とある海辺に、その海賊狩りと呼ばれた女冒険者が訪れた。
かつて、世界の海を渡ってきた海賊たちの財宝を狙うだけの盗掘者だ。
今日も埋もれた宝を探し求めてきた彼女だったが……。

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ミヤノカリ

 潮騒の反響してくる洞窟内は、海水がそこかしこから沸き水のように流れてくる。

 そこは丁度、海に面した位置に出来上がったという自然の地下ダンジョンだった。

 

 そんな磯の臭いが漂ってくる海辺ダンジョンを探索する、一人の女冒険者がいた。

 彼女の名は、ミセン。人呼んで海賊狩り。とはいっても実際には海賊は狩らない。

 

 かつて海を荒らし回っていた海賊たちの財宝をメインに狙う盗掘者のことを指す。

 ミセンは、これまで数多くの隠された財宝を見つけ出してきた実績も持っていた。

 

 そんな彼女が次なる財宝を求め、狙いを付けたのが、この地下ダンジョンだった。

 

 ここには古の時代の英雄とまで云われた海賊が生涯集めた宝が眠っているという。

 

 海水が壁からも流れてくることから分かるように潮の満ち引きによって水没する。

 つまり、あまり長時間探索することはできない、極めて危険なダンジョンだった。

 

 干潮のときを狙って探索を開始したが、既に足下は水浸しとなってしまっている。

 ジャブジャブと海水を蹴りながら先を急ぐミセンは、その焦りを隠せないでいた。

 

「まずいな……そろそろ引き返さないと手遅れになっちゃうかも」

 

 それでもミセンは危険なことは承知の上で手ぶらで帰ろうとまでは考えなかった。

 何故ならこの洞窟も脆くなっており、近々崩落することが予見されていたからだ。

 

 そうなれば海賊の宝も地中の底へと沈んでしまい、永久に失われてしまうだろう。

 既に洞窟内の落盤は始まりつつあり、今この瞬間に崩れてもおかしくはなかった。

 

「くそっ、せめて宝の場所くらいは……」

 

 最悪、財宝の位置だけでも把握できれば次の探索の際に円滑に回収できるだろう。

 しかし残念かな、その洞窟は想定より深く、まだまだ先が長いことは明白だった。

 

 さしものミセンもこれ以上の探索は危険と判断し、踵を返そうとした、そのとき。

 

「……ッ!? 地鳴り? ま、まずい!」

 

 突然、壁が震え始め、海水が鉄砲水の如く吹きだしてくる。想定外の事態だった。

 狭い洞窟内で作り出される激流を回避する術などあるはずもなく、押し流される。

 

「――ぁがッ!!」

 

 あえなくして、ミセンは岩壁に頭をぶつけてしまい、気を失ってしまうのだった。

 

 ※ ※ ※

 

 ※ ※

 

 ※

 

「……ここは、何処?」

 

 目を覚ましたミセンは、視界の狭い青空を見上げていた。記憶を遡り、理解する。

 どうやらまだ洞窟内のようだったが、天井の空いた場所まで流されてきたらしい。

 

「ちっ……わたしとしたことが、とんだヘマを……」

 

 幸いにも洞窟からの脱出は容易そうだった。そう判断したミセンは身体を起こす。

 が、何やら奇妙な違和感があった。ミセンの下腹部から強い圧迫感があったのだ。

 

「な、なんだこりゃ? か、カニか?」

 

 ミセンは視線を自分の下半身に向けると、そこには甲殻類のような生き物がいた。

 丁度、カニの上に跨がっているかのような体勢だったが、状況はより深刻だった。

 

「ぐっ!? コイツ、まさかわたしの中に?」

 

 そう、その生き物の正体はヤドカリの仲間だった。変種でミヤノカリと呼ばれる。

 この生き物はヤドカリと同じ習性を持っており、自身以外の物を殻にしてしまう。

 そして、ミヤノカリが殻にするものはあろうことか人間であり、性器に寄生する。

 

 どうやらこのミヤノカリはミセンが気絶中だったのをいいことに寄生したらしい。

 

「このっ! 離れろ! きゅぅぅっ!?」

 

 ミセンは慌てて引きはがそうとするが、自分の内臓を引っ張られる感覚に戦いた。

 そのミヤノカリはミセンの膣内にまで潜り込み、子宮の奥まで制圧していたのだ。

 先ほどからミセンが感じていたその圧迫感は、寄生するミヤノカリの仕業だった。

 

「ダメだ、完全に中に入っちゃってとれない……」

 

 ミヤノカリとは、その名の通り、女性の子宮に寄生するという希少種のヤドカリ。

 寄生された側の体内では卵巣に至るまでミヤノカリのものとなってしまっていた。

 容易に引きはがすこともできず、無理に引っ張れば子宮が破壊される恐れもある。

 

「なんなんだよコイツは。人の身体に勝手に棲み着きやがって!」

 

 自分の膣内からはみ出してきているその甲殻類に悪態をつくも、虚しさだけ残る。

 見た目はかなりの巨大なヤドカリであり、ミセンを載せても余裕のある大きさだ。

 

「うっく♥ コイツめ! 勝手に動き出すんじゃな……ひんっ♥」

 

 ミセンの意思など尊重することのないミヤノカリは、飄々と移動を開始していく。

 対するミセンの方は、膣内をグリグリかき混ぜられるような感覚に襲われていた。

 

「止まれ! 止まれってば! あひぃぃん♥」

 

 両足で岩肌の上を踏ん張ってみるが、ミヤノカリは意にも介さぬ様子で進行する。

 ミセンを載せたままでも自由に動けるだけのパワフルさを持っているようだった。

 

「何処に行くつもり……にゃあぁぁっ♥」

 

 岩場は極めて足場が悪く、移動するだけでガタゴトと激しい揺れが加わってくる。

 さらには、ミセンの膣内も激しく脈動し、えも言われぬ刺激が断続的に来ていた。

 

 あまりにも乱暴といわざるを得ない猛進に、ミセンは文字通り振り回されていた。

 

「はぁ……♥ はぁぁ……♥ と、とまって、ひっぐ♥」

 

 勿論のことミヤノカリは我関せずといった調子で、遠慮なく移動していくばかり。

 少し動くだけでもミセンは不規則なバイブレーションに無理やり喘がされていた。

 

「あっ♥ いやぁ、そんな♥ こんなのでイキたく……ッ♥ んあああぁっっ♥」

 

 甲高い嬌声を上げて、背を仰け反らせる。どうやらミセンは軽く絶頂したようだ。

 

 少々早すぎるようには思わされるが、ポルチオまでギチギチに詰まっている状態。

 指先や肉棒が入っているのとはワケが違う。深い快感が続いているようなものだ。

 

「まだイッてるのにぃ♥ やめ♥ とまっ――――あああぁぁぁっ♥」

 

 ミセンもまだ余韻が残っているというのに、繰り返し繰り返し絶頂し潮まで吹く。

 

 さしものミヤノカリも、ただ単純に人間の性器に寄生しているだけではなかった。

 勿論共生するためでもあり、宿主を苦しめるようなことをしているわけではない。

 

 まだミセンの胎内を弄り倒しているような段階だったが、それには目的はあった。

 

「うっく……♥ お、おくぅ♥ 奥が、ジンジンするよぉ……♥」

 

 おそらくミセンは自覚していない。こうしている間に着々と進行しつつある事に。

 

 ミヤノカリはミセンの身体に寄生するだけに留まらず、一体化しようとしていた。

 次第に上半身の器官も侵蝕し、その全てを共有するのだ。一心同体となるために。

 

 その証拠に、ミセン自身もミヤノカリに対する抵抗の意思も薄れてしまっている。

 ミヤノカリから与えられる快楽という名の餌付けもあるが、感覚も麻痺していた。

 

 もはや自分の身体の一部になりつつあり、その繋ぎ目に違和感がなくなっていく。

 見た目だけならやはり蟹の上に女が跨っているだけのようにしか見えないのだが。

 

「あはぁ♥ なんれぇ? 頭ふわふわしてきたぁ♥ もうどうでもいいや♥」

 

 子宮内はミヤノカリの臓器と化しており、ミセンなど生きた駄肉のようなものだ。

 脳さえも支配されて、自身ではろくな思考すらできなくなり、次第に壊れていく。

 

「あひっ♥ あひゃはは♥ きもちいー、きもちひぃぃ♥」

 

 他の生物を自身の殻にしてどのようなメリットがあるのか、合理的な理由は不明。

 ただ、そういう生態系を持つ生物であり、ミセンはその犠牲となったのだとしか。

 

「おなかきゅぅきゅぅ♥ うひひぃ♥ ゴリゴリ♥」

 

 こうして、ミセンという名の海賊狩りと呼ばれた冒険者は人知れず海へと消えた。


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