肉体が変化する要素はありません。精神融合のみ!
「うーん、何しても今ひとつ盛り上がらないなぁ……」
窓の外から聞こえるのは土砂降りの音。
OLの夏菜子さんは、それにうんざりしながらテレビゲームを遊んでいました。
「チートできる機械買ったのはいいけど、無双するのはそれはそれでつまんないわねぇ」
昔はやった、本体にカセットを差し込むゲーム機。
その本体とカセットの間には、黒いチート装置が挟まっていました。
「まぁ、無かったら無かったで難しいだけなんだけど」
説明書を手に取り、黒いものにコードを打ち込み。
するとゲーム内で変化が起こり、操作しているキャラの性能が変わっていきます。
「よーし、この辺の雑魚なんかもう余裕なんだから」
口ではそういうものの、そこまではしゃいでいる感じではありません。
こういうチートは最初は楽しいものの、すぐに飽きてしまうもの。
ただでさえ気だるい雨の日、テンションが上がる要因は少ないのでした。
「あ、そうだ。逆に、弱くなるコード入れたらどうなるんだろ」
説明書をペラペラとめくり、コードを探していきます。
「モンスターデータコピー……これかしら?」
題名とコードのみなので詳しくは分からないのですが、あまり気にせず入力します。
画面に映っているのは、目つきが悪いながらもどこか可愛らしいモンスター・ベロクス。
「うふふ、主人公がこれになっちゃうとかだったら面白いわね!」
入力し、実行。
ところが、特に変化は起こりません。
「あら、どうしたのかしら?」
再度入力するものの、やはり何も起きなくて。
「えー、効果ないコードだったのかしら? つまんないわねぇ」
仕方なく操作しようとしますが、なぜだかどのボタンを押しても反応しません。
「あら、これ、フリーズしちゃった?」
いくつもコードを打ち込んでせいでしょうか?
モンスターとの戦闘画面のまま、全く入力を受け付けなくなってしまったのです。
「んも〜、ちょっとちょっと!」
手を伸ばし、軽く小突いてみますが……変化なし。
「これだから昔のゲームって嫌なのよね、もう!」
仕事もちょっと上手くいっておらず、イライラが溜まっていた夏菜子さん。
怒りに任せ、少し強くカセットを叩いてしまいます。
と、その時でした。
大きな音と共に、間の黒いチート装置が煙をふいてしまったのです!
「あっ、壊しちゃった!?」
慌てて顔を近づける夏菜子さん。
それと同じタイミングで、チート装置から黄色いモヤのようなものが溢れてきました。
大声を上げた反動で、大きく息を吸い込んだ夏菜子さんは、そのモヤを一気に吸い込んでしまい……
飲み込んでしまった感覚の直後、彼女の中で変化が起こり始めたのです。
えっ、今私、なんか吸い込んじゃった?
あれぇ、何だこれ?
きゃっ、変な声がする!?
なになに、オイラ以外の声がするけど。
お、オイラって、誰よ!?
オイラはオイラだもーん!
わ、私の考えのはずなのに、どういう事!?
私の考えって、どういう事? オイラ、オイラなのに!
オイラ、オイラって、私は私よ!?
私って言われても、オイラ知らないもん。
私だって、あなたの事、知らないわよ!?
えっへん、オイラはベロクスだぞー!
べ、ベロクスって、ゲームのモンスターじゃない!?
ゲームってなあに?
わ、私が遊んでいた……
あ、なんか、分かっちゃった。操作する機械なんだ!
えっ、えっ?
よくわかんないけど、知らないあれこれがどんどん分かってきちゃう! えへへ、おもしろ〜い!
知らないあれこれって、何よ?
オイラ、ベロクスのはずだけど、大場 夏菜子って名前だって気がしてきてるんだ!
待って、それ、私の名前よ!?
えっ? でも、オイラの名前だよ?
ち、違うって、それ、私!?
そうなの? ん、オイラ、どんどん、大場 夏菜子だって思ってきちゃった、あれ、あれれ?
も、もしかして、それ、私の中にベロクスが入っちゃったから、同じ頭を使っちゃってるから!?
そうね、あ、あれ、そうかも、考えれば考えるほど、オイラ、夏菜子なのよって思ってきちゃうわ、お、オイラ、ベロクスなのに?
だ、だめよ、それ以上考えたら、あなた、私になっちゃうわよ!?
で、でも、考えないなんて無理よぉ、だって、どんどんオイラじゃない私が入ってきて、オイラは私だって、思っちゃってるんだもの!?
も、もう、何でベロクスが私なのよ、オイラが夏菜子だよ!
あら、待ってちょうだい? なんで口調がおかしいのかしら?
んもう、私の頭で考えてるからでしょ! 勝手にオイラみたいになってるじゃん!
ち、違うって、オイラが私になっているのも変だけど、あなたも私みたいになってるわよ!?
えっ、そんな事ないって! ほら、オイラ、ちゃんと夏菜子って自覚あるもーんだ!
お、おかしいわね、オイラが夏菜子って思うのはしょうがないはずだけど、何で逆が起きるのかしら?
さっきから変なことばっかり! オイラの頭で勝手に考えといて、そんな事言うの、おかしいじゃん!
あっ、も、もしかして、オイラの思考も頭に流れ込んだせいで、それを読み込んじゃったんじゃないかしら!?
えー、どういうこと? オイラ、夏菜子なんだぞ!
だから、夏菜子としての言動や思考しか記憶されてないはずの頭に私……じゃなくて、オイラの喋り方とか考えとか入っちゃったわけでしょ?
も、もしかして、オイラ今、ベロクスの考えを読み込んで喋っちゃってるって事!?
た、多分そうね、オイラの思考方法になっちゃってるから、私みたいな話し方になってるよ!
ま、待ってよ、オイラ人間なのよ、モンスターなんかじゃないわ!
で、でも、これ、私の頭脳でしょう? そこに心が二つあったら、影響しちゃうんじゃない?
じゃ、じゃあ、とにかく、これ、オイラのなんだから、出ていってちょうだいよ!?
そんな事言ったって、私はゲームのモンスターなのよ? なんでこうなったか、わかんないもーん!
オイラだってわかんないって、んもー、なんでオイラ、こんな事になっちゃったのかしら?
しょうがないわよ、私が乱暴に叩いちゃったから……って、あれ? これ、オイラの記憶じゃないわよね?
それ、私の記憶だってばぁ。んもう、せっかくバトルに突入して出番だったのに!
あれ? それ、オイラの記憶よ? ちょっと、変じゃないのよ。オイラって、私なのよ。
えっ、私がオイラよ。
あれ、オイラって、私って、なんだっけ?
何言ってるのよ、私がベロクスで、オイラは夏菜子なんだぞ!
ちょっとちょっと、なんか、どんどん変になってるわよ!?
そうかしら、オイラは変だって思わないわよ、そうだぞ!
も、もしかして、これ、あれじゃないかしら!? お互いにお互いを読み込んじゃってるから、オイラが私のオイラを私で読み込んじゃって、ああもぉ、何よそれぇ!?
や、やめなさいよ、あなたが変な事したら、オイラもなんか、ごちゃごちゃになってきちゃうじゃないのよ!?
で、でも、私なのに、オイラでしょ? ん、あれ、オイラなら私よね?
変なこと言うなってば! 私はオイラ、オイラだから私なんだから、私は私でしょ!?
そ、そうよね、オイラって、オイラなのよね。ベロクスは、夏菜子!
うん、うん、何も変じゃないって。夏菜子なんだから、ベロクスなのよ。
私、オイラだったんだわ。じゃあ、オイラって、私なんだぁ!
あら、じゃあ、私、早くオイラにならなくっちゃ! ねえ、私、オイラになりましょ!
うふふ、そう、そうね、オイラに私がなっちゃえば、ちゃんと元通りよね!
なんでこうなっちゃったかもう分からないけど、いい加減戻らないと! オイラ、私でーす!
私、オイラなのよ。
あっ、あっ、私、私、オイラ♡
んっ、オイラに、私が、入って、元通り、全部、オイラに、なっちゃうわ♡
どんどん、どんどん、私は、オイラ!
いくわよ、オイラに、元通り〜!
えっ、あれ、でも、これって、あっ、入っちゃったぁ♡
ビクン! と盛大に体が震え、変化が終わります。
わずか一秒すら経過していないようで、壁掛け時計の秒針は動いてもおらず。
「あっ、あっ、えへ……逆、じゃんこれ♡」
お澄ましした美人だった表情は、目つきの悪い悪戯っ子のようなそれに変わっています。
「あはは、間違えちゃったわね。私にオイラが入っちゃえばよかったのに、オイラに私が入っちゃったんだわ。まぁ、もう戻せないから、仕方ないわよね♡」
どうやらお互いに混乱した結果、その状態で合意。
精神が混ざり合ったまではよかったのですが……ベロクスの心が優勢になってしまったようなのです。
「えっへん、オイラ、大場 夏菜子でーす! 25歳のOLで、趣味はゲーム! でも、実はベロクスと心がくっついてるんだぞー!」
ニヤニヤしながら立ち上がり、手足を動かし。
「うふふ、なんだか、新鮮な気分ね。いつも自由に動けてるはずなのに、初めて好き勝手できてドキドキしちゃうぞ♡」
少しドキドキした様子ではにかみ、頬に手を当てて。
「えへ、オイラ、私なんだから、別にいいのよね、そうよ、私はオイラなんだから、なんの問題もないんだぞー♡」
ブレンドされた魂、記憶、心。
ただのゲームのモンスターだったベロクスには、夏菜子さんの全てが輝いて見えます。
「手、足、えへ、えへへ、オイラの、オイラの、私のよぉ〜ん♡」
妙な歌を口ずさみつつ、ぎこちない歩き方で姿見の前へ。
「わぁ……」
毎朝見ている自分を初めて見て、ドキッとしてしまいます。
「オイラって、可愛いわね♡ うふふ、最近思ってなかったけど、言われたら私、可愛い!」
体を揺するように動かし大はしゃぎ。
それに合わせ、ゆさゆさと胸が揺れ。
「あっ、そっか、そうだぁ、オイラ、大場 夏菜子で、女だから、おっぱい、があるのよ! うふふ、私なんだから、触ってもいいもんねーだ!」
ツンツン、と指で胸をつつきます。
「えへ、えへへ、オイラの攻撃で、私が気持ちいいじゃないのよ♡」
体が疼き、心がドキドキし。
ムラついた拍子に、性的な知識が脳内に展開されていきます。
「うふ、こんな突っつき攻撃じゃなくて、ちゃぁ〜んと気持ちよく、なっちゃおうっと♡」
手を開き、胸に覆い被せ。
そのまま指を動かし、服越しに変形させ。
「あっ、やっ、すごっ、んっ、さっきより、ずっと、攻撃力、あるわぁ、気持ち、いい、いい、すごい、すっごぉい♡」
鏡の中の自分が胸を揉んで喘いでいるのを見て、昂りはますます増加します。
いつもの自分ではあるのですが、自分はモンスターのはずなのですから。
そんな自分が自分の胸を揉み、自由に喘いでいる。
夏菜子さんと繋がったベロクスにとって、興奮しない理由はどこにもありません!
見た目は人間でも、精神はモンスターと人間の融合状態。
わずかにズレた感覚に、夏菜子さんはどんどん興奮していきます。
「おっぱい、片方で、これでしょ、えへ、うふ、じゃあ、両方、あっあっあっあっ♡♡♡」
とうとう両手で胸を揉みしだき始め、ますます声のトーンもボリュームも上がっていきます。
「いいっ、いいわぁ、最近マンネリだったけど、初めてのおっぱい、あぁ〜♡」
外の雨の音を聞きながらも、夏菜子さんは自身の快感を堪能。
外に音が漏れてもどうせこの天気、誰かに聞かれることはないでしょう。
「えへ、えへへ、オイラ、おっぱい大好きだわぁ、でも、でも、もっと気持ちいい所、あるの知ってるわよ……♡」
顔を真っ赤にしながら、片手をゆっくりと下に滑らせていきます。
「う、うふふ、いいのかしらぁ、おっぱいでこんなすごいのに、もっと気持ちよくなっても、でも、気持ちよくなれるなら、私、なりたいもんねーだ♡」
突然手を加速させ、獲物に飛び掛かるように下着の中へ指が潜り込みます。
秘部の入り口に指が触れ、その状態で人差し指を曲げ……
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ♡♡♡」
湿っている中に入り込む感覚、棒状の物が侵入した感覚。
攻撃する、されるしか知らないモンスターにとって、このインパクトはとんでもない物でした。
「あっ、あっ、何度もしてるのにぃ、こ、こんなに、気持ち、いいのぉ、えへ、えへへぇ♡」
ヘナヘナとへたり込み、それでも手を抜くことはなく。
人差し指が少しずつ膣へ入っていき、電撃のような刺激を脳に伝えていきます。
「あっ、あっ、だめ、ダメ、オイラ、気持ち良すぎてぇ、変、変になっちゃうぅ、私、毎日、こんなこと、してたんだぁ、オイラも、毎日、あぁんっ♡」
お気に入りのスポットを指で刺激してしまい、甘く高い声が漏れてしまいます。
「や、やだぁ、そ、そりゃ、オイラ、私だけどぉ、こ、こんな声、出しちゃうん、だ♡」
なんだか気恥ずかしくなりますが、だからといってオナニーを止めることはなく。
「もっと、もっと、もっと強くぅ♡」
自分で自分におねだりし、自慰を加速させていきます。
ゆっくりと、中指も入り始め……
「あっ、あっ、えへ、へへへ、オイラ、オイラ、オイラ、オイラぁ♡♡♡]
爆発しそうなほどの快感に、全身から汗が吹き出します。
「んっ、あっ、あっ、あっ、あっ♡」
言葉が出なくなり、頭の中がぐるぐるして何も考えられなくなり。
もうすでに混ざりきっているはずの二人の心が、さらに混ざっていくかのような感覚が夏菜子さんを襲います。
「やっ、あっ、あっ、いいっ、いいっ、なんか、なんだか、あっ、あぁ〜っ、いく、いく、いく、いくぅ……♡」
絶頂まで秒読み状態。
犬のように舌を出し、荒い呼吸をし、天井を見上げ。
指を思い切り大きく動かし、一段と強く中を攻撃した瞬間。
「あぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜♡♡♡♡♡」
サイレンのように高らかな声をあげ、夏菜子さんはイッてしまうのでした。
全身の力が抜け、床に倒れ込み。
悪戯っ子のような顔つきのまま、大人の快感を堪能した表情を浮かべていて……
「えっへっへ、私、楽しいなぁ♡」
しばらくして、体力が回復した夏菜子さん。
胸を軽く弄びつつ、自分の体を再確認中。
その時ふと、テレビが視界に入りました。
「あ、そうだわ。フリーズしたままだったわね」
画面には、こちらを向いているベロクスの姿。
「うふふ、オイラ、こんな姿だったのね」
顔を近づけ、画面にちゅっとキスをして。
「えへへ……私はベロクスじゃないものね、オイラは大場 夏菜子なんだもーん♡」
胸を揉む力を強め、その刺激を味わいこれが自分の体だと再確認をして。
「じゃーね、元のオイラ♡」
テレビを見つめながら、ゲーム機の電源を引っこ抜いてしまいます。
たちまち画面は真っ暗になり……それに反射して映っている夏菜子さんの顔は、表示されていたベロクスとそっくり同じ。
目つきが悪いながらも、どこか可愛らしい笑みを浮かべています。
「こんにちは、オイラは私♡ うふふ、何をしても楽しいもんね!」
夏菜子さんはそう言いながら乳首を刺激し、また悦びの声を漏らすのでした。
おしまい