テスト用\(^o^)/
pixivにのせたやつです。
全くもってシリアスはたまりません。
リーマンパロディで、藤田麻衣子さんの写真のそのままです。
テレビの光が暗い部屋をわずかに照らす。
僕はテレビをみるわけでもなく、ただボーッとベットの上で ”恋人”がシャワーを浴びる音を聞いていた。
テーブルの上には、彼が吸ったタバコの吸い殻がこじんまりと転がっている。
開いた窓からは、国道一号線が見下ろせる。
いわばスイートホテルというものだろうか。
性急に連れ込まれた体だから、ここがどこなのかよく把握できないが
多分いつものようにラブホテルではなくて、ビジネスホテルかスイートホテルなのだろう。
ラブホテルを嫌うあの人らしいといえばあの人らしい。
恋人である彼と出会ったのは丁度半年ほど前のことだった。
就活がうまくいかず、最後の頼みで受けた面接に見事合格し、僕は千葉の実家からすこし離れた経営会社に転がり込むことができた。
彼は、その会社で部長に値するー
いわば僕の上司である。
彼は最初の印象では常にイライラしていて、怖い人だと思った。
ささいなミスで怒鳴るし、ボケナスと罵倒された回数は知れず…
噂によればヤンキーあがりらしいが、たしかになと納得できる。
彼の名前は、その荒々しい外見にふさわしい
荒北靖友、といった。
そんな彼の印象が変わったのは、一ヶ月前。
その日はかなり忙しく、昼食もとる暇もなく、取り引き先の会社へ回っては会社にもどって報告して、また取り引き先へ回って…この繰り返しで、やっと終わったと思ったら部長から「話したいことがあるからァ 、第二会議室に来て」
たった二行のメールなのに、僕は一瞬にして肝が冷めた。
なにかミスでもしてしまったのだろうか?
あるいは部長の気に障ることをしてしまったのだろうか?
僕は、会議室まで向かう時間、不安で不安で仕方がなかった。
しかし、その予想ははるかに的を外したものだった。
『…え?』
『だからねェ、小野田チャン。
俺さ、小野田チャンのこと好き…だからァ、付き合ってくんねェ?』
照れ臭そうに、でもたしかにそう言った。
僕はイマイチその言葉の意味がよくわからなくて、部長が頭を掻く様子を呆然と見上げていた。
結局、部長からの告白は断った。
だって男同士だし。
それに、彼のことは…怖い存在だった。
逃げる形だが、この告白はきっとなかったことになる。
自分で、そういいきかせて、高鳴る鼓動を抑え込んだ。
その日は九時ごろに帰宅した。
つかれきった僕の顔を見て、母はかなり驚いていたが、何もないと言って回避した。
部長からまた新たなメールが届いていることに気づいたのはその翌朝のことだった。
『一回じゃあきらめねぇから』
僕はそのメールには返信をせず、会社へと向かうことにした。
会社に向かうべく電車に乗り、目的の駅へと着く。
定期をかざし、改札を出た先に立っていた人物に、思わず持っていた定期を落とした。
『おはよう、小野田チャン。 てっきり休むかとおもってたヨ』
『…お、おはようございますっ 荒北部長!きょ、今日もいい天気ですね!』
『…おう。 』
『ぶっ、部長もこの駅だったんですね!僕てっきり車かとおもってました!』
あ、あきらかに動揺してるのがばれる…!
そうおもって目をつむった瞬間、
部長の口が僕の耳へと寄せられて
『ちょっとは考えてくれたァ? 俺さ、しつこいからネ』
低く、そう囁かれた。
それからというものの、彼をみていくうち、彼の魅力に気づくのも、彼に堕ちていくのもそう時間の掛からなかった。
彼は誰よりも人のことを考えていて、どうすれば皆が過ごしやすくなるか、と常に考えていること。
本当の実力というもので、若くして部長の座にたったこと。
みればみるほど、カッコいいと、僕は思った。
同じ部署内でも密かに荒北部長は人気があるらしく、可愛らしい女の子たちが『荒北部長て、厳しいけどかわいいよねー!』などと騒ぎ立てているのを聞いて、無性にイライラしたのを覚えている。
このイライラがなんなのかは、古くからの友人、鳴子に恋だと指摘されるまで決して気づかなかっただろう。
恋だと知ったら、あとは早かった。
荒北部長にたいしての態度だとか、ふたりきりになるときの緊張具合とかで、あっさりとばれてしまい、
そして長い経過を経て今に至る。
身体は何度も重ねてきた。
お互いのことだって知ってきた。
だけど荒北部長には、ある一線を置かれてる気がする。
たとえば、携帯は絶対に開くな、だとか。
事情があり家には上がらせられないだとか。
情事後は必ず、どこかに電話をしているところだとか。
最初のほうこそ忙しそうだし、仕方がないか、と自分を落ち着かせていたが、さみしいものはさみしい。
「はぁ… あ。」
ふと、視界を過ったのは無造作に置いてある彼の黒いカバンだ。
なんの変哲もない黒い革の、勤務用の鞄。
だけど僕にはそれがとても魅力をかんじるものにみえた。
(だ、だめだ…!勝手に人のものなんか.…!)
でも。
僕は、このモヤモヤを抑えることはできなくて。
あとで後悔することなんか知らず、
震える手で鞄へと手を伸ばす。
鞄の中には、彼の愛用する万年筆、眼鏡、タバコ、手帳、革の張った財布、そして…携帯。
人のものを勝手にみるなんて、人としてどうかと思う。
でも、いまさら止められない。
僕は一番手近にある手帳を手に取る。
重たく、沢山のことが記された手帳。
年期がはいっているのであろう。黒いカバーのところどころには、傷やほつれが見られた。
パラパラと冷たい手でページをめくる。
ーなんだ、べつになにもないじゃないか。
スケジュールの欄にだって、べつに取り引き先のことしか書いていない。
とおもっていたのに。
「… 結婚、記念日?」
九月のアタマの日付に、赤いペンでそう記されていた。
最初は信じられなくて、信じたくなくて、きっと兄弟かなにかの結婚記念日だろうと思案したが、
その考えはすぐに消える。
「うそ……」
見てしまった。
見てしまった。
もう、みたからには後戻りはできない。
最後のページに、挟まっていたのだ。
見たことがないほど優しく微笑む荒北部長と、優しそうな女の人と、笑顔が愛らしい女の子が寄り添っている写真を。
まさか。
まさかまさかまさかまさか。
そんなはずはない。
僕のこと、愛してるって。
か、可愛いって。
好きだって。
離したくないって。
言ってくれた。
けど、その言葉も嘘だったの?
「…!」
見つけた、 僕たちの記念日である日にち。
この日は付き合って二ヶ月の記念で、一緒に食事をして、ホテルに行った日だ。
この日にも、何か書いてあるはず。
けれど、そこの日にちには黒いペンで食事 と記されているだけだった。
全部嘘だったの?
僕の夢だったの?
いっそ、夢だったらよかった。
夢なら、覚めることができる。
この涙だって、部長がすきだったことも、全部嘘だったことにできる。
不意に、シャワーの音が止んだ。
僕はひっと喉を鳴らし、力無い手で鞄をもとあったところへともどす。
裏切り者、最低、
僕はこんなことを言える立場じゃ、ない。
幸せな家庭を穢す、ただのお邪魔虫のひとつだ。
僕は泣き顔を隠しながら、
ベッドの上に蹲る。
「…坂道?」
やめて。
優しい声で僕を呼ばないで。
「坂道チャン?ねてんのォ?」
やめてやめてやめて。
僕に優しくしないで。
「…!」
ぺろんと、簡単に被っていた布団が捲られる。
しっかりと布団の端を握っていたはずなのに、そんな簡単にはぎとられるほど僕の力は衰退していた。
「…なぁんで。泣いてんの?」
驚いたように部長は僕の顔を見る。
こんな状況でも、濡れた黒い髪だとか、無骨な手だとか、鎖骨にしたたる雫だとかに、胸がときめいてしまう自分が嫌い。
「わりぃ坂道、俺我慢できねぇ。
お前の泣いた顔、すげぇ可愛い…」
息がかかるほど顔を近付けられて、僕はもう抵抗をやめた。
「…ん、ん…は…んぅっ!」
「ちゅ…は、たまんねぇよ坂道」
「そこ…しゃぶっちゃ… やぁぁぁっ!」
彼によって開発されたこの身体は、胸をしゃぶられただけで陰茎が熱を持つ。
僕のはしたない声と姿に、部長の鋭い瞳が野獣のそれへと変わっていく。
性急に、抵抗するたとなく下着をひき剥がされ一糸纏わぬ姿へとなる。
部長も部長で余裕がないらしく、僕のアナルへと手を伸ばす。
「あっあああ! そこ、そこはだめだって…!あああぁぁっ!」
「だめだぁ?良いの間違えだろ、ほらっ、ほら!」
ぐりぐりとナカをかき混ぜる様に擦られれば、一気に昇りつめていく。
「あっあああ! いいよぉ…!も、ほんと…!」
身を捻じって部長を求める。
たとえいまだけでも、いまだけでも良かった。
僕を求めて離さないあの瞳と、腕が欲しかった。
一気に張り詰めた部長のそれが捻じ込まれ、圧迫感とともに快感も拾う。
「ああああああ!ひゃ、んん!」
ガツガツと痛いくらい腰を打ち付けられつつ、激しく唇を奪われる。
気持ちいい。
気持ち良くって堪らない。
…けれど。
「はっはっ…!坂道、坂道!愛してる、本当に、好きだ…!」
うわ言のように彼が呟く。
どうしてだろう。
あんなに嬉しくて、照れ臭かった言葉なのに、どうしてこんなにも
「好きだ… さかみ…ち?」
涙が止まらないんだろう。
「ふ…うう、うあああっ…!」
ついに堪えきれなくなって、大粒の涙が逆流してくる。
多分、僕の顔は涙と鼻水ですごいことになってるだろう。
でも、おかまいなしに泣く。
「うえっ…ふえっ…」
泣きじゃくる僕をみて、普通のそれじゃないと察知した部長は、ぐじゅぐじゅの僕のアナルから自身を引き抜く。
ぬぽっと、ひどい音を立てた。
「坂道? ごめん、俺何かしたァ…?」
ああ、部長まで。
そんな泣きそうな顔しないでくださいよ。
期待してしまうじゃないですか。
「ふ…ぐすっ…」
「坂道、泣いてたらわかんねぇ。 ちゃんと話してくれヨ…」
いまなら、多分言える。
痛いくらい締め付ける胸を右手でおさえながら。
「部長… あなたとの、絆が見えなくて。」
震える声で、でも確かにそう告げた。
ー窓の向こうでは、僕たちをあざ笑うかのように爛々とした月が浮かんでいた。