十五 若さ
「は……恥ずかしいですよ、優介くん……」
行為を続けることの同意を得た後、俺は母さんに壁際に立ってもらい、手をついて腰を突き出すような格好をとってもらった。
羞恥を口にする母さんの後ろで俺はヒザ立ちになって、突き出されたお尻にそっと両手を伸ばす。
「!」
ビクリと母さんが全身で反応する。触れた手のひらへとお尻に力が入ってるのが伝わる。
ワンピース越しにゆっくりとお尻を撫で回す。
昨日、プールとバスの中、公衆トイレで触れた場所だけど、どうしても惹きつけられてしまう。
たぶん五年前の風呂場での秘めことの際、最後に自分で求めるほどに印象強かった場所だからなんだと思う。
女の人の、もっとも女たる部分として、俺の心に焼きついてしまってる。
性に目覚めてから、邪な気持ちで母さんを見てしまうとき、目が向かうのはだいたいがお尻だった。
視線で何度犯したことだろう。大きさ、形、そして張り具合。母さんのお尻はいつも俺のリビドーを掻き立ててた。
触ることが出来てはじめて知ったその弾力に、どれほどの心地よさを感じたか。
やっぱり母さんのお尻は格別。
母性の象徴は胸だといわれるけど、俺はとってはお尻こそが母親のシンボル。
今、思う存分に触ることの出来ている、この現実をなんて言葉で表わせばいいだろう?
「……あ、あぁ……」
母さんから吐息交じりの声が漏れてくる。
俺の手で感じてくれているのが無性に嬉しい。もっと感じて欲しい、もっと気持ち良くなって欲しい。
もっとオンナの母さんを、乱れる姿を見せて欲しくて、俺はひたすらお尻を揉み、撫で回した。
撫で回していくうちに力の入っていたお尻から緊張がほどけ、母さんの呼吸もせつなく、そして荒くなっていく。
いくら触っていても飽きることがなかった。叶うならこのままずっと触れていたいほどに。
母さんの身体から、甘くそして刺激的な香りが漂ってくる。それを胸いっぱいに吸い込み、血流に乗せて全身に巡らせる。
巡る血潮でただでさえ膨れ上がっていた逸物がさらに漲りだす。
実のところ、先走りでパンツはとっくにベトベトだ。
パンツと短パンという二重の拘束具から開放してやりたいけれど、脱ぐために母さんの尻から手を離したくなかった。そんな暇すら惜しかった。
それに直接的な刺激を与えなくっても、このまま母さんの尻を撫で回している興奮で絶頂を迎えられそうになってる。
パンツを盛大に汚すことになるだろうけど構いやしない。……あ、洗濯をすることになる母さんには少し申し訳ないかも。
……自分で洗えという声は聞こえない振り聞こえない振り。
――俺の下半身の限界突破がそろそろって時、
「……も、もぅ」
そう言葉をこぼすなり、壁にもたれかかるように母さんが崩れ落ちヒザをつく。
おそらく気持ちよさで脚に力が入らなくなったんだろう。
母さんの背後でヒザ立ちになって一心不乱にお尻を撫で回していた俺も、腕の支えをなくして前のめりになり、そのまま母さんのお尻へと顔面から突っ込んでしまった。
「あっ」
「わっ……ぷ」
突然の衝撃に声を上げ、身体を返す母さん。柔らかな双丘の谷間に一瞬顔を埋め、そこにこもったオンナの香りをいっぱいに吸い込む俺。
脳天を突き抜けるような濃厚なオンナの匂いに、決壊寸前だった堰はあえなく力尽き、
「――うっ」
ドクドクとパンツの中に大量の白い液体をこぼしてしまう俺であった。
崩れ倒れたまま互いに荒い呼吸をしつつ、動けないでいる俺と母さん。
動き出したのは俺が先だった。白濁液をぶちまけてしまったパンツの気持ち悪さに負け、着替えに行くためにのろのろと立ち上がる。
居間を出て行こうとしている俺に、人心地ついたのだろう母さんがゆっくりと身体を起こし、乱れた衣服を整えながら、
「汚れ物は洗濯籠に入れておいてくださいね」
と、優しく声をかけてくる。
さすが、こっちがどんな状態になっているのかをわかってらっしゃっる。
自室へ戻り着替えを済ませて、汚れ物片手に俺が向かう先は洗面所兼脱衣所。
手にしたパンツから放出液はティッシュとウェットティッシュを使って排除済み。
さすがにそのままで洗濯に出すわけにはいきません。それくらいの分別は俺だって持っている。
脱衣所の扉を開けると先客が居た。言わずもがな、ましろ母さんである。
洗面台で手を動かしていた母さんは、扉を開いて俺が来たことが知れると、
「いいタイミングで来てくれました」
そう言って俺の方を向き、片手を伸ばして、
「汚れ物、下さい。私のと一緒に軽く洗っておきますから」
なんで母さんがここに? って思ったが、そういや母さんにも汚れ物があったんだっけ。
家の間取りからして、居間にいた母さんの方がここに来るのは早いのは当たり前か。
色々と納得しつつ、言われるまま手に持っていたパンツをホイっと渡した。
俺からパンツを受け取った母さんは、「あ、汚れ拭い取っといてくれましたか、感心感心」とか言いながら、洗面台でジャブジャブとふたつの布を手洗いしてる。
なんとはなしに洗われているそれらをじっと見る。
ひとつは俺のボクサーブリーフ。もうひとつは薄い水色をした女性用の……。
母さんの手の中で、俺と母さんのパンツが一緒くたにされて洗われている光景。
俺にはそれがなぜかとても淫靡に感じられ、俺と母さんが絡み合っている姿を妄想してしまった。
盛りのついたガキは木の洞見たって突っ込みたくなるって言われるが、今の俺はまさしくそれ。
少し前に放出して硬度は下げているが、大きさはほぼ維持してた我が分身に力が漲ってきだす。
洗濯籠へ洗い終えた俺たちのパンツを、先に入っていたタオルなんかに挟むようにして収めてる母さん。
「先に汚れ物があってよかったですよ、下着が二枚だけ入ってるというのはちょっと……」
誰に言い聞かせるわけでもなく、そんなことを苦笑しながら言ってる母さんの後ろに俺は回りこみ、そのまま力任せに抱きしめる。
「――えっ? な」
突然抱きしめられた母さんが驚きの声を上げるが、構わずに俺は手で胸を揉みしだき、猛っている下半身を腰へと押し付ける。
「ちょっ……ダメです、優介くん、ダメ」
俺の腕の中でもがきながら母さんが止めるようにと声をかけてくる。
でも俺はただ自分の欲望に任せるまま母さんを求める。
なんで抵抗するんだよ、俺の好きにさせてくれるんだよね? だったらいいじゃない――。
俺の腕の中から逃れようとする母さんに気持ちがイラついて、少し乱暴に振り回し、脱衣所の壁に母さんを押し付けてワンピを脱がせようとジッパーに手をかけたときだった。
一瞬俺の拘束が緩んだ機を母さんは逃さず、身体を反転させおれと向かい合う姿勢になると、
「優介くん!」
今まで聴いたことのない強い声で俺の名を呼び、俺の両頬を思い切り挟むようにして叩いた。
乾いた音が弾け、両頬に渋い痛みが走る。
その衝撃で欲望に突き動かされていた俺に制動が掛かり、俺をきつく見据える母さんと視線が合う。
様々な感情の混ざったその眼差しに射抜かれて、俺は二歩三歩後ずさりして母さんから離れる。
母さんの荒げた声を聞いたのも、手を上げられたのも初めてだった。
けど、それよりも俺を見る母さんのやるせない悲しみをたたえた瞳の色に、自分の仕出かしたことの愚かさを悟る。
母さんを無理やり汚そうとした自分の行為を振り返って目の前が真っ暗になる。
母さんに拒絶されることの恐怖に足の力が抜け、へなへなと座り込んでしまう俺。
もうダメだ、もうダメだ、失敗とした、取り返しがつかない、そんな思いが頭の中を駆け巡り下を向いたままの俺へと、
「――優介くん」
と、母さんの呼ぶ声が聞こえた。
抑揚のないその声音に、俺はふたりの秘密の関係の終わりを告げられることを覚悟した。
「自分がどんなことをしようとしたのか、わかっていますか?」
高くもなく低くもない感情を抑えた物言いが、逆に母さんがどれほど強い気持ちで言葉を発しているのかを伝えてる。力なく頷いて答えると、
「――本当に?」
確かめるように訊ねてくる母さん。
再び頷く俺。これ以外に答えようが無かった。
「……さっき優介くんがしようとした、一方的で相手の意思を無視した無理やり求める行為は、ただの暴力です」
容赦のない母さんの言葉が突き刺さる。
「私は昔、そんな暴力で身体も心も傷つきました。長いこと悲しんで、苦しんでました……」
項垂れたままの俺に母さんの声が届く。
「相手を思いやらない行いは、悲しい結果しか残しません」
俯いた俺の視線の先で影が近付き、
「――あ」
直後、俺の頭が温かいもので包み込まれる。驚きでもれた俺の声に重なるように、
「だから、優介くんは相手を思いやれる人になってください。傷つけたり悲しませたりしない優しい人になってください……」
母さんの感情のこもった言葉が降りそそいでくる。
「あなたの名前は、そんな思いから付けられているのですから」
頭に回されている腕と額に押し付けられている胸から、母さんのあったかい気持ちが伝わってきて、俺の両目から雫がこぼれだす。
「約束してください。もうこんな真似はしないって。ちゃんと伝えてくれれば、私は応えますから」
ダメな子供をなだめ諭すように、軽く頭を撫でながらの母さんの言葉に、俺は涙声を気付かれないように
「うん、うん」
と答える。
「はい、約束しましたよ?」
頭の上から聞こえる声から、母さんは優しく微笑んでいる。そんな気がした。
下半身で物事を考えてしまうような盛りのついたガキの俺だが、さすがにもう母さんに何かしようとはせず、その後は洗濯物を取り込むのを手伝ったりとか、色事のイの字の影も見せずに振舞っていた。
母さんからは無理に煩悩を抑えているように見えていたのだろう、甲斐甲斐しく手伝おうとする俺の姿に苦笑してた。
そろそろ夕飯の支度にとりかかろうかって時間に居間の置き電話が鳴り、出てみれば学友の
浦島は中学に入ったときからの友人で、軽いところが売りのエロ小僧である。似たような友人があと三人ほどいて、五人組でバカなことを言ったりやったりしている。
軽く互いの近況を交し合うと、遊びに来ないかと誘われた。しかも明日だという。
明日かー。今日しくじった分を明日どう取り戻そうかと考えていた俺が答えに窮してたら、
「なに? 都合悪いのか?」
と、遠慮なく聞いてくる。
まさか、母さんとあんなことやこんなことしたいから断りたいな~とは言い出せず、なんだかんだと言葉を濁したまま会話してたら、台所にいた母さんがひょいと出て来て俺にそっと近付き、小さな声で、
「お友達付き合いは大切にしないと、ですよ?」
ニッコリ微笑みながら言ってきた。う~『若妻会』に出ることを勧めた言葉で説得されようとは。
「……わかった、行くよ行く」
母さんに後押しされる形で返事をする俺に、
「よしよし。……実は兄貴がさ、新しいネタ待ち帰ってくれてんだ、楽しみにしとけよ。じゃ明日な~」
楽しげにそう言って電話が切れる。受話器を置いた俺は、まだニコニコしながら傍で立つ母さんに、
「――という訳で、明日は友達んとこに遊びに行くことになりました」
と、力なく伝える。
「はい、わかりました。……そんなにがっかりしなくても、まだ日は残ってますよ?」
肩を落としてる俺に、母さんが慰めるように、
「夏休みはまだありますし。……えっと、優介くんがちゃんと言ってくれれば、私は応えますから」
ちょっと照れたように言いながら、そっと俺を抱き寄せてくれた。
ほんのりと伝わる温もりと甘い香り、そして母さんの心使いに癒される。
父さんの不在時間がハッキリしているのは金曜までだけれど、夏休みの間にまた家を空けることがあるだろうと、頭を切り替える。
電話してきた浦島には兄がふたり居て、そのどちらもが筋金入りの好き者で、俺が今持つエロ知識の多くが彼らからもたらされたものだったりする。
そのエロの伝道師が新ネタを持ち帰ったという知らせは吉報だ。
もしかすると母さんとあれこれするのに役立つ知識が得られるかもしれないと、明日遊びに行くことのモチベーションを高める俺であった。
あけて翌日。
大学へと行く父さんの車に乗っけてもらい市街まで。そこから公共交通機関を使って浦島ん家へ。
既に俺以外のいつもの面子が揃っていて、夏休みの課題の進み具合とか諸々の近況を交し合う。
始めのうちはそんなふうに他愛のない会話を楽しんでいたが、頃合いを見たとばかりに浦島がベッドの下からごそごそと雑誌の束を引きずり出す。
お約束とはいえ、そんなところに隠さなくてもなぁ。
「さて一同ご覧あれ。これが兄貴の持ち帰ってきた新ネタたちだっ」
得意げに浦島が宣言し、床に雑誌の数々を広げると、俺たちは獲物に群がる肉食獣のようにそれに飛びつき目を凝らす。
熾烈な奪い合いが始まった。
一番人気はセクシー女優へと転進したグラビアタレントの特集が組まれた本で、俺と浦島以外の三人が読む順番で戦いあってる。
浦島が参加しない理由は、既に読み終えているか、俺たちが帰った後からゆっくり観覧できる余裕からだろう。
俺は、まぁ好みの問題と言っとこう。
いやけして巨乳が売りだった元グラビアタレントが嫌いな訳じゃないが、ましろ母さんという至高の存在があるためにがっつく必要がないからだったりする。
なので、俺が求めるのは母さんとのあれやこれやに使えそうなことが書いてありそうな本。
三匹のケダモノの争いを横目にしつつ、俺が手にしたのは人妻の過ちとかをイメージした雑誌。
それを手にとると、適度に広い浦島の自室の適当な場所に腰を落ち着けて読みふける。
読み終えれば似た系統の雑誌を読み、気がつけば解散するにはちょうどよさげな時間に。
まだまだネタは残っているという浦島の言葉に、近日再集結することを誓って俺たちはそれぞれの帰路についた。
帰りのバスの中で今日のことを振り返る。
バカばっかりやってるように見えてた友人たちが既に進路を決めていたことに驚き、自分が取り残されていること実に焦りを感じた。
まだおぼろげな自分の進むべき道を、ハッキリさせないといけないと戒める。
時間は残っているようで少ない。
そんな真面目なことを考えている頭の片隅で、今日手に入れた知識で母さんにあんなことやこんなことをする想像を巡らせることを忘れず、こっそりと股間を膨らませたりする俺である。
若い男の子なんてそんなもんです、はい。
木曜日。
午前中に家事のあらかたを済ませた母さんは、午後から『若妻会』に参加するため村の公民館へ。
父さんはとっくに大学行ったので、家に残るは俺ひとり。特にすることのないお留守番である。
母さんに頼まれたのは、午後三時までに洗濯物を取り込んでおくことだけ。真面目な俺はきちんと役目をこなします。
取り込んだ洗濯物をたたみながらボーっと過ごす午後は、何もない贅沢さを感じたりもした。
晩御飯の支度にかかるにはちょうど良い時間に、少し顔を赤らめた母さんが帰ってきた。
『若妻会』があったときはだいたいこんな感じで帰って来ることが多い。
気になるので『若妻会』でどんな話があったのかって、訊いたりしたこともあったんだけど、
「ふ、普通ですよ普通。ちょっとした愚痴とか、不満とかを吐き出しあってます」
と、それ以外にも色んなこと喋りあってますよってのが透けて見える答えしか返してくれなかった。
だもんで、母さんでは埒があかないから、明け透けに話してくれそうなミツコさんに、前に一度こっそりと尋ねたところ、
「うーん、始めは世間話から入って、それからそれぞれの家の愚痴。で、夫婦の仲の話に移ってのろけ合いし出して、最後はだいたい夜の営みについてよね。毎回毎回、これがまぁ盛り上がること盛り上がること。うちはこんなことしたうちはあんなことしたって張り合って、対抗意識を燃やしたところで次回へって感じかな? ……会のあった夜はね、そりゃあそりゃあ燃えるのよ。だっからねー、皆会開くの楽しみにしてたりすんのよ」
てな感じに、あっけらかんと笑いながら内情を教えてくれました。その節は感謝です。
母さんが赤ら顔して帰って来る理由はわかった、けれど知った当初はどう対処すりゃいいか正直困ってましたっけ。
――けど、今は違う。
『若妻会』であてられ、昂ぶりを抱えている母さん。そんな母さんと明日あれこれ出来るのだ。
きっと艶めかしく乱れる姿を見せてくれるだろう。あぁ、楽しみすぎる。
――しかし、そんな妄想は父さんの一言で、あえなく打ち消されることに。
夕食後のお茶を飲み干した父さんがおもむろに口を開き言う。
「実は
その爆弾発言は俺の時間を一瞬止めた。
止まった時間の中で、俺は思い描いていた母さんとの蜜月時間が跡形もなく吹っ飛ぶのを感じた。
「ふ、ぅん、そうなんだ。捗ってよかったね」
動揺を見せないで言えたつもりだけど、どこかぎこちなかったのが自分でもわかる。
「じゃあ明日は居られるのですね?」
母さんは少しも動じたところを感じさせずに、父さんに明日の予定を尋ねてる。
「ん、自室で調べ物をするつもりだよ。ま、いつもの閉じこもりだね」
自嘲気味に父さんが返すと、
「わかりました。なにか御用があれば呼んでください」
母さんもそんな父さんに柔らかく苦笑しつつ答える。
「それともうひとつ、伝えておくことがあるんだが」
母さんからお茶のお代わりを注いでもらいながら、父さんが言葉を続ける。
「三浦くんからゼミの合宿に誘われてね。学生の皆も是非にと言ってくれているので、無下にはできなくてね、それで参加しようと思う」
爆弾発言その二。どちらかと言えば出不精な父さんがそういうのに参加しようとするなんて!
「日程はお盆明けの週末で二泊三日。金曜の昼に出て日曜の夕方には帰ると思う」
そこまで言ってからお茶を一口啜り、母さんへ視線を移して、
「という訳で家を空けることになるけれど、よろしく頼むねましろくん」
言葉を続ける。
「はい、留守は任せてください」
軽く頭を下げて母さんが答えると、父さんも同じような仕草で応じ、今度は俺の方を見て、
「優介も、頼むぞ?」
出来るか? って感じで言ってきたのに、
「あ~。うん、任せて」
どっか気の抜けた感じで返してしまった。
父さんはやれやれって風に表情を崩して、残りのお茶を飲みきってから、苦笑いを浮かべたまま居間を後にした。
週の初めと似たような展開になったが、期待の大きさはかなり違う。
約二週間後の週末、母さんとふたりきりで
たとえ日中突発的な邪魔が入ることがあるとしても、少なくとも夜は完全にふたりだけの時間になるだろう。
高まりだす胸の鼓動に押されるように、俺は強い気持ちを込めて母さんを見詰める。
視線から思いを受け取ってくれたのだろう、母さんは俺を見詰め返すと、ほんのりと頬を染めて小さく頷いてくれた。