能あるじゃん。

というか、俺の夢なんだからそんくらいやってくれ。

 

『設定が完了しました。これ以降、変更はできませんがよろしいでしょうか。』

 

「おっけー、おっけー。」

 

『承知いたしました。それでは、同期作業に移ります。』

 

「ん?同期?何するんだ?」

 

そう思ったのもつかの間、目の前からアバターが急に消えてしまった。

 

「ぁ、ぁれ……。……きゅ、きゅぅに消ぇちゃった……。」

 

突然今にも消えそうなか細い声が聞こえた。

いや、ちがう。

 

「ぇ、ぇ?……こ、こえ……が、変。」

 

これは俺の声だ。

 

「どっ……どう、なってるん……だ。」

 

訳が分からない。

しゃべり方もなんか変だ。

なぜか、しゃべろうとするたびにどもってしまう。

 

ーーダプンッ

 

「ぅ……ぉ、おも……ぃ。な、なん……だ。」

 

突然3キロの重りを持たせられたかのような衝撃が走った。

重さにつられるよう下を向く。

 

「ひぃ……。ぅ、うそ……。」

 

おっぱいだ。

そこには巨大なおっぱいがプルプル、と震えていた。

足元すら隠す大きなおっぱい。

これには見覚えがある。

 

「ぁぅぅ……。ぅうそ……だ。」

 

認めたくない。

そんなわけない。

視界の端、ピンクとパステルブルーがちらちら動いているのも気のせいだ。

 

『同期が完了いたしました。こちらが現在のお姿です。』

 

「ぁ……。」

 

音声とともに、またゲームウィンドウが出てきた。

そこにはさっき作った女の子が映っている。

さっきと違うのはその表情。

無の顔から、真っ青な顔に変わっている。

 

恐る恐る、自分の顔を触ると、画面の女も同じ動きをする。

俺、女の子になってる……!

 

「はぁ……、はぁ……。かひゅ……。」

 

恐怖で呼吸が乱れる。

それだけじゃない、この体が貧弱なんだ。

うまく息が吸えない。呼吸が重たい。

まさか。

 

「……こ、このお、おっぱい……の、せい……?」

 

きっとそうだ。

おっぱいが重すぎて息できないなんて、間抜けすぎる……。

なんでこんな大きくしてしまったんだ。

これじゃあほんとに日常生活さえまともに送れない。

 

「……ぃ、いや、……こ、こんな……す、すがた……。」

 

『変更はすでに不可能です。』

 

無機質な音声がとどめを刺すかのように言い放った。

なんで、これは俺の夢だろうが。

なんで思い通りに……。

 

……あっ。

そうだ!これは夢だ!

いつの間にかこれが現実かのように錯覚していたが、しょせんは夢。

 

「ぁ、あはは……。び、びっくりして……そ、そんしたぁ。」

 

『これにてキャラクリエイトを終了いたします。』

 

「ふ、ふふ。……ぃ、今だけ……なら、た、楽しめる……かも……。」

 

『それでは、現実世界へお送りいたします。』

 

「……へ?」

 

『さようなら、田中 愛音(らぶりー)様。』

 

俺は気を失った。

 

◇◇◇◇◇

 

「ぁ、ぁぁ……。そ、そん……な、ゆ、夢じゃない……。」

目が覚めると、すべてのモノが変わっていた。

体は女のままだし、見たことのない部屋にいる。

か弱いしゃべり方もそのままだ。

 

「……こっ、ここ、どこ……だよ……。」

薄暗い部屋だ。

カーテンは完全に閉じきっており、光が一切入ってこない。

少なくとも、今自分はベッドの上にいることだけはわかる。

しばらく動けないでいると、暗闇に目が慣れてきたようだ。

 

「……きっ、きたない……。ち、散らかりすぎ……だろ……。」

部屋は漫画やお菓子の袋、脱ぎっぱなしの服でごちゃごちゃになっている。

 

「とっ、とりあえず……、でんき……つ、つけよう。」

足の踏み場もない中を、するすると迷いなく歩いき、スイッチを押した。

明かりが汚い部屋を照らしている。

 

おかしい。

俺の部屋はもっとキレイだったはずだ。

こんな部屋、見覚えすらないというのに。

なぜか、俺はその光景に安心してしまっていた。

「……わ、わけわかん、ない……」

 

部屋に初めて入ったときのような不安感。

住みなれた部屋にいるような安心感。

2つの気持ちが混ざり合い、頭がおかしくなりそうだ。

 

「な、なにか……ない、かな……?」

じっとしていられなくなって部屋をあさることにした。

本棚を見ると、そこは漫画でいっぱいになっている。

読んだことがないジャンルなのか、どのタイトルも聞き覚えがない。

ただ……。

「……き、きになる……。」

さっきからタイトルに惹かれて仕方がない。

そんな場合ではないのに、体が勝手にちらちら目線を送ってしまう。

……一冊、一冊だけならいいよね。

 

「ふへっ、……ふっひ、ふひひひっ……。」

 

……はっ!すっかり読みふけってしまった。

気がつけば周りには漫画本が散らばっている。

 

「……お、おもしろかった、なぁ……。」

ついつい余韻に浸ってしまう。

可愛い女の子が怪物たちと戦う漫画。

ちょ、ちょっとエッチなシーンもあるけど、心が躍った。

 

そうだ、俺みたいな変な髪色の子がヒロインで、それに惹かれて読み始めたんだった。

俺と違ってみんなから慕われて、愛されていて。

これを読んでる間は、いじめられている現実を忘れられた。

 

……ん?

 

頭にあふれてきたのはこの本との思い出。

いじめられていた俺を支えてくれた、そんな内容の思い出だが。

「……な、なに……、この記憶……。しっ、しらない……!お、おれ、こんなの……しらない……っ。」

 

怖い。自分が自分でなくなっていくような感覚。

少なくとも俺はオタクよりではあったかもしれないが、いじめられたことなんてない。

そもそも、いじめの原因が髪の色だ。

男の姿は黒髪だったので矛盾が生じる。

 

なんとなくわかってきた。

俺はスキップしてしまったので詳しく知らないが、

夢の中では見た目だけじゃなくて、ほかにも設定されたことがある。

たしか、名前、年齢、特徴とかだったはず。

その設定が今の自分に反映されているんだ。

 

今はまだ、自分が男であった記憶は残っているが、いつまでもつのか……。

その内違和感すら感じなくなって、完全に忘れてしまうんじゃ……。

 

「いっ、ぃやだ……。」

少しでも痕跡を残さないとっ。

何かメモ、メモできるものはないのか。

 

辺りを見回すと、スマホがあった。

さっきの漫画のキャラが決めポーズをしているカバーに、バキバキに割れた画面。

俺のスマホだ。これにメモしよう。

 

慣れた手つきでロックを解除すると、一通だけメールが届いていた。

送り元は『理想の女の子を作ろう』。

「……ぇ、こ、これってぇ……。」

俺がこの姿になった原因だ。

……無視はできないか。

 

ーーーーゴクリ

 

俺は恐る恐るメールを開いた。

 

 

◇◇◇◇◇◇◇◇

田中 愛音(らぶりー)様。

 

この度は『理想の女の子を作ろう』をご利用いただきありがとうございました。

理想の女の子にはなれたのであれば光栄です。

これまでの人生は、愛音らぶりー様が設定したプロフィールに矛盾が出ないよう改変いたします。

改変された記憶は、順次消されていくのでご安心ください。

それでは、今後の人生をお楽しみください。

 

以下に、愛音らぶりー様が設定したプロフィールを載せております。

ご確認ください。

 

【名前】

田中 愛音(らぶりー)

 

【年齢】

30歳

 

【経歴】

○○小学校卒業

○○中学校卒業

 

【特技】

なし

 

【趣味】

・漫画

・女児アニメのコスプレ

・エロ垢で投稿

・オナニー

 

【特徴】

・ひきこもり

・毛深い

・匂いフェチ

 

以上

◇◇◇◇◇◇◇◇

 

「……な、なに……これぇ……。」

そんな……。

これが、私になるの?

それに、プロフィールに矛盾がないようにするって……。

このままじゃ、ろくな過去しか生まれないよ。

 

「ぅう”……、ぁ、あたまが……。」

い、痛い……。なにかが、流れ込んできてる……。

これは、記憶だ……。

もう改変が起こっているの!?

 

「ぁ、ぁぁ……。」

それはまるで、映画の回想シーンのように、私の頭の中に流れ出した。

 

小学校から中学校まで、ずっといじめられていた。

途中から引きこもりになったせいもあって高校に進学はできず、今日までずっと引きこもり生活。

 

お金は私の体のおかげで何とかなった。

私は、ほとんどの栄養がおっぱいに行ってしまう奇病にかかっていて、たまに身体検査されるだけで大金が手に入るからだ。

まぁ、そのせいで身長は低いままだし、大きいおっぱいのせいで日常生活も送りずらい。

 

引きこもり生活でハマったのは女児アニメだ。

日曜の朝にやっているそれは、私と似た姿の女の子が活躍しているから大好きだった。

好きが高じて、いつの間にかコスプレまで……。

そして、それに引きずられるようにオタクと化したんだ。

 

オタ活をしてるとお金がどんどん減っていった。

でも、引きこもりの私にできるお金稼ぎなんて限られている。

配信や動画投稿も試したがうまくいかず。

どうしようもなくなって、おっぱいを前面に押し出した投稿をすると、一気に登録者が増えていった。

そのアカウントはバンされちゃったけど……。

エロサイトならお金が稼げると気づいた私は、ドンドンエロいものを投稿するようになった。

 

そんな生活を続けていくうちに、いつのまにか30歳になってしまった。

今更生き方を変えることなんてできない。このまま一人野垂れ死ぬんだ。

 

……。

 

……うそだ。こんなのウソだよ。

流れてきたのは最低の人生だった。

引きこもり?奇病?コスプレ?エロ配信?

あまりにも元の自分とかけ離れた人生で、頭がクラクラする。

 

それに、30歳って……。

回想の通り、ここからまともな道なんて進めないことは分かってしまう。

 

ーーグニグニ クチュクチュ

 

「ぁ、あへぇ……。ぇ?な、なんっ……で?」

気づけば体が自然にオナニーしていた。

そうだ、引きこもり生活ではやる事がなさすぎて、暇さえあればオナニーを……って最悪だよっ。

意識を強く保ってオナニーをやめる。

うわぁ、もう手が愛液で汚れてる……。

一度お風呂に入ってすっきりさせよう。

 

男であったことをメモするなんて、怒涛の展開ですっかり忘れてしまいお風呂へ向かう。

 

◇◇◇◇◇

 

お風呂場の鏡には今の私の姿が写っている。

「……ひっ、ひどい……。」

 

その姿は、キャラクリしたときとはずいぶん変わっていた。

いや、現実に合わせた表現になっているんだ。

 

可愛らしい顔に設定したはずだ。でも印象がどこかきつくなっている。

たぶん目のクマが原因だろう。ろくな生活習慣を送っていないことが分かるほど濃い。

そのせいで、どこか眠そうというか、不機嫌そうな顔になっているんだ。

 

ツインテールはほどかれていて、足元まで伸びた髪をそのままにしている。

ギトギトだし、枝毛だらけですごく汚らしい。

せっかくの髪色もくすんでいる。

腋毛や陰毛も伸びっぱなしになってるし……。(というかここもピンクとパステルブルーだ)

 

何よりひどいのはその体つきだ。

暇さえあればオナニーしていたというのは比喩ではないみたい。

乳首は黒い色素が沈殿していてなんだか汚い。

おまんこも、おっぱいに隠れて見えていなかったが、毛がボーボーだし、開きっぱなしで黒いビラビラも見えている。

いわゆるグロマンとはこれを言うのだろう。

 

というか、全体的に体がたるんでる気がする。

おっぱいには張りがなくて少し垂れてるし、おなかにもお肉が……。

まぁ、30年間ろくに運動もせず引きこもっているから当たり前だけど。

むしろ、奇病のおかげで成長も控えめになってるから、これでもマシな方だ。

だから大丈夫、大丈……夫。

「……だっ、大丈夫なわけ……ない、でしょ……っ。」

危ない。意識が引っ張られていた。

なるほど、こんな体になるわけだ。考え方がお気楽過ぎる。

なまじ、危機的状況が体一つで何とかなってきたからだろう、頭空っぽで能天気。

中学校すら引きこもってまともに通ってないから、現実の厳しさを知らないんだ。

 

意識を、意識を強く保たないと。こんな喪女に人格を取られたら本当に終わってしまう。

とりあえず、この汚らしい体を何とかしないと。

たぶん、しばらくお風呂に入ってないよ、これ。

「すんすん……、く、くさい……。」

本当にひどいにおい。

熟成されたというか、甘ったるすぎるというか。

「すーっ。く、くさっ……。ふ、ふひっ、さいていだぁ……。」

 

ーークチュクチュ

 

さいてい。ほんとにさいてい。

脇のにおいなんか特にやばい。

酸っぱいにおいが鼻にきて、くっさいはずなのに癖になっちゃう。

おまんこなんてにおったときには……。

「……すん。うっ……お、おぇ……。くさっ、ふへへっ。くさしゅぎぃ……。」

 

ーーグチュ、グチュ

 

これ、おまんこ、やばすぎるぅ。

ゴミみたいなにおい。こんな匂いが、私の、女の子の大切な部分から……。

「ふ、ふごっ……。ふへっ、ふへへ……。イ、イっちゃう……っ。」

 

ーービクッ ビクッ

 

ふひっ。また自分のにおいに興奮しちゃった。

においフェチだからついついお風呂サボってにおいためちゃうんだよね。

さて、もう一回くらいオナニーし~ちゃお。

 

◇◇◇◇◇

 

「ふひぃ、ふひぃ……かひゅっ。……んふ~。」

……はっ。また意識を乗っ取られてた。

あの後、結局3回くらいオナニーしちゃった。

目の前の鏡には、全身から汗をかいた臭そうな女がにやけた面をしている。

これが……、今の私……。

気持ち悪い女のはずなのに、

最低な喪女のはずなのに、

なぜか見とれてしまう。これが私だと思うと、体の奥からほってて来るような……。

やばい。なにか、やばい。これ以上鏡を見るのはやばい気がするっ。

そのまま見とれていたいという気持ちを理性で抑え、お風呂から飛び出した。

 

……飛び出したはいいものの、どうしよう。

う~。手がべちょべちょだ。

それに、すごいにおい……。熟成された、女のにおい。

ふへっ……たまんな……ってだめだめ!

これ以上は本当にだめだ。

私は手についた愛液を腰で拭うと、くさいにおいのまま元居た部屋へ逃げ帰った。

 

◇◇◇◇◇

 

「……っ。ぁ、改めて、見ても、や、やっぱりき、汚いなぁ……。」

部屋に戻ると、相変わらずの汚さに言葉が漏れる。

でも、さっきよりも安心感を感じる気がする。

たぶん、部屋の解像度が上がったんだ。

はじめは何が何か分からなかったけど、今は目につくものすべてが何かわかってしまう。

 

この散らばった漫画は面白いやつ。これは微妙だったやつ。

このお菓子の袋は私の好きなやつ。昨日寝っ転がりながら食べた記憶がよみがえる。

このおもちゃのステッキは……20周年記念の!こんなところに落ちてたんだぁ。

 

って、また意識が引っ張られてる。

いつの間にかステッキ握りしめてるし。

こんなの、ただのおもちゃなのに……。もう私、30歳なのに……。

持ってるだけで幸せな気持ちがあふれてくる。

あぁ、コスプレしたい……。

ミラクルステッキ(20周年グッズ)で、ミルルちゃん(アニメの主人公)のコスプレしたいなぁ。

衣装、どこにやったっけ。

結構前に着てからの記憶がないなぁ。そこら辺に放り投げたままだと思うんだけど。

 

ーーーーガサガサ

 

「……ぁ、あれぇ……ないぃ……、な、なんでぇ……。」

絶対この服の山にあるはずなんだけどなぁ。

これはリンちゃん(別アニメのキャラ)のだし、これはメアたん(別アニメのキャラ)のだしぃ。

「すんすん……、ふひっ。さ、さすがにお洗濯しないとぉ……、だめ、かも……。」

なかなか香ばしい香りだ。あとで、あとで洗濯しよう。

 

「ぁ、あったぁ……、よ、よかったぁ。こ、これ……ふひっ、た、高かったんだよねぇ……。」

あちこち掘り返してようやく見つけたっ。

ちょっと、いや、だいぶよれよれになっちゃってるけど。

これを買うまで大変だった。

あの時は毎日配信でリクエストをきいてたなぁ。

でかいディルドでオナニーさせられたり、下品なダンスを踊らされたり。

さすがにもうあんなことはしたくないなぁ。

「で、でもぉ……ち、ちやほやされるのはぁ……ふへへ、悪くなかった、かもぉ……。」

次の配信ではまたリスナーからのリクエストに応えちゃって……も……。

 

「うぅ……。……ま、また、体にひっ、ひっぱられてるぅ……。」

だんだん意識を保てる時間が少なくなってる気がする。

嫌だ……。こんな喪女になんてなりたくないのに。

まずい、まずいけど、どうすることもできない。

なにか、この状況を何とかする方法を考えないと……。

 

ーーーーフニフニ クチュ

 

「……んっ、……お、おほぉ……。ま、また……お、オナニー、しちゃってるぅ。」

まともに考え事もできないのか、この体はっ。

気を抜けばすぐに手がおっぱいとおまんこをいじりだしちゃう。

 

「……ふぅ、ふぅ……。しゅ、集中できないぃ。」

さっきからおっぱいとおまんこが疼いてしょうがない。

……一回、一回だけ、オナニーしちゃおうかな……。

む、ムラムラも収まんないしぃ、一回すっきりさせた方が頭が働くかもだしぃ。

 

ーーーームニィ グチュッ グチュッ

 

「ふへへ、……き、きたぁ……。」

やっぱり、ちょっと我慢した分いつもより気持ちいい。

親指くらいの真っ黒乳首はびんびんだし、グロマンもびちゃびちゃになって喜んでる。

「……そ、そうだ……、せっかくなら……。ふひっ、ふへへ……。」

いいこと考えちゃった。

 

◇◇◇◇◇

 

「ま、魔法少女、み、ミラクル☆ミルル、こっ、ここに見参っ……。」

鏡の前で決めポーズをする。

「……ふへへ……、や、やっぱりこの衣装……かっ、かわいい……なぁ……。」

目の前には魔法少女が映っている。

髪がまとまらなくて、雑にくくられたツインテール。

サイズがあっていなくて、胸の部分がパツパツになっている衣装。

生地が薄いせいもあり、真っ黒ででかい乳首が透けている。だらしないお腹も丸見えだ。

真っ白なはずの手袋には汚れが目立つ。特に指先。

どのように使っていたのかが透けて見える。

 

「……で、でも、ミルルちゃんとは……ぜ、全然違うなぁ……。」

身長も、衣装も同じはずなのに、全然違う。

ミルルちゃんはこんなに胸は大きくないし、おなかも細い。

髪も同じなのに、こっちの方が断然汚い。それに、こんなぎこちなくて、にやけた笑顔じゃない。

こんな喪女、ミルルちゃんじゃない。このきもオタの名前は……。名前は……。

 

「……へっ、変態女、田中♡愛音(らぶりー)、ここに見参っ……。」

脇を見せつけるように両手を頭の後ろで組む。踵をくっつけながらしゃがみ込んで股を開く。

これが私の決めポーズ。

もじゃもじゃの脇とおまんこからフェロモンを出して、みんなを発情させるのだ。当然、私も発情する。

隙を作ったなら、次は必殺技だ。

「……んふ、お、オナニーチャージ開始ぃ……。……んほぉお。」

んぎぃ、ち、乳首潰すのきくぅ……。手袋でおまめ擦るのもやばすぎぃ……。気持ちよすぎて息できないよぉ。

あぁ、やばいぃ。私、変態すぎるぅ。

「かひゅっ……ふぅー、ふぅー。ふひっ、……く、くるぅ、きちゃうぅ~。」

もう限界だ。

「さっ、30歳、コスプレゴミ女のくっさい汁をくらえぇ。……ひっ、必殺ぅ……おほっ。おっ、おまんこ♡シャワァァッ……。」

本気汁を部屋にまきちらす。後のことなんて考えてない変態オナニー。これが一番気持ちいい。

「かひゅぅ~、かひゅぅ~。ふへっ、ま、まだまだぁ……。」

1回だけ、そう思っていたことなんて忘れて無様なショーは続く。

 

◇◇◇◇◇

 

これが彼女、田中愛音(らぶりー)(30)の日常。

毎日だらだら過ごし、気ままにオナニーをする。まじかに迫った人生の詰みポイントなんて考えない。

もっとも、心を入れ替えて就活したとしても、パステルカラーの地毛やおっぱいだけ大きい貧弱な体でまともな仕事先なんて見つからないだろう。適当な設定をした時点で彼女は詰んでいたのだ。

 

今なお必死にコスプレオナニーに励んでいる彼女は、2度と彼に戻ることはなかった。

 

 




閲覧ありがとうございました。

よかったらpixivのアカウントものぞいてみてください。
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=21412457

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