人里における魂魄妖夢の知名度は高い。幻想郷縁起に掲載されているし、買い出しで里を定期的に訪れる。特に食品店の旦那衆などからは上客と認識されており、声をかけられることもしばしばだ。
少し前までは、「愛くるしい女の子」という扱いだった。マスコット的に可愛がられていた。このごろは、向けられる視線が変わってきている。
なにせ、発育著しい。平らかだった身体は、しっかりとした起伏を得て、ずいぶん女性らしくなっている。人ならざる者特有の色香と、整った顔立ちゆえ、男達から振り向かれていた。
ほかにも化粧してめかしこんだり、スカートを短くしてみたり、明らかに異性の目を意識している。恋人ができたんでしょと、奥様方の井戸端会議で囁かれていた。
笑ってしまう。そんな生やさしいものではないのに。
さて。今日、昼日中から里を訪れたのは、お使いのためだった。生鮮類の定期購入の契約をしている業者からの、納品日なのだ。冥界に呼びつけるわけにもいかないので、こうして毎度、妖夢が受け取りに来ていた。
「あっ……! いらっしゃいませ、魂魄さん! ごめんなさい、納品はまだでして、え~と、あと一時間くらい掛かりそうなんですけど……」
「こんにちは。私が単に早く来すぎただけですから、構いません。待たせてもらっても?」
「あっ、はい! 椅子をどうぞ……!」
店の戸を叩けば、弾んだ顔つきの少年が迎える。店内に案内され、勧められた椅子に座る。買い物鞄を床に置いた。
彼は店主の甥で、菓子屋の息子だ。妖夢の外見年齢と比してもだいぶ年下で、実際、まだ寺子屋に通っている。
白玉楼への納品日は忙しくなるからと、店主が手伝いとして借りているのだという。お小遣いももらえるし社会勉強になるので! と、少年自身も前向きに語っていた。
「お、どうしたケン坊。妖夢ちゃん来たか?」
「おじさん、お客さんにちゃん付けは……」
「い~んだよ。おじさんと妖夢ちゃんは付き合い長いんだから」
少年から遅れてのっそりと姿を現わしたのは、たっぷりした体格の中年男性だ。この店の主である。ガマガエルを踏んづけたような顔つきの醜男で、瞳はうすら濁っている。団子鼻の脇にこしらえたイボが特徴的だ。
「すみません、少し早く来てしまいました」
「ああ、いいよいいよ。店の中で待っててくれて。どうせ白玉楼さんへの納品日は、そっちに専念しなきゃだから店自体は休みにしてるんだ。毎度すごい量だからね。ありがたいけど」
淡々としていた妖夢の顔が、男を見るなりぱぁっと綻んだ。花のように――と呼ぶには、いささか艶やかすぎる様だったが。
「つっても、お客さんただ待たせてるのもあれだし……ああそうだ、ケン坊、おまえ手作り菓子でも作ったらどうだい。魂魄さんに食べてもらうんだー! つって気合い入れてただろう?」
「え、おじさんそれは内緒って!」
カウンター裏にのっそりと座りながら、男が口を開く。世間話にしても、なんともわざとらしい口調だったが、少年はそれどころでなく慌てていた。
「へえ、そうなんですか? じゃあ、ご馳走してもらおうかな……、ケン坊くんもそれでいい? 私は待ってるから」
「えっ、はい! が、頑張って作ります! おじさん台所借りるね!」
お願いしますねと笑顔を見せてやれば、少年は気合い十分といった様子で、店の奥へ駆け込んでいった。なんとも初々しい振る舞いだ。見ていて微笑ましく思う。
「……さて。お邪魔虫で空気の読めないガキンチョはいなくなったね、妖夢ちゃん。ここからはオトナの時間だ」
「はい……今日も、たっぷり妖夢のことを躾けてください、おじさま、ンッ……」
世間話を装っていた二人だが、少年が姿を消すなり態度をあらためる。椅子から立ち上がり、恋人のように身を寄せる。男は出し抜けに、その唇を奪った。彼女も、嬉々として受け入れる。
「ぢゅるっ、ハフッんぢゅるっ、ぢゅぶぅっ、んっぢゅ、ぢゅぷ」
「ンッ、んっふ、んぅ……んちゅぅ、んっんっ、んふぅうう……」
美少女のリップをむしゃぶるだけで、男は終わらなかった。当然の権利とばかりに、舌もねじ入れてくる。やはり妖夢は拒まず、自分から絡ませていく。
繋がった口腔の間で、ぬちゃっ、ぬちゃっと唾液のこねられる音がする。少女の涎を啜り、反対に送り込んでくる。彼女の白い喉が小さく蠢いた。男の体液を嚥下しているのだ。
「んぷぁ……おじさまのキッス、やっぱりとっても上手です。妖夢はもう、濡れちゃいました……」
「そうかそうか、この淫乱娘め。だらしない下半身はちゃんと躾けてやらないとなぁ」
二人の関係は、単なる店主と客に留まらない。魂魄妖夢は、男に調教されていた。
最初の行為は、もはやずいぶん昔のこと。性行為の快感を脳を焼き込まれ、屈服させられた。気付けば、彼の下に跪き、そびえる魔羅をしゃぶりたてていた。
以来、納品のたびに色事を教え込まれている。休みにしているとはいえ、誰が来るかも分からぬ店内で、肌を重ねてきた。いまでは、立派なマゾ奴隷として仕上がっていた。
「あんっ、早く、おじさまぁ、どうか妖夢を苛めて、嬲りものにしてください……ッ」
「そう急ぐんじゃないよ。盛りのついた牝犬みたいな女だな」
でっぷりとした手が、指が、やわやわと衣服越しに身体をなぞる。この手で仕込まれ、育てられてきたのだ。発育が良くなるのも当然だった。そうなるように、刺激を受けているのだから。
「あっん」
ブラウスのボタンに手がかけられ、外されていく。慣れた手つきだった。実際、こうして何度も脱がされてきたのだ。
内側に隠された乳房が、ふるんっと露わになる。かつてそこは、壁といってもいいほど平らだった。手垢が擦り込まれるくらい揉まれ、つねられる中で、立派に成長していた。今や、サイズでいえばCカップに至っている。
「ずいぶん育ったじゃぁないか」
「んぅ……っ、おじさまが苛めるからですよ。どうやって大きくしたんだって、知り合いに詰められて大変なんですからね?」
「はは。正直に言ってやりゃいいじゃないか」
なだらかながらも存在感のある双丘は、若々しく、瑞々しくつんっと尖っている。剣士としての修行のなかで磨かれた大胸筋に支えられ、均整のとれた美しい輪郭を描いていた。
先端の桜色は、すでにぷっくりと膨らんでいる。嬲ってくださいと自己主張しているかのようだ。
「ノーブラできたのか。いやらしい娘だ」
「だって、おじさまが言ったんじゃないですか、ここに来るときはそうしろって……あんっ!」
ぽっちを指先で、クリクリと摘ままれる。男の言葉通り、彼女はブラジャーのたぐいをつけていなかった。性への期待で、ブラウスにぽっちりと乳頭のシルエットが浮き出ていたのだが――幸いにして、彼以外の誰にも気付かれずに済んでいた。いつバレてしまうのかと、ドキドキしっぱなしだった。
「人のせいにするのか? まったくどうしようもない女だな、そら、悪い口は塞いでやる」
「ンッ、んちゅッ、んぅう、んぅッ……」
またしても唇を奪われる。自ら、リップを捧げていく。女の自由意志を奪い、己のための牝として支配するかのごとき舌使いに、妖夢はすっかり夢中だった。くちゅくちゅと、繋がった口腔の狭間から音を立てては、甘ったるい吐息を漏らしている。
「くぅんッ、んぅ……ッ」
無意識のうちにすりあわされていた内腿が、野太い掌でこじ開けられる。柔らかでありつつもしなやかな腿肉を撫で回し、感触を愉しんでいる。妖夢は脚を広げ、彼が弄びやすいように受け入れる。さらには、スカートの裾を摘まみ上げ、つつつ……と持ち上げ始めた。
ほの赤い膝から、白い肌の照り映える太腿が露わになっていく。思わずドキリとさせられる美脚だ。普段から修練を積んでいるがゆえの肉体美だった。
そうしてとうとう、下半身が曝け出される。やはり、ショーツの類いは着用していなかった。主人たる男の命令で、逢瀬もとい調教の際はノーパンで来るように命じられていたのだ。
ここに来るまで、うっかりすれば誰かに見られてしまうかもしれないリスクをずっと抱えていた。それは彼女に、恐怖と表裏一体の恍惚をもたらしていた。
魅惑の三角州は、よく整えられた陰毛に飾られている。性奴隷となっても、生真面目さや几帳面さは喪われていなかった。
反対に、恥裂はだらしない姿を晒していた花弁の咲き誇った様は、経験回数の多さを物語っている。とろぉ……と滴る透明な蜜が、太腿にねっとりした筋をつくっていた。
彼女の楚々たる外見からはとても想像のつかない装いだ。奴隷としての仕上がり具合、そしてなにより、どれほど快楽を期待しているか端的に示していた。
「もう濡れ濡れなのか。いやらしい娘だ」
「あはっ、だって、今日私、危ない日で……身体が、孕みたい、孕みたいって言ってるからぁッ……」
でっぷりとした指が、恥丘を擦り上げる。ぬちっぬちっと、肌を摩擦したとは思えぬ音が店内に響く。
「くくッ、そうかそうか。そんなに種付けしてほしいのか、この腹は」
「あっは、はいッ、アァンッ、あふれるくらい中出ししてほしいです……んっ!」
たまらないとばかりの甘い声が、白い喉から零れ落ちる。ふだんきりりとしている目尻は垂れ下がり、凜然たる表情は蕩けていた。
「こりゃ解してやる必要もないなぁ」
「あっ、んっ、あぁあんッ……!」
中指と人差し指が、我が物顔で危険日の肉穴へ侵入を果たす。ぬちゅっ・くちゅっと、彼女に聞かせるように音を立てながら、体内を探ってくる。襞の一枚一枚に、男の存在を思い知らせているのだ。
そんなことをされて、牝犬奴隷に成り下がった妖夢が堪えられるわけもない。素敵だと讃える嬌声をあげながら、内股になりながら膝をカクつかせ、官能に浸るばかりだ。
「あ~あ。すぐ近くでガキンチョが健気にも、自分のために料理してくれてる最中だってのに、この淫乱娘ときたら。知ってる? ケン坊、妖夢ちゃんに惚れてるんだけど」
少女の下半身を苛みながら、話題に上げるのは少年のことだ。ぼんやりとしていた彼女の脳味噌に、彼の顔がうっすら浮かぶ。
「んっ、あ……私、ふつうの恋ってしたこと、ないですけど……あんっ! 顔見せるたびに、ンッ、あんなに露骨に喜ばれたら、気付きますよ、流石に」
「普通の恋はしたことない、か。変態プレイで奴隷になるのが好きなんだもんなぁ妖夢ちゃんは。で? ケン坊のことはどう思ってるんだい」
「どうって、んぅ……ッ、べつに。剣に優れてるわけでもないただの里人なんて、白玉楼としては接点を持つ利点もないですし……それに、なにより……」
「何より?」
「ひぃんッ!」
これ以上は恥ずかしいから、とばかりに言いよどむ妖夢だが、男はそれを許さなかった。鉤状に折り曲げた指で、ザラついた天井を小刻みに擦り上げていく。
ソリッドな性感に、裏返った嬌声を漏らす。白状せよ、とばかりの扱いに、被虐心を刺激される。思わず、口が軽くなった。
「だって、おじさまみたいに素敵なセックスのテクもなさそうだし、こうやっておまんこ苛めてマゾ奴隷として躾けてくれそうにないし、それに、ぜったいに、おチンポ小さいだろうしっ……! だから、付き合うとか、考えれませんからッ……」
「ははは、付き合えるかどうかの基準がぜんぶ色事関連ときた。こんな淫乱娘に普通の恋愛なんか、そりゃ無理ってもんだな。牝犬奴隷になるしかないな。そら、正直に言えたご褒美にもっと苛めてやる」
「はい、ありがとうございますぅッ……んちゅぅッ、んぅうんッ……」
ガマガエルじみた顔面が――醜くも素敵な顔が、また近づいてくる。本日何度めかのディープキッスだ。
物を食べ言葉を話し気勢をあげるべき口腔を、こうして快楽器官として蹂躙されるのを、妖夢はこよなく愛していた。そうなるように、仕込まれてきたとも言うが。
「んッ、んぅッ、んっんっ、くぅううんッ……」
弄ばれているのは、唇だけではない。いわゆる下の口も、嬲りものにされていた。
膣道半ばの腹側、一番弱いところを的確に擦られている。鳴きどころをそんなふうに苛められては、もう正気ではいられない。男の身体に半ば抱きつきながら、膝をカクカクと笑わせていた。
上下で同時に法悦を味わいながら、妖夢が抱いたのは感謝だ。こんなに気持ちよくしてくれたのだ。当然だった。
謝意は、形で示すべきだ。快楽をいただけたなら、快楽で返す。
男の下服に、白い手が伸びる。ゆっくりと、下ろしていく。
内側で膨れていたものが引っかかり、中々困難だ。ある一点を越えた瞬間、ぶるんッ! と姿を現わした。
「んふぅうッ……」
恍惚の溜息が漏れる。全長にして二〇センチ越え。太さでいえば、親指と人差し指でつくる輪っかよりも太い。グイッと反り返りながら不遜に天を衝く姿は、さながら中東に伝わる曲刀だった。
亀頭は赤黒く、力強く張り出す様は槍の穂先を思わせる。野太い幹の表面を、蛇のごとき血管がグロテスクに這い回っている。根元の茂みの奥で、陰嚢が膨れ上がっている。その内で、子作りのためのジュースを急製造しているに違いなかった。
中年男性の禍々しい欲望を具現化したかのごとき、えげつない男根だった。こんなもので穿たれれば、どんなに真面目な女も、どんなおぼこい小娘も、アッという間に牝犬に成り果てる。
己がまさに、そうだった。コレで貫かれ、オンナにされて、セックスの豚として堕ちる快楽を脳味噌に刺青された。その日から、自分は彼の奴隷だ。
そうした今までへのありがとうございますも込めて、白い指を幹に絡ませる。ゆっくりと、手首のスナップをきかせながら、扱き上げていく。
「ぉッ、ンォッ、っぉお~ッ……」
男の喉から、低い呻き声が漏れる。彼好みにさんざん仕込まれた妖夢の技術は、娼婦も顔負けのレベルになっている。無垢な顔立ちの少女から繰り出されるえげつない淫乱テクニックというギャップは、男の下半身を熱くさせてやまないものだった。
「ぉおい、誰かおらんかねぇ」
「ッ」
不意に、店の玄関口から声がかけられる。予期しなかった闖入者に、背筋が跳ねる。
「ん……ぶは。この声は三軒隣の爺様だな。そろそろボケてきてて困ってるらしい」
「あぅ、あんッ……はぁ、あんっ、あぁ」
「あ~。閉店札、店先に出してなかった気がするな。そのせいかな」
おういおういと呼びかける声に対して、男は平然としていた。ゆるゆると、妖夢の身体を弄び続けている。
ぬちゅッ、くちゅっと、粘っこい音が鳴るたびに、柳腰がゾクゾクと震える。甘く切ないキャンディボイスが、白い喉から漏れる。
「居留守を決め込んでもいいが……妖夢ちゃん、応対してやりな。そのままで」
「えっ、え?」
「いいだろ? 玄関から頭だけ出せばいいんだから。ほら」
「ンッ、は、ぁっ、ん」
男は玄関へ向かう。彼女の肉穴に指を引っかけたまま。抜けてしまっては切ないからと、縄で引かれる牛のようについていくしかなかった。ぽたぽたと、歩いたあとに牝汁のシミが残っていた。
「あ、ええと……こんにちは。どうされました?」
「お? お嬢ちゃん、どなたかね」
玄関戸を引き、顔だけ出す。首から下は見せない――さすがの妖夢も、乳房も恥穴も露出した姿を見せびらかせるほど仕上がってはいなかった。
「あ、いえその、私はなんというかこの店、のッ……――!」
さてどう説明したものかと考えあぐねていたところ、声が詰まった。くぅう、と、喉の奥で噛みつぶしたような吐息が漏れる。
下半身を弄ばれていた。人が見ている目の前だというのに、男は愛撫をやめなかった。
ぬるるっ、ぬるるっと、開発された隘路が責められている。襞を擽るように弄んで、快楽を引き出してくる。
「んん? お嬢ちゃん、どうしたね一体」
「いえッ、なんでも、なんでもないんです。ええとそれで、なんのお話でしたっけ……」
そのうち、指が引き抜かれる。達していない女壁が、切なさにジンジンと収縮する。堪えがたい疼きに焦がれるも、背に腹は代えられなかった。
さすがに悪ふざけが過ぎたと思ってくれたのだろうか? 安堵しかけた妖夢だったが――すぐ、間違いだったと気付くことになる。
「おお、それよそれ。干物をのぉ~。買いにきたんじゃが。店が開いておらんでなぁ」
「ッ……」
咄嗟に、手で口を塞いだ。相手からすれば不自然だろうが、気にしている場合ではない。
とろとろと淫汁を滴らせていた膣口に、硬く熱いモノが押し当てられていた。慣れ親しんだ、しかし何度味わっても飽きることのないソレを、彼女はよく知っている。すなわち、勃起した男根だった。
「晩酌はなぁ~。川魚の干物の炙ったのんと決まっとるんでな儂は。ないと張り合いがなくてのォ~……」
「く、ぅ、っふッ、んっぅうッ」
そのまま、亀頭を擦りつけてくる。腰をへこへこと振って媚び、挿入をねだりたくなるのを堪えながら、必死に声を殺す。
老人が自分語りで夢中になってくれていてよかった。牝に堕ちそうなこの顔を見られれば、なにもかも露見していただろうから。
「ッ……く、あぁあッ……!」
彼からの責めはそれだけで終わらなかった。肉洞の入口へ、雄槍の穂先が垂直に押し当てられる。そのまま、ずっ・ずっずっと、隘路の奥へと侵入を果たしていく。避妊具なしの生の肉竿が、よりにもよって、他人の見ている前で。
幾度となく交尾を経験してきた奴隷穴は、己の主人たる肉棒の来訪に悦び、きゅうきゅうとうねりながら締め付ける。肉襞の一つ一つが媚びて、びりびりと痺れる快感を脳天に送ってくる。ぴりぴりと、眼球の裏側で白い火花が散っているのを見ていた。
人前で、セックスしてしまった。あまりにもとんでもない出来事が、妖夢を思考停止に陥らせていた。
同時に、その退廃的・背徳的シチュエーションが、彼女に病的な官能を感じさせていた。ゆくゆくはアブノーマルな性嗜好に繋がる、原体験となるだろう。こうして彼女は、まともな男女関係を楽しめない牝奴隷として磨き上げられていた。
「どうしたねお嬢ちゃん。具合が悪いんかね」
「は……ッ、あ、そうです……ね。んっ。ここの店主も私も、実は体調を崩してて……今日はお店、お休みなんです。すみませんが……」
「なんじゃ。それならそうと早う言うておくれよ。申し訳ないことしたのぉ。ご店主にお大事にと伝えといておくれよ」
唇を尖らせ、老人は踵を返す。彼が半ば呆けていてくれてよかった。どう見ても今の自分は、よがり感じている牝にしか見えないだろう。これが性欲盛りの若い男だったら、一体どうなっていたことか。
玄関戸を閉じる。振り返れば、男は弛んだ頬を吊り上げて、ニタニタと意地の悪い笑みを浮かべていた。
「ひどい、ですよ。あんなことして……バレたらどうするつもりだったんですか」
「大丈夫だって。あの爺さんボケちゃってんだから。それに、バレたほうが良かったんじゃないかい? んん?」
「アッ、はッ、あぁッ、ンッ」
お前の後ろ暗い興奮など見抜いているのだぞとばかりに、腰を軽く揺らめかしてくる。膣道浅くに悪戯されては、なんでも許したい気分になってしまう。こんな気持ちよくしてくれる相手に、これ以上など、できるわけがなかった。
「ま。爺さんは追い返したんだ……ちゃんと愉しもうじゃないか?」
「ンッ……あ。はいっ……あぁ」
腰が引かれる。男根が引き抜かれる。ずっぽりと埋められていた雄魔羅は、愛液に濡れてぬらぬらと輝いている。なんて素敵なんだろうと、視線を外せなかった。
ヴァギナはじんじんと、蕩け爛れて疼いている。「入っているべきモノ」が喪われた切なさに腰をモジつかせるも、男は気にも留めず店内に戻ってしまう。
ふらつきながら後を追う。男は腰を屈め、妖夢の買い物鞄を漁っていた。
他人の私物を無許可で弄るなど、相当に行儀の悪いことだ。が、彼女は咎めなかった。ちょうど、彼に使ってほしいものを持参していたから。
「おやおや……これはまた、ずいぶんマニアックなものを持ってきたじゃないか? 今日はコイツで慰み者にしてくださいってことかい?」
「はい、おっしゃるとおりです。どうか妖夢に、マゾ奴隷の心得を教えてください……っ」
鞄からずるりと、性玩具が姿を現わす。彼に嬲ってほしくて、わざわざこっそり取り寄せたものだ。
お望みとあればと男は呟く。まずは、アイマスクだ。視界が真っ暗になり、何も見えなくなった。
目は五感において非常に大きなウェイトを占めている。それを奪われるのだから、凄まじい心細さが押し寄せる。
そして同時に、肌が異様に敏感になったように感じられた。不安からくる過剰反応であり、喪われた視覚をカバーしようと他の感覚が働きだした結果でもあった。
「いいねえ。これから妖夢ちゃんは、何をされるかもわからないまま、メチャクチャにされるんだ、楽しみだねぇ?」
「アッ、は、あぁッ、あぁ……ッ、はい、妖夢を、後戻りできなくしてください……ッ」
耳元で囁かれ、ゆるゆると身体をなぞられる。それだけで、とても立っていられないような官能がゾクゾクと駆け抜けていった。
「それにこいつは、手錠かい。剣士のくせに、抵抗もできずに好き放題レイプされるのが好みだって? ははは、わざわざ調教なんてしなくても、もうとっくに変態の牝豚じゃないか、妖夢ちゃんは」
「あっは、あぁッ」
「そら。言ってみろ。私は変態の牝豚ですってな」
「あはぁッ、……ッ、はい、私は変態の、淫乱の、どうしようもない牝豚です。おじさまに苛められて、おチンポ性処理の道具にされるのが大好きな、助平娘です。生まれてきてごめんなさいっ……あはァッ……」
己を貶める言葉を編みながら、口元はへらりと歪んでいた。乳首を痛いほどに尖らせ、クリトリスをしこらせ、愛蜜を滴らせながらの謝罪だ。厚顔無恥とはこのことである――一方で、自虐の言葉にはこれ以上ない説得力を持たせていた。
かちゃりと、金属質な音が鳴った。後ろ手に拘束され、自由を奪われる。これで、何をされても抵抗ひとつできない――己の安全すら他人に委ねている状況に、恍惚を覚える。
「で? 最後は……ほほぉ~。これはこれは……」
「ッ……」
最後の玩具を見て、男がニタニタと笑っているのを感じる。期待に、内腿を擦りあわせる。
疼かせていたのは、膣穴ではない。そのすぐ側の、退廃の出口。菊門である。
「はい……どうぞ、私のお尻を躾けてください……ッ」
「はは。ケツ穴でも気持ちよくなりたいってか。なるほど確かに、どうしようもない牝豚だこりゃ」
小ぶりながらもつんと上向いた少女の臀部を、彼へと突き出す。弾力ある尻肉を、男の手が揉みしだく。ペチンッ! と叩かれ、甘い声を漏らしてしまった。
むにぃ……と割り開かれる。露わになったのは、薄茶色の窄まり、アヌスだ。一般的なかたちと違って、こんもりと盛り上がりつつ、縦に伸びたような形状をしていた。
いわゆる、縦割れだ。菊座を弄ばれ、快感を覚えるほどにまでなった証拠――変態の証である。性奴隷として、そこが手つかずのまま残るはずもなかったのだ。
「これだけマン汁で濡れてれば、わざわざ解す必要もないな。そら、入れてやろうじゃないか」
「あはッ、はやく、はやくぅ……っ」
ふりふりとヒップをくねらせ、誘惑する。無防備にも剥き出しにされ、抵抗一つできない肛門へ、玩具――アナルビーズが押し当てられる。
「アッ、はぁんっ、あぁああッ……」
ぬるっ、ぬるるっと、退廃の器官へ珠が飲み込まれていく。肛門神経叢が刺激され、背骨から甘い官能が這い上ってくる。
「んッ、ぉっ、あっ!」
時折、紐を引っ張られ、二三個引き出される。排泄器官で得る下品な快感に、背筋がぶるりと跳ねる。
「はッ、くぅ、んぅうッ……」
「ははは、いい眺めだよ。無様で惨めで、見せてやれないのが残念なくらいだな」
やがて、ビーズの全てが体内に飲み込まれる。膣穴を穿たれるのとはまた違った圧迫感と、そこからくる官能に、菊座をヒクつかせる。
「あは。おじさま。もうだめです、我慢できません……おチンポ、おチンポハメてくださいッ……」
欲情を堪えかねて浅ましい言葉を吐く自分は、いったいどんな視線を浴びせられているのか。想像するだけで達してしまえそうで、とても堪えられなかった。
大きく脚を広げ、股を突き出す。へこっ、へこっと、柳腰をくねらせる。ぷらぷらと、アナルビーズの紐が揺れていた。
「お願いします、淫らで卑しいマゾ奴隷の魂魄妖夢の牝豚危険日おまんこに、おじさまの立派で逞しいおチンポをお恵みください。締まりがなくてゆるゆるで、コンニャクのほうがまだマシなくらいの無価値な穴ポコでございますが、精一杯腰ヘコして、少しでもおじさまが気持ちよくお射精できるように努めますので、どうかこのザーメンごみ箱変態穴に、バキバキビンビンでカッコイイおチンポを突っ込んで、中身がはみ出るくらい乱暴にズポズポして、子宮が埋め尽くされるくらいの大量射精で孕みイきさせてくださいませぇえっ……!」
男から教え込まれた下劣なボキャブラリーを駆使する。交尾のまえはこうしておねだりをする。奴隷として仕込まれた、お下品芸の一つだった。
己の品位を貶め、尊厳を捨て去る、最悪の長広舌だ。被虐趣味を磨かれた彼女からすれば、そうした言葉のひとつひとつが、官能を高める材料だった。
「そこまで言うならしかたない。くれてやろうじゃないか。そら」
椅子に座った男と向き合う形で跨がらされる。開いた股の間、ねっとりとした蜜を滴らせ続ける肉貝に、亀頭の先端が押し当てられる。避妊具も何もなしの、生のペニスがだ。
先ほど、悪戯のようにねじ込まれた男根だ。しかし先以上に硬く、太く、ギンギンといきり勃っているように思える。
己を責めている間、彼も興奮を覚えていたのだ。言い換えれば、コレをこうしたのは、自分の責任であるともいえる。であればやはり、自分が鎮めなくては――使命感すら抱きながら、腰を下ろした。
「アッ、はッ、あぁあああああんッ……!」
ずずずずッと、雄棒が体内に侵入を果たす。両腕の自由を奪われ、抵抗一つできない状態で肉穴を穿たれるのは、たまらなく甘美だった。
「あっ、すごいッ、いぃッ、あはッ、あぅんっ、あぁあ~ッ……!」
開発された牝肉を、生理周期においてもっとも妊娠しやすい状態にある淫洞を、肉竿がごりごりと押し広げていく。この一瞬を、妖夢はこよなく愛していた。
まして今は、視界を奪われているぶん、他の感覚が鋭敏になっている。体奥を埋めるペニスの形がはっきりと感じられ、強烈な恍惚が身を駆けていく。
「アッ、っはッ、アァンッ、アァ……んむぅうッ……! んぢゅるッ、ぢゅるっ、れろぉおッ……」
ぶるぶると、全身を痙攣させる。声が抑えられず、身悶える。
そうして開きっぱなしだった口を塞がれる。唇と舌とでだ。突然の――見えていなかったので――ディープキッスに、妖夢は夢中で応じる。ぢゅるぢゅると、耳裏にへばり付くような唾液の音をたてながら、彼と体液を交換する。
「んッ、くぅんッ、ふぅうッ……! ンッ、れろッ、んっふっ、んぅうんッ……!」
もちろん、ただ繋がって終わりではない。これは、おじさまに気持ちよく射精していただくための、肉穴奉仕の時間なのだ。自らの肉体を、彼を愉しませるためのオナホールとして活用しなくてはならない。
恋人のごとく唇で繋がりあいながら、くねっくねっと柳腰をくねらせる。前後・左右・上下にと、自由自在だ。Cカップの乳房が、ぷるんっ、ぷるんっと弾んでいる。
受精の期待に震えている肉襞でもって、ゾリッゾリッと雄幹を扱き上げる。若い娘の肉膣だからこその締まりで、ソリッドな性感をペニスへ与えていく。
「ッ、んぅううッ!? くっ、ンッ、ふッ、んぅうッ……!」
不意に、雄棒が思いきり肉洞を小突き上げてきた。男が腰を振り始めたのだ。
ドチュッ、ドチュッと、粘っこくえげつない音が響く。たっぷりした体躯から繰り出される。力強いストロークだ。
「んぅううんッ、ぢゅるッ、れろッ、んふっ、んぅッ、くっふぅうう……ッ!」
膣道途中の腹側、ザラついた天井を、グリッグリッと抉られる。最大のプレジャー・ポイントを、的確に嬲られる。
そんな風にされて、正気でいられるわけもない。がくがくと全身を震わせ、身悶える。結合部からは愛の蜜がしぶいて、床に濃厚なシミを作っていく。
視界は真っ暗なはずだというのに、バチバチと白く光っていた。強烈なエクスタシーが、瞼の裏でスパークしているのだ。
「ムフフッ」
それほどの快感を与えておいてなお、男は満足していなかった。妖夢が腰を上下動させるたび震えていた、アナルパールの紐を摘まむ。そして、無遠慮に引っ張った。
「んぉおおおッ!」
ヌルルルルッ! と、連なった珠が可愛らしいおちょぼ口から排出される。肛門神経叢が思いきり刺激され、背筋がガクンッ! と反る。
「んふぅうッ、ンッ、ぢゅるッ、んぅッ、ンッ、くぅうう……ッ!」
そのまま、何度も珠を抜き差しされる。ヌルンヌルンと、腸壁を嬲られる。くぽっくぽっと、薄茶色の菊座は口を開いては、異物をしゃぶり立てている。生々しい肉色の内部粘膜が、ときおり姿を覗かせていた。
下から突き上げるハードファックと、疑似排泄のエクスタシーがない交ぜとなって襲い掛かる。快楽中毒の牝豚に堕した妖夢が、とうてい堪えられるわけもなかった。
「ぅッ、ぅうッ、ううううッ」
到底許容量を超えた快感を流し込まれているというのに、両腕の自由を奪われている。駄目押しに、くびれた腰を鷲づかみにされて、どうやっても逃げられない。マゾヒストにとっては、夢のようなシチュエーションだった。味わわせてくれた彼には、感謝しかない。
「ぶはぁッ。はは。ケツ穴苛められて急にぎゅんぎゅん締めてくるなこの変態娘は。さぁ、そろそろ出すぞぉ。お望みの濃厚ザーメンをぶちまけてやるぞぉッ。イヤだって言っても聞かんぞ、もう孕むのは確定だからなぁ……!」
「んはっ。はい、ください、魂魄妖夢の危険日子宮に、おじさまの濃ゆ~いお精子くださいっ、緊縛生レイプで変態マゾおまんこ孕ませてェッ……!」
口が離れる。獣じみた目線を注ぎながら、男は激しく腰を叩きつけていく。ごちゅッ、ごちゅッと、えげつない音が響いている。
「あっはッ、ぁおッ、っひぃっ、ぉおんッ、あああぁッ……!」
人格も尊厳も否定され、気持ちよく射精するための道具としてヴァギナを使われている。オナホールまがいの扱いを受けて、妖夢はたまらない幸福に浸っていた。
尻穴を弄ばれるたびに、きゅうきゅうとヴァギナを締め付ける。腰をぐねんぐねんと踊らせて、彼を絶頂へと導く。すると男も発奮し、ピストンの勢いを強めていく。そうしてとうとう、最後の瞬間が訪れた。
「ぉッ、おッ、ぉおおッ、ぉおおおッ――!」
低い声で呻きながら、男がひときわ深く、男根を突き出した。妖夢の最奥、子宮口の入口を、亀頭でもってぶん殴る。同時に、アナルビーズを引っこ抜く。ぬぽぽぽぽぉんッと、腸液まみれの珠が吐き出される。駄目押しとばかりに、肉竿を炸裂させた。
ドッ、ドッと、雄棒が脈動する。陰嚢に溜め込んだ雄汁を、勢いよく解き放っていく。何の遠慮も、配慮もなく、鈴口より彼女の子宮へとぶちまけていく。
中年親父の精子が、うら若き乙女の子袋を埋め尽くしていく。下卑た鞭毛を蠢かし、えげつない臭気を染みつかせながら、卵子と結合すべく奥へと殺到していく。
「ッ――っはぁぁああああああ……ッ!」
そんな風にされて、絶頂せずにいられるわけもなかった。喉を振り絞り、全身を痙攣させながら、悦びの頂点に至る。背筋を反らせ、結合部から牝汁を噴き出した。
「ッあはぁッ、ありがとうございます、ありがとうございますぅうッ……!」
腹の奥で感じる強烈な熱が、脳味噌が焼けそうな程の幸福感をもたらす。気付けば、感謝の言葉を繰り返していた。えげつのない調教レイプと無責任射精で、こうして妊娠させてくださったことへの感謝を、無意識に垂れ流していた。
「ッはぁ、アッ、あぁ、あぁあんッ……」
やがて、強烈なる射精も終わる。緊張していた全身が弛緩し、彼に上体を預ける。やわらかな乳房が、ふにゅん、と形を変えた。
「そら、何をしてるんだ? マンコ使ってもらった礼がいるだろ、礼が」
「ん、っは、はい、っ……」
妖夢の肉体を使い終えてなお、男は手錠もアイマスクも外してやろうとはしなかった。まだ行為は終わっていないからだ。つまり、彼が言うところの「礼」が。
ふらつく脚を支えながら、妖夢は立ち上がる。肉竿が引き抜け、ぬぽっ……と音を立てた。
なんとなくの気配を頼りに、男の両脚の間に跪く。後頭部に硬い板が当たり、さらに屈んだ。どうも、カウンターの下へ潜り込む形になったらしい。
「そらっ、お前が汚したチンポだぞ。ちゃんと感謝を込めてしゃぶるんだ」
「はい、このたびは魂魄妖夢を、調教レイプで牝豚にしてくださって、ありがとうございました……んぁ」
愛液と精液にまみれた男根が、顔面に押しつけられる。えげつない臭気を纏った粘液を、ぬりたくられていく。被虐心を刺激され、甘い声を漏らす。
「れろぉ……んはぁッ、んぷッ。んぢゅる……ぢゅぷっ、くぽッ」
艶めく唇から、桃舌が這い出る。れろぉぉ……と、肉魔羅を根元から先端にかけて舐め上げる。自らを貶めてくださった御立派を褒め称え、労る舌使いだった。
さらにそのまま、咥え込む。頭を前後させて、唇で幹を扱いていく。ぢゅぽッ、ぢゅぷっと、空気の抜ける音が時折響いた。
口淫奉仕であると同時に、べとべとになった魔羅の掃除でもある。口内で舌が肉幹じゅうを這い回り、へばりついた汁をしっかりこそぎ落としていた。
「んふぅ……んちゅぽっ、ちゅぷぅッ、ぢゅぷぅ」
拘束され自由を奪われて、使われたばかりの穴からは種汁を滴らせながら、頬を窄めて雄のモノをしゃぶる。娼婦も顔負けの、淫らなる振る舞いだった。彼女が心底ペニスに屈していることの、何よりの証拠だった。
「妖夢さん! そろそろ出来上がりますよ……って、あれ?」
不意に、店の奥に繋がる扉が、軋んだ。少年の声に、妖夢は一瞬身を硬くする。バレてしまった――と思ったが、どうもそういった雰囲気ではない。
「おじさん、妖夢さんは?」
「ああ、手洗いに行ってるよ」
服を乱雑に剥がれ拘束され、明らかに陵辱された後の想い人が、己の叔父に口淫奉仕をしている。とんでもない状況であるにもかかわらず、少年はそれに気付いていなかった。
店の構造を思い起こし、納得する。彼の位置からだと、自分はカウンターにしゃがんで隠れているような形になり、見えていないのだ。
とはいえ、危なかった、と安堵する間は与えられなかった。男の片手が、妖夢の頭頂あたりに乗せられる。そのままグイと、彼女の頭を己の下半身に引き寄せた。
「ぉゴッ……」
自然、雄棒は口腔いっぱいを埋め尽くす。それどころか、喉にまで至っていた。
結果、えずき、低い呻き声が漏れる。生理的な苦痛と、イラマチオされることで生じるマゾヒスティックな官能が、同時に押し寄せた。
「ん? 何だろ今の音」
「家鳴りかなんかかね。ウチの店も古いからな……」
「ッ……ぐ、む」
そんなことがあってなお、鈍感な少年は気付かない。脳天気な声をあげている。いや、世間知らずの餓鬼に、このような酸鼻極まる調教劇を想定せよというほうが無茶なのだろう。
呼吸すらままならず、酸欠の恍惚に浸りながら、妖夢はそれでも舌を蠢かしていた。れろっ、れろれろっと、特に裏筋を舐め回す。さすがの男も、射精直後の敏感な魔羅をそうやって責め立てられるのはキくらしく、腰をゾクゾクッと震わせた。
「それよりケン坊。仕上げがまだなんだろ? 妖夢ちゃんが戻ってくるまでに終わらせちまいな」
「あっ、いっけね。じゃあ、すぐ終わらせるから」
「おう。……ははは。あの餓鬼、憧れのお姉さんが目の前で喉奥調教されてるのに気づきもしないなんてなぁ?」
ばたんと、扉の閉まる音がした。同時に、頭が解放される。口を離して、空気を取り込んだ。
「そら、上手に待てできたご褒美だ。受け取れ牝豚」
「んはっ! ……あっ、はっ、あぁあッ……ありがとうございます、おじさまぁ……っ」
顔面に、べちゃべちゃと生温かいものが浴びせられている。何であるかなど、考えるまでもない。本日二発目であるにもかかわらず、精子は相変わらず濃厚で、恐ろしいまでの臭気を放っている。付着した瞬間、皮膚細胞に染みこんで、どれだけ洗顔しても取れなそうだった。
「ザーメン化粧だけで許されると思うなぁ?」
「んあぁッ、あっ、あぁッ」
大きく口を開き、舌を突き出す。すると当然、そこへも濁液はぶちまけられていく。強烈なえぐみと塩気を纏ったそれは、たまらなく美味だ。亀頭に口づけて、ちゅうちゅうとストローのように吸い上げるほどだった。
「お、お、おぉ……ッ、ふぅ~。いいザマだなぁ、妖夢ちゃん」
顔面じゅうスペルマまみれにされた彼女は、惨めな奴隷以外のなにものでもない。牝豚らしい下品メイクを施していただいたことに、本人は感謝していた。
「そうだ。……そのまま、顔洗わずにケン坊に会いな。くくっ。好きな人にせっかく手作り菓子を捧げたってのに、そいつは口んなかザーメンまみれでな~んも味なんか分かりゃしないんだ。最高だなぁ」
「あは……かしこまりました。それってなんだか、とっても素敵ですね」
アイマスクと手錠が外される。しかし、顔を拭うための布は渡されなかった。男は本気で言っているのだ。
幸い、まだ菓子の完成には少しあるだろう。それまでにはこの、目を開けてもいられないほどの精子も、乾いてはくれるはずだ。ただし、それはそれですごい臭いだろう――そうでなくても、情事の臭いと牝臭を漂わせている状態なのだ。さすがにバレるかもしれない。
そうなれば大事だと、もちろん妖夢も理解している。理解しているにもかかわらず、艶然と微笑むのだった。
***
手渡されたのは大福だった。丁寧な仕事をしているのだろう。求肥は滑らかで舌触りがよく、餡もしっかりとつくってある。もくもくと咀嚼しながら、心中では淡々と評価を下す。その姿を、少年はじっと見つめていた。
「ど、どうですか?」
「そうですね……想像していたよりもずっと上手ですね。けれど、貴方のご実家の菓子店は、白玉楼にも納品している名店のひとつですからね。継ごうと思うなら、これに満足せずもっと精進が必要ですよ」
「え、あ。……あっ、はい。えっと、頑張ります」
白玉楼の者としてでなく、妖夢自身の感想を、彼は求めていたのだろう。一瞬、拍子抜けといった表情を浮かべたが、すぐに気を取り直す。いつか立場なしに美味いと言ってもらうぞと、顔は語っていた。
「ははは。残念だったなケン坊! まあ、精進しろよ。応援してるぞ」
実際の出来がどうでも無意味だと、妖夢も店主も知っていた。なにせ妖夢の口の中は、一〇分ほど前に注がれた精子でぐちゃぐちゃなのだ。何を食べたとて、味など分かるわけもないのだ。そしてなにより。
「あなたのお菓子がどれほど美味しくなろうが、おじさまのおザーメンの味には、到底及ばないでしょうからね……」
小さく呟く。それに気づきもせず、少年は奮起し、呑気に志を新たにしていた。