花里みのり、桐谷遥、底辺中年に盗撮され、おかずにされる 作:shirara
原作:プロジェクトセカイ
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〈1〉
宮益坂女子学園ーー東京都シブヤにある中高一貫教育をする私立学園であるこの場所は、高偏差値を誇るいわゆる「お嬢様学校」だ。歴史ある由緒正しき名門校で、ここに通うことはある種のステータスになっている。しかし、長い歴史の中で施設は老朽化し、このたび一部の建物の改築が検討されることとなったーー。
「やっとここで終わりだよ……」
点検中の壁をさすりながら、俺はつぶやいた。校内に人影はなく、あたりは静まりかえっている。俺のつぶやきは廊下に反響したあと、やがて消えていった。窓から外を眺めると、西の空からは夕暮れの気配が漂っていた。まもなくここにも夜の帳が下りるのだろう。俺はあらためて廊下を見渡す。夏休みのため、人の気配がほとんどない校内。
学園から老朽化に伴う改修依頼が俺たち委託業者に入ったのは一ヶ月ほど前だった。俺は会社から命じられ、宮女内施設の点検および管理をここ数日行っていた。足を棒にして校内を練り歩くの骨が折れる仕事だった。長らく入ったことなどなかった「学校」という施設。校内を巡っていると、自分の学生時代のことが思い出されるーーといってもあの頃に戻りたいと思える美しい思い出などない。俺はいわゆるカースト底辺で、青春時代などまったくなかったと言ってもいい。いつもクラスの中心にいる奴らをうらやましげに見ていた。当然、恋愛などというものにも縁がなく、この年まで彼女いない歴を更新し続けている……。
「……はっ。ここの生徒たちもどうせ上流貴族様なんだろ」
俺は誰に言うでもなくつぶやいた。ここに通うのは、由緒正しきお嬢様たちだ。途中、編入してくる生徒もあると聞くが、それだって社会的上位に位置する人間たちだろう。俺とは端から違う人種……それは生まれた時から決まっているのだ。俺のような薄給の奴らに働かせて、自分たちは青春を謳歌するーー。社会の縮図というものが、この時点で完成しているのだった。
……気に入らない。俺が何をしたっていうんだ? たまたま生まれがよかっただけで、こんな差ができるなんて不公平だ。俺にだって良い思いをする権利ってものが……
その時、俺の前を一陣の風が舞った。
「きゃっ!」
「うわッ!!」
俺は前から来た衝撃に思わずよろめいた。かろうじて体勢を立て直し、前を見据える。
「あたた……あ、あの、ごめんなさいッ」
俺に衝突してきた人物は廊下に尻餅をついていた。頭をさすっていたが、俺に気づくと居住まいを正し、深く頭を下げた。
「私、急いでて周りが見えてなくて……どこかお怪我はありませんか?」
「あ、ああ、まあ別に……」
俺はちょこんと座ったままの少女を眺める……。すらりと肩まで伸びた茶色の髪。かかる前髪を可愛らしいアクセサリーでとめている。くりくりと大きな瞳は小動物のような愛らしい。肌はほんのりと上気しており、前髪が汗で張り付いている。さきほどまで運動をしていたのか、着ているのはTシャツでそこにはなぜかラッコのイラストがあしらわれていた。
「……」
校内に人などいないと思っていた俺は突然のことに呆けていた……いや、それだけではなく目の前の少女に魅惚れてしまっていた。彼女は美少女といって差し支えな外見をしていた。落ち着きのなさやまだ幼い部分があるのが見て取れるが、彼女の場合それも魅力の一つになってる。俺は思わず彼女の胸を注視してしまう。胸元部分にも汗が滲んでいてTシャツには大きな隙間がある。俺から見下ろしている形になるので、もう少しで中まで見えてしまいそうだ。
「あの……どうかしましたか?」
凝視していたのを怪しまれたのか、少女が俺の顔をまじまじと見上げている。吸い込まれそうに大きな瞳だった。可憐な少女に見られることなど慣れていない俺は、動揺しながら目をそらした。
「あ、いや、その……ここに生徒がいると考えてなくて……」
「あ! 私もそうなんです! てっきり私たちしかいないって思っちゃって」
「私たち……?」
「はい! 私、さっきまで友達と屋上で練習してたんです」
彼女は立ち上がり、俺に向かって微笑んだ。屈託のない笑顔。俺の中の劣等感がさらに刺激され、俺はますます縮こまる。
「れ、練習って、ぶ、文化祭とかの?」
どもりながら自分でもおかしなことを口走る。今は真夏で文化祭などまだまだ先のはずだ。
しかし、彼女は俺を嘲るわけでもなく、屈託のない笑顔を向けた。
「ええっと、そうじゃなくて。私たちアイドルをやってるんです!」
「あ、アイドル?」
その言葉に少女に向き直った時だった。
「みのり、何やってるの?」
後ろからいきなり声がして、心臓が跳ね上がりそうになる。どうにか心の平静を保ち、振り返る。
そこには青髪のショートカットの少女が立っていた。目は切れ長で肌は陶器のように白くつややかだ。佇まいは凛としていて、男装の麗人然としている。先ほどぶつかった少女……みのりと呼ばれた少女とはタイプが違うが、この子もまた美少女とよんで差し支えないだろう。
「あっ! 遥ちゃん!」
俺越しに青髪の子を見たみのりの顔がぱっと明るくなる。その場に花が咲いたようだ。俺に向けられたものとは比べようもなく、二人の関係性がうかがえた。
「……みのり、この人は?」
遥と呼ばれた少女は俺を一瞥した後、みのりの傍に駆け寄った。あからさまな態度ではないが、彼女が俺を不審がっているのが伝わってくる行動の早さだ。さりげなくみのりを自分の体の陰に隠す。
「えっと……そういえばまだ……」
みのりは当然ながら俺のことを紹介あぐねいているようだった。遥の顔がますます険しくなった。
「あ、いや……ボクは怪しいものじゃないよ! ここには検査で入ってるんだ」
状況が悪くなりかけたので、俺はあわてて入校証を取り出す。
「検査?」
「ああ、校内の一部が脆くなってるから近々改築がされるんだ。だから夏休みのうちにボクたち業者が入ってる」
遥はじっと俺の入校証を見ていた。怪訝そうな彼女とは対照的に、みのりはまたしてもはしゃぎ始める。
「宮女新しくなるんですか!? やったぁ! 練習できるところ増えるかな? 遥ちゃん!」
「ちょっ……! みのり、くっつきすぎっ!」
みのりは遥に抱きつき、顔をすりよせた。困り顔の遥だったが、本気でいやがってはいない。少女達の関係の深さがそれだけでわかった。
「……」
……美少女二人のそんな姿を見ていると、妙な気分になってくる。遥も練習の途中だったのだろう、肌はしっとりと汗で濡れている。練習着はピンクのパーカータイプで透けている部分はなかったが、スレンダーな体が胸のふくらみを強調している。下半身も女の子らしい丸みを帯びていて、むっちりとしたふとももでレギンスパンツがはちきれそうだ。後ろから見れば浮き上がったパン筋が拝めるかもしれない。
(やっぱ、現役JKはたまんねぇ……)
俺はここぞとばかりにじろじろと二人を眺める。しかし、俺の邪な視線に気づいたのか、遥と目が合った。自分からみのりを引きはがしてやや距離をとる。
「……みのり、もう行こう」
「えっ、でも」
遥はふと視線をはずし、あらためてみのりを見た。
「……用はもう済んだの?」
その言葉にみのりの顔がぽっと赤くなる。そして恥ずかしげに笑った。
「あ……わ、忘れちゃってた……」
「やだもう……。なら、私も一緒に行くから。ね?」
「う、うん……!」
「それじゃ……」
形式的に俺に会釈をした後、遥はみのりを伴って歩き出した。露骨に顔をしかめたりはしなかったが、警戒されているのは明らかだった。
「……」
二人の後ろ姿を眺めながら、俺は自分の学生時代を思い出していた。友達とはしゃいでめいっぱい笑う……俺にはそんな青春なんてなかった。いつだって俺は一人だった。俺を見下し、嘲笑する連中……。遥の目にはあの時の連中と同じ光が宿っていた。ちっ……どいつもこいつも俺を……。
「遥ちゃん! ちょっと待ってて!」
その時、みのりが立ち止まり、俺を振り返った。困惑する遥をよそに、俺に向かってかけてくる。
「え、えっと……」
突然の出来事に俺は困惑する。こちらを見上げる瞳に吸い込まれそうだ。そのみのりが満面の笑みをたたえた。
「私たち、『MOREMOREJUMP』って言います! 毎週動画アップしてるんで、見に来てください!」
ぺこりと頭を下げる。呆気にとられている俺にほほえみ、みのりはまた遥のもとへと駆けていった。
「……」
二人の姿が見えなくなるまで、俺は呆気にとられていた。心臓が音を立てているのがわかる。美少女にあんな距離で微笑まれるのなんて初めての経験だ。心を落ち着けてから先ほどの言葉を思い出す。『MOREMOREJUMP』……彼女たちのユニット名だろうか。どこかで聞いたことがあったかもしれない。
「そろそろ俺も帰らないと……」
誰に言うでもなくつぶやく。気が付けば、あたりには夕闇の気配が漂い始めていた。今回の検査をまとめて報告しなければならない。俺は出口に向かって歩き出した。
《私、急いでて周りが見えてなくて……》
歩きながら考える……そういえば、みのりたちはなぜここに来たのだろう。屋上で練習していたと言っていたはずだ。
《……用はもう済んだの?》
遥の言葉が思い出された。友人を気遣うような、それでいて少し恥ずかしげな遥の表情……。
反芻しながら歩いていた俺は、しばらくして目の前に現れたものを見て足を止めた。そして先ほどの二人の挙動の理由を理解する。
廊下を曲がった先……そこには化粧室……生徒用のトイレがあった。
〈2〉
《みんな楽しんでくれたかな~♪》
《次の配信も見てくださいね。MOREMOREJUMPでした!》
画面のなかのみのりと遥が俺に微笑む。だが、それは俺だけにむけられたものではなかった。週に数回行われる”モモジャン”の生配信動画の映像だ。俺は今、自分の部屋に一人それを見ているのだ。
あの後、俺はみのりに言われた『MOREMOREJUMP』について調べた。彼女たちは4人からなるアイドルユニットで、全員が件の女子校・宮益坂女子学園の生徒たちだった。彼女たちはSNSで積極的にアイドル活動を行っており、中高生たちを中心に人気を博している。メンバーの大半がもともと別のアイドルグループに所属していた異色ユニットだ。
花里みのり--宮女1年生。性格は純粋で頑張り屋。モモジャンのなかでは唯一アイドル経験がない。そのため、メンバーの中では妹のように可愛がられている。根っからの不幸体質らしく、モモジャンに入るまでオーディションに50回以上落ちているそうだ。だが、そこで彼女が見いだした信条は〈絶対にあきらめない心〉……。
桐谷遥--アイドルグループ『ASRUN』でセンターを担っていた少女。しかしグループ解散後、しばらく表舞台から遠ざかっていた。宮女に通い出したのは最近のことのようで、モモジャンは彼女にとっても久々のアイドル活動のようだ。みのりはもともとは遥の熱烈なファンだったが、今は互いをリスペクトし合う関係を築いている……。
「マジで現役アイドルなんだな……」
放送終了の画面を見つめながら、俺はあらためて一人ごちた。宮女の外見レベルが高いのは元々知っていたが、まさか本物のアイドルだったとは。初めて会った時にふたりの美少女ぶりに驚いたが、今ならうなずけた。
二人に出会ってから、俺はモモジャンの動画を連日見続けていた。今までの人生でアイドルに興味を持ったことはなかった俺が、どうしてここまでハマっているのかはわからない。ただ、心に残っているのはみのりのあの笑顔だった。
《私たち、『MOREMOREJUMP』って言います! 毎週動画アップしてるんで、見に来てください!》
俺の目を見てまっすぐにそう言った彼女。そこには不純なものは一切なく、自分の善意がすべて他人に伝わると信じている笑顔だった。あの顔が忘れられず、気が付くと俺は夢中でみのりたちの動画をむさぼるように見ていた。画面の中で踊り、歌い、汗を流す少女たち。時に笑い、時に泣き、前に進んでいく彼女たちは光り輝いていた。
「……」
だが、同時に、その姿は俺に激しい劣等感をおぼえさせるものだった。きらきらと輝く少女達と俺とは雲泥の差だ。彼女たちは青春を謳歌し、自分たちの未来へ向かって進んでいる。不安などなく、自分たちに乗り越えられない障害などないと信じているのだ。対して俺はどうだ。学生時代に輝く青春などなかった。一緒にいてくれる友達もいなかった。人生のイベントは何も起こらず、何の成長もなく、ただ流されるままに生きてきた。そしておそらくこれからも……。
《……みのり、この人は?》
遥の顔が思い出された。あきらかに自分とは違う人種を見るあの目……。それは今までの人生の中で、俺が常に向けられてきたものだった。表面的には悪意がないように接するようで、その実、自分の世界には決して侵入させまいとする態度。きっと遥はもう俺の顔すら覚えてないに違いない。
「……ちっ。どいつもこいつも見下しやがって……」
どうしてこんな気持ちにならなければいけないのか。すべてがみじめだった。このままでは劣等感に苛まれるだけだ。俺はモモジャンのページを離れようとPCを操作した。
「ん……?」
その時、PC画面に通知が入る。それはメールの着信を告げるものだった。俺はメールソフトを起動する。
メールは普段から利用しているネットサイトのセール情報だった。そういえば今日は給料日だった。俺のような派遣社員の給料など雀の涙だが、花のない生活の中での唯一の楽しみと言っていい。セールがあるなら、それを利用しない手はなかった。俺はメールの中身を確認しようと……。
「……なんだこれ」
そのサイトは利用者が購入した商品と関連があるものをおすすめする機能がついている。普段は日用品などのお得情報がメールに表示されるのだが、この時は違っていた。出てきた商品は、『ペン型盗撮カメラ \3,980』『メガネ型盗撮カメラ \6,980』『照明型盗撮カメラ \9,980』……。
そういえば、と思い当たった。以前、安くなっていた盗撮AVを買っていたのを思い出す。もしかしたら、その関連商品としておすすめされているのかもしれない。確かに関係はあるかもしれないが、と俺は苦笑する。まあ、暇つぶしに見てみるのもいいだろう。俺は関連グッズのページに飛んだ。
〈小型カメラに多くの機能を搭載!〉
〈最長480時間! WIFIに繋ぐことで遠隔操作も可能!〉
〈驚きの高画質! 4K画質も可能!〉
グッズの紹介ページには、様々なメーカーの商品が並んでいた。それらが各々自分たちの商品がいかに優れているかを主張してくる。その数の多さに俺は少々圧倒されてしまった。
「……こんだけ商品があるってことは」
紹介ページには使用例として、〈浮気調査〉〈防犯〉〈空き巣防止〉などの言葉が並んでいるが、それが建前であるのは誰にだってわかる。ここに並んでいる商品が、そのような使われ方をするのは何パーセントのことか……世の中から犯罪が減らないわけだった。
「……」
初めは興味半分のはずだったが、気が付くと俺はグッズの数々に見入ってしまっていた。ニュースではスマホを使って捕まる盗撮犯が目立っていたが、低価格で高性能な小型カメラはこれほどまである。昔と違い、言われなければわからないほどに精巧だ。これが自分の家のなかに仕掛けられていると言われても、気づかない自信があった。
なら……他の人間にもわからないんじゃないか……?
自分の思考が急速に冷えていくのを感じる。だが、体は徐々に熱をもっていった。まだ開かれたままだったページ……モモジャンの動画では遥とみのりがまぶしい笑顔をたたえていた。
自分が置かれた状況を冷静に把握してみる。俺は立場上、宮女への出入りが許されている身だ。そして校内を巡回していても、そこまで不審には思われない。そもそも今は夏休みで生徒はほとんどいないのだ。屋上で定期的に練習している、遥やみのりたち以外には。
普段ならはばかられるような場所……たとえば女子トイレにだって入ることができる。
「……!」
その思考に至ると、体の熱はさきほどより急速に上昇していた。彼女たちは夏休み中、配信や練習を屋上で行っていると動画で言っていた。当然ながら、用を足すときは校内に戻るはずだ。もし……うまく誘導できれば……ここにあるものを使えば、彼女たちのあられもない姿を見ることができる……! いや、でも本当にそんなことが可能なのか? そんなにうまくことが運ぶだろうか? もし小型カメラを設置するとしてもどうやってカモフラージュする? 失敗する可能性のほうが高いんじゃないか?
だが、千載一遇の機会であることも確かだった。彼女たちにここまで近づけるチャンスなど、これを逃せばもうないだろう。現役JKアイドルの痴態が見れるかもしれない……。考えれば考えるほど、体は熱を帯び、股間も期待に頭をもたげはじめていた。
《わたしたちのアイドル活動、これからも応援してくださいね!》
画面の中のみのりが、俺に向かって微笑みかける。ファンたち全員に向けられた笑顔……。しかし、俺が行動を起こせば、誰も見たことがないみのりを見れるかもしれない……。
計画は慎重に、確実に行わなければならない……。
気がつくと俺は、小型カメラを数点選び、カートに追加していた。
〈3〉
次の日、俺は宮女の女子トイレの前に立っていた。ここは三階に位置しており、屋上で練習しているならこのトイレを利用する可能性が一番高い。事実、以前みのりと遭遇したのもこの近くだった。今日も彼女たちは練習しているのだろうか?
「……」
この前とほぼ同じ時間帯のため、あたりに生徒たちや教員の姿はない。だが、もしもということもある。誰かに見咎められたら言い訳は困難だ。俺はもう一度あたりをうかがったあと、持ってきたものを地面に置いた。〈清掃中のため、しばらくお待ちください〉と書かれた看板。これがあれば、しばらくここが使用できなくてもあやしまれない。俺は意を決して中に歩みを進めた。
入り口から慎重に中の様子をうかがう。ここで誰かとはち合わせてしまうことが一番心配だったが、幸いなことに利用している人間はいなかった。初めて中に入った女子トイレ。おおまかなレイアウトは男子トイレと変わらなかったが、小便器がないのが非日常を感じさせ、俺の鼓動は早くなっていった。俺はなるべく音を立てないように室内を詮索する。まず、洗面台が二つ、目の前には大きな鏡。ここも男子トイレと変わらない。個室は全部で三つあった。俺はその中の一番奥の個室に入った。
「ッ!???」
入った瞬間、人の気配を感じて思わず声を出しそうになった。個室の中に、便器に向かい合う形で金属の鏡のような板が置かれている。その中では俺の驚愕した顔が映し出されていた。
「……焦った」
個室内にこんなものが配置されているなんて、男子用では考えられないことだ。女は化粧直しに使うのだろうか? 俺はまじまじとその板を見つめた。板は壁の大部分を占めており、便器に座れば全身が映るようになっている。
「……ここ使えるかもな」
板を留めているビス部分がやや黒ずんでいる。ここにカメラを仕掛けられれば、用を足す姿がそのまま撮ることができるはずだ。ビスはドライバーで外すことができそうだった。
俺は次に洋式便器に目を向ける。ここも何の変哲もない。側面にウォシュレットや音消しのボタンが配置されたパネルがついている。そこから出たコードが本体につながっていた。
「ここもだ……」
コードは何本かのびており、ここにカメラのコードが混じっても気づかれないだろう。表面部分をはずせば中に仕込むことは可能だ。俺はそこから接続されているウォシュレット本体を覗き込んだ。ノズルの付いた根元は真四角になっており、この部分になら数㎝のレンズなら仕掛けることができそうだった。水滴が付着する懸念もあったが、購入したカメラには防水のものもある。そしてここまで顔を近づけない限りはバレることはない。全身も大事だが、局部が撮れることが何よりも重要なのだ。ここから見えるだろう光景……俺はそれを想像して、少なからず興奮した。
「最後は……」
つぶやいて俺は天井を仰いだ。照明は白熱灯が取り付けられている。カバーがはめられているが、こちらも外すのにはそこまで苦労しないだろう。俺は便座に腰掛けて、上を見上げてみた。ここなら被写体をすべて納めることができる。そしてよっぽどのことがない限り、上を向くことなどない……。
「これで全部だな……」
最初は設置するカメラの数はひとつと考えていたが、それだとどうしても見ることができない部分がある。一度のチャンス、撮り逃しはしたくないという気持ちが勝った。三点同時……さらにリアルタイム撮影をするつもりだった。バレる可能性が上がってしまうが、それをするだけの価値はある。俺は深呼吸をした。ここで行う行為を想像し、今更ながら劣情がわき上がってくる。あとはここにうまく誘導さえできれば……
「あっ! やっぱり使えるみたいだよ遥ちゃん!」
突然聞こえた声に俺は跳び上がりそうになった。心臓が誰かに捕まれたような錯覚に陥る。なんとか声をあげそうになるのを抑え、急いで個室の鍵をかけた。
「作業中って書いてあったけど……洗面所くらいはいいよね」
続いて、もう一つの声が聞こえた。俺は壁に背中をつけたまま、口に手を当てた。心臓の音が今まで感じたことがないくらい早くなっていく。この声は……。俺はおそるおそるドアに近づいた。少しだけ隙間をあけ、外をうかがう。
「もー、屋上暑すぎるよぉ……遥ちゃん、タオル持ってる?」
「ごめん、上に置いてきちゃった。ハンカチでもいい?」
「うん! ありがとう!」
案の定、声の主はみのりと遥だった。こちらからは横顔しか見えないが、洗面所でハンカチを濡らしているようだった。上気した二人の顔に汗が光っているのが見えた。遥が濡らしたハンカチをみのりの顔にあてる。
「ひゃっ!? は、遥ちゃん! いいよ、自分でするから!」
「ふふっ……。大丈夫だよ。じっとしてて」
「うぅ……」
みのりは目を閉じてされるがままになっている。美少女ふたりがじゃれあっている光景に、俺は今の状況を忘れて和みそうになってしまう。
「……みのり、気をつけなきゃだめだよ」
と、遥の声が妙に真剣な声色になる。
「え、どうしたの、遥ちゃん」
「……前にあった、工事の男の人いたでしょ?」
突然のことに心臓がもう一度跳ねるほどの衝撃が走る。俺のことを言っているのか? まさか……気づかれているのか……? 俺は遥の表情をのぞき見る。
「私、ああいう人好きじゃないな」
彼女の表情は冷たく、氷のようだった。モモジャンの他のメンバーや動画でのファンに向けるものとは明らかに違う。
「遥ちゃん……?」
「あの人変じゃなかった? 工事のためって言ってたけど、男の人一人で学校の中あんなにうろうろするかな?」
「そうかもしれないけど……」
「それにみのりのこともじろじろ見てたし……」
流れていた水の音が止まった。
「気持ち悪かったな」
その言葉を最後に沈黙が流れた。ドア越しでも空気がおもくなっているのがわかる。
「……知らない人のこと、そんなに悪く言っちゃだめだよ。遥ちゃん」
沈黙を破ったのはみのりの声だった。
「私たち、アイドルしてるんだよ。いろんな人たちがいるのはわかるじゃない」
「それはそうだけど……」
「……それにそんなこと言う遥ちゃん、見たくないよ」
みのりの声が、ここからでも声が震えているのがわかった。隙間から見るとやや涙目になっているのが見えた。
「みのり……」
遥はみのりを見つめた後、ふっと微笑んだ。先ほどまでの空気が柔らかくなるのがわかった。
「ごめんね。私もちょっと強く言い過ぎたかな」
「……遥ちゃん!」
「みのりがそんな真剣に考えてたなんて知らなかった……ちゃんとアイドルしてるよ、みのり」
「え!? そ、そうかな……」
憧れの遥から褒められて嬉しいのだろう、みのりの顔が高揚しているのがここからでもわかった。
「だけど……本当に気をつけて。みのりは優しいから……見てて心配なんだよ、私」
「遥ちゃん……! う、うん! わかった、気をつける!」
「……本当にわかってる?」
「わかってるってばぁ……!」
二人は顔を見合わせ、無邪気に笑った。俺は二人のその姿をドアの隙間から見続けている。
ーーこの差は、一体なんだ。
バレる心配が去ったことで、自分の状況をどこか冷静に俯瞰できるようになった。そして俺の胸にわき上がってきた感情……それはみじめさだった。彼女たちは容姿に恵まれ、才能に恵まれ、自分の未来に何の不安も感じていない。それにくらべて俺はどうだ。容姿はぱっとせず、学生時代に青春などなかった。今の仕事も低収入で激務だ。そして今後、それが改善する未来もない……。
「……」
無邪気に笑いあう少女達を隙間から見続ける。ドアを一枚隔てて、こんなにも住んでいる世界が違う。遥が俺に向けた侮蔑の目。みのりが俺に向けた哀れみの目。それは本質的に同じものだったのだ。今はわずかに接点を持った彼女たち。しかし、そんなものは今だけ。数ヶ月もすれば俺の存在など記憶から排除され、彼女たちの人生から忘れ去られるだろう……。
彼女たちの世界に、俺は何の影響も残せない……。いてもいなくてもどうでもいい存在……。道ばたに転がる石と、何の違いもない……。
気が付くと、外から声は消えていた。俺はドアを開け、先ほどまで彼女たちがいた洗面所にたたずむ。鏡に映る自分の顔を見る。
〈気持ちわるかったな〉
遥の声が脳内に響いた。鏡の中の自分が、歪に笑っているのが見えた。
……ああ、気持ち悪いだろうよ。それなら……
墜ちるところまで、墜ちる……。この時、俺の決意は固まった。
〈4〉
部屋の時計は昼11時少し過ぎを表示している。俺はパソコンの前に座り、俺はアプリを起動した。少しの読み込みの後、モニターに映像が映し出された。
「やった……!」
思わず感嘆の声が漏れ出る。このために揃えた3台の液晶モニターには、設置したカメラの映像がそれぞれ映し出されている。天井の照明に1台、便器の操作パネルに1台、そして正面の鏡に取り付けた1台……。すべてリアルタイムで映っており、思った以上に鮮明だった。
あれから数日が経ち、俺は滞りなくカメラの設置を終えることができた。やはり夏休みであることと、社員証を見せれば自由に校内を行き来できるのは大きかった。ミイラ取りがミイラにならないよう、校内の監視カメラには十分配慮したつもりだ。初めは苦戦すると考えていた操作パネルの取り外し、照明への設置なども大きなトラブルはなかった。取り付けられたカメラは無線接続され、俺のパソコンへとデータが送られている。購入したカメラは性能が良いのを選んだだけあり、映像に遅延などもなさそうだ。
そして今、すべてをやり終えた俺は、モニターの前でターゲットを待つだけとなっていた。夏休みはまだ十分残っており、生徒たちの出入りは多くない。モモジャンのメンバー以外はあの女子トイレを使う可能性は低いだろう。あの女子トイレを彼女たちが使うのは、この前の件で実証済みだ。今日は今年最高気温を記録するらしく、ダンス練習をすれば大量の汗をかくことは想像に難くない。汗をかいて多量の水分を摂取すればそのあとはおのずと……。
「……」
俺は立ち上がったり、部屋を歩き回ってみたりと、とにかく落ち着くことができずにいた。頭の中を様々な感情が巡る。カメラの存在に誰かが気づくかもしれないという不安と恐怖、そしてそれ以上に現役アイドルたちの痴態が見れるかもしれないという期待と興奮。動悸は激しく、胃の部分は熱を帯びていた。アプリを起動してからまだ10分も経っていないため、当然映像に変化はない。録画モードとなっているので、俺がずっとここにいる必要はないのだが、どうしてもリアルタイムで視聴したかった。わざわざ休みをとったのも、その瞬間を見逃したくなかったからだった。
時間は刻々と流れていく。20分、30分……。時計の針の進みがもどかしい。今日はもう練習を終えてしまっているのか、そもそも行っていないのか……。様々な考えが頭をよぎる。待つ時間はくすぶっていた恐怖を再燃させていく。いっそこのまま何も起きない方がいい……もうアプリを閉じようとさえ思っていた時……。
その時はやってきた。
「……!」
個室の向こう、かすかにドアが開く音が聞こえた。そしてスニーカーが床をたたく音……洗面所の水音も聞こえてくる。誰かがやってきたのは確実だった。
俺はすぐさまパソコンの前に戻り、モニターに目を走らせた。心臓の音は自分でもわかるくらいに大きく音をたてている。洗面所の水が流れているということは、手を洗いにきただけかもしれないが……もし、個室に入るのだとしたら、カメラを設置した奥の個室以外は使えないように細工をしている。必然的にそこに誘導されるはずだ……。
やがて水音が止んだ。少しの静寂。俺は息を止めて耳をすました。再び足音がしてそれはだんだんと近づき……。
個室のドアが開けられた。
「…………!!」
一番最初に映ったのは、天井にしかけたカメラからの映像だった。見覚えのある青髪ショートカット。そして正面の鏡にしかけたカメラの映像が映る。マゼンタピンクの練習着、黒のレギンス姿……。間違いなく、桐谷遥だった。
「……ふはッ……」
ためていた息が吐き出される。本当に入ってきた……。それを頭が理解すると体が大きく震え出す。歯が音を立てて鳴るのを必死に押さえながら、俺は画面の中の遥を見つめた。彼女は手にハンドタオルを持っていた。それはしっとりと濡れており、先ほどの水音はタオルを濡らしてしぼっていたようだった。それを顔に当て、うっすらとにじみ出ている汗を拭き始める。そして首筋、うなじへとタオルを這わせる。その無防備な姿に、カメラに気づいている様子はまったくない。完全に無警戒だった。
俺は気づかれていないのをいいことに、遥の顔をまじまじと見つめる。澄んだ碧眼と陶器のように白い肌……本当にきれいな顔だった。こんなかわいい娘との接点など、普通の学生生活の中でも無理だろう。俺レベルならさらに夢のまた夢だ。そんなとびきりの美少女が、今から俺だけに自分の体をさらけだす……あらためてそう考えると、胸の高鳴りはさらに早まった。口の中は乾き、歯の震えは今も止まらない。
遥はタオルを脇の台に置いた。そしてトイレットペーパーを手に取ると便座を丁寧に拭き始める。前屈みで便座に向き直る体勢なので、鏡のカメラに尻をつきだしているような格好だ。遥が手を動かすたび、レギンスに包まれた尻が左右にゆれる。レギンスからパンティーラインが浮かんだ小振りだがハリのあるお尻がふりふりと振られる……。まるでこちらを誘っているようで、俺はようやく出てきた唾をぎこちなく飲み込んだ。
「(い、今からこの中身が俺の前で……!)」
俺の目は血走り、画面を食い入るように見つめる。この作業が終わったその時こそ……。そして……遥はやがて手を止め、拭いていたトイレットペーパーを便器の中へと捨てた。そして尻をこちらへ向けたまま……。
レギンスの腰に両手をかけ
そ れ を 一 気 に ず り 下 げ た
しゅるり
ぷ り り ん ♡
「~~~~~ッッッ?????!!!!!!!」
ペンギン。画面いっぱいに可愛らしいペンギンのイラストが映し出される。最初は呆然としたが、それが遥のパンツに描かれたバックプリントだと理解する。彼女は女子高生らしからぬ幼い下着……白の綿パンツを履いていた。そしてお尻側にはパステルカラーに彩られた愛らしいペンギンがプリントされている。英字で《PEN♪PEN♪》という文字と、ハートのイラストが散りばめられた可憐なパンツ。まるで小学生が履くような愛らしいデザインだが、女子高生特有の丸みをおびた尻はパンツからややはみ出てて、アンバランスな色気をたたえていた。俺は熱でうかされる頭で思い出す。そういえば、遥はペンギングッズが好きで、モモジャンの動画でも自分のお気に入りを紹介していた。かわいいもの好きなJKの趣味だと思っていたがまさか下着まで……。普段は凛とした佇まいの彼女とのギャップに俺は異様な興奮に襲われる。アイドルとして活動しているとはいえ、素顔はあどけない少女。見てはいけないものを見てしまっている背徳感……。音が聞こえるほど、自分の鼻息が荒くなっていくのがわかった。
遥はレギンスを膝にひっかけたまま、まだ中腰の姿勢を続けていた。パンツ丸出しのまま、再びトイレットペーパーを手に取る。まだ便座の汚れが気になっているようだ。再び、こちらに向かって振られる綿パンツに包まれたお尻。可愛らしいペンギンのバックプリントは、しかし突き出されるポーズによってやや横に広がる。小振りだがむっちりとした下半身は、女子高生特有の色気を隠せてはいない……。
「(た、たまらん……ッ!!!)」
俺は絶え間なく出てくる生唾を何度も租借する。陰茎は痛いほどに勃起していた。今すぐにでも取り出し、しごきたくなる。しかし、俺はあえてそうはしなかった。夢にまで見ていた現役女子高生アイドルの痴態。少しでも触れればすぐに発射してしまいそうだ。この幸福な時間をすぐに終わらせたくない……。その一心で俺は衝動を必死に抑え、遥の尻振りダンスを目に焼き付ける。
遥は今度こそ便座を拭き終わった。向きを変えて便座にしゃがみこむ、そう思っていた……。
しかし、遥はあろうことかこちらに尻を向けたまま……
そ の ま ま パ ン ツ を 膝 ま で ず り 下 ろ し た
シュル……
ぷりん♡♡
「……ッッッ、うはぁ……ッッ!!!!!」
むきたての白桃のような尻が俺の眼前に広がった。きめ細かい白い肌には一切のしみもない。柔らかそうでそれでいて弾力も感じさせる瑞々しさが画面から伝わってくる。張りつめた果実を思わせる美尻だった。
遥は尻を丸出しにしたまま、練習着の裾をはためかせた。ぴっちりとしたレギンス内部は蒸れていたのだろう。足を開いたまま豪快に下半身に風を送る。締め付けから解放された少女の下半身は、色香を存分にまき散らす。甘酸っぱい匂いがこちらまで漂ってきそうだった。」
「はっぁぁぁッ……」
俺は目の前の刺激的すぎる光景に、頭が灼けてしまいそうだった。俺は矢も盾もたまらず、ズボンに手をかけた。震える手でベルトを外し、下着を下ろす。陰茎はいきり立ち、亀頭からは我慢汁がしたたり落ちていた。先ほどまでの誓いもどこへやら、俺は竿に手をかけ、しごき始める。
「げ、現役女子高生のケツ……ッ!!! じゅ、十五歳の生尻ぃ……!」
遥の尻を食い入るように見つめながら、口の中で何度もその言葉を繰り返す。美少女の生尻を見ながらオナニーできる幸せに手の動きが止まらない。上下に動かすたびに脳天をえもいわれぬ快感が駆け抜けていった。
遥は扇ぐのをやめると、再び鏡に向き直る。練習着の隙間からきわどい角度から彼女のおまんこが……。俺はあわてて便座パネルにしかけたカメラの映像に目を向ける。真下から見上げるような視点……正面からよりもむっちりとした尻はボリュームを増したように見える。そしてここからならうっすらと陰毛が生え揃う割れ目も見ることができた。俺は鼻息を荒くし、凝視する。
遥は練習着を大きくまくり上げた。尾てい骨まで見えるほど、あらわになる彼女の下半身。そしてゆっくりと便座に腰を下ろしていく。
「(うおおぉぉぉぉッッ!!!!!!)」
巨大な桃が迫ってくる! そう錯覚するほど、遥の巨尻が画面いっぱいに映し出されていく。それはスローモーションのように俺には感じられた。尻がゆっくりと近づき、その中央のセピア色のすぼまりがあらわになる。誰にも見せたことなどないだろう少女の恥ずかしげな部分……。そこがこちらに向かって押しつけられるように……!
ぷにゅん♡♡
「~~~~ッ!!!!!!!」
便座に完全に腰掛けたことで、すぼまりが左右に押し広げられた。菊門のしわが引っ張られ、文字通り可憐な花が咲いたようになる。大画面へ鮮明に映し出されたそれは、しわ一本一本を数えれられるほどだった。ここから排泄物が出てくるなんてとても信じられない……そう思えるくらい不純を感じさせない光景だった。
正面カメラに映る遥は、佇まいを直し、頬杖を突いた。凛としてそれでいて可憐な顔がこちらを向く。物思いに耽るような愁いを帯びた表情……その下では外気に晒された刺激にひくつく肛門……。まさかそれをリアルタイムで見られているなど、彼女は夢にも思っていないだろう。俺だけが見ることができる、遥のあられもない姿……。優越感は俺をさらなる興奮へとかき立てる。陰茎をしごく手はさらに速さを増していく……。
<<ん……>>
遥は体にわずかに力を込め、そして……。
ちょろ、しょろろ、しゅいぃぃぃぃぃぃ♡♡♡♡
彼女の割れ目から小水が滴った。解き放たれた黄金色のそれはやがて勢いを増し、便器の中で放物線を描いていく。肛門はきゅっとすぼまったり開いたりを繰り返す。水音は静寂の中、やけに大きく響いていく。その音も高性能マイクはあますことなく記録していた。
<<んん……>>
よほどため込んでいたのか、尿の勢いは収まることを知らない。便器の水が黄色く染まっていくのに従い、遥の表情も徐々にゆるんでいった。圧迫から解放され、下腹部に快感が走っているのだろう。紅潮し、うっとりとした表情を浮かべる遥……。羞恥と快感に震えるその表情は、とても蠱惑的だった。
「お、おしっこ……ッッ!! 女子高生の、きいろいおしっこぉ……ッッ!!!!!」
そしてその姿に魅せられ、俺もたまらなくなっていった。陰茎は我慢汁にまみれ、床にしたたり落ちていく。俺の荒い息と陰茎をしごく音が部屋の中に響いている。今すぐにでも精を解き放ちたい……。全身がそう叫んでいる。しかし、それと同じくらいこの快楽をもっと長く味わいたいという思いもある。その矛盾した感情は、俺をさらなる愉悦へと押し上げていく……。
<<んん……>>
遥はわずかに身震いをした。下腹部に力を入れると、ちょろっ、という可愛らしい音とともに残りの尿が出し切られた。長かった放尿がようやく終わりを告げたのだ。遥はトイレットペーパーを手に取ると、下腹部を入念に拭いていく。足を大きく広げ、自分の股をのぞき込む美少女の姿など、世界中どこにいっても見ることはできないだろう。
「(もっと見てたい……ッッ!!! もっともっともっとだ!!!!」
もうすぐこの絶景が終わってしまう……。そう予感しながら上下する手は一層速さを増していった。下半身にうずまく欲望は、出口を求めてさまよい続ける……。
すべてが終わり、遥は腰を上げた。便座に向き直り、手にしたトイレットペーパーを捨てる。そして足下まで下がっていたパンツを一気に引き上げた。ぱつん、とゴムの音がして、遥の尻が綿100%パンツに包まれる。
「(ああ、いい……ッ!!! ペンギンパンツかわいい……ッ!!!! ずっとパンチラしてて! そのまま、そのままぁ……ッッ!!!!!!」
またしても俺の前にさらけ出された可愛らしいペンギンのバックプリント。未成熟な下半身を覆う下着は、遥に似つかわしくなく、しかし彼女らしいともいえた。幼げなたたずまいと相反する肉感的な姿態……。それが見れるのはのこりわずかと思われた。しかし、遥が足下のレギンスをひっぱりあげようとした時……。
<<きゃっッ!!>>
「(え……ッ?)」
小さな叫び声がした。遥はバランスをくずして、大きくよろめき……。
ぷ にゅ う ぅ ぅ ぅ ん♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡
「(うっはぁぁぁぁぁッッ!????!??)」
画面を覆い尽くす綿パンツにつつまれたお尻!
最初、何が起きたのかわからなかった。モニター画面いっぱいにペンギンのバックプリントが広がる。一瞬ののち、遥が後ろ向きに倒れこみ、鏡に向かってお尻が押しつけられたのだと理解した。カメラは鏡の中にしかけらており、マジックミラーのような構造になっている。押し当てられたやわらかいお尻は、さながら透明椅子のように映る。
「(も、もう限界だッッ!!!!!)
もはや我慢などできるわけがなかった。俺は一気に竿をしごくと大量の精を解き放った。
びゅる! びゅるるうぅうぅッッ!!!!!
解き放たれた夥しい量の精液は、遥のパンツが映し出されたモニターに降り注ぐ。ねっとりとした白濁液は止まることなく彼女のお尻を汚していく……。
「(うくぅッッ!!! ううぅぅぅぅッッ!!!!)
得も言われぬ快楽が俺の下半身を襲った。脳天が灼けるような快感。足が震え、腰が抜けそうになるのを必死にこらえる。長い、長い射精。やがてそれは勢いをなくし、すべてを出し終えた俺は床にへたり込んだ。
「はあッ……! はあッ、はあッ……」
荒い呼吸を整えながら、まだ回らない頭のまま、モニターに近寄った。カメラからお尻は離され、遥はすでにレギンスを履き終わっていた。カメラ周りはやや曇っている。それが押しつけられた遥の尻汗のせいだと理解し、あらためて先ほどの光景が思い出された。
<<や、やだぁ……>>
そして当の遥は顔を紅潮させながらタオルで鏡を拭き始めた。鏡に尻餅をついたことが乙女には恥ずかしかったのだろう。鏡に顔を近づけ、丁寧にふき取っていく。俺はモニターにさらに顔を近づけた。画面越しに唇がふれそうになるほどの距離。そして遥と目があった。
「遥ぁ……めっちゃくちゃ気持ちよかったよぉ……お尻とパンツでめっちゃ出たぁ……!」
甘えるような言葉を俺は遥に投げかける。
モニターにしたたる俺の精液が、赤らんだ彼女の顔をとろりと撫でていった。
〈5〉
ふと時計に目をやる。時刻は14時になろうかといったところだ。俺はまだけだるげな体を起こし、モニターに向き直った。画面にはいまだ無人の個室が映されている。録画されている動画をさかのぼってみたが、変化はない。遥が出て行った後、このトイレを利用した者はいないようだった。
あれから……遥がトイレから出ていった後、俺はしばらく動くことができなかった。射精が終わっても甘い疼きが下半身から抜けず、極度の緊張から解放されたこともあり、気がつくと俺はベッドに倒れ込んでいた。さきほど目覚めたあともすぐ立ち上がることはなく、天井を眺めていた。心地よいまどろみの中で、脳裏にはっきりと遥の姿が浮かび上がってくる。
清楚な彼女の秘められた肢体……。誰にも見せたことがない、彼女のもっとも恥ずかしい部分……。
俺はそれを確かに見たのだった。
圧倒的な優越感に自然と口角が上がるのがわかった。そうだ、俺は見たんだ。それどころか、遥の未成熟な下半身をあますことなくカメラに収めた。俺がその気になれば、彼女は画面の中で何度でもあられもない姿を繰り返す。そしてそれはこれから一生消えることはない……。
その事実をあらためて理解すると、またしても劣情が首をもたげてくる。下半身に熱が集まり、陰茎は半勃起状態となった。遥の姿を思い出すだけで何度でも射精できそうだった。だが、俺は陰茎をしごきたくなる衝動を抑え、机に置かれた瓶を手に取る。数種類の錠剤や栄養ドリンク……俺はこの日のために数々の精力剤を用意していた。人生で最高の射精をしたい……そのためのものだった。
「必要なかったかもしれないけどな……」
下卑た笑いが唇にはりついた。飲む前からすでに陰嚢は脈打ち、精子を生産体制に入っているのを感じる。あの充実した射精が忘れられず、体が期待で暴れているのだ。さきほどの成功体験は俺に大きな自信をもたらしていた。自分を見下していた美少女をこの手が汚したという圧倒的な征服感。そして欲望は次の標的へと向けられている……。俺はモニターに向き直った。いまだに無人の個室が映し出されている。いずれそこにもう一人の獲物がやってくるのだ……。
俺ははやる気持ちを抑えながら、手にした精力剤を一気に飲み干した。
× × × × ×
画面に変化が起こったのは、それからさらに30分ほど経ってからだった。カメラがトイレのドアが開かれたかすかな音を拾う。
「!!」
俺は身を乗り出してモニターに凝視する。心臓は早鐘を打ち、下腹部が熱を帯びるのを感じる。こちらに近づいてくる足音……そして個室のドアが開けられた。茶髪の肩まで伸びた髪、小柄な体躯。愛らしい容姿は見間違うはずもない。
「!! よしッ! やった……ッ!」
彼女……花里みのりが入ってきた。初めて会った時と同じ、ラッコが描かれた水色のTシャツと白いハーフパンツの練習着姿だ。遥と同じダンス練習の途中なのだろう、正面のカメラからは肌が汗でしっとりと濡れているのが見て取れた。そして遥と同じように手には水に濡れたタオルが握られている。
「(やってることは本当に一緒なんだな……)」
思わず場違いな感想が頭をよぎった。タオルのデザインは遥のものと同じだった。二人はまぎれもない親友同士なのだろう。青春時代の尊い友情……しかし、それはもうすぐまとめて踏みにじられるのだ。俺は無意識のうちに舌なめずりをしていた。
みのりは手にしたタオルをトイレットペーパーホルダーに一旦置いた。俺はこれからの光景を思い描き、生唾を飲み込む。彼女はこれからタオルで汗をふき取り、ハーフパンツを脱ぐのだろう。どんなパンツを履いているのか……遥のようにカメラに向かってお尻を振ってくれるのか……期待に俺の目は輝く。
しかし、その予想は裏切られることとなる。
<<ふーっ、やっぱり暑いなぁ……>>
みのりはタオルを脇に置くと一人つぶやいた。
そしてTシャツの裾に両手をかけ……。
そ れ を 一 気 に ま く り あ げ た
しゅる……
ぷ る ん ッ ♡
「ッッ~~~?????!!!!!!!」
突然の光景に頭が追いついていかなかった。だが、Tシャツが脱げる際、乳首にひっかかって未成熟な乳が揺れたのを俺は見逃さなかった。Tシャツは脱ぎ捨てられ、いまやみのりの上半身はさらけだされていた。きめ細やかな白い肌、未熟ながら女の体へと発展途中の肢体……。そして胸のふくらみ……。生硬そうだが丸みをおびたバストは女性的で、淡い桜色の乳首は上を向いてその存在を主張している。Tシャツに押し込められていた蒸れた空気が解放され、その甘酸っぱい匂いがこちらにまで届きそうだった。
「(はぁうううううう……ッッ!!!)」
みのりのふくらみかけおっぱいが見れるなど、完全に予想外だった。呆気にとられていた俺だったが目の前の光景が理解できるようになると、陰茎が一気に勃起し始める。俺は脈打つ陰茎を握りしめた。遥の時のように我慢するようなことは考えつかなかった。
みのりは濡れたタオルを手に取ると体を拭きはじめた。首筋、うなじ、肩……腕を高く上げ、わきの下の汗も念入りに拭きとっていく。そして手は乳房にも当てられた。
<<ひゃッ!>>
みのりはタオルの冷たさに小声で叫んだ。我に返り、可愛らしい照れ笑いを浮かべた後、手の動きを再開する。手のひらで円を描くように左右のおっぱいをもみ込んでいく。乳房の下に汗が残らないよう、上から下への動作も怠らない。
ぷにょん、ぷにょん♡♡♡♡
<<んくっ……>>
乳首に触れるとみのりの口から艶のある声が漏れる。自らの手でこねられた乳房はさきほどより量感を増したようにも見える。乳首も刺激で尖っているのが画面越しでも見てとれた。
「(はぁぁぁッ、た、たまんねぇッ……!!!)」
みのりの上気した顔を見ているだけで射精してしまいそうだった。見れるはずがなかったみのりの美乳。目の前の信じられない光景にしごく右手は止まることがなかった。
みのりは腰に手を回す。そしてハーフパンツを一気に膝まで引き下ろした。
「(はぁあうっぁぁぁッ!!)」
パンツが一緒にずり下げられ、可憐な一本すじがあらわになる。遥と違い、アンダーヘアは生えていない完全無毛であった。
「(ま、マジかよ!!! つるつる!!!!???)」
美しい縦すじは見てはいけない禁断のもののように感じられた。あんなにもきれいな場所から尿が排出されるなど信じられない。
しかし、これからそれが実際に起こるのだ。
みのりはそのまま便器へと腰掛けた。まだ汗がべとついているからか、上半身は裸のままだ。正面のカメラからはさらけ出された乳、便器のカメラからは迫ってくるお尻が映し出されている。みのりのお尻も左右に広げられ、淡い色のアナルがさらけ出された。遥に比べると小さめの肛門……文字通り蕾のような形だ。しわの本数が数えられるほどの距離。肛門が外気に晒され、ひくついている様子までわかった。
「(す、すげえッ!!! すごすぎるぅッ!!!!)」
俺は画面を食い入るように見つめた。頭の中でみのりと出会ったときの光景がフラッシュバックする。初めて会ったときにも屈託のない笑顔を向けていた少女。そんな彼女が今、アナルをひくつかせているのを俺に見られている。
あの時……俺に会わなければ、こんなことにはなっていなかったのに。
そして少しの静寂の後、可憐な音が響きわたった……。
しょろ……
しゅいぃぃぃぃぃぃッ♡♡♡♡♡♡♡♡
幼げなすじから、黄金色の小水が放たれた。それは勢いを増し、便器の中へと注がれていく。陰毛がないからか飛び散りは少なく、美しい放物線を描いてく。
<<はあぁぁ……♪>>
正面のカメラからはみのりの恍惚とした表情が撮られていた。よほど我慢していたのだろう、解放感から甘いため息がくちびるから漏れる。うっとりとした表情は官能的で俺の劣情を激しく刺激した。
「(はあぁぁあッ、おしっこぉ……!!!! じゅうごさいぃ……のぉぉ、おしっこぉッ……!!! みのりぃ、きもちいいのかぁッ……!!!)」
さらに速度を増す俺の右手。我慢汁に手が汚れ、みだらな音が部屋に響いている。その音がさらに俺を興奮させた。
<<んん……んく>>
しょろ、しょろろろ……♡♡
小水は徐々に勢いをなくしていき、やがて止まった。最後にみのりが力をいれると残っていたおしっこがしたたり落ちる。すべてが終わると、みのりはトイレットペーパーを手に取り、股間を丁寧に拭きとる。はしたなく足を大きく開いて、股間をのぞき込む姿は現役アイドルがする格好とは思えなかった。
「(ふうぅっぅぅッ!! みのり、可愛すぎッ……!!!!)」
いたいけな彼女のその姿を見て、俺はたまらなくなっていた。しごきまくっている陰茎は膨れ上がり、陰嚢の収縮が止まらない。精液は出口を求めて爆発しそうだ。早く射精したい……しかしこの天国のような光景をもっと見ていたい……。二律背反のもどかしさに板挟みとなる。しかし、それすらも今の俺には快感であった。
股間を拭いていた紙を捨てると、みのりは立ち上がった。そして膝まで下げていたパンツを履き直す。腰まで引っ張り上げられ、脱いだときにはわからなかったパンツの柄がはっきりと見て取れた。こちらも遥と同じ、綿100%のお子さまパンツ……純白にピンクのハートが散りばめられた女児パンツといってもいいあどけないデザインだった。全面の中央部分には小さなリボンがあしらわれている。小学校高学年が履いていてもおかしくない可愛らしいデザインに、またしてもいけないものを見ている気分になる。この股間に顔を埋めて思い切り深呼吸をしたい……そんな欲求にかられてしまう。その欲望を昇華するため、俺はみのりのパンツを凝視しながら、陰茎を思い切りしごきまくった。
「(みのりぃぃ……!!!! そのままパンツ見せててッ……!!! ずっとパンチラしててぇッ……!!!!)」
我慢汁が滴り、床に模様を作っている。体にこもった熱は出口を求めて下半身に渦巻いている。もう限界が近い……また夥しい量の精液が放たれる……。その光景が予測されたとき。
画面の中のみのりと目があった。
「(!!!!!!!??????)」
みのりは一歩鏡に近づいた。こちらにじっと視線を向け続ける。それはこちらの存在に気づいたかのような……。
俺の体を冷たいものが走り抜ける。心臓が早鐘を打ち、膝から力が抜けていく感覚に襲われる。
「(!!!!? ま、まさかバレ……ッ?)」
最悪の想像が頭を駆けめぐる。一瞬とも永遠とも思える刹那、俺とみのりは画面越しに向き合った。
そして……。
みのりは満面の笑顔をたたえた。
<<みなさん、こんにちわ! 花里みのりでーす♪>>
「??????!!!!!!!」
みのりははじけるような笑顔でこちらに向かって両手を振った。
<<今日もモモジャンの動画を見てくれてありがとうございました! それで……ここまで見てくれたみなさんに報告したいことがあります!>>
呆気にとられる俺の前で、みのりは続けた。
<<今日のこの配信で……ついに1000回目を迎えることができました! これも見てくれてるみなさんのおかげです!>>
みのりの言葉を紡いでいく。
<<最初は……わたしにアイドルなんて無理なんじゃないかって思ってて、でも……思い切ってとびこんでみてよかったです!>>
「(……ッ!!!!!!)」
それが動画へ向けての練習だとわかった瞬間、俺の中の何かが壊れた。
彼女は支えてくれたファンのため、他のメンバーのため、感謝の言葉を口にしているのだ。
……乳とパンツをさらけ出しながら。
「うあぁぁッぁぁッぁッ!!!!!!」
俺は言葉にならない叫び声を出し、しごく手のスピードを上げた。可憐な笑顔をふりまくみのりのおっぱいが揺れる。それを凝視しながら、初めて会ったときのみのりとのやりとりが思い出された。
<<私たち、『MOREMOREJUMP』って言います! 毎週動画アップしてるんで、見に来てください!>>
誰であっても分け隔てなく接する彼女は、こんな俺にも輝くような笑顔を向けてくれた。そう……彼女は本当に良い子なのだ。
その裸体を、名前も知らない男に晒すほどに。
「はあッ!はあッ! はあぁぁぁぁっッ!!!!」
もう我慢などできるはずもなかった。画面の向こうのみのりはスピーチを続けている。その姿がたまらなく愛おしい。
「おっぱいッ! みのりのおっぱいぃぃッ!!! ハート柄のパンツぅッ!!! 気持ちいいぃッ!!!!」
しごく手はさらに速さを増していく。体を得も言われぬ快感が駆けめぐっていく。
<<……こんな私だけど、みんなに支えられてここまで来れました。だから……>>
みのりがとびきりの笑顔を俺に向けた。
<<これからも私たちを応援してください!>>
その言葉と我慢汁に塗れた俺の手が陰茎を最後にしごいたのは同時だった。
「みのりッ……みのりぃッ!!!!!!」
びゅるッ! びゅるるるるるッ! びゅるるるるるるるるるぅッ!!!!!
夥しい量の精液が、みのりの笑顔に降り注いだ。勢いは止まることなく、彼女の顔を汚していく……。
びゅるぅッ!!!! びゅるるるッ! びゅるるるるぅ!!!
「うくぅ! う、うあッ……!!!!」
激しく腰が痙攣するほどの射精。快感の波は何度も俺の下半身を襲い、そのたびに精液が搾り取られていく……。
びゅ、びゅる! びゅ……びゅる……
長い長い射精のあと、ようやく痙攣は終わった。下半身に残る甘い余韻を感じながら俺は大きく息を吐いた。
「はあ……はあ……」
俺は荒い息を整える。吐き出された大量の精液は、画面の向こうのみのりに降り注ぎ、彼女の体は白濁に汚れていた。
……そう、彼女の青い春は、白い汚濁に塗りつぶされたのだ。
「みのり、みのりぃ……」
いまだ裸体をさらけ出しながら笑顔をふりまくみのり。
俺はそれを眺めながら、ただただ彼女の名前を口にすることしかできなかった。
〈6〉
一陣の風が俺の前を吹き抜ける。風は校舎の間を駆け抜け、学園を歩く女生徒たちのスカート軽く揺らす。どこか秋の気配をはらんだそれは、やがてくるだろう肌寒い季節を予感させた。
あれから二ヶ月が経ち……俺は夏休みが開けた宮女を一人歩いていた。工事の見積もり検査がようやく終わり、あとは最後の検査を残すのみとなっている。今日がここを訪れる最後の日となるだろう。感慨めいたものは特に感じなかったのは、ここであった出来事が自分の中で整理できているからだろう。宮女内をゆく生徒たちへ思うこともない。そもそも他生徒との接点など皆無に等しかったのだ。
……ある二人をのぞいては。
「あ……」
また、風が通り抜ける。思わずその先に目を向けた俺は、歩いてくる少女たちに気づいた。その場にいるだけで、あたりに花が咲いたような華やかさ。その二人の姿は見間違うはずもなかった。
……桐谷遥、花里みのり。二人は楽しそうにおしゃべりをしながら、こちらに向かってくる。
「……」
俺は素知らぬふりをして歩みを進めた。互いの距離がゆっくりと近づき、そして……。
俺たちは何事もないようにすれ違った。
しばらくの後、俺は振り向く。遥とみのりは今もおたがいに微笑み合いながら言葉を交わしている。まるでこちらのことを気にもとめないように。
「……」
あたりまえのことだった。二人は俺のことを覚えてはいないだろう。夏休み中に一言、二言接しただけの業者の人間……。何百人のファンを相手にする彼女たちは、そんな人間などいちいち気にかけない。俺の存在はそれ以上でも以下でもないのだ。
俺は小さくなっていく彼女たちを見つめていた。ふたりの姿は校舎の影に消え、やがて見えなくなっていった。
× × × ×
見知った愛すべき我が根城……1LDKの安アパートの前に俺はたどり着いた。階段を上った2階突き当たりの部屋。俺は鍵を差し込み、ドアを開けた。そして目の前に向かってつぶやいた。
「ただいま……みのり」
笑顔を振りまくみのりが、俺を出迎えた……その裸身を見せつけるように。
玄関口のすぐ目の前。俺はそこにみのりの等身大写真を張り付けていた。その写真はもちろん、乳とパンツをさらけだし、太陽のような笑顔を見せている場面だ。高画質カメラで撮影された彼女の裸体は、等身大に拡大されても鮮明だった。大型用紙に印刷、さらにラミネートされ、写真のみのりはまるでここにいるかのようだ。ここに来客などほとんどないため、俺はこの悪趣味を楽しむことができた。
「……」
玄関でその姿を見るたびに半勃ちになってしまう。飾りだしてからしばらく経つがいまだにあの時の記憶がよみがえるのだ。俺はみのりの姿を舐め回すように見つめた後、部屋の中に足を踏み入れる。
「ただいま……」
つぶやいた言葉はせまく薄暗い部屋に吸い込まれる。
その先にあるのは……少女たちのみだらな写真だった。
遥のペンギンプリントと、みのりのハート柄のパンツ姿。おしっこを滴らせるおまんこ。ひくついた肛門……鏡に押しつけられたお尻のアップ。生えていないきれいな一本すじ……。
それらの写真が部屋中あますことなく張り付けられている。
……この2月を使って、俺はこの空間を作り上げた。動画から写真を印刷しているとき、俺はいつも勃起が治まらなかった。作業の合間に何十回と自慰をするのでなかなか進まなかったのも良い思い出だ。そして今、俺は美しい彼女たちの姿に囲まれながら生活をしている。部屋中どこを見てもいつも遥とみのりの裸体を見ることができる……。
ふいに笑みが零れ、思わず口を覆った。学園であったふたりの姿が思い出される。彼女たちはまさか自分の裸体が記録され、写真にプリントされ、それを飾られているなど夢にも思わないだろう。自分たちの知らない場所で一方的に消費されている事実……それが俺をさらに優越感と興奮をもたらしていた。
そして、功利的な面からしてそれは共有されなければならない……。
俺は机に向かい、デスクトップパソコンを起動する。そしてすでにブックマークしていた動画サイトにアクセスした。
〈♪ MOREMOREJUMP! まもなく配信……まもなく配信…… ♪〉
モモジャンの待機画面が表示される。そう、今日は記念すべき配信なのだ。あの時からずっとこの日を待ち望んでいた。俺は居住まいを正し、モニターに向き直る。やがてカウントダウンが始まり、映像が映し出された。
「……っと、映ってるかな?」
モニターにラッコのTシャツが映る。それを見ただけで反射的に勃起してしまいそうになる自分に苦笑する。やがてそれを着た本人の全身が映し出された。小動物のような愛らしい容姿……花里みのりであった。
<みなさーん、こんにちわー。花里みのりでーすっ!>
こちらに向かって満面の笑みで手を振るみのり。それに合わせてコメント欄が一気に動き出す。
「わわ、すごいコメント! ありがとうございまーすっ♪」
視聴者数はすでに100人を超えていた。いまや彼女たちは間違いなく、配信トップアイドルだった。
そして、それは別の場所でも同じであった。
俺はもう一つのモニターに、別ブラウザを起動させた。すでにブックマークに登録していたサイトにアクセスする。少しの読み込みのあと、画面が切り替わる。
<<始まってる?>>
<<きてるきてる。みのりちゃーん、見てるよー:-)>>
<<駄目だ、ラッコ見るだけで勃っちゃったよ……>>
<<↑わかる>>
<<あのTシャツの下、ぶりりーんってなってるのすげーよなw>>
暗い画面にリアルタイムでコメントが書き込まれていく。それは公式のコメント欄に匹敵する量だった。だが、その内容はそちらとはかけ離れたものだ。
<<あの乳がぶりりーん、かは議論の余地があると思ってる>>
<<いや、15であのおっぱいはでかい方>>
<<完全無毛なのもポイント高い>>
<<今も無毛なの? 乙女の成長速度はわからんぞ>>
<<数ヶ月で剛毛になってたら草>>
嘲りと劣情……そして暗い負の感情。それらが画面上をうごめいている。それはアイドルに対する羨望ではなく、性欲の対象に向ける卑しい目であった。
……ここは通常のネットからは隔絶された世界……いわゆる深層ウェブだった。特殊な回線を使用し、犯罪を覆い隠す混沌の世界。ここでは公にできない情報が飛び交っている。麻薬の密売、個人情報売買、殺人教唆……そして違法ポルノ。表には決して出回らない未成年の動画が取り引きされている。映像はもちろん無修正。それを求める浅ましい人間たちが群がっているのだ。
……部屋の模様替えとは別にしていたことが、もう一つあった。それは彼女たちの動画を深層ウェブの海に投げ込むこと……。なぜ、そんなことをしたのかは説明が難しい。だが、輝かしい彼女たちの未来を俺の行動が握っている……。その優越感と嗜虐心が、激しく俺の心を揺さぶったのだ。アイドル活動をしている有名人である二人のことを考えると、すぐ足がつく表層ウェブではまずい。そこで俺は深層ウェブでの違法ポルノサイトへの投稿を思いついた。彼女たちの痴態を知るものが自分だけではなくなってしまうことへの抵抗もあったが、暴虐な心がそれを制した。かくして遥とみのりの動画は、世界中の男たちの目にさらされることになったのだ……。
「みのり、早く伝えなくちゃ駄目だよ」
「わ、遥ちゃん! そ、そうだったね!!」
<<ハルカちゃんキター!>>
<<やっぱ超かわいいー!>>
<<今日もペンギンパンツさんですか????>>
<<ダメだ、今度はペンギン見るだけで勃つようになってしまった……>>
<<↑草>>
<<もう終わりだよこの国……>>
……彼女たちは知らない。自分たちの裸体が日本どころか、世界中に発信されていることを。自分のおっぱいやお尻、秘部までもが無修正で垂れ流され、それがスマホやパソコンに保存され、一方的に消費されていることを。それが底辺の集まりに無遠慮に評価されていることを。
そして、それはもはや取り返しはつかない。いくら彼女たちがトップアイドルへと上り詰めようと、いや、頂点に近づけば近づくほど、この動画は価値を持つ。それこそ爆発的な速度で拡散されるだろう。データの回収など不可能、もはや手遅れなのだ。みのりと遥の未成熟なおっぱい、はりのあるお尻、そしてうっすらとアンダーヘアが生えた秘部……。それらは一生、底辺たちの慰みものになるのだ。
「えっと、改めまして動画を見てくれてるみなさんにお伝えしたいことがあります!」
みのりが佇まいを正し、こちらに向き直った。
「今日のこの配信で……ついに1000回目を迎えることができました! これも見てくれてるみなさんのおかげです!」
呼応するようにコメント欄が流れ始める。
<<親の顔より見た口上>>
<<↑もっと親に会え!>>
<<ハート柄のパンツが見える>>
<<おっぱいも見える>>
<<勃ってきちゃったよ……>>
<<幻視おおすぎだろ……みんなには何が見えてるんだ……>>
「……みのり」
俺は彼女の名前をつぶやいた後、キーボードを操作した。画面上に動画プレーヤーが表示される。そこには……あの時のみのりの動画が再生される。そして一気にコメント欄が沸き立った。
<<キターーーー!!!>>
<<この動画が見たかった>>
<<リアルタイム上映は草>>
<<鬼畜過ぎるww>>
間髪を入れずに俺は遥の動画を再生させる。動画の中の遥はペンギンプリントのパンツをずり下げ、白いお尻を見せつけていた。
<<遥ちゃーん!!!!!!!>>
<<この尻が俺を狂わせる>>
<<ひっぱたきたくなる尻>>
<<安産型だわ。まさに「ケツ」って感じ>>
このサイトには投稿した動画をシェアして再生する機能が搭載されていた。コメントは動画上を流れていく。それはまるでみのりと遥の体を這い回る寄生虫のようだった。
「最初は……わたしにアイドルなんて無理なんじゃないかって思ってて、でも……思い切ってとびこんでみてよかったです!」
満面の笑みを視聴者に向けるみのり。
動画の中のみのりは同じように笑顔を称え……愛らしいおっぱいとパンツをさらけ出していた。
<<飛び込む←意味深>>
<<ま ず 乳 を し ま え>>
<<俺もみのりちゃんがアイドルになってくれて本当によかった……>>
<<ずっとがんばって最終的にしたことがおっぱいを晒すことって……>>
<<やっぱりでかいやろ…ぷるんぷるんやん!>>
肛門をひくつかせ、おしっこを垂れ流す遥へのコメントも負けてはいない。
<<この黄金水、飲める>>
<<アナルのしわを数えました。29本です>>
<<俺は遥ちゃん派です(半ギレ)>>
<<アイドルっておしっこするんだ……(童貞並感)>>
底辺たちの身勝手な声は止まらない。奴らの下卑た情欲は、彼女たちを徹底的に犯していく……。そんなことなど夢にも思わず、みのりは懸命に言葉を紡いでいった。自分の言葉が、思いが、人々の心に伝わると信じているのだ。
しかし、そんなものはすべて幻想だ。彼女の向こう側にあるのは、何千、何万という男たちの好奇の視線。奴らの興味は現役JKアイドルの裸体にしかない。そして今、それを手に入れた奴らにはリミッターなどない。徹底的に対象を犯し尽くす。
気づけば、俺の股間は痛いほどに勃起していた。たまらず陰茎をしごくと、あの時と同じ甘い快感が体中を駆け抜ける。
「みのり……ッ! みのりぃ……ッ、はる、かッ……!!!! うくぅ……ッ」
俺の脳裏に、彼女たちと初めて会った時のことが思い出された。こんな俺に、とびきりの笑顔を向けてくれたみのり。凛とした清廉さと強さを見せていた遥。彼女たちは間違いなくアイドルだった。本来なら手の届くはずのない、輝く星。
だが、俺はそれを引きずり下ろした。いまや二人の姿は、底辺たちの養分に成り下がった。今後、どんなにアイドルの頂点へ近づこうとも、いや、近づけば近づくほど彼女たちの痴態は価値を増す。未成熟な二人の体は、世界中の男たちの目にさらされ、劣情のために消費されていく。みのりと遥はもう輝いていた未来へは戻れない、還れない。
そんな偉業を、俺はやり遂げたのだ。
「はあッ……はあッ……!」
心が充実感で満たされていくたびに、しごく手が早さを増していった。
「きっと私たちはこれからも躓くことがたくさんあると思います。でも、その度にファンの皆さんと乗り越えていけたらって……。だよね、遥ちゃん!」
「ええっ!? 急に振らないでよ、恥ずかしいなぁ……。うん、でも本当にそうだね、みのり」
動画内で乳を揺らしながらスピーチ練習を続けるみのりと、豪快に股を広げて、股間を拭き続ける遥。
<<そ う わ よ >>
<<がに股でおま〇こ拭くのは恥ずかしくないんですかね……?>>
<<股間拭いた紙ほしい(切実)>>
<<だからデカいっていってるだろ! みのり乳!>>
コメント一つ一つが俺の嗜虐心を刺激し、興奮が一層高まっていく。我慢汁で手は汚れ、陰嚢は収縮を繰り返している。
「これから先もずっとずっと、私たちとみんなで進んでいけたらって……思ってます。だから一緒にがんばろうね、みのり」
「わわわッ……! は、遥ちゃん……? ち、近いよ……」
動画内では遥がペンギンプリントのパンツを履いたところだった。みのりのハート柄パンツもアップになる。
<<俺はハート派なんだけどみんなは?>>
<<やっぱり王道の……ペンギンですね!>>
<<かわいい顔にはかわいいパンツだよね!!!!>>
<<みんな、二人の話聞いてました……?>>
「はあッ…!! ううぅぅッ……!!」
手は我慢汁にまみれ、射精が近いことを告げていた。動画もスピーチも佳境に入っていた。俺は前のめりで必死に陰茎をしごく。快楽の出口を求めて、駆け上がっていく……!
「……でも、ありがとう遥ちゃん。そして今見ている皆さん」
みのりはあらためて視聴者に……俺に向き直った。
「……自分ひとりだったら、絶対絶対、実現できない夢でした」
みのりは一つずつ言葉を紡いでいく。それはあの動画とシンクロしていった。
「……こんな私だけど、みんなに支えられてここまで来れました。だから……」
そしてみのりは、今までで一番の笑顔を向けた。
「これからも私たちを応援してください!!」
ぷ る ん ッ ♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡
ぷ にゅ う ぅ ぅ ぅ ん♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡
一際、みのりのおっぱいが揺れた。遥のパンツが画面いっぱいに押し当てられたのも同時だった。
<<く さ そ う>>
<<いや、顔面騎乗してほしい>>
<<みのり乳半端ないって!!!!>>
「みのり……ッ! はるかッ……!!!! 好きだぁぁぁぁッッ……ッ!!!!」
彼女たちの名前が木霊する部屋に、夥しい量の精液がまき散らされる。それは留まることを知らず、みのりと遥の笑顔に降り注いだ。ふたりの顔は、その約束されていた輝かしい未来とともに、白濁に塗りつぶされていった。
みのりと遥は、汚され続ける――。顔も知らない男たちに、今日も、明日も、これからも……永遠に……。
〈了〉