“触手の森”の周辺、第一集落である“スターホース”。
そこは最も森の近くに位置する対・触手の前線基地とも言える場所である。
そこに、一人の少女の姿があった。
春に咲く桜の花のように鮮やかな桃色の髪を両サイドでお団子に結っている。
そのため、うなじから耳までが髪に隠れることもなく露出しており、そこから覗く真っ白な肌と相まって、少女の幼さを引き立てている。
しかし肌ツヤの張りの良さと、桃色の髪の輝きは見目麗しい少女のそれでありながら、妙に色気がある。
彼女とすれ違う者は男女問わず視線を奪われている要因は、この色気にほかならないだろう。
外見から判断するならば年齢は十になるかならないか。それでもその年齢には見えない艶っぽさだ。
まるで幼い容姿でありながら何百何千という性の快楽を経験したかのような美しさともとれる。
胸は容姿相応に平坦であり、くびれもない凹凸の少ない体型。
服装にしても露出が多いわけでもないというのに滲み出るような色気。
そして少女は、そんな自分の容姿を気にかけるでもなく淡々とした口調と態度で大人を相手に会話をするのだ。
「つい先程、戻りましたです。
依頼によって刈り取ってきた触手ですが、役場で手続きを終えたついでに、こっちに直接持ってきたですよ」
可愛らしい声ではあるが、声に幼さは無かった。感情が冷え切ったかのように抑揚のない声だ。
「お、もう来たのかい。
やっぱりキャロラインちゃんは仕事が早いね。
相変わらず一回の触手刈りで得る量とは思えない数だ」
でも無茶をしたら体にもよくないよ? と、少女、キャロラインと向かい合う男は言う。
「無茶を否定するのは関心しませんですよ、グラン博士。
無茶をしてこそ自分の限界を超えられるのです。
私は早く、自分が得た力を使いこなせるようになりたいのです。
無茶を覚悟の特攻は当然です」
快楽が伴わない日常というのも新鮮で楽しいですが、とキャロラインはここでようやく愉快そうに言う。
対するグラン博士。彼は触手研究の第一人者であるが一人の大人として、目の前の華奢に見える儚げな強い少女を心配しているのだ。
周辺集落の住民にとって恐ろしくもあり、文明の発展に貢献している“触手の森”に、500年も囚われて陵辱の限りを尽くされた少女のことを。
「キャロラインちゃん……。
僕はたかだか数十年しか生きていないし、五百年もの長い間、触手の苗床にされていた君の気持ちは理解できているとはいえない。
だけど君に無茶をしてほしくないと心から思っているんだ」
グラン博士は触手によって、王国の兵士だった弟を失っている。
さらに妻も、触手に犯されて気が狂って自殺されている。
彼なりに触手に対する恨みはあるし、触手の研究でいまの生活が送れているが触手の根絶こそが博士の目的である。
だからと言って、死に急ぐようなキャロラインの触手刈りは応援しにくいのだ。
「私は自分のために触手を刈る決意を決めましたですよ?
なぜ自分が捕まったのか?
なぜ触手は存在しているのか?
怒りや憎しみによる復讐心も無いことはありませんが、一番の理由はそうした謎を解き明かしたいからですよ。
不思議でならない触手の生態。それを解き明かすことこそが私の生きる目的。
その結果、私のみにどのような事が起きようと博士の心配は無意味です。
触手どもに改造された私の身体は、闘争の感情に浸っていないと性欲が暴走しちゃうです♪」
グラン博士の言葉は彼女には届かない。
たった一人、彼女は一人ぼっちなのだ。
この五百年もの間に延々と触手から注入された特殊な薬液により、老いることなく五百年も犯され孕み、触手を生み続け苦しんでいた。
いや、囚われていた500年を悦びしか感じられなかったことこそが彼女の苦しみとも言えるだろう。
家族とも友人とも死別した悲しみ、森をここまで大きくしてしまった憤り、それらが混ざった複雑な感情がキャロラインを“木こり”として森に向かわせているのだ。
失うものが何もないから、唯一の存在意義でもある森の謎に向き合うために触手を刈る。
彼女は刈ってきた触手の素材をグラン博士の研究所の床に置くと、博士から借り受けている自宅へと帰っていく。
拠点である第一集落“スターホース”には、素材の持ち込みと寝るために帰り、起きれば森に出かけて限界ギリギリまで触手を刈り取ってくる。
どれだけ体が傷つこうと、長年かけて触手たちの陵辱を受け続けた少女は瞬時に再生してしまう。そう改造されたからだ。
どれだけ心が傷つこうと、精神面に影響が出るほど彼女の心は綺麗ではない。そうでも無いと崩壊してしまうほどに酷い運命に流されてきたからだ。
グラン博士はそんな彼女の後ろ姿を黙って見送り、ふと妙案を思いつく。
今朝、第二集落の友人から届いて忘れていた手紙の返信を書こうと決めたのだ。
「ふふっ、彼女は私にも心を閉ざしているが、同じ境遇の女の子になら、もう少し警戒心を解いてくれるだろう。
願わくば、この手紙の内容が吉と出てくれれば良いのだが……」
グラン博士の友人からの手紙の内容はこうだ。
「触手による肉体改造が酷い少女が木こりとして復帰し、第二集落の規定能力値を大幅に超える実力をつけたため第一集落への格上げを希望する」と。
キャロラインは五百年もの間、触手の陵辱を受けていたようだが、その手紙に書かれた少女も何年か前に触手に犯されながら、木こりとして復帰したのだそうだ。
触手陵辱による肉体改造を受けながらも恐怖に屈さずに戦線に復帰した少女。
精神面は明るく振舞っているが、その体には取り返しのつかないほどに酷い触手の爪痕が残されており、同じ第二集落内の“木こり”の女性たちからも疎まれているそうだ。
強くて可愛らしい少女の木こり、第一集落ならばその子を疎んじる者はいないだろう。
グラン博士はその手紙の少女を第一集落で受け入れ、キャロラインと一緒に過ごしてもらおうと考えたのだ。
精神を壊された空虚な少女と、体を蹂躙されながらも生きることに前向きな少女。
グラン博士の手紙が相手側に届き、それから三日ほどのこと。キャロラインの家に一人の少女が尋ねることとなった。
相互依存になるかもしれないが、誰よりもキャロラインの気持ちを理解出来るであろう体に傷を持つ少女が。
◆ ◆ ◆
殺風景な何もない部屋。
台所には数日分の食材と幾つかの調理器具と食器、洗面所には何枚かのタオルと歯ブラシにコップ、ベッドとタンス、それに小さな机が一つ。
飾りや遊び心が感じられないその部屋は、キャロラインの住む家だ。
「ん……んぅ」
一人、自宅の布団の中で悶える少女。キャロラインだ。
「ふぅ、ひゃふっ! ふぁ……~~っ♪」
彼女の小さな手は、抑えようもない昂ぶりによってまだ未熟な割れ目へと伸ばされる。
何度となく触手に犯され、突き入れられ、孕まされ、ありとあらゆる快楽を受け続けた女としての大切な場所。
長年の陵辱によって蹂躙の限りを尽くされ、閉経しており人間相手でも妊娠はできないだろう。成長も皆無な幼い性器。
それでも快楽への欲求だけは消えない綺麗な割れ目に、彼女は指先を突き入れている。
ちゅぷちゅぷと、淫靡な水音を室内に響かせながら割れ目に差し込んだ指先を開いたり閉じたり。
入口の狭さとは裏腹に、入れようと思えば手首まであっさりと飲み込めるだけの拡張改造を受けた彼女の割れ目は指先でいじるだけで敏感な快楽を生み出している。
襞が自分の指先でさえも快楽に変えるべく吸い付いてくる感覚に、余計に性欲が刺激されてしまう。
「もう、イっちゃう……。手が止まらないぃ……~~ンッ♪」
割れ目をいじる手は止まらず、もう片方の手は自分の乳首をいじる。
コリコリと固く尖ってきた先端を転がすようにつまみ、ときおり指をしゃぶって唾液で濡らして潤滑を良くして刺激を強める。
体液の全てが森の触手による長年の陵辱によって催淫効果のある媚薬に成り代わっているキャロラインの唾液だ。
それそのものが強力な媚薬としても使えるほどに濃度が高い。
勿論、昼間はそれでも問題なく生活出来ているのだが、夜になって布団に横になると体中の血液がざわついてくる。
快楽に身を任せろと、彼女の華奢な体を快楽で染めようとしてくる。
じっとしていると、すぐに快楽に支配されて自分の股間に手を伸ばし、疲れて意識が飛ぶまで自慰行為は止まらない。
心臓の鼓動が煩くて眠れるはずもない。それだけ性の快楽に飢えている。
「ふぅ、ひぐぅ……むんッ~~……!」
ビクビク、と。何度目かの絶頂によってキャロラインは潮を吹き、意識を失った。
第一集落に保護されて木こりとなってから毎晩続いている自慰行為。
彼女は触手から抜け出しても心は未だに捕らえられたままなのだ。
そして意識を取り戻すと再び自慰を再開して意識が飛ぶまで繰り返す。
彼女は触手によって体を改造され、睡眠は必要としないが、それでも心が人間でありながら眠ることが出来ないのは心が折れそうになる。
泣こうが喚こうが24時間365日、常に全身の穴という穴を触手に犯され続けてきた500年の期間は彼女の精神までも犯している。
そうして今日も、キャロラインは眠れぬ夜を性の快楽で満たしながら朝を向かえるのだった。
という訳で、このような感じに主人公のキャロラインが森を探索して触手を刈り取りお金に替えて生活していくお話です。
ぶっちゃけ、「ふたなりロリレズえっちの要素>冒険の要素」のつもりでしたが、三人称で進むので割とシリアス要素もあります。