※この作品はR-18です。

ヒーローガールは異物入り~ドスケベIF~   作:数多 命

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またまた未来IFというやつです。


『番』の話

――――気が付けば、あれから10年もの年月が経っていた。

感想としては、『思い返せば長いけれど、指摘されると驚きを隠せない』といったところか。

アンダーグ帝国との往来も盛んになり、今やスカイランドのあちこちで見かけるようになった。

なんなら、お互いの子どもが一緒に遊ぶのも珍しくない。

助けを呼ぶ声は尽きることないけれど、世界が滅ぶような大きな危機は鳴りを潜めて実に久しい。

 

 

 

そんな、ヒーローにとっては喜ばしい、ちょっと暇な(平和になった)世界で。

私とましろさんが祝言を上げたのは、つい二か月ほど前のことだった。

 

 

 

あの日、守られる子供だったましろさんは、今や立派な大人となり。

心身共に成長した彼女は、自分の行動に責任が持てる様になった。

その上で、改めて私の隣にいることを望んで、選んで。

左手の薬指に、お揃いの指輪を付けてくれている。

・・・・正直嬉しい。

いつでも離れてよかったのに、それでも私の隣を選んでくれた。

私の全てを信じて、私に全てを託してくれているのが。

本当に誇らしくて、くすぐったい。

考えれば考えるほど、愛おしさが胸にこみ上げて来て。

もう二か月も経つというのに、気を抜くと顔が緩んでしまう始末。

プライベートならともかく、職務中までそうなるのは良くないので。

意識して仏頂面をしていた所為で、顔の筋肉を傷めてしまっていた。

 

 

 

 

 

閑話休題。

 

 

 

 

 

「――――ただいま戻りました」

「おかえりなさい、ソラさん」

 

スカイランド王都。

今日の職務を終えて、自宅に戻れば。

ましろさんが温かいご飯と一緒に出迎えてくれる。

 

「今日もお疲れ様でした」

「ええ、ありがとうございます」

 

脱いだコートならぬ、外したマントを受け取ってくれるましろさん。

 

「今日はカレーですよ」

「いい匂いしてました、楽しみです!」

 

同じ屋根の下で暮らして、同じ食卓を囲んで。

かつてソラシド市でも同じことをしていたはずなのに、『夫婦』ってだけで全くの別物に感じてしまう。

ああー、マジ幸せ。

こんな贅沢、他にあるぅ?

 

「こちらの生活には慣れました?何か不便はないでしょうか?」

「大丈夫です、前からちょくちょく来ていましたし、ソラさんやハト子さんがいろいろ教えてくれるので!」

「それはよかった・・・・これからも、遠慮なく頼ってくださいね?何せ、夫婦ですから」

「ふふ、はい!」

 

――――夕飯も堪能して、部屋着に着替え終えた私は。

リビングでましろさんを膝に乗せて会話する。

どうしても私を見上げる形になるましろさんは、上目遣いだ。

うーん、かわいい。

ましろさんは、仲良くなったご近所さんの話や、最近見つけた景色や花のことなど。

ニコニコ話してくれるその顔を、私もニコニコしながら相槌を打ちつつ耳を傾ける。

 

「――――それで、ロウコさん(近所の若奥様)が見せてくれた赤ちゃんがかわいくって」

「ふふ、エルちゃんも可愛かったですよね」

「そうですねぇ、今はすっかり素敵なプリンセスになって・・・・」

 

『大きくなったなぁ』と、感慨深く呟くましろさんに。

全力で同意する。

まだまだ実年齢は10を過ぎたばかりなエルちゃんだけども。

日々のお勉強や特訓を頑張っているお陰か、順調に素敵なレディに育っている。

更に『エルさんモード』も相まって、国民人気はうなぎのぼり。

育ての親としても、一臣下としても。

鼻が高いというものだよ・・・・。

 

「――――私達の」

 

ふと、ましろさんの視線が落ちて。

 

「私達の子どもも、きっと可愛いでしょうね」

「・・・・ええ、きっと」

 

・・・・実は。

所謂『初夜』を、まだ終えていない。

ソラシド市(異世界)出身のましろさんが、こちらの生活に馴染むのを優先させたからだ。

向こうから通っていたこれまでとは違い、夫婦となったこれからは定住することになる。

当然向こうとは生活様式も全く違う中で、妊娠・出産・子育てっていう『重労働』は。

流石にさせられないべ・・・・。

 

「・・・・あの」

 

なんて考えていると、ましろさんが身じろぎしたのに気が付く。

思考から戻ってきて見下ろすと、翡翠の瞳とかち合う。

 

「結婚したし・・・・」

「・・・・ええ」

「夫婦になったし・・・・」

「・・・・ええ」

「なので・・・・」

 

身を寄せられる、手を握られる。

向けられる視線には、熱が灯っていて。

 

「そろそろ・・・・いい、と、思うんですけど・・・・!」

 

段々を顔を俯かせ、声を萎ませながらも。

はっきりと伝えてくれたのだった。

・・・・かわいい。

本ッ当に!かわいい!

恥ずかしがっているのも、期待しているのも。

信頼してくれているのも。

言葉では表現しきれないくらいに嬉しくて、かわいくて、愛しすぎる・・・・!

このままベッドまで連れて行ってしまいたい衝動が、爆発的に湧きあがる。

・・・・いやいやいやいや。

 

(落ち着け、ビークール・・・・!)

 

欲望のままに動き出しそうだった体を、なんとか制した。

・・・・お互いに大人となって、夫婦になったから。

『そう』しても問題なくはないのだけれども。

 

「――――本当に、大丈夫ですか?」

 

――――だからこそ、ぐっとこらえる。

そうして来たからこそ、ここまでの信頼を得られたのだと分かっているから。

これからも、この人にとって安心できる存在であるために。

今までのやり方を続けることにする。

 

「確かに二月も経っていますが、『まだ二月』でもあるんです。焦らなくてもいいんですよ」

「・・・・ありがとうございます」

 

本心からの言葉を伝えると。

腕の中、ましろさんの顔が綻ぶ。

 

「でも、本当にいいんです」

 

きゅ、と。

手が、握られて。

 

「ソラさんだから、いいんです」

 

『それに』、と。

ましろさんが近付いてきて。

 

「これで、出来、なくても・・・・『番』には、なりたいです」

 

・・・・言われて、思い出す。

そういえば、まだ『番』になってなかったな?

いや、今までは未成年だったり結婚前だったりで、ブレーキがかかって。

噛むには至ってなかったんだったか。

・・・・冷静に考えると、やっぱり私はヤバい奴では?

未成年に手を出すって、大人のやることじゃないよな・・・・。

 

「――――ソラさん」

 

勝手にダメージを受けている所へ。

名前を呼ばれる。

考え事から戻って目をやると、唇を奪われて。

 

「せっかく夫婦になれたんですから、ね?」

 

耳元、煽る様に囁かれた。

・・・・バックドラフト、よろしく。

収まりかけた『欲』が、火力を取り戻すどころか。

さらに激しく燃え上がって。

・・・・嗚呼、もう。

そんなことされたら・・・・!

 

「・・・・止まれませんからね」

「はい」

 

体に触れながら、念を入れて問いかけると。

どこか微笑まし気に笑いながら、頷いてくれるましろさん。

もう、限界を迎えて。

その顔に、キスを落とした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆   ◆   ◆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ひゃ・・・・!」

 

ましろの体が、半ば投げるようにしてベッドに倒された。

すかさず覆いかぶさるソラは、捕食者さながらに伴侶を見下ろす。

 

「そら、さ・・・・ッむ・・・・!」

 

そして、噛み付くようなキスをした。

口を開け、舌を差し出して。

応えるべく一生懸命開かれたましろの口回りを。

更に大きく開けた口で塞ぐ。

 

「ん、ふ・・・・っぁ・・・・!」

 

口づけの傍ら、ソラの手がましろの体を這う。

手のひらをべったりと付けたかと思えば、指先だけで撫でられる。

その抑揚が、ましろのへそ下を熱していく。

 

「ああッ・・・・!」

 

突然の水気に、体が跳ね上がった。

ちかちかする視界で胸元を見下ろせば、ソラが首筋に吸い付いている。

 

「ちゅ・・・・っじゅ・・・・!」

「ッ・・・・!」

 

あれよあれよという間に、強く吸い上げられて。

鎖骨の少し上、赤いキスマークを付けられた。

 

「・・・・脱がします」

 

囁きに、こっくり頷くましろ。

見えぬままに許可を得たソラは、裾に手をかけ。

故意にゆっくり上げて、じらしていく。

 

「ふぅッ!?・・・・ぅ・・・・ぁ・・・・!」

 

唇のみならず、鼻先や頬、首筋へのキスを止めないまま。

露になった肌を、指先で撫でていく。

すると、面白いくらいにましろの声が上ずって、一緒に体が跳ねて。

その反応を、ソラは目を細めて楽しむ。

 

「ッあ、ア、ぁあ・・・・!」

 

手の動きを変える。

指先を柔肌に滑らせ、ブラジャーの下へ。

もっちりした胸を一瞬蓄えると、背中側へ回して。

ホックを、外す。

 

「――――は」

 

そうして晒された胸は、『頂点』がすっかりしこり立っていた。

 

「は、は・・・・ふ・・・・ッは・・・・!」

 

興奮と、期待に。

ましろの吐息と視線が、熱を帯びる。

静かにほくそ笑んだソラは、『では遠慮なく』とばかりに片方にかぶりついた。

 

「ッアアアア!」

 

声が弾けて、体が反り返る。

差し出された胸を貪りながら、ソラは下腹部に手を伸ばす。

自分にだけ許された、一番大切な場所。

入り口に指を這わせて、『割れ目』に挿入すれば。

さらに跳ねるのが分かった。

 

「は、ちゅ、ちゅ、ッん、ちゅ・・・・!」

「ん、く、はふ、っ、ぁ、ちゅ、っちゅ・・・・!」

 

『割れ目』の指はそのままに、空いた片手でましろを抱き上げたソラは。

再び唇を貪り始める。

舌先を絡めては啄み、時には頬の裏や歯茎を撫でながら。

『割れ目』の刺激に跳ね上がる口内を、じっくりたっぷり味わい尽くす。

 

「っれ・・・・は・・・・ましろさん、みえますか」

 

ふと、口元に銀糸を紡ぎながら、ソラが妖艶に囁く。

 

「は、は、は・・・・ッ?」

「ほら、ここ」

 

快楽に溺れ、やや遅れて反応したましろへ。

ソラは見せつけるように指を動かして。

 

「もうこんなにぐしゃぐしゃ・・・・そんなに期待してくれてるんですね」

「――――ッ」

 

今度は熱を孕ませて囁くと、ましろの顔が爆発でもしたかのように真っ赤になった。

 

「ふふっ・・・・かわいい」

 

ほろりと零れたましろの涙を、獣のように舐め取れば。

かすかな塩味と苦味。

余韻すら逃すまいと舌なめずりをしながら、ソラは自らの部屋着に手をかけた。

指を引っかけてズボンを下ろせば。

派手なオノマトペが尽きそうな勢いでこぼれ出る、α性器(男性器)。

とある民族の言葉をして、『鳥の頭』とも称される由縁が。

よく分かる形。

 

「――――いいって言ったのは」

 

足の間に体を割り込ませ、ましろの目の前で数回しごくと。

 

「――――貴女ですよ」

 

あっと言う間に先端をあてがって、突き込んだ。

何度経験しても、慣れることは出来そうにない鈍痛が。

ましろを貫く。

 

「――――ッ!!」

 

上がった甲高い声を、両手で必死に閉じ込めながら。

ましろは体をのけ反らせる。

 

「ふ、ふぅっ、ふ、ふ、ッ、ぁ・・・・!!」

「ッ、ぅ、んぁ・・・・!」

 

快楽から逃れようと、芋虫のようにのたうち回る様を見下ろして。

さしずめ自分は、それに群がるアリかと思いながら。

ソラは腰を振りたくる。

 

「は、はぁ、ッ・・・・声、聞きたい」

「ッ、は、ぁあ、アッ・・・・!」

 

腰を掴んでい手を放して、ましろのそれと指を絡め合えば。

蓋が取れた口から、喘ぎ声が囀る。

耳を傾けたソラは、満足げに微笑むと。

腰を更に加速させた。

 

「ぅう"あ"ッ!ああっ、ッふ、ぁ・・・・!!」

「んっ、っ、あ、ア、アァッ、は、はぁっ・・・・!」

 

柔肌がうねり、息が荒くなる。

嬌声とともに肥大化していく、快感。

 

「ァ、ッア、あ、ッぅあ・・・・!?」

 

胸をいじりながら、ましろを裏返せば。

後ろから突き込む姿勢が完成。

捕らえる様に抱え込むと、一度収まってしまったピストンを再開させる。

 

「ァ、ア、あっ、は、ヤッ・・・・!」

 

止まらない『責め』、自由の利かない体勢、緩む気配のない拘束。

言いようのない背徳感と興奮に、ましろの視界がちかちか瞬いて。

 

「ッま、ぇ、ま、て、ッまって・・・・!」

 

塗りつぶされそうな恐怖に、身を縮こませながら。

ましろはか細く叫ぶ。

 

「なる、なっちゃう、おかす、かし、ッ、ぁあ、アッ、はぁっ、か、ぁ、おかし、くっ、ッぅん、なっちゃ、ァアア・・・・!」

「――――はあ」

 

逃れようとして、逆に手を握り込んで。

自分から更に捕らわれるましろの耳元で。

 

「――――なっちゃいましょ」

 

ソラの吐息が、鈍く吐き出されて。

 

「えんりょ、ッしないで・・・・一緒に、おかしくなりましょお?」

 

一瞬の隙を突いて、組んでいた手を片方放すと。

ましろの首元の髪をかき分ける。

 

「ッァあ・・・・!?」

 

吹きつけられる。

興奮しきった、湿度の高い息。

甲高い声が漏れて、腰に力が入る。

測らずとも、締め上げて。

 

「ッぁむぅ・・・・!」

「――――ッ、ゥ・・・・アアア・・・・!」

 

――――視界が、ホワイトアウトする。

音にすらならないような、か細い声が漏れていることに気付いたのは。

色とビジョンが戻って来てからだった。

 

「ぁあ、アッ、あ・・・・は、あ・・・・」

 

どくどく、と。

遠慮のない『濁流』が注ぎ込まれる。

今までの『ゴム』越しとは違う熱に、ましろは小刻みに震える。

 

「は、は、は・・・・ふ・・・・」

 

一方のソラは、余韻にしばし浸った後。

固く閉じていた目を開けて見下ろせば、ましろのうなじで自己主張する噛み跡が見えた。

――――『番(つがい)』。

行為中に、αがΩのうなじに噛みつくことで成立する関係。

Ωはこれにより、発情時に出すフェロモンが安定し。

番った相手のみを誘惑する様になる。

・・・・実に、野蛮な言い方をすると。

今この瞬間から。

ましろの全ては、ソラのものになったのだ。

 

「――――ッ」

 

そのことに気が付いたソラの胸中で。

言いようのない万能感が、爆発する。

 

「ふっ、ぅ・・・・んっ・・・・!」

「ひぁ、ま、ぇ・・・・ッまって・・・・ぁだ、まだ、イッて・・・・!」

 

興奮のままに腰を揺らせば、眼下のましろは悲鳴を上げた。

 

「す、みま、せっ・・・・むり・・・・止まれっ・・・・っな、い・・・・!」

 

いつもなら聞き入れられる『待って』だが、今回だけは余裕がなかった。

 

「ゥ、っ、ふ・・・・ましろさん、かわいく、って・・・・!」

「っは、あああッ・・・・!」

 

腰を掴み、腰を振り。

欲望のまま、思うがままに。

番となった人の体を、ひたすら味わっていく。

柔い肌も、可愛い声も。

性器で蹂躙している『秘所』も。

もう、他の誰にも奪われる事が無い。

自分だけのもの。

 

「ましろさん、ましろさん、ッましろさん・・・・!」

 

考えれば考えるほど。

歓喜と、それに負けないくらいの背徳感が這いあがって来て。

それで起爆した快感が、ソラの思考を抉り取っていく。

嗚呼、そうだ。

Ωだと判明してから、ずっと。

初めて抱いた日から、ずっと。

 

「ず、と、こー、したかった・・・・ずっ、っと・・・・こう、ぅう、ハァ、ァ、ッハ、なりた、かっ・・・・ッ、はああ・・・・!」

「は、ぁ、う・・・・んんッ・・・・ッア・・・・っ・・・・そら、さん・・・・ソラ、さん・・・・ソラさんんん・・・・!」

 

矜持も、信念も。

何もかもを。

しゃらくせぇと、かなぐり捨てる。

 

「ハァーッ、ハァーッ、ハァーッ・・・・!」

 

天を仰ぎながら。

一突き、一突き。

突き込んで。

 

「あああああああああッ・・・・!」

「ぅあああああ・・・・!」

 

――――吐精しながら。

くったりと、覆いかぶさる様に倒れ込むソラ。

はふはふと浅く呼吸するましろを、そっと腕に収めると。

静かに頭を撫でた。

 

「・・・・んっ・・・・ソラさん」

 

ソラの手のひらの温もりに、ましろは気持ちよさそうに目を伏せながら頬ずり。

猫の様だなと思いながら、ソラは唇を落としたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆   ◆   ◆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「すみません、がっつき過ぎました・・・・」

 

一通り終えてから、色々落ち着いて冷静になってみれば。

もう、謝るしかないことを色々やらかしていることに気が付いて。

顔を手で覆ってしまう。

いや、ほんと・・・・。

私ったら何してんの・・・・。

ああ、『ナニ』か。

って、やかましいわ!!

 

「あはは、わたしは気にしてませんよ」

 

隣で横たわるましろさんは、寛大にもほがらかな笑みを向けてくれる。

 

「むしろ嬉しいくらいなのに・・・・そんなに落ち込まれると、ちょっと寂しいです」

「ましろさん・・・・」

 

ううう・・・・その優しさが、今は潮水みてぇに染みる・・・・。

徹頭徹尾、勝手にダメージ受けてるだけなのもまた。

自分の滑稽さを晒している様で・・・・。

 

「ふふふっ・・・・」

 

一人で悶々と考えているのが顔に出たのか、どこか楽しそうに笑ったましろさんは。

私の胸元に顔をうずめると、猫みたいにおでこをぐりぐりこすりつけてくる。

うーん、かわいい(確信)

なんて、呑気に考えていると。

 

「・・・・名前」

 

ましろさんが呟いたのが聞こえた。

 

「ましろさん?」

「あ、その・・・・子供の名前、何がいいかなぁって・・・・」

 

『気が速すぎました』と、腕の中で照れくさそうな顔。

・・・・まあ、確かに。

『授かりもの』なんて言うくらいだし、確率は高くても今回で出来ると断言出来ないのも事実だ。

父母ともに問題なくても、出来ない人は本当に出来ないしね・・・・。

・・・・それはそうと。

 

「・・・・いえ」

 

ぎゅう、と。

愛しさのままに抱きしめて。

 

「・・・・一緒に考えましょう」

「・・・・はいっ」

 

するりと、ましろさんのお腹を撫でながら。

耳元で囁く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――そっと握り合う手の間に。

もう一つ、ちいちゃな手が加わるのは。

もう少しだけ、先の話だ。




蛇足のおまけ

ロウコさん
近所の若奥様、クシザスから嫁入りしてきた。
結婚5年目の人族。
ほぼほぼ同じ境遇のましろを気にかけてくれている。
最近第一子が誕生した。
ネーミングはうろこ雲。
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