性の目覚めを覚えているだろうか?
私には二つの目覚めがあった。一つ目、それはエロという概念への理解だ。
あれはいつだったか、小〇生の……四、いや五年か。冬休みの寒い日だった。日々家族共用のパソコンで、アニメや実況動画なんかを見ていた。パソコン操作にも慣れ、怪しいサイトにも動じる事無く、日々更新されるアニメや動画を消化する毎日だったと記憶している。
当時の私はエロへの知識が皆無の
その日、私はいつも通りパソコンを弄っていた。パートに行った母が用意した、ピーナッツジャムのパンを片手に、当時流行っていたアニメの曲を聞いていたと思う。ふと思った「エロってなんだろう?」と。どうしてそう思ったのかはわからない。だが、その瞬間に私は一歩踏み出したことは確かだ。
エロ、と検索欄に入力し、検索。たぶん三次元の画像なんかが出てきたのかもしれない。それを見ても特に何も感じていなかったのだろう。なぜなら、今の私が覚えていないからだ。
エロアニメ、と検索。一番上にあるサイトをクリックした。すると、大きな見出しでそれなりのアニメが出てきた。たぶん、一番上のものをテキトウにクリックしたと思う。今でもそのアニメをはっきりと覚えている。ジャンルでいうと、ヤリマンの人妻とヤる系である。
……今振り返っても思う。初めてのエロ体験が、二次元の人妻熟女か、と。
まあ何はともあれ、私はそのアニメを見た。日常パートをボーっと見て、いよいよ濡れ場。
少年と女が服を脱ぐ。驚きはない。
おっぱいを揉む。驚きはない。
少年が女の下半身を弄る。驚きは……何やってんだ?
私は驚き、というよりも困惑した。なぜなら、私の知らない穴があったからだ。そう、驚くべきことに、当時の私は「おまんこ」を知らなかったのだ。女性には尻の穴しか存在せず、そこから排便、排尿、出産しているのでは? と考えていた。
そのような考えであったため、私は「自分は母の尻の穴から出てきた、つまり私はウンチQ.E.D. 証明終了」と本気で考えていた(一応、股から出てくるのだけは知っていた)。
困惑する私を置いて、アニメは淡々と進んでいく。気弱そうな青年のモザイクチンポが、モザイクマンコに挿入。
私は再び困惑した。もう大混乱だ。チンポをそこに入れるのか!? なぜ? どうして?
事ここに至って、私は理解していなかった。そもそもエロが生殖行為である事さえ理解していなかった。なぜ男が女の中にチンポを入れて出し入れしているのか、心の底から疑問だった。
アニメは進む、呻く男に喘ぐ女、画面の前でピーナッツジャムのパンを食べる私。よくわからないが、そのアニメの行為を見ていると、ピーナッツジャムのパンの味が気持ち悪く感じたのを、なぜか覚えている。
濡れ場も佳境、動きが激しくなり、ピストンが加速。そしてモザイクチンポを最奥に入れると、膣内で、チンポから白い液体をビュルビュルと、音がしながら出ている。
私は三度困惑した。もう意味不明だった。なんでおしっこが白いんだ? ふつう黄色だろ、と。射精というか、精液というか、精子というか、そういったものを知らなかった私は、チンポはおしっこが出るだけのものだと認識していたのだ。
その後も、そのアニメでは他の女とセックスしたり、と色々あったが、一通り見終わった。
最初に思ったのは「見てはいけないものを見てしまった」という緊張か恐怖か気恥ずかしさか。和室で眠っていた父(たぶんその日は休みだったのだろう)にばれていないか心配していたような気がする。
これが、私が性に目覚めた一つ目、エロの概念への理解、その第一歩だ。
それ以降、エロ、というよりもエロアニメに興味を持った私は、家族に隠れてエロアニメを見漁った。当時、携帯ゲーム機でネット検索ができたため、夜中にこっそり見ては、チンポから溢れる我慢汁に首を傾げていた。
この時の私は、着々とエロガキに変態していたのだが、まだまだ未熟者。どうして自分がエロアニメを見ているのかさえわからなかった。別にそこまで面白いというわけではないのに、なぜか見てしまう。見ていると、なぜか興奮し、皮被りのショタチンポから謎の液体が滲み出る。
パンツが濡れては、こっそりと夜中にパンツを替え、洗濯物置き場にパンツを投げる。自分がおもらししたと思われていないかが心配だった。
そんな日々を続けていた。私に第二の目覚めがやってくる。二つ目、それは精通だ。
冬が明け、学年が上がり、暑くなってきたジュンジュライ、オーガストではなかったと思う。その日は、前日の疑問を解消しようとしていた。
前日、いつものようにエロアニメを見ていると、あるシーンが印象に残った。男が女の前で自分のイチモツを扱いているではないか? しばらくすると、案の定、白い液体を撒き散らした。
当時の私は未だに射精への理解が無く「おしっこを白く描くなんて変なの」と思っていた。そんな中、一人でもできる行為で、白い液体をチンポから出したの見て、なぜか試してみたくなった。
翌日、第二の目覚めの日。その日の夕方前、家には私以外誰もいなかった。
私が「本当に白い液体が出るか」の検証を行ったのは風呂場だった。私にとってチンポを曝け出す場所など、トイレか風呂の二択しかなかった。その二つの内、風呂場なら何かあっても洗い流せると考えたのだ。
まず最初に、チンポの皮を剝くところから始まった。私にとってチンポの皮を剥くのはこの時が初めてであり、なぞの痛みとくすぐったさを感じたのを覚えている。それに耐えて何とか皮を下ろしきる。
目に飛び込んだのは、カリ首にみっちり溜まったチンカスだった。今でも覚えている、あのおぞましい光景を。もしそのまま皮を剥くのが遅れていたら、何かの病気になったかもしれないと思うと、恐怖を覚える。
当時の私も、それが汚いものであると本能的に悟り、シャワーで綺麗に洗った。
それから、私はアニメの男がやっていたようにチンポを扱き始めた。最初は何も感じていなかったと思う。それから徐々に違和感を覚え始めた。気持ちいい? くすぐったい? よくわからない感覚に恐怖が顔を出すが、それが決して不快ではない事だけは確かに理解していた。
オカズも無しにただ扱く。オレンジ色の光が風呂場の窓から差し込む。誰もいない家の静けさも相まって、今思い出すとその場が神聖な場所だったようにも思えてくる。
違和感は増していく。それでも手は止まらない。
その瞬間は訪れた。下腹部がキュッとして、尿道をせり上がるナニカ。ピュルッとナニカが出る度に、腰が震え、感じた事のない快楽が駆け巡る。
それは十秒にも満たない時間だっただろう。しかし、夢のような時間だった。
あまりの衝撃に私はしばらく放心していた。何が起こったのかわからなかった。それでも、風呂場の床にある、白いゲル状のようなものが、私を現実に戻してくれた。
そして私は理解したのだ。
「そうかそうか、つまり
と。
それからどうしたのかはよく覚えていない。どのように射精した精液を処理したのかもわからない。まあ、多分シャワーで流したのだろうが。
それ以降、私はすっかりオナニーに嵌った。最初は今まで見たエロアニメで、スマホを手に入れてからはエロ漫画を読み漁ったりもした。その中で、様々な性癖の扉を開いていくのだが、それはまた別の話だろう。
これが私の性の目覚めだ。卵が蝶へと完全変態する過程だ。
私は今でも毎日オナニーをする。しかし、射精をする度に、純粋だった日々を一つ一つ取り出し、右手で粉々に握りつぶしているのではないかと、そう思うのだ。
ほんの数瞬の、快楽のためだけに。