今回はモンハンネタ。新作の新モンスター、チャタカブラが可愛かったんで早速書きました。
村一番の美人凄腕ハンターさん。
突然チャタカブラと融合して、宴会で好き放題し始めちゃってさあ大変!

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凄腕ハンター、モンスターと融合して宴会で大騒ぎ!

「さて、と」

 一人の女性ハンターが落ち着いた様子で食事をしている。

「あ、カミツグさん! おはようございます!」

 他のハンターが声をかけつつ、近くの席に座り。

「あら、おはよう。ええっと、タケルは今日……ティガレックスの狩猟だったかしら」

「え、ええ。雪山では何度かやり合ったことがあるんすけど、砂漠らしくって今回」

「それは大変ね。どうする? 何かアドバイス、しておこうかしら?」

 いかにもまだ未熟といったタケルに、落ち着いた様子で話すカミツグ。

 長い銀色の髪がなびき、その美しさを際立てていた。

「あっ、いいんすか!? よろしくっす!」

 食事をしつつも、タケルは大先輩のアドバイスを遠慮なく仰ぐ。

「まずは持って行くドリンクね。私も昔よくやっちゃったんだけど、雪山で見たモンスターってイメージのせいで……砂漠なのにホットドリンクを持っていっちゃったことがあってね」

「あ、いけね……さっき準備してた時、間違えて入れちゃってたかも!?」

 少し冗談めいた物言いで和ませつつも、基本のキの字から説明していく。

 彼女はこの村一番のハンター。

 最近は後継者も増えたため、連日の出撃は減ってきたものの……いざという時、一番頼りになるのはやはりこのカミツグなのだ。

 タケルにしっかりとアドバイスを済ませ、食事を再開するカミツグ。

 ところが多くの後輩ハンターが挨拶に来たり、助言を求めたり……

 予定がある時はほぼ食堂にいないため、逆にいる時は時間があるというのをみんな知っているのだ。

 せっかくの食事の時間と言いたいところなのだが、なかなか食べさせてもらえない。

 それでもカミツグは嫌な顔一つすることなく、それどころか積極的にコミュニケーションを取っていく。

 狩猟に行く彼らと会話をして、見送って。

 一息ついた時には、もう一時間は経過しているのだった。

「今日もみんな、大変ねぇ。私も久々に遠征しようかしら」

 大好物のポポサンドに小さくかぶりつき、食事再開。

 ……の、はずだったのだが。

「え、えっと、すいませんニャ」

 やってきたのは一匹のアイルー。

「あら、あなたはデモント博士の所の……どうしたのかしら?」

「ちょ、ちょっと博士がえらい事になっちゃったニャ、ご飯の後で来て欲しいんだニャ」

「えらい事って、どうしたの? すぐに行くわ」

 席を立とうとするカミツグなのだが、それをアイルーが止める。

「ニャニャ、博士の方もちょっと落ち着きたいから、ご飯食べてるなら先に食べ終わってからにして欲しいニャ。僕、待ってるニャ」

 緊急事態の使いをよこしておきながら、どうも言っていることが噛み合っていない。

 とはいえ、アイルーがそう言う以上仕方がない。

 カミツグは再び、サンドイッチに手を伸ばす。

 急いで食べようにも、大きなそれを一気食いするのはなかなか大変で……

 結局、アイルーと共に博士の元に向かったのは十分後の事なのであった。

 

「よ、よく来てくれたギャア、ちょ、ちょっと大変なんだギャァ!」

 もちろん、カミツグは挨拶をしようとしたのだが……事態の異様さに、目を丸くしてしまう。

 歴戦のハンターでさえ、絶句してしまう出来事。それは……

「ええっと、お、恐らく昨日の試作薬の影響で、ギャァっ、わ、ワシ、ランポスと、くっついちゃった、ギャァ!」

 なんと、目の前にいるのは言うならばランポス人間。

 ランポスフェイクでも装備しているかのような、しかしながらそれが肉体としてしっかり動いている生き物が目の前で騒いでいるのである。

「は、博士、待ってください。昨日の試作薬って、もしかして……私と一緒に飲んだあれですか?」

「そ、そうじゃ、ギャアギャア、思い当たる要素が、ワシにもそれしかないんギャァ!」

 ランポスの鳴き声まじりに喋りつつ、軽くピョンピョンと飛び跳ねている。

 本来の博士は腰が曲がり、足取りも弱々しく声も小さかったのだが……彼の言う融合によって、すっかり若返ってしまったようなのである。

「えっ、じゃ、じゃあ、私も、そうなってしまう可能性があるって事です!?」

「ま、待て、落ち着くギャッ、ギャァ、なんでも融合するわけじゃなくてな、ギャオっ、ギャァ〜!」

 まず落ち着くのは博士なのだが、ランポスと融合している今どうしようもないのだろう。

 カミツグはそこを指摘するのも不粋と、黙って話を聞く。

「た、例えば、加熱した肉とかは、問題ないはずじゃ、だったらワシ、ギャオっ、モスとくっついとるはずじゃし、と、となると、皮革とか、怪しい、ギャオっ、ギャオオ!」

「つまり……博士がランポス革の物に触れたら、そうなってしまったわけですね?」

「そう、そうなんじゃ、ギャオ、腹減ったギャオ〜! こ、こりゃ、ワシがまだ喋っとるんじゃ、ギャオギャオッ、じゃ、じゃから、お主が例えばババコンガの毛皮に触れると、大変なんじゃな、ギャォオオ!」

「じゃ、じゃあ、狩猟もできないじゃないですか!? うっかりモンスターそのものに触れたら……」

「ギャオっ、そ、それで呼んだんじゃ、ギャオギャオォ〜! こ、この薬を飲めば、ワシが知る限りのモンスターとの融合が防げるはず、なんか食いたいギャオ! い、いい加減にせんか、ギャオ! 完全な解決にはならんギャオ、ケルピー人間になるとかは防げるギャオ、ケルピー食べたいギャオ、く、くぅ、こいつ!」

 言われるがまま、カミツグは薬を一気に飲み干す。

 それで本当に効果があるか分からないが……薬瓶を机に置いた、次の瞬間。

「ほいっ」

「わっ」

 何かを投げつけられ、咄嗟にキャッチすると……それはナルガクルガの革。

「ギャオ、大丈夫ギャオね」

「は、博士、大丈夫じゃなかったら大変でしたよ!?」

 とはいえ融合しなかったので、大した技術である。

「ギャオ、すまんすまん、でも今試さないと、ギャオぉお、腹ペコギャオぉお!」

 少しホッとしたカミツグは、改めて疑問を博士に投げかける。

「博士、喋り方を聞いているとランポスの人格が同居しているみたいですけれど」

「う、うむ、最初はやばかったんじゃがな、まあ所詮ランポスギャ、所詮って言うギャッ! 低級の竜の精神なら、なんとかなるわい、ま、まあ、もっと大型だったり気が荒かったりすると、ドスランポスのアニキなら勝てるかもギャ! か、勝つとか言うでない!」

 つまり、融合のはずみにその肉体の本来の持ち主の精神も宿ってしまうようなのだが……幸いにも一方的に塗りつぶされることはないと言うことである。

 乱暴ではあるが実験により合体の心配は無くなったカミツグ。

 念の為融合防御薬をいくつかもらい、博士の分離に必要そうな素材をメモし。

 なんとか調達できるよう約束して、元気に飛び跳ね鳴いている博士に挨拶して部屋を出るのであった。

「……とは言え、この薬が無かったら大変だったわね。もしかするとお使いのアイルーとくっついていた可能性もあるわけだし」

 ギルド内を見渡してみる。

 竜の敷物があれば、建材に大きな牙が使われていたりする。

 どれに触れても融合してしまう、となれば……もはや手袋をして、肌の露出を無くした服装をするしかない。

 無論、それだって皮革などが使われていればくっつく可能性があったのだ。

 博士の試作薬が原因とはいえ……しっかりとリカバリーしてくれた彼に改めて感謝する。

 あまりこの事を話して、周囲を心配させても仕方がない。

 カミツグは必要以上にモンスター素材に触れないようにしつつ、オフの休日を過ごす事にした。

 下手に外に出回ったりしなければ、事故が起きるはずもなく。

 何もせずにのんびりするかな、と書物を開いたその時であった。

「カミツグさん、いらっしゃいますかー!?」

 自宅のドアをノックする音。

「はーい」

 何事かと身構えるが、向こうにいたのは嬉しそうな村人。

「あ、よかったよかった! 一ヶ月前に遠征に行ってたハンターたちが無事に戻ってきたんですよ! それで今晩、祝いの大宴会をする事になりまして。カミツグさん、どうされます? と言っても、もちろん参加、しますよね!」

「あっ、今日戻ってきたんですか!? ええ、私も参加させていただきます。ああ良かった、今回はかなり難しい遠征と聞いていましたから……」

 かなりの朗報に、カミツグもパッと顔が明るくなる。

「ですです、新大陸に挑戦するという難しい物だと聞いていましたから……一人も欠けずに戻ってきたんですもの、今日は村中のご馳走と酒を振る舞いますよ!」

「素晴らしいですわ、私も楽しみにさせていただきます!」

 ややこしい事態になって少し凹んでいたものの、それを上回る嬉しい事が起きてカミツグもウキウキしてしまう。

「よしよし、村の代表ハンターのカミツグさんがいらっしゃるなら箔もつくってもんです! ではでは、宴の準備ができましたらお呼びしますね!」

「はい、お待ちしております!」

 カミツグ自身はそんなにたくさん食べるわけでもなく、酒に強いわけでもない。

 それでも色んな人が喜び、楽しんでいるのは見ていて楽しく……

「うふふ、今日も団長が飲みすぎちゃってみんなを困らせちゃうのかしら」

 まだ昼になったばかりだというのに夜の宴が楽しみで仕方ないカミツグ。

 今日のゴタゴタも全て頭から吹き飛び、子供のようにウキウキして過ごすのであった。

 

 

「「「かんぱーい!!!!!」」」

 大きなジョッキに酒が注がれ、色とりどりのご馳走が山のようにテーブルに並ぶ。

「いやあ、カミツグさんの指導のおかげで無事に帰ってこれましたよ!」

「いえいえ、みんなあなた達の実力ですよ。すごいわね、全員無事だなんて」

 遠征隊員に囲まれ、村の人たちに囲まれ。

 自分だけ小さなグラスで酒を飲んでいるのが少し気になってしまうが、すぐに酔い潰れてしまう以上仕方ない。

 月明かりが照らす下で、松明や焚き火で明るくなった広場が賑やかに盛り上がっている。

「あっ、カミツグさん! 出来立てのポポサンド、持ってきましたよー!」

「あら、ありがとう! いいのかしら、私、遠征してたわけじゃないのに」

「いいんですって姐さん! 俺たちみんな姐さんの弟子みたいなもんなんですから!」

 同意の笑い声が響き、宴はますます盛り上がり。

「さあ皆様、盛り上がっている最中ですが……ここで我らがカミツグさんに前に来ていただきましょう!」

「え、え!?」

 焼きたてできたてのポポサンドを一口齧ったばかりなのに、急に振られて変な声を上げてしまう。

 全く聞かされていなかったのだから仕方ない。

 キョロキョロと周囲を見ると……どうもサプライズだったらしく、全員がニコニコとこちらを見ている。

「もう、みなさん人が悪いんですからぁ!」

 ちょっと拗ねた顔をしつつも、ノリノリで移動。

 ここにも多くの食べ物や飲み物が置かれており、遠征隊の団長が得意げな顔で待ち構えていた。

「カミツグさん、この度の遠征の結果を報告させていただきます!」

「はい、この村のハンター代表カミツグ、聞かせていただきます」

「この度、我ら第四十八遠征隊はあなた様の指導により無事任務を成功させる事ができました!」

「第四十八遠征隊、任務御苦労でした。ひとえに隊員全員の技量と勇気のおかげであり、全員の団結に敬意を表します!」

 そのお言葉に、一段と宴のボルテージが上がる。

「ありがたきお言葉! そこで感謝の気持ちとしまして、我々から贈り物がございます! これをお受け取りください!」

 やや大ぶりの箱が取り出され、カミツグの前に置かれる。

「えっ、そんな、いいのかしら? どれどれ、何かしら」

 ゴソゴソと開けてみると、しっかりと作り込まれた武器ケース。

 カミツグお得意の、双剣用の物であった。

「わぁ、素敵ね!」

 それを手に取り、持ち上げて全員に見せる。

「今回の遠征で我々が新しく発見した新種のモンスター、チャタカブラの革で作った武器ケースでございます!」

「へぇ、新種のモンスター……え? 新種?」

 そのワードに何かを感じ、繰り返し呟いたその次の瞬間であった。

 武器ケースがあっという間にカミツグの体内に溶け込み、一気に体が膨張を始める。

 全員の視線が集まる中、みるみるうちに変化していく肉体。

 グラマーだったボディラインは一気に寸胴になり、それに追従するように手足が丸太のように太くなっていく。

 肘から先がまるでおろし器のように大きな棘がいくつか生じ、肌全体が硬質化していき。

 きょとんとしていた美人の顔がむくむくと膨れ上がり、ゴツゴツとしていく。

 鼻の穴が前に突出しながら離れていき、そして大きくなり。

 可愛らしい目はどこか荒々しくなり、小さな角のような突起が髪から飛び出し。

 鼻孔が大きく動きながら蒸気のような吐息を放出するとともに……恐ろしく長く、粘液まみれの舌がぬるりと口から飛び出した。

「ガッタぃいいい、合体っっっ!!!! カミツグ、チャタカブラ、私がオデと一つになって、今日から、オデ、私、カミツカブラ、ブォオオおおおおん!!!!」

 歓声が一点、悲鳴に変わる。

 突然村一番のハンターが、3mはあろうモンスター人間に変貌してしまったのだから!

「ウヘ、ウヘヘェ、ご馳走、ご馳走、飯、飯ぃ、食い物、いっぱいあるぞぉ、食べたい食べたい、食っちゃうわよぉ♡」

 舌なめずりをして、ドロドロの粘液涎を垂らして。

 それを頑強そうな腕で拭き取るなり、テーブルの上を思い切り滑らせる。

 盛られていた料理達は吹き飛ぶ……と思われたのだが、実際はそうならなかった。

 なんと付着していた粘液によって、盛りだくさんのご馳走は融合体の腕にしっかりとへばりついていたのである!

 たくさんの果実、豪華な肉料理、カラフルな野菜料理。

「ウヘ、ウヘェ、ゼェ〜んぶ、これ、私の、私の、いただきまぁ〜す♡」

 元々の姿からは想像できないほどの大口を開け、腕についたご馳走をどんどん削ぎ取っていく。

「んま、んま、オデ、オデぇ、私だからぁ、こぉんな美味しいのぉ、いくら食べても、いいのよぉ、いいんだぞぉ、もっともっと、うま、うまぁ、おいしぃわぁ〜ん♡」

 うっとりとしている声を出してはいるが、いかついモンスターそのものになった顔では表情など分からない。

 部位によっては元の肌色が残っているせいで、合体人間カミツカブラの奇妙さは目立つばかり。

「ちょ、ちょっと、カミツグさん!?」

 変貌し、暴走し始めた先輩を止めようと勇敢なハンターが声をかける。

「なによぉ〜、今オデ、オデ、ご馳走いぃ〜っぱい食べてるのよぉ、用事なら、早く言えよぉ、ブフ、ブフゥ」

 優しい雰囲気はどこへやら。

 自分の欲求が最優先となっており、後輩の事など見向きもしない。

「み、みんなのご馳走なんですから、ひ、独り占めはやめましょうよ!?」

 あくまでも先輩に対して、カミツグに対して呼びかけるのだが。

「いやよぉ〜、みんな言ったただろぉ、成功したのぉ、私のおかげってぇ、じゃあ、じゃあ。ぜぇ〜んぶオデが食べちゃっても、いい、いいんだぞぉ、ああ、いっぱい食べるってぇ、幸せだぞぉ、人間のご馳走、最高よぉ♡」

 取り付く島もない。

 巨体で上からじろり、と一瞥したものの、すぐに食事を再開する。

 腕で絡めとったご馳走を満喫した後、次の獲物をギョロギョロと探す。

「あっ、そうだわぁ〜、オデの大好物ぅ、食べかけだったわねぇ♡」

 カミツグが元々いた席に残されていた、一口だけ齧ったポポサンド。

 片手でつまみ上げ、一口で頬張って。

「ブフゥ、ブフゥ、オデ、オデ、やっぱり、これぇ、私、だぁ〜い好きぃ、美味しいわぁ〜♡ ねぇ、ねぇ、もっとおかわり、欲しい、欲しいぞぉ、用意しなさい、よぉ〜♡」

 融合しても好みは変わらないのか、ポポサンドに舌鼓を打っている。

 そのままキッチン担当を見下ろしながら、おかわりを要求。

 本人にそういう意図はないのだろうが……大きなモンスター人間が涎を垂らしつつ、見下ろしながら要求してくるのである。

 もし断ったなら自分が食べられてしまうかもしれない……そんな恐怖で、キッチン担当は逆らうに逆らえない。

 ポポ肉を焼き始めた匂いに鼻をひくつかせ、嬉しそうに低い声を鳴らし。

「ウヒ、ウヒ、色んなご馳走食べたらぁ、オデ、オデ、喉、乾いちゃったわぁ、ウヘ、ウヘヘェ、私、すっごくなってるからぁ、お酒、お酒、強いかも、しれないぞぉ♡」

 酒が並々と注がれた樽が並んでいるのを見つけ、興奮した様子で鼻息を漏らす。

 よほど出来立てをすぐ食べたいのか……一歩も動く事なく、長い舌を利用して樽を一つ拝借する。

「うふふ、ぐふふぅ、酒、酒ぇ、初めて、こぉんなにいっぱい飲んじゃうぞぉ、うふぅ♡」

 舌で樽を持ったまま、顔を上に向け。

 樽を傾け、中身を一気に口内に注ぎ込む。

「うめ、うめ、おいしぃ、うめぇ〜♡ 人間、人間、さいこぉ、私ぃ、モンスター、混ざってぇ、嬉しい、ぞぉ♡」

 量を楽しめなかった酒も、まるで平気。

 融合体カミツカブラは自分の腹に酒が貯まる感覚に酔いながら、次々と樽に舌を伸ばしていく。

 村人全員でも飲み干せるかどうか怪しい量だったはずなのだが……ぐびぐび、グイグイと止まることを知らずカミツカブラは干していく。

 美しいはずの銀髪も、よだれと酒まみれになってしまいぐしゃぐしゃに。

 融合して大きくなった分増えているせいで、ますます汚らしく見えてしまう。

「は、はい、ポポサンド出来上がりました!」

 気を利かせ、いっぺんに十個のポポサンドが差し出される。

「わぁ、わぁ、ありがとう、嬉しいぜぇ、オデ、オデ、お前の作る、ポポサンド、大好きよぉ〜♡」

 つまんで口に放り込み一飲み、すぐさま次をポイと投げ込みごっくん。

 早食い自慢のハンターでも十個は大変な量なのだが、モンスター人間であるカミツカブラにはスナック感覚らしい。

「ブフゥ、ブフゥ、酒によく合うわぁ〜、オデ、もっと食べたい、私のためにぃ、もっと作れよぉ、早く早くぅ、食べたい食いたぁ〜い♡」

 わずかに顔を赤らめつつ、二分後にはおかわりを要求する。

 キッチン担当はかわいそうに青ざめた顔をしながら……すぐさま、量産を再開するのだった。

「あぁ〜、もっと色々食べたいわぁ〜、全部全部食べちゃうわよぉ、オデ、料理、ぜぇ〜んぶ私の、ブフゥ、ブフゥ!」

 タポタポと音がする腹を満足げにさすりながら、次の食事を品定め。

 動こうと足を持ち上げたその時……

「ん」

 何かに気づき、舌を地面に走らせる。

「ちょっとぉ〜、誰よぉ、ここにシビレ罠置いたのぉ。私が踏んだら、危ないだろぉ、ちゃんとしまっておきなさいよぉ〜」

 そう、暴走するカミツグ……もとい、カミツカブラを止めようとこっそり罠を仕掛けていたのだが……モンスター人間化してもさすがは凄腕ハンター。

 一瞬で存在を見抜き、いとも簡単に無力化してしまったのである。

 遠くから様子を伺っていたハンターたちは驚いてしまい、どうすればいいか悩んでしまう。

 彼女は「自分を拘束するために仕掛けていた」とは思っておらず……いきなり暴れ出すことはしなかったのは幸い、なのかもしれない。

 本物ほど大きくはないものの、モンスターの性能を持ち、村一番の知識と経験を持つハンターに敵意を向けられてどうにかできる者はいないであろう。

「ブフゥ、これ、これ、さっき食って、美味しかったのよねぇ、あぁ〜、もっともっとぉ、私ぃ、美味しいもの食べてぇ、オデ、オデぇ、お酒いっぱい飲みたぁ〜い♡」

 楽しい宴のはずが一転、突如誕生したモンスター人間によって大惨事。

 ただ一人、姿が変わり果てたカミツグだけが……変わらず、食の楽しみを満喫し続けるのであった。

 

 

「あぁ〜、いいっ、いいっ、おっぱい、おっぱい、たまんないわぁ、ブフゥ、ブフぅうう♡♡♡」

 カミツグの自宅。

 その中で窮屈そうに身を収めつつも、カミツカブラは己の肉体に夢中になっていた。

 食欲を完全に満たした今……彼女の最大の欲望は性欲にシフトしてしまったわけである。

「んっ、おっ、私のぉ、舌でオデのおっぱいぃ、いいわぁ、すげぇぞぉ〜、もっと、もっとぉ、おおっ、そこ、そこぉ、乳首、いぃ〜ん♡♡♡」

 低く大きな声で喘いでいるのもあり、家全体がギシギシと揺れる。

 集めていた書物や資料もどんどん床に落ちていくが、今の彼女にはどうだっていいものだ。

「んっ、ブフゥ、こうなっちゃってぇ、こうなっちゃってぇ、最高、最高、ぉおおおおん♡♡♡」

 博士とは違い、人格が完璧に接続されてしまっているカミツグとチャタカブラ。

 どうやら大型モンスターの強い自我が入り込んだ際、彼女の感じていた「食の細さ」や「酒の弱さ」といったコンプレックスと結びついてしまい……全ての劣等感を解決する肉体になった際に、かなりすんなりとモンスターとハンターの精神がくっついてしまったようなのである。

 一度繋がった以上、早々戻るはずもなく。

 カミツグとしての知能や地位を手に入れたチャタカブラの精神が離れようとするわけもなく、沢山の食事・沢山の酒に溺れる快感を知ってしまったカミツグの心が元に戻ろうと積極的になれるわけもなく。

「合体、がったぁあああい、すごぉい、いいわぁ、オデってぇ、私ぃ、私よぉ〜、もう、もぉ、ずうっと、私ってぇ、オデぇ、ウヘ、ウヘヘェ、おっぱぁい、あっ、あっ、私ぃ、私、モンスターなのにぃ、人間オナニー、さいこぉ、さいこぉ、でもでもぉ、体ぁ、舌、ブフ、うふふぅ、人間じゃないのにぃ、でもオデ、人間よぉ、私、モンスター人間だから、いいんだぞぉ、いいわぁ、んっ、あっ、あぁ〜ん♡♡♡」

 ハンターとして、先輩としてしっかりしていた分蓄えられていた欲望がとめどなく溢れ出し、合体人間カミツカブラの暴走を支え続ける。

 たらふく食べたばかり、そして強靭な肉体と再生力。

 ちょっとやそっとの自慰程度で参るヤワな存在ではないのである。

「んふ、んっふぅ、オデ、私もぉ、ドッキドキ、ムラムラ、興奮、興奮、しちゃう、しちゃう、わぁ〜♡」

 壁が倒れんばかりの息を鼻から漏らしつつ、大股開きの股間を撫でまわす。

 愛用していたお気に入りのインナーはもはやただの布切れ、宴会会場に無惨に打ち捨てられ。

 全裸でも一向に気にしていない彼女の股間の割れ目から……徐々に大きな陰茎が姿を現し始めた。

「んっふぅ、うふふぅ、私ぃ、私ぃ、オス、オス、オデぇ、女だけどぉ、おちんぽぉ、いいわぁ〜、結婚とか、考えてなかったけどぉ、私ってぇ、オデと結婚、おっぱいおちんぽどっちもオデのぉ♡」

 なんと、融合したチャタカブラはオスだったようだ。

 いわばふたなりとなった融合体は両性の特徴にますます興奮し、自分自身に恋のような感情を抱いてしまい。

「オデ、オデぇ、私大好きぃ、んふ、私ぃ、ポポサンドぐらいぃ、私ぃ、好きだわぁ、愛してるぞぉ、ずっと一緒よぉ、オデ、私なのよォオオお、おちんぽ、おちんぽぉ、グヒ、うふ、もっともっとぉ、好きにしてぇ、好きにするぞぉ、おっ、おっ、おっ、おっ、ぉぉォオオおお♡♡♡」

 ネバネバのよだれがどんどん口からこぼれ、逸物にベトベトかかっていく。

 それが粘度の高いローションのようになり、手の動きに追従し。

 男根が複雑な刺激を受け、それが一層カミツカブラの心を、体を悦ばせる。

「んふ、んっ、あっ、おっ、そこ、そこぉ、いい、いいわぁああ、オデ、オデの気持ちいい所ぉ、私が気持ちいい所ぉ、私ってもうオデなんだからぁ、オデの考え、私でぇ、私の感じている事ってぇ、オデも感じてるんだぞぉ、だからぁ、だからぁ、私ぃ、いまぁ、もう、ずうっとこのままでいたいからぁ、オデも、オデもぉ、一生、ずぅ〜っとくっついていたいわぁ〜ん、永遠に、オデと私、合体、合体、カミツカブラなのよぉ、カミツカブラなんだぞぉ、私って、オデなんだぞぉ、おっ、おおっ、いいっ、いいっ、くっついちゃったの、気持ち、いいわぁ、私、嬉しい、ぞぉ〜ん、ぬふ、ブフ、ブフふぅ、ぅんっ♡」

 暴走し、過熱した感情すらも合体ボディは受け止める。

 人間のような胸、モンスターそのもののペニス。

 二つが同調し、激しく弄られ、融合した二人は一つの心になったままどんどん絶頂へと近づいていき。

「あっ、おんっ、ォオオんっ、オナニー、オナニー、いい、いいわぁっ、私、私ぃ、毎日しちゃいたいぞぉ、ブフ、うふふ、セックスなんかよりぃ、オデとぉ、私とぉ、一緒にぃ、一緒のぉ、体、体ぁ、いじってぇ、おっぱい揉み揉みしてぇ、あんっ、あぁ、最高、さいこぉ、乳首ぃ、もっとモッとぉ、あぁ〜、たまらないわぁ、おちんぽ、おちんぽぉ、自分で扱いた方がぁ、なんか、なんかぁ、交尾より、いい、いいわぁ〜、合体オナニー、最高、最高、もう、もう、オデと私でぇ、ずうっとエッチぃ、しちゃう、しちゃぅうう、いっぱいしちゃうううう、あっ、あっ、おっ、おっ、出る、でルゥ、人間モンスター、くっついちゃってるのにぃ、オデの私のぉ、あっ、あっ、あっ、あっ、イく、イくぅ、うぅううん、ぅううううん、んんんンン♡♡♡♡♡♡」

 まるでボイラーのように激しく鼻息を噴き出しながら、同時に精通をしてしまう。

 粘液に負けないほどのドロドロの白濁液がどっく、どっくと尿道を通っていき……

 一度も触られていない膣が物欲しそうにきゅうきゅうと収縮し、その刺激でますます頭がパチパチとしていく。

「あっ、あっ、あっ♡」

 人間なのに、モンスターなのに、オスなのに、女性なのに。

 どちらかのままだと絶対に味わうことのなかった贅沢な快楽が、二人の絆をますます強固な物にしていく。

 カミツグはもうチャタカブラであり、チャタカブラはもうカミツグであり。

 お互いがお互いになった結果、二人は完全に一つの存在・カミツカブラなのである。

「ブフゥ、ふぅ……」

 激しい射精が終わり、満足げに一息つくカミツカブラ。

 ところが不思議な事に、部屋に精液が散った形跡がない。

「あれ、オデ、あんなに、出した感覚があるのにどうして、あっ、うへ、うへへぇ♡」

 不思議に思って下を見ると……

 なんと、粘液が精液をしっかり包み込み、ぱんぱんになったコンドームのように垂れ下がっているではないか!

 偶然にも新鮮なザーメンは空気に触れる事なく、粘液製の風船の中に封じ込められていたのである!

「そっか、そっかぁ、料理とかくっついちゃうくらいだしぃ、シコシコして水分飛んでぇ、もっと丈夫になってぇ、ウヒ、ぐふ、いいこと、考えちゃったぁ、一回絶頂したら、腹、減っちゃったしぃ♡」

 ご自慢の舌がぬるりと伸び、慎重に精液風船を亀頭から取り除く。

 逸物に舌が触れ、その感覚で少し脳が焼け。

「いっただっき、まぁ〜す♡♡♡」

 躊躇する事なく……大きな口の中に、タンパク質たっぷりの液体が入っていき。

 噛まれた拍子に、口の中いっぱいに精液が広がって。

「んっ、いいっ、いいわぁ、んふ♡」

 白濁液まみれの涎を垂らしつつ、自分の特濃エキスを余さず満喫。

 自分自身は完全に一つになったのだという喜びと共に……完全融合体カミツカブラは、自らの融合遺伝子液を味わうのだった。

「んふ、お次は、オデの、おまんこ、いっぱい気持ちよく、なっちゃう、なっちゃうぅうう♡」

 勃起を再び始めたナニをニヤニヤと見つめつつ、その後ろへと手をやる。

 入り口に触れた途端、鮮烈な刺激が体を走り。

「んっ、いいっ、いいっ、合体、融合、一緒、幸せ、幸せぇ、私、私ぃ、オデになってぇ、オデと一緒でぇ、カミツ、カブラでぇ、最高、さいこぉ、合体最高ぅうううううう♡♡♡」

 メスとしての幸福感に、一段と大きな声が漏れる。

 むわりとしたすけべな匂いと嬌声が止まない村の上、静かに月が祝福するかのように輝き続けているのであった。

 

 

 おしまい


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