農村の少女メイは、幼馴染の少年に裏切られ、窃盗の濡れ衣を着せられる。
絶望の中、流れ着いた小屋で魔女と出会ったメイは空間魔術と死霊術を会得する。

ハイファンタジーの中世風世界観をイメージした踏みつけとか多めの小説です!
本作は重めの残虐描写や残酷な描写があります。
また軽度ですが一部小スカ描写もあります。苦手な方はご注意ください。

この作品は「pixiv」と「ノクターンノベルズ」にも掲載しています。

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死霊術師となった女の復讐

農村に住む少女メイは、この日を待ち望んでいた。

今晩は年に一度の祭りが行われる。

メイは160cm弱ぐらいの身長に、オフホワイトの麻の服、深い緑のロングスカート、膝丈まであるシンプルな茶色のブーツという農民らしい装いだった。

一部裕福な家は上等な一張羅を着る等気合を入れた格好で参加しているが、メイの家はそこまでの余裕は無かった。

着古された服は一部が擦り切れ、色あせている。胸はそれなりだが、貧乏な生まれのメイの体つきは若干瘦せ型だ。

だが濃い茶色の腰まで届く髪は手入れされており、優雅な所作と凛とした知的な顔立ちは貧しさを感じさせない。

夜までの時間を本を読んで過ごすメイ。この農村では珍しくメイは識字が可能であった。

先人の知識やひらめきを借りることで農村を発展させようと、努力の末に会得した技術である。

夜が近づく。するとメイの家に来訪者が現れた。

 

「おい!メイ!ついにこの日が来たな!」

 

幼馴染で同い年のベトレである。隣の農村で暮らしている170cmぐらいの色白でキリッとした美形であり、

最近遊ぶ機会こそ減ったものの、この祭りの日はいつも一緒に過ごしている。

今日はかなり気合の入った服装で、光沢のある赤と白の生地に金刺繍の入った豪華な装いだった。

 

「ベトレ、私も楽しみだわ。でも」

「でも?」

「踊りに自信が無くって・・・・本番の前に練習付き合って欲しいな」

 

そんなことか、とベトレは承諾し、踊りの練習をする。

どこで学んだのか、ベトレは上手かった。緊張しながらも飲み込みの早いメイは本番前の短時間で動きを覚える。

そうこうしているうちに夜を迎える。

二人は祭りを回る。ご馳走を食べ、演奏を聞き、踊る。

メイにとっては付け焼刃同然ながら、美男美女二人のダンスは気品に溢れ、多くの注目を集めた。

さらに夜が深くなり、二人はメイの家に戻る。

 

「ベトレ、私ね、プレゼントを用意してるの」

 

この祭りでは親しい者同士でプレゼント交換をするのが習わしであった。

 

「なら俺もとっておきを渡せるな!」

 

ベトレは返す。メイはベトレも自分を親しく思っていることを確認できて喜ぶ。

 

「わ、私からでいいかな・・・?」

 

メイは言うと、

 

「おう!楽しみだな」

 

とベトレは返す。

 

「じゃあ私からは・・・・これっ!」

 

というと、メイは近くの台から布を取り去る。

イーゼル台の上に乗った、絵だった。

貧乏なためか使われている色数は少ないが、精緻を極めた出来で、絵の中のベトレは気品と知性を備えた人を惹きつける魅力を持っていた。

長時間技巧を凝らして描いたのであろうと分かる絵だった。

 

「ずっとベトレの事を考えながら描いたんだ~」

 

ベトレは

 

「すっげええええカッコいいじゃん!」

「こんなの描けたの?これで食えるよ!」

 

等ととても喜んだ様子だった。

メイはこの反応に満足し顔を赤らめる。ベトレは言う。

 

「じゃあ次は俺から!」

 

というとベトレは桐の小さな箱を持ち出し、

 

「俺からはこれだ!」

 

といって箱を開けて出てきたのは、銀の指輪だった。

植物を模した指輪のようで、実を模した部分に丁寧にカットされた宝石が埋め込まれていた。

誰が見ても高価であると分かる宝飾品。

さすがのメイもどうやって手に入れたのか一瞬その価値を不安に思った。

だが指輪を贈呈されたという意味を理解し、その喜びで疑念が吹き飛んだ。

 

「えっこれって・・・・・」

 

顔を真っ赤にしたままのメイが戸惑っていると、ベトレは指輪を持ち出し、メイの指に嵌める。

ベトレは

 

「なあ、メイ・・・俺と----」

 

と言いかけたとき、メイの家の扉がガチャッ!と勢いよく開く。

 

「失礼します!」

 

警官隊のようだった。夜も遅いからか松明を持っている。メイは驚いたまま返事も出来ないでいると、警官隊は続ける。

 

「今この辺りに窃盗犯が----」

 

といいかけてメイに着けられた指輪を見ると一気に表情を変えた。

 

「居たぞ!こいつらだ!」

 

突然警官隊が大声を上げる。他の家を当たっていたらしい警官隊もそれに気づいたのか、

メイの家に集まり始めた。

全く訳が分からないままメイとベトレは拘束され、連行されてしまう。メイは抗議する。

 

「あのすいません!何かの間違いでは・・・・」

「黙れ!おとなしく付いてこい!」

 

一切聞く耳を持たない様子だった。ベトレはというと、驚いた様子を見せながらも静かに捕まっている。

祭りの片付けをしていた農民たちが連行される二人の方を見る。

 

「まさかあの子が・・・」

「信じられない・・・」

 

といったざわつく声が聞こえた。

 

 

 

 

近くの街まで連れてこられたメイは、取り調べを受けることとなった。

無機質な石造りの部屋に通される。少し年上ぐらいの、やる気のなさそうな若い男性警官が聞いた。

 

「それで、この指輪をどこで?」

「一緒にいたベトレに貰ったものです。本人にも確認してみてください」

 

というと、尋問担当の警官は側頭部を掻きながらため息をつくと、こう言った。

 

「あのね。ベトレさんはこんな指輪に見覚えは無いっておっしゃってますよ」

「自分が用意した指輪はこれだと。銀細工師の証言も実物もこちらで確認しています」

 

というと、羊皮紙に描かれたスケッチを見せられる。

シンプルな銀製のリングに、愛を誓う文字が彫られたもののようだ。

外箱は・・・・あのとき見た桐箱と全く同じだった。

メイは血の気が引くのを感じた。冤罪が成立しそうな状況に対する恐怖が3割。そして残りの7割はある可能性がよぎったから。

 

「当日の昼から夕方にかけて、何をされてました?」

「ええと、その日は本を読んで過ごしていました」

 

すぐに警官は聞く。

 

「証明してくれる人は?」

「え・・・い、居ません・・・・」

「アリバイは無しと・・・・」

 

益々状況が悪くなるのを感じるメイは、恐る恐る聞く。

 

「あ、あの、ベトレは・・・・?」

 

はぁ~とまたため息を付くと、警官は言った。

 

「ベトレさんは無実が確認出来たので釈放されましたよ」

 

驚くメイに、警官は続ける。

 

「被害者一家の一人である貴族のお嬢さんから証言を得ています。警官隊では信用に足るとの判断です。私もそう思ってます」

「それで、ほかの宝飾品はどこです?」

 

ここに来てメイは残りの7割の恐怖に支配される。ベトレが裏切った可能性に。

異なる証言を続けたベトレ、他にも消えたらしい宝飾品類、アリバイを証明する女性の存在。

考えがほぼ確信に変わった瞬間、メイは上を向き放心する。

 

「あの、質問してるんですが」

 

と警官が近づくと、メイは失禁までし始めた。

 

「うっ汚ねえな・・・」

 

警官は思わず小声で言った。いくら美人でも鼻をつくかすかな悪臭と床を汚す液体を見てさすがに不快感を覚えたのだ。

 

「す、すいま、すいません・・・少しお手洗いに・・・」

 

とメイは泣きながらなんとか言う。このままでは取り調べも進まないと判断した警官は大きくため息をつき、

 

「はいはい。ただし入口まで同行しますよ」

 

といってトイレへの案内を始めた。

もはや足取りも覚束ないメイを警官は案内する。

途中の廊下、ふらつくメイはバランスを崩し警官によりかかる形となる。

 

「おい、しっかりしろ!」

 

と警官は声を掛ける。それもメイには聞こえず、さらに短時間で急激な精神的負荷が掛かったメイはストレスに耐えられず、

 

「うええっ」

 

と今度は警官に寄り掛かったまま嘔吐してしまう。これには警官も反射的に体を引くと同時に、

 

「貴様いい加減にしろ!」

 

と取り調べの時にはなかったほどの大声で叫ぶと、木製の警棒でメイの頬を殴打した。

衝撃に負けメイの頭部は廊下の壁を向かされる。

周りが何も見えて居なかったが、この衝撃が気付けとなってメイはいくらか思考が戻る。

その瞬間目に入ったのは、枠が低く、大きくとられた窓だった。外に面している。

反射的にメイは走り、窓に肩から飛び込んだ!ガラスを割り、あてもなくとにかく走る。

後ろから警官の叫び声が聞こえる。ほどなくして警報の鐘がなる。声が追いかけてくる。

いくらか思考が戻ったとはいえ後先を考える余裕は無かった。メイは近くを流れる大きな水路に飛び込んだ。

着水する。流れが早い。水を含んだスカートに動きを制限される。水流を受ける長い髪の毛に頭を引っ張られる。

 

(私、ここで死ぬのかな・・・・)

(いや、ベトレは本当に裏切っている?貴族のお嬢さんって誰?)

(確かめたい。ここで終わりたくない。死ぬのはせめて・・・・)

 

急流に流されながら、ここで思考は途切れた。

 

 

 

 

 

 

メイは目を覚ました。川の音が聞こえる。水を含んだ土の上に倒れている。

起き上がると節々が痛む。あちこちぶつけたようだ。だが、

(生きてる・・・・?)

周囲を見渡す。人の気配がない。川べり以外は草原が広がっている。霧が深い。林がうっすら見える。

川の先には小屋が見えた。水車を備えている。惹きつけられるようにそこへ向かった。

小屋は意外と大きめだが古ぼけていた。内心では先ず無人だと踏んでいたメイは、一応ノックし、ほぼ同時に扉を開けて言う。

 

「失礼しま~す・・・」

 

というと

 

「いらっしゃい」

 

と驚いた様子もない落ち着いた女性の声が返ってきた。

無人だと思っていたメイはビクッ!と驚き、

 

「うわわわわっ。し、失礼しました!」

 

と思わず小屋を出ようとする。女性は冷静に続ける。

 

「まあゆっくりしていきなさいよ。訳ありなんでしょ?」

 

と続けた。そうだった。生きていてもメイの状況は変わらない。おそらくお尋ね者扱いで、もう街にも農村にも戻れないだろう。

 

「いや、待ってください。何故それを?」

 

というと、女性はフフンと笑った。その女性を落ち着いて観察する。

厭世的で捉えどころがない印象を受けたが、整った顔立ちをしている。見た目は20後半~30前半ぐらいに見えるが、人生経験は豊富そうに見える。

灰色が強い銀髪の長髪で、黒いローブを着ている。魔女か何かだろうか。

 

「ご名答」

 

銀髪の女性は見透かしたように言った。

 

「私はソシエ。魔女よ」

 

魔女。魔法を使える者たちの存在は本で読んだことはある。だが農村で過ごしていたメイにとっては本物を目にするのは初めてだった。

軍も魔術師団を保有している他、便利な道具を作る職人にも魔法を扱える者がいるらしい。

机の上には怪しい雑貨だらけだ。この人もその類?

 

「貴方が興味があるのは私の事よりこっちじゃないの?」

 

 

ソシエは言うと、近くの水晶玉から三次元のイメージが投影される。

魔法それ自体に驚いたのは一瞬、すぐにイメージに釘付けになった。ベトレが映っていたのだ。

そしてもう一人。金髪で質の良い白の寝巻を着た女性との会話が映し出される。

 

「あんなに上手くいくなんてな」

「ええ。あの"盗難品"は全て保険協会と契約済・・・全部無くなったとなれば・・・」

「補償として膨大な額が手に入る、か。"盗難品"もただ保管場所を移し替えただけなのによ」

「あの保険協会自体やたら民衆の側に立ちたがる目障りな貴族の事業だしね」

「厄介者の力を削ぎ、実利を得られて一石二鳥って訳か」

「そういう事。"盗難"の事実も出来たしね。あの芋臭い娘には気の毒な事をしたけど♪」

「ハッまさか。そうだ、これ見て見ろよ」

 

イメージの中のベトレは雑に丸められた紙を広げる。メイの絵だ。

ここまで見てメイはかなり心に傷を受けていた。

 

「何コレ?安っぽいわねえ」

「だろ?こんな貧乏くさいもん手間かけてこさえて、重すぎるんだよあいつは」

 

というと、ベトレは絵を床に落とし、そのままグシャッと靴で踏み付けた。

「まあまあその芋娘、今日で終わりじゃない。今晩は楽しみましょ」

 

金髪の女性はベトレに寄り、抱き合いながらキスをする。

気にすることも無く足元の絵を踏み付けながら。

二人は抱き合いながらメイの描いた絵の上で長いキスを続けた。

 

 

 

ここで映像が終わる。メイは目の前が真っ白になり、意識を失いかけていた。

 

「ちょっと!話はまだ終わってないよ!」

 

ソシエが言う。

 

「私が興味があるのは貴方」

 

メイは心に深手を負ったままだが、興味があると言われて僅かに意識をソシエに向ける。

水晶玉のイメージが移り変わる。映ったのはメイだった。

 

農作業に勤しむメイ

文字を学ぶメイ

農学書を読むメイ

絵を描くメイ

 

「貴方の集中力と学習能力を借りたいのよ」

 

ソシエはいうと、本棚のうち、施錠してある一角を開錠しながら言う。

 

「ここは私が魔術で霧を張っているから感づかれることもない。協力するなら好きなだけ使っていいわ」

 

そして二冊の本をメイの前に出した。

 

「基礎的な所は全部私が教えてあげる。古代文字で書かれたこの魔法書二冊を解読しなさい」

「学ぶ過程で得られた魔術は全て貴方のもの。好きに使っていいわよ。どう?やるでしょ?」

 

先ほどまで生きる目的を無くしていたメイは、あれほど大きかった心の傷も忘れて食いつくように提案を聞いていた。

そして大きく頷いた。

 

小屋での生活は意外と楽しいものだった。川で魚を釣ったり、林に罠を張り鹿を取ったり。

ソシエは菜園も持っていて栽培の知識もあった。頭の活動のためと称してソシエからは農村の時よりも贅沢な食事を与えられた。

解読作業も苦にならなかった。同じ古代文字で書かれた書物から共通部分を探したり、考古学の本を参考にするなどして解読を進める。

その過程で本筋の魔法書とは関係の無い知識も増えていく。それもまた楽しかった。

 

 

 

 

 

 

 

--------------------------4年後------------------------------

「禁書に分類されるものだったけど、空間魔術と死霊術とはねぇ」

 

ソシエはメイの成果物を見ながら言う。メイは魔法書二冊の解読という目的を達成したのだ。

 

「今までありがとうございます。ソシエさん」

 

メイは言った。

 

「あーいいのよいいのよ。正直ここまでやるとは思ってなかったし。私も久々に楽しめたわ」

少し間を置いて、ソシエは尋ねる。

「それで、これからどうするの?」

 

メイは

 

「この4年間とても楽しくて忘れかけてたんですけど・・・」

「やっぱり決着を付けたいなと思います」

 

と覚悟を決め、ソシエを真っすぐ見て答えた。ソシエは

 

「なるほどね。いいんじゃない。また遠くから見守ってるよ。」

 

というと近くの水晶玉にここ4年間のメイをハイライトのように投影させた。

 

「ありがとうございます。では、ごきげんよう」

 

メイはソシエに手を振り小屋を離れる。

この4年の食事と生活でメイは170cmをわずかに超えるぐらいに成長し、痩せ型だった体は平均的な肉付きとなった。

だがスタイルは崩れておらず、胸は相変わらずそれなりだが、臀部と太ももが大きく成長し、腰回りのくびれを目立たせるスタイルだ。

髪も栄養のある食事のためか艶を増し、腰まである濃い茶色の髪は魅力を増していた。

肌もよりハリを増し、顔立ちは知的な印象は損なわないまま覚悟と余裕が加わりより美人となった。

ソシエに仕立てて貰った服もあったが、旅立ちは農村の時の服装、

オフホワイトの麻の服、深い緑のロングスカート、膝丈まであるシンプルな茶色のブーツという装いに落ち着いた。

元々使い込まれていたのがさらに色あせ、ほつれや破れも出てきている。だがメイは質素さを忘れたくなかったためだ。

 

とりあえず目下の目的地は、小屋で見た最も新しい地図に盗賊の縄張りとして警告が書かれていた地点に決めた。

新しく得た力を実戦で試したかったのだ。特に死霊術には死体が必要だった。

 

 

 

 

 

 

時刻は深夜2時頃。盗賊の縄張りとされる土地に到着したメイは、

土地の境界近くに位置する見張り小屋を見つけ、ここから襲うことにした。

ノックをせず、平然と扉を開ける。ランタンの光が明るい。中には男が二人。

一人は床に簡素な布団を敷き仰向けに寝ているようだが、もう一人はほどなくしてメイに気付いた。

 

「誰------」

 

と口を開くや否やメイは高速で手を振り、気付いた男の首のあたりをなぞると、男の首が綺麗に切断され、床に落ちた。

これは空間魔法の一つ。手でなぞった箇所に空間の断層を作り対象物を両断する。

だがこれをやってしまった死体に死霊術は使えない。出来るだけ状態の良い死体でないと死霊術といえど活動が維持出来ないのだ。

切断は特に最悪で血液を失った死体は死霊術でも立たせることさえ困難になる。こればっかりは相性が悪い。

さて、首が落ちる音が鳴ってしまったが、もう一人はまだ寝ていた。これはチャンスだ。とメイは思う。

そもそも綺麗な状態で死体を得る手段が限られている。

毒殺?いや毒自体が必要な上に飲ませるハードルも高い。

電撃?起こす手段が無い。

現実味がありそうなのは、窒息だった。ただこれも死に至らしめるまでにタイムラグが生じる。その間に抵抗されると手痛い傷を負う可能性が高い。

とりあえず今回は相手が無防備である優位を利用し、ある程度の死体損傷は覚悟の上で首を潰すことにした。これなら流血は少ない。

一撃必殺が求められる状況。椅子を静かに男の頭部の横に寄せ、高さを稼いで首を狙って着地する算段だ。

椅子の上に乗り男の首元を見据える。膝を曲げ跳ぶ準備を整えると

「それっ」

と男の首をめがけてジャンプする。

 

ゴシャアッ!

と鈍い音がして着地する。狙いが外れてしまい、両足とも仰向けに寝る男の顔面に着地してしまう。

しかし高所から、女性とはいえ170cm超の質量を、それもブーツで顔面に受けた男はたまらない。

 

「ーーーーーーーッッッ!!!!!!」

 

即死に至らなかった男は突然顔面に走る激痛に驚愕し声を上げようとする。

しかし口の上のメイのブーツが落下の勢いでめり込まんばかりに密着しており、全く音にはならなかった。

状況が良く分からないままの激痛に今度は首を振ってもがく男。

これにはメイも態勢を崩し男の顔から降ろされる。

 

(まずい!声を出される!)

 

とメイが思ったのも束の間

 

「痛っで------------」

 

と男が叫び始めたところを、すぐに左足で男の首を踏みつけ、発声を封じた。

メイはもがく男の顔から振り降ろされる際に近くの椅子の背もたれを掴み、転倒することなく体勢を整えたのだ。

 

「かっ・・・かっはっ・・・」

 

首を踏まれもう虫の息ほどの声しか出なくなっている男。首の上のブーツを両手で掴み浮かせようとするがビクともしない。

メイは左足が浮くような力を確かに感じたが、体重を掛けるだけで苦も無く相殺できる。

目に涙を浮かべて懇願するような顔をする男とメイは目があった。

メイの方は当初の計画が失敗した焦りはすっかり消え、自身の足元の男の生殺与奪権を得て興奮してしまっていた。

 

「ごめんなさい・・・・本当はすぐに楽にしてあげる予定だったんですが、お顔の方を踏んじゃって・・・・」

と、まだ顔面の激痛も尾を引いている男にメイはご丁寧に説明する。

「でも安心してください♡すぐに楽にしてあげますね♡」

とメイは続けた。

 

ここに至って男は状況を理解し始める。

(楽に?殺すつもり?俺の人生これで終わり?女の足下で・・・・?)

メイの発言に「ふざけるな!」という感情が湧いた男は両手の力を強めて左足を浮かそうとする。

メイはその様子を面白がって

 

「頑張れ♡頑張れ♡」

 

などと煽るように言った。そうして男の抵抗を引き出し、メイは続ける。

 

「ちゃんと支えてくださいね♡」

 

といって右足を浮かして男の首に全体重を掛けた。しばらくの間だけ男は全力で抵抗を見せたものの、

まもなく抵抗する腕も力を無くし、重さをまともに受けた頸椎を潰され男は死亡した。

ふうっ、とメイは一息つくと、男の首から降りて男の状態を確認する。

顔面は着地の際の衝撃で歪み、クッキリと靴裏の跡が付いてしまっている。

急激に圧迫から解放された首は赤くなってはいるが、形はある程度元に戻っており意外にも外観上は大きな問題はなさそうだった。

死霊術を試行するには十分と判断し、手をかざして魔力を男と繋げるようなイメージをする。

 

「貴方が記念すべき一人目の死霊術対象者です♡」

「盗賊さんは今まで人に迷惑を掛けて来たんですから、せめて私の死霊術の踏み台として役に立ってくださいね♡」

「あっでも、ついさっきも踏み台にはしちゃいましたね♡なーんて♡」

 

等と一人ぼやきながら術式を進める。哀れな男は死の間際と死後双方でメイに"踏み台"として使われることとなった。

 

 

 

 

 

少し離れた場所。また別の盗賊団の男は、外縁の小屋から仲間が連絡に来ないことに違和感を感じていた。

異常を察知するため担当するエリア内で一定時間毎に状況を報告しあっているのである。

面倒ではあったが、事が起きたときに責任を追及されるのも避けたかった。男は様子を見に行くことに決める。

小屋の方へ向かう途中でその仲間に出会った。

 

「おいお前遅いぞ!連絡の時間はとっくに過ぎてるだろ!」

 

問いただすも、仲間は答えない。

 

「おいっ!」

 

と仲間を小突いてやろうと男が近づくと、

 

「えっ、お前その顔----」

 

仲間の顔は生気の抜けた目をしており、靴跡が二つが付き、その部分は平たく、周囲は盛り上がるように歪んでいた。

それに気づいた瞬間、正面から首に手刀を入れられる。"仲間"からの予想もしない攻撃をもろにくらった男は、

 

「カッ・・・・」

 

と声が出なくなり、思わず喉を抑える。"仲間"はそのまま男を仰向けに押し倒し、腕を抱え込んで封じた。

地面に仰向けに抑えられる男。そこに女の声が続く。

 

「ふふっ。上手くいったようですね」

 

というと、メイは抑えられた男の横に立ち、見下ろす。

男は「誰だ!?」と思うも、手刀を受けた喉が回復しない。

 

「悪く思わないでくださいね」

 

というとメイはロングスカートをたくしあげ下着のパンツを男に向ける。

白のシンプルなパンツだが、あまり清潔な状態ではない。

農村時代から着用していたもののため生地が伸び、全体的にも薄く黄色に変色してきている。

盗賊の土地に近づいてからは警戒のため2~3日ほど洗う機会も無かった。

 

「ちょっとお顔に失礼します♡」

 

そしてメイは男の顔面に勢いよく座り込んだ。

 

「ふぶっ!?」

 

突然の事に男は驚く。一瞬つんとした臭いがしたと思ったらすぐに呼吸を奪われる。

押しのけようにも仲間が腕を抑えていて抵抗できない。じっとりとした不快感が顔中に伝わる。

異常な状況に男は全く興奮する余裕が無かった。この女はどこかおかしい。なんで仲間が俺の邪魔を?呼吸が出来ない。

 

「ああっこれ結構いいですね♡」

「顔の凹凸がこすれて気持ちいいし、男の人のお顔をお尻に敷くのって凄い優越感♡」

 

必死な男の顔面の上で恍惚としながら言う。メイは窒息死させるための手段としてこの方法を選んだが、すっかり気に入ってしまっていた。

一方の男は意味の分からない状況の中とにかくもがく。だが仲間に封じられた腕はビクともしない。

大きなお尻は男の顔をしっかりととらえ首を動かす余裕も与えない。

メイは足を延ばして全体重をかけ、圧迫それ自体も顔面と後頭部に苦痛を与える。

 

「もうしばらくで死んじゃうと思いますけど、私のお尻の感触で良ければ冥土の土産に持って行ってください♡」

 

酸素が欠乏し始め思考が出来なくなっていく。体は抵抗をつづけるも仲間の拘束を振りほどけない。

男はいよいよ力も入らなくなってきた

 

「そろそろ貴方とはお別れですね♡女のお尻の下で最後を迎える気分はどうですか?」

「私はとっても気持ちよかったですよ♡楽しませて頂いてありがとうございます♡」

 

次々に煽るような言葉を紡ぐメイ。男は女の尻の下で死ぬという最期を自覚させられた上で、女の興奮のために利用されたという事実を突きつけられる。

悔しさ、屈辱、怒りといったネガティブな感情に染め上げられた上で、ほどなくして男は事切れた。

メイは自身の尻の下で男が最期を迎えたという事実にたまらない優越感と背徳感を感じ、体中に鳥肌がたった。

快感につつまれながらメイは念を入れて窒息させるためと自身に言い訳しながら、しばらく男の顔面を座布団にした。

 

下僕を二人得たメイは盗賊の縄張りとされる土地の中央を目指しながら進む。

複数で固まっている盗賊は下僕をけしかけ隙を作り、空間魔法で至近距離から両断。

孤立している盗賊は下僕に抵抗を封じさせて窒息させるなどして、さらに下僕を増やした。

 

 

 

 

 

 

他より広く豪奢に作られた小屋の中。

スキンヘッドに傷の入った強面の男。縄張りを支配する盗賊の首領は目を覚ましていた。

直属の側近から斥候役や見張りの連絡が途絶えていると情報が入ったからだ。

特に戦闘能力に優れた側近二人で脇を固め、近いうちに到来するであろう侵入者を待ち構える。

3人ともクロスボウを携えており、腰には近接戦用の剣も帯刀している。

静寂の中、神経を研ぎ澄まし、最大限の警戒。

そこに、入口の扉が勢いよく開いた。

 

その瞬間、ドドドッと三発のクロスボウが放たれる。

的確な狙いは頭部、鳩尾、腹部の正中線に沿った三箇所を正確に捉え、侵入者は倒れ込んだ。

やったか・・・・と三人は安堵したのも束の間。

 

「あらあら。随分と手荒い歓迎ですね」

 

と侵入者の側でなく背後から女の声がした。首領は驚きながら振り向き見たものは、

女が両手を広げ、側近の首元に手をあてて立っているところだった。

そして側近二人の首がゆっくりとずれていき、床に落ちる。

 

(女!?だがなんだこの異様な雰囲気は!?)

 

メイは警戒されているであろう扉からの侵入を避けて囮の下僕を向かわせ、その反対側の壁から空間魔法でトンネルを作り音も無く侵入したのだった。

ただならぬ危険を察知した首領は、すぐにメイから距離を置き、帯刀していた剣を抜く。

 

「貴様ッ!・・・・・!?」

 

抜いた剣は刃渡り2センチほどを残して先が無くなっていた。背後を取ったメイがあらかじめ手をかすめて鞘ごと切断したのだ。

正体不明の超常の力に分が悪いと悟った首領は逃走を選択する。

侵入者が倒れる入口の扉に向け駆ける。だが

 

「ッ!」

 

入口も既にメイの下僕によって固められており、二人の下僕が剣を交差させ逃げ道を塞ぐように行く手を阻む。

 

「そんなに慌てないで♡ちょっと遊びましょうよ♡」

 

メイは言いながらゆっくり近づく。首領は既に戦意を無くして尻餅をつきながらメイの方を許しを乞うような目で見る。

すると背後から入口を固める二人とはまた別の下僕が円形の桶に深さ5cmぐらいの水を張って持ってきた。

それを首領とメイの間に置く。

 

「ちょっと靴が汚れちゃってるので綺麗にしますね♪」

 

というとメイは桶の中にブーツを履いたままの両足を入れ、浅く足踏みする。

かなり使い古したブーツだが縫製はしっかりしており浸水はしていない。しかし周囲の冷気が中の足まで伝わり気持ちいい。

足踏みによって波を起こしながら靴裏の泥や小さな草木といったゴミが取れていく。

呆気にとられる首領を尻目に続ける。

 

「ふぅっ」

 

というとジャパッと音を立て桶から出る。桶の中の水は泥で濁って黒ずみ、水面の上には細かい草などが浮いている。

続いてメイは

 

「催して来ちゃった・・・ついでに済ませようかな♡」

 

というとメイは桶の前に立ち、ロングスカートの横から手を入れパンツを膝下まで降ろす。

続いてロングスカートを前方につまんで浮かせ、少し前かがみになった。

ほどなくして、小水が勢いよく水面に叩きつけられ、桶からチャプチャプと大き目の音が鳴り始める。

まるで首領がこの場にいないかのように、恍惚とした表情だ。

 

「溜まってたみたい・・・気持ちいい・・・♡」

 

と言いながら小便を続けるメイ。

意味が分からず呆気に取られながらも、考える時間が与えられた首領はこの隙を逃すまいと動く判断をする。

 

「死ねえっ!」

 

といって両手を伸ばしメイに跳びかかろうとする。が、すぐに二人の下僕に肩を引かれ、腕を抱え込まれた。

 

「クソッ!離せ!なんでお前らが!クソッ!」

 

仲間のはずの男たちに意味も分からず拘束され首領は悪態をつくことしかできない。

その様子をメイは恍惚としながらふふっと笑って一瞥すると、何事も無かったかのように用を足す。

ほどなくして排尿を終えると、

 

「はぁ~スッキリしました♡」

 

といって前方を掴んで浮かしていたスカートを戻す。首領からもスカートに隠れていた桶の水面が見える。泥の黒ずみに黄色い水が加わっている。

メイはパンツを履きなおすと当然のように言った。

 

「では、飲んでください♡」

 

すかさず首領は抗議する。

 

「ふざけるな!なんでこんな----」

 

といいかけると、下僕に腕を掴まれたまま肩を押され、桶に顔を近づけられる。

メイはかがむようにして首領に顔を近づけて言う。

 

「う~ん・・・・もしかして死にたいんですか?」

「私はいいんですけど・・・・そしたら今まで得た財は全部パアですよね」

「地図に載るほどの縄張りを持って、名声も得たのに・・・・最期は女一人の手によって死亡、ですか」

 

メイは(非合法とはいえ)首領がここまで積み上げたであろうものについて言及した。

 

「まあ、ここで終わりで良いなら・・・」

 

と言いながら手を近づけると

 

「飲みます!飲みますから!」

 

と先ほどの態度が崩れ敬語になった首領が言った。

メイはふふっと笑うと、

 

「そんなに飲みたいんですか♡では仕方ありませんね♡」

 

と白々しく言い、

 

「はい♡どうぞ♡」

 

と言いながら行儀悪くブーツの靴底で桶の縁を蹴るように押し、首領の前に桶を寄せた。

普通の人間でさえ耐え難い、人格を蔑ろにするような行為。

暴力で負ける事がなく、相手を一方的に弄り、凌辱し、殺すばかりだった首領には経験したことのない屈辱だった。

 

男は自ら桶の水面に顔を近づける。薄くなってはいるがかすかなアンモニア臭に顔を背けてしまう。

するとまた下僕二人に肩を押され水面に顔を付けさせられる形となった。

 

「水かさが減ってませんよ~早く飲んでくださいね♡」

 

メイは言う。やむなく首領は泥と尿の交じった水を飲む。

尿の味自体は薄いものの黄色が混じった水が体内に入るのが視覚的に分かり強烈な不快感を与える。

さらに泥や細かい草の方は明確に舌に感覚を伝える。ザラザラとした感触と細長いものが舌に張り付く感覚。

これまで味わうことが無かった敗北の味、メイの靴底の味だった。

メイは楽しそうに様子を見るが、水が減る勢いは遅い。

 

「ちゃんと全部飲んでくださいね♡」

 

煽るように言う。そもそも水嵩は5cmとは言えブーツが余裕をもって入るほどの底面積を持つほどの桶だ。

同じ量の真水を普通に飲むだけでも短時間では苦痛のはずである。

しかし二人に拘束され、メイの機嫌を損ねることも出来ない首領は飲む以外の選択肢は無い。

泥と尿の交じる水を必死に飲む。メイはその様子をしばらく眺めていると、

目の前の男がまるで土下座をするかのように頭を垂れ、無防備に後頭部を晒しながら汚水を啜る姿に倒錯感を覚えてしまっていた。

思わずメイは

 

「手伝ってあげますよ♡」

 

というと、首領の後頭部、頭頂部の近くにブーツを履いたままの左足を乗せ、ぐいっと力を入れる。

首領は訳が分からないまま上からの圧力に負け、額と鼻が桶の底に押し付けられ激痛が走る。口も水面の少し下まで押し下げられ呼吸が出来ない。

 

「ちょっとお体の上に失礼します♡」

 

などと明らかに思ってもいない様子で言うと、

今度は残る右足を首領の背中に乗せ、両足で首領の体の上に乗る形となった。

首領は汚水を飲まされている頭部側の方が低い姿勢で這いつくばらされており、頭部側により体重が掛かる。

首領が呼吸を乱してかブクブクと激しい泡が生じる。

メイはサーフィンをするかのように首領の体の上でバランスを維持する。

 

「なかなかいい乗り心地ですね♡」

 

もはや人とさえ思っていないような発言。

とにかく呼吸が必要な首領は後頭部と額と鼻に走る激痛に耐えながら水を飲む勢いを増すしかなかった。

当然口内は泥水の感触に侵され、黄色い水が精神をさらに蝕む。

水かさが減ったことと水面に生じる波で途切れ途切れではあるが口から呼吸が出来るようになる。

 

「いい具合に減ってますね~お力になれたようで何よりです♡」

「よく頑張りましたね~偉い偉い♡」

 

と撫でるように右足で背中をさすってやる。

頭を動かせず腕を封じられた首領は耐え難い仕打ちに足を激しく動かす。

口から文句を言おうにも「ぜっ・・はっ・・・」と必死に呼吸をするために発言の余裕が無い。

激しく足を暴れさせた揺れと動きが背中にまで至り、右足側のバランスを崩す。

メイが左足でバランスを取ろうとするのが靴底を通して首領の後頭部にも伝わる。

 

「おっと・・・もう、落ち着いてくださいよ」

「せっかく綺麗にしたブーツが汚い水に落ちちゃうじゃないですか」

 

飲むことを強制までした水を汚い水と表現し、自身の足下でもがく首領を尻目にブーツの汚れを心配する有様。

首領は怒りのエネルギーを唯一動かせる足の動きに向け、メイを振り落とさんとより運動を激しくする。

 

「そんなに暴れられると乗りにくいなあ」

「動きの少ない所に足を移さないと・・・・」

「この辺とか♡」

 

グシャッ!

とメイは先ほどまで背中に置いていた右足も首領の後頭部に乗せる。

 

「!?」

 

両足で首領の頭の上に乗るメイ。右足は首領の首の根本あたりに置かれた。

するとある程度自由の効いていた顔の下半分、口までが重圧で桶の底に着けられ、男は顔面全体が桶底に沈められる。

こうなると水かさが少なかろうが水が残っている時点で呼吸が出来ない。

口は桶底とそこに滞留する泥とのキスを強制され、最早水を減らすことさえ不可能となった。

 

「うん♡ここなら安定するかな♡」

 

と両手を広げ軽くバランスを取りながら言うメイ。

後頭部に立つメイに"安定"されてしまった首領はもはや状況を覆す手段が無い。

悪あがきで足を激しく動かすも後頭部に立つメイには最早意味は無く、

靴底から出た泥とのキスを強要され続ける。

 

「ああ♡とっても良い踏み心地♡」

 

メイは自らの足下で汚水に伏せ、足を暴れされる首領を見て快感に包まれる。

一方の首領は地獄の苦痛と屈辱にメイの靴底によって沈められ続ける。

 

「あれだけ必死に飲んだ泥と、そ、その・・・お、おしっこにまみれて最期を迎えられて、よかったですね♡」

 

首領の頭の上で「おしっこ」を恥ずかしそうに言う。死に瀕している首領に比して些末すぎる羞恥だ。

 

「私の、その・・・おしっこに体中を満たされながら、現世に別れを告げてください♡」

「来世では立派なおトイレに転生できると良いですね♡」

 

それが首領が聞いた最後の言葉だった。呼吸を絶たれた首領は暴れる手足も動かせなくなり、やがて事切れた。

首領の最期は、メイの靴底によって尿と泥にまみれた汚水の中で死亡するという、これまでの因果が全て返ってきたかのような最期となった。

メイは動かなくなった様子を確認するも、死んだふりの可能性を一応考慮し男の頭の上でもう1分ほど優越感と背徳感に浸った。

 

男の頭から降りると、首領のスキンヘッドの後頭部にはクッキリとブーツの靴跡が刻まれていた。

首領に死霊術を掛けるメイ。術により動かされ、水桶から顔を上げる首領を見たメイは

 

「ふふっ酷い顔♡」

 

自身の手によって行った事を忘れたかのように、他人事のように言う。

首領の顔は泥にまみれ、額、鼻、口のあたりが桶の底で平らになり赤くなっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

--------------------------2カ月後------------------------------

メイはかつて自身が取り調べを受けた街に戻っていた。

お尋ね者となっていることを想定し正門を避け壁から空間魔術でのトンネルで侵入したが、

4年を経過しているためか街中は思いのほか警戒は緩かった。

用意したフードで顔を隠していても日除けのためと言えばそれ以上の追及は無く、

メイ側も不必要な人との接触を避けるなど最低限の警戒はしていた。

 

ソシエに見せてもらったイメージの金髪女性はミリーという名で、この辺りの有力貴族らしい。

4年間知ることは無かったが、ここではかなり名前が知られておりあっさりと情報を得られた。

 

そして直近は双眼鏡で遠方から屋敷を観察していた。

ベトレとミリーがここに住んでいることを掴んだため、下調べをしているのだ。

無実の犠牲者を出したくなかったメイは盗賊の時と違い慎重にならざるを得なかった。

まず住居自体が3階建てで大きい。幸いにも庭は大きくないが、外壁で囲まれており、使用人が複数人雇われていた。

使用人の寝室は離れにあるが、食事や清掃、夜間の警戒等で業務中は屋敷に居る。

ベトレとミリーは当然のように3階に自室を持っており、そこに到達するまでに使用人に見つからないようにする必要があった。

 

メイは策を打つ。

匿名で使用人の一人を装い、職務中に漏れ聞こえたなどとしてベトレとミリーの夜の情事や会話等についてでっち上げのリークを新聞社に行うことにする。

二人に使用人を警戒させ、少なくとも夜の間使用人と距離を置くように仕向け二人を孤立させることが狙いだ。

無視されてしまう可能性も考え、ここに盗難品の移管についてや、保険協会に対する詐欺等の情報を散りばめる。

これはソシエの水晶で得られた情報で、聞かれていた可能性があるとなれば絶対に無視は出来ないだろうと見ていた。

情報を適当な文書にまとめ、局員との接触を避けながら複数の新聞社に情報提供として文書をばらまく。

 

 

そこから3日後。

リークは歴史のある新聞社やお堅い新聞社には無視されたが、裏付けを対して気にしないゴシップ寄りの新聞社等は喜んで記事にした。

一方で知識層向けの専門紙は、窃盗の実現可能性や、保険協会運営を担当する貴族とミリー家の関係を疑う等、思わぬ方向に深堀した記事を出した。

そのためメイは計画実行を早めざるを得なかった。ここに深く触れられてしまうと実行犯として疑われたメイを市民は想起せざるを得ないためだ。

しかし策自体は成功しており、ベトレとミリーは夜の間は使用人を屋敷に入れることさえしなくなった。

翌日の晩。計画を遂行する。使用人が住む離れだけを警戒し、離れから最も離れた壁に空間魔法でトンネルを作り侵入する。

そのまま屋敷の壁も空間魔法ですり抜け、1階に入った。

 

(よし。誰もいない・・・)

 

丁度階段の近くに侵入できたメイは、そのまま足音を殺し3階へ向かう。

 

 

 

 

 

 

金髪でスタイルの良い美人のミリーだが、今はストレスでしかめっ面が張り付いていた。

正体不明のリーク。その情報源が分からないのだ。当然使用人は散々問い詰めるが皆知らないという。

そもそもあの会話が聞き耳を立てる程度で聞こえたものなのか疑問だ。

だがリークの内容は核心は避けつつも脅すように事実を小出しにしている。

しかも使用人を問い詰め過ぎたことが仇となり、却ってあの内容は事実なのではないか、

保険協会に調べて貰ったらどうかといった話題が出始める。どうしたものかと頭が痛かった。

内容が内容なだけに、今は夜もベトレと別室で過ごしているのだが、一人で居たくなかった。寝ようとしてもすぐ悩みが浮かぶ。

 

ベトレの部屋に行こうと廊下に出る。すると廊下の端、曲がり角の暗がりに人影のようなものが見え、奥に消えたように見えた。

ミリーは怖いと思ったが、ここに人が居るわけがないとの気持ちが勝つ。

見間違いか、もしくはベトレである可能性が高いとみて人影の見えた方向へ向かう。見間違いならそれを確かめ安心したかったのだ。

もうすぐ曲がり角というところまで来た途端。

 

「まあまあ、その芋娘、今日で終わりじゃない」

 

と曲がり角から出てきたメイがミリーの声色を真似て言った。不意を突かれたミリーは飛び上がるほど驚き叫び声を上げようとするが、

元盗賊団の下僕にすぐに口をふさがれ、拘束される。

リークで揺さぶりをかけられていたミリーは4年前のその発言をすぐに思い出せた。

でも何故?どうやって発言内容を知っている?

笑みを崩さず静かに近づいてくるメイにミリーは恐怖で涙が零れる。

とりあえず謝ろうとするも口が塞がれている。何をされたか、何が起こるか分からないミリーは首を横に振るばかりであった。

メイは特に気にした様子も無く、笑顔のままミリーを見て言った。

 

「今晩は楽しみましょ♡」

 

 

 

 

 

 

 

その頃、外の様子を知らないベトレは自室で呑気に洋菓子を食べていた。

ベトレは識字が出来ないため、新聞の内容が読めず、ミリーの説明を聞いても問題を重大と受け止めていなかった。

ベトレは元々利己主義的な性格を持っていたことを見抜かれ、利用するのに都合が良いと判断されたことと、

外見が優れていたためにミリーに囲われるだけの立場であったのだ。

そこに屈強な男たちが二人、突然入室してくる。

瞬く間にベトレは拘束された。

訳が分からないベトレは叫ぶも誰からの反応もない。

 

「久しぶりね♡ベトレ♡」

 

続けて入室してきたメイにベトレは驚愕する。

農村でよく見た格好はさらに古ぼけているが、肉付きを増して顔立ちも変わりより美人になっていた。

しかし驚いたのはそこではない。

 

「なんでお前が・・・ここに・・・」

 

得体のしれない威圧感を放つメイに怯みながらも言った。

 

「私たち・・・やっぱりすれ違いがあったと思うんです・・・」

「だから今日は、ベトレに私のこと、もっと知ってもらいたくて♡」

 

とメイが言うと、ベトレを拘束していたメイの下僕二人がベトレを乱暴に床に仰向けにして倒し、そのまま拘束を続ける。

 

「がはっ!どういうつもりだ!なんでこんな事を・・・・」

 

ベトレは抗議を続けるが、メイは微笑みながらうんうんと頷くだけだ。

ゆっくりとベトレの元に近づき、ベトレの隣に立つと、見下ろしながらメイは自分の言葉を割り込ませる。

 

「貴方に会いたくて、いっぱい頑張ったんですよ♡」

 

メイはブーツを脱ぎ始める。寝かされ、足下に近い位置にいるベトレはつんとした悪臭を感じる。

 

「ですから、一緒に私の努力を感じてください♡」

 

というとメイは右足でベトレの口を塞ぐように踏み付ける。

ブーツを脱いだばかりの足は汗が溜まりベチャッ!とした感覚を伝える。

 

「ンンンーッ!ンーッ!」

 

と足下でもがくベトレ。足の裏とキスしているという事実とその感触の強烈な不快感。全身をなぞるようにゾワッと悪寒が走る。

さらに口呼吸を奪われたベトレは鼻で呼吸するしかなく、

 

「ッ!?ンンンーッ!!」

 

と足下でもがく声が大きくなる。口を塞ぐメイの足は丁度指の付け根がベトレの鼻下に来ていた。

 

「やっぱりちょっと匂っちゃいますかね・・・・」

「でもこの足で、山道や、泥道見たいな険しい場所も超えてここまで来たんです♡」

「あっ歩くとは違いますけど、盗賊さんのお顔の上に乗ったりもしましたね♡」

「貴方に会うために頑張ったので、受け止めてくださいね♡」

 

と、メイは立て続けに言いたいことを言うと、メイは口を踏み潰しながら指の付け根を強く押し付けたり、鼻を足の指で掴んだりする。

足の臭いと感触、踏み付けの痛みが伝わる。

 

「ン!!ンンンンンンンンン!!!!」

 

屈辱と不快感でベトレの反応はさらに大きくなる。メイはその様子を見て

 

「ああ♡私のこと感じてくれてるんですね♡嬉しい♡」

 

と、恍惚とした表情で言う。感じてといっても人間の最も低い部位である足の裏、しかも一方的な押し付けなのだが、まるで気にしてないかのように。

 

続いてメイは足を少し引き、指の付け根を口のあたりに持ってくる。

そして唇を凌辱するかのように踏みにじり始めた。

 

「ッ!?ンッ!?」

 

ベトレは引き続き口を開くことが出来ないが、先ほどと踏み方の質が変わったことには気づいた。

今までも足の裏とキスさせられていた所、それを念押しするかのようにつま先を口に強く擦り付けられる。

ベトレは悔しさに涙が出始めた。元々は貧乏であったが美形でもあったベトレは、このような屈辱を味わったことが無かったのだ。

メイはさらに体重を掛けながら口を踏みにじったり、トンットンッと軽く浮かせながら(しかし躊躇なく力を掛け)唇を踏み付けたり、

兎に角、口への踏み付けを続ける。行為の屈辱の方が強いが、170cm超で肉付きのよいメイの踏み付けは当然痛みも伝える。

(何故いきなり口ばかり?何故?)

とベトレが踏まれながら疑問に思ったあたりで、メイが言う。

 

「もう♡女の子に言わせちゃうんですか?♡」

 

顔を赤らめながらメイが続ける。

 

「ディープキス♡させてください♡」

 

かあっと顔を赤くしメイが言う。ベトレはその様子と今踏まれている状況の違和感に混乱する。

だが言わんとしている事は理解できてしまった。メイは足を口に入れたいのだ。

メイはよりつま先に体重を掛けながらベトレの唇を凌辱する。踏み潰すかのように、口を開けることをせがむ様に。

 

「ほらほら♡女の子から勇気を出して言ったんですよ?♡」

 

と白々しく言いながら掛ける体重を増す。両腕を拘束されているベトレは抵抗も出来ず、踏まれながらゆっくり口を開く。

 

「分かっていただけたんですね♡ありがとうございます♡」

 

というと、メイは右足を躊躇なくベトレの口に突っ込んだ。

 

「モガッ!・・・グッ・・・!」

 

と最初だけもがく声が聞こえたかと思うとベトレの口からは何も音を発せなくなった。

だがベトレの目から流れる涙の量は増える。屈強な下僕二人に拘束されながらもどうにか抵抗できないかと下半身をばたつかせる。

 

「ああ・・・♡ベトレの口の中あったかい・・・♡気持ちいい・・・♡」

 

メイはベトレ当人の事等まるで気にしていないかのように一方的な事を言いながら夢心地になっている。

 

「ベトレももっとその舌で、味覚で私を味わってください・・・♡」

 

ほぼ一方的に足を突っ込んでいるメイが提案するかのように言いながら、より口の奥へ足を突っ込む様に力を入れる。

一応ベトレに対する言及だけはあるが、実際はベトレを蔑ろにするような行為ばかりを繰り返す。

最底辺の部位である足の裏。それを相手の口元へ押し付け、挙句口内へ押し込み、口を介して体中を、そして精神を汚していく。

 

「はああああっ・・・♡」

 

と息を吐きながらベトレの口の中で右足の指をクニクニと曲げるような動作をする。

ベトレは口の中を蹂躙されるような感覚に襲われる。

ただでさえ口の中をメイの足で満たされているところに口を押し広げられるような痛さが走る。

ベトレの尊厳はメイの足の裏によってより低く、低く踏み潰されていく。

一方のメイはベトレの顔を、鼻を、口を踏み台にするかのようして快感を増し、高みへ昇っていく。

ベトレはこの仕打ちにえずくことさえ出来ない。終わらない仕打ちに歯を立てて反撃することも頭をよぎる。

だがほぼ限界まで開けきられた口には力が入らない。また、機嫌を損ねれば即時殺されると言われなくても伝わるような異常さをメイから感じ取っていた。

メイはというと、より快感をむさぼろうと右足を奥に入れるべく、知らず知らずのうちに掛ける体重を増しており、

左足はほぼつま先立ち状態となっていた。今ベトレの口に掛かっている壮絶な負荷なぞもはや頭の片隅にすらなかった。

 

「もっと・・・もっと頑張ってください♡」

 

と言うと、ついには左足を浮かし、全体重がベトレの口内に入った右足に集中する。

 

「!?」

 

つま先がベトレの喉の奥を犯す。

ベトレはこの苦痛に涙腺を直接踏み潰されたかのようにぶわっと涙の勢いが増した。

この態勢はメイも長くは維持出来ず、すぐに左足を着く。

ベトレはまだ右足を口に入れたまま、音には出ないもののおえっおえっと異物を必死に外に出そうとしている様子で、

足が突っ込まれた口の隙間から小さく泡が漏れ出し始めた。

メイは右足をベトレの口から抜くと、

 

「げほっ!!けふっ!!」

 

とベトレは強くせき込みながら血の混じった唾液をまき散らす。

メイの右足もつま先に赤い液体が付き、ベトレの唾液で光沢を帯びていた。

メイはベトレの苦しむ様子などまるで見ていないかのように言う。

 

「しっかりしてください♡次は左足ですよ♡」

 

絶望がベトレを襲う。そもそも左足を同じように口に入れたとして開放されるかも分からない。いや、先ずされないという予感がしていた。

でも従わないと殺される?怖い。恐怖に思考が支配される。メイの足に犯しつくされた口は未だに喉が、舌が、頬が、顎が痛む。

自身では何も考えられなくなったベトレが、ようやく開放されたその口で発したのは、

 

「ミリー・・・・」

 

同居人の名だった。ベトレはそもそもミリーに依存していた。

貴族で学も財もあるミリーは大概の問題を解決出来るだけの力があり、ベトレもそれに依存して欲望を満たしていた。

つまりベトレ自身は大した能力を持っておらず、その結果、ここに至ってもミリーの助けを願い、名前を口にしたのだ。

しかしここでミリーの名前を出されたメイは面白くなく、一瞬眉をひくつかせる。しかしすぐに元の笑顔に戻った。

 

「あの金髪のお綺麗な方ですよね♡やっぱりああいう方がタイプだったのでしょうか・・・・」

「そこまで大事な方なら、ぜひお会いになってください♡"今の"ミリーさんに♡」

「お化粧直しがありますので、ちょっと目隠しさせていただきますね♡」

 

というと、ベトレの顔にハンカチをかぶせる。

ベトレは意図が分からず視界を塞がれ困惑する。誰かが入室する足音が聞こえる。ミリー?だが妙に荒々しい足音だ・・・。

 

「準備はいいですか?では、ご対面♡」

 

というとメイはハンカチを取り去る。

するとそこには、

 

 

 

恐怖の表情を浮かべたまま、首を切断されたミリーの生首があった。メイの下僕に髪を掴まれぶら下げられている。

 

突然それが視界に入ったベトレは強烈な精神的ショックを受け、そのまま動かなくなった。

ベトレは唐突に受けたショックで死亡してしまったのだ。

 

「あらあら。女の子の顔を見てそんな態度は失礼ですよ♡」

 

といいつつも、まだまだ楽しめると思っていたメイは残念に思ってしまう。

 

 

 

 

 

その後、屋敷の二人は行方不明者として扱われた。

これを良い事に、新聞社と保険協会が二人の屋敷を調査し"盗難"されていたはずの宝飾品類を発見。

メイの冤罪は晴れることとなる。

莫大な損失を回復することに成功した保険協会は事情を聞かずにメイに家と小さな農場を与え、メイはそこで暮らすこととなった。

これにてこの事件は一件落着となった。一人を除いては・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

--------------------------6カ月後------------------------------

 

「う~ん♡美味しい♡」

 

メイは香辛料で味付けされた牛肉を食べていた。

この世界ではどちらも貴重なもので本来財力に余裕が無ければ食べられないものである。

 

「近い将来、皆がこの味を楽しめるようになるんですよ♡」

 

メイは言う。事件を終え、時間が出来たメイは農学や牧畜の研究や執筆活動を行っていた。

保険協会の仲介で出版に協力してくれる新聞社と繋がりが出来たためである。

今日は執筆作業に集中しようと考えていたメイは、胸は綿の帯、下は白の柄の無いパンツと、他は何も着用していない下着姿だ。

 

「とっても素晴らしいことだと思いませんか♡」

「ね♡ベトレ♡」

 

なんとメイはベトレに対して話しかけた。ベトレは正座でメイの大きなお尻を顔面と両手を使い受け止め、椅子となっている。

精神的ショックにより瞬間的な死を迎えたベトレは脳機能がほとんど損傷しないまま死霊術を受け、

意識を保った状態でメイの操り人形となったのだ。

五感も感情も残っている、しかし体は完全にメイのコントロール下である。

自ら体を動かすことも出来ず、まともに食事すら摂取していないまま6ヶ月間経過したベトレは、

脂肪はおろか筋肉も消費されつくし痩せこけてしまい、今や魔術によって体を"動かされている"ような状態である。

 

「ああ♡こんなに美味しい食べ物ばかりだと太っちゃいます♡」

「でもしっかり支えてくださいね♡女の子を支えるのは男の甲斐性ですよ♡」

 

痩せこけたベトレにメイは勝手な事を言う。そんな哀れな男の顔面を尻の下敷きにしながら食事を楽しむメイ。

 

「ちょっとゴリゴリしてて落ち着かないかも・・・・♡」

 

といって姿勢を整えるかのようにぐりぐりとお尻で顔面を蹂躙するメイ。痩せたベトレの頬骨が当たったのだ。

ベトレは苦痛の真っただ中に居た。ほとんど骨と皮のような体でメイの長身でむっちりした体を支えることを強制される。

背骨をも使って垂直にメイを支える。座っているのは顔面でも負荷は全身に掛かり、

特に正座の姿勢のベトレは足、尻、背中に耐えがたい痛みが走る。

椅子にしている男の苦痛など気にも留めないメイはゆっくりと食事を取り終えた。

 

「よく頑張ってくれましたね♡えらいえらい♡」

 

といって、ベトレの頭を撫でる。髪の抜けきったベトレは声帯には自由が与えられているが、

 

「ごめんなさい・・・・許して・・・・」

 

と壊れたように繰り返すばかりだ。

 

「ちょっと一休みしようかな♡」

 

というと、メイは部屋のベッドの中央に座り込み、足をベッドの縁に投げ出す形で伸ばす。

 

「あっ♡」

 

と思い出したようにメイが言うと、ベトレは

 

「ヒッ!」

 

と怯えるような声を上げる。この6ヶ月間好き放題使われたベトレは、この後碌な事が待ち受けていないと分かっていたのだ。

 

「足が疲れちゃった♡」

 

とメイが言った瞬間、ベトレには恐怖と嫌悪感が押し寄せる。

 

「舐めて欲しいな~♡」

 

ベトレは

 

(嫌だ・・・嫌だ嫌だ!)

 

と思う、しかし操られている体はゆっくりとメイの足の裏へ歩みを進める。

 

メイの足。

最期の瞬間を支配した足。

汗に濡れ、強烈な不快感を植え付けた足。

ブーツで蒸れ、嗅覚を凌辱した足。

 

一歩、また一歩と近寄ることを強制される。

 

メイの足。

口内へ押し込まれ、屈辱の味を押し付けてきた足。

生前の尊厳を踏み潰し、今また改めて踏み潰さんとしている足。

 

しゃがまされ、ベッドの縁へ投げ出されたメイの足と目線が同じ高さになる。

すっかり畏怖の対象となっていたメイの足の裏が、目の前にあった。

 

「じゃ、お願い♡」

 

舌を出すことを強制され、そのまま顔を近づけさせられる。

そして舌がメイの足の裏に触れた。

 

「ッーーー!♡♡♡」

 

その瞬間、とてつもない優越感と快感に包まれたメイは、

タガが外れたように遠慮することなくベトレを操り、激しく足を舌で愛撫させる。

ベトレは首をガクガク動かし、舌も激しく動かすことを強制させられる。

鼻や額さえも足裏に押し付けさせられる勢いだ。

 

「これくすぐったい♡でもすっごく気持ちいい~♡」

「毎日でもお願いしようかな♡」

 

とんでもないことを言うメイ。ベトレは恐怖する。そんな気も知らずに

 

「あっ♡お尻やお股もこれで綺麗にしてもらおうかな♡」

「ベトレにも私の色んな所を味わってほしいな~♡なんて♡」

 

さらに立て続けに恐ろしい考えを口にするメイにベトレは声を上げて抗議しようとする。

だが舌が操られている状態のベトレは

 

「エッ!エッ!エエエエッ!」

 

と言葉を紡ぐことが出来ない。

奉仕は強制させられ続ける。ベトレは首と舌の激しい運動で疲労感が一気にたまっていた。

奉仕する先はメイの足の裏。自分を地獄に落とした女の足の裏に奉仕している事実に精神も限界が来つつあった。

一方のメイは、舌で舐めさせることに慣れてくると、くすぐったさが消えてゆっくり気持ち良さを味わう余裕が出来てきた。

 

「はぁ~♡なんか落ち着く・・・・♡」

 

激しい舌奉仕を強制させられているベトレと対称的にリラックスした様子だ。

ベトレは悔しさがこみ上げてくる。

余裕たっぷりとなったメイは

 

「なんだか眠くなってきちゃった・・・・」

 

というと、足への奉仕を強制したまま、上半身もベッドに倒れ込み、仰向けに寝る体勢になる。

メイはゆっくりと眠りにつこうとする。だがベトレへの死霊術による命令は上書きされない限り続く。

ベトレもメイが眠りに付きかけているにも関わらず、引き続き足の裏を激しく舐めさせられている事実に状況の悪さに気付いた。

 

(寝るな!寝るな!!!!)

 

と言って睡眠を妨害しようとしてもやはり舌を操られているため満足に声を出せない。

 

「・・・・・♡」

 

すやすやと眠りにつくメイ。一方のベトレは舌を、鼻を、額を、足の裏に擦り付けんばかりに奉仕を続ける。

快感に導かれるままに気持ちよく寝付くメイに対し、ベトレは睡眠さえも許されず目の前の足の裏を舐め続ける。

視界は足の裏で埋め尽くされ、首がちぎれそうなほどの舌奉仕を続ける中、

この地獄の終わりを望む事と、過去を後悔し続ける事しか考えられなかった。

 

 

後に農学分野で歴史に名を残すメイ。ベトレはその慰み者として裏切りの対価を払い続けるのであった。

 

 


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