第一集落付きの木こり、キャロラインとミシェルの実力はこの集落でもトップクラスである。
その実力の一因が本人が望まずに得た、触手による陵辱行為の副産物であるため、二人の身体が純粋な人間とは異なっているのもあるだろう。
しかし、それでも力は力だ。木こりにとって純粋な力ほど欲しいもの。
『ゴレ×メタ』の面々が二人の力に興味を持ったことは当然だろう。
弟子入りを申し出たところで初めて知らされたことだが、チームリーダーであるブレンディはつい先程の自分の発言に迷い出していた。
ねっとりと、独特の匂いを漂わせたキャロラインの唾液を舐めとって巨大化したミシェルの持つ肉棒の雄々しさ。
思い出すだけで赤面してしまう、初心(うぶ)なブレンディ。
「私は……、いや私たちは本当に彼女たちに弟子入りしても良いのだろうか?」
「リーダー……」
「……」
ソファーに座るフィーネも何かを言おうとして続きが出てこない。
すでに昼寝から目を覚まして事情を聞いたハミィも珍しく難しい顔をしている。
「自分たちが育った施設の妹弟たちのためにも金を稼がなければいけない。
だからこそ無理を言って第一集落に越してきたというのに、ここの触手どもには通用しなかった。
ここまではいいか?」
妹達を見回して言葉を区切るブレンディ。
重々しく頷く愛しい妹達の心の支えになるためにも、あえて力強く言葉を選んでいく。
「そしてピンチを助けてもらった第一集落のエース、キャロラインちゃんとミシェルちゃんに弟子入りを志願した。
……が、彼女たちの事情を聞いて、それでも稽古を付けてもらうことが良いことなのかと考えてしまうんだ」
クールな自分が得た結果がこれだ、と自重気味に言うブレンディ。
弟子入りを志願した『ゴレ×メタ』の三人に、少女二人が提示した稽古の方法というのは至極簡単なものであった。
触手によって肉体改造された彼女たちと性行為を通じ、精神が壊れる限界を見極めながら肉体をゆっくりと人為的に改造するというものだ。
これは諸刃の剣とも言える方法だ。
少女たちは自分たちのような触手被害を減らす(という名目の)ため、触手の(性的利用方法)研究のため、森へと挑んでいる。
その目的を果たすのは並々ならぬ覚悟と、彼女らと同等の仲間が多く必要だ。
『ゴレ×メタ』の三人と、キャロラインとミシェルの二人。目的は違えど手段と過程は共通している。
そのための稽古。二人の少女は自分たちの身の上を語り、その目的を果たすのに協力できる木こりへと成長することを条件に三人を鍛えると言ってくれたのだ。
強くなるためならば何でもする気だった三人だが、凄絶な過去を持つ少女二人に言うには覚悟が弱かったと後悔しているのだ。
少女二人は純粋に肉感的なに魅力を持つ『ゴレ×メタ』との普段とは違った性行為を楽しみにしての提案した節もあるが。
「姉ちゃん、あたいは正直、あの二人は別次元だと思っていたがその通りだった今、恐ろしい。
本当に弟子入りしてもいいのZE?」
「それは私も同感だハミィ。
私も怖い」
「お姉ちゃん、私もその……触手刈りをしていたら、いつかはそういう事もあると思っていたけど、その……」
「フィーネ、君の考えていることもわかるし、それについても同感だ。
私もフィーネもハミィも、三人揃って処女だからな……」
そう、三人が恐れているのは処女を失うということだ。
三人が弟子入り志願をしてミシェルは、己の股間に生えた肉棒を見せてくれた。
昼間であるため、性欲は鳴りを潜めてサイズは小さめではあったが、それでも三人にとっては初めて見るモノだ。
予想以上に大きく、アレが夜になるとさらに大きくなり、それを自分たちの初めての相手として受け入れることになる。それは恐怖だ。
キャロラインは触手による肉体改造の影響は夜間にのみ訪れると言う。
それはつまり、疲れ知らずの強靭な肉体を得る代わりに夜の間は朝まで続く性的な昂ぶりを死ぬまで耐え続けなければいけないということだ。
人の手で行う擬似触手改造なのだから性欲上昇効果はどれほどあるのかは分からないが、それでも全く無いということはないだろう。
彼女たちはそのことのメリットとデメリットをきちんと説明した上で、確実に第一集落でも上位に食い込める力を得ることが出来るとも言っていた。
第一集落での最下級ランクの触手は、第二集落までの最上位ランクの触手とは比べ物にならない差がある。だからこその収入の多さなのだ。
第一集落所属の木こり達は適当に休日を挟んでも暮らせるし、『ゴレ×メタ』の三人も無理をしなければ第一集落でもやっていけない訳ではない。
その無理をしなければ得られない大金を得るために触手刈りをしようというのだから、身体に無理がかかるデメリットは受け入れるべきなのだろう。
「なぁ、二人共。
私はやはり、恐ろしくもあるがそれでも彼女たちに弟子入りしようと思う。
普通に暮らす以上の金を求めているんだ。
それは普通に暮らせなくなる身体になってでも果たしたい目的なんだよ」
よく考えた上で、それでブレンディはやはり、弟子入りを志願する。
たとえ己の身が性欲を持て余し、日常生活に支障をきたすとしても、それと引き換えに妹弟たちの暮らしが楽になるのなら恐怖に打ち勝つ理由になる。
「だがな、二人共。
お前たちはそこまでする必要はない。これは施設で育った最年長の姉としての考えだ。
ハミィもフィーネも私にとっては施設で暮らす妹弟たちと同じく大切な守るべき妹なのだからな。
無理をするな」
「……お姉ちゃん!」
「あたいらも姉ちゃんが大好きだ!」
フィーネとハミィは姉であるブレンディに駆け寄ると揃って抱き合った。
三人が三人で抱きしめ合い、その温もりを感じる。そして思い出す。
自分たちが何のためにここまで来たのかを。
「私たち姉妹は、たとえ性欲に身を焦がし狂い死にそうになっても誰一人として勝手に死にはしない」
「家族の愛は性衝動にも負けない!」
「あたいら三人は揃って最強への道を駆け上がり続ける!」
覚悟を決めた三人は、二人の少女が約束した時間までずっとそうして抱きしめ合うのだった
愛のために無理をし、道理を引っ込めてでも家族を愛するために新たな力を得るために。
抱きしめ合う手に力が入る。生きる活力が。
まだ見ぬ快楽に思いを馳せて、これから先の未来に希望を見出していく。
◆ ◆ ◆
ところ変わって第一集落の役場にて。
『ゴレ×メタ』の三人と別れて夜まで時間を潰すべくやってきたキャロラインとミシェルは、カウンター席に座ってはちみつ入りミルク(特盛)で喉を潤していた。
ミルクは特別な製法で味を損なうことなく、こってりと濃厚に加工がされている。
まるでザーメンのような喉に引っかかる感じではあるが、触手陵辱から開放された今となっては懐かしさすらある味と食感に、二人は時折このミルクを飲みに来る。
ぽこりと浮かんだ気泡が本物のザーメンのように、くちゃくちゃと口内で感触を楽しませる面白い飲み物だ。一杯300円。
「なぁ、キャリー。本当にこれで良かったのか?」
「何がです?」
「分かってんだろ? 『ゴレ×メタ』の人らのことだよ。
強くなるために改造を受け入れますか? だなんて普通は拒絶するぜ?」
「でも、すぐには拒絶しなかった。
私はあの方たちの覚悟というのが並々ならぬものだと察したので、性に目覚めても人間で在り続けようと出来る人たちか知りたいのです」
少し大げさかもですが、とも言うがキャロラインの様子は特に気にしたものでもなかった。
それはつまり、『ゴレ×メタ』の三人がどのような選択を選ぶのかわかっているかあだろうか。
コクリ、と。コップのミルクを飲み干すとカウンターに下ろし、すかさずお代わりを注ぐのはカウンター業務も担当している役場職員のマリコ。
元々、大人しかいない第一集落であるため椅子もコップも大きめだ。
その大きなコップを両手で持ち、コクコクと飲み干して白ひげを作っている小さな女の子。それにときめかないマリコではない。
「ありがとうございます、マリコさん」
「あ、うん。どういたしまして♪
(でへへ、小さなお手手と小さなお口……、まったく、ちっちゃな木こりちゃんは最高ね♪)」
「マリコさん、あたしにもお代わりくれ♪」
「はぁ~い♪」
少女二人を慈しみの目で眺めるマリコを注意する者など誰もいない。
彼女の上司も、他の客たちも、皆、二人の少女を愛でることに何の疑問も抱かぬ紳士だからである。
お互いの白ひげミルクを嬉しそうに舐め取り合う二人に、もう鼻血は止まらないほどだ。
ミシェルがキャロラインの頬を舌で舐めると、お返しとばかりにキャロラインも舐め返す。
ぺろぺろと、それこそ顔中唾液まみれにする勢いで舐める。
途中からはわざとコップのミルクを跳ね飛ばして顔射よろしく白濁に染めて舐め合っている。
その時、唇同士がほんの少し触れ合った瞬間、周囲の客のほとんどが鼻血をまき散らしながら意識を飛ばしてしまった。
「(ちょっとミシェル。あまり人前で私たちの関係を“分かりやすく”見せつけるのはどうかと思うですよ)」
「(別にいいだろ? ちょっと過激なスキンシップしても、あたしら子どもだし♪ うりゃ♪)」
「きゃふん♪(……もう、さっきから胸が敏感なの分かっていてひどいですよミシェル)」
「うはは♪(悪い悪い。でもまぁ、いつも世話になってる第一集落の隠れているつもりのロリコン連中に、チョットくらいサービスしてやろーぜ♪)」
悪びれるでもなく過激なスキンシップを繰り返すミシェルと、口では嫌がりながらも身体はむしろ差し出すように触りやすく突き出すキャロライン
子どもなのは見た目だけであり、身長も140センチに届くか届かないかという幼い容姿ではあるものの、二人から漂う色気は凄まじいものがある。
第一集落のロリコンどもをからかうのを面白がるのは良いが、あくまでさり気なくしなければ純真無垢な少女を演じているのがバレて面白くなくなってしまうというのに、ミシェルがこれではキャロラインも関係を隠すのがバカらしくなってしまう。
なかにはマリコのように、特A級の変態紳士(ロリコン)の達人もいたが、彼ら彼女らは鼻血こそ吹いても気絶することなく二人のあどけない仕草をしっかりと脳内に焼き付けている。
先程の唇が触れ合うという、意図せずキスした様子は一生涯、心の宝石箱に仕舞われ続けるだろう。
「それでさ、キャリー。話は戻るが『ゴレ×メタ』の人らの覚悟ってなんだ?
あたしは危なっかしいだけにしか思えなかったけど」
「本当に突然、話を戻すですね。
……あの方たちは守りたいものがあるようです。
そのためなら無茶を無茶と思わない。
それがあの方たちの覚悟」
だから、覚悟を利用した。
言葉は悪いかもしれないが、キャロラインはこの森に500年も囚われ陵辱され、精神を壊され肉体を改造され、それでも生きながらえたのは森へ立ち向かうためだ。
それは復讐や憎しみなどの感情も多少はあるかもしれないが、一番の理由は「謎」だからだ。
なぜ自分の暮らしていた集落に突如として触手が湧いて出たのか?
なぜ500年もの間、陵辱の限りを受けて完全に壊されたはずの自分の精神は戻ってきたのか?
なぜ最初に逃げ出そうとした時に逃げることが出来なかったのに今更逃げ出すことができたのか?
なぜ自分はこれほどまでにえっちな女の子に変えられてしまったのか?
触手の森――この森は分からない。性と謎に溢れている。
森の触手は年月と共に成長して森を拡大させようとする。
その拡大は周辺集落の木こり達によって阻止されているが、その理由が分からないから第一集落の木こりが調査のために深部の触手を刈り取ってくる。
研究者によって森に生えている触手の便利な特性は多様に研究されていき、人類の文化の発展に欠かせないものとなっていっている。
ただの樹木と違う、意志を持って自律行動可能な植物。
そんな触手の森を調べるには腕の良い木こりが幾ら居ても困ることはない。
「まっ、全てはあの方々の覚悟次第です。
目的は違えど、触手を刈るという過程で私たちの目的は近づいていく。
私は知りたいのです。意思を持つこの森が何を考えてここに存在しているのかを」
そう言ってはちみつ入りミルクを再び飲み干してお代わりを要求する。
少しばかりタプついてきたお腹だが、それでも夜に備えて栄養を付けておかなければならない。
ミシェルも、キャロラインの力強い眼差しに自分と同じ感情を見出してお代わりをする。
今夜は長く、激しい夜になりそうだ。
役場にて少女二人が飲んでいたミルクは、グレープフルーツジュースとクリームチーズを7:3で混ぜたものではありません。
特別な製法というのは刈り取ってきた触手素材を調味料として混ぜることで出来る濃厚ミルクです。流石は一応、触手作品! 触手の有効利用♪