無駄に強い設定は好きですが、その強さを行為にばかり使うというのが私の趣味だったりします。
小鳥の囀りと窓辺から差し込む朝陽によって目を覚ますというのは健康的とも言えるが、肌寒くなってきたここ最近の周辺集落での目覚めは快適とは言い難いものがある。
「ん‥…、良かった。
部屋はそこまで汚れていないですね」
昨晩はミシェルが越してきたお祝いの鍋パーティで深夜まで盛り上がりはしたものの、それなりに広い家である。
昨日の段階でミシェルの部屋を決めていたため、寝るときは二人は別々。
自室でいつもの日課でもある朝までオナニー絶頂を繰り返し続けていたキャロラインの痴態がバレなかったのは幸いだろう。
ここに来てからの日課と言っていいのか、毎晩朝まで続いている自慰行為はミシェルにバレずに済んだようだ。
「というか私、指先を差し込んだままイっちゃってたんですね。
うわ、性欲が収まって改めてねちゃねちゃする指を見るのって、ちょっとヤですね」
いつものことなので壁に掛けてあったタオルである程度拭うキャロライン。
絶頂感抜けやらぬ状態ながらポーカーフェイスのままリビングへと向かうと、そこにはすでに起き出していたミシェルがいた。
「お、おはようミシェル」
「あ、ああ、うん。おはようキャリー」
同居人という温もりは少しばかり照れくさいが、これからこういったことが日常になるのだと悪い気はしない。
二人は顔を洗うと、触手刈りに向けて身支度を整える。
いつも一人で森に向かうキャロラインだが、今日は出会ったばかりで実力も未知数のミシェルと潜るのだ。
木こりの実力を知るには森に出るのが一番わかりやすい。
そして出かける前の身支度だが、ミシェルは髪が短いので軽く櫛を通すだけだが、キャロラインは意外とこだわりのあるお団子頭に結うのに少し手間取ってしまう。
うなじを扇情的に見せつつ、幼さを残すお団子結いは少女特有の魅力を有するキャロラインの拘りの一つでもある。
これから向かうのが森であっても髪のおしゃれは大切である。
「キャリーって、髪を解けば意外と長いのな♪」
「ごめん、ミシェルよりも少し時間かかりそうです」
「気にすんなって。ってーか同居人のあたしが言うことじゃねーよな。
あたしも髪を梳くの手伝うぜ♪」
「あっ! ちょっ!?」
ミシェルはぎこちない手つきでキャロラインの髪に櫛を通す。
キャロラインは性の対象として見られることにすら快感を感じるほどに身体も精神も敏感だ。実際に触れられるのは緊張してしまうが、不思議とミシェルとの接触は不快ではなかった。
「(んっ……、ちょっと気持ちいいかもです♪)」
一人で自慰をするでもなく、性行為に明け暮れるでもなく、ただ髪に触れられただけで子宮がキュンとする感覚に戸惑うキャロライン。
声が漏れ出るのをこらえつつ、少し時間はかかったが、二人は揃って仲良く朝食を兼ねてキャロラインの馴染みの焼き鳥屋へと向かうのだった。
「お、今日も元気そうっちゃね、おはようキャロラインちゃん」
出迎えてくれた大将は今日も爽やかな笑顔。
大将の店は昼と夜のみの営業であり、朝の段階では仕込みの最中なのだが、
キャロラインが触手刈りに備えたお昼のお弁当を買っていく習慣を知っているため、ついでに朝食のトーストも焼いてくれていたのだ。
彼は少女にはとても気が利く良いお兄さんポジションを自称しているのである。
「おはようございます、大将」
「ん? 初顔の子がいるっちゃけど、隣の子も木こりみたいっちゃね。
第一集落に二人も少女の木こりがいるだなんて珍しいっちゃ♪
朝食はふたり分いるっちゃか?」
「ええ、ふたり分でお願いします。
それと、この子の名前はミシェル。
昨日から一緒に暮らすこととなり、今日から一緒にチームとして森に向かうこととなった私の家族です」
珍しく声に嬉しそうな感情が篭ったキャロラインに驚いた様子の大将だが、少女の頬にうっすら朱が入っていることに気づいてそれ以上は何も言わなかった。
大将はかつて他の集落で暮らしていたがひと悶着あり、ロリコンであることを隠すために愛読書と焼き鳥屋の技術のみを手に第一集落に越して来た紳士である。
お気に入りのロリっ子が二人になって自分の店の常連になってくれるのは万々歳である。
彼は内心でガッツポーズをするのであった。
「おっす、よろしくな大将!
あたしはミシェル。キャリーとチームを組んで森に向かうんだぜ」
「ほほう、キャリーってのはキャロラインちゃんのあだ名っちゃね?
なら俺もこれからはキャリーちゃんと呼ぼうっちゃね♪」
「お断りするです。断固」
キャリーというのはミシェルにのみ許したあだ名。親しい家族だからこその名。少なくともキャロラインはそう思っている。
それを幾ら慣れ親しんだ焼き鳥屋の大将だからと言って気安く呼ばせるのはミシェルに対する愛情と絆を軽んじているように思えてならないのだから。
ちなみに大将は可愛らしい少女から冷たくされるのも大好きなので、頬を紅潮させたキャロラインの普段見せない仕草にときめきを隠すのに精一杯だったりする。
キャロラインも大将の性癖は分かっているのでわざと冷たくしているのだった。
「あー、キャリー?
あたしなら別に気にしないから好きに呼んでもらいなよ」
「嫌です。
私をキャリーと呼んでいいのはミシェルだけにしたから」
その堂々とした発言に、ミシェルも一瞬ドキッとしたが特に何を言うでもなく、ただ手をつなぐだけにとどまった。
ミシェルから繋がれた手にキャロラインはさらにドギマギするが、彼女もまた、何を言うでもなく握られた手を自分も強く握り締めるだけである。
「い、行こうぜ」
「う、うん」
初々しい二人が森へと入っていくのを焼き鳥屋の大将は見送る。
「……っく~~~、それにしても二人共すごい美少女っちゃ。
あのにぎにぎし合っている小さな手のぷにぷに感とか、見るだけでも本当にやべえっちゃ!
俺も昔はロリコンじゃなかったっちゃけど、道を踏み外したっちゃかねぇ~♪」
しかしロリコンというのは道を踏み外して成る者ではなく生まれつき持った才能が目覚めて成る者である。
大将はなんら問題はない。普通の変態紳士である。
自分の進むべき道はこれしかないと決めているため、大将自身も望んで少女を愛でることを人生の目的と定めている。
晴れ晴れとした笑顔で少女二人を見送り、お昼から夜にかけての仕込みを再開するのであった。
◆ ◆ ◆
さて、ここらで第一集落“スターホース”より向かう事になる“触手の森”深部について説明しておこう。
この森は触手が地面から生え、または森の深部から這い出てきたものが森の端に移動することで徐々に規模を大きくしている生きた森である。
その深部とは、すなわち森で一番危険な触手が群生する場所であり、未だに腕利きの“木こり”であっても原初の触手を見ることは出来ていない。
キャロラインはこの森が出来たばかりの頃に、今の時代で言うところの森の深部に生息する原初の触手に捕まって500年もの間、苗床として陵辱の限りを尽くされてきた。
おそらく彼女を捕らえていた触手こそが森の発生の根源となる触手だと思うのだが、触手の魔の手から逃れたばかりの彼女は原初の触手を倒すという発想は持てなかったのである。
触手から逃れ、第一集落付近で倒れていたところを集落付きの木こりによって助けられ、以後はグラン博士をはじめとした集落の有志(ロリコン)によって献身的な介護を受けて現在に至る。
触手に囚われ、触手を出産した女性は「恐怖」という概念的な媚毒を体内に注がれるため、木こりであっても犯されて出産までした女性は恐怖により二度と森には入れない。
触手への怒りや憎しみなどが全て吹き飛ぶほどに圧倒的な恐怖で心が挫けてしまうからだ。
だが、キャロラインはその恐怖を乗り越えて森へと向かう木こりになる道を選んだ。
彼女は触手陵辱の凄まじさをその身で経験し、肉体も改造され、不老の肉体を得ている。
森周辺の集落を出て行ってどこかの国に保護してもらえば平穏は手に入るだろうが、それでも自分の力で生きることを彼女は求める。
自分の受けた恐怖も屈辱も、「自分」が倒す。
だからこそ、自分と同じように触手に犯され孕まされ産まされ、それでも自らの意思でで立ち上がったミシェルを気にかけている。
そしてあわよくば、夜の相手として一緒になれればいいなとも思っている。
博士の勧めもあるが、これがキャロラインがミシェルと一緒にチームを組むようになった理由だ。
「ん~……」
「お? どうしたキャリー?
あたしの顔に何か付いてるか?」
「いえ、改めて見るとミシェルはかなりの美少女だと思って」
「よせやい、照れるっての♪」
森で気を抜くのは危険なのでこれ以上の考え事は禁物。
キャロラインは気を引き締めて周辺の索敵を開始する。
「ところで、ミシェルは“大斧”を使うのですね」
「おう、木こりって言えばやっぱり斧だからな。
しかも、触手に捕まったトラウマを乗り越えたら筋力が強化されたみたいだしさ。
だからあたしの戦い方はオーソドックスな木こりスタイルだよ」
木こりにも色々な戦闘スタイルがある。
ミシェルはその典型的で、どんな触手にもバランスよく立ち回れる巨大武器タイプの戦闘スタイルのようだ。
触手はあくまでも植物であるため、地面と繋がる根っこを切れば倒せる。
だから木こりは斧や鎌、または剣などの刃物を武器とする者が多く、頑丈な触手を力で切る大斧は一般的な武器である。
そしてミシェルが触手の媚毒で肉体を犯されて得た力は「怪力」。
刃幅だけでも彼女の身長と同じくらいに長大な大斧を片手で振り回せるのも能力があってこそである。
「それよりも気になるのはキャリーの戦闘スタイルだぜ」
「私? 私は見ての通り腰のナイフで戦いますよ」
「いや、そのナイフって長いのでも刃渡り20センチもないじゃん。
第一集落付近の触手って幹が直径1メートルを超えるものもザラだって聞いたんだけど」
確かにキャロラインの持つナイフは切れ味が良さそうだが、それでもナイフはナイフ。
普通ならミシェルの言うように、第一集落付近の触手には通用しない武器だ。
「ふふっ、そんなに心配なら最初に出てくる触手は私一人で倒しますよ。
ミシェルは見て分かりやすい戦闘スタイルみたいですが、私の場合は実際に見ないと理解できないでしょうからね」
そう言いながら、キャロラインは軽くナイフを投擲。
軽く、それに適当に投げたように見えたナイフだが、草むらに擬態していた凶暴な触手の急所に命中した。
そして次に投げたナイフは、投げた動作すらミシェルには分からなかった。
第一射が触手の急所を貫いたことで周辺の触手まで反応して鎌首を持ち上げたところは見た。
だが次の瞬間には、その触手の全てにキャロラインのいつ投げたのかも分からないナイフが突き立っているのだ。
「まぁ、見てもわからないですよね。
私が触手からの陵辱によって改造されて得た能力――『時間操作』は認識できない能力ですもの」
そう、キャロラインの能力は時間を操る能力。
正確に言うならば体感時間を操ることで、自分の感覚だけ時間を引き伸ばして感じる能力だ。
周囲のあらゆる生物が知覚できない速度に思われるが、彼女にとっては普通に腰のナイフを投げただけ。
彼女の感覚で言えば、普通の人間が「一瞬」と感じる時間さえ10秒20秒もの時間に感じられるのだ。
実際、彼女の体は触手よりも速く、目にも映らぬ速度でナイフを突き立てている作業だ。
体感速度を操る能力と、その速さに対応出来る丈夫な体。様々な屈辱的な体位で五百年に渡って陵辱を続けられてきた彼女だからこそ出来る戦法だ。
「(んふ♪ 触手と戦っていると空気中に散っていく霧状の触手液やナイフから伝わる切り裂く感触に思わずイっちゃいそうです♪)」
ナイフを振るうたびに触手が切り刻まれていく。
そしてキャロラインは己の内から溢れ出る性欲を快楽として感じている。
下着はすでに大きな染みを作り、太ももを伝って幾筋かの滴りを確認できるがそれこそが自分の生きている証と彼女は考えている。
肉体を改造されてしまったことは辛いことではあるが、仕方がないことだ。
ならば性の快楽とどう向き合うかが彼女の生きる道。
キャロラインは、触手を刈ることをオナニーと同じように捉えているからこそ木こりとしての生き方を選んだのかもしれない。
「私の能力はどんな触手に対しても有効。
体感時間を操ってはいるけど、ようするに単純に素早く動いているだけなのだから」
相手の認識すら置いてけぼりにする速度。ミシェルの怪力とは別方向の強さ。
こうしてキャロラインとミシェルの二人は、役場から依頼のあった触手をあらかた刈り集め、問題なく本日の触手刈りは終了。
ミシェルの方も、匂いである程度キャロラインの身体について察しているだろうが、特に何をいうでもない。
二人は仲良く手を繋ぎ、第一集落への帰路に着いたのだった。
三人称だからか、投稿前に改めて読み返すと描写がゆっくりな気がしますね。
まぁ、それも彼女たちが関係を深めるまでの前フリですし大事に書いていきます。
あと、真面目な前フリが割と多い今作ですので、えっち回には各話のサブタイで「えっち」と付けますのでえっちな話はその回にご期待ください♪