「ん、ぅぁ……! ふ、ふざけ……くぅんっ……い、いったばかりでまだ敏感……ふぁっ……!」
上条はその勢いのまま、硬い肉をオティヌスの中へ深く突き込んだ。
それだけでまた射精してしまいそうなほど気持ちがいい。
「我慢してくれ」
「し、しつこいぞっぁ、んっんんっ……!」
ぐちゅぐちゅとした音と、ぱんっぱんっと拍手にも似た音が唱和する。
それが何度も響き渡る。
オティヌスの開かれた太腿を掴み下半身を持ち上げるようにして、腰を使い続ける。
「出る!」
「ふぅっぁあぁぁぁ……!」
股間がぴったりと密着するほど深く繋がったまま、お互いの体液でぐちゃぐちゃになった膣内へとまた射精をする。
何度も何度も、壊れた水道管のごとく噴出す精を、少女の中へと叩きつける。
オティヌスもまた至ってしまったのだろう。
きゅんきゅんと纏わりつく膣が、追加された精を搾り取っていく。
余裕のない、苦しそうなオティヌスの表情を上条は初めて見た。
「……はぁはぁ、っんはぁっ…………いい加減気が済んだ―――ひぐぅっ!?」
「……ごめん、本当に足りないんだ」
快感で頭が眩みそうになるが、それ以上の欲求に誘われるがまま、オティヌスの中を抉る。
何度射精しても、上条のモノはいつまでも大きく硬く、女を犯す形をして張り詰めている。
オティヌスは上条当麻という少年を見誤っていたのだ。
幾多の死を耐え切る精神力に、幻想殺しの特異性。類稀なヒーローの素養。
どれもが上条を象徴するものであっても、その地金にあるものは、人並み外れた生命力。
あらゆる状況を潜り抜け、走り続ける生命としての強さが上条の根源。
それをオティヌスが性行為という形で開放してしまった。
加えて仕込んだ薬によって精力と情欲を限界まで高められている。
記憶を失うほどの死の経験は、生を望む本能を知らず知らずのうちに焚きつけている。
幾万幾億の死の数だけ、雄の性衝動は満ち満ちて雌へと向かうのだ。
すなわち。
まだ喘ぎ動けない眼下の少女へと。
「っ……ぅああああぁぁあぁっっ……!」
星々が照らす、黒い宙の中心に浮かぶベッドの上で魔神の少女は大きく悲鳴をあげた。
抱き上げられ座ったままの挿入。
対面座位の体勢で、身体が浮かぶほどに脚から腰のバネで突き上げられる。
オティヌスはその衝撃に、息を止め真上を向くほど仰け反った。
騎乗位の時は加減しながら動いていたので、体重がかかるほどの勢いはなかったのだ。
身体が浮き沈みする激しい抽送で揺らされて、膣壁が広がってしまわないか心配になるぐらい肉棒が暴れ回る。
ぎゅぎゅっと、強く痕がつきそうなぐらい尻を揉み込まれるのすら、敏感になっている身体は快と受け取っている。
(に、人間の分際で……!)
そうオティヌスが考えていても、身体はまるで抵抗できていない。
荒ぶる上条にされるがまま、嵐と船の関係は変わらない。
「ふっ、ん、んんっ……! や、やめ……はぁ! あっんぁっ……!」
それどころか首筋を舐められただけでも反応してしまう。
キスで啄ばまれ、れろれろと味わうように舐め回される。
腰を使われながらもじゅじゅじゅっと強く吸われて、高い声をあげる。
「ひぅっ、ああぁぁぁあぁっ!」
そうしてまたも中出しされた。
すでに白濁で染められている膣内へと、漆を上塗りするように精液が覆い尽くす。
どろりとした熱い精が自身を埋めていくのがオティヌスに伝わってくる。
ずるりとモノが引き抜かれれば、白く濃い粘った液が膣口から零れ溢れた。
「こ、この野郎……! 好き勝手しやがって……! ん、ああぁっ……!?」
言葉を無視した上条が胸へと手を伸ばし揉み始めた。
優しくと言われていたのを忘れてしまったのか、焼成前のパンの生地を捏ねるかのように力強い。
五指の間から肉が圧力ではみ出て、成長途上のしこりがぎゅぎゅぎゅっと押し潰される。
「あ、ああっ……ぃや、や、やめ……! んぅっんんっ……!」
そんな乱暴な動きでもオティヌスは感じ、身を震わせている。
実の所、さっき上条を制していたのは感じすぎないようにしていたからだ。
強すぎる魔神の身には、それぐらいが丁度いいのかもしれない。
「はぁっはぁっはぁ……あぅっ!?」
胸を揉みながらも上条がオティヌスの背後へと回った。
今度は背後から抱き上げ、仰向けに倒れる勢いのまま挿入する。
膣の入口から半ばまで、ぐりっと入り込んだ亀頭で擦り刺激していく。
もちろん胸を思う存分に揉みほぐしながらだ。
「あ、くぅっ……お前……! この……私を……あ、あっああっ……!」
抗議はすぐ喘ぎへと変わってしまう。
背後から両方の乳首を強く摘まれて引っ張られたのだ。
そのまま人差し指と中指で擦り合わせたり潰したりと、何かの玩具でも扱うよう好き勝手に弄くられる。
残りの指で乳でも搾り取るように、ぎゅぎゅっと胸を握られればあげたくもない悲鳴が勝手に出る。
「ふぁっ……! そこは、やめっ……んっ、あっ、くぅんっ……!」
胸と一緒に膣も責められていた。
体勢上、若干入りづらいのか浅い抜き差しが続いており、そこは重なる行為で特に敏感になっている。
膣口からクリトリス裏側にかけてを、異様なほど硬い肉棒が速い速度でピストンしグリグリと擦られる。
強すぎる刺激に頭の中で火花が飛び散りそう。
今のオティヌスは、上条の手と肉によって喘ぎ歌わされる楽器にしか過ぎなかった。
「ぐっ、んっ、はぁっ! あっ、あっ、あっ、あっ、あっ……」
上条の速度は増していき、リズムに合わせるようオティヌスは声をあげ続けた。
浅い所を擦られて、抽送の度に膣口がくちゅくちゅと音を響かせる。
背後から揉みしだかれる胸がじんじんと疼く。
眼を瞑り、上条の上で身悶えしているオティヌスもまたいきそうになっている。
「……うあぁっ!」
「っ……! あっああっぁあぁぁっ…………!」
強い脈動を内で感じながら、オティヌスも一緒に絶頂を迎えた。
上条のモノは六度目の射精でも勢いは変わっていない。
むしろ強くなっているかのように欲望の塊を放っていく。
それを感じ取る度、オティヌスの手足がビクッっと震えては伸びきって、柔らかなベッドを何度も掻き泳ぐ。
赤く色づくほどに強く握られた胸も気持ちがよかった。
与えられる快感に惑い、蕩けた瞳が天の星々を虚ろに映していた。
(な、なぜだ……? なぜ私がこうも好きな様にされる……?)
ようやくの時間をかけての射精が終わり、最初に浮かんだものは疑問。
どんなに感じやすくなっていても、全く身動きができないというほどでもない。
減じていても、一割どころか一分一厘の力で上条を制す事ができるだろう。
上条の胸板の上で喘ぎ息を切らしていたとしても、オティヌスは依然として絶対者のはずだ。
けれども上条が身を横にずらし、背後から覗き込むようにキスを迫ってくるのを
抵抗もせず、それどころか顔を横に向けて受け入れた。
舌が口内をねぶってくるのを好きなようにさせて、それどころか自らも舌を絡ませ、心地よさを感じてしまう。
未だ情欲の焔を宿す瞳に見つめられれば、身体がゾクゾクと震えてしまう。
肉体の奥深くに根付いた所が、上条当麻に反応してしまっている。
初めはからかいと懐柔策であったかもしれない。
段々と本気になってきて、精神力とは裏腹に性に未熟な少年へと夢中になっていたのも確かだ。
それがあまりに簡単に逆転されて。逆転を許してしまって。
今やまったく逆の立場になっているのが、オティヌスには何故なのかわからなかった。
しかし諦観していても上条は止まらない。
身を起こすと、寝ているオティヌスの顔へと跨り、勃起したものを見せ付ける。
天を突くように反り上がっていて、凶悪なほど張り詰めている。
「舐めてくれよ」
「……お前……まだこんなに……、んっむぶっ……」
「共に楽しむって言っただろ。今度はオティヌスの番だ」
何度も射精したためか幾分か理性は戻ってきてはいるが、それは餓えた獣が
より研ぎ澄まされた狩猟者へと変貌しているに過ぎない。
オティヌスという獲物をしゃぶり尽くそうとしているのは変わらない。
上条は股間を寄せて、オティヌスの頬や唇へ肉竿を擦り付けた。
二人分の体液の混じった生臭さや酸味のある匂いがむわっと鼻腔を満たしてくる。
どろどろの液が先端から唇を伝い口内へと垂れ落ちてくる。
(私を犯すように抱くだけでは飽き足らず、奉仕までさせようとしている……)
ぶるりとまた身が震えた。
まるでそうされるのを心のどこかで喜んでいるよう。
事実、今の今まで身を貫いていたモノは、オティヌスをこれ以上なく悦ばせていた。
片目しかない視界のさらに半分が肉竿で隠されて、その向こうに見える上条の表情を見て知らず喉がこくんと動く。
逡巡していると、痺れを切らしたのか上条がオティヌスの頭を右手で浮かせてくる。
「ちっ……しょうがあるまい。確かに言ったな……神が約を破るわけにはいかないか……」
まるで言い訳するように呟く声には、どこか嬉しそうな響きがあって頬が少し緩んでいる。
主導権を完全に握られたまま、或いは握られないように、差し込まれる肉を唇で受け止め舌を這わせはじめた。
「んっ、れろっ……ちゅぅっ、ん、れっ……」
オティヌスは仰向けで頭だけを起こした姿勢のまま、舌を伸ばし亀頭を何回も舐め上げる。
首を傾け下側の尿道付近に舌をくっつけてから、れろ~っとゆっくりカリの太まった所まで登っていく。
上条が腰を突き出せば、アイス棒でも舐めるように舌が先端から根元のほうまで流れた。
「いいぞオティヌス……」
「暴れるな……ちゅぅるっ……ふぅぅ、んぉっ……舐めにくいぞ……」
ビンっと弾性のある針金のごとく竿が跳ねる。
金髪と眼帯に先端が触れて汚すが、オティヌスは舐めるのに夢中で気にしていない。
幹へと、横笛を吹くのに似たやり方で唇を挟み、体液を舐め取っていく。
赤みが差している唇がぬめりで艶めいて、そこから伸ばされた薄桃色の舌が浅黒い肉棒へと這わされていく。
半開きになった唇で亀頭を優しく食み、濡れた舌で穴の所を丹念に舐め溶かしていく。
舐めているうちに片目の翠眼はとろんと揺らめいていて、緩んだ頬で薄く笑みを浮かべるほど熱中している。
嬉しさと、愛しさすら伝わってくる表情でフェラチオを続けていく。
「んぷぁ……ん、ど、どうした……?」
口奉仕の最中、上条が身を引くとオティヌスがものほしそうな眼差しで見上げた。
「オティヌスってさ、実はエロい意味でMだったりするんじゃ?」
「な……! 何をたわけた事を……!」
「んー、さっきまでいっぱいいっぱいで気付かなかったけど、俺を責めてた時よりも
責められたり奉仕してくれてるほうが、なんか嬉しそうに見える」
「勘違いだっ……! お前があまりに乱暴だから、戸惑っていただけだ!」
「乱暴ってこんな感じ?」
「んぶっ……! んんっ、ちゅぶっ、んぉっ……!?」
掴まれた頭が引き寄せられて亀頭がずぶりと口内に入り込む。
硬さも大きさも、初めての時より幾らか増していると感じさせるモノが口内を占領していく。
「こういうの好きなんじゃないの?」
上条が口から引き抜き、改めて問う。
「…………何を馬鹿馬鹿しい事を……都合のいい妄想もほどほどにするのだな……」
憎まれ口を叩き、頬を嘲笑で歪めようとしているが、表情は緩みほとんど毒気がない。
それに強がっていても、いってから数分ほどしか経っていない身体はまだまだ鈍く
四肢の端々が余韻で、ぴくぴくとたまに痙攣している。
凄みも何もない虚勢にしか見えなかった。
「じゃあちょっと試してみるということで」
「む、おぉっ……ん、んんっ! ちゅぶぶっ……!」
宣言した上条が頭部を抱え腰を使い始める。
ぬめった舌を亀頭でぐりぐりと押し潰すように擦り付ける。
抵抗するように、それとも歓迎するかのように、弾力ある舌が押し返してくるのを味わう。
「噛まないようにしてくれよ」
「んっぐ、んぶっ……! れろるぅ……んぉっんぉっ、んっ、んんんっ……!」
両手で小さな頭をがっしりと掴み小刻みに揺らし無理矢理に肉竿を摩擦させる。
口が丸の形に開かれて、その中へと肉棒が何度も入り込んでは引き出される。
挿入の度、亀頭の膨らみが唇の端を押し広げ、何かを頬張っているように膨らませる。
ちょっとと言う通り、若干加減しているようだが、勢いは少しずつ増しているようにも見えた。
(あぁっ……神たる私の口を……こいつは奉仕をさせるどころか犯してくるというのか……)
上条は細い両肩の横に膝を乗せて跨って、口内深くへと肉竿を押し付けてくる。
文字通りの意味で、世界最高最強の魔術を紡ぐだろう女神の唇と舌は、高校生の少年によって好きなように使われていた。
「気持ちいい…………やっぱり、すげぇエロい顔してる……」
「むぅっ、んっ、んふぅー、んっふー……ふ、ひゃけ、る、にゃっ……んぇっ……」
オティヌスの様子はも数時間前とはあまりに違ってしまっていた。
細く整った輪郭は肉で膨らみ歪まされてハムスターが餌を蓄えているよう。
白磁だった頬も林檎のごとき色合いを見せ、舐めれば甘く溶けてしまいそうだ。
鋭さのあった緑の瞳は潤み、物欲しそうに瞬いていて、星の光が滲んだ燐光を映し返す。
頭を掴まれたまま揺さぶられているというのに、飴のように蕩けた表情でされるがまま。
たまにぐりりっと喉を突かれても、瞳を細め嬉しそうにすら見えた。
じっと視線を合わせれば恥じるように目に力が入り、ほどなく官能によって緩んでしまうのを繰り返している。
「勝手な想像かもしれないけどさ、オティヌスは強すぎて自分を知らなかったんじゃないか」
「……っぷはぁ、あっ……はぁはぁ、ぅっ……どういう意味だ?」
ずるりと肉棒が抜き出されて、唇と亀頭が粘性のある涎で糸を引く。
舌を犬のように晒け出し荒い息を何度もついた。
「強くて、誰も並べないぐらいに強すぎて。周りにも俺にもそう見せてたのに
実は苛められるのが好きだってことに、ずっと前から気付かなかったんだ」
「な……!? そ、そんなわけがないだろうが!」
「だったら。何万何億と繰り返したように今すぐ俺を殺しちまえばいい。
腕一本動かせば俺を吹っ飛ばすぐらいできるはずだ。そうすれば神様が人間なんかに犯される屈辱は終わる」
まるで、先程の疑問を見透かしたような言葉。
オティヌスは首を振って冷たく睨み返す。
「ふんっ……殺さないでおいてやったのは、人間がどこまでやるか見届けてやっていただけ。
…………だが、こうも見縊られるのは不敬を通り越し、もはや冒涜だ。よかろう。望みどおり地平の彼方まで送ってやろう!」
「おちんちんを前にラスボスっぽく凄まれてもなぁ」
「くっ……! う、うるさいっ! いい加減に、そこをど―――ひゃぅんっ……!?」
と、言葉の途中であられのない声をあげてしまう。
上条が後ろに手を伸ばして、クリトリスの辺りを擦ったのだ。
不意の刺激でまたオティヌスの身体からくたりと力が抜ける。
「俺ので凄いぐちゅぐちゅになってるな。うわっ溢れてくるっ」
「ず、ずるいぞ! 私にここまで言わせておいて、そんな……!」
「いやぁ、マジで反抗されても上条さん困っちゃいますから」
乳首にも似た固さを持つクリをこりこりと弄り回し指で擦る。
膣口に入れた指からは、オティヌスの体温でまだ暖かい精液が溢れでる。
指がくにくにと内側を引っかいてきて、腰が浮き太腿を擦り合わせる。
収縮する膣口から濁った音と共に精が漏れ出し、オティヌスは羞恥に目を伏せる。
なのに精液が掻き出されると喪失感すらあった。
身体はもっと欲しいと訴えているとでもいうのか。
(く、んぅっ……これでは本当にこいつの言うとおりではないか……
神たる私が……男に無理矢理抱かれて悦んでしまうなぞ、ありえるのか……)
「別にいいじゃねえか。新しい自分を見つけれて」
「…………ぬ! 何をお前……」
若干涙目になっていたオティヌスは、思考を読まれたかのような上条の台詞に目を見開いた。
「オティヌスは自分で思ってるよりも顔に出てるからバレバレなんですー」
「な、な、な……」
ふふんと得意げに笑う上条に壊れた蓄音機のごとき反復。
「神、神言ってるけどすげぇ人間臭いんだよ」
そして止めの一押しに絶句した。
酸欠や性感ではなく、恥ずかしさでオティヌスの顔が真っ赤になっていく。
アイデンティティが上条によって崩されていく。
「く、ぐぅっぅぅ…………お前に私の何がわかるというのだ! 知った風な口を利くんじゃない!」
「わかるって。殺されてばかりだったけどさ、どれだけ俺がオティヌスとやりあってたと思ってんだ」
「う、ううぅっ……」
殺伐としてたとはいえ二人の過ごした時間はもう誰よりも永いだろう。
そんな上条に断定されて、オティヌスは言葉を出せない。
完全に上条に飲み込まれてしまっている。
さらけ出した恥ずかしさや不安で、オティヌスの表情は外見相応の少女の顔をしていた。
しばらく見つめ合ったままでいて。
「あー……そんな可愛い顔してちゃもう我慢できねえ」
「え」
「正直まだ全然やり足りてないんだ」
意識から外していた肉の竿がぴきぴきぴきっと主張している。
「ちょっと待て、おまえっ……んっあぁっ……!」
「あそこだけじゃなくて口の中もいっぱい出してやるから」
白濁塗れの膣口を軽く弄り、膨れ上がったものをオティヌスの口へと差し向ける。
(……くそぅっ、私はもうこいつに逆らえないのか………………)
自嘲しつつも、上条のモノを受け入れていく表情。
それはずっと背負っていた重荷を投げ捨てたような、それとも永い待ち人に出会えたような
そんなどこか清々しさのある柔らかい面立ちだった。
「んううぅっ……んふうううんっ……!! んんぅっ、んーっ……!」
遠慮呵責のない動き。
喋っている間も性欲を滾らせていたのか、上条はオティヌスの口腔を性器のように扱っている。
両手をウェーブのかかった柔らかな金髪に沈めて、頭蓋をしっかりと掴む。
手で引き寄せ、腰を押し付け、上向きにされた鼻が上条の股間に密着するほどに突き入れる。
「ぐふぅっ! んぶぅっ、んんーっ……! んぢゅぅっ、ぢゅぷぅっ……!」
突き捏ねられた口内からは涎がしとどに溢れ出し、じゅぶじゅぶと濁った水音を響かせる。
唇の端からは涎と体液の混合液が零れおちて喉元をねっとりと汚す。
当然オティヌスにはそんな事を気にする余裕はない。
ガンガンと喉を叩いてくる肉棒の暴虐に耐えるばかりだ。
(苦しい……はぁっ……そんな感覚も、新鮮で、なんだか心地いいな……)
ただ意識的なのか無意識なのか、荒ぶる肉塊を咥えながらもごもごと舌を動かしている。
オティヌスでなければ、失神してもおかしくないだろう口凌辱を受け入れ、上条へと奉仕している。
被虐の悦びで慄いている。
「オティヌスは口の中も気持ちがいいぞー」
「んんーっ、んぶぅっ、んっむぐっ! んぇっ……」
上条は脳天気な声を出しながらも口内の隅々まで犯す。
腰の向きをずらすと、オティヌスのほっぺがぽこりと亀の形に膨らんだ。
ぐりぐりと腰を回すようにして内頬の粘膜を肉棒でこそぎ回す。
腰を振れば頬が内側から何度も盛り上げられいびつに歪む。
上条は押し付けたまま、盛り上がる頬へ指を押し当てて頬肉越しに擦った。
「もっと咥えてくれ」
「むぁっ……!? んっぶ! んっぶ! んごぉっ……!」
少女の声が低く濁る。
大きすぎる肉棒が口蓋垂を押し潰し、喉深く食道に入り込むほどに迫ったのだ。
カリの部分が喉粘膜を擦り、上条がピストンするたびにぐぽっと食道を押し広げていく。
頭をぎゅっと掴んだまま、腰を強く振ってオティヌスの顔をオナホールのごとく使っていく。
押し込まれた肉棒は唇が根元まで触れるほど深く突き入れられて、引き抜けば大量の涎を撒き散らし二人の身体を汚した。
そんな風に虐げられているのに、オティヌスの苦しげな表情はより艶を帯びていくよう。
口腔を犯され性の道具にされてなお感じている。
触れられていない膣までもがきゅんきゅんと疼いている。
「そろそろだ……」
「んっ、んっ、ぶぶぅっ……! んくっ、んんっ、んぐぅっ……!」
潤むオティヌスの瞳が期待に輝いた。
亀頭の部分が喉にめり込むように押し当てられる。
そのまま速く小刻みに動き喉肉の柔らかな部分で扱くようにする。
上条は身体を前面に倒しベッドに手をついた姿勢で、ほとんど真上から犯しにかかる。
「……出るっ!」
「んっごっ、ぶぶっ……! んぉおぉっぉっ……!」
粘性のあるものが口内へと広がった。
舌の根元付近にどくどくと噴き出して、熱くて苦くて生臭い味と匂いが味覚を乱暴に刺激する。
(なんて味だ……! それに多すぎる……! なのに……何故美味いなどと思えてしまうのだ…………)
耐えるように目を瞑りながらも、舌の上で脈動する肉竿をしゃぶっていく。
吐き出される欲望を、言われずとも従順に、或いは悦んで飲み込んでいく。
「んぉっ、ん、んんー……んっぐぅっ……」
食道へと注ぎ込むように押しこんできて、おこりのように震える肉棒を喉越しで味わされる。
そんな嚥下する喉の動きすら摩擦し扱くための材料となって、精を胃の腑へと送り込んでいく。
「んじゅじゅっ……んぇ……んっく、んく……んっぶぐ!」
飲みきれない白濁液が唇から零れ落ちてベッドを濡らした。
少女の小さな口内には量が多すぎるのだ。
「……よし」
「んっはぁっ……んぁ、あぁぅっ、んぐっぁ……」
ようやく射精を終えて引き抜けば口内は白濁に染まっていて、ピンクの舌が白濁の泉の中でゆらゆらと揺れていた。
「全部飲んでくれ」
「んぅっ……ぐっ、こくっ! ぅあ、はぁ……んぅ、ごくっ……! ……うぁはぁっ……はぁはぁ……」
唇を閉じ頬を膨らませて舌で塊のように濃いものを解きほぐし飲み込む。
喉に引っかかるそれは一度や二度では飲み込めるものではなく、何度も繰り返し嚥下していく。
全部飲み込み、荒く息をつけたのは数十秒も経ってのことだった。
「よしよし偉いぞオティヌス」
「あっ、ふぁ……気安いぞ人間……私は犬猫では、くふぅんぅ……ない、のだ……」
頭を撫でられ、蕩けた顔で反論しているオティヌスはいやらしくも可愛らしい。
どれだけ感じ入っているのか、顎を伝う零れた液を指ですくって口元に持っていけば、舐めてちゅちゅっとしゃぶっている。
金の毛並みを持つペットに餌でもあげているように上条は思えた。
「ちゅっ、るるっ……ん、はぁっ……じゅっじゅじゅっ……」
ついでにと差し出された肉竿もおしゃぶりし、へばりついた白いモノを啜り取った。
「綺麗になった所で、もう一回いくぞ」
「あ……」
上条がトンと軽く押しただけで抵抗もなく倒れるオティヌス。
顔にはもう隠しきれていない悦びがあった。
そのまま無意識に両手を伸ばし歓迎しようとしてる途中で、はっと気づいたかのように
自分は何をしているのかと留まった。
たっぷりと犯されイカされても、まだ自身の在り方に戸惑いがあるようだ。
「ほら後ろ向いて」
「な、なにをするつもりだ」
上条は中途半端に伸びた手を掴み、仰向けからうつ伏せへと転がした。
「オティヌスの身体はどこも綺麗だなーって思ってさ」
「ふぁっぅ……つ、つよく触るな……もう少し優しくしろ……」
ぎゅぎゅっと形いいお尻を両手で強く揉まれ、若干の本音が漏れる。
オティヌスが何か抵抗するように上条の手首を後ろ手で握るがこれと言ってなにもしない。できない。
「上条さんは平等なのが好きだから。分け隔てなく愛してあげないといけないのです」
「……?」
お尻を撫で触りながら喋る上条の真意がわからず疑問を浮かべるオティヌス。
「なのであそこやお口だけじゃなくてお尻にもいっぱい出してあげます」
「ひぐっ!?」
尻肉が割り開かれ、ぐちゅりと指が尻穴へと沈み込んだ。
「どどどどどこに指入れてやがる!」
「あれっ? こっちは経験無いの?」
「あるわけないだろ! 弄るなっ、あ、やめっ……」
「……神様はお尻の中まで綺麗なんだな」
汚れも匂いもない排泄口を嬉しそうにほじる上条に、オティヌスは身悶えする。
色素が薄く白が強い薄桃色のそこが、指で押し広げられて赤みを増した。
「くぅ、んんっ、だからやめろ……こ、のっ! 変態野郎!」
「おかしいな。なんだか経験豊富そうにしてたのに。もしかしてそうでもない?」
ぎくぅっ!とか、そんな音がしそうなほどオティヌスの動きが止まった。
「ふんっ、なななななにをたたたたわけた事を」
「声震えてっぞ。久しぶりとか言ってたけど、どれぐらいやってなかったの?」
例え上条でなくとも、オティヌスの表情に焦りがあるのがわかっただろう。
迷いと葛藤、恥ずかしいのか耳まで赤くなっている。
「早く」
「や、やめろ! 言うから入れるな! ……………………だ」
「ん?」
少しの間があって、諦めの表情で小さく呟いた。
聞き返す上条を力ない瞳で見つめ返して。
「二千年ぐらい前で最後だ……」
「ほとんど紀元前じゃねーか! つーかそんなんじゃ未経験と変わらないだろ!」
「うぅっ……」
言葉に詰まるオティヌス。そしてぴこーんと思い当たった上条。
「のわりには感じやすかったし。もしかして女神様は二千年間お一人で……」
「うるさいうるさいうるさい黙れ。私は魔神オティヌスだぞ。そんなものとは無縁極まりない戦争の神なのだ」
「はいはいわかってるよオナ……じゃなかったオティヌスちゃん」
「~~~!!!」
逆鱗に触れたのか、きしゃーと飛び掛ってくるオティヌスを上条が迎え撃つ。
例によって身体を色々と触られ、借りてきた猫のようにおとなしくなる。
「オティヌスちゃん寂しかったんだよね。わかる。わかりますよ。俺もそうだったし」
「だからちゃん付けはやめろ! お前は調子に乗ったらどこまでも厚かましいな!」
怒声を上げても、うんうんと頷いている上条はほとんど聞いていない。
頷くたびにモノが魚が獲れた瞬間の釣竿のように跳ねるのが気持ち悪い。
「俺も甘やかしてもらったし、うーんと甘えていいよ」
「だったら何故のしかかってくる。やめろ、尻に当ててくるな、あ、ダメだ。ダメだって」
じたばたとベッドを這いずるオティヌスがまたも組み伏せられ背後を取られた。
どうであれ上条は自分を突き通す。ただ今回は舞台がベッドの上なだけだ。
「大丈夫。彼氏いない暦二千年のオティヌスちゃんは俺が慰めてあげるから」
「よりにもよってそんな不名誉な物言いを!? あ、ぃや、ああ、あああっうぅぅぅんっ!!!」
反論は猛々しい肉棒によって封じられた。
上条は後背位の姿勢のまま、尻へと挿入したのだ。
「すげぇきつきつであったかいぞ」
「あ……く、あっ……はぁ……強引過ぎる……ぞ……」
「いっぱい愛してあげないといけないだろ」
「んぐぐっ、くうぅぅ……」
理論展開は不明だが、上条に止まる気がないというのだけはオティヌスに伝わった。
文字通り、初めての感覚で白い背中にぞわりと鳥肌が立った。
大きな異物で腸内を塞がれて、心臓まで圧迫されているような感覚すらあった。
「く、くるし……」
その感覚がどんどんと強まっていく。
ずずずっと重いものを引きずるかのように、ゆっくりとゆっくりと亀頭が全部入り込み、幹がオティヌスの中へと埋め込まれていく。
「はっ、ひぃ、くぅ、おあ、おぁお……!」
上条が少し腰を戻せば腹の内側から引っ張られるような、味わった事のない激感に襲われる。
それは排泄に酷似した開放感による快感だ。
ぞくぞくぞくっ! とオティヌスの全身が震える。
(な、なん、だ……これ……は……!?)
オティヌスは人から魔神と化してからの永い期間、その感覚を忘れていたのだ。
生理現象も生命維持も自由自在なほぼ不老不死の肉体。
食事は好みで摂取しているが、老廃物の完全な消滅と分解が行えて排泄の必要は全くなかった
だから、無理矢理に腸粘膜をこそぎ上げられて思い知らされたのだ。
本来排泄は快感の一つと言ってもいいほどに、気持ちのいいものだという事を。
「ま、まて……! あくぅ、ああっ、と、とまって、くれ……! たえられな……!」
「無理だって。オティヌスもよくなってきたんだろ」
声音や顔色だけで察したのか、上条の動きがだんだんと速度を増していく。
身体が受け入れているのだろう、湿り気のある音が少しずつ大きくなっていく。
「ほら、さっきより濡れてきてる」
「くぅっ、んんっく、あふはぁっ……!」
上条が行為を続けながらも、右手で秘部を撫でた。
時間が経って精液は大分流れ落ちているが、それ以上の蜜が溢れて太腿から膝まで濡らしている。
それをすくってモノに塗って、きつい腸内の潤滑を高める。
挿入がスムーズになるほど、刺激も増え愛液の分泌も多くなる。
まるで連動しているかのような二つの性感帯を上条は責めていく。
「あっくぐぅぅっ……ふ、ふかぃ……」
肉棒の半分以上が飲み込まれていって、圧迫感で串刺しにでもされているようだ。
目をぎゅっと瞑り、唇を引き結んで激感を堪えた。
「ふぁっ、あ、はあぁぁぅふうぅーっ……」
ゆっくり引き戻されれば、堪らないほどの開放感で身体が軽くなっていく気すらした。
翡翠色の瞳は靄がかかったようにとろめき、陶酔の吐息を零す。
魔神の少女は獣の姿勢による排泄穴の性行為によって、紛れも無い悦楽を感じていた。
「少し速くするぞ」
「んんん、あ! ま、まだ、慣れてないんだ……! 優しくしろ……!」
聞き入れず、じっとりとした動きが少しずつ速度を増していく。
圧迫感も開放感も堪能する暇もなく、二つの感覚がオティヌスを責め立てていく。
挿入すれば膣内まで圧迫されて、精液と愛液が混じったものが膣口から吹き出した。
「入れる時にお尻がくにゅくにゅと潰れるのがエロいなぁ」
「くっあぁ、い、いやらしい事を、ふ、んぐぅっ! いうなぁ……」
結合部からじゅくじゅくとした音。ぱちぱちと肉と肉がぶつかる響き。
星と黒だけの世界で、二人の息遣いと触れ合う肌が楽音を奏でる。
高まっていく性感は、腸内を膣とほとんど変わらないほどに潤わせていて、腰の速度がどんどん増していく。
押しこむ度、果実のような曲線を持つ尻たぶが上条の腹筋に潰され、官能的な柔らかさを伝えてくる。
きつきつとした締め付けも段々とこなれてきたのか、包み込むようなまろやかさもあった。
「はぅ、んぁ、そこ、は弱い、んだぁ……んっくぅ……」
上条は覆い被さるようにして、金髪から覗かせるほんのりと赤らんでいる耳へ舌を滑らせる。
「凄く鳥肌立ってておっぱいも立ってる。気持ちいいってのがわかるぞ」
「ひっぁ……! あんんっ、くふっ、摘まむなぁ……ひぅあぁ、ぃゃぁ……」
まさぐる手の平にマシュマロの柔らかさとゼリーのしっとりとした感触が伝わってきて
ツンと固くなっている乳首を指先でこねるように弄んだ。
乳房の中のしこりを揉みほぐすようにすれば、甘い嬌声が零れ落ちる。
「そろそろだ……」
「あぁ……また、か……い、今出されたら……私まで……」
上条だけではなく、オティヌスも絶頂が近い。
どこもかしこも感じてしまい、快感のあまり視界は涙で滲み、チカチカと点滅するように白んできている。
「んっっあぁ……!」
いよいよ上条が射精するためだけの動きへと変わった。
オティヌスの両手を握り、後ろ手に引っ張って上体を反らさせてから激しく犯し始める。
無理な姿勢がオティヌスの腹圧を強めて、ぐいぐいと握るように締め付けてくる。
「あ、ぃやっ……! そ、こは、あっ、あっ、あっ、あっ、ああっ!」
リズミカルに出し入れされる肉が腸の腹側辺りをぞりぞりと削った。
薄い腸粘膜越しに、亀頭が子宮の裏側を擦り衝撃を伝え、ノックを繰り返す。
排泄の快楽と子宮責めの合わせ技で、オティヌスの端正な顔がだらしなく緩んでいく。
じゅくじゅくっ、ぐちゃぐちゃ、じゅぽじゅぽっ、ぐちゅぐちゅっ。
いやらしい性交の音が尻穴から響き渡っているが、オティヌスにはそれを気にする事も恥ずかしがる余裕もない。
引っ張られた手と結合部を支点に、仰け反るよう弓なりに身体が引き絞られる。
背中のラインが優美な曲線を描き、金の髪が激しく乱れて汗まみれの身体へ纏わりつく。
「あっ、ふっ、あっ、ふ、ふっ、お、おまえもいき、ふっ、ううっ、そうなんだな……だんだん、わかって……ふぁっ……!」
抜き差しする肉の竿が痙攣しているのが伝わってくる。
何度も何度も味合わされたものが、また溢れ出そうとしている。
「いくぞ……!」
「う……あっ! うっんあぁぁぁぁぁ!」
熱い濁流を注ぎ込まれオティヌスは吠えた。
(あぁ……口から飛び出そうだ……)
限界まで反らされた背中。上条の全身をバネにしたかのような深い撃ち込み。
身体の奥深くまで穿たれたかのように、快感が頭の先まで通り抜けていく。
びくんびくんと肉竿の脈動に合わせてオティヌスの身体も悦びで打ち震える。
「はぁっ、はぁっ、ん……ふっ、んんっ! あぅっ、んぁっ……!」
叫びが途切れ、息を整えようとするが甘い嬌声へと塗り潰された。
上条が射精しながらも、支えにした腕をゆすってくるのだ。
腸粘膜を勝手に使われるようにモノを扱かされて、ドロドロの欲望のエキスが更に吐き出される。
先ほどの言葉の通り、オティヌスの中をいっぱいにするまで射精を続けていた。
「ふう……よかったぞオティヌス」
「…………あふぅ……」
上条がようやくと言ってもいいほどの時間をかけて、引き抜き握っていた手を降ろすと、くたんとオティヌスの身体が崩れ落ちた。
尻は突き上げるように高く、頭はベッドに沈み込んで伏せている姿勢になっており
魔神の威厳などもうどこにもなくて、自身の状態を気にする余裕もない。
「あれ、どうした?」
返事はない。
何度絶頂を迎えたかもわからないぐらいイカされており、意識は飛んでしまっている。
「まあ寝ててもいいんだけどさ、もっかいいくぞ」
「ひやぁっ……!」
不意にお尻へまた挿入されて電気ショックでも浴びせられたかのように、身体が跳ねた。
「ま、まだ……やるの……か……?」
泣きそうな、いや泣いていて目に涙を溜めたままオティヌスは問う。
「いっぱいって言っただろ。お尻だけ一回なわけがない」
「一回ってまさか……」
今まで上条に抱かれたというか犯され、射精を受けた回数を考える。
それと同じ回数するということは。
「ま、まて、ダメだ、そんなにされたらもたない壊れちゃう」
「百回とか千回とか万回まではしないから多分大丈夫」
「お前根に持ってるな! もうしないから! 世界も戻す! だからやめ―――――」
絶望と官能に満ちた悲鳴が黒の空間へと広がり消えていった。
・
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・
・
・
・
「はっ……一体俺はなにをしていたんだ」
気がつけば上条当麻はベッドの上で仁王立ちをしていた。
酷く疲れているのにやたらとすっきりした気分。
足元に熱を感じて視線を下へと向けてみると
「うわぁ……」
オティヌスが裸を隠す事もなく横たわっていて、ぐったりとして動いていなかった。
身体中余すところなく白濁したものがこびり付いている。
胸は上下していて息はしているが、眼差しはレイプ目になっていて虚ろに輝いていた。
例えるなら、数十人の男達とか特定目的用スライムとか触手生物とかに
ぐっちょんぐっちょんにされたらこうなってしまうだろう光景であった。
当然ながら、そんなものはいないので全てが上条の仕業である。
そういえばお口も一回しかやってなかったなーとか、胸で挟めるかなーとか
やってるうちにあそこの回数が少なくなってる気がしたぞだとか、それはもうオティヌスを味わい尽くしてしまったのだ。
そうして薬の効果が抜けて今に至っていた。
「えーっと……起きれますでしょうかオティヌスさん」
「…………っ」
そろりと手を伸ばせば虚ろな表情ながら、何かを呟いているのがわかる。
「……やめてくれ…………もうしないで……たすけて…………」
「ちょ、ちょっとまって、そういう心にくるのやめて!」
誘惑されてやってしまったこととはいえ、この状況でその言葉は精神的ダメージがある。
薬が抜けたものの記憶まで抜けたわけではないのだ。
上条はあわあわざくざくと罪悪感に打ち震えた。
「むりだ……まくらは入らない……」
「どんなプレイだ!」
「……んんぅ」
それはそれとして、思わず頭をぺちんっと叩くと悩ましげな声をあげ、目の焦点が合ってきた。
ちなみにベッドに置いてある枕は余裕で三人分の頭が置けるだろう抱き枕のごときものである。
「はっ……私は一体……そうか、私は負けたのか……」
「戦いに負けて気絶してたみたいに言われても。
っていうかオティヌスの頭ん中で俺はどんなキャラになってんの」
「……意識の無い私を組み伏せて欲望の限りを尽くしたというわけか。見下げ果てたものだな人間」
「そんなキャラか! なんで被害者ぶるんだよ! 誘ってきたのはオティヌスじゃねえか!」
「ふんっ、なんのことだかわからんな」
ぷいっと寝たまま顔を反らすオティヌス。
「じゃあ俺が悪くてもいいからさ、いい加減世界を戻してくれよ」
「な……! き、貴様! あれだけ人の身体を貪っておいて私を捨てようというのか!」
「えー? なんか話が違うような」
若干めんどくさい女神様のようであった。
まあ神話にあるとおり、神様は大抵不条理なものなのだが。
わなわなぷるぷるしているオティヌスを見て、上条は言葉を重ねる。
「捨てるつーか、お前も来るんだよ。ここまでしちゃったんだ。責任は取る」
「…………! 本気……なの、か?」
「成り行きとはいえ女の子を抱いたんだ。そうするのが普通だろ」
成り行きなんてもので済まない状況だが、上条にはそれが当然のことのよう。
「で、でも私が戻れば世界から狙われる身だぞ。私に付き合えばお前も巻き込まれる」
「そういえばそうか。でも関係ない。俺がみんなに話しを通す。殺させたりなんてさせないさ」
「本当にわかっているのか? 私は世界を混乱に陥れたのだぞ。お前一人の一存でどうこうできるものではない」
「お前に罪があるのはわかっているよ。けど罪は償えるんだ。
寂しくならないようにいつでも会いにいくから。お爺ちゃんになっても、いつまででも待つさ」
オティヌスは唖然とした顔で上条を見た。
「お前は世界を意のままにできる私へ、言うに事欠いて監獄に入れと?
説得とすら言えないだろうそんなものは」
「説得じゃなくてお願いだよ。無罪放免というわけにはいかない。俺がそうしてほしいんだ」
「……単なるお前の都合ではないか」
「色々あったけどさ、オティヌスに抱きしめられた時、やっぱり嬉しかったんだ俺は」
何を言っているのかと表情が歪む。何もかもさらけだした今、仮面は外れている。
「あれは私がお前の苦しみにつけ込んだものだ。お前は極限状態に追い込まれ勘違いをしているだけだろう」
「……それは否定できない。誰かが聞いても同じ事を考えるかもしれない。
けれど寂しくて人恋しかったのはお前も同じなんだろ? だから求めてきたんだ。
俺は一夜の出来事なんかで済ませたくない。まっさらなまま一緒にいたいよ」
そこに愛情があったかと言えば違うのだろう。
されども何も生まれなかったのかと問われれば、それもまた違うのだ。
「……ちっ、今更強がってもお前には無駄か………………」
頭痛でもあるかのように額を押さえて溜息。そして頷いた。
「ああそうだ。私は誰かと共にいたい。その誰かはお前がいいよ」
「へへっ、デレたな」
「うるさい、これからが大変なんだぞ。オッレルスの妖精化で力はほとんどない。
そして私の敵は多い。こうなってはグレムリンのメンバーすら敵だ。投降なぞ許してもらえると思うなよ」
「なんとかしてみせる」
「全くお前という奴は。……まあいい。善は急げだ。世界を戻してやる」
「ああ」
どこからともなく主神の槍を現し差し出した。
「これを右手で壊せ。後は自動的にお前を基準点として世界が在りし姿を取り戻すだろう」
「わかった。…………でもそのまえに」
「ん? なんだ?」
「オティヌスさ、滅茶苦茶べたべたしてて精液臭いし、一度シャワーでも浴びたほうが」
あっけらかんと笑いながら槍へと右手を伸ばし、オティヌスの額でぶちんっとゴムが切れるような音が聞こえた気がした。
「おっまっえっがっ! やりたい放題したんだろうが!」
幻想殺しが槍を砕くと同時に、神速の右ストレートが上条を打ち砕いた。
「うわぁっ!? ……あ! 戻ってる!」
尻餅をついた上条は無限の世界に入る直前の場所、壊れた船で作られたような島のサルガッソーにいるのに気付いた。
目の前には呆れた顔をした、いつもの服装で綺麗になっているオティヌスもいる。
「とりあえずアレを防げ」
「ん……!?」
人差し指を上へ向けるオティヌスの視線の先を追う。
攻撃魔術らしき何かの光が幾つも二人の頭上へ降ってきている。
慌てて立ち上がりオティヌスを庇って、流星を受け止め消していく。
「おい、これはどういうことだ」
上条へと誰かが声をかけたのは防ぎ終えた後のことだ。
起伏のある地形を乗り越え、四人の少女達が姿を現す。
「何故お前がオティヌスを守っている?」
「っていうかあれ抱き寄せていますよねえ」
「はぁ? どうなってんのよ」
「とうま! その人は敵なんだよ!」
バードウェイ、レッサーと出てきて美琴とインデックスが混乱している。
「みんな……!」
酷く懐かしい気分に囚われながらも、オティヌスを横目で見て言葉を続ける。
「色々と訳ありなんだ! 戦うんじゃなくて話を聞いてくれ!」
「まずそいつから離れろ。奴を滅ぼした後なら幾らでも聞いてやる」
バードウェイが上条の後ろのオティヌスを睨み付けた。
戦場の真っ只中で油断など一切ない。そして会話をする余地もなさそうだった。
「だから待ってくれ。オティヌスと交渉したんだ。こいつはもう戦わない」
「交渉って何話したって言うのよ。アンタが先に行ってから一分も経ってないじゃない」
「それは……くそっ、なんて言えばいいんだ」
挟まれた無限の世界とベッドでの行為。
思い返して上条の額に汗が流れる。
そもそも説明するにしても不適切極まりない出来事というのを今更のように思い出す。
上条が困った顔でちらりとオティヌスのほうを見た。
助けてという視線を半眼で睨み返して、今度はオティヌスが前に出る。
「では私から説明してやろう。今の私には戦う理由も主神の槍も無くなった。
予定とは違うが目的は果たしている。よってお前たちと戦う必要も無いという事だ。以上」
「いや、それはちょっと……」
「ふざけるなよ。世界を相手取って今更命乞いか?」
「この局面で和解なんて、裏があるに決まっていますねえ。何かの時間稼ぎでしょうか」
説明というか一方的な停戦宣言に、上条は焦り少女らは疑心に溢れる。
オティヌスもオティヌスで交渉の余地がなさそうだった。
「命乞い? 時間稼ぎ? くっくっくっ、私が譲ってやっているのだ。
余計な事に頭を回す暇があるのなら控えていろよ」
「お前全然交渉する気ないだろ!」
「アンタこそいい加減にしなさいよ。コイツ全然おとなしくなってないじゃない」
つっこまれて上条がまた困りだす。
上条自身、和解交渉をする理由が自分の我儘というのを理解している。
それだけにオティヌスの協力が不可欠なのだが、生憎折れてくれる気が全然しない。
「いいか、交渉というものは弱みを見せたら負けだ。そしてあいつらの弱みは私の手にある」
「へ?」
オティヌスがおもむろに上条を抱きしめた。
少女らが警戒する。色っぽいものではなく人質にする気なのかという意味でだ。
その予想は直後に裏切られた。
「聞け! 私の停戦条件との引き換えは上条当麻だ!
私は上条当麻のもので、上条当麻は私のものだ! 今その証拠を見せてやる!」
居丈高な物言いと行動を止める暇もない。
オティヌスが上条にいきなりキスをしたのだ。
「―――!」
言葉もなく固まる少女達。
比喩ではなく空間に電光が瞬き、形になっていない魔力が空気をかき乱す。
そんな中でも、ちゅちゅっぴちゃぴちゃっと湿った音が響き、舌を絡ませあうほど深く二人はキスをしていた。
もっともオティヌスだけが舌を使っているのだが。
(う、うごけない)
ちなみに上条のほうはというと、がっしりと身体も頭も抑えられていて、身動き一つできていなかった。
さながら本物の熊にベアハッグでもされているかのような圧着感だ。
ひとしきりオティヌスにねぶられてから、がくんと膝を落とした。
「……と、まあ見ての通りだ。こいつを私が頂く代わりに世界は平和になる。これ以上ない好条件だろう?」
聞いたっきり、しばらくの間止まっていた少女ら。
しかし呆然とした表情にどんどんと怒気が溜まっていき、反比例するように上条が青ざめていく。
「…………あーね……つまりそういうことね。美琴さんとあろうものが騙されちゃったわー
シリアス展開と思ってたのに、アンタはいつもどおり桃色ってたわけだったのね」
「違うよ! めっちゃ頑張ってたんだよ! 半分ぐらい説明させてよ!」
「短髪の言うとおりかも……むしろ今回は戦う前に仲良くなっちゃってて…………
とうまはいっつもいっつも女の子にちょっかいかけすぎなんだよ!」
「可愛い嫉妬ならともかくとして、歯剥き出しでぐるぐる言わないで!」
「私はまあ、あなたの重要性を加味した感情しか持っていません。
……とはいえです。人をあっさり袖にしておいて、別の女になびくのを許せるわけないですよねえ…………」
「言いながら包丁刺すみたいに霊装用意してるっ!?」
「……つまりなんだ。あれだろ。お前たちは前から繋がっていて、私達を謀っていたんだろ。
わけがわからないがそれなら理屈は通る。私としては問答無用でこいつに人道的拷問を施して、全てを吐かせるつもりだが皆はどうだ?」
『『『意義なーし!!!』』』
「全件一致! なにこれ! 俺どうなっちゃうの!」
上条は忘れていたのだ。
女神様に限らず、概ね女の子はみな面倒臭いということを。
そして審判が下された。
美琴の前髪が、バリバリと鳴って。レッサーとバードウェイが霊装を携えて詠唱する。
凶暴なイカズチや紅蓮の炎が絡み合い目標へと一直線に突き進む。
もちろん対象は上条当麻だ。
「だー! 今、絶対殺意あったよね!? 俺じゃなかったら死んでるよ! ってひぃ~」
そんな攻撃を打ち消しながらも一番上条がブルっているのは、ガチンガチンっと響くエナメル質とは思えない音。
インデックスがどんな猛獣でも食らいついたら離さないトラバサミみたいに歯を噛み鳴らしているのだ。
「うーむ。がつんと言ってやったが逆効果だったようだな」
「絶対わざとだろ! どうすりゃいいのこの状況! 世界で紛争が絶えない理由がなんかわかっちゃったよ!」
「立場をわからせてやらないと逆に可哀想だろう? もう芽がないということをな。
お前たち知っているか? こいつはベッドの上だと可愛い顔で喘ぐ癖に、本気を出すととても激しいのだぞ」
「「「ぶち殺す」」」
「挑発しないで!」
インデックス以外が宣言して、インデックスの歯の根が金版加工用の工作機械染みた音を打ち鳴らす。
がくがくぶるぶるしている上条を尻目に、オティヌスが尊大に腕を組んだ。
「なーに私には骨船がある。一回こっきりだがここから立ち去るぐらいお手の物だ」
「逃すな! 上条当麻を殺せ!」
「完全に目的がすり替わってる!?」
「くっくっくっ……ではハネムーンと洒落込もうか」
たっぷりのヘイトを掻き集めて、オティヌスはとても嬉しそうに笑ったまま
上条はデスマスクでも作れそうなぐらい悲痛な顔のまま、少女達の前から消えた。
実現困難な道筋は、他ならぬオティヌスの行動によってハードモードとなって上条を出迎えるのだった。