(水着ヘルムのEPを見ていなくても、問題なく読めると思います)
耳慣れた船内パーティーの喧騒。それが数ヶ月前よりもより賑やかしく聞こえる。
「ヘルム殿。アドマイヤー号の初出撃、素晴らしい活躍を見せたそうですな!」
「はい、活躍の場を与えられたこと、私も大変嬉しく思っています。これも長きに渡り支援をしてくださったおかげです」
そう言いながら、パーティーの参加者、すなわちアドマイヤー号の支援者に笑顔を向ける。
先のクラーケン討伐任務で成果を出したアドマイヤー号とイージス部隊はその存在と価値を証明した。それと同時に活躍が広く知れ渡ることとなり、支援者の数をかなり増えていった。
イージス部隊のリーダーとしてこれほど嬉しいことはない。
はずなのに。
はぁ。と心の中で溜息が出てしまう。指揮官の顔が浮かべながら。
彼が手を差し伸べてくれたおかげで、私は自分の気持ちの正体を認めることができた。
愛なんて、恋なんて、少し前の私にはよく分からなかったけれど、あの時した彼とのキスは、確かに私の心の中を満たしてくれた。
そうあの時。
花畑に二人で倒れ、無我夢中で指揮官の唇を、舌を求めた。
やり方なんて知らないから、ただの彼の真似。こうやって1つ1つ知らないことを教えられていくかしら。
小雨に濡れながら、でも身体は余計に熱くなっていって、腕や顔、胸、足、彼が触るところ全てが燃えるように熱くて。
夢中になる私が、止められない私が、まるで自分ではないようで。
ほんの少し怖く感じてしまう。
ほんの少し、ささやかな、でも確かな不安と恐れ。
雨が上がったからか、外でなんてと思ったのか、もしくは臆病な私の心を悟ったからなのか、色んな意味にも取れる絶妙なタイミングで彼は一区切りしてくれた。
結局あの島ではそれ以降の進展は何もない。
他の皆がいる中で、という後ろめたさがあったのと、純粋に皆で海を満喫したかったから、むしろそれは良かったと思う。
きっと指揮官もそんな私の気持ちを察してくれたんだと思った。そういう気持ちを汲むのが彼は得意だから……。
ではその後はどうなったかといえば……。
「はぁ……」
思わず溜息が溢れてしまった。
アークに戻ってからは、アドマイヤー号の処遇やパーティーへの対応で忙しくなり、指揮官も任務が重なって、お互いに会いに行くことができていない。
会いたい。もっと関係を深めたい。
でも、会えない状況に安堵している自分も確かに存在する。
会うことが怖い、関係を深めた先に私はイージス部隊のリーダーとして務めを果たすことが出来るのだろうか。
支離滅裂な心が、幾度となく踏み出そうとする足を元の位置に戻してしまう。
「おや、どうかされましたか?」
「あっ、いえ何でもありません」
心が深い沼に沈んでいる間に、参加者の一人が目の前に立っていた。
見覚えがないので、最近支援を始めてくれた人なのだろう。
そんな人に情けない姿を見せてしまった。イージス部隊のリーダーとして恥ずべき失態だ。
「そうですか? イージス部隊のことで悩み事でもおありなのかと思いましたよ」
「お気遣いありがとうございます。何も問題ありません。アドマイヤー号は修理中ですが、部隊は万全です。次回の出撃の際にも、必ずや人類の力になります」
「ほほぉ、頼もしいですな!支援のし甲斐があります。そうだ、もっと力を入れて支援をしたいので、できれば前回の出撃の話を詳しく聞きたいものです。どうでしょう、このあと二人で別のところでお話ししませんか?」
小太りな男は粘度の高い笑みを向ける。
露骨な下心が小さな不快感となって、胃の中にぽとりと落ちる。
「申し訳ありませんが、このあとバーニンガム副司令官と打ち合わせがありますので」
努めて笑顔で、場の空気を壊さぬよう誘いを回避する。
もちろん打ち合わせの予定などないが、敢えて副司令の名前を出した。
パーティーの主催が誰なのかを分からせるために。
「……そうですか。それならば仕方ないですな」
相手も笑みを崩さず返事をする。たが、目元がピクリと震えたのを見逃さながさなかった。
はぁ、と今度は心の内で溜め息をつく。
支援者が増えたのは嬉しいことだが、こうした履き違えた理解をする者も増えた気がする。
とはいえ、副司令官主催のパーティーでこんな露骨な誘いをする阿呆がいるとは思いもしなかったけれども。
「ではヘルム殿」
そう言って男は私の脇を通り過ぎていく。
その瞬間、ぺたりと何かが私の胸に触れた。
「っ!!」
胸に触れた男の手の感触が、指の割れ目まではっきりと分かるほどに痕を残す。
手形が残っているのではないかと錯覚するくらいにはっきりと。
払い落としたいのに払い落とせない。
触れられた部分から恥辱と嫌悪が身体中に広がってゆく。
衝動のままに振り返り、胸の触れた手を嬉しそうに眺めながら歩く男を捕まえようとした。
けれど、
「っ、」
待ちなさい、と声を出すことが出来なかった。
不埒を働いたものをそのままにしておくことは出来ない。
しかし今はイージス部隊にとって大事な時。
私の行いでパーティーの雰囲気を壊してしまうことが正しい行動なのか。
イージス部隊のリーダーとして正しい行いなのか。
自信がない。
私の中の沸騰しかけた怒りが鎮火してゆく。
不完全燃焼で残ったのは自己嫌悪。
それが喉にも足にも絡みついて、男を追いかけることができない。
私は、どうしたらいいの……。
そんな弱気な心内の独り言が漏れた時、誰かが肩に手を置いた。
またなの……。
と、うんざり仕掛けたその時、聞き慣れた声が耳を打った。
「大丈夫」
たった一言。
それだけで、鉛のように硬直した身体が嘘のように軽くなる。
なんてズルい人なんだろう。そして、なんて単純な女になってしまったのだろう。
「あぁすみません!ちょっといいですか?」
向こうで指揮官が、先ほどの男に声をかけている。
抵抗する素振りを見せたが、あっという間に指揮官に外へ連れ出されて行った。
「貴官……」
もうこの部屋にはいない彼を思わず呼んでしまう。
落ち込み冷えた身体は、いつの間にかあの花畑の時のように熱を帯びていた。
パーティーは無事に閉会し、場内の後片付けも終わった。
パーティー終了後に副司令官から、男の件で声をかけられた。
指揮官から話があったようで、とても心配を掛けてしまった。
先に休んでも良いと言われたけれど、そこは彼女たちの上官として仕事は真っ当しなければならないと思い、丁重に断った。
ひょっとしたら、前みたいに指揮官が片付けを手伝ってくれるかも……? と少女のような似合わない期待がないわけではなかった。
しかし、人の消えた会場に彼が戻ってくることはなかった。
「どうしたんだいヘルムさん、なんか元気がないっすよ」
「あぁ、ごめんなさい。なんでもないの。ちょっと疲れが溜まっていただけ」
「ヒトデ、いる?」
「えっと、気持ちだけで十分よ」
結局二人を心配させてしまった。
この数時間の間だけで、何度気持ちを浮き沈みさせたのか分からない。
何とかしなくてはならない。
なのに何をすればいいのかが分からない。
「先に部屋に戻るわね」
そう言い残して会場を後にする。
今の姿をあまりあの二人に見せたくなかったから。
このままここにいたらアンカーにどんな軟体生物を押し付けられるか分かったものじゃない、という理由もあるけれど……。
「ふぅ……」
会場の外に出ると強張った身体から力が抜けた。
「あぁ、ヘルム」
予想外の、でも聞き慣れた声に身体が反射的に振り向く。
「……貴官? どうして」
「あいつをA.C.P.Uに引き渡して、すぐ戻るつもりだったんだけど、思いの外時間かかっちゃって。もう片付け終わっちゃった?」
急いで戻ってきたのか、彼の額から汗が流れている。
その姿を見ただけで、胸の奥から嬉しさが溢れてしまう。
「……もう終わってしまったわ」
「そっか、手伝うつもりだったんだけど。間に合わなかったかぁ。悪いね」
「そんなことはないわ。さっきも助けられてしまって……本当にありがとう」
「いや、あれこそ出しゃばっちゃったかなと思って。ヘルムがあんなことされてるところ見たらつい頭に血が登っちゃってね……君なら上手くやれただろうに」
「っ、そんなこと……ないわっ」
自分でも驚くほど、弱った声が漏れ出てしまう。
「あの時私は、何もできなかったわ……」
罪を告白するように、私の弱さを伝える。
「貴官への気持ちを認めて、受け入れてくれたことはとても嬉しかった。でもあの日から私は変わってしまったわ。ねぇ、私は貴官を愛しても、ちゃんとイージス部隊のリーダーを務めることができるのかしら……」
投げかけなのか、自問なのか、自分でもよく分からなかった。
ただ彼を困らせるだけの無意味な問いかけだ。
恥ずかしさと後悔で頭痛がしてきそう。
「ヘルム」
「何かしら」
「さっきは何で動けなかったんだ?」
「え?」
問いかけの意図がよく分からない。
「今日は、アドマイヤー号とイージス部隊にとっていつも以上に重要なパーティーだったのよ。だから、下手に動いて大事になってパーティーの雰囲気を壊したら、と思って……」
「なるほど……うん」
彼は私の話を聞いて、何かを納得した。
「なんだ、ヘルムは何も変わってないじゃないか」
あっけらかんと、笑顔で言う。
「いつだって、どんな状況だって、君はアドマイヤー号とイージス部隊のことを一番に考えている。好きな人が出来たって何も変わってないさ」
「で、でもっ今日はあんなに情けないことを……」
「もしかすると色々不安に思いすぎて、自信を失くしていたんじゃないか? きっとヘルムが動いていても上手く対処出来てたよ。ヘルムのことを、よく分かってる私が保証する」
「自信……」
「確かに人を愛するなんて、未知の経験をすれば不安に思うこともあるだろう。でも君の芯は何も変わっていないじゃないか」
私は、変わっていない……。
「ヘルムはいつ、どんなことがあっても、イージス部隊のリーダーさ」
泥に塗れた心が、どんどん洗い流されていく。
「失った自信は取り戻せばいい。知らないことは知っていけばいい。今の君に必要なのは、そうだね、何でもいい、一歩踏み出す勇気を持つこと、かな。踏み出しさえすれば、ヘルムなら必ず出来る」
一歩踏み出す勇気。
あぁ、そうなのね。私は、踏み出せなかったんじゃない。踏み出す勇気がなかっただけ。
仕事も、恋も、踏み出していけばいい。
私なら出来るって、彼が言ってくれるんだから。
「すまない、忙しいだろうから邪魔にならないようにと思っていたんだが、もっと早く会いにくるべきだったね。でも、この前も言っただろう? あまり自分で背負いすぎるなって」
頭に彼の大きな手が置かれる。髪を撫でる手の感触が心地良い。
でも、それに寄りかかるだけではダメ。
一歩を、踏み出さなければ。
「今日は疲れてるだろう? 明日も忙しいだろうし、早めに休んで身体も心もスッキリさせるんだ」
そう言って、指揮官は背を向ける。
待って。
「待って……」
出せた声は思っていた以上にか細いくて。
彼の耳にちゃんと届いたのか不確かで。
だから、私はしっかりと踏み出した。
「待って!」
ギュッと、彼の背中を捕まえる。
シワになるほど強く服を掴んで、鼓動が伝わるほどに身体を密着させて。
そうしてやっと感じることが出来る、彼の匂い、身体の堅さ。
「ヘルム?」
やっぱり、私は変わったのだと思う。
至近距離で彼を感じられるだけで、あんなに重かった身体が軽くなる。
まるで水に浮いた時のように、軽く。
でも、これも私なのでしょう。
「私の部屋にきて」
耳元で囁く。
「私は、まだ知らないことだらけなの。だから、教えて」
頭上から降り注ぐ熱いシャワーが全身を濡らす。
身体が熱い。
シャワーのせいではなくて、シャワーを浴びた、タオル一枚だけのあられも無い彼の姿を見たから。
逞しい身体に、普段以上の肌色に思わず目を奪われてしまった。
逃げるようにシャワールームに駆け込んで、火照る体を誤魔化すように高めの温度でシャワーを浴びる。
湯煙で曇った鏡の向こうの私の顔はきっと真っ赤でしょう。
恥ずかしい……。でも、嫌ではない。
「ふぅ……」
熱せられた身体を、温めのシャワーで冷ます。
脱衣所で丹念に身体を拭いて、改めて鏡で自分の姿をチェックする。
「大丈夫……よね?」
分からない。だって異性になんて見られたことないのだから。
特に胸や、下なんて……。
「っ……」
心臓が高鳴る。
本当に、私……できるの?
そんな不安と緊張を覆い隠すように、バスタオルを身体に巻く。
「お、お待たせ……」
彼の元に戻る私は、我ながらガチガチだ。
私らしくなく。
「……………」
「な、なにかしら……」
なにか至らぬ点があっただろうか……。
「あぁ、ごめん綺麗だなと思って」
「……貴官は私の水着姿を見てるでしょう」
「そうなんだけど、でも今の方が綺麗だな。だってそんな姿、私しか見れないだろう?」
「当たり前でしょ……ばか」
そう言って、私は彼に口付けをする。
あの時とは違って、今度は私から。
ちゅ……んっ、はぁ、ちゅぱ、ちゅ、じゅる……♡
唇を重ねて、舌を絡めて、唾液を交わし合う。
そんな行為が何でこんなに愛おしくて、気持ちが良いのだろう。
理屈が分からない、でも本能が理屈を超えて認めている。
彼を好きなのだから。
「れろ、ちゅ、ちゅぱ……。貴官、好きよ。はむっ」
頭に白い靄がかかる。
余計な思考がなくなって、より彼のことを感じられる。
「……んっ♡ 」
彼の手が私の胸に触れる。そしてゆっくりと優しく乳房に指が沈み込み、胸の肉を捏ねられる。
気持ちいい……。
乳房全体にじんわりと快感が広がってゆく。
あとの時は嫌悪感しかなかったのに……。
今はもっと、もっと強く感じたい。
足りない。気を遣わないで、優しくしないで、もっと乱暴にして……。
「っ♡♡」
優しく触れる彼の手を掴み、グッと乳房に押し込んだ。
肉が歪み潰れる感覚が脳に伝わる。
私の意図を察してくれたのか、彼の手に力が籠る。
乱雑で、乱暴で、痛くて、気持ちよくて。
まるで剥き出しの欲求を浴びせられているような満足感が心を満たしてくれる。
「んっ♡ じゅる、ちゅぱ、はぁっむ♡ れろ、ちゅぷ ちゅぱ♡♡」
唾液が垂れるのも厭わず、巻いたバスタオルが解け落ちるのも厭わず、気付けばお互いに生まれたままの姿になりながら絡み合っていた。
唇を離せば、当たり前だけれども、彼の顔が間近にあって、安堵してしまう。
キスも気持ちいいけれど、顔が見えないのがもどかしい。
「ヘルムの身体、凄く綺麗だ」
彼が言う
「ありがとう。でも貴官、私はそんな飾った言葉は欲しくないわ」
彼の身体を撫でながら、私は言う。
「そうか、そうだな。うん、ヘルムの身体エロすぎる。めちゃくちゃにしたすぎて、頭がどうにかなりそうだ」
飾らない、彼の欲求。私を求めてくれる言葉。
私の、女としての欲求を疼かせる言葉。
あぁ、そんなことを言われたら何でもしてあげたくなってしまうでしょう。
「……これ、」
視線を下げた先。
さきほどから私のお腹に当たっていた、熱くて硬いその部分。
赤く、雄々しく聳り立つそれは、別の生き物のように脈動していて、少し怖い。怖いほどに私を求めている。
不思議と目が離せない。それにお腹の奥に形容し難いむず痒さを感じる。
「ねぇ、私は何をしたらいいの? 貴官は私に何をして欲しい? 何でも言って」
して欲しいことを教えて。
そのやり方を教えて。
それを出来るようにさせて。
「じゃあ、口で咥えられる?」
「くっ……」
「あの、無理しなくても、あれだったら手で」
「大丈夫よ。任せて」
ベッドに掛けてちょうだい。と努めて冷静に促す。
内心では口から心臓が飛び出そうなほどにドキドキしていた。
彼への拒否感はない。
未知の領域へ、一線を踏み越えてしまう自分に緊張している。
座った彼の前に、膝を折ってペタリと座る。
目線の先に、ピクピク跳ねる彼のモノがある。
私はそれを恐る恐る手で握った。
「あついのね……」
触れた彼の部分の中で、最も熱い。
まるで彼の芯を握っているように感じてしまう。
そう思うと、自然と彼のモノを口に含めていた。
「はぁ、む……」
口内で陰茎を包み込む。
粘膜で感じる熱が、より鮮明に私の身体へ沁みてゆく。
「はぁ……ヘルムの口の中、暖かい……」
舌の上でピクンと跳ねた。
目線を上げれば、深い吐息とともに彼が身体を震わせている。
どうすればいいの? と目で問いかけた。
「アイスを舐めるように、口を窄めながら出し入れしてみて」
「ん……」
言われた通りのことをイメージしながら、口の中を陰茎に密着させて、搾り取るようにしながら、モノを出し入れする。
「じゅぶ……んぁ、ずず、じゅぷ……じゅる、ちゅぷ、じゅぷ」
口と陰茎が擦れる淫靡な音。
鼻腔をくすぐる彼の濃い匂い。
舌で感じる感触。
どうしよう、頭が蕩けてしまいそう。
「くっ……あぁ、はぁっ……っ」
彼から熱の籠った吐息が漏れる。
気持ちいいのね……。
「はぁ、ヘルム……」
いつも凛々しい彼の顔。
それが、吐息が漏れるほどの快楽に耐え歪んでいる。
可愛い……。貴官はそんな顔をするのね。
そんな顔に、私がさせてあげられることがとても嬉しい。
「じゅぶ、ぇろ、ちゅぷちゅぷ……ちろちろ♡」
亀頭の溝に沿って、舌を這わせ
裏筋を舌先で刺激して、
彼の反応を見れば、どこが気持ちいいのか、何が好きなのかが、よく分かる。
「ぐっ、、ヘルム、はげしっ」
口の中に唾液よりもとろみのある液体が溢れてくる。尿道内の酸性から精液を守るためのカウパー液。
私の中に射精したいのね……。
「ヘルム、待ってっ……して欲しいことがっ」
それを聞いて、ぷはぁ♡ とペニスを解放する。
「何かしら……?」
せっかくもうちょっとだったのに……。
「胸で挟んで欲しいな、って……」
「胸……でね。ええ、大丈夫。知っているわ」
そういうプレイがあることは知っている。
私だって、時間の合間をみて色々調べては見た。
きっと私ならしてあげられると思っていたことだ。
そう、確か。
「パイズリ?」
「うん」
「ふふ、貴官はほんとに私の胸が好きなのね♡」
うん、彼に求められるのは、とても心地が良い。
膝立ちになって、乳房を彼の股に押し付けるようにして、陰茎を谷間の内に飲み込んだ。
「んっ……」
真上から彼の声が零れ落ちる。
私の乳房に、彼の陰茎が完全に挟み包まれていて、亀頭だけが頭を出している。
あまりの光景に眩暈がしてくる。
「これで、合ってるかしら?」
「うん、もうそれだけでも凄く気持ちいい。ホント、頭バカになりそう」
そんなのは私も同じだ。
まるで心臓を乳房の中で抱えてるかのように伝わる熱と脈動。鼻腔を撫でる彼の濃い匂い。
身体の疼きがどんどん酷くなってゆく。
それを誤魔化すように、乳房を上下に揺らした。
にゅちゅり、
谷間の中で、粘液に濡れた陰茎と乳房が強く擦れる。
「うっ……」
「どう……?」
「やばいかも」
「そう♪ じゃあ頑張るわ」
左右から押し潰して、胸の感触がより伝わるよう陰茎を圧迫する。
そしてもっと早く、リズミカルに乳房を揺らす。
ぱちゅ、ぱちゅ、ぱちゅ、ぱちゅ、ぱちゅ♡♡
亀頭から溢れるカウパー液がどんどん乳房の中へ流れ込んでくる。
快楽に耐える彼の顔がとても愛おしい。
乳を左右ズラしながら擦ったり、カリ首を中心に責めたり、色々試しながら彼に快楽を与えてゆく。
でも……貴官、やっぱり口が寂しいわ。
そんな欲求に身体が自然に動く。
「はむ♡」
谷間から覗く亀頭の先を、ちゅっと咥えた。
そして入り口を穿るようにちろちろと舐める。
「ヘルムッ!待ってっ!!ゔぅっ!!」
いいのよ、出して……。
「ぐっ!出るっ!!」
途端、口の中に熱を持った何かが勢いよく放たれる。
「っ!! 〜〜〜〜っっ!!!」
2回、3回と喉奥を打つ射精に、咽せそうになる喉を無理矢理我慢して、彼が吐精を終えるまで口で受け止め続ける。
「ごめん!吐き出して!」
すまなそうな声で、彼は吐き出すように促す。
口の中に吐き出されたそれは、出来損ないのゼリーのようで、青臭くて、ほのかに苦い。味覚と嗅覚がすぐさま異物だと判断していた。
でも、私はそれを何とかの喉へ、身体の奥へ流し込む。唾液と混ぜて、コクン、とお腹の中へ。
あぁ、不思議……。
妊娠なんて出来ないし、そもそも精液を胃に入れたって何の意味もないのに。なのに、何でこんなにお腹の奥が温かく感じるのかしら……。
それを認識した途端、下腹の疼きが一層強くなる。お腹の奥が柔く絞められる感覚に、息が荒くなってしまう。
「貴官……して」
欲しい……。彼を、私のもっと奥深くに……。
そんな欲望を込めて彼を見上げる。
「ヘルム、ベットに」
「ええ」
ベッドから見上げる部屋の天井。
それをこんなに緊張しながら見ることがあるとは思わなかった。
「ヘルム」
いつもの景色が、彼の顔に遮られる。
近い。物理的にも、精神的にも。
こんな風にすぐに触れられる。
「ちゅっ」
軽い口づけを交わすと、そのまま彼の舌が首筋を這う。
「んっ……♡」
敏感になった皮膚に、痺れるようなこそばゆさが奔った。
舌はそのまま鎖骨をなぞり、乳房を登る。
もう少しで……。
期待に呼応するように鼓動が高鳴る。
しかし、彼の舌は核心を避けるように避けてしまう。
「えっ……」
「どうしたの?」
彼の手がふにゅりと乳房を覆う。乳肌を弄る指はやはり、天辺には触れてくれない。
もはやもどかしいなんてものじゃない。
全神経が、その腫れ物を触ってくと訴えている。
「っ……貴官、お願いだがら意地悪しないでちょうだい……」
「でもきっと、この方が後々気持ちいいよ」
くるくると指が乳輪をなぞる。
絶え間ない快楽への期待が、小さな蕾に集中している。
あの指が触れた時、私は壊れてしまうのではないだろうか……。
「まだ触れてないのに、勃起してきたね。ヘルムの乳首は欲しがりだ」
「はぁっ、変なこと言わないでぇ」
「だってほら」
ぐにゅり、
乳首が指の腹で押し潰された。
「っ?!! っぁ♡♡」
快感の実が弾けた。
反射的に浮いた腰が戻らない。
そのまま彼の指は乳首を嬲る。
「〜〜〜っ!!! ぁぁっ♡♡ 貴官待っ、ーーーーっ♡♡♡」
指でコリコリしないでっ、
くにくに捏ねないでっ、
いやっ、引っ張ったらっ!!
「あ゛ぁぁっ♡♡ 」
乳首ごと引っ張られた乳房が山を描き、
「んぁっ♡」
解放された胸がぷるんと揺れた。
目を疑うほどに、私の身体が弄ばれている。
でも、正気を疑いたくなるほどにそれが悦ばしい。
それを体現するかのように、自分で見ても明らかなほどに乳首がツンと勃っていた。
そこへ彼の顔が近づいてくる。
そして、
「あぁ……」
彼に乳首が吸われている……。
大きいだけの胸で……何も出ないのに……。
「あっ♡ んんっ♡♡ そんな激しく吸っても何も出ないわよっ♡」
ちゅう、ちゅう♡ れろ、ちゅぱっ、ちぅちぅ♡♡
乳首が吸引されるたびに、舌が舐め上げるたびに、背筋を走る快楽が脳を痺れさせる。
そしてそのせいのか、必死に私の胸に吸い付く彼がとても可愛く思えてくる。
かけがえの無いモノを抱えているように思えて、思わず乳房に顔を埋める彼の頭を撫でていた。
「はぁ♡ 貴官……んっ♡ あっ、あっ♡♡ それ好きよ……」
ニケとしては、授乳する身体の機能はない。
でもその部分を彼がこんなにたくさん、夢中になって使ってくれる。私が女であることを実感させてくれる。
その証拠に、腹の奥が下がって……。
ちゅぅぅぅぅぅっ ちゅぷん♡♡♡
「お゛っ♡♡」
下品な声。
私はなんて声を漏らしているんだろう。
はぁ、はぁ、と息を絶え絶えに彼を見上げる。
同じく彼も息を荒くしていた。
「ヘルム……もう挿入れたい」
下腹に硬いものが当たる。
まるで磁石で吸い寄せられるように、私もお腹を擦り付けていた。
欲しがってる……身体が、子宮が……。
「私も欲しい……貴官の、はやく……」
さっきの射精が頭をよぎる。
あれをお腹の中に直接された……。
「ヘルムの、凄く濡れてるよ」
「ひゃぁっ♡」
私の秘部を覗き込む彼の指が、入り口あたりを掬い取る。
見えるように上げられた指には、垂れ落ちるほどの私の液が纏わりついていた。
「み、見せないで……」
恥ずかしさで火が吹きそう。
あぁ、でもダメ。そんなの関係なく、早く欲しい。
くちゅり、と秘部に熱いものが当たる。
「はぁ、はぁ、 はぁ、はぁ♡♡」
そして、膣の中へ初めて異物が入ってゆく。
「あぁっ♡ あっ、あっ! んぅぅぅっ♡♡」
まるで剥き出しの神経を擦られているような、鋭い刺激にベッドシーツを掴む手に力が入る。
内側から与えられる快楽に目眩がしてくる。
こんなのを知ってしまったら、私はもう戻れない。
「大丈夫? もう少しだから……うぅ」
呻く彼の声を耳にしながら、奥へ奥へと進むペニスを感じとる。
とちゅん、
「あっ……」
感じる。
触れている。
彼の先端が、私の最も女性の部分に。
「ぐっ、ヘルム、締め付けがすごっ、ぅ……」
自分でも分かる。
膣が彼のモノを離さないように絡みついている。
意思に関係なく、本能のままに。
ずぶぶぶぶ………
「あ゛あ゛ぁぁっ♡♡
膣を削りながらペニスが引き抜かれる。
狂おしいほどの快感に身体が痙攣してしまう。
そして追い打ちをかけるように、再び深々と突き刺さる。
ばちゅんっ!
「んあ゛ぁっ♡♡ かっ、ぁぁ……♡♡」
衝撃と共に、肺の空気が喘ぎ声に混じって押し出される。震えるような快感に呼吸の仕方すら忘れかけてしまう。
でもその苦しさが気持ちいい。
膣を満たす陰茎の圧迫感が心地いい。
子宮を炙るその熱に本能が昂る。
「はぁ♡ はぁ♡ 貴官っ、もっと激しくしてっ♡ もっとたくさん突いて、私に貴官を教えてっ」
教えて、私を変えて。
貴官のための私に変えて。
パチュ、パチュ、パチュ、パチュ、パチュ♡♡
「あっ♡ あっ♡ あぁぁっ♡♡ 貴官のがトントン奥を叩いてっ、ん゛ぅぅっ♡」
彼の抽送が激しさを増す。
子宮を揺らされるたびに、得体の知れない何かが下腹の中で膨らんでゆく。
「ヘルムの膣内、突くたびにギュッて……抱きついてくる……」
「だって、欲しいからっ、
膣と陰茎が擦れる妖しい水音がどんどん激しさを増してゆく。
パンパンパンパンパンパンパンッ!!!
「ん゛ぃぃっぃっ♡♡ 何かっ、きちゃぅっ! 貴官っ」
彼の腰の動きに合わせて、乳房が激しく揺れる。
それさえも気持ちいい。
快感がどんどんお腹の中に溜まっていく。
膨張するその感覚を抑えようと無意識に両足に力が入ってしまう。
「ヘルムっ、もう……っ」
「はぁっ♡ 出してっ、奥にっ♡ あ゛ぁっ♡ 欲しい、きぃ、きかんのぉ♡ ぉ゛ぉっ♡♡」
射精される。
受け止めたい。全部、私のお腹の中で……。
あぁ、ダメ……もう押さえなんて効くわけない。
私の中で破裂してしまう。
「貴官、手、握ってっ」
壊れても私でいられるように。
その瞬間まで貴方を感じていられるように。
指の一本一本に彼の手が絡む。
杭で押しつけれるように彼の手が重なった。
その手をギュッと握りしめる。
「イ゛ッッ♡♡♡ 〜〜〜〜っ♡♡」
途端、お腹の中で快感が爆発した。
白濁に染まる意識の中で、全身の筋肉が壊れんばかりに硬直する。
「ヘルムッきつっ!! ぐっ、出るっ!!!」
ドピュッ!! ビュルルルルルッ!!ビュルルルルルルル!!!
「あっ、ぁ、、おなか……ぁっぃ……♡♡」
曖昧な五感の中でも、子宮口を叩く射精の感覚と、お腹をくトプトプと満たしてゆく精液の熱だけははっきりと分かる。
私を孕ませたくて、こんなにたくさん……。
人間だったら……。
絶頂の気だるさと、セックスの高揚感に浸りながら、ほんの一瞬だけ細やかなに抱く後悔。
でも、ニケだからこそ彼と一緒になれたのよ……。
「あ……♡ 」
彼のモノが私の
でもお腹の中には彼の熱が残っている。
「ヘルム……」
とさりと、私の上に彼が倒れ込む。
彼との距離がとても近い。
「好きだ……」
「えぇ、わたしもよ」
彼の言葉が、体温が、気持ちが、私を包み込んでくれる。
まるで水の中を揺蕩うように心地がいい。
溺れてしまいそうなほどに。
沈み消えてしまいそうなほどに。
それが私は怖かった。
でも、今の私ならきっと大丈夫。
一歩踏み出して、言葉に出来るのだから。
私は、私のまま、泳ぎ続けられる。