深夜に起きたらドラえもんの四次元ポケットを持ってた。
いや、咄嗟に四次元ポケットと称したが、別に本物の四次元ポケットという訳ではない。きっと寝て起きたら部屋に侵入していた単なる白い布だろう。それはそれで怖いな。
試しに広げて、寝ぼけた頭でまじまじと白い布の中身を見つめながら手を突っ込んでみる。するすると肩まで手品のように消えていく腕。……うん。種も仕掛けもないな。
本物の四次元ポケットだった。どうしよう。
とりあえず色々と考えてみたものの、一般人である俺にはどうしようもないし、なんだか腹も減ったので台所に移動して、適当なモノを漁りながら、なんとなしに白い布に手を突っ込んで『グルメテーブルかけ』をイメージしてまさぐってみる。すると、手に何かが当たり、出してみる。
………グルメテーブルかけが出てきやがった。
え、まって??? これ、まさかとは思うけど四次元ポケット単体とかじゃなくて、中身はいってんの??? なにこれ、俺にどうしろと???
混乱しながら、とりあえず机の上に置き、ガストのチーズインハンバーグを注文してみる。
………うわ、マジで出てきやがった。
ご丁寧に備え付けらていたナイフとフォークを手にとって、出来立てっぽいハンバーグを口に運んでみる。………うん、普通にうまい。そこそこ馴染みのある、ガストのチーズインハンバーグの味だ。
そこで手に持っているフォークとナイフ、そして料理が盛られていた鉄板を観察してみる………ふむ、これ明らかにガストで使われてる鉄板とかだよな。映画とかでもたまに出てきて思ってたけど、これその場でテーブルかけが生成してる感じなのか………?
それに、今思い出していた漫画やアニメなどの仕様と、指定したものが出てくるという現象を観るに、恐らく『何も店を指定しなければテーブルかけオリジナルの料理』を。『ガストなどの店の料理を指定した場合は、実際のガストの料理を出す』という感じか?
もぐもぐと食べ進めながら思案する。
そして、ふと思いついた品を注文してみた。
「オペオペの実」
………さすがに出ないか?
ポン。と簡単に生成された拳サイズの赤いハートの果実。
手に取ってまじまじと見てみる。
…………うん。あかんなあ。
☆
とりあえず、先ほどの危険物は四次元ポケットの奥深くに封印しておいた。
………まさか、本当に漫画と同じ代物とは思えないが、もし本物だったら口にしたら最後、俺、もしくは『口にした誰か』の死んだ後に世界のどこかに『復活したオペオペの実』が現れかねないのでとりあえず、適切な処分の仕方を考えてからどうにかするとしよう。
他人の手に渡ったリアル悪魔の実とか普通に手に負えないし。
それに、アレが『ワンピース世界産の悪魔の実』でなくとも、『この世界の総ての法則、材料を使って再現された悪魔の実』である可能性もある。警戒しておくに越したことはない。
そんなことを考えていると、いつの間にか窓の外が明るいことに気づく。
………朝じゃん。
☆
それから2日後。
恐る恐るといった感じで家の中でいろいろと試しつつも、基本的には意外と変わらない日常生活を送っている。個人的に、気に入ってた限定figmaの折れた髪パーツが新品に変化したことと、近場の古本屋で買ってきたボロい初版の単行本が書店で買ったとき特有の新品の香りに変わったのが今年のベストオブ感動だった。タイムふろしきは神。
まあ、やったことと言えばそれぐらいだ。あとのひみつ道具はとりあえず保留。
………え? せっかく現実でひみつ道具を手に入れたんだからもっと好き放題したらいいのにって?
いや、ぶっちゃけそんな急にこんな非現実的なモノ渡されても、すぐには手を出せないというか、なんというか。
うーん。
例えるならば、いきなり自由度の高すぎるRPGゲームを始めたような感覚といえば分かり易いだろうか。
"色々なことができる" って考えると、まずは手探りに始めないと何もわからないというか、なんというか。実際そんな感じだし。
………とりあえず、ひむつ道具のことは置いておいて、そろそろ日常的な思考に性欲が邪魔なので、一旦抜くことにする。ここ数日強烈なノイズが現れて発散できてなかったし。
自分の部屋で、一応隠してある手持ちサイズのオナホと手持ちの中では二番目に気持ちのいいローションをパソコンの横にセットし、今日の気分にあったモノを見つけるためにネットの海に飛び込んでいく。
………ふむ、そうだな。
「デカいオナホ作るか」