「この星の命運は彼女に託された」
そして星咲桜花への愛が本物だと証明するための物語。
※オリジナルキャラクターが登場します。ご了承ください。
またこの小説はコミックマーケット104 2日目西9aサークル《誰かへの恋物語》の新刊の冒頭部分になるます。興味のでた方はよろしくお願いします。
エン研メンバー全員が神妙な顔つきで無言で席に着く。
「いよいよね・・・」
そんな沈黙を破り桜花が言葉を発する。
「ああ」
「うんうん。ついに大型イベントのラストミッション『VS邪竜降臨』!」
今日WGの大型イベントのラスボスをみんなで攻略するのだから。
「今までの長ったらしいタイトルとは違って今回のは短いわね」
「ラスボス戦はこういう短いタイトルなのがセオリーなんだよ。桜花」
「ふふふ、この際クエスト名なんてどうでも良い。いよいよラスボス。あの忌まわしき謎解きの鬱憤を晴らさんがために闇の女王である我が自らの手で葬ってくれよう」
リリスが不敵な笑みを浮かべながら言う。
「リリスってばあの謎解きの事まだ根に持ってる・・・まあ、流石の私もあれはきつかったからその気持ちは良く分かるけど」
全員が思い出し頷きそしてげっそりとした顔をする。あれは本当にきつかった。いや単純に視点を変えるとあっさりと分かるのだがそれだからこそ余計に疲労感が増した。なによりも不正解だとダンジョンの最初に戻されるギミック。何十回間違え最初に戻され心が折れかけた。今なら最初に戻された理由も分かるがノーヒントであの回答を出すのは無理だ。
「結局桜花さんのひらめきで解決したよね」
「あれには助かった。全員気力が無い状態だったからな」
「なんとなく閃いただけよ。それが正解して良かったわ」
「それでもだよ。みんなあんな気力でまさか目の前のダンジョンがダミーで後ろの壁が実はすりぬけられてそこが本当のダンジョンだったなんて発想で無いよ」
「そうそう。そんな謙遜にしなくていいよ桜花ちゃん。こういう閃きすごいよね」
なつねえの言う通り今回のイベントの謎解きはゲーマーである俺や杏音では無く桜花のほうが先に解いてる事が多かった。
「よ!我がエン研のブレイン。これからも頭脳担当お願いね。桜花」
「もう~そろそろそうやって私を茶化すのはいい加減にやめてください」
桜花が恥ずかしさのあまり大きな声で抗議する。
「それよりも早くゲームをプレイしましょ。かなり長い闘いになるでしょ?」
「そうだね。ラスボスだし。後今までのイベントで集めた情報でボスのモチーフの邪竜は『アジダハーカ』だと思うから毒とか麻痺と全ての状態異常攻撃をしてくると思うよ」
「ふん。そんな小細工なんて俺の自慢の筋肉で蹴散らしてくれる」
「落ち着け敦盛。その筋肉は頼りにしているがあのJDが作ったラスボスなんだから絶対に一筋縄ではいかなって前に言っただろ。だから体力と魔力の回復アイテムを作って光の龍戦みたいに何種類もの属性で攻撃を想定して全員が出来る限りの事を考えたんだし」
昨日プレイする気持ちを抑えて作戦会議に費やし万全の状態にした。
「まあ敦盛君の言いたい事は分かるし早速・・・と言いたい所だけどラスボス戦前だしここは部長である秀穂が号令お願いね」
杏音がそういうと同意してかみんなが俺を見つめる。
「分かった。ふ~・・・行くぞみんな!これがみんなでプレイする最後のイベントクエストだ」
もうすぐ3学期も終わり来週にはなつ姉の卒業式。そのためにJDが作った今回のイベントクエスト。不具合に不具合がイベント開催もギリギリになってしまった。悔いのないよう楽しもう。
「「「「「「おーーー」」」」」」
YESLEADY?
DS3を起動させDSPの画面にいつもの文字が表示される。⁰
「YE・・」
いつものように掛け声を言おうとした時
ブン
「あれ?」
違和感を感じた。何かおかしな音が聞こえた。そしてなによりも。
「あれ・・・どうしてWGの中に入ってないの?」
いつも通りならWGの空間に入っているはずなのにそれができずに俺達は未だ部室にいる。
「え?え?え?どうなってるの?」
「なんだ?なんだ?」
「おかしいですね。どうしてWGにアクセスできないんですか」
「もしや・・・バグ?」
「も~しっかりしてよJD~せっかく気合いれてたのに・・・リアルでしたら大炎上だよ」
まさかの事態に騒然とする。今までWGに入る事ができないなんて事無かったのにまさか今になって入れないなんて思ってもみなかった。ただ一人を除いて
「ってあれ?桜花は?どこ」
部室に桜花だけいなかった。
「・・・・」
絶句していた。俺の目の前には
ーーーー
巨大な三つ首の竜種。そして俺を見て雄たけびを上げる。この現代にこのような竜種が生息しているとは思ってもいなかった。これも魔力が溢れての事か?辺りを見ると荒廃し生命の気配を感じない。
(どうやら事態は予想以上に深刻のようだ・・・)
まさかもう人類が滅亡に瀕しているとは思っても見なかった。前回の冴馬で後れを取ってしまったのにまた同じ轍を踏むとは・・・・それになんだこの空間は。違和感を感じる。
ーーーー
ふたたび雄たけびを上げ臨戦態勢になる竜種。どちらにしろ邪魔だ。
「まあいいまずはこいつを殺して後でゆっくりと調べるか」
これは神では無い。ならば勝てる。それだけ分かれば十分だった。
「あら?」
気づけば私一人だった。場所はWGの遺跡内部と思われる空間。
「秀穂君ーーー杏音ーーー」
大声で呼びかけるが返事は聞こえない。みんなでWGの世界に入ったはずなのに。
(もしかしてそういう仕様なのかしら?)
今回のクエストの中に一度全員がバラバラに飛ばされそこから合流するというクエストがあったのを思い出す。それならこの今の自分の置かれている状況にも納得がいく。ただ・・・
(でも秀穂君は最後だから戦闘前に小細工とかしないだろうって言ってたし・・・とりあえず今私のできる事をしましょう)
私は自分のクラス《エスパー》のスキル《テレパシー》でみんなの位置を確認しようとした際
ドーーーーン
「きゃっ」
轟音と地響きが響く。
(もしかしてもうみんな戦っている?)
私はテレパシーを使うのを止め急いでその音の元へ行く。道なりに進み大きな空間のある場所を見つけ入る。目の前に広がるそこには
「消えろ《QURUPOO》」
空から無数の白い光が降り注ぎドラゴンに突き刺さる場面だった。
「ーーーーーーー」
その攻撃を受けたドラゴンは断末魔を上げ白い灰になって消えていく。
(なにが起こってるの?)
あんな魔法を今まで見た事なかったしそれに闘っているのはみんなじゃなかった。
(誰?)
「・・・・・・」
年齢は私より少し上、金色の短髪。鋭い眼をし服装はWGの衣装とは異なり古ぼけたコートを着ていた。
「?なんだこれは」
ドラゴンから落ちたドロップアイテムを見て首をかしげている。
「それに意志を感じられないし切断しても断面図は無。なのにそこから蛇やら虫が出てきてこいつは本当に生物か?」
もしかしてナビ子ちゃんのような存在なのではと一瞬思ったが今までに一緒に戦う事は無かったし最後の戦いにそんな事はしないだろう。なによりも聞こえた声は無機質なものでは無かった。この異常事態に声を掛けようとするが何かがおかしい。その男の人を知っているような感じがした。それに・・・その人とは妙に親近感を感じてしまうおかしな感覚に陥る。
「誰だ?」
気配がした。振り向くと少女が立っていた。歳は俺よりも若く紫色の長い髪。何よりも見た事が無いかつ露出度の高い奇抜な服装に目が行く。
「あ、あの・・・」
少女は俺に何かを話そうとした際に目と目が合う。その瞬間
ドクン
共鳴した。
「なん・・・」
それを感じ取った瞬間胸に痛みが走り力が入らなくなり俺は立っていられなくなる。それと同時に脳内に記憶が流れ込んでくる。が
「ん」
瞬時にそれは終わる。それにしてもこの感覚まるで・・・
「う・あああああああ」
考えてると絶叫が聞こえた。俺と目があった少女は俺以上に苦しみだし頭を抑えその場に倒れうずくまる。俺と同じ症状見ているのが俺の記憶だとしたらまずい。
《Chuchoter》
すかさず精神負荷を取り除く呪文を唱える。俺も先ほどよりも俺の意識がまた軽くなる。
「はあ・・・はあ・・・」
そして彼女の断末魔も止む。が反応が思ったよりも鈍く息が荒い。まさか俺の魔法が効いていない?バカなそんな人間いるはず・・・いやいる。俺と同じ力を持つのなら。
「その魔力へ耐性・・・それに記憶の共鳴。まさか君は・・・」
見つければいいくらいに思っていたがまさかこんなにも早く出会う事ができるなんて・・・俺は喜びと興奮で彼女に近づこうと一歩歩くのと同時に
「おいおいおい。何やってんだよ」
突如彼女の隣から男がいきなり現れる。
男の人と目を合わせた瞬間。頭の中が熱くなり莫大な情報流れてきて頭が割れそうに立っていられなくなる。それと同時に何かが見えた。でもそれが分かる時
《Chuchoter》
そんな言葉が聞こえた。そうすると見えそうだったものは見えなくなり頭の痛みが和らぐ。でもそれで良かった。きっとあれは見ちゃいけないもののような気がした。先ほどまでの強烈な頭痛は無いがそれでも頭が重く目もチカチカし立ち上がる事ができない。
「その魔力へ耐性・・・それに記憶の共鳴。まさか君は・・・」
何か独り言を発している。男の人は私に声を掛けようとした時
「おいおいおい。何やってんだよ」
私の隣から気配を感じ見上げると
「JDさん・・・」
きっとこの異常事態に様子を見に来たのだろうJDさんが来ていた。やっと知り合いに会い一安心する。
「大丈夫か桜花ちゃん?」
「は、はい・・・どうに」
ガク
立とうとしたがまだ足取りがおぼつかずその場でまた座り込んでしまう。
「無理すんな。おい。あんた一体誰なんだよ。それにせっかく用意したボスを倒しやがって。てかどうやってこの空間に入ってきやがった?」
矢継ぎ早に男の人に問い掛ける。
「用意・・・まさかここにいた竜種は貴様の使い魔か?」
「使い魔?まあ・・・そうなるな。じゃなくてだな・・・」
「ほう・・・」
ぞわ
「!」
その一言でJDさんが一瞬でこわばる。その理由は私も分かる。尋常ではない魔力を感じた。今まで経験した事の無い感触で恐怖を感じる。
「何をする気だ?」
JDさんは警戒しながら聞く。
「聞きたい事がある。それだけだ」
トン
「え?」
そして男の人は私達の目の前に一瞬で移動してくる。
「それが人にものを聞く態度じゃないと思うんだがな」
「それは全てお前の返答次第だ」
ゾ
冷酷なまなざしでJDさんを見つめてさらに魔力が増していく。そして空気が凍る。それと同時に
ドクン
体の内からまた何かがこみ上げる。龍脈の暴走した時のようで違う。
「う・・・」
また具合が悪くなってしまい頭を押さえる。
「く・・・」
ドサ
「お、おい」
JDさんが慌てるただそれは男の人もだった。膝をつき私と同じように頭を押さえている。
「そうだった君は・・・ふう~」
私の方を見つめ何を言いかけてたが何も言う事は無く息を吐く。すると膨大な魔力が無くなっていくのが分かり男の人から敵意が消えた。それを感じて私は意を決して会話に入る。
「あ、あの・・・まずお互いに落ち着いて話し合いませんか?お互い誤解があると思うんです」
「・・・・そうだな。お互いに話を合わせる必要がある。そうだろ?」
「あ、ああ。菖蒲悪い一応龍脈の方の様子を見に行ってくれ」
「先に行っててくれ。体調を整える。そっちが出た所に俺も行く」
「・・・・分かった。くれぐれも変な事しないですぐに来いよ」
そしてJDさんは手元で何かを打ち込む。すると一瞬暗くなりそして
「桜花!?」
「秀穂君・・・みんな」
「桜花今までどこに行ってたの?」
そこで目に光景は部室。そこにみんなはいた。戻って来れたようだ。
「みんな無事?」
「無事か聞きたいのはこっちだよ!WGに入ろうとしたら入れなくてそしたら桜花だけいなくなってて。それでJDに連絡したの。それで結局何があったの?それとゲームのイベントは?」
杏音は私にこっちの状況を説明してくれた。でもどうして私だけ?
「わりい。問題が発生した」
「問題って?」
「ラスボスが倒された」
「「「「はあ?」」」」
それを聞いてみんなが驚く。
「だ、誰に?」
「それが問題なんだ。それと桜花ちゃん助かった」
「え?どうしてお礼なんか。お礼を言うのは私の方です。助けてくださって」
いきなりお礼をJDさんに言われ戸惑う。
「あの時会話に割って入って来てくれた事にさ。もしあの男とあのまま戦闘になっていたら俺は負けていた」
「え?そうなんですか?」
友梨亜ちゃんや杏音のお姉さんの菖蒲さんがすごい魔法使いだと言っていたし授業で自分は世界最高の魔法使いだとあれだけ豪語していたのにこんなにもあっさりと言うなんて思いもしなかった。
「ああ。闘わなくても分かる。桜花ちゃんも感じただろ。やつの魔力を。やつの魔力の桁がおかしい。俺と菖蒲それに紅藤瑠偉が束になっても勝てないそんなレベルだ」
「行ったか」
気配が消えたのを確認する。俺と彼女が一緒に行ったら悪いと思いとっさに言ってしまった。これで良かった。一緒に行けばきっと彼女と彼に心労を増やしてしまうだろう。
「それにしても・・・海棠秀穂・・・か」
あの一瞬の間に流れ込んできた彼女の記憶。その中で最も占めていた名前を口にする。興味が出てきた。男の名前そしてその彼に対しての感情は間違いなく『愛』なのだから。
「つまりさっきのは遊戯という事か?そしてここが本当の世界と?」
WGから桜花とJDがこっちに戻ってきてすぐ部室にいきなり男が現れた。こいつがWGのイベントのボスを破壊した男・・・さっきのJDの言葉で俺もだが友梨亜は警戒してる。そしてJDはWGについてその男に説明をしていた。
「当たり前だ。あれは現実じゃない。龍脈内に作った仮想空間内でのゲーム。あのドラゴンだって実在には存在しない。なんでそんな発想がでるんだよ・・・まったく・・・」
JDは警戒しながらも男の反応に呆れている。
「そうかそうとは知らずすまない。娯楽を壊してしまって」
JDに向かって頭を下げ謝罪する。
「お、おう」
先ほど言われたのとは思えない真摯な対応に俺は驚く。JDもこんな事になるなんて思ってもおらず困惑していた。
「それであんたは一体何者だ?どこから来た第一本来WGの空間は順序を踏まなくちゃ入れないんだぞ」
JDは矢継ぎ早に質問をしていく。
「探究者(エクスプローラー)と名乗って置こう。来た場所はすまないが今は教えられない。入り方は・・・そうだな。呼ばれたと今は言っておこう」
「は?」
探究者という間違いなく本名で無い名を名乗りそして意味不明な答えを言う。
「一つ聞きたいあれがこの世界の一般的か」
探究者はJDが驚いていても気にせずに質問をする。
「いいや。だがこれから一般化させるつもりだ」
「なるほど・・・・それでは先の遊戯はあなたが制作を?」
「ああ。まあ基盤は違う人間からか」
「やはりな・・・」
確認した後探求者と名乗る男はいきなり立ち上がる。
「おい?どこへ行く気だ」
「あの空間を調査する」
「は?いや何言って」
しかし探究者は話に聞く耳を持たずに手を不規則に動かしそして
「《panashe》」
そう唱えると空間が歪む
「え?」
そして平然と中に入り探究者は消えてしまった。その光景を全員呆然していた。
「まさか・・・・・うわ・・・まじか・・・」
JDは何かに気づきそして頭を抱えている
「ど、どうしたJD」
「あいつWG内に入ってやが・・・は。嘘だろ俺のWGの権限が全て無効化された?くそ~なんなんだよあの野郎は・・・」
JDは頭を掻く。なんとも傍若無人なやつだ。探究者がいなくなり部室は静まり返る。
「それでJDさん。結局どうなるのゲームの方は」
一番張り切っていた杏音が今日のイベント戦の行方をJDに行くのであった。
「は~ダメね・・・全然集中できない」
家に帰り春先の洋服を出したり家の手伝いをして夕食を食べ終わってお風呂に入ってももやもやし気晴らしに机に向かい勉強をするがやっぱり気が散ってしまう。考えてしまうのは探究者さんの事。WG内であの人を初めて見た時からどうも調子が狂ってしまっている。あの人が忘れられない。秀穂君以外にこんなにも男の人を考えてしまうなんて・・・有るはずがないと思っていたのに・・・あんな短い時間しか会っていないのにも関わらずあの人の一挙手一投足が思い出し頭から離れない。
(って別にこの気持ちは別に恋愛とかじゃなくて・・・)
なぜか誰からも言われてないのに言い訳を始める。
「ふ~落ち着きなさい。桜花・・・」
深呼吸をし冷静にあの時の事を思い出す。あの体の内から漏れる魔力のざわめき。初めて龍脈の暴走を感じた時と同じ感じがしたけれどそれよりももっと深い。心の中を見られ見せたよう感じがした。それはまるで体と体を重ねるそうまるでエッチをしたような・・・
「だから違うーーーー。もう・・・何考えてるのよ桜花。だって私には・・・もう」
ペンを置き私は机の上に置いてある小さな箱を手に取り開ける。中身は秀穂君から貰った結婚指輪。彼から貰った指輪を薬指につけて眺める。
(星咲桜花さん。あなたを必ず幸せにします。だから俺と結婚して俺のお嫁さんになってくれませんか?)
そして貰った時に言ってくれたプロポーズの言葉を思い出す。
「秀穂君・・・」
将来の約束をした彼。病気をし父が行方不明になって後ろばかり見てふさぎ込んでいたそんな私が彼に恋をして結ばれて・・・未来がこんなにも楽しいと思えると思ってもいなかった。そして妄想してしまう。これから先の秀穂君(旦那様)との未来を。プロポーズもされたし秀穂君のお義母さんにご挨拶もした。もう結婚までにすることなんて片手で数える。その中でもやっぱり一番は
「結婚式・・・」
お互いの愛を永遠に誓う儀式。女性の一番の晴れ舞台。参列者なんていなくてもいい。秀穂君と二人っきりだけでもいいくらい。草原の中にぽつんと建つ真っ白な教会。ステンドグラスから光が降り注ぐ聖壇の前で秀穂君と誓約を交わし誓いのキスをする。もうそれで十分だ。
(それでその後は)
その夜ベッドで押し倒されて私の着ている服を一枚ずつ脱がされて裸にしてもらいキスをしてそれで激しく・・・
「きゃーーー❤❤❤」
結婚式の後にあるであろう初夜の妄想をし一人で盛り上がる。
「桜花?どうかしたの?さっきから怒ったり喜んだり」
「!?」
私のそんな声が外まで聞こえてしまったのかお母さんが部屋の外から声を掛ける。
「な、なんでもない。大丈夫・・・」
「そう・・・」
お母さんは深く追求せずに足音はその場から立ち去る。
「は~またやっちゃった」
そもそも大事な人生一番のイベントを秀穂君の意見も聞かず一人で勝手に決めて。そもそもそれだけで十分なんて思っていながらそんな幻想的な教会が現実にあるはずも無く妄想だけ突っ走って一人で盛り上がる・・・その妄想も最近どんどん具体的になってるしその妄想をしている時ふと鏡を見ると一人笑みが浮かべていた事もあった。
(でも・・・初夜か・・・)
先ほどの妄想の中で初夜のエッチを妄想していてこれまでのエッチを秀穂君とのエッチを思い出す。どれも幸せな思い出だが段違いに気持ちが良かったのは私との将来を誓った前にしたあの激しいエッチ。あんなにもお互い乱れて・・・あれ以上の事を
「!?」
秀穂君とのエッチを思い出して違和感に気づいだがもう遅い。私は机に突っ伏し恐る恐るパンツを指で触れる。パンツは湿っていた。いじってもいないのにエッチな妄想だけでこんなになるなんて・・・そして私は部屋の近くに誰もいないのを確認し鍵を閉めパンツ越しにペンのお尻の部分を私のおまん○を当ていじる。昔の自慰する時はこれで昔は満足していた・・・しかし
「だめ・・・足りない・・・もう・・・我慢できない。もっと」
パンツをずらしおまん○をさらけだし指を数本入れる。するりと指がおまん○の中に入っていきそして動かす。
「自分がこんなに淫らなんて・・・」
秀穂君とエッチしてから物足りなくなりオナニーの回数も激しさもどんどん増している。
「秀穂君とエッチのしすぎかしら・・・」
自慰をする回数が増えてたのは秀穂君とエッチした後からだし。なによりもエッチをしない日は毎日のようにしている。
(こんなに自分がえっちだなんて・・・)
昨日だってアルバイトの帰り道送ってくれた秀穂君別れ際にキスをしたのにそれだけじゃ満足できなくて舌も絡めあって野外でしかも家の近くだというのにエッチをした。最近エッチを求めるのが秀穂君からでは無く私からだし。秀穂君も喜んでくれているがあれだけ節度ある行動をと重んじていたのに結局快楽に負け欲に溺れてしまっている。そう思っているのにも関わらずますます指の激しさも増して愛液があふれ出る。秀穂君がしてくるときのように愛液を自分のクリトリスに塗り舐めるように指を動かす。それだけでは飽き足らず上着をずらしブラをとり自分の胸もさらけ出し乳首をつまむ。自分ではいじらなかった所。元々大き過ぎてコンプレックスを抱いていたけど秀穂君が好きだと言ってくれてから自慰の時にいじるようになった。秀穂君がどんどん私の感じる所を見つけ気持ちよくしてくれる。自慰は止まらずどんどん乱れ足に机を乗せて大きく股を開き背を反って指を秀穂君がいじってくれるのを真似ね不規則に動かし。胸が揺れるほど自慰は激しくなっていく
(秀穂君・・・・秀穂君・・・・)
彼の名前を何度も何度も心の声で叫ぶそして
「んあぁぁぁぁ」
イク時の声を抑えて身体がビクンビクンと震え絶頂を迎える。手は愛液でびしょびしょになり脱力する
「は~」
盛大にイッた後私はため息をつく。ただそれはオナニーしてしまった事への罪悪感ではない。足りないのだ。
「やっぱりだめね・・・満たされない」
あれだけ盛大にイッたのに私の心は満たされない。理由は単純
「秀穂君の精液を子宮の中に出して欲しい・・・」
どれだけオナニーをしても身体の中は満たされる快感を味わう事はない。精液を子宮に満たされるあの快楽に私はもう虜になってしまっている。
「は~こんな事学生のうちから求めてはいけないのに・・・」
猛省しながら換気と火照った体を冷やす為窓を開ける。外はまだ寒いがそれでもだいぶ温かいと感じる。
「もうすぐ春休みか・・・」
今日の帰り杏音が行っていた事を思い出す。卒業式が終わりテストが終わればあっという間に春休み。休みの間は秀穂君とより親密な日々を過ごせる。それに秀穂君とは旅行に行く。場所はお祖母ちゃんの友人が経営しているという「縁嬉」という温泉旅館。そこで二人きりで色々と回る場所を計画している。それだけじゃない。ずっと居ても怒られない。だって結婚を約束した仲なんですもの。
(旅行が終わったらおばあちゃんに頼んでまた別荘借りようかしら?あの時は新婚さんごっこだったが今は違う。もう新婚なんですもの)
そして別荘での新婚生活に胸を高鳴らせる。もちろん・・・
(一日中エッチしちゃお♪。秀穂君にしてもらってばかりだしたまには私からご・・・ご奉仕をしなくちゃ❤❤❤)
先ほど節度をと思ってたにも関わらず次にどんなエッチをするのかの期待に胸を高鳴らせてしまっている。
(そうねまずは・・・朝起きて・・・寝ている秀穂君のおちん○んを・・・舐め・・・)
「あれ?」
ここで私はある違和感を感じる。秀穂君との次のエッチの妄想をしようとしたのだがそれはなぜかもう実現したような気がする。
私はいつ朝眠っている秀穂君のおちん○を舐めて起こした?秀穂君とのエッチはどんなのかも全部覚えている。でもそんな事をした覚えはない。
考えれば考えるほどどんどん存在しないはずの記憶があふれ出る。いつ私は秀穂君と一緒にお風呂に入ってエッチをした?挙句お酒を呑んで酔っぱらったふりをして秀穂君を襲ったなんて記憶まである。もしかして私の妄想がここまでリアルになってると思っても見なかった。もうそろそろむっつりすけべでは無いレベルにまで到達しているそれくらい記憶が混合している。そりゃあ・・・いつかはやってみたいなと思ってはいたけれども。こんなに記憶に鮮明に残っているなんておかしいそもそもこの記憶は
本当に私なの?
そんな考えが浮かぶとゾッと背筋に冷たいものを感じる。まるで自分が自分でなくなっている。そんな感覚を味わう。
「くしゅん」
くしゃみをし我に返る。窓を開けたまま考えこんでしまっていて身体を冷やしてしまっていた。また風邪を引いてしまっては秀穂君に申し訳ない。
(それに・・・もうこれは勉強どころでは無いわね・・・)
今日有った出来事もだが勉強机の惨状を改めてみてため息をつく。窓を閉め必要最低限の後処理を済まし冷えないようにしっかりと布団にくるまり明かりを消す。
「おやすみなさい」
そうして眠りについた・・・・・・・・・・・・・
後悔しかなかった。私の目の前には秀穂君。頭から血を流している。そんな彼に私は手を差し伸べようとする。でも
バンバン。バンバン
その間に見えない壁があり手を伸ばしても届かず彼に触れる事は出来ない
「秀穂君。秀穂君」
秀穂君はそんな私を見て笑みを浮かべる。でもその顔はまるで全て悟って諦めたような顔。
(そんな顔をしないで。お願い・・・秀穂君)
涙が溢れだす。そんな顔を見て彼は申し訳なさそうな顔をし悲しみを堪えながら彼は笑うそして
「愛してる桜花」
そう言って彼は私の目の前でまた笑った。そして彼は・・・・
私の目の前は赤く染まった。
バサ
飛び起き上がる。
「はあ・・・はあ・・・はあ・・・・はあ・・・・」
動悸が早い。心臓が異常なほど脈打つ。心には後悔と悲しみが埋め尽くしていた。それは今まで感じた事の無い。これはきっと死別・・・もう二度と会う事も触れ合う事もできない悲しみ。その夢はあの風邪を引いた時に見た病室の幻覚と比べられない恐怖を感じた。
「秀穂君」
深夜にも関わらず私は電話を掛けてしまう。相手はもちろん
「もしもし桜花?どうしたこんな夜遅くに」
数コールで秀穂君は出てくれた。こんな真夜中の電話なのに秀穂君は不機嫌でも無くむしろ優しげに話してくれる。それに私は嬉しさと彼が生きていた事が確認できて私はたまらず涙を流してしまう。
「桜花?なにかあったのか」
「ごめんなさい。こんな夜遅くに」
「大丈夫。それより泣いてるのか?」
「ごめんなさい。怖い夢を見てしまったの。それでこんな夜遅くにいきなり」
「そっか・・・そうだ。俺の言う通りにスマホを操作してくれないか?」
「う、うん・・・」
そうして秀穂君の言う通りに携帯を操作するすると
「あ」
「どう?俺の顔見れる」
携帯の画面に今の秀穂君の顔があった。わざわざテレビ電話の設定にしてくれた。その顔を見て安堵しそしてまた涙が溢れてくる。
「ええ。ごめんさないね。秀穂君。私の為に」
「いいよ。気分が落ち着くまでこうして話してよ。今日は色々あったんだしさ無理も無いよ」
「ありがとう秀穂君・・・大好き」
こうして明け方まで秀穂君とお話をした。