匿名の方よりSkebにてご依頼いただいた、アークナイツの二次創作エロ小説です。
執筆スケジュールの都合上、全てのリクエストにはお答えできませんでしたが、その分エロく書けたと思います。

 内容はタイトルの通りです。
アークナイツはアニメの知識しかないので、wikiを見ながらウンウン唸って書いたので色々と不安ですが、
少しでも「シーっぽいなぁ」と思っていただければ嬉しいです。

 ご依頼ありがとうございました!!

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第1話

 ロドス――。それは、世界に蔓延る鉱石病と、その患者。そして彼らに対する偏見等を解決することを目的とした組織。そして、今私がいる場所。

 

 

 とはいっても、殺風景な壁や暗く重い配管なんかと毎日顔を合わせて過ごさなきゃなんないなんて、画家である私にとっては監獄に閉じ込められているようなもの。

 ――あの口煩い駄姉……。ゴミ溜めしか創れない馬鹿(ニェン)は、そんなこと全く気にしないで、楽しそうにしてるらしいけれど。

 

 

 閑話休題。だから私は、ロドスに来て早々――『私の部屋』を描いた。路地裏みたいに薄暗い通路の壁に入口を創り、その中に木、岩、水、土、山、離れ屋なんかの……所謂、花鳥風月。山川草木を描いて、現出させたの。

 

 

 幾人かは文句を言ってきたけれど、そんなの知らないわ。それとも……独房(へや)の中くらい、囚人の自由にしちゃいけないのかしら?

 

 

「シー、いるかい? 入るよ」

 

 

「……貴方。せめて返事を待とうという気はないのかしら?」

 

 

「シーに、返事をしようという気がないのと同じだよ」

 

 

「煩いわね、用がないなら帰ってくれるかしら。こっちは構想中なのよ」

 

 

「それはちょうどよかった。僕も考え事をしたくてね」

 

 

「ふん……。もういいわ、好きになさい」

 

 

 そんな私の独房にズカズカと土足で踏み入ってきたのは、この大監獄――ロドスにおけるトップ3の一人。

 性別はもちろん……出身も、種族も、過去も、思想すら……文字通りの千差万別。多種多様な人員(オペレーター)から、良くも悪くも一目置かれている人間。――通称、ドクター。

 

 

 ほぼ年中……フード付きの分厚いコートに、顔全体を覆うマスク。さらに踝を隠して余りある程の長いズボンに、底が5センチ近くある黒靴を着ている……紛うことなき不審者。

 おまけに、記憶喪失で過去が不明という……まさに怪しさという概念が偶然、人の形を象ったような存在。

 

 

 正直――あの、アーミヤとかいう娘がいなかったら、今ほどロドスは大きくなってなかったでしょうね……。

 

 

「ふぅ……。やっぱり、シーの絵はこうして直接見たほうがいいね」

 

 

「そう……ならもう満足でしょ。帰ってちょうだい」

 

 

「相変わらず手厳しいなぁ……。これでも一応、褒めてるのに」

 

 

「ホメテクレテドーモ、アリガトウ。――はい、これでいいかしら? 満足したのなら話しかけないで、創作の邪魔よ」

 

 

「分かった……。それじゃあ、ゆっくり鑑賞させてもらうよ」

 

 

 そんな彼は私の部屋に来ると、決まってそのマスクとフードを外し、素顔になる。

 多分、彼の素顔を見た人はこのロドスでも数少ないのでしょうね……。でも、私はそんなことどうでもいいわ。

 

 

 夢は人生の如くして、絵巻に描きつくるものなり……とは言うけれど、流石に同じ人間の横顔ばかり描いていたら、腕が落ちるし……。

それに――どう考えたって気持ち悪いじゃない。そんなの。

 

 

「……」

 

 

「…………ふふっ」

 

 

 ――まぁ、その数少ない人物の一人に私を選んでくれていることは……そこまで嫌な気にはならないけれど。

 

 

~ ~ ~ ~ 

 

 

「そういえばこの間……ニェンとリィンに会ったよ」

 

 

「あら、そう……よかったわね」

 

 

 しばらくして、彼が話を切り出した。

 

 

 一人が好きな私に当てつけるみたいに、あの創作者もどきの鍛冶馬鹿とリィン姉さんの名前がでてきたけれど……。多分、この男は悪気なんて一切ない素でやっているのでしょうね。

 

 

「実の姉の話なのに冷たいね」

 

 

「余計なお世話よ。第一、私たち姉妹はそういうのじゃないってこと、知ってるでしょ」

 

 

「ハハハ、そうかな……。でもリィンは結構きいてきたよ、シーのこと」

 

 

「でしょうね。姉さんは貴方と同じで、お人好しなところがあるもの」

 

 

「流石姉妹……。よく知ってるね」

 

 

「――黙りなさい」

 

 

 まるでリィン姉さんと喋っている時みたいに簡単に手玉に取られた私は……拗ねるようにそっぽを向いた。――今、ドクターはそんな私を、それはそれは癪に障る笑顔で見つめているのでしょうね。

 

 

(だいたい……突然私の部屋に入ってきたくせに、他の女の名前出すんじゃないわよ。……バカ)

 

 

「でもやっぱり……流石はシーのお姉さんたちだね。改めて感心したよ」

 

 

「何よ今さら……。気持ち悪いわね」

 

 

「その日、二人と食事を一緒にしたんだけど……。その後、なんだかんだで麻雀にもつきあわされてね。案の定、コテンパンにされたよ」

 

 

「それはご愁傷様。――ま、日がなゴミばかり製造しているアレはともかく……リィン姉さんには勝てなくて当然よ」

 

 

「そうみたいだね。食事中も含めて一番お酒を飲んでいたのに、顔色ひとつ変わらなかったし……」

 

 

「当たり前よ。――おおかた、飲み相手が欲しかった~とか、そんなトコロでしょうね。麻雀なんて、それこそいい酒の肴よ」

 

 

 ――気づけば私も、利き手の上で遊ばせていた筆を止め、ドクターの話に乗っかってしまっていた。しかも、よりによって話題が、この男があの馬鹿姉とリィン姉さんと楽しいひと時を過ごした……というもの。

 

 

 まるで遠回しに、姉さんたちに自慢されているかのような気がして、私は……無性に腹が立った。

 

 

「さて――。貴方の話に付き合ってあげたんだから、今度は貴方が私に付き合いなさい」

 

 

「いいけど……シーもどこか行きたくなったのかい?」

 

 

「冗談言わないでくれる? そんなの、コッチから願い下げよ」

 

 

 私はウサを晴らすように筆を走らせ、彼が入ってきた入口とは別の出入り口を、部屋の中に創った。

 

 

「さっき言ったでしょ『構想中』って……。ちょっと思いついたのよ、貴方の“せい”でね」

 

 

「どう……いたしまして?」

 

 

「フン……。お礼なんていいから、ついてきなさい」

 

 

 絵に描いたような困惑顔を浮かべるドクターの手を取り、私はその部屋へと入っていく。そして、彼を部屋の中心に押し出すと、唯一の入口である扉を消した。

 

 

◆ ◆ ◆ ◆

 

 

 シーに無理やり連れてこられた新しい部屋は、それまでの風光明媚・山紫水明なんて言葉がピッタリの内装から一転……。とても平俗というか……平たくいえば、珍しくないものだった。

 

 

 そこにあったのは、セミダブルかダブルくらいのサイズをしたベッド。そしてデスクランプといった簡易照明が数点のみ……。

 

 

「……驚いたよ、シーがこんな部屋を創るなんてね。どういう風の吹き回しだ――――」

 

 

んちゅ♡ ちゅっむ♡ れぅ……っるっぷぅ♡ 

 

 

「……!!」

 

 

 グルリと部屋を見渡したあと、シーの方へ振り返った瞬間……。僕の視界と口をシーが塞いだ。

 

 

ちゅ、れろ……っ♡ ちゅるる……っ♡ んふ……っ、んむ……っ♡

 

 

 僕よりも身長が数センチ低い分、少し背伸びをして、頭の角と同様……人外種の証たるその長い舌を、僕の口内に突き込んでくる。

 

 

「んっ! んんっ……っはぁ……っ、、。しっ、シー! い……いきなり、なに、を……っ」

 

 

 不意をつかれしばらく動けなかったが、なんとか無理やり引き剥がすことに成功した僕は、まだシーの舌の味が残る口で、彼女に理由(ワケ)を問いただした。

 

 

「あらあら、まるで生娘のような反応ね。私や姉さんをはじめ、老若男女……。鉱石病の罹患経験の有無や、その症状の具合に関係なく、自分の巣に連れこんでいるくせに。……意外だわ」

 

 

 しかし、当の本人は表情ひとつ変えずに、いつもの調子で返答する。

 

 

「そっ、そういうことを言いたいんじゃ……」

 

 

「わーかってるわよ、いちいちウルサイわね。『どうしていきなりキスなんかしたのか』……そう言いたいんでしょ?」

 

 

 普段――僕以外のオペレーターを門前払いする時の態度そのままで、まだ混乱中の僕の相手をするシー。その様子からも、彼女は間違いなく正気だった。

 

 

「別に、特に深い理由はないわ。言ったでしょ、『ちょっと思いついた』って……。ただそれだけよ」

 

 

「いや、誤魔化さないでくれシー。この部屋の内装といい、今の行動といい……。どう考えても、普段君が描いているものとは違うじゃないか」

 

 

「そうね、貴方の言う通りだわ。――でも私、『思いついた』とは言ったけれど、それが『絵のネタ』だなんて、ひとことも言ってないわよ」

 

 

「シッ、シー……」

 

 

 子どもみたいに僕の言葉尻というか、揚げ足をとるシーに、返す言葉を失ってしまった。埒が明かないのでシーの説得は諦め、ここから出ることを最優先に考える。

 が……唯一の出入り口だった扉が消されている以上、僕はシーに従うしか道が残されていなかった。

 

 

「流石は指揮だけでここまで生き残ってきた男ね、状況の把握が早くて助かるわ。――そう。貴方がここを出るには、最後まで付き従うしかないのよ。……私が満足するまで、ね♡」

 

 

 僕が平静を取り戻し、事態の把握も済んだことを察したシーが、悪人顔負けの微笑を浮かべながら……再度、僕に近づいてくる。

 

 

「それじゃ、おしゃべりは終わりにして……続き、するわよ♡ ――貴方も、絡めたかったら好きに絡ませなさい」

 

 

んにゅぅるらぁぁ~~っむ♡ んにちゅあぁ……れぅ、るるぅん……にゅ♡♡

 

 

 シーが再び、下から僕の顔を塞ぎ……舌を潜り込ませてきた。肉に味を漬け込むように、さっきの会話で薄れてしまった彼女の舌と唾液の味を、今度は舌の根や喉奥に至るまで丹念に塗り込んでくる。

 

 

「シー……っ、はぁ……。んむ……ぅ」

 

 

 絵の具をブチまけたように広がるシーの甘く、とても熱い舌と唾液。それに脳髄を蕩かされるような感覚に陥りながらも、なんとか舌の侵入を防ごうとするが……。

 

 

りゅぅ……っく♡ ちゅっ♡ むちゅちゅ……るるっ♡♡

 

 

 舌そのものの長さと、人種由来の力量差でそれもかなわない。むしろ、その動きを逆手に取られ、歯列や歯茎、頬肉に至るまで……全体を余すことなく浸される。

 

 

「んっ! んむ……っ。は、ぁ……」

 

 

「ふっ♡ ふふっ……♡♡ ふぁなは(あなた)……ひきはうはいほに(しきはうまいのに)……っんっ♡ んちゅぅ♡ にゅっる♡ れろ……るぅっ♡ こっひは、んくっ……♡ ほうれもないのね♡」

 

 

「んむ……っ。ふっ、んんっ!」

 

 

 シーは言葉を話している間も、舌の動きを止めなかった。舌腺などを刺激されたことで分泌した僕の唾液を啜り、自分のソレと撹拌してから流し返してくるシー。

 許容量を超過しそうになった僕の口はすぐさま脳へと救難信号を送り、脳はそれに応えて喉の筋肉を動かし、唾液を嚥下させる。

 

 

 しかし、それは悪手――。茹だるくらいに熱々な僕とシーのが混ざりあった特性液は、蛞蝓(ナメクジ)のように食道などの消化管を這いくだり、胃に……。そして、僕の体全体へと吸収され、全身を火照らせる。

 

 

「んん~っ♡♡ ちゅくっ♡ んっ……ちゅるっっぷ♡ ――ちゅっぱぁ♡ ……ふふっ♡♡ まっ、とりあえずはこんなところね♡ どうかしら、ドクター……。キスのやり方……覚えられたかしら?」

 

 

「はぁ……っ、はぁ……。っっ……お、おかげさまでね」

 

 

 酸欠とシーの身体からたち昇る匂いで、酩酊に近い状態になっていた僕は、すぐには返事をすることができなかった。しかし、僕からの皮肉交じりの返答を聞いたシーは、どことなく満足げな表情を浮かべていた。

 

 

「そっ。だったら、何も問題ないわね。次――いくわよ」

 

 

――――さわわ……っっ♡

 

 

 そう言ってシーは僕の股間をズボン越しに撫でてきた。

 

 

「まっ! 待った、シー!! 流石に、これ以上は……」

 

 

「何今さら紳士ぶってるのよ。言っとくけど、さっき貴方が飲んだのは普通の唾液よ。100%混ざりものってだけ。アルコールはもちろん、変な薬なんて一滴たりとも入ってないわよ」

 

 

さわっ♡ さわわっ……♡♡ ツツ~~~っっ♡

 

 

 シーは僕のモノから手を離さない。

 

 

 常日頃(ロドス内に無断で創った)自室に引きこもり、ろくに運動もせず……筆ばかりを握っている彼女の指は、アーミヤや他の女性オペレーターよりもさらに細い。

 そんな超極細といえる繊細な指が、まるでピアノを弾くみたいに僕のイチモツに優しく触れ……揶揄うように爪で裏筋の部分を反り上げる。

 

 

「ふーん……。なんだかんだ言っても、貴方もオスなのね。どんどん大きくなってるわよ、ココ……♡ いつもは表情すらわからないくらい着込んでいるのに……コッチはずいぶんと目立ちたがりなのねぇ……♡♡」

 

 

さわさ……っっ♡ ――ぎゅっ♡ ぐにぐに……グニグニ♡♡

 

 

 シーの手指がついに、布越しとはいえ僕のモノを掴んだ。そのまま筆を握るような絶妙な力加減で指圧しながら、ズボンごと上下に動かしていく……。

 

 

「シッ……イィィーーッ!」

 

 

「無駄よ、いくら叫んでも。入口が消えた以上、この部屋は外とは完全に隔離された空間。一種の別次元と言ってもいいわ。――そんなことより……。私以上に不健康な貴方のことだから……どうせ、ろくに処理してないんでしょ? ココ……♡」

 

 

「……っっ!」

 

 

 まるで見ていたかのように、誰にも秘密にしていた性事情をズバリ言い当てられ……僕は言葉に詰まってしまった。

 

 

「図星ね。まったく……あの病人レベルな厚着は、その正直さをカムフラージュするためなのかしら? ――まぁ、どうでもいいわ。……ホラ、下脱がせるから、ジッとしてなさい」

 

 

「わっ、わかった……」

 

 

 怒ったアーミヤを前にした時とはまた違った、有無を言わせないプレッシャーに圧され、僕は無意識に言葉をもらしていた。

 

 

ガチャ。ガチャガチャガチャチャ……ッッ♡ スルルル……ッ♡♡ ズボッ!!

 

 

 何故か手慣れた手つきのシーによって、僕は下半身を丸裸にされた。ほんの一瞬、全身に寒さが走ったけれど、スグに何もなかったように常温に戻った。

 おそらくシーが、予めこうなることを予想した室温になるよう設定していたのだろう。

 

 

「さて……と、これで貴方の方は準備できたわね。それじゃ、私も……」

 

 

 僕が半身ハダカになったのを見届けたシーは、どこからか取り出した愛用の筆を、自分のスグ隣の虚空に走らせた。

 

 

「感謝しなさいよ。この私が絵を描くところなんて、リィン姉さんでも滅多に見られないのよ。それも、今この状況……貴方のためだけに描く、世界でたったひとつしかない超レア物なんだから……♡♡」

 

 

 空中に引かれた線と線が繋がり……まるで魔法のように、あるひとつの形を成していく。

 

 

 僕の年齢など足元にも及ばないほどの永い年月……ただひたすらに筆を走らせ続けてきたであろうシー。当然――そんな彼女が描く作品は、たとえそれが彼女にとって、クズ紙に殴り描くラクガキであっても、万人を驚嘆させる名画になる。

 実際僕も、何十……。いや、何百回と彼女の部屋に入ってきたが、彼女が描き創りあげた内装に驚かなかったことは、一度もない。

 

 

「まっ、こんなところかしらね。こんなの……あんまり詳細に描きすぎるのも、イヤだもの」

 

 

 僕の目の前に実体となって現れたシーの“作品”に、僕は絶句した。

 

 

「シー……。こっ、これは……」

 

 

『なによ、見て分からないの? 私よ。毎日貴方に作品構想の邪魔をされて迷惑してる、シーよ』

 

 

 そこにいたのは、もう一人のシーだった。身長も、服装も、体型さえも……。何もかもが本物と瓜二つな、僕の知っているシーが、こちらをみつめていた。

 

 

「自画像なんて、本当は死ぬまで描きたくなかったんだけど……。今回は特別に……ね♡ まぁ、ここなら誰にもバレないし、貴方も言いふらしたり、自慢するような人間じゃないもの」

 

 

『あら、創り出されてスグに、そんな辛辣な言葉を聞かされるとは思わなかったわ。――なんなら、今すぐ私がここから抜け出して、他の連中に言いふらしてもいいのよ?』

 

 

「黙りなさい。――だいたい、私がそんな面倒なことするわけないじゃない。それより……さっさと始めるわよ」

 

 

『ハイハイ……。人使いの荒いことね、まったく……』

 

 

「貴女にだけは、言われる筋合いないわよ……」

 

 

 目の前で二人のシーが会話を繰り広げている。――どうやら、今しがた創られたシーは、完全な人形というわけではなく……本物と同じ性格と自意識を持った存在らしい。

 

 

(この部屋もそうだけど、こんなこともできたのか……。シーの描いた絵は)

 

 

 元の世界からは完全に隔絶された空間の生成……。外見だけでなく、性格や思考等の中身までもソックリな分身の出現……。

 明らかにアーツの領域を超えた神業の連続に、僕は改めてシーがすごい存在だということを思い知った。

 

 

「それじゃ、はやいことハジメましょう」

 

 

『えぇ、そうね。あんまりモタモタしてたら、後々面倒なことになりそうだもの』

 

 

スルッ――スルルル……ッッ♡♡ ポロンっ♡♡

 

 

 二人のシーは、全く同じタイミングで上半分の着物を脱いだ。

 その場に脱ぎ捨てられた上着の後を追うように……シーの小さくはないが、大きすぎない……ちょうどよい膨らみをした胸がポロッと姿を表す。

 

 

「ふふっ……♡ 普段ならともかく、今だと貴方がどこを見ているのか……一目瞭然ね♡♡」

 

 

『正直……想像していた以上に気持ち悪い感覚が肌を走っているけれど……。――まぁ、他でもない貴方からの眼差しだから、特別に大目に見てあげるわ』

 

 

 シーの裸体は、芸術品に劣らないほど美しかった。

 

 

 ほぼ毎日、室内に籠もり絵ばかり描いているシー。畢竟――その身体は細く、長女であるリィンが、なにかにつけて彼女に気を揉むのも、多少理解できた。

 

 

 しかし、細身ではあるものの今すぐに対処すべきというほどではなく、平均を少し上回る、女性特有の丸みや膨らみがしっかりと付いていた。

 そして、長らく日に当たっていないからか……その肌は何よりも純白できめ細かく、ウエストや背中といった部分のラインは、流れる清流のように美しい。

 

 

「……驚いたわね。あれだけ多くの女に囲まれてる貴方のことだもの……てっきり、私みたいな貧相なカラダには興味ないと思っていたわ」

 

 

「……っっ! なっ、ちが……」

 

 

『それとも……♡ 異性であれば誰でもいい……なんていう、最低な本性が素だったりするのかしら?』

 

 

 すっかりシーのカラダに見惚れていた僕を、彼女たちはいつものようにからかって弄ぶ。僕は慌てて否定し、顔をそらした。

 しかし、生まれ持った自分の身体が目の前のオトコに気に入られたことが、嬉しかったのか……微かな足音を立てて、ゆっくりとこちらに近づいてきた。

 

 

『裸の女を前にして、顔逸らすなんて……♡ 最低なことよ、ドクター……♡♡』

 

 

「それに……っ♡ 既にこんなにも陰茎を勃たせているのに……今さら取り繕ったところで、もう遅いわ♡♡」

 

 

ふぁっさぁ……♡ 

 

 

 鳥の羽が地面に抜け落ちるように……。二人のシーの右腕と左腕が、僕の右太ももと左胸の上に……それぞれ降りたつ。

 

 

ススス~~ッ♡ サササーーッッ……♡ ――ぎゅっ♡♡

 

 

 そして、鳥肌も立たせないほどの超極小の力を、僕の体に押しつけながら、吸い寄せられるように……左右からそれぞれ伸びる腕が、既に半勃起状態のペニスの前で合流する。

 

 

「捕まえたわ……♡ どうやら、まだ半分程度しか勃っていないみたいだけれど……それでも私の手よりは大きいわね♡」

 

 

『まぁ、裸になった程度で完全に勃起されていたら、流石に興ざめしてたわよ……♡ ――よくやったわね、ドクター。とりあえずは合格よっ♡♡』

 

 

 腕だけでなく、その胸ごと僕に密着させたシーたちはそのまま、ベッドの上に腰掛けた。

 そして僕の腕を胸の谷間に絡ませ、両腋をしっかり塞ぐと、ペニスの前で合流したそれぞれの手指を……そのまま重ね合わせて、二人で握った。

 

 

「それじゃ、このまま扱いてあげるわね……♡ 射したくなったら、そうね……。どれだけ小さくてもいいから、直前にひとこと言いなさい♡♡」

 

 

『あっちの私はそんなこと言ってるけど、騙されちゃダメよ。もし、私みたいな引きこもりの手コキですぐに射したりしたら……承知しないから♡♡』

 

 

 一卵性の双子以上にソックリな二人のシーが、はじめて真逆のことを口にした。

 

 

ぐぐっ……♡ グイッ♡ グイッ、グイッ……♡ 

 

 

 しかし、とる行動は同じで……陰茎を扱きながら、僕の左右の腿上に身を乗り上げるほどに密着し、胸板にその華奢な身体の重みをかけてくる。

 

 

『へぇ~♡ 貴方はロドス内でも一、二を争う不健康体だと聞いていたのだけれど……私程度の重さなら、たとえ二人に増えても難なく支えられるのね……♡♡ これなら、射精も当分――先のようね♡』

 

 

「フン。貴方……見え透いた痩せ我慢はよしなさい?♡♡ もうとっくに陰茎は露出しているのよ?♡ 変な意地を張らず、黙って快楽を享受していなさい……♡」

 

 

しゅこっ♡ しゅこ……♡ しゅこっ、しゅこ、しゅこ……♡♡ 

 

 

 左右の耳のすぐ下で、明らかに普段よりも艶めかしい声色で、相反することを囁かれながら、陰茎を扱かれる。

 戦闘はおろか、外出すらほとんどしないシーの手のひらは、本物はもちろん、偽物までも――絹のようにサラサラで、ローションや先走り汁などの潤滑液がほぼ皆無の今でも、痛みはほとんど感じない。

 

 

「そう……そうよ♡ 相変わらず、理解がはやいわね。どんどん私たちの手の中で大きく、硬くなってきているわ♡ そのまま、私に身を委ねなさい……♡ 悪いようにはしないと、約束してあげる……っ♡♡」

 

 

『ダメよ、ドクター……♡ そんな約束、どうせ反故にされるわ。ワタシが言うのもおかしな話だけれど、あの偏屈で愛想のない引きこもりが、口約束を律儀に守ると思う?♡ そんなの、絶対ウソ♡ 矛と盾を売る商人よりも胡散臭いわ……♡♡』

 

 

「っッッ……!」

 

 

グイッ――――むにゅっ♡♡

 

 

 突如――本物のシーが胸に挟んでいた僕の腕を掴み、肘を曲げさせ、手首から上を自分の胸へと運んだ。

 

 

「シー!! 急に、なにを……!?」

 

 

「黙って! 確かにソレの言う通り口約束だけじゃ信用できないのも無理ないから、証拠を見せてるのよ!♡ お生憎様、リィン姉さんほど大きくはないけれど……私の覚悟を貴方に分からせるには十分でしょ。――――だから、ホラ……好きになさい♡」

 

 

もみっ♡ むみゅ……っっ♡♡ ふにっ♡♡

 

 

 その言葉の後、シーは作法を教えるかのように、自分の胸を鷲掴んでいる僕の手指を数回動かした。その度――確かな柔らかい感触が腕を通じて、脳へと伝わる。

 

 

「…………な、なによ。何か言いたいなら、ハッキリ言いなさいよ……っ♡」

 

 

 珍しく、少しばかり気まずそうな表情を浮かべたシーは、そっぽを向いてしまった。

 口調はあくまでも、いつも通りに……無愛想な感じを保ってはいたが、その時のシーの頬と耳裏は、明らかに紅くなっていた。

 

 

『やれやれ……。他にも証明する方法はあったはずなのに、よりにもよってそんな方法を選ぶなんて……♡ ワタシはいつ、妓女に転職したのかしら?』

 

 

「それ以上無駄口をたたかないことね、贋作……。それに、もう上着は脱いでしまっているのだから、こうでもしないと意味がないじゃない。……他意は、ないわ……っ♡」

 

 

『そう。それは失礼したわね。……それじゃ、私も同じようにさせてもらうわ……♡♡』

 

 

グルッ……♡ むぅん……にゅ♡ もみゅ♡ みゅ……♡

 

 

 今度はもう一人のシーが、胸に挟んでいたもう片方の腕を取り、わざわざ自分の背中に回してから、同様に胸を揉ませた。

 

 

「ちょ……っっ――」

 

 

「ちょっと! アナタまで何してるのよ!!」

 

 

 僕の台詞を遮りシーが、イェンと口論するときに負けないほど大きな声を、自分の分身に向かって出した。しかし、その分身はなんとも涼しい顔をして聞き流す。

 

 

『――曰く、将は慍(いか)りを以て戦いを致すべからず。故に良将はこれを修め、利に非ざれば動かず、得るに非ざれば用いず』

 

 

「……っっ!」

 

 

 分身体のシーは僕に胸を揉ませたまま、また何か難しい言葉を口にした。僕はすぐにはその意味が分からなかったけれど、それを向けられただろうシー本人はすぐさま含意を理解したのか、苦虫を噛みつぶしたような表情を浮かべていた。

 

 

 

『聡明なものは感情では戦いを挑まない。能力のあるものはこれを知り、利益や得るものがなければ動かない……。つまり、逆に言えばそういうのがあれば、それがたとえ敵の使った策であろうと利用する……。アナタもそうでしょ?』

 

 

「~~~ッッ!!」

 

 

 シーの顔は羞恥ではなく怒りの感情で、再び赤くなっていた。だけど、分身体のシーが言ったことは、戦法としては確かに的を射ていた。

 ただ一つ……今のこの状況が、戦なのかどうかは微妙なところだけど。

 

 

『それに、アナタは無問題(モーマンタイ)なのに、私はそうじゃないなんて……明らかな差別よ。少しくらい反抗心が芽生えたって不思議じゃないでしょ、そんなの。ねぇ、ワタシ♡』

 

 

――ギュッ……ッッ♡

 

 

「っ……っっ♡」

 

 

 口では本物に投げかけていたが、その実――コチラに同意を求めるかのように、分身体シーの手に力が込められ、ペニスに刺激が送られる。

 

 

「まさか自分が増えることがこんなにも頭にくるなんて……完っ全にっ予想外だったわ。 ……はぁ。 ――っていうか、アナタは彼を果てさせたくなかったはずでしょ? 私の真似なんかしたら……まるで逆効果よ? このとおりに……ね♡」

 

 

 ぎゅっ……♡ ぎゅむ……ぎゅんむっ……♡♡ グイグイ――ッ! もみっ♡ モミュッ……ッ♡♡

 

 

 てっきり、イェンを相手にしている時みたいに口論が続くとばかり思っていた僕の油断をついて、本物のシーの手が偽物の動きに呼応して数回力み……胸を掴んでいる手も無理やりに動かされる。

 

 

「うっ……ッッ! ぐぁ……♡♡」

 

 

 本物と偽物……。二人のシーによる手コキの締まり具合は、軽いマッサージを受けているように心地よく、さらなる快感を求めさせるものだった。

 それに加えて、ロドスでも屈指の美貌を持つシーを独り占めしているという事実が、本能に刻まれた支配欲や征服欲をグングン高めさせる。

 

 

『本当ね、普段は石像のように寡黙な人間とは思えないわ……。こうなったら、戦法を変えるしかないわね……♡♡』

 

 

もぞ……もぞぞっっ♡♡ ググググーーッッ……。

 

 

 分身体のシーが一旦手の動きを止め、座ったまま位置を微調整し、背伸びをして顔を僕の耳元に近づける。

 

 

『ねぇ、ドクター……お願い♡ まだ、もうしばらく……イかないでっ♡♡』

 

 

 普段の気だるげで起伏のない口調とも、イェンと口喧嘩しているときのような刺々しい口調とも違う……。なんとも淫靡で艶めかしい“オンナ”としての声で囁く。

 

 

ゾクゾクゾクッ…………!!

 

 

 新品のキャンパスに、一切水に溶かしていない絵の具のついた筆を塗りつけたように、ベチャリと耳の中であとを引くシーのメス声……。寒気とはまた違う独特の感覚が耳かきの十倍――僕が愛飲している栄養剤の百倍以上に全身を奔る。

 

 

『ドクターも薄々感じているかもしれないけれど……♡ 私はね、貴方が果てたら、それでお役御免。もう二度とこの世に生を受けることはないの……っ♡♡ ――もちろん、こうしてドクターとお喋りすることも……ね♡』

 

 

ぎゅむ……♡ もにゅ……んっ♡ 

 

んっ、はぁ……♡ は~~ぁぁ……♡♡

 

 

 空いている自分の手を、胸を掴む僕の手の上に添え、同時に揉みはじめるもう一人のシー。掌と甲――。両側から感じる、人肌より少し高い温もりと柔和な感触は、間違いなく本物だった。

 

 

『それに……ほら♡ ドクターも知っているでしょ? ワタシったら……せっかく描いた絵も、気分次第で捨ててしまうことっ……♡ それで、さっき私――怒らせちゃったみたいだし、本当に命の危機なのよ……♡♡』

 

 

『先(ま)ず天下の|憂(ゆう)を憂い、後に天下の楽しみを楽しむべし。……なんて、ドクターには釈迦に教えを説くようなものだけれど……♡ 日頃のソレと比べたら、簡単なものでしょ?♡ だから……ホラ』

 

 

ぎゅむ……っ♡ ぎゅっ、ぎゅっ……ぐっ、ぎゅっ……♡♡

 

 

 本物以上に本物な感触をした、もう一人のシーの細く小さな身体が、僕の肉体と融合するようにさらに肉迫する。

 手のひらだけでなく、全身で感じる……男性では決してあり得ないしなやかな感触。そして、龍門の中心街ですら嗅いだことのない色香が湯気のように立ち昇り鼻腔から脳を茹だらせる。

 

 

「そこまでよっ!! 貴方もなに、好き勝手にされてるのよ! それでもロドスの。――いいえ、世界の希望なのかしらぁ!?」

 

 

「えっ、いや、ちょっと、シー。何ぅぉ――――んん゙っ……!?」

 

 

ガシッッ! グイッ!! 

 

 

 ペニスから片方の手が離れたと同時に、反対側から耳を劈くほどの怒声が発された――。そう思ったときには既に、僕の視界にはシーの端整な顔しか映っていなかった。

 

 

「んぅ……んむっ…♡ ぢゅ……っ……ふぁ……ゅるる〜〜っ♡♡」

 

 

 先程とは明らかに違う、本物のシーとの本日2回目のキス。初回と同様――彼女は僕の口腔内に舌を突き入れているが、その動きはまるで違う。

 

 

んっ……♡ ぢぢゅるるる〜〜っっ!! ぢゅじゅじゅ……っっ! れぅゔゔぶ……っ♡♡ ……にぢゅ……ゅっ♡

 

 

 ピラニアのように、触れる僕の口内部位や器官を片っ端から貪るシーの長舌。舌腺等から半ば強制的に唾液を引きずり出し、その水たまりの上でビチビチと跳ね、血飛沫の如く口腔内を染める肉舌。

 

 

 こんなにも乱暴で苛烈なシーの姿はおそらく、実姉のイェンやリィンはもちろん――長男であるチョンユエですら見たことがないだろう。

 しかしそれは逆に、彼女が心中では、それほどまでに僕を想ってくれていたということの証左であり――唾液が逆流し、涙が出そうになるほど暴れられても、不快感や嫌悪感は微塵も湧いてこない。

 

 

「じゅぷる……っ! れぅゔゔぶ……っぷぁっ♡♡ はぁ、……ん、はぁ…っ……♡ 英雄色を好む――とはいうけれどねぇ……はぁ♡♡ 貴方がその調子だと、ここまでお膳立てした私の立場が……ハァ……ッッ♡ なくなる……でしょ」

 

 

 桜に似た薄桃色をした唇を……。そして、紅葉のような紅色の瞳全体を濡らしながらシーが、ボソリと呟く。

 そこにいたのは気分屋で、不器用で……小柄で偏屈な性格の絵描きではなく、意中のオスが自分以外のオンナに夢中になっていることに拗ねる、ただの女の子だった。

 

 

「ごめんね、シー……」

 

 

「別に誰も、謝れなんて……言ってないわよ。――バカ」

 

 

 不貞腐れながらそんな台詞を吐き捨てるシー。しかし、その顔は言葉以上の謝意を強く求めていた。

 

 

ぎゅっ……♡  

 

 

 分身体のシーが落ちそうになるのも気にせず、全身を目の前の|一人の女の子(本物のシー)ただ一人に向ける。そして、隙だらけな細腰を囲うようにして両腕を回し、僕の方からグッと彼女を近づける。

 

 

「んっ、なによ……急に。――断りもなく、近づかないでって……いつも言って――――」

 

 

 それでもシーの機嫌は直らず、顔だけは横を向き続けた。だけど僕は構わずに、首の根元から顔を近づけて…………。

 

 

「ぁ……っ♡」

 

 

――ちゅっ♡ 

 

 

 ほんの数秒――顔がこちらを向いたその隙を突いて、彼女の唇を正面から塞ぐ。

 

 

「んんっ!! んんーーーっ! んむーーーっっ!!」

 

 

 目を見開き、バタバタと手を動かし……時には背中を叩いてまで抵抗するシー。だけど、その拳にはほとんど力が入っていない。

 

 

……れぅ。れろぉ……れれぅぅ……♡ ちゅっ、ちゅむ……♡♡

 

 

 ――やがて、シーの抵抗も小さく……ますます弱くなっていく。そして僕の背に回されていた細腕はそのまま、僕の背中を指が肉に食い込むほどに強く掴み、さらに身体を寄せた。

 

 

んんっ♡ んむっ、ぢゅる……ちゅぷぅ……♡♡ ちゅう、れぅれぷ……ぷっ……♡♡ ――ちゅっ♡ 

 

 

 今日3回目にして、最も濃厚で熱いキスを交わす。口内で舌を重ね合わせる度、僕とシーの意識が絵の具のように混ざり、溶け合うような錯覚に陥る。

 そうしてつくられた、新たな塗料(だえき)は、胃腸へと近づけば近づくほどに、脳を毳々しい情欲の桃色に染めあげる。

 

 

『女(ワタシ)をキスで強引に黙らせた挙句、また別の私(オンナ)を傷つけるなんて……♡♡』

 

 

『紅豆南國に生じ、春來(きた)りて幾枝か發(ひら)く。願はくは君多く采擷(さいけつ)せよ。此の物最も相い思はす――なんてね♡ ――ふふっ、そんなに気まぐれだと、レユニオンとの決着前に殺されても不思議じゃないわね♡♪』

 

 

んっ……♡ ちゅぅ……んむっ♡ れぇう……っ、ぷぁっ!♡

 

 

「ハァ、ハァ……っ♡♡ もう、何よ急に……。いつも、勝手すぎるのよ……っっ♡」

 

 

「すまない……」

 

 

「っ……っっ♡ いいわよ、もう……。いつものことだもの」

 

 

 長かった3回目のキスも終わりを告げ、僕とシーは共に顔を離した。行われていた舌交の激しさを物語るように、銀色の粘糸が架かり……やがてプツリと切れた。

 

 

「まったく……。貴方のせいで、すっかりベタベタになってしまったわ♡ お返しに、次は私が貴方を汚してあげる……♡♡ 感謝しなさい」

 

 

 シーは、度重なる僕とのキスですっかりベトベトになった自分の口周りを、手で拭い去り、その手をもう一度……僕のペニスへと運んでいった。

 

 

べちゃ……ぐぅちゅっ……♡ ちゅぎゅっ♡

 

 

「コッチも、やっと本気勃ちしたみたいね……♡ まったく、持ち主に似てワガママすぎるのよ♡♡」

 

 

 シーがペニスの竿部分を握った瞬間――手のひらにべっとりと付着していたキスの残り汁が、果実を搾ったようにじゅわ♡ じゅわわっ♡ と滲みだしてきた。

 その淫液は僕のペニスはもちろん……ずっと握ったままだったもう一人のシーの手指も問答無用で犯し、汚していく。

 

 

『まぁ、気持ち悪い……まるで水糊だわ。 いったい何をどうすれば、ただの唾がここまでの不快さを持てるのかしら……♡?』

 

 

「さぁね、貴女はそこで悩んでなさい。……私はこの男に仕返しするだけよ♡」

 

 

ぐちゅぅ……っ♡♡ ぬちゅぅぅ……っ♡ にちゅっ、にちにゅち、ぐちゅぅ……っ♡

 

 

 もう一人の自分の煽り小言も軽く受け流し、シーが本格的に僕のモノを扱き始める。

 

 

 その感触は初回とは完全に別物で、生まれ持った絹のような気持ちよさは跡形もなくなっていた。

 だからといって、喪失感はまるで感じない。なぜなら、ソレを補って余りあるほどの濃密な快感が僕を襲っていたからだ。

 

 

「ふふっ……その顔♡ 感想は――聞くまでもないみたいねっ♡ 言っとくけれど、これは自業自得。今、貴方が感じている快楽の大半は、貴方自身が創り出したものなのよ?」

 

 

 筆先で擽られるような感触だったシーの手淫。無論それは、とてつもなく気持ちいいものだったが、今はその影も形もすっかり消え失せ、全く別の快感が生じている。

 

 

コシュッ……♡ ぐちゅ♡ ぎゅむ♡ にぢゅっ……!♡♡

 

 

 濡れたゴムを擦りあわせたような音をたてながら、僕のペニスを一定のリズムで扱くシーの手と指。

肉棒に接している、ペン先のように細い指の腹やその間からは、無数の小さな泡がブクブクと生まれ、その中のいくつかが竿に寄生する。

 

 

 ただひとつ、不可解なのは……。

 

 

「それで? なぜ貴女も一緒になって、手を動かしているのかしら?」

 

 

『なに、ご不満? このために生み出したクセに……♡』

 

 

 本物のシーと同様に……もう一人のシーもまた、同じように手をペニスに戻し、手コキを再開していた。

 

 

 ぐちゅ……♡ しゅくっ……♡ にぢゅっ♡ しゅにゅにゅ♡ ぬちゃ、にゅちっ♡♡ しゅこ、しゅしゅしゅ……っちゅ♡♡

 

 

 ヌルヌルでドロドロの手と、スベスベでサラサラな手……。全く逆の肌触りをした手指が交互に……一切の間隙なく、僕のペニスを刺激する。

 それはまさに、シーだからこそ実現可能な性的快感。僕一人で行う自慰はもちろん、他のどんなオペレーターであっても、これを超える快感をもたらすことはできないだろう……。そう、断言できる感覚だった。

 

 

「っっ!! と、とにかく……やめなさいよ! それに貴女さっき、『果ててほしくない』とか言ってたじゃない!」

 

 

『そうね……確かにそう言ったわ。でもね――アナタに好き勝手される方が、もっと癪なの。魚と熊掌(ゆうしょう)は兼ねず。故に魚を舍てて熊掌を取る者也――よ』

 

 

「いいわ……上等よ。貴女の狙いがどうであれ、こうして手淫している以上……終わりが早まるだけよ。残念だったわね」

 

 

『それはどうかしらね……♡ 私はアナタであると同時に、アナタは私……。全く同じ人物で同じ力なら妨害はできても、それを打破することなんて無理よ……絶対に』

 

 

 シーともう一人のシーの口論が目の前で繰り広げられる。だがしかし、僕にはそれを仲裁できるほどの気力は残っていなかった。

 

 

ぬちゅぅぅ……♡♡ グチュゥッッ♡♡ にゅちゅっ!♡ ぐちゅっ!!♡♡ ぬちゃぁぁ……♡♡

 

 シコ♡ しこしこしこ……っっ♡♡ しゅこしゅこしゅこ!! ゅ……っっこ♡ しここ……ゅこ♡!!

 

 

 ふたりの口論がヒートアップするのに比例して、ふたりの手淫もより速く……より過激さを増していく。

 

 

 古より存在する火起こしの方法のように……。どんどん大きく、強くなっていくふたりのシーによる生手コキ。それによる摩擦熱は、まるで本当に発火しそうなほどの高温となってチンポの芯まで届き、集まっている血を沸騰させ、精巣をさらに釜茹で状態にする。

 

 

「貴方の陰茎……。まるで熱した鉄のように熱くなってるわよ?♡ まったく……私はあのバカと違って、熱いのは……あまり好きじゃないの。だから、このまま……さっさと射精(さま)させてもらうわよっ♡」

 

 

 本物のシーが、コチラの目をじっと見つめながら囁く。その時見せた顔は普段とほとんど変わらなかった……が。僕は微かに、母性に似た受容の心を感じた。

 

 

 しゅっ♡ しゅこっ、しゅこ、しゅこ……ギュッ! ギュッ、ギュッ……♡♡

 

 

『――ダメよ、ドクター。その場の雰囲気と欲望に流されてはダメ……♡』

 

 

 脳のどこかで白い火花が散り、あともう少しで着火(しゃせい)できる。そう思った刹那――時間でも止まったかのように、チンポから送られてくる刺激がピタリと止まった。

 

 

「はぐっ……ゔッッ!!」

 

 

 見事に梯子を外され、行き場を失った射精欲が体内でのたうち回り、腰を跳ねさせる。見れば、分身体のシーの手が完全に停止していて、本物のシーの手の動きをせき止めていた。

 

 

「なっ――! 貴女……どういうつもりよ!!」

 

 

『言ったはずよ、妨害はできる……ってね♡ それに熱いのが苦手ならイかせるより、こうして摩擦をなくして冷ました方が手っ取り早いじゃない。――ドクターも……♡ 正直なのは美徳だけど、度が過ぎるとすぐに足元をすくわれてしまうわ。その両肩には、私を含むロドス全員の運命が掛かっているのよ♡?』

 

 

「あ、あぁ……」

 

 

 僕でも少し慄いてしまうくらいにきつい形相で睨むシーを気にも留めず、自分以外の二人をなじるように一瞥する、もう一人のシー。

 彼女が発した屁理屈同然の理由に一応の返事は返したものの、限界目前でお預けをくらったペニスは、愚痴るようにピクピクと震えていた。

 

 

「こ……っっ! ――いえ、他でもない貴女に気遣われる謂れはないわ。貴方も……こんな性悪女の忠告なんか無視して、自分のしたいようにしなさい♡ いいわね?」

 

 

『性悪だなんて――自分だっていうのに、容赦ないわね。まぁ、いいわ……♡ ダメよ、ドクター。まだ果ててはダメ♡ もうとっくに、先っぽから先走り汁が漏れてるけれど……最後の一線は越えてはダメ♡♡ ドクターがそんな意志薄弱だと、皆の士気に関わるわ……♡』

 

 

 再度、全く逆のことを囁く二人のシー。しかし、ペニスを包んでいた彼女たちの手は、ドサクサに紛れて再び動き始めていた。

 

 

「今はそんな事関係ないわ……♡ 忘れたの? ここは外界とは完全に隔離された、貴方と私だけしか知らない秘密の空間。たとえここで貴方がどれほど無様な姿を晒しても、私にしか知られないのよ……♡ だから、ほら……♡♡ こういう時くらい、肩の重荷を気にせず……自分の欲望に素直になりなさいっ♡♡」

 

 

『耳を傾けてはダメよ、ドクター♡ たとえ皆に知られることがなくても……ドクターが私たちの代表だってことは変わらないの。亀頭の段差や、カリの出っ張った部分を、自分の体液でドロドロになった私たちの細指一本一本で丁寧に撫であげられても――決して、果ててはダメ♡♡ そんなの……相手をつけあがらせるだけだもの……っ♡♡』

 

 

シコシコ……♡♡ にゅこ、ぬこ♡ ニュプッ♡♡ ずりゅぅぅ……っ♡ ぐちゅぅぅぅ……ッッ♡♡

 

 

 シーたちのきめ細やかな10本の指は、竿全体に塗り拡げられた唾液と、先端から漏れ出ている先走り汁でグチョグチョだった。

 両耳から脳髄がトロけそうなウィスパーボイスで、対極のことを囁かれているせいか……脳細胞がグチャグチャにかき回され、腰からせり上がる射精欲と擦れ、チリチリと音がなる。

 

 

「ホラ……♡ 腰だけでなく、両足すらピンと張って……ろくに地面についてないわよ♡♡ これ以上の我慢は体に毒って、分かってるんでしょ?♡ たまには、自分に優しくしたって……バチは当たらないわよ♡♡」

 

 

『ダメよ、絶対ダメ……♡ ただでさえドクターは、ロドスの中でも……。いいえ、この世界の中でも一、二を争うほどに弱いのよ? なのに、こんな甘言のひとつやふたつに負けてしまったら……♡♡ コッチでも、最弱だと証明してしまうわ……♡ そんなの――私は厭よ♡』

 

 

「いいのよ、それで♡ 私たち……私は、貴方が強いから一緒にいるんじゃないの。爾の我を誨ふるを、我固より之を受く。報ふるに匪ず、永く以て好と為すなり。――つまり、貴方が貴方だから、こうして一緒にいるのよ……♡」

 

 

赤黒く膨張した亀頭部分だけでなく、竿全体にまで余すことなく指を絡ませた手淫によって与えられる刺激は、まさに極上の一言だった。

 

 

ちゅっ…………っこ♡ ちゅこ♡ ちゅこ♡ ちこっ♡ ちこっ、ちこっ、ちこ、ちこ……♡ ちこちこちこちこ……!! 

 

 

「ぁあ……っ! あぁ……ッッ!!」

 

 

 シーたちの扱きが、残像が見えはじめるほどの速度になる。口では全く逆の言葉を発しているのに、その手つきにはもはや、一切の淀みもなくなっていた。

 

 

「そう……そうよ、貴方♡ そのまま私の手に扱かれながらイキなさい……♡♡ 私にか見せられない、泣きじゃくる子どもよりも情けない顔を晒しながら、溜まりに溜まった子種汁……♡ 全部吐き出して、気持ちよさの限界を超えなさい……♡♡」

 

 

『ダメよ……やめなさい、ドクター♡♡ 今以上……もうこれ以上みっともない姿を見せながらイクなんて論外よ。射精なんて考えてはいけないわ……♡ 我慢、我慢しなさい。これまでドクターが乗り越えてきた過酷な戦いの数々に比べたら、こんなの序の口のはずよ……♡♡ ほら、』

 

 

 本物のシーによる甘美な射精への導きと、もう一人のシーによる厳格な射精を抑止させる命令。それらは僕の脳内で争い、脳細胞や理性を巻き添えにしながら次々と打ち消えていく。

 そうして空っぽになっていく脳内を、射精欲だけが埋め尽くしていき――。

 

 

びゅるっ♡ びゅるっ♡ びゅくっ……♡ びゅっ、びゅるるるるっ……♡♡

 

 

「あ゛っ……♡ あ゛あ゛ぁぁ……っっ♡♡」

 

 

「ふふっ……♡」

 

 

『ふっ……♡』

 

 

 僕はついに、シーの手に導かれるまま……射精してしまった。

 

 

「そうよ、よくできたわね……♡♡ そのまま好きなだけ私の手にかけなさい……♡ 大丈夫、安心して……♡ 最後まで、手は離さないでいてあげるわ。だから……♡」

 

 

『あーあ、果ててしまったわね……ドクター♡ 普段の冷静さが嘘みたいにだらしない顔してるわよ? 世話の焼ける人だわ――まったく』

 

 

「『イケ♡』」

 

 

――ゾグググッッ……!! 

 

 

「『イケ♡ 出せ♡ 出しなさい……全部♡♡ 私(ワタシ)以外の誰にも見せられない負け顔♡ 貴方を大切に思う人たち全員の想いを裏切りながら……♡ 浅ましい自分の性欲に溺れなさい♡♡』」

 

 

ぴゅっ、ぴゅっ、ぴゅるる……。びゅっ♡ ……どくんっ、どくくっ、びゅっ♡ とくっ、とぷ、とぷ~~…………っ♡

 

 

 射精した瞬間――それまで散々反発しあってきたシーたちのセリフが、見計らったように一致した。

 長時間にわたる言葉同士の戦争によって、思考能力を削がれた頭にとって、その合致は何よりも協力な後押しとなり、吐精の勢いを更に強める。

 

 

「ふふっ、ふふふ……♡ さすがに少し、イジメすぎたかしら?」

 

 

『そんな事ないわ――。アナタの言う通り、ちょうどよい息抜きになったと思うわよ♡ 見なさい、彼の顔……。まるで甘いものを食べた年頃の娘のように蕩けているわよ……♡♡』

 

 

「本当……♡ 下半身をガタガタ震えさせて……おまけにヨダレまでっ♡♡ こんな彼の姿……ロドスが滅んでも見られないでしょうね♡」

 

 

 僕が射精している間、二人は不易の友のように和気藹々と言葉をかわす。

 

 

 しかし手指の動きは精液が出たあとも止まることはなく、吐精を手助けするように上下に、ゆっくりと動き続けている。

しかも、締め付けの強弱変更はもちろん、交錯するように回転を加えたり……。時折、ピアノの連弾を奏でるように親指以外の指で竿を叩いたり、仮首や亀頭といった弱点を掠めたりと……とても引きこもりとは思えぬほどに卓越した手練手管を披露していた。

 

 

びっ……ぴゅぷっ♡

 

 

 ――そのおかげで僕は、尿道に残った最後の一滴に至るまで、キレイに搾り取られたのだった……。

 

 

◆ ◆ ◆ ◆

 

 

「まったく……♡ すこしは加減というものを知らないのかしら? 自分の陰茎だけじゃなく、私たちの手を白濁液で染めて……♡♡ ――私が画家だってこと……忘れたわけじゃないでしょうね?♡」

 

 

『そうね……♡ 画家にとって手指は、命より大切な商売道具。なのに、こんなにも濃厚で醜悪な精をかけられちゃ……♡♡ 殺されたも同然だわ♡』

 

 

ぺろっ……♡ ちゅる……っっ♡♡ んくっ――。

 

 

 猫が毛づくろいをするように……。指や手、腕にかかった出したてホヤホヤの精液を舐め取りながら、僕をそしる二人のシー。

 時折、鼻を鳴らしては眉を顰めながらも、少しづつ……着実に僕の子種を口に含んでいくその様子は、どんな春画よりも生々しく…………最高にエロい。

 

 

「あぁん、もう……♡ また、鼻に付いちゃったじゃない! おまけになによ、この濃さは……っ♡ いくら私たちにせき止められていたからって……鯽魚糊(ジーユーフー)以上にドロドロじゃない♡♡ はぁ……ホント、さいあくだわ……♡♡ んちゃ♡ くちゃ……にっちゃ♡ ねっちゃぁ~~っ♡♡ にゅぶっ……ぢゅ♡♡」

 

 

 生クリームのように鼻尖に精液を付着させた本物のシーは、怒りがおさまらないのか……。だんだんと、言葉に本気の感情が含有されてきていた。

 しかし、彼女が口を動かす度にガムを噛んだときのような……はしたない咀嚼音――。ついさっき射精したばかりのドロドロ精液が噛み潰され、絶命する粗猥な音が、部屋の空間と僕の耳を侵犯し、興奮を高めさせる。

 

 

 

『――!! ……♡ それには同意するけれど……文句を垂れるのはまだ先にしておいた方が良さそうよ? 見なさい、彼のアソコ……♡♡』

 

 

ビクン♡ ビクンッ、ビグン!! ビキビキ……ッッ! バキッ♡♡

 

 

『あれだけ出したのに……まだまだ、元気溌剌みたいよ……♡』

 

 

「――ッッ!! ほんっと、いい度胸してるわ……貴方。伊達に鉱石病関係の諸問題根絶を謳ってないわね」

 

 

 射精した直後だというのに1ミリも萎えず、むしろさらに元気と存在を主張するようにイキり勃つ僕のアソコを見て、本物のシーが呆れかえったようにボヤく。

 

 

「すっ……すまない」

 

 

「そんな形だけの謝罪をするくらいなら、少しでもソレを直す努力をしなさいよ……まったく」

 

 

 容赦ない一言で斬り伏せられた僕は、いたたまれない恥ずかしさと共に少し気が滅入ってしまった。しかし……シーは、そんな僕に再び声をかけてきた。

 

 

「いいから、貴方はさっさと横になりなさい……♡ 私たちが何とかしてあげるから……っ♡♡」

 

 

『まぁ、やさしい♡ これが俗に言う、ツンデレってやつなのかしら?♡』

 

 

「フザケたこと言ってないで、貴女も準備なさい。……元はといえば、貴女が余計な我慢を強いたせいでもあるのよ?」

 

 

『フフッ、それもそうね♡ ……分かったわ。 ホラ、ドクター……♡ そのままゆ~~っくり、私たちと横になりましょう……♡♡』

 

 

トン――――♡ グググ……ッッ♡♡

 

 

 分身体のシーが僕の肩を押し叩き、そのままゆっくりとベッドの上に押し倒していく。

引きこもりとはいえ、相手は龍かそれに近しい上位種……。そんな彼女にとって、射精直後の人間の抵抗など、蟻のひと噛みにも劣る力だろう。

 

 

――ボフッ……♡♡

 

 

 僕は、流されるようにベッドに仰向けで寝かされてしまった。

 

 

『そう怖がることないわよ、ドクター♡ もう、さっきみたいなイジワルはしないと思うから。 ……そうでしょ?』

 

 

「えぇ、しないわよ。というか、今の状況でまたそんなことをしたら、彼の精より先に、私の体力が尽きるのがオチよ」

 

 

 偽物のシーの問いかけに対し、本物のシーはコチラに背を向けたまま答える。具体的に何をしているのかは分からなかったが、自分の身体に何かを広げているような気がした……。

 

 

「――――さて、と……準備はいいかしら? 貴方のその馬鹿げた精力に呆れと敬意を表して……♡ 今度はコッチでイカせてあげるわ……♡♡」

 

 

ドロッ……ドロロッ♡♡ ベッ……ッタァ~~リ♡ たぷっ♡ ぷるる……ぷるんっ♡♡

 

 

 しばらくして――唯一、ベッドに上がっていなかった本物のシーが、コチラに向きなおり、シーツの上に登った。

 

 

「シー……。その胸は、いったい……」

 

 

『なるほど……だからまだ私を残してるのねっ♡♡』

 

 

 彼女の体――。手コキのときから露出され続けていた、多少手からはみ出る程度の大きさを持つ彼女の胸は……まるで、膜に覆われているかのようにテカテカと輝いていた。

 

 

「目障りなほどに屹立してる貴方のソレと同じよ。――さっき、貴方が私の顔や腕なんかにバラ撒いた、火傷しそうなくらい熱い特濃精液……♡ それを全部、胸全体にまぶしたのよ。ローション代わりとしてね♡♡」

 

 

 シーはニタリと妖しく口角をつり上げながら答える。セリフから察するに今度はパイズリで精液を搾り取ろうという魂胆らしい。

 先ほど射精し全身に降りかかった精液は、シーの胸に塗りたくられている。しかも、まだ乾ききっていないため……谷間からトロォ~ッ♡♡と垂れては、臍や横腹……そして、ベッドのシーツに滴り落ちている。

 

 

『確かに……♡ パイズリなら、どれだけ精で塗り染められても、絵には支障をきたさないわね♡♡』

 

 

「まぁ、そういうことよ。分かったら、貴女も準備なさい」

 

 

『もちろん♡ すぐに済ませるわ……♡』

 

 

べちょ♡♡ ぶちゅ……ぢぢゅ♡ ぬりっ♡ ぬりぬり……ベタベタ♡

 

 

 シー本人に続いて分身体の方も、自分の顔や腕に残っている精液を、まるで化粧水やボディクリームを塗るように……胸へと塗り込んでいく。

 

 

 二人のシーが含みのある視線で見下ろしながら、自慰をするように自らの両乳を揉みしだく。大きさよりも美しさに特化した美乳が、縦横無尽にその形を歪め、ネバネバとした耳に残る淫音を奏でる。

 

 

『ん……っ♡ ドクターってば、まだ一度も触れていないのに……すっかり私たちの胸に夢中ね。それとも……♡ ドクターが夢中になっているのは、この音の方かしら……♡?』

 

 

たぱっ♡♡ たぷるんっ♡♡ ……ぬちゅ♡ くちゅ♡♡ にゅる゛……ぬっ、ちゃぁ~~っ♡♡ 

 

 

 分身体のシーがひときわ大きく胸を動かして、生じる卑猥な水音の音量を上げる。その大きな淫音が発せられてから……さらに多くの血液がペニスに集まりはじめた気がした。

 

 

『あら、もしかして図星? フフッ……♡ 適当に言っただけなのだけれど……♡♡』

 

 

「生まれてまだ数時間も経ってない赤子に見透かされてるんじゃ、世話ないわね……。――まぁ、いいわ♡ 私は貴方が音に興奮する変態だったとしても、気にしないであげる」

 

 

にちゃぁ~~っ♡♡ ぬりっ、ぬちゅ♡♡ ぐちゅっ、くちゅんっ!♡

 

 

「さて、と……このくらいでいいかしらね。待たせたわね。パイズリ……始めるわよ♡」

 

 

『ドクターが大好きなエッチな音……♡ たぁ~~っくさん、聞かせてあげる♡♡』

 

 

 過剰なほどに精液の潤滑液を染み込ませた二人のシーが、ゆっくりと僕のペニスに近づく。ごく自然に――ペニスを挟むようにして左右に分かれた二人は、元来のシルクのような肌触りが完全に消失した淫美乳を仙骨の上で滑らせ……。

 

 

にゅるぅ~~り、ぬちゅり♡♡ たぱっ♡♡ むに゛ゅんっ!♡♡ ぬゅる……♡ にゅる……ぐっ! ……んんっ、んぬ……ゅっ♡♡

 

 

「うっ……あァッ!!」

 

 

 二人に増えたからこそ形成された、おっぱいダイヤモンドとも呼べるひし形の隙間に、ガン勃ちのペニスを閉じ込めた。

 

 

「また随分と情けない悲鳴ね……♡ 少しは体裁を保とうとか、思わないのかしら?」

 

 

『何を白々しいこと言ってるのよ……♡ そんな気力、最初から起こさせる気無いでしょ?』

 

 

「さぁ……どうかしらね♡♡」

 

 

 射精直後で感度だけが急上昇した亀頭のすぐ上で、二人のシーが軽い会話を交わす。言葉と同時に口から漏れ出した空気が、割れ目の部分に撫で当たっているのがわかる。

 

 

 表面に付着している精液が冷えたせいか……シーの乳肌は少し冷たい。しかし、心臓の次に血液が蓄えられている僕のペニスによって、じんわりと温められ……温もりと共に快感が勢力を拡大しはじめている。

 

 

「やっぱり、予想していた通りね。私一人じゃ、貴方の勃起した陰茎は収めきれないわ……♡」

 

 

『なによ、それ。それじゃまるで、ワタシが添え木みたいじゃない』

 

 

「今さら文句たれるんじゃないわよ。これまで散々好き勝手したくせに……」

 

 

「ん゛っっ……! ぐっ、ゔゔぅ……♡♡」

 

 

 シーの言葉どおり、彼女の胸は本来……僕のソレを一人で挟み込めるほど大きくはない。

しかし、全く同じ体格をした分身体のシーの存在によって、その問題は解決され、僕のペニスは完全に彼女たちの胸中(たにま)に囚われてしまった。

 

 

『んっ……やぁ、っ♡ イカなかったのは褒めてあげるけど、腰……跳ねすぎよ♡ 顔にぶつかっちゃいそうになったじゃない……もぅ♡♡』

 

 

 四方を自分の出した精液で染まったおっぱいに包まれたことで、視覚と聴覚だけでなく触覚でも、淫欲が掻き立てられた。それら3つによる同時快楽攻撃は、ペニスを中心とした下半身で爆発し、腰を花火のようにうち跳ねさせた。

 シーツを力いっぱい掴んで、辛うじて地面との接点を保持するも……焼け石に水。このまま本格的なパイズリが始まれば、それも無に帰すのは目に見えていた。

 

 

「ほんっと、いちいち手のかかる男ね……貴方♡ ――ほら。これでいいかしら?」

 

 

ググッ……! グググ……♡ グッ、グッ!!

 

 

 胸から手を離した本物のシーが、人差し指を立てて空中に何かを描く。――すると、それまで崩壊寸前の吊り橋のごとく不安定だった全身が、ガッチリと固定された。

 見れば、手首や足首……それに鳩尾のあたりに、枷のような黒い輪っかが装着されていた。

 

 

「見ての通りよ……。これなら、貴方がどれだけ暴れても、私たちに危害が及ぶことはないでしょう?♡」

 

 

『フフッ、まるで手術台の上に寝そべる実験体ね……♡ 今のドクター♡♡ でも、安心なさい。悪いようにはしないからっ♡』

 

 

にゅるっ、にゅる……ぬちゅ♡♡ たぱっ♡ に゛ゅるぅ~~っ♡♡

 

 

 分身が発したその言葉を合図に、ついに二人のシーによるパイズリがスタートした。

 

 

 精密機器で書いたような見事な曲線を持つ、大きさも、重さも、ハリも……。全てが全く同じ……4つの美しいおっぱい。

 

 

 それが密集したことで生まれたわずかな隙間……。

 文字通りの“乳獄”に監禁されたペニスは、先端から滂沱の如く透明な液体を漏れ流し、ヌルヌルとふわふわが絶妙な塩梅で共存している彼女たちの乳肌に、その身を擦りつけている。

 

 

『あのね、ドクター? こんな序盤も序盤から、滝のように先走りを出していては……この先もたないわよ?♡』

 

 

「先に言っておくけど……私、貴方を介抱するなんてまっぴら御免よ。誰に殺されるか……わかったものじゃないわ」

 

 

 一方でやさしく嘲り、一方で冷たくあしらう二人のシー。しかし、言葉の刃とは裏腹に、その手の動きは少しも止まらず、自分の乳を内側に抑えつけ……ペニスをイジメたて続ける。

 

 

ぐちゅ……ぬっ、ちゃぁ~っ♡ たぱっ♡♡ にゅるっ、くちゅっ!♡ にぢゅんっ!♡

 

 

 同一人物だからこそ実現可能な、寸分の遅れもない同時パイズリ。

 

 

 片方が前に押し出すように乳房を動かせば、もう一方も張り合うように上半身丸ごと前に寄せ、互いの乳を密着させる。――かと思えば、どちらかが右の乳だけをズリ動かせば……相手は左の乳だけを使い、協力して精を搾りにくる。

 ……まさに以心伝心。細胞レベルで繋がっているコンビプレイに、射精直後の超敏感ギン勃ちチンポが敵う道理など、あるわけがない。

 

 

「んっ♡ んっ……しょ、っっ♡♡ ちょっと、貴方……。いくら射精直後とはいえ、感じすぎじゃないかしら? 私たちの胸……乾くどころか、ますますベタついているわよ♡?」

 

 

『文句なら……うっ、んっ……♡ もうすこし、っっ……声を、上ずらせないよう……はぁ♡ ふっ、ぇいっ……んんっ♡♡ 努力……しなさい、ワタシ♡♡ ドクター程ではないけれど、そっちも……大概……よっ♡♡』

 

 

 もはや僕のペニスは、壊れた蛇口も同然だった。亀頭の先端――鈴口は、蟻の巣程の穴が開いたまま閉じなくなり、そこから先走り汁が絶え間なく漏れ出ている。

 その無色透明の粘液はペニスだけでなく、それに触れている彼女たちのおっぱいにも侵水し、ただでさえ少ない摩擦をさらにゼロへと近づけていき……。

 終いには、彼の腰から乳肉が持ち上がるたびに、納豆にも引けを取らないほどの粘ついた糸を引かせた。

 

 

「ったく、もう! これじゃ、貴方を拘束した意味がないじゃない!!」

 

 

――パクッ♡♡ んぬゅ……っ♡

 

 

 無尽蔵に溢れ出る先走り汁にしびれを切らしたのか……本物のシーが手の動きを止め、山のように盛りあがっていた汁溜りを、“亀頭ごと”口に咥えた。

 

 

「ふっ……!! うっ……ぐっ、おおォォ……っ♡♡」

 

 

 じゅっ♡ じゅぢゅ……ゅるる♡♡ るぅ……っぷ♡

 

 

 まさしく、“喰らいつく”という表現がピッタリな勢いでペニスを咥えたシーは、その勢いのまま舌を擦るように動かし、次々と分泌される先走り汁を全て舐め取っていった。

ディープキスとも、手コキとも、パイズリとも違う、全く新しい快感……。肺から直接吐き出される湿った吐息が、そのまま亀頭を弛緩させ、僕をさらに追い詰める。

 

 

『杞憂成真。……やっぱりこうなるのね♡ まったく……我が事ながら呆れ返るわ。――大丈夫? ドクター、気をしっかり持つのよ。そのまま気絶なんかしたら、本当に搾り殺されるわよ?♡♡』

 

 

 その忠告はすぐさま現実の危機として、僕の身にふりかかった。

 

 

「シ……ッッ!! 激しっ、ぃぃ……すぎっ!♡」

 

 

るっ……じゅぼ♡ ぷじゅ……ぐぢゅ♡ るぽっ♡♡ 

 

 

 亀頭を咥えたシーは分身の小言も、僕の静止の呼びかけも……。一切、聞く耳をもたず、赤べこのように大きく首を上下に振って、本格的にフェラを開始した。

 

 

 彼女の内側で溜まったイライラと期待。そのふたつをぶつけるかのように大きく頭を動かし、自分と分身体の上乳で鼻と口が数秒間――塞がれるのも気にしない口淫。

 

 

ぐゅぽ……ぶっ!! ぢゅっぼ、るっ……っばぁ♡♡ ぐぽ♡ ぶぽっ♡ ぐぼぽ……っ♡♡

 

 

 膨張した亀頭部分と竿の間にある段差によって、ほんの一時できた隙間からは、内部の凄まじい吸引力を物語るように、放屁に似た巨大な空気の抜ける音が響く。

 だがその隙間も、すぐに閉じられる。そして同時に、口内に滞留しているであろう大量の唾液が、侵入した亀頭によって掻き回される水音が、頬肉を貫通して僕の耳に届く。

 

 

『…………。どうやら、今回は本当にお怒りのようね。まぁ、多少――パイズリはしにくくなったけれど……♡ これだけ激しいストロークなら、ドクターへの快感が減った……なんてことはなさそうね♡♡』

 

 

 思いがけない本体の行動に、しばしの間呆気にとられていた分身体シーだったが、僕よりもはやく状況を把握し、すぐさま本体に合わせてパイズリを再開した。

 

 

ぶぢゅ……♡ じゅる、にぢゅる……んぎゅるるっ♡♡ ズボボッ!! ……ッポ、ぢゅぢゅゔゔぅぅ……♡

 

 たぱっ♡♡ たっぽん……っ♡♡ ──にゅっちゅ……っ♡ どちゅんっ……♡ ぬりぬり……ぬりゅぬりゅ♡♡

 

 

 本物のシーによる、怒りに身を任せた情け容赦のない亀頭フェラチオ。――そして、そんな彼女と世界一相性がいい分身体による、ヌルドロパイズリ……。

 

 

 両の手足と腹部を拘束され、ベッドに完全固定されている中……ペニスのほぼ全体から脳の最深部へと、激流のように襲いかかってくる快楽。

 もはや“苦痛”にも等しい感覚をもたらしているそれは、一生分に匹敵するほどのドーパミンを分泌させ、精巣をオーバーヒートしそうなほど稼働させる。

 

 

 さわっ♡ さわさわ……っっ♡ ――ずっしいいぃぃ……♡ ギュル……ギュルギュルギュルゥゥ……!!

 

 

『すごい音してるわよ、ドクターの玉袋……♡ まさに暴走状態♡♡ さっきの手コキなんか、比にならないほど、重くなってるわ……♡♡』

 

 

 フェラに没頭している本体にかわり、分身体のシーがそっと全ての下敷きになっている精嚢に手を添える。風船のように膨れ……否。――もはや、“腫れた”そこを指で揉み遊びながら、今の状態を実況する。

 

 

ぶじゅるぅ……♡ ブッ、ブブグゥ……!! じゅる、にぃぎゅる……っっ♡ ぺじゅ♡♡ 

 

 

『本体はこの調子だし……ワタシがこのまま、おっぱいと指の両方で射精まで付き添ってあげる♡ だからドクターも♡ 遠慮なんかしないで、このワガママな引きこもりムッツリ絵描きのキッツキツな喉マンコに……思いっきり射精して、仕返ししてあげなさいっ♡♡』

 

 

 分身体のその誘惑は、密かに僕の中に芽生えていた復讐心をこれ以上なく刺激した。

 ある意味で……本人からの許可を得た僕は、川の水面に揺蕩う木の葉のようにその誘いに乗り、可能な限り腰を突き上げた。

 

 

びっ…………きゅぐるぢゅう……♡ ぎゅぽ、ぐゅぅぽ、ぐっぷぽぉ……♡♡ ぼぶぎゅ……♡!!

 

 

 腰を突き上げた瞬間は、シーのフェラが止まったものの……すぐさま再開し、あっという間に元の激しさへと逆戻りした。……おそらく、反抗的な態度を取ったことが、彼女の心をさらに逆撫でしてしまったのだろう。

 

 

『いいわ、ドクター……♡ それでいいのよ♡♡』

 

 

 しかし、分身体のシーは他人事のような態度でそれを見届け、なんとも嬉しそうな声を漏らす。

 

 

『それじゃあ、いつでも……好きなタイミングでイキなさい♡ ここの力加減は……これくらいでいいかしら?』

 

 

「あっ、あぁ……♡ その……っっ! ――まま、頼む……♡♡」

 

 

もみっ♡ モミモミ……コロコロ♡♡ もみコロ……♡ ムニっ、ころころ……♡

 

 

 分身体の手指が、破裂寸前の精嚢をビー玉のように弄び、転がす。ロドスでトップクラスに器用な指先に振り回される感覚は、それだけで自分でするオナニーの数倍は気持ちがいい。

 

 

「あっ、あぁ゛……♡ すまない、シー……♡♡ もう、イクっっ――――!!♡」

 

 

ぶびゅっ♡ ぶびゅっ♡ ぶびゅるるるるぅぅぅぅ♡♡ どぶぴゅ!! どぼびゅ……ぼびゅるるる……ぅぅっっ♡♡

 

 

 一種の病のように晴れぼった精巣で大量生産された精子が、一気に尿道内を逆上し、シーの口内へと注がれた。

その勢いは、僕の全身から力だけでなく、意識すらも刈り取っていきそうなほどに強く……直前に謝罪の弁を口にしたくせに、“勢いを弱めよう”などという考えは微塵もわかなかった。

 

 

んぐぅぶ、ぶぼぉっ……♡♡ ……んっ、ゴゴッ!! ゴッ……。

 

 

 分身体のシーと僕。二人が共謀した倍返し射精に、さすがのシーも、苦しそうななき声と吐き戻すような音をたてた。しかし……。

 

 

ンッ。ンン……んぎゅ♡ んくっ……♡ ンご……くっ♡♡ ごきゅっ……♡

 

 

『あらまぁ♡ 流石にそれは予想してなかったわ……』

 

 

 本物のシーは、ペニスを咥えたまま……喉に直接発射されている大量の精液を、水を飲むかのように嚥下しはじめた。

 

 

 れぶれゔれうれぼ! ぼぶぶぅ……ぎゅぶぅぅぅ♡♡ じゅぞっ♡ じゅぞぞぞぞ~~っっっ♡♡

 

 

 さらに、勢いにも慣れてしまったのか……。舌を小刻みに亀頭に擦っては、掃除機のような強力バキュームで、今しがた尿道の中に送られたばかりの精液をも吸い込み、涼しい顔で飲み干していく。

 

 

 やがて射精も終わりを迎え、十数分ぶりに本物のシーが、コチラと目を合わせた。

 

 

「じゅるるる~~~っっっ♡♡ ぞぞっ……ぞっ♡ ん~~……っきゅぽん♡♡ ――くだらない復讐を……企むんじゃないわよ。私が元々どういう存在だったのか……忘れたわけじゃないでしょ? まぁ……戻るのは死んでもイヤだけど」

 

 

 彼女は先ほどまでの貪欲さが嘘のように、平然とした顔のまま……そう告げた。

 

 

「ハハ……は。…………ゴメンナサイ」

 

 

 僕はそんなシーの態度に、ただただ……謝ることしかできなかった。

 

 

「はぁ……。はぁ……ハァ……。んんっ、はぁ……」

 

 

 立て続けに2度も大量に精を解き放った僕は、フルマラソンでもしたかのように疲れ果てていた。

 

 

「自業自得ね。くだらない甘言にホイホイ乗るからそうなるのよ」

 

 

「面目、ない……。はぁ……ハァ……」

 

 

『そういうアナタこそ、いつまでキレてるの? 最後の方は自分も楽しんでたくせに……♡』

 

 

「次余計なことを言うと、その顔面……のっぺらぼうに描き変えるわよ」

 

 

『はいはい……。ドウモ、スミマセンデシター♡』

 

 

 一方のシーはもうすっかり、平常運転に戻っていた。だが、その小さな顔やちょうどよい膨らみをした胸には、出したばかりのダマ状精液が至る所についていて、とても人前に出ていける状態ではなかった。

 

 

『ふふっ♡ ――ところで、ドクター?』

 

 

 僕の呼吸が落ち着きはじめたタイミングで、分身体のシーが話しかけてきた。

 

 

『まだ余裕……あるわよね?♡』

 

 

「……はいっ?」

 

 

「……色情魔にもほどがあるわね」

 

 

 まさかの3回戦を提案され、本気の困惑が素っ頓狂な声と共に漏れてしまう。助けを乞うようにシー本人の方に視線を投げたが、彼女はボソリとつぶやいただけで、特に止めようとはしなかった。

 

 

『ワタシが偽物だからって、差別されるのは心外よ。それに……♡ ドクターのココは、まだ物足りないって、高らかに主張しているわよ……?♡♡』

 

 

 分身体シーの指先が、扉をノックするように精液まみれの亀頭へ触れる。

 少し強めの力で押されたせいか……ペニス全体が少し傾いたものの、すぐに元の位置に戻り、まだ意気軒昂であることを証明した。

 

 

『ほら……ね♡ 全部ワタシ“たち”がやってあげるから……♡♡』

 

 

「ちょっと、勝手に私を巻き込むんじゃないわよ!」

 

 

『そ。なら、アナタはそこで見物でもしてなさい……♡ その代わり――ワタシは独り占めさせてもらうわ♡♡ アナタの意志を尊重して……ね』

 

 

「っっ……っ!! ――貴女、本当にイイ性格してるわね」

 

 

『当たり前でしょ。ワタシはアナタなんだもの』

 

 

 ――こうして僕は、3回戦目への突入を余儀なくされた。

 

 

「……仕方がないから私も付き合ってあげる。……けど、すぐにイッたらタダじゃおかないわよ」

 

 

 見事に言いくるめられた腹いせをするように、本物のシーに押さえつけられながら……。

 

 

『さて、と……。まずは、ドクターの陰茎をキレイにしてあげるわ♡』

 

 

ふぅ~~~……っ♡ ふっ、ふ~~~……っ♡♡ ――ふわぁ~~むっ♡♡

 

 

「う……くっ。ぁ……」

 

 

 分身体のシーは、熱い飲み物を冷ます時のようにペニスに数回息を吹きかけてから、一気に頬張った。

 勃起こそしているものの、まだスムーズに射精できるほど感覚は回復していなかった。それでも、その口内は十分すぎるほどに甘い痺れをもたらし、ジワジワとそれができる状態へと誘導していた。

 

 

『ふも……♡ ふぁふがに、はんはくはまひひてふみはいね♡ ひいわ……まかへなはい♡♡』

 

 

ちゅる、ちゅっ、じゅるるっ♡ にゅぽぉ……♡ ぬろぬろぬろ♡ レロレロレロォォ~~……ッ♡♡

 

 

 神経が麻痺し、感覚が鈍化しているペニス全体を、分身体シーの熱々肉舌が優しく舐め回す。

 ペニスの切っ先にキスの雨を降らせるように、何度も、何度も……。唇で咥えては、舌と溜めていた唾液で光沢を放つほどにコーティングを施してから、開放する。

 

 

 次第に彼女の口周りに漏れ出した唾液は、その色を透明から白濁に変え、より大きく泡立ち始める。

 すると分身体のシーは、それを舌で絡め取った後また亀頭を口に含み、段差の裏や鈴口へと続く凹みに残っている精液やカスといった汚れをこそぎ落としていく。

 

 

あむ……♡ れろれぉ……♡♡ ちろっ、ちゅっ♡ ちゅぱぁ……♡

 

 

 

じーー……っっ♡

 

 

 分身体のシーが、口の動きはそのままに、なんとも意味ありげな視線だけをコチラに向ける。その視線の意味は無論――自分がしているお掃除フェラの感想を尋ねているのだ。

 僕は、その何よりも雄弁な視線による問いかけに、首を縦に振って答える。

 

 

っっ♡♡ ――ぺろり♡

 

 

 こちらの回答に満足した彼女は、新たに口周りに付着した白濁唾液を舐め取るついでに、舌なめずりをする。その時の彼女の顔はまさに捕食者で、その眦はこれがまだホンの序の口にすぎないことを物語っていた。

 そして、その直感は正しかった……。

 

 

んん~~っ♡ ……っぶぅ!  

 

 

 僕の回答を知ってから、分身体のシーによる口淫奉仕(フェラチオ)の動きが明らかに変わった。

 

 

ぢゅるっ! びっ、ぶぅっ……♡ ぶるる……ブッ!! じゅぞるるる~~……♡♡ ……びゅるっ♡♡

 

 

 唾液で浮かし、舌でこそぎ集めた精液の残りカス。それが多分に配合された唾液を、勢いよく亀頭全体へとまぶしはじめたのだ。

 そうしてさらに唾液まみれになったペニスを、唾液が滴り落ちるよりも先にバキュームフェラで吸いつき、せっかくキレイにしたばかりのペニスと自分の口周りをますます汚していく。

 

 

 ただただ、口内に蓄えられる唾液の量が増えていくだけの無限ループ。

 

 

 精液の白く汚れた膜が剥がれ、ようやく元来の赤黒い姿が見え始めていたペニスも、亀頭だけでなく竿まですっかり漂白されてしまっている。

 だがそれ以上に彼女の口内は白く――そしてドロドロのヌルヌルになっていて、つい数秒前のそれとは、まるで別世界の様相を呈していた。

 

 

ちゅるっ♡ れぅ、ぢゅる……ブッ♡♡! んあぁ……♡♡ れろれろれろろぉ~~っっ♡

 

 

 顎下から数ミリ浮かせただけでも、舌上に残留する漂白粘唾液。それほど大量の淫液にどっぷり浸かった肉舌は、まさにそこに巣食う怪物の触手。

 そんな淫猥極まる触手舌が、亀頭の下……。陰茎の中で最も神経が集中しているカリ首に、蔦のように絡みつき……そして、すがるように嫐る。

 

 

「ふ、っ……ッッ! ……グっ! お゛お゛ぉぉっ……♡♡」

 

 

 これほど丹念に舐られては、軽い感覚麻痺など……もはや何の役にもたたない。傍目には、本物のシーによる息つく暇もないガン攻めフェラの半分以下の責めに見えたろうが、僕の身体を迸る快楽電流はそれに並び立つほどに強い。

 

 

「随分と切ない顔してるけれど……まさか私のことを置き去りにしたまま、射精するつもりじゃないでしょうね? 貴方……♡」

 

 

 分身体のシーによる熱心すぎる口腔内愛撫によって、順調に高まっていた射精欲が、その一声で一気に冷めた。恐る恐る声のした方に顔を動かすと、そこにはもうひとりのシー……。

 先ほど、掃除機に勝るとも劣らない超強力バキュームフェラで、大量の精液を奪い去った本物のシーが、仁王像のごとく立っていた。

 

 

『ん゛~~っっ♡ ちゅぽ♡ ちゅっぼ、ぢゅっぽ……ゅっぽぅ♡♡ ぐゅぽ♡♡ るっ……ぽぉ♡ んんーーふぁらら……♡ ひょっと、なへひゃっはわ……♡♡ ぢゅじょるるるぅぅ~~……っっ♡ っぶぶるぅ!!♡』

 

 

 分身体のシーが、僕のペニスを飴のように舐めしゃぶりながら、また何かを言った。しかし、そのほとんどは意味のない音として出力されてしまい、何を言ったのか聞き取ることは叶わなかった。

 少なくとも、僕はそうだった……。

 

 

「私を見た途端、陰茎を萎えさせるなんて……。よっぽど“私”のフェラチオがお気に召したようねぇ……♡」

 

 

 だがしかし、本物のシーはその音に含まれていた言葉を、正確に聞き取っていた。

 両目を閉じ、ニッコリと子どものように純粋な笑顔を浮かべる本物のシー。だけど、僕にはその笑みが、般若のように恐ろしいものに見えていた……。

 

 

「ふんっ! まったく……世界がどれだけ終末を迎えても、男はどうしてこうも、だらしないのかしらね……♡」

 

 

ガバッ!! ――――ずっっしいいぃぃ……!!

 

 

 こちらが弁解を述べるよりもはやく、本物のシーは行動に出た。

 

 

 拘束され、ベッドに対し並行になっている僕の胴体。その上を跨ぎ、そのまま全身を重ねるように倒れ込んできた。

 

 

「そんなに“私”のねっとりフェラがお好きなら、思う存分堪能させてあげるわ……♡」

 

 

ずぷっ♡ ずぷぷぷ~~~っっっ♡♡ むぎゅ、むにゅに……っっ♡

 

 

 本物のシーは、僕と頭の向きを逆さにして体を重ねると、分身体からペニスを奪うように、自身の胸へと無理やり挿入させた。

 

 

 長女であるリィンならばともかく、シーの胸はペニスを完全に挟めるほどのボリュームはない。しかし、分身体のフェラチオを妨げられる程度――すなわち、半分以上は一人でも挟むことができる。

 そのことを誰よりも知っているシーは、分身が上から食んでいることなど気にもとめず、パイズリを始める。

 

 

むにゅうぅぅ~~♡ ぐにぃいぃぃ~~♡♡ ぎゅむっっ! ぎゅむっ♡ 

 

 

 外側から殴りつけるように両乳を押さえ込み、左右から凄まじい乳圧を加えていく。――そのまま、全身を動かしてペニスだけでなく、腰や胸といった下に敷いている僕の身体全てに、その華奢で柔っこい肉体をこすりつける……。

 

 

『ぴゅぢゅ……べっ、ぶっ……ぶぷっ♡ ぐっぽ、ぎゅっぽ、っば……びゅっぶぶ……♡♡ まっはく……ひゃぼにもほぼがあふわよ? レララレラレラ……ペロペロペロロォォ……♡♡』

 

 

「野暮だ、なんて……生みの親をダシに使い続けてる人に言われる筋合いはないわ。にしても貴女……喋るときくらい口を離したらどうなの?」

 

 

『ふぃふぁふぉ……♡ ふぉんなこほを……ぐっぼ♡ じゅる……ぶぐっ、じぢゅぢゅ……♡♡ ブビュッ!! ふれば、あなはによこほり……ひゃれへひまうものっ♡ ぺにゅ……ぢゅ♡ ビュッブ! れられられら……♡』

 

 

 ペニスのすぐ近くで、ふたりのシーが言葉を交わす。しかし、その様子は体が固定されていること――そして、胸の上に本物のシーが乗っかっているせいで、窺い知ることはできない。

 ただ一つ分かることは……彼女たちが今も、口と胸をそれぞれ巧みに使い、ペニスに刺激を送り、射精させようとしていることだけだ。

 

 

「あっそ。それより貴女……随分ねちっこい口淫をするのね。彼の麻痺が消えていること……とっくに知ってるんでしょう? だったら、さっさとイカせなさいよ」

 

 

『ぐぼっ♡ ぎゅっぽ♡ じゅぽ、ぢゅる……っぽ♡♡ ぴゅるっ……ぽ♡ ……ッブゥ! バカね。何も激しくするだけが全てじゃないのよ。処事須(すべから)く静かにすべし。静かにして乃(すなわ)ち当を得べし――よ♡ それに……アナタみたいな乱暴なやり方は、品がなくてキライなのよ』

 

 

「よく言うわね。彼の陰茎……アナタの唇脂の痕がベッタリついてるじゃないっ♡ よほどキツく押しつけないと、ここまでクッキリとはならないわよ?」

 

 

『交股(こうこ)。いいえ、今はシックスナインと言ったほうがわかりやすいわね♡ とにかく、自分の陰門を現在進行形で見せつけているアナタには負けるわよ。フフフッ……♡♡』

 

 

ぐちゅ♡ ぶっ……っぢゅ♡ じゅるる……ぐぽっ、ぼっ……ブゥ!♡♡ 

 

 

 シーたちの会話はそこで途切れ、ゲリラ豪雨のような強い粘液の嵐が、再びペニスの上半分ほどを襲った。分身体のシーが、フェラチオを再開したのだ……。

 

 

れろれろるろぼろ……♡ れぅぼぉろロロぉうう……んちゅ♡ くちゅ♡ ぐぼぽ……っ♡♡ 

 

 

 興奮で高まった体温と、それによって生じた大量の蒸気……。

 これらによって温められた口腔内は、もはや蒸し暑いとさえ表現できるほどで、その中で際限なく暴れまわる肉舌は、もはやマグマ滾る火山に棲まう一匹の龍といっても差し支えがない。

 

 

 狭い火口内に棲まう朱肉色の龍は、咆哮の代わりになんとも淫らな水音を響かせる。

 

 

 僕の倍以上に長い蛇舌を、亀頭の表面と裏面……両方にトグロを巻くように巻きつかせ、同時に……頭を可能な限りペニスに近づけて、口内の空間を圧縮する。

 その体勢を数秒間キープし、息が苦しくなる限界ギリギリで、勢いよく頭を引き戻し、にゅるにゅる~~っ♡ と、巻きつけていた舌をカリ全体に擦らせながら一気に這いぬける。

 

 

 まぶして、咥えて、しゃぶって、巻きつけて、押し込んで……。窄めて、留めて、引いて、舐め擦る……。何度も、何度も……壊れた人形のようにその一連の動きをくり返し、ペニスと脳へと繋がる神経の両方をドロドロに融解させる。

 

 

「今の貴女がしてるソレ……下手なセックスよりもよっぽどじゃない……。――まぁ、いいわ。それで、貴方……もうそろそろヤバいんでしょ?♡」

 

 

「ゔっ……っっ!! っぐ、ぎぃ……があァ……ハァッッ♡!」

 

 

 案の定……とでもいうべきか。僕の射精が近づいていることは、途中参加した本物のシーにもバレていた。だが、今の僕はもう口すらろくに開くことができず、歯を食いしばる音や空気のぬける音しか出せない。

 

 

「何よ、その気味悪い声……。ちゃんと喋りなさいよね、口があるんだから……」

 

 

(む、ムリだ……っ! 口を開けッッ! ……たら、力が、抜けて……)

 

 

「――ったく、どいつもこいつも面倒くさい性格してるわ。ホント……♡」

 

 

こりゅっ♡ こりこり……くにくにっ♡♡ ぎゅぎゅううぅ~~っっ♡♡

 

 

「い゛っっ!!?! …………ッッッッ!!」

 

 

 突如、ペニスに小さな突起が押し当てられた。その正体不明の突起は、ボールペンのノック部分のように、小さいが確かな弾力と硬さを兼ね備えている。

 

 

 1秒間に5回以上のスピードで亀頭に当たるヌルッヌルのネバ舌と、それによって溢れ出すトロットロの唾液……。それらによって普段の数倍敏感になった肉竿に、その突起はマッサージ機のように、狙いすました快感をぶつけてくる。

 

 

「人、遠き慮なければ、必ず近き憂いあり――。私が貴方の上に乗った瞬間から、私が乳首を押しつけることくらいは予想はできたはずよ♡ 油断したわね、おバカさん♪」

 

 

 点穴やツボといった急所を突かれるように、竿にシーの乳首が当たる度……全身にさらなる快感の電流が流れる。

 瞼がカッ開いて目は飛び出し、顎下が痛くなるほどに奥歯に力が入る。しかしそれでも、全身の神経を焼き切る程の快楽信号は収まらず、ついには涙と共に泡が口端から漏れ出てしまっていた……。

 

 

コン♡ コツン、ツン……♡ クリクリ……クニニ、グニィッ……♡♡ 

 

ルロォぅ……ろぼっ♡ れべれべれべ……ベロベロベロ♡♡ れぅ……べぉ♡♡

 

ずりゅ♡ ずりずりずり……♡♡ たぱっ♡ だぱぱっ……ばちゅん♡♡ むぎゅぎゅ、ぎゅ……っ♡

 

グプゥ……♡ じゅる♡ ぐぽぽっ、がっぽ……んぶっっ!♡

 

 

 亀頭と陰茎……上と横。四面楚歌の状況で送られてくる、発狂しそうな程の快楽。

 そんな壊滅必至の責め苦から逃れる方法は、たったひとつしか残されていない……。

 

 

ぼぅるびゅびゅぶぷ~~~っっ♡ びゅるっ! びゅぐくぶっぷ……♡ びょっっぷ♡♡!!

 

 

 死という本能的恐怖から逃れることだけを考えた僕の本能は、残された唯一の逃げ道……精の放出へとすぐさま逃亡した。

“遺伝子由来の本能”という、最強レベルの後押しを得たペニスは、水道管が壊れたように精を解き放っている。

 

 

『う゛っ!! んぶっ……ぐぅぅ~~っっ♡♡ んっ……♡ んぶっ、ぷるるぅ~~っ♡♡ ん~~っっ♡♡ フ~~~ッッ……♡』

 

 

「きゃっ、ちょ……っと……♡ 3回目なのに、なんでまだこんなに多いのよ、もぅ! ホントに病気なんじゃないの、貴方♡」

 

 

 一人のくぐもった女声と、もうひとりの呆れ果てたような……だけど、少し惚けているような声が足元側から聞こえる。

 

 

 おそらく本物のシーの胸だろう……。薄ぼんやりと、ペニスの根元部分が何かで締められているような感覚がある。だが、そんなので止まるほど、体内に溜まり続けた射精欲は弱くない。

 

 

どぴゅ! どびゅびゅびゅ……ぶぶっぴゅ♡♡ びゅぐるる~~~っっ♡♡ ぐぅるびゅびゅ~~!!

 

 

 狂人の領域へと足を踏み入れることだけは理性が何とか阻止したのか――。それとも、とっくに限界を超えていただけなのか……。

 

 

 僕は、射精がまだ終わっていないのにも拘らず、気を失ってしまった……。

 

 

~ ~ ~ ~

 

 

 ロドス内で最も貧弱な彼にとって、同じ日の数時間で3回も射精することは、私が想像していた以上にハードワークだったみたい。

 その証拠に彼は、私の描いた留め具に拘束されたまま、気を失った。

 

 

「貴方を慕う他の連中(オペレーター)が、なんでこれまで手を出さなかったのか……。私、わかった気がするわ」

 

 

『ぢゅろ゛ろ゛ろ゛ぉぉ~~っっ♡♡ じゅぶる゛る゛るる~~ぅぅっ♡♡ じゅる……♡ んっ、ぎゅる! ぎゅるる……♡ ン~~……ンッ、ふ~~♡』

 

 

 視線の先を彼の間抜けな白目顔から、真正面に戻すと……自分と全く同じ容姿をした私の分身体が、まるで捞麺(ラーメン)を啜るみたいに、すっかり萎んだ彼の陰茎に吸い付いている。

 もし、コレが私じゃなかったら……ドン引きしてたわね。間違いなく……。

 

 

「はぁ……。――ホント、度し難いわ♡♡」

 

 

◆ ◆ ◆ ◆

 

 

「ここは、どこだ……?」

 

 

 気づけば、辺りは暗闇に包まれていた。一寸先どころか、自分の足元すら見えない程に暗く、自分が今地面に立っているのかどうかも分からない。

 

 

「んっ……風? ――いや、なにかの匂いだ。どこから」

 

 

 その場で呆然としていると、今まで嗅いだことのない甘い匂いが、視界の先にある暗黒のずっと向こうから、ほのかに鼻腔をくすぐった。僕はとりあえず、その匂いのする方へと歩むことにした。

 

 

「あれは……」

 

 

 暗闇を進んでしばらく――。それまで闇一色だった視界に、ポツリと光が見えはじめた。それは針の穴ほどに小さかったが、周りの黒に飲みこまれることなく、燦々と輝いていた。

 

 

ぴちゃ。ぴちゃっ、ぴちゃ。ちゃぷ……。ちゅっ……ちゅる。

 

 

 光に近づくにつれ、無音だったこの空間にも、水音のような音がたちはじめる。その音は眼前にある光と同調しているのか……光が大きくなればなるほど、音量も大きくなっていった。

 

 

 そして、ついに……。

 

 

~ ~ ~ ~

 

 

「うっ、ん……っっ」

 

 

「――あら、ようやくお目覚め? いい夢は見れたかしら?」

 

 

 目を覚ますと、それまで鳴っていた水音がピタリと止み、代わりに女性の声がした。今――僕が横になっているベッドと同じベッドに乗っている、角の生えた女性。どこか退屈そうな視線をこちらに向けながら、微かに微笑んでいる。

 

 

「シ、シー……? なんで、君がここに」

 

 

「さすがの貴方でも、寝起きはボケているのね……。ホラ、コレでも飲んで目を覚ましなさい」

 

 

 そう言って、シーは一杯のコップを差し出してきた。僕は言われるがままにそれを受け取り、中の液体を口に含む。

 

 

「んくっ、んっ……。んぐっ、ゴクッ……ごくっ」

 

 

 程よく冷えた水がまるで朝日のように、頭に掛かっていたモヤを振り払っていく。そして同時に、ぼくが気を失っていた理由……。つまり、あの密事の数々が鮮明に蘇る。

 

 

「ごぐっ……ググッ!? ガッ、ガハッ……ゲホッ、ゴホッ!! シッ、シー!! なっ、なんで……あんな、コト……」

 

 

「その様子だと、思い出したみたいね。なら、今一度の説明も不要じゃない」

 

 

 むせ返る僕をよそに、シーはいつも通りのトーンで短く言葉を返す。

 気絶してからいったい、どれだけの時間が経ったのかはわからないが、彼女は今も裸で胸を露出していたことに……僕はこの時、ようやく気づいた。

 

 

「今さらそっぽ向いたって時既に遅いわよ。私“たち”の胸(コレ)に挟まれて、めちゃくちゃ射精してたじゃない……♡」

 

 

「“たち”……。そうだ! か、彼女は!? もう一人の、シーは……どこに!!」

 

 

「少しは落ち着きなさいよ、みっともないわね」

 

 

 シーの言葉で、僕は気絶する前にいたはずの、もう一人のシーを探し回る。――だが、聞こえてくるのは目の前にいるシーの小言だけで、彼女の姿はどこにもなかった。

 

 

「――はぁ……。アレならもう消したわよ。貴方が気絶してスグにね」

 

 

「えっ!?」

 

 

 目の前のシーが、淡々と告げた。……どうやら、彼女は本物のシーのようだ。

 

 

「なに驚いてるのよ……。あんなのは所詮、前座――。用が済んだらさっさと退場させる……当然でしょ」

 

 

 ちり紙を捨てるように吐き捨てると、シーは僕の腰に掛けられていた布団の中に潜っていった。

 直後――両足が開かれ、股が曝け出されたような感覚がした。慌てて布団を掴み上げて中を見れば、できた股下の空間にシーがすっぽりと収まっていた。

 

 

「さて、と……。貴方も目覚めたことだし、あとはコッチが勃ちあがるだけね……♡ そろそろ、香の効果が出てくる頃でしょうけど……続き、シテあげるわ♡♡」

 

 

「シー! ちょっと待っ……んぁあっ!? うぐぅ……っ!!」

 

 

はぁ~~むっ♡♡ むっ、んんっ……っる♡ ちゅぽ♡ じゅるるっっ……♡♡ ちゅぞぞぞ……っ♡ 

 

 

 制止の言葉も虚しく、僕のペニスは再度、シーの口内にスッポリと収められてしまった。咥える直前の言葉どおり、そのフェラチオはやさしく、目的は射精ではなく勃起であることがすぐに分かる。

 しかし、彼女《シー》たちとの濃密すぎる情事の記憶が、ほんの数秒前に頭の中を駆け巡った|せいで、それは実際にされている以上の威力を発揮していた。

 

 

んっ、んるれぇっぷ♡ ……んっ、れぇ~……るるじゅ♡ ちゅぶっ、ぴちゃっ♡ にちゅっ、にちゅ~~っっ♡♡

 

 

 霧吹きで水を吹きかけられたように……。僕のペニスはその先端から根元までを、シー本人の唾液によって濡らされていく。

 

 

 夢の中でみたあの暗闇空間と同じ真っ暗な布団の中の世界の中で、一際目立つシーの白磁のように白い肌。太極図のように対照的なコントラストを背景に、ペニスの表面に纏わりついているシーの唾液が、布団の外の光を受けて鈍く煌めく。

 

 

(せ、精液の残り滓が……ついてない。あんなに、何回も射精したのに……)

 

 

「態々言う事でもないけれど、付いてた貴方の精子……っるるっ、んぇ~……っ♡ れられられられら……ほうじ……レロレロレロレロ……♡♡ ――ひといたはら♡ ぐゅっ……ぽぼっ♡♡ かんひゃ、んっ。ぬるぬる、ねるねりゅ……るりゅっ♡ ひなはい」

 

 

 変わらず唾液をダラダラと垂れ流しながら、シーがコチラの思考を読んだような言葉を話す。

 

 

 気絶する前に、本人から受けたフェラとはまるで違う――極限まで刺激をなくしたフェラチオ。

 口内で大量に唾液を蓄え、それを保持したまま一気に咥え……重力と舌の合せ技で一気にまぶし塗る、ドロぐちゅ唾液フェラ。それはまるで、植物に水をやり、その成長を日記に記録しているかのよう……。

 

 

 当然、彼女の舌技にさらされている部分と、そうでない部分では温度や湿度、空気が肌に当たることで感じる感覚など……すべてが全く異なっている。

 

 

 熱い……。

 

 

 直接触らずとも、そう感じれる程の熱。それが、睾丸と精嚢――。そしてそこで製造される、おびただしい数の弾丸(せいし)と専用の発射台(ペニス)……それぞれに生じる。

 

 

 生物学的に、男性の陰部が体外に露出しているのは、熱に弱いその弾薬を守るため――とされている。――つまり、今のこの状態は、そんな人間としての原理に真っ向から背いている事になる。

 

 

 だがしかし……。

 

 

むくっ♡ むくっ、ムクク……♡♡ びくっくん……っ♡♡

 

 

「ぅ……っっ」

 

「んぷる、じゅぽ♡ じぇるるっ♡ はぷっ……ジュズズッ♡♡ んっ、んん゛っ……っぼん♡♡ ようやく、コッチも本調子に戻ってきたみたいね……♡」

 

 

 いくら、触覚的な快楽刺激が少なくても……。いくら、精が放出前に死んでしまいそうなほど、局部が高音になっていたとしても……その光景。シー程の成熟した美女が、自分の股の下で跪くような体勢になり、懸命にペニスを頬張っている姿を目の当たりにすれば、興奮を抑えることなどできない。

 

 

 その証拠に、シーの口から開放された僕のペニスはもはや、甘勃起とは呼べなくなっていた。

 草木も眠りにつく深夜。狼が月に向かって全身をしならせて遠吠えしているように……。弓のようにその身をしなり、反り上がらせ……天を突いていた。

 

 

 気絶する前……。アレだけくり返し、大量に精を放ったというのに、しっかりと、体の方でその準備が整った証だ。

 

 

(ま、まずい……。このままだと、気絶する前の二の舞になる……。なんとか、しないと)

 

 

 まさに、怪我の功名。もしくは、天から垂れた蜘蛛の糸。とにかく、脳内にそんな考えが生じる。

 それは間違いなく回復した理性によって生み出された思考であると同時に、この状況から抜け出せる、最後のチャンスでもあった。

 

 

「シッ、シー! も、もう……いい」

 

 

「は? いいって……何がよ」

 

 

「だっ、だから……。もう、十分だ。もうこれ以上は……やめてくれ」

 

 

「…………」

 

 

 シーはそこで、僕が言わんとしていることを察したらしく、何も話さなかった。

 おそらく、僕がこの特別空間に入ってから、はじめて訪れた沈黙。それによって僕とシーの間には、暫くの間……気まずい空気が流れた。

 

 

「……貴方。この状況でその言葉を口にするのが、いったいどういう意味を持つのか……分かってるの?」

 

 

「あぁ。もちろん……分かってる」

 

 

 今度はシーの方から、含みのある言葉をぶつけられる。

 

 

 シーの方は上半身だけとはいえ、互いに裸になっている今の状況――。しかも、ペニスをギンギンに勃起させながら、こんな事を言うのは……ある種、強姦魔よりも最低なことだ。

 

 

 しかし、だからこそ僕はそれを口にした。

 

 

 それを口にできるということは即ち、理性が正常に働いているということであり……言葉を紡げるほどの理性が残っているのなら、勃起したペニスを静めさせるのも容易だから。

 

 

「とにかく、僕をここから出してくれ。謝罪と埋め合わせはまた後日……キチンと場を用意して、させてもらうから」

 

 

「…………」

 

 

 シーは僕の言葉に、一切の反応を見せない。ただずっと下を向いて、落ち込んだような様子を見せている。

 

 

 僕はそんなシーを少しの間見つめたあと、立ち上がるために布団から足を抜き、ベッドの縁へと移動しようと、手を動かした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 …………が。

 

 

◆ ◆ ◆ ◆

 

 

――ガシッ。グイッ! グイ、グイッ!! グググ……ッッ!!

 

 

 僕の体はまるで固定されているみたいに動かなかった。ベッドに手をつき、勢いよく腰に力を入れても、上半身が多少揺れるだけで、肝心の下半身はピクリとも動かない……。

 

 

「なっ、どうして! 動けな――」

 

 

「貴方……本当に馬鹿なのね。――指揮をしている時とは、まるで別人だわ」

 

 

 動けない原因がわからず、しばらく苦戦していると……。それまで沈黙を続け、ずっと俯いていたシーが、ゆっくりとその閉ざしていた口を開いた。

 

 

「シー! 本当にすまないと……自分でも最低だと痛いほど理解している!! だけど、後生の頼みだ! 僕をここから解放して――」

 

 

「子曰く、勝兵は先ず勝ちて而(しか)して後に戦ひを求め、敗兵は先ず戦ひて而して後に勝ちを求む――――」

 

 

「っっ!!」

 

 

「いくら古語に疎い貴方でも、これくらいは知っているわよね……?」

 

 

 今、シーが述べた文――。それは、とある有名な兵法書に記載されている一文で、戦前に立てる戦略や準備等の重要性を説いている。

――その文そのものは知らずとも、その意味を理解している人物は、このロドスに所属しているオペレーターに限ったとしても、大勢いるだろう……。

 

 

「とは言っても……これはあくまで理想論。貴方があれほどまでに性豪だったのを、私が読めなかったように……。地図の上で繰り広げるイメージ上の戦と、実際に人員を率いる実戦には天と地程の乖離がある」

 

 

「――でもね♡ ここまでシテおいて、みすみす解放するほど私……甘くないわ」

 

 

シュルルルル……ッッッ!!

 

 

「なっ、しまっっ……!!」

 

 

 その言葉を皮切りに、僕の体を縛り付けていた枷……。シーの臀部から生えている龍のような長い尻尾が、幾重にも重なって体を縛る。

 人間が力むとき、まず真っ先に力が込められる場所……。鳩尾と股間部分のちょうど間を掌握された僕は、場の支配権だけでなく生殺与奪すらもシーに握られてしまった。

 

 

「シー! シー!! お願いだ! お願いだから、少し落ち着いてくれ!!」

 

 

「あら、落ち着くのは貴方の方よ。私はいつも通り、いたって冷静よ? 貴方に心配される必要なんて微塵もないくらい……♡」

 

 

「わかった! 分かったから……衣服を全部脱ごうとするのはやめてくれ!!」

 

 

「心配いらないわ。最初に言ったでしょ、『ここは私と貴方だけしかいない』とかそんなこと。――ま、リィン姉さん辺りなら入ってきてもおかしくないけれど……あの人は出歯亀の真似事なんてしないわ。あの芸術を舐め腐ってる愚か者(ニェン)はどうか知らないけれど」

 

 

ズッ……♡♡ ズズズ……ッッ♡

 

 

「それに、万が一見られても……逆に煽ってみるのも面白そうじゃない……♡♡」

 

 

 シーは僕の言い分など、もはや聞く耳すら持っていなかった。

 

 

 尻尾で僕を縛り動けなくした上で、ゆっくりと時間をかけ……見せつけるように、その身に残った衣類を脱ぎ捨てていった。そして、亀のように一歩一歩。――着実に距離を縮めてきている。

 

 

「一度言ったことを、繰り返すの……本当はイヤなのだけれど、特別にもう一度、言ってあげる……♡♡」

 

 

グイッ……!!

 

 

「のわっ……!!?」

 

 

 そのセリフを合図に、腹に巻かれていた尻尾が勢い強く動き、僕を――元気満々のペニスを、シーの方に引き寄せた。

 

 

「大人しくしてなさい、ドクター♡ 悪いようにはしないから……♡♡」

 

 

ずぷっ♡ ぬぷぷぷっっ……にゅぷっ♡♡ ぐぢゅ、ズズ……じゅぶずずずっぷぷ~~っ♡♡

 

 

 運ばれた僕のペニスはそのまま……吸い込まれるようにシーの股。フェラをしていた時の口内に負けない程、濡れそぼった淫壺へと挿入されていった……。

 

 

「ふっ!! ……っ、っグッ……シィーー!!♡」

 

 

「とても、女の股に挿入したとは思えないほど、険しい顔ね……。――まぁ、いいわ。貴方のその邪魔な理性……♡ また私が、グズグズに蕩かしてあげるわ……♡♡」

 

 

ずぷぷっ♡ ぬちゅ、くちゅ……にゅぶぅぅ~~っ♡♡

 

 

 そんな宣戦布告をしたシーは、ゆっくりと腰を動かし、自ら挿入した僕のペニスを、さらに奥深くへと突きこませていく。

 

 

「んっ……ふぅ♡ はっ……んっ♡♡ あっ、イィ……わっ、そこ♡ ――ふふっ♪」

 

 

 シーの膣内(ナカ)は、まさに蒸し器の中のように熱い。

 

 

 入口こそ勃起した成人男性のペニスを容易く飲み込める余裕はあるものの、玄関を通った先に待ち構えているのは、“内門番”とでも言うべきほぼゼロ距離までに引き寄せあった膣壁。

 瘤のようにぽっこりと膨らんだ左右の肉ヒダ間にある道は、山中の獣道よりもずっと狭い。

 

 

グッ……グッ、グッ!!

 

ずうぅぅ……にゅっ♡ ぬぬ、にゅるっ♡♡ ずぅん……グニニィ……♡ ぐぅにゅにゅにゅ~~~……っっ♡♡

 

 

 しかし、そんな細道も尻尾とシー本人の動きによる強制全身ピストンで、亀頭が無理やりにこじ開けて、奥へと邁進する。

 

 

じっ……じぢゅ♡ ぢゅるるっ……ぢゅぢゅっ♡♡ じゅわわ~~ぁぁっ♡

 

 

 膣全体の形が変わったことで、上下左右はもちろん……チンポの先と前からも、アツアツに茹であがった愛液がウォーターカーテンのように溢れ出る。

 

 

 ペニスの周囲だけでなく、全体的に滑りが良くなった膣は、もはやそれ単体が生き物のように動きを活発化させた。

 

 

 ギッチギチの極狭第二門扉を通ったペニスを迎えたのは、居間のように少し広い空間。しかし、そこでもペニスは休憩をすることはできない。

なぜなら……。

 

 

ブツッ♡ ツブッ、ツブツブ……♡ うに……うにうに♡♡ ウネウネ……♡ ツブツブ……ヌルヌル――ウネウネ……♡♡ 

 

 

 そこには小さな肉の突起が、まるで砂利のように無数に生え揃っていて、その一つ一つが、新たに分泌された愛液でグジュグジュのドロッドロに茹だり、うねっていたからだ。

 

 

「っっ!! っグゥ……ァ゛ーー!!♡」

 

 

 歯ブラシのように細かい、いくつもの突起の上をペニスが滑って“しまう”。おそらく――まだ、半分程度しかその場所にたどり着いていないだろう。だが、それでも……さっきまで脳に浮かんでいた言葉の数々を一瞬で、意味のない悲鳴にさせてしまうほどに、快楽は強い。

 

 

「あらあら……今日一番の悲鳴ね♡ まだあと4分の1ほど外で待機しているのよ? いくら自分の体でも……仲間外れはイケナイわ♡♡」

 

 

じゅぶっ♡ じゅぶぶズズズ~~~ッッ♡♡ ズブププ……ブ、ップン♡♡

 

 

 そして、ついに……。僕のペニスが根元まで、シーの膣内へと挿入ってしまった。

 

 

ジュッビ! じゅわっ……♡ じゅぶぶ……ぶっぷ♡ ――トロトロ、トロォ……♡♡

 

 

 僕の股間とシーの股間の肉がそれぞれ重なった瞬間――。奥から蜂蜜のようにトロトロな透明の熱液が、ペニスや膣口のわずかな隙間などから漏れ出してきた。

 

 

「んっ……♡ はぁ……っ♡ はぁ……っっ♡♡ 最悪、また私の力を使うことも考えていたのだけれど……。その様子だと、その必要はないみたいね……♡♡ 子犬に劣らないくらい可愛いわよ、今の貴方……♡」

 

 

 その細い身体に、ガチガチに勃起した陰茎を完全に咥えこんだシーは、あっという間に息を整えると、頬を紅色に火照らせながら僕に語りかける。

 

 

「さて……♡ 無事に陰茎も全部入ったことだし、こんな動きにくい体勢……とっとと変えるわよ」

 

 

さわっ……♡ スス……スススーーーッッ……♡ ――――トン♡♡

 

 

 そう言ってシーは、すっかり元のサラサラな感触に戻っていた手指を、結合部から腹……胸へと正中線をなぞるように滑らせ、右肩と鎖骨の間にある関節部分へと運び、軽く突いた。

 体内を穿たれている事を差し引いても、やはり上位種。彼女のその軽い突きは、膣内交尾の快感で腑抜けている僕を、いとも簡単に押し倒すことができた。

 

 

「ふふっ……“また”、私に見下されてしまったわね♡♡ しかも今度は、互いの性器が繋がったまま……文字通り下敷き♡♡ もちろん今度も、解放するつもりなんてサラサラないから……無駄な抵抗はしないことをオススメするわ♡」

 

 

 女としての本能的な充足感。そして、シーのたまに見せる嗜虐心――。これらふたつの相乗効果により、恍惚としながらもどこか不敵な笑みを浮かべるシー。

 その姿は、ロドスの甲板や自室で、月を肴に酒を仰ぐ長女(リィン)よりも妖艶で……今日見たどんな表情よりも蠱惑的なものだった。

 

 

「はぁ……♡ んっ……んんっ♡ んっ、はぁ……ふふっ♡♡ やっぱり騎乗位(コッチ)のほうが動きやすいわ。……貴方も、さっきよりもずっと私の膣内の感触を味わえて、幸せでしょ?♡」

 

 

 少しも疑うことなく、シーがそう断言する。どうにかして、否定……ないし反論をしたかったが、ペニスからひっきりなしに送られてくる快感の全てが、その意思を根絶させる。

 

 

「慌てないでいいわ……♡ 貴方が慣れるまで、このまま動かないでいてあげる♡ ……こんないい資料、今の世界じゃ滅多に出会えないものっ♡♡」

 

 

 ソレを知ってか知らずか……。対面座位から騎乗位へと体位を変えたシーは、僕の上に跨ったまま、動かなかった。

 余計な動きがない分……そして、真上からスッポリと膣肉に覆われていることもあってか、まるで解剖書を見ているかのように、シーのホカトロ膣の全容が分かってしまう。

 

 

 ペニスが根元まで挿入されたことで、亀頭部分はあの無数にある肉ヒダによるペニス洗濯ゾーンを通過し、ついに最後の場所――。子宮口とその門前の膣道に辿り着いていた。

 

 

ぬるっ……♡ ヌルル……ヌニュルッ♡♡ ぷつ、ぷつぷつ……♡♡ 

 

 

 そこも当然……今もなお、膣壁やヒダの隙間から滲み出ては、膣全体をしとどに濡らしている特製愛粘液で溢れかえっている。――というか、むしろ壁が近い分……粘り気・温度共に、最も高いといってもいいかもしれない。

 

 

 そんな粘液の源泉部分に生えた膣ヒダは、直前のゾーンほど無限にあるわけではなく、小高い丘のような……ある程度の大きさと太さを持った突起が数本並んでいる。

 

 

 しかし、その切っ先はまっすぐ直上を向いているでも……ここまでの猛攻に射精することなく耐えてきたペニスを、子宮口に誘うでもない……。そこに生え揃った十数本のヒダは、ネズミ返しのように入口側へと傾いていた。

 

 

「ふぎゅ……っぎぃ! グッ、ァ……ッッ!! グッ……ッツ……!」

 

 

 僕の意志とは関係なく、喉奥から血反吐を吐くような掠れた悲鳴が飛び出していく。

 

 

 ペニスの中腹は、膣窟内に満ちる愛液を洗剤がわりに、無量大数ほどの小さな肉ヒダがゴシゴシ♡ と精液が通る尿道……そして、それを取り巻く肉竿の部分を小刻みに洗いほぐす。

 そして先端――。亀頭と直下にあるカリ首部分は、大きくまとまっているものの、逆側に曲がっているヒダが、道端に転がる大きめの石のように、ペニスの進行を妨げる。

 

 

 だがしかし……射精はできない。その理由は言わずもがな、シーの尻尾によるアシストで無理やり通過した、あの超激狭通路と、その通路を挟むようにして存在するふたつの大きな瘤ヒダだ。

 その部分がちょうど、ペニスの根元部分を力の限り締めつけているせいで、精巣から尿道へと送られている精液は、早々に通行止めをくらっているのだ。

 

 

「私は、今貴方の陰茎に貫かれている膣が、どういう形をしているかなんて、毛ほども興味がないけれど……♡ 今の声と貴方の顔から察するに……そう簡単に射精はできないみたいねっ♡♡」

 

 

 シーが鬼の首を取ったかのような、得意げな顔でこちらを見下す。そんな彼女と、目線があったその瞬間……。僕は次の彼女のセリフが予測できてしまった。

 

 

「だったら都合がいいわ♡ 私――そろそろ動くから、貴方はそのままできる限り射精を堪えときなさい。これだけ体を重ねておいて、一度も私をイカせられない……なんて、沽券に関わるわよ?♡♡」

 

 

 上半身を倒し、ベッドの上に寝そべる僕の上に這い寄るように近づいたシーが、その体勢のまま……両足の力で腰をゆっくりとつり上げた。

 

 

ぬ……にゅっ♡ ぐゅぅ、ちぃ……ちゅっ♡♡

 

 

「あ゛っっ!! ゔぐぐ……っっ♡♡ ぐぅおォッ……! ぐぅギ……イ゛ッ♡」

 

 

 一往復ですらない、ただの半路。たかだか数センチ……シーの臀部が上昇しただけ。

 たったそれだけのハズなのに、僕の全身にはローションの滝にでも打たれたようなヌルついた快感が迸った。

 

 

「まさに獣の声ね……♡ とても、自分より背の低い女に跨がられているとは思えないわ……ふふっ♡」

 

 

ばちゅん!! グニュニニニ~~っっ♡♡ ぐいっ、グイッグイッ♡

 

 

 一方……腰を下げる時は速度を倍以上に加速させて、尻を叩きつけるように振り下ろされる。重力と慣性によって、数秒間――子宮口が鈴口と濃密なディープキスを交わし、結合部には大量の泡ついた液体が吹きこぼしの如く溢れ出る。

 

 

「貴方の悲鳴……。近くで聞くと、ますます断末魔のそれに聞こえてきてしまうわ……♡」

 

 

 シーはそんなことを口にするが、腰の動きとそのスピードは少しも緩めなかった。

 

 

ずろろろろぉぉ……ばちゅん♡ じゅぷろろろ~~っっ……ぐっ、ちゅん♡♡

 

 

 シーが腰を上げると……最深部の反り返ったヒダや、中腹部の無限ミニヒダ地獄によって高められた射精欲が、入口部分のコブ襞によってほぼ全て――発射口である鈴口へと運ばれる。

 

 

 かと思えば――一気に腰が打ちつけられ、せっかく先端まで浮上したコブ襞が瞬く間に根元近くへと戻り、再度栓の役目を担う。

 そしてさらに……最深部の反り返りヒダが、カリ首やその下に集まった皮に、鉤爪のように引っかかり、神経が隠れることを赦さない。

 

 

「不恭敬、親しむべからず。人を敬う者は……んっ♡ 人……っっ♡ 恒(つね)にこれを敬い……んはぁ♡♡禮(れい)の用、和を以て……んくっ、あぁぅ……♡♡ 貴しと為す――。私は直接、貴方に救われた訳じゃないけれど……♡♡ そうしてロドス(ここ)にやってきた数多くの人たちの代わりに……♡ 最後まで、楽しませてあげる……♡♡」

 

 

んっ♡ ふあぁ~~むっ♡ むちゅる……ちゅっ♡ ちゅむっ♡♡ ……れぇ~~っっ♡

 

 

 腰は動かしたまま、シーがおもむろに唇を重ね、舌をねじ込んできた。発情により、体の奥から火照ったシーの口内と舌は、カイロのように温かく、垂れ落ちる唾液は水溶き片栗粉のようなとろみがついていた。

 

 

「ほらっ、ドクター……♡ んっ♡ ちゅるっ♡ あなひゃも、れろぉ……んむ、ひら……ちゅっ♡ ちゅぅ~~っ♡♡ うごかひなはいっ♡♡ ちゅる♡ ちるちるちる……ちゅるん♡♡ ……女にばかり、働かせるんじゃないわよ……♡」

 

 

じゅっぷ♡♡ にゅるっ、にゅぷっ♡ ちゅぽっ……ちぅ~~~っ♡♡

 

 

 口と股間――キスと生膣……。このダブルパンチには、流石の回復した理性も太刀打ちできず、僕の舌は希求するように、シーの柔舌と絡みはじめた。

 

 

「はぁむっ! んんっ♡♡ ちゅっ♡ あふッ、あっ……♡♡ ふっ、ふふふっ……♡♡ ようやく……素直になったのね♡ んっ……ちゅるっ、ぺちゅ♡ 本当――赤ん坊みたいに、手のかかる人ね……貴方♡♡ ちゅっ♡ チュッ、チュッ……れぇうろろろぉぉ~~♡ ほら、手も……♡♡ 忘れてるんじゃないわよ♡」

 

 

 スルッ……スルルル……ッッ♡ サッ――ギュッ♡♡ ギュッ……ギュッ♡♡ にぎにぎ……♡♡

 

 

 言われるがまま、ペニスと舌だけでなく……両の手もシーと重ね合わせる。互いの存在と感触を確かめ合うように……。あるいは、互いを焦らすために……。

 数回、肌と肌を擦れあわせてから握られたその手は、至極当然のように指と指を交互にクロスさせた。

 

 

「……♡♡」

 

 

ちゅ~~ううぅぅぅ……♡ ちゅぱ、ちゅむ……♡ れぅれぅれぅ……♡♡ ちゅっ♡ んむちゅるっ♡

 

にゅぢゅぼろろろぉ~~っっ……ばちゅん♡ ずろろろぉぉ~~……♡ ぐりゅ……っっちゅん♡ ずりゅろろぉぉ~~~っっ♡♡

 

 

 以心伝心を超え、シーと文字通りの一心同体になったような……摩訶不思議な感覚に包まれる。

 シーと僕の臀部が互いに接触する度に、相手が感じている快感や幸福感といったものが、一気に自分の体に流れ込んできている……ような気がする。

 

 

「ん……っっ♡♡ 貴方の陰茎……さっきから赤子みたいにプルプル震えてるわよ?♡ もう……限界なのね?♡ 私の膣内に、な・ま・な・か・だ・し……♡♡ するつもりなのでしょう?♡♡」

 

 

 シーの計画にまんまとハマり、膣内射精寸前にまで追い込まれている僕と僕のペニスを、シーはこれまた大仰に煽る。されど、その台詞とは裏腹に……彼女の膣肉は、入口・中盤・最深部……。その全てを使って締め上げるように搾精し、腰と子宮口を強く押しつけている。

 

 

「いいわよ♡ ちゅ……ん~むっ♡ 好きなだけ――射精しなさい♡♡ 貴方よりも10センチ以上背が低いくせに、ちゅるりゅ♡♡ 一丁前に下に敷いて……♡ れろれろれろ……ぢゅる♡ ちゅぴゅりっ♡♡ 好き勝手暴れてる生意気なオペレーターのおまんこに……♡♡ 『びゅーびゅー♡』って……♡  思いっきり、中出しして……分からせてやりなさい♡♡」

 

 

 舌の先端が食道にまで差し掛かっていそうなくらいの、超絶濃厚ベロキスを交えながら、シーが脳髄とペニスに響く官能的な女声で囁く。

 それはまさに、傾国の妖女が発する甘言も同然であり、最後に残った堰を切るには十分すぎる威力を内包していた。

 

 

ぶびゅ!! ぶっ……びびぴゅるるるぅぅ……っっ♡♡ どぽびゅっっ!♡

 

 

「…………ッッッ!!!」

 

 

「ッッッ~~~♡♡」

 

 

 雷にでも打たれたような強い電流とともに、全身を快楽の奔流が刺し貫く。手足の指先にある末梢神経までもがチリチリと焼け焦げ、天国が幻視とは思えないほどにクッキリと視界に映る。

 

 

「あらあら……♡ 本気で膣内射精(なかだし)しちゃったわね……♡♡ もう言い訳も後戻りも、絶対にできないわよ?♡♡」

 

 

 膣内に生射精をされたシーはどこか余裕を感じさせる声色で、そっと囁く。己の体内でポンプのように激しく顫動し、精液を放出し続ける僕のペニスを、射精前以上の力で、ギュ……チギュチ♡ に絞り、さらなる精液の放出を促進させる。

 

 

「――分かるかしら?♡ 私のお腹……ドクドクって、とても強く脈打ってるの。……私。これでも、イッてるのよ?♡ それなのに、貴方の陰茎――。いいえ、チンポときたら……♡♡ そんなのお構いなしに、おまんこの中で脈うって……ふふっ♡♡ ――――ケダモノ♡♡」

 

 

 オルゴールのようにか細くも、尋常ならざる妖艶さを孕んだシーの囁き。それは射精しか考えられなくなっている空っぽの頭を落ち着かせるどころか、さらに燃え上がらせ、放出する胤(たね)の量と濃度を飛躍的に上昇させた。

 

 

ぼぢゅ、どるるっっ!! びゅぴゅ……♡ どぷぷぷ……っっ♡ 

 

 

ん~~っ……♡ ちゅっ♡ ちゅるっ♡ んちゅっ♡ ぢゅぅぅぅっ……ぢゅるるるるっ♡ れええぇぇ~~~っっ……♡♡

 

 

 流れるように奪われ、凌辱される口内。自由に外気を吸引する権利すら奪われた状態で、口と喉をグチャグチャにかき混ぜられる感覚は……そのまま脳をゴチャ混ぜにされている錯覚を呼び起こし、さらに意識と判断力を削いでいく。

 

 

 しかし、シーはまだ僕の上から退く気はないようだった……。

 

 

ばちゅっ……♡ ばちゅっ……♡ ばちゅっ……♡ ぬっちゅ……♡ ぐちゅっ……♡ ぐじゅぢゅ……ぼろろおぉ~~♡♡ ――ずっちゅっっん♡♡

 

 

「シ……゛ィィ!! や、っっあぁ……♡」

 

 

「止める? 冗談言わないでほしいわ♡ 3回射精しても、数十分後にはものの見事に復活するほどの精力なのよ、貴方……♡ そんな貴方のチンポが、たかが1回の中出し程度で鎮まるわけ無いでしょ……♡♡」

 

 

「――そういうわけだから、また気絶するまで搾り取ってあげるわ……♡♡ この、おまんこで……ねっ!!」

 

 

ばちゅんっ♡ どちゅんっっっ♡♡ ドロッ♡ どっぽぉろろろ~~♡♡ 

 

 

 それだけ告げると、シーは早速腰の勢いを戻し、2回目の射精に向けてのピストンを開始した。

 

 

 ペニスが8割ほど抜かれたことで膣の奥からは、餅のようにネバネバな子宮内へ入りそこねた精液が、土砂崩れのように流れ落ちてきた。

 しかし、失った子種を取り戻さんとするかのように、膣肉や膣壁に植生している無数のヒダは、淫らに蠕動を続け……収縮し、内部の空間を狭めてきていた。

 

 

「ねぇ……ドクター♡」

 

 

 結合部分から漏れ、両者の脚を伝い、ベッドのシーツに大きな丸シミを作る精液と愛液の混合液。それの混ざり具合と同じくらいに混濁した意識の中、シーが僕に語りかける……。

 

 

「――私、貴方のこと好きよ♡ 姉さんたち……。いいえ、この世界中の誰よりも……♡♡ ちゅぅぅぅ……っっっ♡」

 

 

「だから、次は……もっともっと濃厚で重厚な胤♡♡ 注いでくれるわよね?♡」

 

 

 ――こうして僕は、シーに組み敷かれたまま……何度もその胎内に、精を吐き出すのだった……。

 

 

◆ ◆ ◆ ◆

 

 

 シーとの極秘肉交を終えた後も、僕はしばしばシーの部屋を訪れていた。

 

 

「やぁ、シー」

 

 

「『やぁ』じゃないわよ。なんで、毎度毎度……私が居留守使ってるって分かるのよ」

 

 

「さぁ? ただ……なんとなく、いるだろうな~って感じがするんだ」

 

 

「そんな適当かつ曖昧な理由で、プライバシーを侵害される私の身にもなってほしいわ」

 

 

 ただ、あれ以来……室内ですることは雑談の他にも色々増えていた。

 

 

 例えば…………。

 

 

「頼む……通ってくれ!」

 

 

「――ロン」

 

 

『あ~らら……』

 

 

「立直、七対子、アカアカで12000――満貫よ。……合わせて15手近く打って、1枚しか出てないんだから發が危険牌だって事くらい、考えなくても分かるでしょ普通……」

 

 

 分身体のシーを交えて三人麻雀なんかが、いい例だ。――もっとも、ほぼ同一人物なだけあって、大抵は僕がラスをとって終わる。

 

 

 そして、もちろん……。

 

 

ぢゅる♡ ぢゅっ……っっぼ♡ じゅぼっ、ぐっぽ、ぎゅぅぐっ……♡ ぼぐぉ゛っ♡♡ 

 

 

「シッ゛……♡♡ イィ゙ィ゙……ッ゙ッッ」

 

 

 ――もちろん、シーと体を重ねる時もある。

 

 

 僕もシーも……一度限界まで交わりあったからといって、それだけを目的に逢瀬を繰り返すような性格じゃない。――だけど、ひと度交われば、初回の熱量を超える程に燃え上がり、長くなる……。

 回数こそ少ないけれど、それだけ長時間も交わっていれば、1回で身につく技巧は凄まじいものになる。

 くわえてシーは、“画家”という職業も相まってか、覚えが常人の倍以上にはやく、十数分も経てばテクニックはすっかり別人レベルにまで上達している。

 

 

「ちゅ~~~っぷ♡ ――れろれろれろっっ……♡♡ らによ、もうイひほうなの? じゅる゙る゙るるぅぅ~~~っっ♡♡ ろんろん……♡ はやふ、んっ……♡♡ なっへきへないかひら?」

 

 

「そっ……!! それだけ……シーが上手くなっ――――。うぁっ……♡♡ だ、めだっ……イくッ……!!」

 

 

どびゅるっっ!!♡ どぶりゅっ!♡ ぴゅっ、ぴゅぅ~~~……っ♡♡

 

 

「ん゙……っ♡♡ ちゅるるっ……♡ んぱぁ~~……ぺろぺろっ♡ んっ♡ ちゅくっ、ぢゅぞぞ……♡♡ ぐぷぷっ♡♡ んふぅ――っっ♡♡ ちょっと……。もう顔中貴方のイカ臭い泥精子まみれになってしまったじゃない。……ちゅっ♡ ちゅぴっ♡ はやくイクのは勝手だけど、んっ……んんっ……んれぇ~~っっ♡♡ 少しは加減しなさいよね」

 

 

「……努力する」

 

 

 僕は今日――これで3回もシーのフェラで絶頂を迎えている。それだけ射精していれば当然……シーの顔や首元には僕の精液がベットリと付着している。

 シーはそれに文句こそたれているものの、そこいらに付いている僕の精液を指で掬い取り、少しも躊躇うことなく口の中に入れて舐め取っている。

 

 

「まったく――。人を半ば拉致して無理やりロドスの乗員にした挙句、今度は制服ごと自分の精で染め上げるなんて……。随分と崇高な趣味(ヘキ)を持ってるのね、貴方♡」

 

 

「アハハ……ハ……」

 

 

 恨み半分、誂い半分といった感じの口調と目つきで僕を一瞥するシー。そのふたつの槍は僕を正確に穿ち、笑って誤魔化すことしかできない。

 

 

「まぁ、いいわ……。今さらここから出ていくのも面倒だし、もうしばらくは貴方のもとにいてあげる♡ その代わり――せいぜい、他の誰かにバレないよう洗濯することね」

 

 

 そう言って、ロドス所属のオペレーターであることを意味する制服を放り投げるシー。何とか床に落とさずに受け止められはしたものの、腕にはトリモチを踏んだような、ベチャ♡ とした嫌な音と感触が広がった。

 

 

「さて――と。それじゃあ、今度は私が楽しむ番ね……♡♡」

 

 

ドン! ――ドサッ♡

 

 

 そのセリフとともに、あの日の光景が再現された。

 

 

 強く胸を押された僕は――いつの間にか用意されていたベッドの上に倒れた。そして、その上をシーが……。全体に金色の龍が刺繍された、藍色のチャイナドレスを身に纏ったシーがその上に跨り、仁王立ちした。

 

 

「コッチなら、初回とそれほど変わりないから……貴方もある程度頑張れるわよね?」

 

 

 スススーーーッッッ♡ ………ペラッ♡ 

 

 

 シーが僕と視線を合わせたまま、脚の付根辺りまで及んでいる長いスリットの最下部へと手を伸ばし、そのまま本のページを捲るようにつまみ上げた。

 

 

じゅわっ♡ むっわぁぁ……♡♡ トッロ~~、トロトロ……♡ たららあぁ~~ぁっっ♡♡

 

 

 顔上で開かれたシーの股座からは、蒸し器の蓋を取ったときのような強い蒸気。

 そして――すっかりジュクジュクになっていた秘裂からは、透明な涎が水あめのような粘度を持ちながら垂れていた。

 

 

「――無理ならそれでいいわよ。……私が一から鍛え直してあげるからっ♡♡」 

 





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