【ToLOVEるダークネス】 ToLOVEる ルナティック ~ティアーユ先生の妊娠、そして出産に至るまで~ 作:テコキハジメ
原作:ToLOVEる
タグ:R-18 ToLOVEる ティアーユ 御門 ティアーユ・ルナティーク 御門涼子 結城リト 孕ませ 中出し 妊娠 出産 学園 保健室 爆乳 ToLOVEるダークネス 数値 データ
サプライズもあるよ!
※pixivにおなじのもある
──深夜2時、彩南高校。
日中は元気な生徒や違う意味で元気な校長らの声がどたばたと鳴り渡るにぎやかな学び舎も、さすがに草木も眠る丑三つ時にもなると誰の気配もなく不気味なまでにシン──と静まり返り、翌朝の生徒たちの登校を待つだけになっている
──はずであった。
1階の保健室。そこだけが厚いカーテンが閉められているもののわずかながら照明の光が窓から細く差し、人がいる気配を漂わせていた。そして──静寂を破るかのようにその部屋の中にガチャリ、という音が室内に響く。
扉を開けて入ってきたのは、二つの人影であった。
「……結城くんは大丈夫なの? ミカド?」
「まあ、大丈夫、とは言えないわね」
保健室に入ってきたのは、いつもの白衣を身にまとった女性──御門涼子である。
「彼にはご注文通りの薬を飲んでもらったから、さすがに正常、とは言えないわね」
「……」
「フフ、でも……」
涼子が口に手を当てて笑みを浮かべる。
「ティア、あなたがそんな下着持ってるとは思わなかったわね」
「こ、これは……その、これから、するわけだし、それに……」
ティアーユは顔を赤くして下を向いた。
「その、結城くんに、少しでも興奮してもらえたら、と思って」
「いじらしいわね……ティアらしいわ。そんなエッチな下着を着てるティアとか、初めてみるものね」
「エッチじゃないって! か、かわいいやつだって!」
「ウフフ……」
真っ赤になって怒るティアーユ。涼子の言うとおり、彼女は保健室のベッドの上に寝そべり、そして──その身にセクシーな黒のレースの、96cmのIカップやくびれたウエスト、そして90cmの肉のたっぷり詰まったヒップを強調するようなセクシーランジェリーを身にまとっていたのである。
「買う時すごい恥ずかしかったんだからね……サイズ合わせしなきゃいけないから、ネット通販じゃなくてお店で買わないといけなくて……」
「……まあ、その意気は買うわ。でも……ほとんど意味はないけどね」
涼子はそう言うと、同時に入ってきたもう一人のほうを向く。
「だって彼、そういうのに興奮するっていう判断ができるかすら……わからないもの」
「……フー、フーフー……フゥー……」
そこにいたのは、両手両足を拘束され、黒い目隠しとマスクをさせられた──結城リトである。
「……ごめんね、結城くん」
「さて、最後に確認するわ。この拘束を外したら……しばらくは彼、止まらないわよ? 本当にいいのね?」
「ええ。覚悟はできてるわ」
「そう。ここにいると私まで襲われるかもしれないから、立会いもできないわよ?」
「大丈夫」
「……わかったわ」
涼子が軽くうなずき、リトの手足の拘束を解き、マスクを外し、そして──最後に黒い目隠しを取る。
「フゥー……フウウ!!」
「結城くん……」
「ウガァァァ!」
「あっ、わ、私じゃないって! あっち、あっち!」
拘束が解け動けるようになった途端に涼子を見て手を伸ばそうとするリトに向かい、彼女がティアーユのほうを指差すと──リトがゆっくりと彼女のほうを向く。
「ウウウ……」
「じゃ、じゃあがんばってね。しばらくしたら様子を見に来るから……」
ガチャリ、と扉を締め、涼子が保健室から慌てたように出ていく。
「……」
「ウウウウ……」
保健室に残ったのは、ティアーユとリトだけであった。
「……こうでもしないと、目的は果たせないものね」
ティアーユが自分を納得させるようにひとりごちる。彼の目の前にいる結城リトは、いつもの──破廉恥なことに巻き込まれつつも、女性を大事に思う正義感の強い好青年ではなかった。
「ウウ……」
リトが警戒するようにティアーユのもとににじり寄る。その姿こそ赤い髪に中肉中背のいつもの様子だったが、目はほぼ白目を剥き意識がないかのように見え、口は口角をあげまるで目の前に獲物をみつけた野獣のように涎を垂らしている。そして幾人の女には見られてきたもののまだ未使用のチンポは──その巨大な姿をひけらかすように、大きく、長く、そして反り返るように勃起しきっていた。
「ひっ……そ、そんなに大きいの……」
「ウウウ……」
ティアーユが通常の高校生男子とは比較できないほど巨大なリトのチンポを見て驚愕する。だが、これは──リトを騙し、こんな状態にしてまで自分がやりたいことのためには、克服しなければいけないことなのだ。
「だ、大丈夫よ……」
ティアーユがベッドに横になったまま上半身を起こし、そしてはしたなく大股を開き下腹部を見せつけるようにぱかりと開く。
「わ、私はもう準備万端だから、結城くん、来てもいいよ……」
「ウウ……」
「ま、まだ警戒してるの? じゃあ……」
ティアーユは決心したように黒いIカップのデカブラを脱ぎ、そして少し躊躇したのちに黒のレース下着を脱ぐと、一糸まとわぬ姿になり──そして両手をリトに向かって開く。
「ほら……私、何も着てない。大丈夫、結城くんを傷つけるものは何も身に着けていないから──そ、それに……」
ティアーユは、もし"目的"がなければやらないような大胆な行動──片手を自分の秘裂に添わせると、すこし指をうずめ、クチュクチュといやらしい音を立てる。
「こ、こんなに準備ができてるの。結城くんの……お、おチンチンをここに受け入れて……あなたの赤ちゃんを妊娠する……のy」
ティアーユが誘惑のことばを言い終わる、その直前であった。
「ガアアアアアアアアッ!」
「きゃああっ!?」
リトが突然ティアーユに飛びかかり、彼女が思わず叫ぶ。目の前のメスが自分に危害を加える気がなく、それどころか──自分と繁殖をしたがってるという意思を感じ取ったリトがその野生の本能を解き放ち、ティアーユに襲いかかったのである。
「ちょ……結城くん……イタっ……ら、乱暴にしないで……」
「グウウウウウアアアッ!」
「わ、私逃げないからっ! そんな抑えつけなくてもいいからっ!」
リトが目の前の繁殖対象を逃すまいとティアーユを上から抑えつけ、そして──巨大なチンポを、ティアーユが──薬であらかじめ発情するように準備していた──濡れそぼった秘裂にピタリ、とあてがう。
「ゆ、結城くん……私、その、は、はじめてだから、やさしくs」
「ゴアアアアアアッ!」
「アアアアアアアアアアアアアアアッ!」
聞く耳を持たないとばかりに野獣のような咆哮をあげたリトが、一気にティアーユの──初めて男を受け入れる腟内に強引に侵入し、その薄い処女の証を一瞬で切り裂いて膣奥へ迫る。
「い、痛っ……それに何この圧迫感……お腹破裂しちゃい……ああっ……」
「グウウウアアアアアッ!」
「いやああああああああああああっ!」
切り裂かれたばかりの入り口、そして初めて侵入を許す腟内は突然現れた蹂躙者によって激しく突きかき回され、今まで感じたことのない触感にティアーユが絶叫する。
「おねがい……結城くん、もう少し……もう少し優しくて……」
「グウウウウウ……」
「何も抵抗しない、何も邪魔しない、好きに動いてもいい、だから……もうすこしゆっくり……」
「ゴオオオオオッ!」
「あああっ!」
リトが野獣のようにただただ欲望に忠実に腰を振り、そのたびにティアーユが絶叫する。成熟した大人の身体を持つティアーユの腟内でさえ完全に収まりきらないリトの巨根が膣奥を突き、そしてそれを引き抜くたびに身体を裏返されるような衝撃に、ティアーユはただただ声をあげるしかなかった。
そして──
「グ、グウウウ……」
「あっ、結城くん……出す、のね?」
「……」
「うん、いいよ、いっぱい出して……今日は、そのために準備してきたんだから……」
「オオオオオオッ!」
リトが吠える。言葉を理解したのかはわからない。ただ──目の前のメスが自分の血を残したい、というオスにとっての最大の歓喜を要求してきたことは理解したようであった。
「オオ、オオ、オオオオオッ!」
「い、いいわっ! 出して、出してぇ!」
「オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!」
ドブウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウッ!
「ひ、ひやあああああああああああっ!」
ティアーユがその──今までよりもさらに奥の、チンポが入らない身体のさらに奥に燃えるように熱い精液を浴びたことを感じる。リトがその巨根から、勢いよくティアーユの子宮めがけて大量射精したのであった。
(す……すごい……)
ティアーユがその熱さに驚く。
(こ、これが生物がずっとしてきた繁殖活動なのね……この熱く重い命の迸りが新しい命をつな ぐ……これが、妊娠……)
「グゥウウウ……」
大量の精液を注いだリトが、それまでの咆哮をやめ、ガックリと首を落として唸り声をあげる。
「……お疲れさま、結城くん。ごめんね。君の意思を無視してこんなことしちゃって……もしかしたら君もはじめてだっt」
「グウウウ……」
「へ……っ?」
首をがっくりとさせていたリトがその首をゆっくりともたげ──
「オオオオオオオ……」
「ちょ、ちょっと結城くん! あ、あの……もう済んで……え、ええっ!?」
ティアーユの膣の中に収まったままのリトの巨大なチンポが、再び硬さを取り戻していく。
「え、ま、まだするの……ちょ、ちょっと……わたしもう……あああっ!」
「ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!」
困惑するティアーユの身体を再び抑えつけたリトは、その欲望のままに──再び腰を激しく振り始めた。
「……ィア……」
「……」
「ティアーユ、起きて……」
「う、うううう……」
ティアーユが目を覚ました時に目の前にいたのは──御門涼子であった。
「ミカド……?」
「大丈夫? ティア……」
「え、ええ……私は大丈夫だけど……つッ!」
下腹部に走る鋭い痛みにティアーユが思わず声をあげる。恐る恐る己の体を見てみると──リトに抑えつけられた時のものであろうあちこちにある赤い痣、涼子がかけてくれたのであろう胸元を覆うタオル、そして──
「……私、した、のね」
「ええ」
ティアーユの股間からは、まだぬくもりを感じるほどの熱さを持ったどろどろとした白い粘り気のある精液が──破瓜の血と混じり合いながら桃色がかった色を見せて、小さい泡を浮き立たせてぶしゅ、ぶしゅと流れでていたのである。
「……すごいわね」
「ええ。もう私のナカに入り切らなかったみたい。こんなに流れ出てるのに、お腹の中が重くてしょうがわないわ……あっ!」
ティアーユが焦ったように言う。
「結城くんは!? 結城くんは大丈夫なの!?」
「ええ、私が来た時、まだあの子もう気絶しているあなたを襲っていたから、眠らせて家に帰しておいたわ。ここへ来てまだ2時間くらいだし、外もまだ暗かったから、美柑ちゃんにもバレていないと思う」
「そう……良かった……」
「ティアは大丈夫なの?」
「大丈夫じゃないけど……」
疲れ切った様子のティアーユが微笑む。
「これで多分目的は果たせると思うの」
「……そうね」
「ミカド、ごめん、これからあと1年くらいだけど、つきあってくれるかな?」
「ええいいわ。親友であるあなたの頼みだもの。それに……」
「それに?」
「ふふ、なんでもない」
先ほどあそこまで激しく男女がまぐわったとは思えないほど静かに、落ち着いた保健室。その室内に──夜の終わりを告げるように、登ったばかりの朝日の光が、静かに差し込んできた。
その日の日中──
「で、あるからして──」
「ぐおおおお……ぐおおおおお……」
「この動物の生態は……」
「ごおおおおお……」
「あ、あのね、結城くん……」
「ちょっと、結城くん!」
バシッ!
「いって!」
古手川唯のビンタで、大いびきをかいていたリトが慌てたように目覚める。
「ど、どこだここ!? 教室!?」
「結城くん、授業中に居眠りしてイビキかくなんて、ティアーユ先生が困ってるじゃない!」
「え、俺寝てたの!? 気づかなかった……!」
「ウソおっしゃい! 気持ちよさそうに寝てたわよ! まだ1時間目だってのに!」
「い、いや~、昨日いつも通り寝たはずなのにさ、眠くて眠くて、身体が重くて……」
「ど、どうせハレンチなことを考えて夜まで起きてたとかでしょ!」
「昨日はしてねーよ!」
「じゃあいつもはしてるのね! ハレンチだわっ!」
「あ、あのね……」
「アハハハハ、まーたやってら」
唯とリトのいつもの口喧嘩に笑うクラスの生徒たち。しかし──
(ごめんなさい結城くん、本当にごめんなさい……)
彼がなぜそんなにも疲れているのか、そして眠いのかを知っているティアーユは──リトに心の中で謝っていた。
その時である。
「きゃあっ!?」
「だから結城くんが……え? ティアーユ先生、どうしたんですか?」
「い、いやなんでもないの。結城くん、もし耐えられないようだったらミカドのところにいってね。さすがにイビキが大きいから……」
「はい、先生……すんません……」
ティアーユが思わず声をあげたのは、目の前にいる結城リトから昨晩散々に注ぎ込まれた彼の精液の残りが、急に秘裂から漏れ落ち──黒いストッキングの中をツーッと伝っていったからであった。
──1か月後。
「その後の調子はどう?」
「うーん……」
生徒の気配も大分薄れつつある夜の学校の保健室にいるティアーユが、目の前に座る涼子の質問にぽつりぽつりと答える。
「……今月の生理が、遅くなってるの」
「それ、遅くなってるんじゃないかもしれないわね」
「……かもね」
「確かめてみる?」
そう言うと涼子は、何やらえたいの知れない銀色のスティックと、そこからケーブルで繋がった銀色の立方体の──モニタがついた箱を取り出す。
「ちょっとおなか出してみて」
「うん」
少なくとも見た目は全く変わらないティアーユのおなかを涼子がスティックで撫でていく。
「……これね。見てくれる?」
「ん?」
ティアーユが覗き込んだモニタに映っていたのは、テレビの病院ドキュメントなどでよく見る超音波検査のような画面で──そして、自分の子宮あたりに小さな白い塊が映る。
「これなの?」
「ええ。少なくとも着床はしたみたいね」
「……こういうの、ドラマとかで『妊娠三ヶ月です』とか言うじゃない。そのくらいまでわからないのかと思ってた」
「それは私の技術力ね。とりあえず……」
涼子が髪をかきあげる。
「おめでとう、と言っていいのよね」
「ええ……」
ティアーユが少し下を向く。
「……結城くんには少し申し訳ないけど、ね」
「まあ、自分の知らない間に初体験をして、しかもパパになってるなんて知らないものね」
「そうね……」
「しかし」
涼子が足を組み替え、ティアーユに向きなおる。
「話を聞いた時は驚いたわよ。まさか結城くんの赤ちゃんがほしい、だなんて」
「とても気になっているの。彼のことが」
ティアーユが一息いれ、話しだす。
「彼の破廉恥気質……いやいやらしいことに遭う可能性を引き寄せる力は天文学的可能性だわ。おそらく彼の遺伝子に、何かそういう情報が混じっているに違いないの」
「だから調べたいというわけね」
「ええ。でも彼自身を連れ去るにはあまりにも……彼を愛している子が多すぎるしね。もしそうした場合、ヤミちゃんがどうなるか、とか想像できないわ」
「だから半分だけでも、というわけね」
「ええ。私の遺伝子が混じってしまうけど、それでもと思ってるの。あ、もちろん実験動物のように使うつもりはないわ。私の子として大切に育てたいの。……ごめんなさい、ムチャなことに巻き込んでしまって」
「いいのよ。あなたの言うことだし。それに、私も少し興味あるしね」
「結城くんに?」
「……も、そうだけどあなたにもよ。彼の子を孕んだあなたがどうなっていくのかもね」
「お、お手柔らかにね」
「ふふ」
二人は──柔らかな笑顔で、笑いあった。
──御門涼子のカルテより 2ヶ月め──
ティアーユ・ルナティーク
167cm 56kg 96(I)/56/90
→ 167cm 56kg 96(I)/58/90
ティアの妊娠が発覚してから2ヶ月が経過した。まだ母体にはあまり変化は見られない。ウエストが大きくなったのは、子供のためだと思ってたくさん食べてしまったかららしい……それ、単に食べるための理由付けだったんじゃないの、と思いつつも、まだつわりなどは起こってないらしい。栄養を採れるうちにとったほうがいいのは、その通りね。
──御門涼子のカルテより 3ヶ月め──
ティアーユ・ルナティーク
167cm 56kg 96(I)/56/90
→ 167cm 58kg 96(I)/65/90
3ヶ月が経過。ティアの言うとおり、一般的には妊娠が発覚するのがこのくらい。ティアの腹部は見た目にも少し膨らんできたみたい。先月違うのは、どうやらつわりに苦しんでいるそうで──あまり食べられていないようで、そこは少し心配。そして──
「……校長はなんて言ってた?」
「ええ、『ウッヒョー妊婦さん最高! ティアーユ先生のマタニティー姿早くみたぃ~!!』ですって」
「……らしいわね」
「父親が誰か、とか全く聞いてこなかったわ。それに産休を取ることも了解してくれたわ。『産休で代わりに来る先生って萌え萌え~! 複雑な顔をする生徒の前に新しく現れる美人の新任代員教師……!』って、なんか一人で興奮していて……」
「あの人、聖人なのかダメな人なのか、本当にわからないわね」
「とりあえず生徒たちにも、今日言うわ」
「……結城くんの顔が見てみたいわね」
「やめてよイジワルは」
「ごめん、ちょっと興味が、ね♪」
ティアーユが妊娠したことは2年A組の皆に、彼女の口から伝えられた。喜ぶララ、驚く春菜、相手を聞こうとして唯に殴られる猿山──といつも通りの光景であったが、結城リトは一人その喧騒に参加することもなく、ただ優しげな目でティアーユのことを見つめていたのである。
──御門涼子のカルテより 5ヶ月め──
ティアーユ・ルナティーク
167cm 56kg 96(I)/56/90
→ 167cm 62kg 99(J)/78/93
妊娠発覚より5ヶ月。安定期に入り、見た目も少しずつ妊婦さん、という様子になったのが観察できる。ただ、普通の妊婦とは違うことが起こっているようで──
「あのね、ミカド」
「どうしたの?」
「……母乳って、もう出るものなの?」
「……基本的には出産後に出るものね。早い人だと妊娠中に出る人もいるけど、実感として普通は出ないわ」
「この間授業してて……ちょっとバランスを崩しちゃってね、机に胸が押し付けられちゃったんだけど」
「大丈夫? 一人の身体じゃないんだから気をつけて……」
「母乳が少し、染み出ちゃってね」
「ええ……」
涼子が顎に手を当てて考え込む。
「さすがに早すぎるわね」
「ええ、ちょっと下着にも滲んじゃったものだから、授業終わったあとにあわててトイレへ駆け込んで、ってところだったわ」
「まあ、バレても問題はないだろうけど、猿山くんとかには少し刺激的かもね……」
「ええ、それに早すぎて心配する人もいるかも、と思って。しばらくは秘密にしてね」
「私のほうも検診する時に注意するわ」
「うーん……結城くんの破廉恥パワーが強すぎる影響? だったりして」
「まさか、たとえそうであってもまだ5ヶ月の子がそんな力を……」
「……無いともいいきれないわね」
涼子の真剣な顔つきに、ティアーユもうなずくしかなかった。
──御門涼子のカルテより 8ヶ月め──
ティアーユ・ルナティーク
167cm 56kg 96(I)/56/90
→ 166cm 71kg 103(J)/94/95
妊娠から8ヶ月。ティアはいかにも妊婦、という大きなおなかを抱えて登校中。あと1ヶ月くらいで産休に入ることを校長には伝達済。5ヶ月目に少し滲んだという母乳は──まだ出続けているようで、ティアの話によると、家でお乳を絞ってから出勤しているとか。それでも授業中や休み時間にふとしたアクシデントで母乳が出ていることがバレてしまいそうになるそうで。私が仮定した、結城くんの破廉恥パワーが胎児であっても発動し、それがティアに影響している──という説も、まんざら嘘ではなくなっていることを実感している。そして──
「ふぅ……よいしょ」
「すっかり妊婦さんね。もうお腹もこんなに丸くなって……」
「ええ、もう毎日歩くだけでも大変なの。世の中のお母さんってこんなに大変なんだって……」
「それを実感するにはまだ早いかもしれないわね。あ、そうそう。大切なことを伝えておくわ」
「?」
妊娠発覚の時に使った装置で、涼子がティアーユのおなかを撫でる。
「これが赤ちゃんなんだけど、わかる?」
「……なにが?」
「2人、いるの」
「!? ふ、ふたご!?」
「そうよ、あなた……一度に2人のママになるみたいね」
「どうりでお腹が大きすぎると思ったわ……ね、ねぇ性別はわかるの?」
「わかると思うけど、聞く?」
「うーん……どうしよう……やっぱり……おしえて?」
「男の子と女の子の双子ね」
「……男女両方のデータが取れるわね」
「そういうところはやっぱ研究者なのね、あなた……」
──御門涼子のカルテより 9ヶ月め──
ティアーユ・ルナティーク
167cm 56kg 96(I)/56/90
→ 166cm 73kg 109(J)/99/97
妊娠9ヶ月。いよいよ産休に入る時が来た。全校集会での挨拶が待っている。
「え、ええ……皆さんもご存知だとは思いますが、産休に入られる先生がいらっしゃいます。ティアーユ先生」
「はい。この度産休に入らせていただきます。赤ちゃんも順調に育っておりまして、来月には元気な顔を見せてくれると思っています。少しお休みをいただいたあとに、大好きなこの学校に戻ってこようと思うので、みなさん、忘れないでくださいn」
「やっぱイヤあ~ン!! ティアーユ先生と少しでもお別れするなんていやムググッグ!!」
「ご、ゴホン……校長先生は急用のため、一時ご退席いただきました。ティアーユ先生、元気な赤ちゃんを産んで帰ってきてくださいね。……ではもうひとかた、お願いします」
「はい、私も本当に偶然なのですが……産休をいただくことになりまして。私も帰ってきますので、みんな、私のこと忘れないでね♪」
「ありがとうございました、御門先生」
壇上で頭を下げる2人に、生徒たちのあたたかい激励の拍手が送られていった。
──御門涼子のカルテより 10ヶ月め──
ティアーユ・ルナティーク
167cm 56kg 96(I)/56/90
→ 166cm 75kg 110(J)/102/98
御門涼子
171cm 59kg 95(H)/58/91
→ 171cm 70kg 99(I)/92/95
彩南学園の近くにあるティアーユや涼子の家から少し離れた山の中にある建物──
「へぇー……はぁー」
2階建ての建物の中にある設備を、ティアーユは珍しそうに見ていた。
「こんなところに家を持っていたのね、ミカド」
「ええ、たまに素性がバレないように宇宙から来た人を治療する必要があってね。ここなら人目にもつかないし、術後もしばらく入院したり、二階は私が住めるようになってるから。いわば私の隠れ家ね」
「じゃあ、ここで?」
「ええ」
涼子がよりかかったのは──2台の分娩台である。
「2人同時に陣痛が来ても、ここで産むことができるわよ。何せ……同じ日に同じ男の種で、孕んだんだからね♪」
「……やっぱり、あの日に妊娠してたのねミカド……」
「ええ、あの時、一応保健室の様子を見てたんだけどね、理性のタガを外した結城くんの性欲のすごいこと。あなたに3回膣内射精してもまだ襲おうとしていたのよ」
「私、途中で気絶しちゃったけど、そんなことに……」
「ええ、さすがにティアが危ないと思って止めに入ったんだけど、そしたら今度は私に……」
「……あなたなら止められたんじゃないの?」
「そうね」
涼子が笑みを浮かべながら言う。
「そうだったんだけど、私も結城くんの遺伝子には興味があってね。あの破廉恥な目にあう天文学的な確率、そして理性を無くした時の恐ろしいほどの性欲……もしかしたら、人類の繁殖においてとてつもない発見があるかもしれないもの。ぞれに……」
「それに?」
「ティアだけ、ママになったら寂しいでしょ?」
「……ありがと。変なことにつきあわせちゃったわね」
「私の選んだ道だもの。それより……」
涼子がティアーユのおなかをそっ、と撫でる。
「もういつ産まれてくるかわからないから、24時間体勢で注意しないとね」
「……あなたのほうは大丈夫なの?」
「わからないわ。ただ、私は……あなたのような覚悟はないから」
「……そう、ね。正直理に合わないことではあるのだけど……そうしたいから」
「患者の意思は尊重するわ。だって、私、医者だもの」
「ありがとう」
2人は言葉を交わし──そしてそっ、と笑みを浮かべあった。
──数日後。
「ふ、ふぅ……はあああっ!!」
「がんばって! ティアーユ! もう少しよっ!」
分娩台に座り、大きく両足を広げたティアーユが全身に汗をかきながら激しくいきむ。彼女が選んだ道は──苦痛を伴う自然出産。正直な話、涼子の技術があれば無痛での出産も可能ではあったのだが、赤ちゃんを産むという実感を味わいたいというティアーユの要望により、ほぼ自然にまかせた出産となっていたのである。
「ひっ、つ、つらいわ……世の中のママさん、みんなこんなことをしてたの……!?」
「そうよティア! 命を産むってことはそのくらい厳しいんだからっ! 私もしたことないけどっ!」
「こ、これからするんじゃないの!?」
「私のことはいいから……うっ!?」
涼子が腹部を押さえてうずくまるのを、ティアーユが心配そうに見る。
「ミカド!」
「わ、私は大丈夫……! 人の心配してないで、ほらっ、ほらもう少しっ!」
「ううううう……なんか出てくる……あ、あああ、ああああっ!!」
ティアーユの叫びが病室に響き──
ンギャアア! ンギャアア!
「よし、一人出てきたわよ!」
「ど、どっぢ先に出てきたの! 男の子!? 女の子!?」
「いいからもう一人に集中してっ! ぐ、ぐう……」
「ミカド!?」
「だ、だいじょうぶ……」
「ミカド……ま、待っててね! 今度は私がっ! ふ、ふううううっ!」
ホンァァァ! ホンアアア!
「出てきたわっ! もう一人……っ! 両方とも元気、元気な子……よ……さ、産婆バイオロイド……!」
涼子がボタンを押すと、部屋の隅にいたロボットの目が光り、産まれたばかりのティアーユの子たちを抱き上げ、そして産湯に浸からせ、テキパキとその身体を拭いていく。
「なに……これ……」
「産婆歴70年の米田うめさん(92)の経験と知識をインストールしたバイオロイドよ。彼女に、まかせておけば、大丈夫……」
「ミカド!?」
涼子が白衣を脱ぎ捨て、そして──ティアーユがいた隣の分娩台に大きなおなかを晒して座る。
「私は薬で無痛にしてるから、それほど苦しまないはずなんだけど……こ、この身体を押しのけてなにかが出てくる感覚はさすがに初めてね……ぐ、うううう……」
「ミカド、私が……」
「あなたは2人産んだばかりなの。しばらくそこにいなさい。バイオロイド、サポートして……う、う、うああああああああっ!」
オァァァアアア!!
涼子の叫びとともに──もう一人の元気な産声が、分娩室に響き渡った。
一週間後──。
「ふむっ、ふう……」
「だぁ、だぁ……」
「ふふ、いい子ね。いっぱい飲みなさい」
「……まるでミルクサーバね」
出産から一週間後の涼子の隠れ家。その住居スペースのベッドに座っていたのは、パジャマ姿で大きな乳房を晒しているティアーユと、その両胸に吸い付いて同時に母乳を吸う双子の赤ちゃんの姿であった。
「ええ、これだけ飲んでもまだ出るのよねぇ。絞って出さないと痛くて……」
「うらやましいわね。私は……」
「ふぁぁぁ……」
同じく乳房を出して座っている涼子の胸に吸い付いている男の子が、母乳を吸っているのか寝ているのかわからない様子でふわふわとしている。
「乳の出が悪くてねぇ。やっぱり出産時に身体に刺激がないと、身体が母体にならないのかしら?」
「そんなこと無いわ。いつか出てくるわよ……貸してみて」
「ええ」
ティアーユの双子と涼子の子を交換すると、涼子の子は──目の前の母乳が溢れ続けるティアーユの乳房に吸い付き、そしてこくこくと母乳を飲み始める。
「……重いわね」
「ええ、男の子が4000gに女の子が3000gでしょ? 双子って小さいんじゃなかったの?」
「いえ、男の子のほうは普通の子より大きいし、2人とも健康そのものよ。やはり結城くんの遺伝子……すごいわね」
「涼子の赤ちゃんのほうだってとっても元気よ。それに……」
自らの乳房に必死で食らいつく涼子の子を、ティアーユがほほえみながら見る。
「同じ種で、同じ日に産まれてこうやって同じ母乳を飲んでるんだもの。もうこの3人は兄弟みたいなものよ」
「……そうね、ところでティア」
「なに?」
「やっぱり、観察はするの?」
「……そうね」
ティアーユが考え込みながら、答える。
「正直なところ、私の考えが馬鹿げてることを知ったわ」
「どういうこと?」
「だって、自分のお腹を痛めて産んだ子が……すごく可愛く見えるんですもの。実験台だなんて、とんでもなく思うわ」
「うふふ」
涼子が笑みを浮かべる。
「母親ってのはそういうものらしいわね。かくいう私も、理屈では説明できないくらい……この子が可愛いわ」
「そうよね……ほんとにそう思う」
「じゃあ、この子たちはどうするの?」
「もちろん、愛情を持って育てるわ。まあ、当然この子たちの人生の邪魔にならないように観察はさせてもらうけど、余計なことはしない。私の大切な子として育てるつもり」
「……それでこそティアよ」
涼子が明るい顔で話し出す。
「感情に流されることはあっても、最後には正しい答えを出す。それがあなた。だから友人になったんですもの」
「ミカド……」
「それに、ママ友がいないと寂しいでしょ? だから、これからは私とママ友になって」
「……ありがとう。じゃあ、これからもよろs」
「フンギャアアアアッ!」「アアアアアッ!」「ウワアアアアッ!」
ティアーユに抱かれていた涼子の子と、涼子に抱かれていた双子が突然泣き出す。
「おーおー、やっぱりママがいいのね……はい」
「ふう、不思議なものね。やはり自分と血がつながっている者を求めるのかしら……しかし、ティアの男の子のほう」
「え?」
ティアーユと涼子の視線が双子の男の子のほうに集中する。
「もうこの時点で結城くんの血を感じさせる顔よね……」
「そうね……」
「もし成長して、パパと出会ったら……結城くん、どういう反応するかしら」
「そ、それは……どうしようかしら」
「まあそれは、その時の話ね」
「ある意味楽しみかも。うふふ」
明るい笑顔で笑い合う2人と、あやされて満足したのかすやすやと眠る子どもたち。
同じ遺伝子をわけあった"家族"の生活は、いま始まったばかりなのであった。
──御門涼子のカルテより 嬰児の様子──
ルト・ルナティーク(0)男子 4000g
父 結城リト(15)
母 ティアーユ(26)
健康状態 極めて良好
リナ・ルナティーク(0)女子 3000g
父 結城リト(15)
母 ティアーユ(26)
健康状態 極めて良好
御門リョウマ(0)男子 3500g
父 結城リト(15)
母 御門涼子(27)
健康状態 極めて良好
完