過去、合同の同人誌に寄稿したことのある短編作品です。
ひたすらに「超能力を駆使してサービスする風俗があったら面白いな」という妄想のまま書いたものですが、一緒に妄想してもらえたら嬉しいです。(最後にオチはつきますが)

よろしくお願いいたします!

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サイキックヘルスへようこそ!

 どーもこんにちは! 夕凪と申します! 風俗レポートは初めてですが、よろしくお願いします!

 

 今回は歌舞伎町にあるサイキックヘルス「禅」に行ってきました!

 

 映画館前の通りをまっすぐ、新宿駅とは反対方向へ行く途中、ちょっとわかりづらいですが、地下へと下りる階段があります。対面に寿司屋があるのが目印!

 

 受付ルームは飾り気なくて、清潔感はあるけど、ちょっとムードに欠けてるのが残念! だけどこれから先のことを考えて、ムスコはビンビン! おら、ワクワクがとまらねえぞ状態でした!

 

 事前に電話予約していたHちゃんでご案内。受付ルームを出て、外でご面会! ご本人、僕の大好きな、三〇年前に流行っていたAKBというアイドルグループにいそうな、いまどき珍しい素朴で可愛い女の子で、パネルよりもグッと可愛い!

 

 大興奮しながら手を繋いで、ホテルまでご一緒して、入るなりまずは初手ディープキス!

 

 それから無料オプションのセーラー服を着てもらい、いざプレイ開始!

 

 今回選んだコースはアルマゲドンコース。

 

 六〇分七万円と超VIPだけど、受けられるサービスは他では味わえない刺激的なもの!

 

 真正面から見つめ合いながらの、遠隔手コキは、潤んだ瞳で見つめるHちゃんの官能的な表情にたまらず、あえなく発射! Hちゃん、意外とSなのか、「もう出しちゃうの?」と意地悪なひと言。君が魅力的なのが悪いんだ、ぷんぷん!

 

 そしてヒーリング能力で精力を回復してもらい、お次は遠隔フェラチオ! フェラの時の舌遣いをガッツリ見られるこのプレイ、普通のヘルスでは味わえない絶妙な快感!

 

 しかもテレパシー能力を使って、フェラ中の思考がこっちの脳内に飛びこんでくる! その声がエロい!

 

 と、油断していると、背後からHちゃんの分身体が現れ、手コキ開始! フェラと手コキのダブル快感という前代未聞の気持ち良さ! サイキック時代の人類は偉大な一歩を踏み出した! 精子は白かった!

 

 盛り上がった果てには、ヴィジョン(幻視)を使っての触手プレイ! ウネウネと蠢く触手のひとつひとつが僕の愚息と感覚共有してて、たまらず何十発も発射! ベトベトの真っ白になったHちゃんの恍惚顔に、さらにどぴゅどぴゅ!

 

 ラストは、三体に分身してのHちゃんによる、全身リップとフェラと、遠隔からの素股プレイ!

 

 ハーレムプレイを楽しめる風俗はいくらでもあるけど、あっちを見ても、こっちを見ても、好みの女の子しかいない4Pなんて、ここでしか味わえない!

 

 最後は一緒にシャワーを浴びて、いちゃいちゃキスタイム! なんだかんだで、リアルプレイも最高!

 

 ホテルの前で手を振ってお別れ。ちょっと名残惜しいけど、身も心も大満足。またボーナスが入ったら遊びに行こうと思った今回のヘルス遊びでした!

 

 * * *

 

 人類の九割が超能力に目覚めた二〇四〇年代。

 

 僕は残る一割、持たざる者のほうだった。

 

 超高齢化社会、隕石衝突のカウントダウン、某国が放った核によるアジアの大国の消滅……。人類の危機を前にして、多くの人間は生存本能が働き、身を守るために、急激に進化を遂げた。

 

 そこで覚醒しなかった人間は、たぶん、「人類なんて滅んでもいい」と思っていた連中なのだろう。

 

 僕はくたびれていた。三六にもなって童貞。大学卒業前にカノジョにふられて以来、何もいいことがなかった。俳優の夢を諦めて就職して、毎日やりたくもない仕事をして、そして気がつけば三六歳。

 

 挙げ句の果てに、新人類に選ばれなかった。

 

 せめて女の子とHなことをしたい……大學の時のカノジョとは結局できなかったHを楽しみたい、そう思って、ネットで風俗店を検索した。

 

 そしてサイキック風俗店「禅」を見つけた。

 

 優位にある九割の超能力者たち。だけど九割もいるから、結局社会のピラミッド構造はほとんど変わらず(僕らのせいで「旧人類」というややこしいくくりが増えただけ(笑))、風俗で働いている超能力者の女の子だっている。

 

 鬱屈したものを抱えていた僕は、自分より上の立場にいる超能力者の女の子に、とんでもなくいやらしいことをしてやる、という考えで頭がいっぱいになった。

 

 迷わず店に電話を入れて、ホームページの写真を見て(顔にモザイクは入っていたけど)、きっと好みの子だろうと感じた女の子「ハナ」ちゃんを指名した。

 

 歌舞伎町に足を踏み入れた瞬間から、胸はバクバクと高鳴っていた。

 

 いままで女の子とHしたことのない僕が、楽しめるのかな……どうしよう……不細工な子が来るかも……それよりもヘタクソと罵られたら……。

 

 不安を拭い去れないまま、お店に入った。意外と綺麗な受付ルームにホッとしながら、ガラステーブルの上に置いてある爪切りで指先を整えつつ、指名した子の準備ができるのを待った。

 

 五分後、外に女の子がいると店員に言われて、僕はごくりと唾を飲みこみ、お店の階段をのぼった。

 

 そこで、女の子の顔を見て、僕は固まった。

 

「アヤネ……⁉」

 

 僕が指名した「ハナ」ちゃんは、大学時代の元カノだった。

 

 

 

 気まずい空気のまま、僕らはホテルに入った。

 

 部屋の鍵を閉めるなり、アヤネは抱きついてきて、キスをしてきた。舌で唇を割り、ちゅるちゅると音を立てながら吸いついてくる。唾液を流しこまれたので、逆に僕も自分の唾液をまじえて送り返した。しばらく二人で、唾液でネトネトになった舌を絡め合い、夢中になって唇を吸い合った。

 

「いいの……?」

 

 アヤネは小さくこくんとうなずいた。

 

 どうして? と聞きたいところを我慢した。アヤネは弁護士を目指す真面目な子だった。それが、なぜか、こんな店で働いている。重い事情があるはずだ。

 

 順番に、シャワーを浴びた。

 

 先にシャワーを浴びた僕は、バスローブに着替えて、ソファに座り、アヤネを待つ。

 

 三分後、お風呂場から出てきたアヤネは、僕がオプションで選んだセーラー服に着替えて、ベッドの上に乗ると、にっこり笑いながら手招きしてきた。

 

「そこに、座って」

 

 言われるままに、彼女と向かい合う形で、足を投げ出す形でベッドの上に座った。

 

 クスクスとアヤネは笑いながら、空中で、ゆっくりと、手を上下に動かし始めた。いやらしく、くねらして……。

 

 突然、バスローブの下の剥き出しのペニスに、もぞもぞとした感触が伝わってきた。やがてそれはハッキリと、誰かの手で握られて、しごかれている感じになってきた。

 

 え⁉ と思ってバスローブを開いても、何もない。

 

 何も見えないのに、たしかに僕のペニスはしごかれている。アヤネはと見れば、彼女はパンツが見えるように開脚して座り、濡れた目で、じっと僕のことを見つめている。チュッ……と投げキスを送ってきた。

 

 もどかしい快感だ。実際に触られていないのに、柔らかい手で弄ばれている感触が伝わってくる。

 

 肉棒を刺激する、自慰よりも気持ちよい感覚に、「ん……く……」と声を押し殺して僕は耐える。

 

 それに興奮したのか、アヤネはますます瞳を潤ませて、手の動きを一層艶めかしく、激しくしてくる。そのうち彼女は、パンツ越しに、自分の秘裂を指でこすり始めた。官能的な息遣いがかすかに聞こえてくる。

 

 ピリピリした刺激が下腹部に広がってきた。腰が震える。出そうだ……!

 

 ついに耐えきれず、射精してしまった。ここ最近たまっていたせいか、ビュルルと飛び出した濃厚な精液は、アヤネのほうまで飛んでゆき、太ももに付着した。とろり……と柔らかそうな肌を伝う白濁液に、僕の目は釘付けになった。なんてエロティックな……。

 

「もう出しちゃうの?」

 

 ちょっと拗ねたような物言いに、僕は慌てて謝ろうとしたが、その唇に、いつの間にか目の前まで接近していた彼女は、人差し指をピトリと当ててきた。

 

「いいよ……気にしないで、いっぱい出して……」

 

 ツ……と玉袋を撫でられると、たちまち、ペニスに力が漲ってきて、濡れ輝く欲棒がそびえ立った。回復能力で、精力を元に戻されたのだ。

 

 そればかりか、股間がジンジンと熱を帯びてきた。発火能力の応用だろうか。力が激しく湧いてくるのと同時に、早くアソコをいじってほしい衝動に駆られる。

 

 アヤネは少し距離を置くと、うっとりとした顔で口を開け、目に見えない何かをしゃぶるように、顔を前後にスライドさせ始めた。

 

 ペニスが温かいものに包まれる感触。またも遠隔プレイ。アヤネが空中で舌をちろちろと動かすたびに、カリ首に痺れるような刺激が走る。まずAVでも見ることのない、フェラチオ中の女の子の舌遣い。いつしか僕は夢中になって彼女の顔を見つめ続けていた。

 

 頭の中に、彼女の声が響いてきた。テレパシーだ。

 

(ん、ぷぁ……大きい……すごい、におい……)

 

 ぴちゃ、ぴちゃ、じゅる、じゅる。実際には咥えていないというのに、淫猥な水音が室内に響き渡る。かつてないほど膨張した僕の肉棒は爆発寸前だった。

 

 その時、ベッドの端に座っている僕の背後から、誰かが歩み寄ってきた。ギョッとしていると、その誰かは腕を回してきて、僕の耳たぶを甘噛みしつつ、手で直接ペニスをしごいてきた。

 

「うふふ……私のダブル責めに……耐えられる?」

 

 囁きかけてきたその声は、紛れもなく、アヤネのものだ。能力を使って分身したのだろう。

 

 目の前のアヤネは、空中フェラチオをしながら、ちょっと怒ったような目を向けてきた。

 

(んむぅ……こっち、見て……私を見て……!)

 

 自分で作り出した分身に嫉妬しているのだろうか。背後の分身に気を取られた僕に意識を向けようとして、より一層、舌遣いも激しく、じゅぽ! じゅぽ! と音を立てて、エアおしゃぶりを重ねてきた。

 

「ふあ、わ、あああ」

 

 女の子の生温かい口でしゃぶられる快感と、柔らかい手でしごかれる気持ちよさ、この二つが同時に海綿体を刺激してきて、どっちの快楽が現実なのかと、頭がおかしくなりそうな気分だ。

 

 また大量の精液をほとばしらせた。と、その精液が空中でパッと消えた。何事かと思えば、アヤネが能力で瞬間移動させたのだ。口をぱっくり開けてエアフェラチオをしていた彼女の喉奥から、とろり……と、白く濁った液体が溢れ出てきた。けほっ、と涙目で軽くむせている彼女の様子が、たまらなく卑猥だ。

 

 ああ、だけど、悔しい。ここまで彼女に弄ばれている一方じゃないか。そう思っていたら、アヤネはベッドに仰向けに寝転がった。

 

「いいよ……今度は君が……いっぱい犯して……」

 

 ぬるん、と僕のペニスが、長く伸び始めた。急激な肉体の変化に悲鳴を上げると、アヤネは「ヴィジョン(幻視)よ」と楽しげに笑いながら教えてくれた。股間からは、さらに、八本もの肉茎が生えてきた。

 

 こんなこともできるのか! と気分が昂ぶってきた僕は、セーラー服姿のアヤネに、九本の触手を一斉に襲いかからせた。ヌラヌラと体液で濡れ輝く触手が、彼女の白い肌を蹂躙し、絡みつき、乳首や淫核を突いて刺激する。その度に彼女は、「ひぁん!」と可愛い声を上げて、ビクンと体を震わせる。すえた臭いが室内に充満する。

 

「なんで……! 僕を……! ふったんだ……!」

「あんッ……ごめんなさい……ゆるし……て……!」

 

 涙を滲ませながら、謝るアヤネに、嗜虐心が湧いてきた僕は、口の中に触手を一本突っこませた。股間に伝わってくる快楽。舌先が亀頭に触れる心地良さ。

 

「むぐううぅ!(いや……やめてぇ……!)」

 

 呻き声と、脳内に響く哀願の声とが、さらに僕の邪悪な欲望を刺激する。アヤネの股間部へと触手を二本走らせて、下着の布をずらすと、前に一本、肛門に一本、赤くギチギチに怒張した肉棒をぶちこんでやった。

 

「ん! ぐうぅう!(いやァ! こんなの、だめぇ!)」

 

 ずちゅ! ずちゅ! と容赦なく、触手を出し入れする。アヤネは涙をこぼしながら、身をよじって抵抗したが、他の触手で両手両足の自由を抑えられているから、どうすることもできない。

 

 僕をふった女が、僕よりも優位の新人類になった女が、みっともなく腰を振って、いやがりながらも、体は快楽に溺れている。ああ、なんてたまらないんだ。

 

 びゅる! びゅる! 触手という触手から、体液が飛び出す。アヤネの体中をぐちゃぐちゃに汚していく。

 

「ぷぁ……はァ……ぁ……すごい……よォ……」

 

 彼女もまた絶頂に達したのか、トロンとした目で、ぐったりと触手に身を委ねている。

 

 だけど、まだまだ終わらせる気はない。

 

 さらに触手で強く彼女の体を縛りつけ、いま一度、穴という穴に、ありったけの肉棒を挿入した。さっきはひとつの穴につき一本だったが、今度は複数本だ。恥腔を限界まで広げ、三本、四本、と突き刺していく。

 

「や! あ! ムリぃ! 入らないからぁ! もうゆるして! ゆるしてよォ!」

 

 その涙の訴えかけを無視して、僕は飽きるまで、彼女を陵辱し続けた――

 

 気がつけば、時間は残り一五分ほどだった。

 

 ヴィジョンが解け、あとには、元の体に戻った僕と、ベッドの上で満足げにほほ笑んでいるアヤネの姿があった。何事もなかったかのように、平穏な様子。

 

「よっぽど疲れてるのね」

 

 彼女はちゅっと投げキスを放った。頬にぴとりと唇の触れる感触。

 

「癒してあげる……」

 

 そう言って、アヤネは三体に分かれた。

 

 左に回りこんだアヤネは、僕の体中に舌を這わせて、乳首や首筋をぺろぺろと一心不乱に舐め回してくる。その様子が可愛らしくて、思わず頭を撫でてやった。

 

 僕の頭の上にまたがったアヤネは、そこからシックスナインの形になり、直接ペニスを咥えてきた。僕は、顔の上にある彼女の股間をしばらくパンツ越しに指でいじっていたが、そのうち布をずらし、直にクリトリスを刺激してあげた。ビクン、と彼女は震えた。

 

 三体目のアヤネは、僕の右側で、はぁはぁと喘ぎながら、腰を前後に突き動かしている。それは素股の動きだ。触れていないのに、僕の下腹部に感触が伝わってくる。フェラの感覚に加えて、裏筋をシュッ、シュッと股間でこすられる、なんともむず痒い快感。

 

 そのうち射精感がこみ上げてきて、ついに我慢しきれず、イってしまった。

 

 僕らは汗まみれになりながら、互いの体を貪った。

 

 どこを見てもアヤネづくしで甘い香りに包まれている。大学時代、ついに手に入らなかった幸せが、ここにある。なんて最高の天国なんだ……。

 

 僕はもうヘトヘトだったけど、彼女が許してくれなかった。その後、わずかな時間で、三回は果てた……。

 

 タイマーが鳴り、楽しいひとときは終了した。

 

 最後にお風呂場でいちゃいちゃしながらシャワーを浴びて、僕らはホテルを出た。

 

「また会おうね」

 

 そう言って、アヤネは寂しげに笑いながら、別れ際に手を振った。雑踏の中に消えてゆく彼女の後ろ姿を、僕はしばらく、ぼんやりと追っていた。

 

 初めてのHは心地良かったけれど、しかし、どこかモヤモヤしたものを、僕の胸に残していった。

 

 弁護士を目指していた彼女が、あんな優れた超能力を持ちながら、なぜ風俗で働いているのだろう……いつか彼女のほうから話してくれるだろうか……。

 

 そうだ! そのためにも、またこの店に行こう!

 

 この店に来れば、アヤネに会える。そして何度も通っていれば、きっと、彼女は心を開いてくれる――。

 

 暗く沈んでばかりの人生に、やっと光が差してきた。

 

 その喜びを胸に、僕は意気揚々と、新宿を後にした。

 

 * * *

 

【二〇四八年五月六日付 愛日新聞 朝刊より】

 

 五日午後九時、新宿歌舞伎町にあるサイキックヘルス店「禅」に警察による立ち入り調査があり、超能力法違反容疑で経営者の男が逮捕された。

 

 警視庁によると、経営者・千田漫三容疑者(四五)は昨年の四月ごろから、サービスの一環として、超能力法で単純使用も禁じられている「擬態能力」を従業員に使わせていた疑いが持たれている。取り調べに対し、千田容疑者は容疑を認めている。

 

 擬態能力とは幻視能力の一種で、対象者の脳内から記憶などの情報を吸い上げた後、その対象者の知人などになりすます能力。犯罪に使われる恐れから法律で使用を禁止されているが、過激なサービスを求められるサイキックヘルス店では密かに用いられていることが多い。別れた恋人や、片思いの異性との、疑似性行為が楽しめることから、利用客も店に協力して黙っているケースもあるが、そもそも自分が騙されていることに気がついていない利用客が大半である。

 

 これまでに「禅」は、擬態能力の使える外国人男性や性病罹患者等を安い給料で従業員として雇い、その能力を使って利用客を騙すことで、開店以来通算で、約五億円の売上額を達成したと見こまれている。


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