オンゲキの精鋭たちが集まる奏坂学園。そこで落ちこぼれている一人の男子学生が、英才教育を受けて育ったエリート女子・皇城セツナを盗撮し、おかずにする話。

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皇城セツナ、底辺男子生徒に盗撮され、おかずにされる

 

 

 ――これは皇城セツナが奏坂学園にやってきて間もないころの話――。

 

 

               〈1〉

 

 

 

「くそっ、また駄目だった……!」

 

 俺は廊下で誰に言うでもなく悪態をついた。先ほどまで受けていた実技の追試だったが、どうにも手ごたえがない。結果を見るまでもなく不合格だろう。これで駄目ならば落ちるのは通算6回目だ。

 ここ、奏坂学園はオンゲキのエリート達が通う高等学校。未来のプリメラを目指す天才たちが集う場所だ。俺は2年前、奇跡的に入学を許されたが、そんな天才たちに敵うはずもなく落ちこぼれる一方だった。

 

「……みんなして俺を馬鹿にしやがって!」

 

 ここではオンゲキの力がすべてだ。ついていけない俺は必然的にカースト下位に成り下がっている。失敗するたびに、嘲笑が俺に降り注ぐ。惨めだった。

 

「ふーっ、疲れた疲れた!」

 

 廊下で突っ立っていた俺の横を明るい声が通り抜ける。目を向けると、先ほどまで補習を行っていた教室から3人組の女生徒が出てくるのが見えた。

 

「今日のテストは簡単だったね~。柚子、100点とっちゃうかも!」

「あのねぇ、それなら本番のテストでもっとがんばりなさいよ……」

「でも私も手ごたえあるんだ! 葵ちゃんもそうでしょ?」

「……まぁ、今までのに比べたらだけど」

「やった~! それなら3人一緒にお祝いパーティーだー!」

 

 金髪ツインテールの子が高々と両手を上げる。どうやらハイタッチを求めているらしい。それに笑顔で応えるショートカットの女の子。黒髪ストレートの子も、ため息をつきながらそれに応じる。

 あいつらは……確かぽんこつシスターズとか呼ばれてる同級生……星咲あかり、三角葵、藤沢柚子だった。

 

「これでまた、夢に一歩近づいたね! プリメラになって、ブドーカンに立つって夢が!」

 

 ショートカットの子……星咲あかりがガッツポーズを決める。3人は笑い合いながら、俺の隣を通り抜けた。

 

「……」

 

 ぽんこつシスターズがブドーカンだって? 笑わせてくれる。あそこはそれこそ天才の中の天才しか、立つことが許されない場所だ。お前らごときが逆立ちしたって……。

 

 

 だが、そんなぽんこつ達よりも、俺は劣っているのだ。

 

 

 彼女たちにもう一度目を向ける。笑い合い、進んでいくあいつらは輝いて見える。きっと不安なんてないんだろう。自分たちに乗り越えられないものなどないと信じているのだ。……俺はそれが妬ましてならない。一体、あいつらと俺は何が違う?

彼女たちの笑顔は、俺が向けられた嘲笑と重なった。くそっ、くそっ、どいつもこいつも俺を……。

 

 ヒュウッ……

 

 その時、開け放たれていた窓から一陣の風が舞い込んだ。その風は廊下を吹き抜け、俺の前を行く3人のスカートを軽く揺らしていく――。

 

「……」

 

 彼女たちの白い足に、俺の目線は吸い寄せられる。先ほどの風で、ひらひらと揺れるスカートがまぶしく見えた。ぽんこつと言われているが、彼女たちの見た目は美少女といって差し支えないだろう。そんな女の子たちの下半身が、俺の目の前で揺れている……。

 

「……」

 

 俺は後ろポケットに手を入れ、中に入っているものを確認する。――スマートフォン。最近、無音カメラアプリをダウンロードした。俺は周りを確認する。辺りには俺たち以外、人はいない……。彼女たちも俺の存在を気にも留めていないようだ。

 

「よーし! それじゃ授業にレッツゴーだー♪」

 

 彼女たちは教室に戻るため、階段を登り始めた。俺との距離は十分に離れている。それこそ、スカートの中を覗き見れるほどに……。

 

「――ふぅっ」

 

 落ち着けようと息が鼻から漏れる。俺はゆっくりと彼女たちの背後に近づいた。手の中のスマホがじっとり汗ばんでいくのを感じる。逸る心臓を抑え、ゆっくりとレンズを彼女たちに向けて――

 

「貴様、何をしている?」

 

 心臓が冷たい手でわしづかみされたような錯覚! 俺は手に持っていたスマホを取り落とした。カツン、と音を立て階段を落ちていく。俺は後ろを振り返った。

 

「何をしている、と聞いているんだ」

 

 凛とした声が辺りに響く。足元に転がったスマホを拾い上げ、声の主は俺をにらんだ。肩に掛かるグレーがかった銀髪が揺れる。整った目鼻立ちと白い肌。黒のセーラージャケットを着こんでいるが、それは奏坂学園の制服ではなかった。

 

「べ、別に何も……」

 

 切れ長の瞳に射抜かれているようで、俺はその女から目線を外す。劣等感を抱いて縮こまった。

 

「ふぅん……」

 

 女は俺を一瞥した後、手にした俺のスマホを操作した。どうやら、無音カメラアプリは起動したままのようだ。背中に冷たいものが流れていくのを感じる。膝が熱を持ち、気を抜けば今にも震えだしそうだった。女は手を止める。

 

「ゲスな趣味を持っているようだな」

 

 スマホが彼女の手から離れた。またしても廊下に音が響く。そしてパキン、と軽い音。

 

「あ……」

 

 彼女の足が俺のスマホの上に置かれていた。音からして画面が割れたのは確実だろう。

 

「な、何すんだよあんた!」

 

 俺は慌てて階段を駆け下り、女に近づこうとした。だが……

 

「黙れ」

「ッ……」

 

 怒気を含んだ低い声色に気圧され、俺は前に進めなくなった。女の周囲に見えない力が渦巻いているようだ。女の冷酷な目は、俺をとらえて離さない。俺の方が高い位置にいるはずなのに見降ろされている気さえする。

 

「名前と学年を応えろ」

「……」

「聞こえなかったのか? 名前を名乗れと言っている。それとも……その言葉が理解できないほど低能なのか?」

 

 女は階段を上ってくる。俺は身じろぎひとつできないでいた。女は傍に立つと、俺のネクタイを引っ張り、自分に引き寄せる。女の顔が息がかかるほどの距離まで近づいた。

 

「お前のようなクズは、奏坂に必要ない」

 

 燃えるような深紅の瞳。虐げられているはずなのに、俺はその瞳を美しいと思った。

 トンッと、引っ張られていたのと逆方向に力が入る。俺は階段に尻餅を

ついた。見上げると、女の手に俺の学生証があった。

 

「あ……」

 

 胸ポケットに手をやる。先ほど引き寄せられた時に取られたらしい。

 

「私が学園長になったら、お前に処分を下す。覚悟するように」

 女は一瞥した後背を向け、階段を降りていった。その姿を何も出来ずに見送る。

 

「……学園長だって?」

 

 俺はへたり込んだままつぶやく。それでようやく思い出した。

 

 あの女は……最近、アメリカから帰国したと噂の……皇城セツナだということに。

 

 

                 〈2〉

 

 

 

 皇城セツナ……生徒会所属・珠洲島有栖の姉。容姿端麗、頭脳明晰。数年前に海外へ渡り、シュータースクールに留学したが、このたび帰国。奏坂学園への復学、というよりも奏坂の権力掌握が目的のようで、現生徒役員たちとは対立しているらしい……。

 学校の裏サイトで得た情報を読み終わり、俺はスマホをベッドに放り投げる。俺自身もベッドに身を投げ、天井を仰いだ。

 

「……どいつもこいつも貴族様かよ」

 

 またしても自分より上位の存在の登場だった。劣等感が顔を出す。自分の部屋にいても、俺に心休まる場所などなかった。スマホに手を伸ばす。電源が切られた暗い画面は、俺の顔を映しだしていた。言われなくてもわかっている、平均以下であろう容姿……。そして、その顔は今はさらに歪んでいる……。液晶画面は件の女、皇城セツナに無惨に割られていたからだ。

 

「……」

 

 あの時の光景が俺の脳裏によぎる……。俺をゴミのように見下した皇城の目……。憤怒、哀れみ、侮蔑……それらがすべて詰まったあの瞳は、今まで向けられたものの中で、最も俺の心をえぐり取っていた。

 

「……ちっくしょう! そんなに俺が嫌だってのかよ!」

 

 スマホを持つ手に力が込められた。自分でさらに壊してしまっては世話はないのだが、その衝動を抑えられない。あの目を思い出すだけで心の中のどす黒いモノが噴き出すのを感じていた。手の中のスマホを握りしめる。その時に電源が入り、ホーム画面が映し出された。

 

「……?」

 

 その時、あることに気づく。画面の隅で明滅してるアイコン……起動されたままのアプリ。それは無音カメラアプリのアイコンだった。

 

「……」

 

 画面が割れた騒動で気づかなかったが、カメラアプリは起動したままになっていたようだ。あの時から点きっぱなしカメラ……俺は割れた画面を見つめた。これが割られた時も、カメラアプリは点いたままだったはずだ。あの女の足で破壊された……そう、カメラは彼女の足下に。

 

「……」

 

 心の中に、先ほどとは違う感情がわき上がってくる。それは……劣情だった。奴は俺を虐げる憎き敵……だが、彼女は紛れもない美しい少女だった。俺になど手が届くはずもない高嶺の花……。

 俺はカメラアプリの停止ボタンを押した。動画ファイルを確認する……やはり今の今まで録画がされている。この中には皇城セツナの……。俺は震える手で動画再生ボタンを押した。

 ひどい手ぶれの中、あの時の光景が再生されていく。ぽんこつ三人組のはしゃぐ声、階段を上る足音、そして俺の荒い息づかいが聞こえてくる。カメラは廊下の天井を映しだし、階段を上る三人組に近づいていくのがわかった。彼女たちのスカートの切れ端が画面に隅に映りそうに……。

 

《貴様、何をしている?》

 

 画面が大きく揺れた。そうだ、ここで俺はスマホを取り落とした。階段を落ちていく音が響き、やがて止まった。画面には廊下の天井が映し出されている。

 

《何をしている、と聞いているんだ》

 

 皇城の足音が近づいてくる。俺は画面を食い入るように見つめる。一歩一歩足音が響くたび、俺の股間は膨らみを帯びていく。

 

「……ッ!」

 

 画面に彼女の足が映し出される。白く、きめ細やかな肌。すらりと伸び、しかし女を感じさせるふとももはむっちりと盛り上がっている。そしてその先のスカートの中を……。

 しかし、惜しくもその前にスマホは拾い上げられていた。今度は画面に皇城の顔が映し出される。あの深紅の瞳と目が合い、一瞬俺は本当に皇城がいるように感じて身をこわばらせた。

 

《ゲスな趣味を持っているようだな》

 

 またしても画面が大きく揺れた。そしてもう一度皇城の足が映し出される。それがゆっくり振り上げられる。カメラは先ほど見えなかったふくらはぎ、そして太股の内側を映す。俺は生唾を飲み込んだ。そうだ、その先が今度こそ……。

 しかしそこまでだった。動画にはきわどいところまでしか映っておらず、画面は皇城の靴底で何も見えなくなっていた。

 

「く、くそッ……」

 

 寸止め状態にされて俺は唇をかみしめた。あと少し角度が違っていればスカートの中を見ることができただろう。煽情的な下半身が映っているだけにそれが歯がゆい。行き場を失った股間の膨らみは、逃げ場を求めてさらにいきり立っていた。あと少し、あと少しだったのに……。

 

《私が学園長になったら、お前に処分を下す。覚悟するように》

 

 最後に収められたその言葉に現実に引き戻される。そうだ、俺は奴に学生証を取られたままだった。途端に憂鬱な気分が再燃する。今の皇城は正式な学園長ではないとはいえ、絶大な権力を持っているのは確実だ。俺みたいな生徒を一人処分することなどたやすいだろう。

 

 だが、一つだけ希望があった。奏坂学園の学生証はすべてIDで認証されていて、顔写真などはつけられていない。皇城はここに来てまだ日が浅い。俺のような有象無象の人間の顔などいちいち覚えないだろう。今は次期学園長選抜で皆慌ただしく動いている。一介の男子生徒の問題は後回しにされる可能性が高い。今のうちに学生証を取り戻すことができれば……。

 

「……あるんだとしたら学園長室か」

 

 一般生徒は出入りは難しいかもしれないが、授業の合間を狙えば、可能かもしれない。放課後は役員たちがいるので無理だが、その時なら施錠もされていないはずだ。

 ……行動するなら早い方がいい。

 

 

                  〈3〉

 

 

 次の日、昼食を終えた俺は学園長室の前に立っていた。昼休みは半ばをすぎて、窓からグラウンドですでに授業の準備をしている数人の生徒が見える。午後の授業は俺たち二年生は体育となっていたが、俺は体調不良と言って欠席することにしていた。

 

「……」

 

 真夏の熱気は校内にも入り込み、じっとしていても汗がにじみ出てくるほどだ。しかし、それとは別に俺の手のひらはじっとりと滲んでいた。辺りを見渡す。他に人がいないことを確認し、今度は室内の様子をうかがった。……こちらも中に人がいる気配はない。

 昼休みが終わるまで、それほど時間はない。俺はドアに手を伸ばす。予想通り、鍵はかかっていなかった。

 

 室内はさらに熱気が充満していた。部屋の奥にある大きな窓のカーテンは開けっぱなしで、ギラギラと陽光が差し込んでいるからだ。長い時間、人の出入りはなかったのだろう。蒸し暑い空気にまとわりつかれ、窓を開け放ちたい衝動にかられたが、今のままでは外から丸見えだ。俺は身を屈めながら窓に近づき、カーテンを閉めた。室内がやや薄暗くなる。

 

「この机か……?」 

 

 窓の一番近くにある豪勢な机が、学園長のものだろう。俺は引き出しに手をかける。ありがたいことにこちらも施錠はされていない。俺は開け放たれた引き出しの中身を確認する。あとから戻すことを考え、慎重に書類をかき分けていく。

 

「……あった!」

 

 思わず声を上げてしまうほどあっけなく学生証は見つかった。以前と特に変わっていないが、すでに何か処理をされたのかもしれない。しかしそれを考えても詮ないことなので、まずは見つかったのを素直に喜ぶことにする。俺は壁にかけられた時計を確認した。まもなく昼休みが終わる時間だった。午後になれば役員たちがここに戻ってくるかもしれない。俺は来たときと同じく身を屈めながら出口に向かおうと……。

 

「ちょっと待っててっば!」

 

 外から聞こえた声に俺は跳ね上がりそうになった。声に続いて足音が近づいてくる。俺は足がもつれて無様に床にはいつくばった。声の主は明らかにここを目指している。今から脱出は無理だ、どこかに隠れなくては……。俺は震える足をなんとか立たせて、近くにあった本棚の陰に飛び込む。扉が開いたのはほぼ同時だった。

 

「うわっ! あっつー! エアコン点けなきゃエアコン!」

 

 声の主が室内の蒸し暑さに顔をしかめるのが見えた。あいつは……高瀬梨緒。同じ2年の女生徒だ。

 

「必要ない。ここに長居する気はないからな」

 

 そしてもう一人の声に俺は驚愕した。あれは皇城……! 何でこいつらが一緒にいるんだ? 高瀬は「トライエッジ」のメンバーだ。皇城の勢力とは対立しているはずじゃ……。俺の疑問をよそに二人は室内に入ってきた。

 

「でも本当にここで大丈夫? 他の空き教室を使った方が……」

「わざわざ別棟に移動することもないだろう。次の体育の準備ができればそれでいい」

 

 準備……?

 

「まさか更衣室に雨水が貯まっちゃうなんてなー。ついてないよ本当に」

「着替えなどどこででもできる。それに……」

 

 皇城はそういうと、学園長の机に手にもっていた大きめのバッグをおいた。

 

「いずれここは私のモノになるんだからな」

「あはは……。それのことなんだけどさ、皇城さん……」

 

 ばつが悪そうに頬をかく高瀬。不敵な笑みを浮かべて皇城が顔を近づけた。

 

「わかっているさ。お前には特別に”負のオンゲキ”の力を与えてやろう」

「……本当に?」

「ああ。それがあればお前の力はもっと強くなる」

 

 俺には理解できない会話を続ける二人。高瀬は苦笑いを浮かべていた。

 

「えへへ……ありがと」

「礼を言うのは私の方だ。お前に手引きしてもらわなければ、ここにくることはできなかっただろうからな」

「こんなことならお安いご用だよ……それじゃ、私はここらへんで」

 

 そう言うと高瀬は手を振りながら学園長室を出て行った。扉が閉まる音。辺りは静寂に包まれた。いや……俺は心臓の鼓動だけが跳ね上がって聞こえていた。

 皇城は軽く息をつき、誰に告げるでもなくつぶやいた。

 

「さて……昼休みももう少ない。早めに着替えるとしよう」

 

 

                 〈4〉

 

 

 その言葉に心音がさらに早まった。着替え? 確かに午後の授業は体育だった。先ほどの会話……更衣室が雨漏りで使えない、だからここで着替える?

 

 この場で服を脱ぐってことか?

 

 それが頭で理解できると胸の鼓動は最高潮になった。まさかこんな展開になるとは予想もしていなかった。取り損ねた動画が思い出される。さきほどの高瀬との会話の時から、俺の存在はまったく気づかれていなかった。しかし、俺からは皇城の姿ははっきりと見える位置だった。スレンダーでいて、しっかりと存在感のある二つのふくらみ……すらりと伸びた足、その下の肉付きの良いお尻……それが今、手の届きそうな位置にあった。

 期待に手が小刻みに震えだし、口の中に生唾があふれてくる。そして股間もはっきりと熱を帯びてくるのがわかった。

 

 見れる……あのお高くとまった美少女、皇城の裸が!

 

 その時、俺の頭の中で一つの考えが巻き起こった。尻ポケットに手を伸ばす。スマホ……ここからなら位置的に彼女の姿を収めることができる。震える手を押さえながら、俺は皇城にカメラを向けた。ひび割れた液晶画面が見れる。あの時、あいつに粉々にされたスマホ。

 これは復讐だ。このスマホで……皇城の痴態をじっくり撮ってやる……。

 

 皇城は襟元に手をやり、その部分をゆっくりと動かした。エアコンは必要ないと強がっていたが、やはり体は汗ばんでいるのだ。しっとりと汗に濡れた肌から立ち上る匂いがこちらにも届きそうだ。制服のリボンに手をかける。シュルッ、と軽い衣擦れの音が俺をさらに興奮させた。そうか……皇城は上から脱ぐタイプか。他の生徒が誰も知らないだろう事実に優越感がわき起こる。自然と自分の口角が上がるのがわかった。

 皇城は上着のボタンを一つずつ外していく。前部分がはだけ、白いシャツが顔をのぞかせる。皇城は脱ぎ捨てた上着を丁寧に折り畳んで机に置く。一つ一つの動作にやはり育ちのよさが感じられた。

 

 シャツとスカートだけになると、さらに彼女のプロポーションの良さが際だった。蒸し暑い室内ではシャツが張り付き、その下にある肌がやや透けているのが見える。上気した顔と時折漏れる吐息が色っぽい。俺はそれに目を離せないでいた。股間は期待で痛いほどに勃起している。

 

 皇城はスカートに手をかけた。フロントボタンを外していく。その光景を俺は食い入るように見つめる。あの時、スマホで納めることができなかった皇城のスカートの中……それがついに露わになるのだ。そしてその時がついに訪れた。ボタンをすべて外し終わり、スカートの腰回りがゆるんだ。音もなく、スカートが床に落ちた。

 

(パ、パンツが……ッ!)

 

 しかし、シャツの裾が思っていたより長く、お尻の部分が隠されてしまっている。肉付きのよい太ももの裏側がシャツの陰からちらちらと見えて……。

 

「んっ……」

 

(え……?)

 

 皇城の小さな吐息が室内に響いた。そして裾をつまむと……

 

 

 

 

 

 シ ャ ツ を 大 き く ま く り あ げ た

 

 

 

 

(~~~ッッッッ!!!!!!)

 

 

 

 目に飛び込んできたのはかわいらしいパステルブルー。綿の生地に黄色の星柄が散りばめられている。嘘だろ……あの皇城がこんな子供っぽいパンツを履いてるなんて……。皇城のキャラからは想像できないギャップに異様な興奮を沸き起こる。

 皇城はこちらに向けてお尻を大きく尽きだした。生地が伸びて星柄のイラストがむっちりと広がってしまう。そしてシャツを上下に大胆にばたつかせた。風に乗って芳醇な色香がこちらまでやってくる。汗と甘いミルクの混じったような体臭に頭がどうにかなりそうだった。

 

(た、たまんねぇ……!)

 

 俺の股間は痛いくらいに勃起していた。すぐにでも取り出してしごきたくなってしまう。その衝動を必死に押さえ、俺は皇城の半裸を目に焼き付けていく。

 皇城は扇ぐのをやめると、シャツを一気に脱ぎ捨てた。扇情的な肩があらわになる。ブラジャーは後ろの線しか見えなかったが、パンツとおそろいのブルーだった。

 下着姿になった彼女をまじまじと凝視する。こちらからは横乳がきわどい角度でしか見えなかったが、C~Dカップほどはあるだろう。肌は白くきめ細かさが離れていてもわかる。細身だがお尻の肉付きはむっちりとしていて、パンツがやや食い込んでしまっていた。

 

「ん……ッ」

 

 皇城はパンツのクロッチ部分に指をやり、食い込みを直す。何気ない仕草がいちいち俺の劣情を煽った。

 皇城は机に置いたバッグに手を伸ばし、中身を探り始める。そこで俺は気づく。そうだった、この後は体操着に着替える……あまりにも大きい興奮で、そんな当たり前のことをすっかり失念していた。この幸せな時間もまもなく終わってしまう……。俺はスマホにかけた指に力を込めた。1秒でも長く皇城の姿を閉じこめておきたかったのだ。

 しかし、俺の思惑ははずれ、皇城が取り出したのは体操着ではなかった。手にしたものがわずかに差し込む陽光にきらりと光った。

 

(……あれは、制汗スプレー?)

 

 と、皇城が動きを止めた。後方をゆっくりと振り返る。

 

(ヤバいっ! バレたか……!?)

 

 俺の背中に冷たいものが流れる。だが、単に体勢を変えただけだったようで、こちらに向き直る形となった。俺の姿は本棚の陰にうまく隠れ、皇城がこちらに気づいた様子はない。正面からは、フリルをあしらったパステルブルーのブラジャーがはっきり見て取れた。そしてそれに包まれている存在感のある二つの膨らみ。その下に美しく縦に切れたおへそ。後ろからではわからなかったが、星柄パンツにはピンクのフロントリボンがあしらわれていた。俺はその美しさにあらためて見惚れてしまう。陶器のような肌には一切の汚れもない。本当に精巧な人形のような美しさだった。

 皇城は手にした制汗スプレーを数回振る。そして右手を背中に回した。

 

 ……一瞬、その動作の意味が俺にはわからなかった。彼女の美麗さに呆けていて、頭がうまく回らない。だが、その意味が頭の中で一つとなっていく……。

 

(……ッ! ま、まさか……ッ!?)

 

 

 俺が彼女の動作の意味を理解するのと、

 

 

 皇城がブラのホックを外す音がわずかに聞こえたのは、

 

 

 ほ と ん ど 同 時 だ っ た 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

プツン……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ぷるんッ♡

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(~~~~~~~~~ッッッ!!???????)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おっぱい。

 

 

 

 

 

おっぱいだった。

 

 

 

 

 

 

 

 窮屈そうなブラから解放され、まろび出た乳房。ブラが外される瞬間、弾け飛ぶように二つの膨らみが揺れたのを俺は見逃さなかった。俺の目は端から見れば血走っているだろう。またばきすら忘れて、皇城の乳を凝視する。

 

 

(す、すげぇ……ッ!!!!)

 

 

 さらけ出された高校生にしては大きめのおっぱい。やわらかそうでいて張りがあり、重力に負けることなくその存在を主張している。そしてその先端にはピンク色の小さめの乳首。つんと上をむいて採れたてのさくらんぼのようだった。

 

(はあ……はあ……ッ!)

 

 俺は荒い呼吸を抑えるのに必死だった。口の中では涎が絶え間なくあふれてくる。股間は勃起などという生やさしい状態ではなく、我慢汁で俺の下着をぬめらせていた。いまだネットでしか見たことがない女のおっぱい。しかもことこの上ない美少女の半裸が目の前にあるのだ。

 

 皇城は制汗スプレーを振り始める。その動きに合わせて、おっぱいもしっかりと揺れ始めた。

 

 

 

 シャカシャカ……(ぷるんッ♡、ぷるんッ♡)

 

 

 右腕を高くあげ、脇にスプレーを一吹きする。押し込められた臭気が脇から漂ってくるのが見えるようだった。皇城はスプレーの刺激に一瞬顔をしかめる。眉をひそめる上気した顔が扇情的だった。

 皇城は左脇にも一吹きした後、さらにスプレーを振り続ける。動作は先ほどよりも大胆になっていった。

 

 

 カシュ、カシュ……(ぷるるんッ♡♡、ぷるるんッ♡♡)

 

 

 今度はまんべんなく胸にスプレーを吹きかける。自分の胸に手をやり、もみ込んでいく。手のひらから乳があふれ出し、形を変える。下からすくい上げるように乳房をなぞる。手が離れる瞬間、ゴム鞠のように跳ね戻っていった。

 室内の熱気と目の前の天国のような光景に、俺の頭は完全に麻痺していた。気を抜けば膝の力が抜けそうで、心臓はバクバクと早鐘を打つ。俺に出来るのはスマホを掲げた右手の震えを必死に抑えることだけだった。

 

 

「ふぅ……」

 

 

 皇城はスプレーを机に置いた。何かを考えるように口に手を当てる。乳をさらけ出したまま、しかし毅然とした表情をたたえる皇城は、滑稽でも魅惑的でもあった。

 少しの逡巡の後、皇城はパンツのサイド部分に手をかけた。そう……最後に残された下着に。ゴム部分がわき腹を離れていく光景が、俺にはスローモーションで映る。

 そして彼女は、パンツを一気にずり下げた。

 

 

 

 

 

(~~~~~!!!)

 

 

 

 もはや頭の中に言葉は浮かんでこなかった。足下まで下げられたパンツ。膝下部分にひっかかり、もはやその役目を果たしていない。そして、それに包み込まれていた秘所はいまや丸見えになっていた。

 土手の部分はやや広々とし、その下の淫核は包皮に包まれ、まるで開花を待つ蕾のようだった。そしてぴったりと閉じた切れ長の縦すじ……。陰唇部分はぷっくりとしていて、そこに寄り添うようにアンダーヘアが恥ずかしげに生え揃っていた。白い肌は変わらないが、その部分だけほんのりと桜色になっているのが見て取れた……。

 

 

(こ、これが皇城の……ッ!)

 

 

 やっと口から漏れ出た言葉は感嘆の声だった。いまや彼女は生まれたままの姿を俺に晒している。彼女を知る男ならば、一度は夢見たであろう皇城セツナの裸体……。それが少し手を伸ばせば届く距離にある……。

 

 皇城は再びスプレーを手に取ると、あろうことかひざを折り、大きく横に広げた。いわゆるがに股のポーズだ。その姿勢のままスプレーを振り、陰部をのぞき込み、その部分に吹きかける……。

 

 

 シューッ……

 

 

「んんッ……」

 

 

 艶めかしい吐息が薄い唇から漏れ出る。陰部が蒸れてしまったことへの羞恥、そしてそれがほぐされていく快感……。こちらからは見えない彼女の表情が、その声色で手に取るようにわかった。二度、三度とスプレーを吹きかける皇城。スプレーの噴射が彼女の恥毛をなでていく……。

 

 

(こ、これがお高くとまった次期学園長様の姿かよぉ……!)

 

 

 才色兼備、文武両道。絶対に手が届かないだろう高嶺の美少女。そんな皇城セツナががに股で陰部をさらけ出している。本来、俺になど絶対に見せることなど、いや、死んでも見せたくないだろう間抜けな姿……。それがいまや手が届くところにある。これに興奮しない男などいるだろうか?

 

 

(……ふひ、ふひひひひッ……!!! セツナ……セツナちゃあぁぁん……!!!!)

 

 

 いつの間にか俺の口から乾いた笑い声が漏れ出ていた。口を抑えてもどうしても止めることができない。もう見ているだけなどできるわけがなかった。もどかしくズボンのチャックをおろし、陰茎を放り出す。それは今までの人生で最も熱り立ち、我慢汁が竿の部分にまでたれ流されていた。俺はたまらず陰茎を握りしめると、一気にしごき始めた。

 

(ああ、いいよ……ッ! セツナちゃんのおっぱい……ッ! ぶるんぶるん揺れて……ッ!!!)

 

 しごきながらセツナの裸体を舐め回すように視姦する。慎ましやかに、それでいてしっかりと揺れる乳房……! 瑞々しく張りのあるおっぱいは、高校生の、今だけのものだ。甘酸っぱさを含んだ……美少女のおっぱい!

 セツナはスプレーを吹き付けるのを一旦やめると、机に置いてあるバッグへ向き直った。必然的にお尻をこちらに向けることになる。

 

 

(~~~~~~~ッッ!!!!)

 

 今度は剥きたての桃のようなお尻が俺の眼前にさらけ出される。シミ一つないまっしろな桃尻……。ぷるんと張りがあり、しかしむっちりとした突きたての餅のようなやわらかさが伝わってくる。セツナは足にパンツをひっかけたまま、バッグの中身を探っている。机に突っ伏し、お尻をふりふりとこちらに向かって揺らしている。それはまるで男を誘う魔性の仕草だった。

 

(ふひひひッ……おいおい、誘ってんのかよぉセツナちゃあぁん……! どうせおまえもこれが欲しいんだろッ……!!)

 

 俺はモノをしごく手を加速させる。美少女の生尻を拝みながらオナニーできる幸せに感謝しつつ、しごく手が止まらない。陰嚢がうねうねと痙攣し、子種を解き放てと本能が告げてくる。俺は今すぐにでも射精したい欲望と、一秒でも長く快楽を味わいたいという二律背反に酔っていた。下半身を丸出しで、美少女をおかずに必死にチンポをしごいている自分に背徳感を覚えつつも、それが一層興奮を刺激し、俺は得も言われぬ快感から降りられなくなっていた。

 

 

……しかし、その快楽も終わるときが訪れる。

 

 

 

 

 

くにゅぅ……♡♡

 

 

 

 

 

(~~~~~~ッッ!!!!!!?????)

 

 

 

 セツナがなぜそうしたのかはわからない。しかし、それは俺の目の前で間違いなく起こった。

 

 

 

 彼女は左手をお尻にあてがい、横に広げたのだ。

 

 

 

 一瞬だがはっきりと見えたセツナのアナル……。桜色で、中心部分はやや茶色がかったすぼまり……。しわの一本一本が芸術品のようにきれいな線を描いていた。

 お尻がかゆかったのだろうか? それとも蒸れた部分を冷やしたかった? ……いや、理由はどうでもいい。彼女は俺に向けてオマンコを広げた。他の誰でもない……俺に向かって。

 

 

(セツナ……ッ!!! セツナァァァァァッ……!!!!!!!)

 

 

 もう我慢などできるはずもなかった。俺は口の中で言葉にならない叫び声をあげ、、夥しいほどの精液を放ってしまった……。

 

 

 

 

                〈5〉

 

 

 

「……わたしのスピーチは以上。わたしが学園長になったあかつきには奏坂をもっと良い学校にする……。ぜったい、ぜったい約束する」

 

 珠洲島有栖はぺこりとお辞儀をした。一拍遅れて万雷の拍手が巻き起こる。今回は珍しく、着ぐるみを身に付けていない。彼女にとっても今回の学園長選挙は気合いの入ったものなのだろう。俺はスマホ画面から目を離し、同時に立ち上げていたノートパソコンに目をやった。

 

《有栖ちゃん、可愛かったわー》

 

《ずっと着ぐるみだから、実物見るのマジ久しぶり。てゆーか、スカート短くね? 実際見たら勃起しそう……》

 

《足白すぎ! あのふとももで挟まれたいわ……》

 

《ロリコン多すぎひくわ……小児性愛者はかえれー》

 

《おまえ、ここでそれ言う?》

 

 

 ダークモード画面に卑猥な書き込みがされていく。ここは奏坂の裏サイト……。正規ではもちろん入れないページだが、ここでは奏坂に関する誹謗中傷や脅迫まがいの書き込みが日々されている。テストの解答や生徒たちの個人情報、写真。ひどいものになると、生徒個人の専用スレッドまであるほどだった。そしてそれはもちろん、有名であればあるほど多数の書き込みがなされる。

 

 

《おっと、そろそろ俺たちの姫さまの登場だぜ》

 

 

「姫さま……ね」

 

 

 その書き込みに俺は口角が上がるのを抑えられなかった。スマホ画面にもう一度目をやる。珠洲島有栖と入れ替わりで壇上に上がる人物……自信に満ちあふれ、何も怖いものなどないというような堂々とした佇まい……。皇城セツナの登場だった。

 

 

 

 

 ……あの後、欲望をすべて出し切り、すっかり素に戻った俺は、セツナの姿をまどろみの中で眺めていた。彼女はそそくさと体操着に着替え、学園長室をあとにした。扉が閉まる音をどこか遠くに聞きながら、俺は下半身に残る快感の波にしばらく動けないでいた。本棚の側面にまき散らされた精液をしばらく見つめていたが、しみになってしまうことに思いあたり、慌てて置いてあってティッシュで辺りをきれいにした後、学園長室を出た。体育の授業は欠席することは決まっていたがそのあとも授業を受ける気にならず、寮に戻って仮眠をとった。

 目を覚ました頃にはすでに夕方だった。俺は体を起こすと枕元に置かれているものを確かめた。……学生証。そうだ、俺はこれを取り返しにいったのだ。そして学園長室で見た光景がよみがえる。まぶしいほどのセツナの裸体……。

 途端にチンポが勃起し始め、あの時と同じくらいにガチガチになる。欲望に勝てず、チンポを握りしめ一気にしごこうとしたが、あることに思い当たる。そうだ、動画だ……! 俺はスマホを引っ張り出し、保存されているファイルを再生する。

 

 

《さて……昼休みももう少ない。早めに着替えるとしよう》

 

 

 動画にはすべてが収められていた。彼女の絹のように白い肌、年齢から考えれば大きめの乳房、丸みを帯びた尻、ささやかな陰毛がそえられた縦すじ、花のつぼみのようなアナル……。途中、興奮のため手ぶれがひどい箇所もあったが、皇城セツナの裸体はあますことなく、スマホに保存されていた。再生すれば、あの時感じた吐息や体臭まで蘇りそうだった。

 俺はスマホ画面を食い入るように見つめ、2回目となる性を解き放った……。

 

 

 ……あれから、あの動画で何度自慰にふけったかわからない。ある時は白い張りのあるおっぱいで、ある時は安産型だろう大きめの生尻で。こちらに向けて肛門を晒した部分で一時停止し、しわの数を数えたこともあった。正確な本数がわかった時、その背徳感にまた興奮し、大量の精子を放出した。何度も何度も何度も。セツナは動画の中で幾たびも痴態を演じ、俺に汚されつづけた……。

 

 

 

 セツナの動画で抜くことが日常になった頃、このサイトの存在を知った。ネットの中では俺と同じく、鬱屈した思いをかかえ、日々罵詈雑言を書き込んでいく奴らが大勢いた。彼らは底辺に位置しながらもそれを他人のせいにし、向上心など微塵も持ち合わせてはいなかった。

 

(もし、この場所にこの動画をアップしたなら……)

 

 なぜ、そんなことを思ったのか、今となっては曖昧だった。こんなハイエナのような奴らにおこぼれを授ける必要などなかったかもしれない。しかし、俺はセツナのような将来を約束された美少女が、底辺の巣窟に放り込まれることに激しい興奮を覚えていた。彼女の動画がここに投稿されたら、最大規模のお祭り騒ぎになるだろう。自分だけの動画ではなくなることに寂しさも覚えたが、それよりも好奇心が勝った。俺は深夜、書き込みの少ない時をねらい、もちろん匿名で動画ファイルをひっそりと投稿した……。

 

 

 はたして俺の思った通りとなった。朝起きてサイトをチェックすると、スレッドは投稿したときよりも十数スレッドも進んでいたのだ。

 

 

『次期学園長・皇○セ○ナのすべて!?』

 

 スレッドを開くと案の定、底辺たちが好き勝手なことを書き込んでいた。

 

 

《やばいわ、チンポ擦んの止まんねー》

 

 

《このスレを見つけたときから今までシゴいてました。寝てません》

 

 

《たった今来たんだけど流れ教えて!》

 

 

《皇○の生着替え動画が投稿される→スレ民テクノブレイク→史上最大規模の祭りへ←いまココ》

 

 

 動画のダウンロード数はすでに一万回を突破していて、さらに伸び続けていた。

 

 

(ここにいるほとんどの奴がこの動画でオナニーしてんだな……)

 

 

 いくら可愛いとはいえ、まだ高校生の少女が皆のオナネタにされている……。その事実に俺はまたしても興奮し、皆と一緒に動画でオナニーを始めた……。

 

 

 

 

 ……あれから数ヶ月。奏坂学園長総選挙投票日を迎えていた。その様子はネットに生配信され、会場にいない生徒たちも固唾を飲んで見守っている。珠洲島有栖のスピーチは滞りなく終了し、皇城セツナの番となっていた。

 

 壇上に上ったセツナは会場を見渡す。咳払いをしてからマイクに近づいた。

 

 

「知らぬ者はいないと思うが、挨拶をしよう。私は皇城セツナ……先ほどスピーチをした珠洲島有栖の姉だ。もっとも、私は妹だとは思っていないが」

 

 

 その言葉に会場が静まり返る。見る者を圧倒する威厳。言葉の一つ一つにこちらを威圧する重みがあった。

 

 しかし、会場の空気とは裏腹に、サイトは盛り上がりを見せていた。

 

 

《セツナちゃんカッコカワイイイ! 勃起してくるわ!》

 

《あんなこと言って制服の下はぶりりーんってなってんの草》

 

《動画の台詞とイントネーションと一緒でチンコ勃ってしまいました。パブロフの犬です》

 

 

 サイトの書き込みから感じる彼女に向けられる視線。嘲りと欲情にまみれたそれは、もはやセツナをまったく恐れてはいなかった。

 

 

《それじゃメインイベント開始しまーす! みなさんお手を拝借》

 

《何に使う手だよw》

 

《草生やすな草》

 

 

 サイトの動画画面が起動する。このスレッドでは動画をリアルタイムでシェアできる機能が搭載されていた。映し出される動画は、もちろん決まっていた。

 

《さて……昼休みももう少ない。早めに着替えるとしよう》

 

 

 

《いつも思うんだけど、自分から言ってるんだからもはやストリップ》

 

《この台詞聞くだけでチンコ勃つようになりました。パブロフの犬です》

 

 

 セツナのスピーチに合わせるように、着替え動画が再生されていく。悪趣味極まりない異様な光景……しかし動画に書き込まれていく卑猥な言葉に、俺の股間は熱くなっていった。

 

 

「はっきり言おう。今の奏坂は腐っている。伝統という甘い言葉にだまされ続け、進歩を怠っているのだ」

 

 動画内でのセツナが一枚一枚服を脱いでいく。スピーチをしているセツナとまったく同じ制服だ。まるで鏡合わせのように、悠々と言葉を紡ぐセツナの姿が、その裸体と重なっていく……。

 

「それが我が妹によってもたらされているのは、遺憾ともしがたい事実。私はどうやら身内に甘すぎたようだ。そのことは潔く認めよう」

 

 

 シャツをまくり上げ、星柄パンツをさらけ出すセツナ。

 

 

《お子さまパンツキター!!!》

 

《今日もこれ履いてんのかな? 履きすぎてくたくたになってそう》

 

《この動画見るまで黒パンツ履いてるとずっと思ってました……》

 

 

「だが、二度と過ちは起こさない。私が学園長になったあかつきには、珠洲島有栖はもちろん、現生徒会メンバーも総入れ替えとする」

 

 ブラが外され、豊かなバストが零れ出る。

 

《おっぱいキター!!!》

 

《セツナちゃんの母乳吸いたいです》

 

《何度見てもいいおっぱい。この圧倒的な存在感すき》

 

 

「痛みをともなう改革だが、通過儀礼に過ぎないさ。毒が取り除かれた生まれ変わった生徒会になることを約束しよう」

 

 

 パンツを下げ、少女の大事な部分がさらけ出される。

 

 

《縦すじ! 縦すじ!!》

 

《このぷっくり加減、やっぱり処女か? 皆どう思う?》

 

《童○なのでわかりません》

 

 

「勘違いしないでくれ。私は誰よりもこの奏坂を愛しているつもりだ……だから現状が嘆かわしくてたまらない。本当に涙が出てくるよ」

 

 

 尻をこちらに向けて、誘うように左右に振るセツナ。

 

 

《俺もたまらなくていろんなところから涙が出そう》

 

《叩きたくなるケツ》

 

《帰国子女はパンツも履けんのか!》

 

 

「はあッ……はあッ……!」

 

 

 いつしか俺は肉棒を握りしめていた。コメントが書き込まれるたびに、精子が量産されていくのを感じる。俺はスピーチをするセツナを見つめた。自信に満ち、勝ち誇るように演説を続ける少女。自分の未来に障害など何もなく、希望に光り輝いているという確信を持った表情。それはあの日、階段で会った時と何も変わってはいない。

 

 

 しかし、そんな未来はもはやないのだ。いまや彼女の裸体はネットの海に放り込まれてしまった。いまさら動画を消そうとも、コピーされまくったすべてを消し去ることなど不可能だ。誰かが放浪しているファイルを開き、その中身は劣情と情欲によって迎え入れられる……セツナのおっぱいやお尻はネットに永遠に刻み込まれ、そして燦然と輝き続けるのだ。

 

 

「私には見える……生まれ変わった奏坂の未来が。生徒たちは自立と共生を信念とし、未来に向かっていく……そこには希望に満ちあふれ、不安など何もないはずだ!」

 

 動画もスピーチも佳境に入っていた。俺は肉棒をシゴく手を加速させる。我慢汁が出すニチャニチャとして音が、興奮を増大させていく……!

 

 スピーチをするセツナがカメラ目線となる。スマホの画面を介して俺と目があった。

 

 

「君も私と共に歩もう! 光り輝く私たちの未来のために!」

 

 こちらに笑顔を向けて手を差し出すセツナ。動画内のセツナが、肛門を晒けだしたのは同時だった。

 

《くさそう》

 

《いやいいにおい》

 

《絶対くさい》

 

 

「セツナぁ……ッ! セツナアァァァァァ……ッ!!!!!」

 

 

 あの時、口にできなかった彼女の名前を叫びながら、俺は夥しい量の精液を吐き出す。それは部屋にまき散らされ、スマホにも降り注いでいく……。割れた画面の向こうで微笑む彼女の顔を、俺の精子がとろりと撫でていった。

 

 

 

 

 皇城セツナは汚され続ける――。顔も知らない男たちに、今日も、明日も、これからも……永遠に……。

 

 

 

〈了〉

 


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