往きの行程を逆回転させたような復路の最後、村へと向かうバスの中。
運転手側最後尾からひとつ前のシートに並んで座る俺たち、窓際がましろ母さんで通路側に俺。
いくらか居た乗客も前の停留所でひとり下りた事で、残りは俺と母さんだけに。村のバス停まではまだかなりの距離と時間があった。
……偶然とはいえ、再び訪れたふたりだけになる状況。
悪いがプールの時と同様、運転手さんの存在は端っから無視である。
プールで諌められ反省した上に一発抜く事までしといたのに、もう発情してしまうなんて、男とは悲しくそして愚かしい生き物だよなぁ。
でも手に指先に残った母さんの肌感触が忘れられなかった俺は、遊び疲れとバスの適度な揺れで、少し舟を漕ぎかけている母さんにそっと囁いた。
「……母さん、また触っても、いい?」
俺の声に意識を呼び戻された母さんがはっと顔を上げ、こっちを見て小声で、
「え、な、なに言ってるんですか
これまた嗜めるように言ってくる。が、
「だってさ、うちに戻ったら、しばらくこういう事出来そうにないでしょ? だから少しでもたくさん母さんに触れておきたいんだ……ダメ?」
母さん落としの十八番、ちょいと甘え気味攻撃を繰り出す俺である。卑怯者と言わば言え。
夏休みになったらの約束が、なにもできないうちに八月となり、今日やっと少しだけそれらしい事が出来たって負い目を母さんが感じてくれてれば、押し切れば何とか。
「……少しの間だけですよ? すぐに
少しだけ逡巡したけど母さんは受け入れてくれた。
やっぱり俺に甘い。……それを承知でやっちゃう俺もかなり
けど、反省はしても後悔はしたくない、出来る時に出来る事をしておきたかった。
いくらかの自己嫌悪を隠しつつ、俺は母さんの手をそっと包むようにして握り、
「ありがと、大好きだよ」
と、偽りのない感謝の気持ちを伝える。
「お尻触りたい。だから服の裾捲ってもらえる? ……大丈夫、絶対
声を潜めてして欲しい事をお願いする。
羞恥に染まりつつジャージスカートの裾をたくし上げ、応えてくれたましろ母さんが弱々しく呟く。
「……やっぱり恥ずかしいですよ」
恥ずかしがる母さんは最高に可愛かったので、もっともっと可愛くするために、俺は右手を露わになった下着に覆われた臀部へ這わせていく。
ちなみに下着は飾り気のないシンプルなタイプ。実に母さんらしさが溢れてた。
運転手さん以外は居ないがバスの中でという緊張と、冷房が効いているといっても真夏の午後の車中という暑さでしっとりと汗を掻いた母さんの肌は、俺の手のひらに吸い付くようだった。
太ももの方からゆっくりと撫でながらお尻へ。
手を差し込み易そうな前側でなく、後ろへと手を向けたのは、プールでの感触をもう一度味わいたかったからだ。
それとたぶん、前の方を触る楽しみは残しておきたいって気持ちもあったのだろうって思う。……その機会がいつになるのかわかんないのになぁ。
指先が下着の縁に触れる。手をシートとの隙間に差し込むようにして柔らかなな膨らみを手で包む。
「――っ」
ぐっと唇を閉じて声を堪える母さん。その仕種も官能的で俺の指先に力が入るが、やはり座ったままでは指の入り込むスペースが足りなさ過ぎなので更なるお願いをする。
「母さん、も少しだけ腰浮かせて?」
俺の声に母さんは前席にあるグリップに手を掛け、そこに体重を預けるようにして座面との隙間を作ってくれた。
感謝の声をかける代わりに行動で示す。出来た隙間に手のひらを滑り込ませ下着越しに母さんのお尻を味わう。
プールでもお尻は触ったが、水着とは違う薄くて柔らかな下着の感触と、水の中ではわからなかった母さんの肌の温もりを感じた手のひらが熱くなる。
じっくりと時間をかけながら、撫で、揉み、擦り、時に指を立て愛撫する。軽い中腰状態のために力の入ったお尻の筋肉は硬さと柔らかさが絶妙の感触を生んでいた。
俺の指が、手のひらが動くたび、
「……あっ……んっ」
羞じらいと快感で赤面している母さんの切ない声がこぼれてくる。いい、実にいい声音だ。
もっと
尻に這わせていた手のひらを下着の縁まで戻し、そこから内側へと手を侵入させていく。
「あ、ダ、ダメ……」
母さんの拒む声にも俺は止まらず、柔らかな丘を越えた指先はお尻の谷間へと進み、奥底に鎮座する秘かな窄まりに到達した。
肌の柔らかさとは別種な柔さが指先に触れる。
「――ひっ」
「――あ、……ハァ……」
強張りが解けると同時に、とても切なげな吐息を漏らす。
母さんが見せた艶やかな反応に、俺も一瞬動きを止めてしまう。
俺の指の動きが止まると、うつむいたままだった母さんがこちらへと顔を向け視線を送って来た。
なにか要求するようなその視線に促された俺は、窄まりに触れた指を再び動かし始める。
触れた先が消化器官の末端だということはわかっていたが、不思議と汚いとかは感じちゃいなかった。
こりこりくりくりと指先を震わせて、柔らかな蕾を弄る。
「ハッ――ハァ……」
その都度、母さんがあげる熱い吐息が耳から入って俺の脳みそを蕩けさせ、指先の動きを活発にする。
「ア、アァ」
窄まりの縁を撫でる指が、母さんの荒い呼吸に合わせて小さく開閉する門へと吸い込まれそうになっていく。
「……優……介、くん。お、お願、い……」
聞こえるかギリギリの音量でましろ母さんが漏らした言葉。それが意味することは――。
意を決して俺が応えようとしたとき、
「――次は~。お下りの方はボタンを押してください~」
と、抑揚のない車内アナウンスが流れた。告げられたのは降りるべき停留所。
すり減った録音の音声が、桃色に染まり切っていた意識を現実に引き戻した。
「お、降ります。降りまーす」
と言いながら、慌てて母さんの下着の中から右手を抜き、空いてた左手で降車ボタンを押し降車の意思を示す。
ボタンを押すのが少し遅かったからか、バスの減速はちょっとばかり厳しくて、前のめりに近い感じになった。
まだどこか心あらずになってるましろ母さんの手を取り、慌てながら用意しておいたふたり分の料金を料金箱に入れ、
「あ~、ありがとうございましたっ」
と言葉をかけて、慌ただしくバスを降りる俺たちである。
降りる際、運転手さんが怪訝な顔してたんだけど……バレちゃないと思いたい。
……まぁ、仮にバレていたとしても、同じ運転手のバスに乗る確率は相当に低いし、こっちの顔なんてロクに覚えてもいないだろうから、バス運転手の間で「痴漢プレイしていたカップルがいた」とか噂話が広まるくらいで済むんじゃないかな。
……そうであってほしい。
去っていくバスを見送る。
俺たち以外誰もいない停留所で、ドタバタと降車した事とその前の行為で荒くなっていた呼吸をゆっくりと整える。
隣に立つましろ母さんへと、
「……ちょっとゴメンナサイだったけど、ありがとね母さん」
バツ悪げにちょこんと頭を下げて、バスの車中なんて場所での恥ずかしい行いを受け入れてくれた母さんへ感謝の言葉を伝える。
けど母さんからの反応は、ない。
「――母さん?」
と改めて声をかけながら見れば、母さんはボーっとしたまま。
少し下を向いた顔、瞳はふんわりと焦点が合っていなくて、頬を紅潮させたまま、熱を帯びた荒い呼吸を繰り返す。なにか妖しい雰囲気をまとわせたままの母さん。
そんな母さんに危うい怖さを感じ、
「母さんッ」
少し大きな声で呼び掛ける。
「――えっ? ……あ、あぁ、優介、くん」
ハッと身体を震わせると、
「……大丈夫?」
恐る恐る問いかけると、
「あ……ぅん。大……丈夫ですよ、えぇ」
ふわふわとした、とても大丈夫とは思えない様子で声を返しながら俺の方へ顔を向ける。どこかぼやけていた視線のピントが俺に合った。
「ン――ッ、ン――ッ」
途端、よくわからないうめき声をあげ、真っ赤になった顔を隠すように両の手のひらで覆って俺から顔をそむけ、その場にしゃがみ込んだ。
「か、母さん?」
突然の奇行にあたふたするだけの俺。
夏の平日の午後。一時間に二本来れば万々歳な田舎のバス停留所で、しゃがみ込んで叫び声を殺しながらあげる若い母親とそれに戸惑っている中学生の俺という、奇妙な光景がそこにあった。
「――もう
しばらく経って平常を取り戻したましろ母さんは、開口一番そう言い放った。
反射的に抗議しかけた俺へと向ける視線には「なにか文句が?」と言いたげな厳しさが。
「……優介くんはがっつき過ぎです。もう少し相手の気持ちとか気分とか、そういうの考えて行動してください」
がっつき過ぎという自覚は……ある。
でも、バスの中でも言ったが「次」がいつになるのかわからないのだ、出来るときにしたいと思うのは仕方ないのじゃなかろうか?
そんなことを思いつつ母さんをうかがう。
俺に小言を垂れながらも母さんの挙動はどこか不自然で、わざとらしいくらいに俺と顔を合わせようともしていない。
まるで何かを俺に感づかれないようにしているみたいに感じられた。
よく見れば顔にはまだ赤みが差したままで身体はもじもじしてて、その場から進もうともしていない。
まるで、なにかを必死に抑え込もうとしているようにも見えた。
もしかして、と閃くものがあった。
変わらず俺を見ずに小言を続ける母さんにかまわず辺りを見回す。
生活道路だけど通る車は少ない、一時間に数本のバス停。肝心のバスはついさっき行ったばかりで、そもそも今の時間帯でバスを利用する人間はそうもいない。村の外れだから人家もないし、今は俺たち以外の
なんて言うか、白昼の死角?
幸い今立っているのはバス停のベンチの後ろ、仮に車が通ったとしても夏の開放感で浮かれたカップルがはめ外している程度にしか見えないだろう。
よし、ひらめきを実行するには充分。
俺は、本人も気づいていないだろう同じ小言を繰り返している母さん正面に立つ。
「――?」
さすがにこれだけ近くになれば存在を認めざるを得ず、俺を見上げる母さん。
「……優介くん?」
訝し気に俺を見る母さん。が、俺は気にする事なく抱き着くようにして母さんのお尻に手を這わせ、
「――えっ?」
唐突な行動に驚く母さんに構わず、這わせた手のひらで尻肉を揉みしだいてやった。
「は、――ァン」
揉み始めると同時に母さんの口から喘ぎ声がこぼれた。
――やっぱりだ。母さんはバスの中での行為から覚めていない。昂ぶりを何とか抑えようとしていたのだ。
母さんが昂ったままの原因には見当がついてる、弱いところを攻められたから。
その弱いところってのは間違いなく
俺はジャージスカートを捲り上げ内側へと手を忍び込ませると、下着ごと指を食いこまさせ布地の上から尻の割れ目の底に鎮座する窄まりを刺激した。
「――ンンッ」
ましろ母さんの身体が電流が走ったみたいに強く震え、一瞬強張って弛緩する。
そしてまた小さく震えながら、俺の指先に強く自分の身体を押し付けてくる。
母さんが昂ったところ、感じるところ。それは、
「母さん、
耳元に口を近づけて囁けば、ましろ母さんは逡巡したあと、コクリとうなづいてくれた。
「――じゃあ、いっぱい可愛がってあげないと、ね」
布越しに触れていた指を激しく動かして、ましろ母さんの肛門を刺激しまくる。
「ンーッンーッ」
湧き上がる快感からあふれ出る嬌声を俺の胸に顔をうずめることで抑え込みながら、母さんは俺の与える快楽に身をまかせ続けた。
自分から股を広げて尻を突き出し、俺の指が尻の谷間の底に届きやすいような姿勢を取って、快感を貪りそして、
「……フーッフーッ」
身体を震わせて気をやった。
幸いにも通り過ぎる車は皆無だった。
「……あんまり強引だと嫌われますからね、気をつけた方がいいですよ」
頬に朱を残したまま身嗜みを整えた母さんは、先ほどの痴態を隠すためなのか、正しているという
息子の指でイっちゃったあとじゃ、無理があるんじゃないかな~って気持ちで見返す俺。
そんな俺の意図に感づいたか「なにか文句が?」って睨みつけてくる母さん。
可哀そうだからからかうのは止めとこう。俺も楽しんだんだし。
「やっぱりね、女は優しくしてくれた方が嬉しいものです。よく覚えておいてください?」
ちょっとだけ咎めるように付け足す。
「わかりました。今度は嫌ってほど優しくするようにします」
言われた事をただ返しているだけみたいな俺に、仕方ないなって顔をしてから、
「……まぁ、勢いで押し切っちゃう優介くんには、まだ難しいでしょうね。……流されちゃった私もダメでしたけど」
大人ですのにね~と自嘲気味に言う母さん。
「そろそろ、帰りましょうか?」
いつまでもこんなところでグダグダしては居られないとばかりに、村へと続く道へと足を向ける母さん。
うなづいて答え、俺も続こうとして、自分の状態に気付き声をあげる。
「……あの、ゴメン。出来れば、近くのトイレに入りたいんですが……」
バス車中、そしてさっきと立て続け行為に俺の下半身は限界寸前まで膨れ上がっていた。パンツの中は先走りでベトベトで、暴発してないことを褒めてやりたいくらいだ。
とはいうものの、さっさと解放させてやらないとやばいレベルで、パンツとの摩擦で受ける刺激に臨界突破してしまいそうなくらい。
その、実に歩き辛いのである。
言われて初めて気が付いたとばかりに、母さんは俺の膨らんだ部分を見つめ、
「これは……辛そうですね」
と苦笑い。
さすがは大人の女の人。男の生理現象をわかってらっしゃる。
「ここからだと……公園跡のお手洗いですかね」
歩きづらげな俺の手を取り、
「行きましょ?」
地理を把握して最短の場所を導いてくれるましろ母さん。
「……着いたら、
手を曳きながら、羞恥に染まった顔にイタズラっ気のある笑みを浮かべて言ってくる。
――え、それって、つまり?
困惑と期待が同時に顔に出てたであろう俺に、
「さっきのお返し……いえ、お礼、ですかね?」
照れつつも、艶っぽく笑う母さんに、ますます歩き辛くなる俺だった。
次回へ続く。