「はぇ…?」
「あ、やっと起きた。おはよう、マリー。」
「ぁ⋯おはよう、ございます⋯あれ⋯?」
目が覚めると私は、シスターの一人に背負われていた。
背負われたままでは申し訳ないので、覚めきっていない意識のまま自らの足で立つ。
「っ!?え、あ、えぇ⋯!?」
そして数瞬の後、脳裏に浮かんだ光景に吃驚する。
蘇ってきたのは今いる皆さんの殿方とのまぐわい。つまり、数々のセックスの光景。
その中には自分がした行為…手淫も含まれていた。
仄かな熱気と共に吸い込んだ殿方特有の臭い。
脈打ち、固くそそり立っていた男性器を手に握った感触。
自身の額から粘性をもって伝う、白く、熱く、そして香り立つ白濁液。
脳裏に浮かんだそれらを認識し、私の頭はまた一瞬にして茹だちそうになった。
だが、ふと辺りを見渡すとあれだけ乱れていたはずの皆さんは一様に服を着直し、各々で歓談しているではないか。
先程までの光景が嘘の様で、私はただ呆然とする。
「いつもありがとうね。しかし、この学園のインフラ周りは大方やり尽くしてしまったな…次はどうしたものか。」
「お気持ちは嬉しいですが、ご無理はなさらないでくださいね?支援金だけでも十分頂いてますから…」
「今度新規事業を始める予定だ、また斡旋を頼めるか?」
「りょー。丁度大口の移住計画あるし、そっちに案内出しとくねー。」
歓談の内容は素人目に見てもかなりの金額が動く話ばかりで眩暈がし、思わず頭を振る。
あまりに大きいギャップに困惑していると、一人のシスターが私に今の状況を教えてくれた。
「見ての通りお仕事の話をしてるけど、これがウチの学園が成長してる最大の理由だよ。」
「私達が身体を使って男の人達を気持ちよくしたり手伝ったりして、お仕事を頑張ってもらうの。あそこのおじさんなんて、前はホームレスだったんだよ?」
「それが今や、三社を抱える社長さん。そういう人達が、私達を含む自治区全体を支援してくれてるんだ。」
「ウチらの運営してる養護施設や、炊き出し、道路や街並みの舗装とかもその支援あってのもの。それを繰り返してると今に至った、ってワケ。」
「一言で言ってしまえば助け合い、だね♪ 」
助け合い。実に聞こえの良い言葉だ。
学園は成長し、治安は改善し、皆が愛し合って快楽を享受する実をも伴っている。
だが、私の心の凝りを取り切るには至らなかった。
文化が違うと言えばそうなのだが、いけない事をしているという観念が抜けきらないのだ。
その上、自責の念もあってか私はついそれを口に出してしまう。
「ぁ…あの…それでも、こういう…姦淫を用いたやり方は、いけない事…ではないのでしょうか…?」
「あっ…ご、ごめんなさい…!そういうつもりではなくて…!」
私はこの学園からすれば部外者。
口出しする筋合いは無く、無礼というものだった。
だがそれすらも、私に話すシスターは笑って流してくれた。
「あははっ、まあここ以外じゃそうかもしれないね。」
「だけどここでは、これが当たり前の事だって皆思ってる。」
「それは何故、でしょうか…?」
「うーん…当たり前の事を何故と言われると…あるものを使ってるだけだし、皆気持ちいいし、幸せだから…?」
「…逆に質問なんだけどさ。マリーは何故セックスがいけない事だと思うの?」
「え…?」
私の問いに対し、解と共に返ってきたのは私の観念に対する問いだった。
「これはここ以外でも変わらないと思うけど、人が愛し合う事、隣人を愛する事、子供が生まれる事…こういったことって祝福されるよね?」
「じゃあ何故、その過程や延長線上にあるセックスはいけない事になるのかな?」
「ぁ…」
「もちろん、嫌な人に無理矢理するのはいけない事だよ?それは暴力でしかないからね。」
「でも、極論になっちゃうけど、私達人間は親がセックスしないと生まれないし滅んじゃう。」
「だから何がどうしてダメなのか、ここで生まれて育った私にはわからないんだよねぇ。」
当たり前のことがよくない事だとするなら、何故よくない事なのか。
それは当然の疑問だった。
禅問答に近い問いにも思えるが、彼女らからすればそうではないことを思い知らされる。
それに対して私は…
「…か、姦淫はよくない事と、教わったから、で…」
「ごめんなさい…理由は、わからないです…」
答えられなかった。あくまでも、いつだったか人生のどこかでそう教わっただけ。
そこに理由なんて無く、ただ漠然と教えだからと疑問を抱かず受け取っていたのだ。
その事に気づいた私は、自らの固定観念がボロボロと崩れていく感覚を覚えていた。
「ありゃ、マリーもわからないのか…ならここで勉強がてらシていったらどう?そしたら何かわかるかも知れないし。」
「それにしても、ダメって教えておきながら理由を説明しないのは意地悪だ。何がしたいんだろうね?」
何がしたいのか。確かにそうだ。
理由も無いのに禁忌とするのは、筋が通らないというもの。
私には彼女の言葉を否定する材料が、何一つ思い浮かばなかった。
それに、堂々巡りの思考は別の事まで思い出させる。
「っ………」
殿方を幸せにしていた、愛しいとすら感じたあの瞬間。
迸る白濁液の熱と感触、そして、口内で自身の唾液と絡み合った味と食感。
物ではなく私自身で奉仕し、私を求めてくれているという充実感。
それら全てが綯交ぜになったあの幸福感が、もう一度、いや、もっと欲しいという欲があった。
それにもし、他の方と同様に、胎であれを受けていたら…
「あ、マリーったら…♪思い出してキちゃった?でも残念、今日はもうお開きだからダメだよ。」
「今日みたいな乱交は月二だけど…明日からは色々、教えてあげるよ…♪」
「っ!……………はい…」
気が付くと私は、熱を持つ下腹部を握りしめる様に手で押さえていた。
その事を恥じらいながら私は耳まで真っ赤な顔を伏せ、静かに首肯する。
いけない事だという意識は未だ確かにある。
だがこれは本質を見据える為の勉強だ。
この場所ではいけない事ではなく、寧ろ他の祝福と同様に推奨される事。
そして、より多くの副次効果すら齎す非常に効率の良い奉仕活動である事。
それらを学び、今回の交換留学をより意義のあるものにする為に重要な事なのだと。
また、”郷に入っては郷に従え”という諺もある。
決して…決して、私利私欲を満たす事が主目的ではない。
そんな言い訳を自分にして、私は他のシスター達と共に学園への帰路に就く。
次の日に待つのは、如何なるものかと思いを馳せながら。
──────────────────────
「すみません、お待たせしました…!」
「や、マリー。大丈夫、私達も今来たばっかりだよ。」
次の日の放課後。
教会での礼拝を終え、私は懺悔室に来ていた。
何度かこの懺悔室で待機していた事はあったが、利用者はほんの数人。
学外の人間も入れるにも関わらず異様に少なく、内容も些細な事ばかりだった。
故に、そんな場所に一体何がという気持ちはあった。
しかしそれ以上に、確かな高揚感を伴いつつ足を運んでいた。
「…マリー、昨日帰ってから一人でずっとシてたでしょ?」
「へっ!?」
「もう、本当にマリーは分かりやすくて可愛いなぁ!」
恐らく私の寝不足な顔立ちで察せられたのだろう。
あの後の私は、自室で興奮と下腹部の疼きが収まらずどうしても眠れなかったのだ。
そのため、一度だけだと思いながら自慰を始めた。
だが、教えられた自慰の方法はこれまでが児戯に感じる程気持ちが良かったのだ。
その為、あと一回、あと一回だけと繰り返す内に睡眠時間を大幅に削る結果となってしまった。
「よし、じゃあ行こうか…♪」
「Yeah!もう今日は疼いてしょうがなかったんだよ!」
「いいなぁ…今日はウチ一般の対応だから行けないし…」
「あー!ムラムラしてきた!ね、今日帰り通りで引っ掛けない!?」
「何、引っ掛けに行くの?私も行くー♪」
羨んで私達を見る懺悔室の当番シスター達を横目に、私は皆さんに着いて行く。
昨日程の人数はいないが、皆が薄着ではなく普段通りのシスター服。
そして、ぞろぞろと向かった先は何と懺悔室の最奥の扉だった。
その扉は倉庫のものだとばかり思っていたが、開け放たれたその先には下へ続く階段があった。
着いた先はまた懺悔室だったが、様子がどうも違う。
「ぶじゅっ、じゅぞ、じゅずず、じゅぞぉ…!」
「ゔっ…!もう出る…!」
「ママぁ…ちうちう…」
「うふふっ、良い子でちゅねぇボク…♡んぁっ…!」
薄暗い懺悔室は各々が小部屋に分かれている。
だがその小部屋から微かに聞こえてくるのは…水音に殿方の呻き声や甘える声。
そして、囁くようなシスター達の声だった。
「あ、ごめん言うの忘れてた。ここでは上と同様にお喋りは小声でね?」
「は、はい。」
小声での忠告に小声で返す。
そして、この場所の説明に耳を傾けた。
「ここは第二懺悔室…まあ上のお触りOK版、ってとこかな。」
「懺悔を聞いて、って事も偶にあるけど殆どの人がそっち目的だよ。」
「そ、そんな事しちゃって、良いんですかぁ…?」
「もちろん♡」
懺悔室とは、本来自分の罪を吐き出す場であり、神聖な場所のはずだ。
だというのにその神聖な場で事もあろうか性を曝け出し、精を吐き出させる。
それはまるで幼い日に、火を小枝の先に着けて眺めていた時の様な緊張感や高揚感を私に感じさせた。
「本番以外は大体何でもOK。ただし、大声や特殊、激しいのはNGで制限時間有り。」
「そこら辺と、あくまで奉仕活動である事を忘れなければ後は自由。」
「まあ…マリーのやりたい様に、来た人のお願いを聞いてあげたらいいよ♪」
「はい…!」
やりたい様に。それはこれまでの人生で自分をあまり出さなかった私には、とても新鮮な言葉だった。
ましてや今は私のやりたい事に対し、罪悪感を有耶無耶にするやるべき事の大義名分すらある。
理性すら止めない軽快な心持ちで、私はその小部屋の扉を開いた。
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・
「ど、どうぞ。」
コンコンコンとノックが聞こえ、私は初めてのお客様に入るよう促す。
ノックは3回。壁に掛けられていたマニュアルを読むに、顔出しNGの様だ。
このマニュアルにはまた様々な情報が記載されていた。
接客時の注意事項に始まり、姦淫にまつわる手法や用語解説まで。
私は待ち時間に興味を惹かれるまま、それを熟読してしまっていた。
それは本番に関してはそういう場ではないため、記載が無かった事を残念に思う程熱心に。
これまでの私であれば、思わず目を背けてしまいそうな記載の数々。
だがこれは円滑に事を進める為に必要な知識であり、学ぶべき事なのだ。
「よろしく。」
聞こえてきた声は低く、お腹に響き渡る様な声。恐らくは壮年の方だろう。
私はマニュアルに沿って恐る恐る用件を伺う。
「…如何、なさいますか…?」
「口で頼めるかな?無理なら手でもいい。」
「畏まりました...!」
注文は口淫。有難い事に出来ればという気遣いはあった。
だが、その厚意に甘えてしまうことは良くないだろう。
この方はその性欲を発散するためにここに来たのだ。
なるべく叶えて差し上げた方が良いに決まっているのだから。
…決して、私がしたいという欲が先行しているわけではない。
私は周囲の椅子や台を収納し、小窓を上げて開放する。
すると開いた途端にその小窓には男性器…いや、おチンポ様がそそり立ち、脈打っていた。
おチンポ様と言った方が殿方は大変喜ぶらしく、可能な限りそう呼ぶ事が推奨されていたので他の単語も併せて心掛ける。
「し、失礼します…!」
私はまず、顔を隠すための薄絹のフェイスヴェールをたくし上げた。
目元から下を隠すこれは、人によってはかなり好ましいものらしい。
それこそ、これを着けてくれとわざわざ頼むほどに。
「っあ…!」
優しく皮を剥くと、おチンポ様の亀頭が全て露わになる。
お歳を召されているからか熱気はそこまでだが、まだまだやれると主張するそれ。
「スン...スン............っはぁ...♡」
雄の臭いが私の鼻孔を通り抜け、脳の奥にまで染み渡る。
それに釣られてか、じゅん、とアソコ…おマンコに愛液が滲むのを感じた。
嗚呼、ずっと嗅いでいたい。
そう思える程だったが、それはいけない。
このお客様は今、焦らされているのだ。
「れぇ………」
まずは脈打つおチンポ様へ、私は舌を突き出して唾液を垂らす。
こうすることで唾液が潤滑油の役割を果たすのだとか。
垂れた唾液がおチンポ様に伝うと、それは一層飛び跳ねて元気になった。
その様子が逞しくもあり、可愛らしくも感じる。
そして、指の腹を使って唾液を馴染ませるように揉み広げていく。
亀頭に始まり、それは竿、キンタマ袋にまで及んでいく。
キンタマ袋には初めて触れたが、女には類似する部分が無いためその感触が面白かった。
「お、おぉ...」
お客様の心地良さそうな呻き声。
ああ、これだ。これが堪らなく好きだ。
私の奉仕で喜び、私という存在が喜ばれている証。
気付けば昂りは私の手をおマンコへと伸ばさせていた。
「フー...フー...!」
「っ...!!」
私の荒い呼気とクチクチ、と秘部を弄り回す水音が狭い密室内に木霊する。
その音を聞いたお客様のおチンポ様は途端に一層固く、反り返る様に跳ねた。
そして私は遂に、そのおチンポ様に舌を───這わせた。
「ピチャ…ピチャ………れろ…」
お客様はここに入る前に必ず身体を清めることがルールであるらしく、とても清潔な状態だ。
しかし舌先からは少ししょっぱい様な味がした気がした。
つまりこれは、ここに入ってから出てきたもの。
私で興奮し、滲み出したカウパー腺液...所謂ガマン汁なのだと。
そう認識した私の脳はそれを美味と感じ、おマンコは興奮で更に愛液を垂れ流す。
ああ、足りない。もっと、もっと欲しい。
「んふぅぅぅ………♡お”ぇっ…!」
「こ、これは…!?」
気づけば私は、舌先では我慢できず口内へとおチンポ様を迎え入れていた。
口を窄め、歯が当たらない様に気を付け、鼻から息を吐いて、喉奥へと。
喉奥へと迎え入れすぎて少しえづいてしまったが、今はそれすら気持ちよかった。
(はぁぁぁ…!これが、おチンポ様の味…!)
(何故でしょう…こうしているだけで何か満たされるものを感じます…!)
お客様の陰毛の中に顔を埋めながら、私はまた得体の知れない幸福感を覚える。
だがこれは始まりに過ぎない。
ここからお客様を気持ち良くして差し上げなければ、意味が無いのだから。
「じゅ...ずぅ...じゅぶ...じゅず、ちゅぶ...」
つい先程覚えたばかりの、おチンポ様か気持ち良くなる箇所を思い出す。
そして唾液をしっかりと含ませ、舌を裏面まで使い、キツ過ぎない様に口を窄め、中にあるものを痛くない様に啜る。
もちろん自分には無い器官であるため、それらは想像でしかない。
だが、相手を想った行為は決して無駄では無いと信じておチンポ様をしゃぶり上げていく。
「じゅぶ、じゅぶ、んふぅ、じゅぞっ、くぷっ...!」
喉奥にも擦り付ける様に頬肉も使い、前後だけでなく頭を左右に振り、回転も伴わせて刮ぎ上げていく。
そして、それは来た。
「すまないっ、もう…!!」
「ッ!?〜〜〜!!」
一層強く跳ね、固くなり、僅かばかりに膨らむおチンポ様。
その先端から凄まじい勢いで、ビュルビュルとゲル状の液体が飛び出た。
ビチビチと喉奥に打ち付けられる液体の臭い、味、食感…それらから全てを察する。
これは精液…ザーメンであると。
昨日味わったばかりのあの幸福感を感じる。
だがこれは、その幸福感の最大値をあっという間に更新してしまった。
「んふぅー…んふぅ…じゅぞ、ずず…っはぁ…」
ジンジンと脳に染み渡る快楽と幸福感の波。
思考がトびそうになりながらも、2度目はダメだと何とか堪えた。
一度射精せば終わりのルールがある為に、私は少し名残惜しさを覚えながらもおチンポ様を口から離していく。
だが、このままではドロドロのままでお困りになるだろう。
そう思い立った私は、尿道に残ったものや竿の部分に着いたものも綺麗に舐めとった。
「んちゅ…んぐ…むぅ…ぷぁ…!ぇあ…」
この舌や歯に絡みつき、喉にもへばりつく感触が雄を強く感じて堪らなく良い。
私はお射精し頂いたものをしっかりと味わう為に口の中で転がし、咀嚼し、飲み込む。
推奨されていたのでニチャ、グチャ、ニチュ、と音をわざと立てる事も忘れず最後まで味わい尽くし、お客様に空になった口内を舌を出してお見せした。
「…君、本当に今日が初めてなのかい…?」
「ぁ…は、はい…何か、至らぬ点がございましたか…?」
お客様の驚く声。
だがもう舐め取り終わってしまったが故に、失礼だったかと心配になる。
だが、返ってきた言葉は予想外のものだった。
「いや…寧ろ最高だった。今後ともよろしくお願いしたい…!」
「あ、ありがとうございます…!」
「…クソ、今日ほど時間の無さを恨んだ事は無いぞ…!」
私だけに向けられる感謝の言葉。
それが名残惜しそうに去っていくお客様の姿から、心からのものだと見て取れた。
一生懸命に尽くした甲斐があったと、私の心は歓喜に満ちた。
そして同時に、性行為というものがここまで互いが満たされ、幸せを感じられるものなのかと驚く。
いつもこれだけ満たされた心でいる事ができるのであれば、治安が良くなったのも頷けるというものだった。
「ぁ…どうぞ…!」
その時、また扉がコンコンとノックされて次のお客様が来た事を知らせる。
この頃には既に私の中の罪悪感はほぼ存在していなかった。
何せ、この行いがいけない事だとは全く思えなかったのだから。
そうして私は数時間に渡って代わる代わるお客様へとご奉仕し、身体の内外を問わず白濁液に染まっていった。
その日の夕飯は飲み過ぎたことであまり食べれなかったことだけが申し訳なかった。
──────────────────────
「…マリー、どんな感じだった…?」
月明かりが差し、虫が音色を奏でる皆が寝静まった頃。
お客を懺悔室へと案内する役をしていた私に、よくつるんでいる連れのシスターが耳元で囁き尋ねてきた。
それに対して私は、満面の笑みをもって小声で応える。
「天職、とも思える程だよ…!」
何かあった時の為にいつでも助けに入れる様、最初の1回は除き見ていた。
初めてだけあって躊躇いで失敗したり、上手くできずに手間取ってしまうだろうと踏んでいたのだ。
相手も、初めての娘に教えるのが好きな常連さんを選んであてがった。
故にこれで何があってもカバーできるだろうと踏んでいた。
だが、そこで見たのは自分達から見ても上手いと思える極上のフェラチオ。
常連さんも堪らずすぐに射精してしまい、教えるどころか逆に教えられたと感じる程だった。
「一応聞いておくけど...昨日焚いてた香って?」
「いつもの性欲と生殖本能促進、理性鈍化の香だけ。」
「かなり溜め込んでたんだね…うん、やっぱりマリーはここにいるべきだ。」
昨日の乱交で焚かれていた香。あれは2〜3日ほど効果が持続する。
だが、その効果は端的に換言すれば”抑圧された性欲を解放し易くする”だけ。
つまり、今のマリーはこれまでに知ってか知らずか、自制心で溜め込んできたものを発散しているに過ぎないのだ。
故に、今の淫らな姿は変質や変化ではなく、彼女本来の在り方に近づいているとも言える。
「根がどこまでも優しくて真面目だから、性技の修得も早いってわけか…」
「いや、その…誰もまだマリーに教えてない…」
「は…!?」
目を剥いてその言葉に驚く。
では何だ。マニュアルだけであれだけのことをやってのけていたのか、と。
「…あれは、お客さんへの思いやりでやってるんだろうね。」
「マリーは多分だけど、人を愛し、愛される天才なんだと思う。」
「...これは外で言う、大淫婦になれるかもね…!私達が教えれること、全部教えてあげなきゃ!」
私達はマリーのその才覚に驚愕し、どこか空恐ろしさすら覚える。
だがそれ以上に、彼女が大成した姿が見たいという好奇心が圧倒的に強く、自分達の持てる全てを注ぎ込むことに決めたのだった。
「しかしそうなると…処女は卒業させなきゃだよね?相手どうする?」
「大丈夫。ちゃんとアテはあるよ。丁度お誂え向きの子が、ね…♪」