幼馴染である土見稟と実質的な二人暮らしを続ける少女、芙蓉楓は過去を回想する。

母親の死の原因が稟にあると聞かされた楓は昏い怒りにかられ、稟を逆レイプすることで彼に罰を与えようと画策する。
しかし、やがて彼女が知った真実は、聞かされていたものとは大きく異なっていて……。

※skebにてリクエストいただいて書いたものです

1 / 1
第1話

 朝、彼の部屋に行く時だけはノックをしない。

 彼を起こしてしまいたくないからだ。

 安らかな彼の寝顔を見るのは彼女の特権。

 

 芙蓉楓は微笑を浮かべると、眠る少年の頬へそっと口づけた。

 

 音を立てないようにカーテンを開け、柔らかな朝の日差しを浴びながらそっとベッドの上に。

 布団をはだけ、パジャマの下に指をかける。

 ゆっくりと下ろしていけば──見事に朝勃ちしたペニスが現れた。

 呼吸が早くなるのを感じながら、大好きなそれの表面を軽く撫で、制服のスカートの下に指を。

 既に濡れている秘所を左右に広げながら腰を落として。

 

「んっ……はぁ……っ♡」

 

 熱く、とろとろになった身体の奥で彼を迎え入れた。

 昔は楓の気配がしただけで目覚めていた彼だけれど、今ではここまでしても目覚めない時がある。

 楓にとってそれは役得で、愛しい相手を独り占めするかけがえのない時間。

 軽くベッドを軋ませながらゆったりと腰を振り、幾度となく味わってきたそれの硬さと熱さをたっぷりと堪能して。

 注ぎ込まれる温かなものに恍惚の息を吐きながら、彼が瞼を開くのを見下ろした。

 

「おはようございます、稟くん」

「……おはよう、楓」

 

 お腹に手を当てると、少しずつ大きくなってきたその奥に新しい命を感じる。

 愛しい彼との、かけがえのない絆の証。

 

 彼と、彼女。

 土見稟と芙蓉楓がこうなったきっかけは、何年も昔に遡る。

 

 

    ◇    ◇    ◇

 

 

 楓と稟は幼馴染だった。

 二人の家は家族ぐるみの付き合いをしており、楓の親と稟の親は一緒に旅行へ行くほど仲が良かった。

 

 あの日も、楓の母と稟の両親は三人で旅行に出かけて。

 

 楓は前の日に雨に濡れてしまったせいで家で熱を出していた。

 楓の父と稟は家に残っていて──。

 楓は、熱に浮かされながら考えていた。

 早くお母さん帰ってこないかなあ。

 一緒に行けなかったのは寂しいし、熱も辛いけれど、大好きなお母さんの声を聞いて、お土産をもらって、みんなで笑えば幸せな気持ちになれる。

 

 今後はきっとみんなで旅行に行こう。

 今の幸せがこれからも続くと無邪気に信じていて、疑うことすらしなかった。

 だから。

 風邪が快復に向かい、若干の気だるさだけが残った身体で聞いた訃報に、楓は、世界が終わってしまったような衝撃を受けた。

 

 ──大好きなお母さんは、稟の両親と揃って事故に遭い、その命を落としてしまった。

 

 なにもかもが信じられなかった。

 力を失った楓の心は身体を動かす機能をも停止させ、食事も取らなくなった楓は病院に入れられた。

 空っぽで、目に入る全てが作り物のようで、色を持っていなかった。

 自分が少しずつ朽ちていくのがわかって。

 このまま死ねば、お母さんにもう一度会えるかもしれない。そんなことをぼんやりと考えていて。

 

 父の声も、稟の励ましも心にはまるで響かなくて。

 

「事故はボクのせいで起きたんだ」

 

 死にかけていた楓の心は、ある日の稟の告白によって激しく燃え上がった。

 

 

    ◇    ◇    ◇

 

 

 少年の喉に食い込む指の感触は今でも覚えている。

 痩せ細っていた楓に稟を絞め殺す力なんてなかったけれど、気づけば身体は動くようになっていた。

 死にたいと思っていたはずなのに。

 心に宿った憎しみの炎が楓を生へと向かわせた。

 

 ──あの日、稟が三人に「早く帰ってきて」と強請ったから事故が起きた。

 

 帰宅時間が少しでもずれていれば母が死ぬことはなかった。

 許せない。

 死の原因を作っておきながら、お母さんを殺しておきながらのうのうと生きている稟が許せない。

 天涯孤独となった稟は楓たちと一緒に芙蓉家で暮らすことになって。

 

 楓は、報復のためだけに食事をし、父に笑顔を見せ、学校に登校した。

 稟と二人きりになると、思いつく限りの方法で彼を苦しめた。

 稟はなにも言わなかった。

 なにを考えているのかわからない表情に余計に腹が立って。

 

 次第に楓は「このままじゃいけない」と思うようになった。

 こんな方法じゃ稟を苦しめられない。

 お母さんの味わった痛みを、苦しみを、もっと伝えないと。

 

 そうして、事故から一ヶ月が経った頃。

 偶然テレビで見た「若年妊娠」のニュースに衝撃を受けた。

 

『母親となる少女の負担ももちろんですが、若くして父親となる少年もまた苦しみを味わうことになります』

『軽はずみな行動で相手を妊娠させてしまえば、彼は一生をかけてそれを償わなければならないでしょう』

 

 なにをしたってお母さんは帰ってこない。

 だったら。

 

「……リンは、殺したぶんだけあたらしい命をつくらないといけないの」

 

 静まり帰った稟の部屋。

 目を覚ました少年は、馬乗りになった楓の言葉に苦しそうな表情を見せた。

 それでいい。

 精一杯悩んで、苦しんでくれなくちゃ、気持ちがぜんぜん晴れてくれない。

 

「まだ、子供なんてつくれないよ。もっと大人にならないと」

「じゃあ、リン。わたしと赤ちゃんをつくる練習、しよ?」

 

 憎しみを直接ぶつけるのは止めた。

 代わりに父や友達、先生の目を盗んで稟と『練習』をするようになった。

 

 男性器を挿入するには幼すぎる膣に稟の幼いペニスを押し当ててこすりつけたり。

 稟のペニスを指でいじったり、舌で舐めたり、口で咥えたり。

 反対に稟へ膣を舐めさせたり。

 

「こんなところ見つかったら、ぜったい怒られちゃうね?」

「………ッ」

「やめる? やめるならやめてもいいよ? なんの責任も取らないでわたしのことも放り出すんだよね?」

 

 少女マンガや、書店でこっそり立ち読みした成人書籍から得た知識を使って、楓は稟を辱め続けた。

 

 

    ◇    ◇    ◇

 

 

 夜中に忍び込んだ稟の部屋で。

 悲鳴を押し殺す少年の顔を昏い愉悦と共に見つめていると、彼の悲鳴がひときわ大きなものに変わって。

 子供ペニスの先端から少量の体液が吐き出されると、楓は思わず、唇を大きく歪めて喜びを表した。

 

「……女の子をにんしん、させられるようになっちゃったね?」

 

 囁くように言って、手に付着した「初めての精液」を舐めた。

 

「おいしくない」

 

 美味しくないそれを、彼女はそれから数え切れないほど味わうことになった。

 

 

 

 

 一番多かったのは夜、父が寝た後。

 

「声、出しちゃだめだからね」

「う、うん……っ」

 

 学校の休み時間に廊下の突き当りや特別教室棟側のトイレですることもあった。

 

「ここ、女子トイレじゃないか」

「黙って」

「っ」

 

 家に帰ってすぐ玄関で押し倒したこともあったし、

 

「ここを開けたら誰かに見られちゃうね?」

「………っ」

 

 稟がトイレに入っている時に乱入したこともあった。

 

「いつでもわたしとえっちなことしなきゃだめなんだから」

 

 一日に最低一度は稟を射精させた。

 楓の身体も少しずつ成長して、稟の指や舌で何度も何度も解したおかげかだんだんと広がるようになっていった。

 もともと幼馴染だし、同じ家に住んでいるのだから、二人が傍にいても誰も不思議に思わない。

 

 稟の吐き出した精液を唾液と一緒に飲み込み。

 指に精液のついたまま秘所を弄り。

 抱きついたまま眠って稟に自分の匂いを移して。

 

 楓は、次第に高揚を覚えるようになっていった。

 自分のお腹が大きくなって赤ちゃんを宿すなんて想像もできない。

 でも、それが「取り返しのつかないこと」だというのはよくわかって。

 それを引き起こすのが他でもない稟だというのはとても楽しく思えた。

 

 少年が困った顔をすればするほど、手コキやフェラチオで喘げば喘ぐほど興奮は高まって、やがて股間が濡れる感触を覚えた時。

 

「……あは♡」

 

 準備が一段階進んだと、心からの笑顔を浮かべられた。

 呆けたように自分を見つめる稟に奉仕を命じて。

 さらに深く、広く、肉棒をねじ込む余地を用意して。

 

 

 

 

 

「挿れるよ♡」

 

 返事を待つこともなく、小さな勃起ペニスをほんのり濡れた秘所へと迎え入れた。

 処女膜を破るには稟のサイズがまだ足りなくて。

 潤滑も足りていないせいか痛かったけれど、少年は小さく呻くとすぐに、白さの濃くなり始めている精を吐き出して。

 楓はぞくぞく♡ と、背徳的な愉悦と破滅的な快楽を覚えながら彼に囁いた。

 

「これでわたしが妊娠したら……お父さんになっちゃうね?」

 

 

     ◇    ◇    ◇

 

 

 毎日欠かさず射精させた。

 精液の回復量は漏らさず把握し、勃起の状態さえも細かく監視した。

 他の女の子と楽しく会話しようものならお仕置きとして激しくペニスをいじめた。

 二、三日に一回は挿入させ、その状態で精液を吐き出させた。

 

 稟は楓の言いなりだった。

 

 表向き、楓は素直で優しいいい子だったので誰も怪しまない。

 父は稟を「楓のお婿さんになってくれてもいいからな」と高く買っており、

 

「……ふふっ♡ お父さん、責任♡ 取ってくれていいって♡」

 

 楓が孕まされることに障害はないも同然。

 

「ね? はやくわたしの初めて、奪ってね……?」

 

 楓と稟の身体はお互いの味を覚えながら成長していって。

 二人の関係は年単位で続けられた。

 稟がどうすれば感じるか、楓には手に取るようにわかったし、稟も次第に己の性欲を自覚したのか、無意識に楓を求めるようになった。

 彼女たちにはお互い以外の相手なんて存在しない。

 だから、楓の身体は稟の相手をするためだけに成長して。

 

 昔は二人でもぜんぜん平気だったベッドが少しずつ狭く感じるようになったある日。

 楓は、真新しい中学校の制服を纏って──深夜の稟の部屋を訪れた。

 布団を無造作に剥いで、ぼんやりとこちらを見上げてくる少年に囁く。

 

「……おちんぽ、大きくなったね♡」

 

 少しずつ覚えた淫らな言葉。

 二人きりの空間で口にするのは特に気にならなくて。

 何度もしてきたように少年の上に馬乗りになると、彼の着衣を強引に脱がせて。

 次第に女性らしさを増してきた楓の身体に、稟のペニスはもう大きくなり始めていて。

 

「わたしのおまんこも、もう準備万端……♡」

 

 退廃的な、復讐以外に価値を感じられない歪んだ心が歓喜の声を上げるのを感じながら。

 リボンのついた可愛いショーツを硬くなったペニスにこすりつけて。

 先走り汁と愛液で濡れたショーツをベッドの下に投げた。

 

 二本の指で秘所を開くと、月明かりでかすかに奥が光って見えて。

 

 成長した楓の膣内は大きくなった稟のペニスをあっさりと受け入れ──そのまま身を沈み込ませれば、竿の先端が小さな抵抗感へと到達した。

 初めてを示す大切なモノ。

 運動の際に破れてしまうこともある、と聞くけれど、残っていてくれて良かった。

 破瓜の記憶は決して消えない思い出として二人の中に残り、稟の心に生涯消えない傷を残すだろう。

 

「楓……っ」

 

 なにを思ったのか、名前を呼んでくる彼に、憎しみをこめた視線を返して。

 楓はぷつ、と、いう喪失感と共に乙女の証を『奪わせた』。

 

「あはは……っ♡」

 

 高揚が溢れてくる。

 

「さ、赤ちゃんを作ろ……?♡ 今日も、明日も、明後日も♡」

 

 それから何度も、何日も、白濁した液体が楓の身体の奥を穢して。

 楓は、稟の精が子宮の奥へと注がれるたび、頭が真っ白になるような絶頂を覚えた。

 

 稟に贖罪させることだけが彼女の生きがいで。

 いつか来る妊娠の日が彼女にとってのゴールになると信じていて。

 

 

    ◇    ◇    ◇

 

 

 だから。

 

「……私の、せい? あの日、私が熱を出したから、お母さんは急いで帰ってこようとして……?」

 

 不意に辿り着いた「あの日の真実」がもう一度、楓の世界を跡形もなく打ち砕いた。

 

 ──稟が口にしたのは楓にとって都合のいい、彼自身にとっては自分を苦しめる結果にしかならない、優しい嘘だった。

 

 土見稟は芙蓉楓に生きる気力を与えるためだけに嘘をついた。

 自分が両親たちの死のきっかけを作った、などという辛く苦しい嘘を。

 全身から力が抜けて、眼の前が真っ暗になった。

 彼は、たった一つの嘘のせいで、年単位で苦しむことになった。

 

 他人事、なんかじゃない。

 

 苦しめたのは楓だ。

 幼馴染で仲の良かった稟のついた拙い嘘を疑いもせず、ただそれだけを拠り所に復讐を志した。

 彼の身体に消えない傷を残そうとしたことも何度もあったし、それ以上に、えんえんと彼の心に傷を与え続けてきた。

 

 もし本当に、妊娠してしまっていたら?

 

 愚かな自分のせいで、誰よりも自分のことを想ってくれていた幼馴染を地獄に突き落としてしまうことになる。

 悪いのは結局、全部、楓自身で。

 本来大人しく、他人を憎むことも嘘をつくことも苦手な楓は──自身の犯した罪の重みに耐えることができなかった。

 

「ごめんなさい。……ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい。ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさいごめんなさいごめんなさい」

 

 何度繰り返しても罪は消えず。

 カッターの刃を自分の首につきつけては死の恐怖から手を離した。

 食事をしても胃の中のものを全部吐き出してしまい、夜も眠れなくなり、父をごまかし続ける演技もできなくなった。

 

「私が悪いんです。全部私のせいだったんです。稟くんは悪くありません。……私はどうなっても構いません。どうか、どうか許してください」

 

 どうにもできなくなった楓は、稟の足に縋り、彼の顔を必死で見上げた。

 

「死ねと言うなら死にます。なんでも命令してください。私の全部を稟くんにあげます」

 

 もし、妊娠していたとしても「父親になれ」とも「お前のせいだ」とも言うつもりはなかった。

 こっそり堕ろすことができないのなら、お腹の子と一緒に死んでもいい。

 どうあっても、彼の人生を穢してしまった事実を消し去ることはできないのだから。

 

「性処理にでもなんでも使ってください。要らなくなったら捨ててください。だから……私を、どうか許してください」

 

 その日から、楓にとっての稟は幼馴染でも憎むべき敵でもなく、絶対的なご主人様になった。

 彼の足を舐め、朝も夜も彼のベッドに潜り込んで奉仕した。

 会話には必ず敬語を使うようにした。

 

 稟が「料理の勉強をしてみたら」と言うので一生懸命勉強した。

 掃除も洗濯も覚えて、稟の身の回りのことはなんでもできるようにした。

 二人が大きくなってきたことで父は家を空けることも多くなり──自然と、二人きりの時間が増え、楓のすべてが稟のために使われるようになった。

 

「んっ……♡ 稟くん、稟くん……っ♡」

 

 優しい少年は楓が裸を見せるたびに、楓が彼のペニスを口に含むたびに、精を子宮で受けとめようとするたびに「こんな事しなくていい」と言った。

 次第に行為の回数は減って、楓は夜ごと一人、自分を慰めるようになった。

 幼い頃から積極的に学んで人並み以上に淫らに成長した身体は毎日のように疼き、一度性欲を自覚すると発散するまで愛液を分泌し続けた。

 パジャマの下とショーツを脱ぎ、淫らな水音を響かせながら声を抑え、指で慰める日々。

 

 そんなある日、稟が部屋にやってきた。

 

「どうして」

 

 短い問いに、楓は反射的に答えた。

 

「私には稟くんを喜ばせる方法が他に思いつかないんです」

 

 稟は複雑な表情を浮かべると「なら」と言った。

 

「これからも俺としてくれ。……楓のせいで、我慢できないんだ」

「っ♡ はいっ、喜んで♡ これから毎日、ご奉仕させていただきます♡」

 

 服を全部脱いでフローリングの床に三つ指をつき、彼のペニスに恭しくキスをした。

 竿を根本まで呑み込むフェラを覚え、睾丸を積極的に咥え、お尻の穴にも舌を這わせた。

 精液は基本的に全部、口か膣内に射精してもらった。

 身体や服にかけてもらうのは洗える環境が整っている時だけ。けれど、彼の精で汚されるのはとても達成感があって好きだった。

 朝、時間があれば彼のところへ行って目覚めのフェラをしたし、彼が食事をしている時にご奉仕フェラをしてあげることもあった。

 

 以前と同じようでいて、その意味が真逆になった二人の行為。

 それはどんどんエスカレートしていって、

 

 

    ◇    ◇    ◇

 

 

「楓、これはさすがにまずいんじゃないか?」

「大丈夫です。ちゃんと人が来ないかは確認していますから……♡」

 

 学校でも、廊下やトイレ、空き教室、屋上などで数え切れないほど繋がった。

 神聖な場所でする行為に身体は熱くなり、稟も口ではあれこれ言いながらも普段よりペニスを硬く大きくさせた。

 彼はなんというか、言いたいことを押し殺してしまうというか、うまく言葉にできない癖がある。

 あの嘘だってそうだ。

 だから、彼のやりたいことは楓が汲むべきだった。

 

 女の子を一人、性処理の道具として独り占めできる。

 あらゆるところで楓の身体を嬲れる。

 幼い頃から楓の身体に慣らされ、他の女の子では満足できるかどうかわからなくなっている稟。

 楓と同居しているせいで他の女の子からは遠慮されてしまいやすい稟。

 彼が不自由しないように、と、楓は自分に言い聞かせながら行為に励んだ。

 

「また腕を上げたんじゃないか、楓」

「ふふっ、ありがとう。もう子供じゃないんだから、お父さんも心配しないでね?」

 

 なに食わぬ顔で父と会話しながら、テーブルで死角になっている稟のペニスを手コキしたり。

 父が風呂に入っている間にリビングで彼のものをバックで受け入れたり。

 二人だけの時は裸にエプロンだけの姿で給仕したりもした。

 

 まさか父も、自分の秘蔵の成人指定本が娘たちの不貞の教材にされているとは思わなかっただろうけれど……。

 

「私のおまんこ、すっかり稟くんの形になっちゃいました……♡」

「楓。いつも言ってるけど、ここまでしてくれなくても……。いつか誰かと結婚するかもしれないんだし」

「私の身体は全部、稟くんのものですから。稟くんはなにも心配しないで、好きなだけ私を使ってくださいね?♡」

 

 いつからか──あるいは事故の前から彼に対して抱いていたほのかな恋心を、楓は自分でも気づかないうちに押し殺し、表層へと上らせないようにしていた。

 歪んでしまった関係。

 戻ってこない幸せな時間。

 少しでも取り戻そうとするかのように続けた淫らな行為は、けれどさらなる歪みを産んで。

 

 関係の長さから考えれば遅すぎたくらいだけれど、楓の妊娠が発覚した。

 

 

    ◇    ◇    ◇

 

 

 明確な異変が訪れたのは奇しくも父が在宅している最中のことで。

 ストレスから来るものとは明確に違う吐き気。

 体力と食欲の低下。

 心配した父に無理やり病院へ連れて行かれた楓は──隠しようのない形で自身の妊娠を暴かれてしまった。

 

 稟を憎んでいた頃の狡猾さが残っていればあるいは隠し通せたのかもしれない。

 

 絶対に隠し通すつもりだったのに、不甲斐ない自分への怒りと稟への申し訳なさから泣きじゃくっていると、父の怒りは相手である稟へと向かった。

 殴られ、リビングの床へと転がる少年。

 身体が大きくなってきたとはいえ、まだ大人に勝てる体格ではなく。

 けれどそれ以上に、少年には楓の父に反抗しようとする気概が存在しなかった。

 

「やめてくださいお父さん……っ。稟くんは悪くないんですっ、全部、悪いのは私なんですっ! だから稟くんを怒らないでください」

 

 楓が口にしたのは子供の理屈だ。

 後になって冷静に考えればそんな理屈が通るはずがない。

 妊娠は相手がいなければ発生しない。

 男女逆ならともかく、一般常識からして少年の側が無理やりさせられた、などという主張は受け入れられづらい。

 嫌なら、あるいは楓のことを思うなら強引にでも跳ね除けていれば良かったのだから。

 

 だから。

 

「俺は楓が好きです。黙っていたのはすみません。……でも、楓を一人になんて絶対にしません。責任は俺が必ず取ります」

 

 またしても、楓は愛する少年に助けられることになってしまった。

 

 

    ◇    ◇    ◇

 

 

「……思い出しますね。あの時の稟くんは本当に格好良かったです。今考えても惚れ惚れしちゃいます……♡」

「やめてくれよ。あの時は必死だっただけなんだからさ」

 

 和やかな食卓。

 こんなふうに彼と生活を続けられるなんて、以前の自分なら絶対に信じられなかっただろう。

 楓と稟は揃って高校に進学して、父はますます家を空けることが多くなり、ほとんど二人暮らしのような状態。

 朝、稟を起こしに行くこともすっかり日常になっているし、毎日早起きして彼の世話をするのも──きっと、これからずっと続いていくことだろう。

 

 微笑んで、膨らんできたお腹を撫でる。

 と、稟は「心配してくれているのだ」と楓にはわかる微妙な表情を浮かべて、

 

「いつも言ってるけど、もっと簡単な食事でもいいんだぞ? ……その、お腹の子もいるんだし」

「いいんです。これは私の生きがいですから。それに、お腹の子のためにも栄養をつけなくちゃいけません」

「それはそうだけどな」

 

 困り顔になった稟は話題を変えて、

 

「いつまで学園に通うつもりなんだ?」

「通える限りは通いますよ。さすがに臨月が近づいてきたらお家にいたほうがいいでしょうけど……」

 

 楓のお腹には今、稟との間にできた子供がいる。

 あの時、お腹に宿った命──ではない。

 

『話はわかった。楓もそのつもりならそれでもいい。……ただし』

 

 父は結局、稟と楓の我が儘を──大きすぎる隠し事を許してくれた。

 条件は、楓に宿った新しい命を諦めること。

 当時の二人には「子供を産んで育てる」という選択はあまりにも過酷すぎた。

 今だって決して当たり前とは言えないけれど、当時は尚更。周囲の協力を受けて万全の体制で臨んでもなお、母体への負担が大きいものになっただろう。

 

 稟も最初は「これ以上楓から大切な人の命を奪いたくない」と反対したものの、理路整然と説得されると折れるしかなく。

 諦めることになった命を思い泣きじゃくる楓を、稟は黙って抱きしめてくれた。

 一人目の子供を堕ろした事実は今でも楓たちの胸に強く残っている。

 

 あまりにも子供だった自分たち。

 大好きなお母さんと、稟の大好きな両親。その死を経験しながら、妊娠という命を育む行為を甘く見ていたことは反省してもしきれない。

 だから──贖罪にはならないけれど、あの時の命を忘れないために、楓の鞄には小さな人形が取り付けられ、楓が動くたびにその身を揺らしている。

 

「可能な限り稟くんのお世話もしますから、遠慮しないでくださいね?」

「やれやれ。できれば大人しくして欲しいんだけどな、俺は」

「お母さんになるんですから、そのぶん強くなりたいんです」

 

 大好きだった母のように強く優しくなれるかはまだわからない。

 けれど、昔よりは強くなれたと思っている。

 稟も学業の傍らバイトをして、少しずつだけれど貯金をしてくれている。

 出産が終わったら楓もアルバイトをするつもりだ。楓にできそうな仕事というと……カフェでウェイトレス、とかだろうか?

 父の支援に頼ることにはなってしまうけれど、その恩もいつかは必ず返したい。

 

「ところで、稟くん。……その、学校に行くまでに少し時間があると思うんですけど……♡」

 

 控えめにそう告げると、稟はすぐに気づいてくれて……気付いたからこそ特大の困り顔を浮かべて。

 

「早めに済ませるからな。前みたいに夢中になって遅刻するのは勘弁だ」

「ふふっ♡ わかっています。……それじゃあ、来てください、稟くん♡」

 

 壁に手をついてお尻を向けると、愛する少年の手で制服のスカートがめくり上げられた。

 

「……あぁ♡」

 

 行為への期待と興奮だけで声を抑えきれず、染み出した愛液がショーツを濡らしてしまう。

 そんな下着が下ろされると、無毛に処理している秘所が空気にさらされて。

 

「稟くんの逞しいおちんぽで、稟くん専用の楓おまんこ、いっぱい可愛がってください……っ♡」

 

 生のペニスが割れ目を押し広げながら腟内へ挿入ってくる。

 

「はぁ、んっ♡」

 

 無数に繰り返された行為によって楓の膣はまさに稟専用の形に作り変えられており、稟のペニスもまた楓の膣から一番の快感を受け取れるように慣らされてる。

 二人の呼吸も、長年の経験からぴったりと合って。

 

「あっ♡ 稟くんっ♡ 稟くんっ♡ すきっ、大好きですっ♡」

 

 さっきまで和やかな空気が流れていたリビングに淫らな声が響き渡る。

 繋がっているとどんどん愛しさがこみ上げてきて、呼吸が乱れて、喘ぎ声を上げてしまう。

 隠れてしていた背徳的なセックスも興奮したけれど、愛しい相手と通じ合いながらセックスは、もっと気持ちいい。

 溢れた愛液がぽたぽたと垂れて床を汚す。

 後で掃除しないと、とぼんやりと思いながら、一方で淫らに染まった心は「もっといやらしく」と楓に囁きかけてくる。

 

 ぱんっ♡ ぱんっ♡ という音がたまらなくいやらしい。

 手をつく位置を低くしてそのぶん尻をより突き出すと、挿入の深さと角度が変わってより深くまで快感が伝わってくる。

 赤ちゃんがびっくりしないように激しいセックスはできない。あくまで打ち付ける速度は一定以上にならないけれど、開発された楓の身体は十分以上の快感を受け取った。

 

「いつでも射精してくださいっ♡ 私のおまんこは、稟くんだけのものですからぁっ♡」

 

 射精の兆候を感じ取った楓は膣をより締めつけ、稟のペニスへと絡みつかせた。

 全身を駆け巡る快感と合わせてきゅっ♡ きゅっ♡ とリズミカルに強さを変えてやれば、竿の脈動ははっきりとわかるくらいに激しくなって。

 楓は、さらに尻を突き出し、一番深いところで稟を受け留めながら、奥に注ぎ込まれる熱いものをたっぷりと堪能した。

 

「いくっ♡ いきますっ♡ 稟くんのせーえき、お腹に注がれながらいっちゃいますっ♡」

 

 全身を甘い快感が満たす。

 手足から力が抜けて、その場にぺたん、と、尻もちをついた。

 荒い呼吸を少しずつ整えながら、絶頂の余韻に浸っていると、稟が「大丈夫か?」と顔を覗き込んでくる。

 きゅん、と、疼きを覚えた楓は彼の手を引くと床に押し倒した。

 一度、射精したというのにまだ硬いそれ。

 何年もかけて経験を積んできたおかげか、それとも、生まれつき女の子を幸せにする才能に恵まれているのか。

 

「ごめんなさい、稟くん……♡ すぐに済ませますから、もう一回だけ……♡」

 

 足を開き、彼のお腹に手を添えて身を沈み込ませると、膣で奉仕する喜びで他になにも考えられなくなる。

 

「もっとお腹が大きくなった時の練習にもなりますからっ♡」

 

 騎乗位は比較的母体への負担が少ないらしい。

 

「赤ちゃんのために激しいプレイは控えないといけませんけど、お父さんの欲求不満もちゃんと処理しますから、お口とか、あと……お尻、とか、試してみますから……っ♡」

「お、お尻ってお前……っ」

 

 言いながらも股間を明らかに硬くする稟。

 彼の全身をくまなく把握している楓に嘘は通用しない。

 彼女はくすりと笑うと「今度、道具を買いに行かないといけませんね?」と囁いて。

 

 ──ようやく二人が絶頂の余韻から復帰した時にはもう、遅刻ぎりぎりの時間になっていた。

 

 ばたばたと後片付けをして揃って家を出て、

 

「土見稟! まだ高校生の楓ちゃんを妊娠させるという鬼畜の所業! 神が許してもこのKKKが──!」

「迷惑です。私のためと言うのなら今後一切、私たちに干渉しないでください」

 

 毎日のように稟へちょっかいをかけてくる親衛隊には一言で黙ってもらった。

 沈黙する親衛隊メンバーをよそに、二人は手を取り合って、

 

「走るぞ楓!」

「はいっ!」

 

 悲しいことや辛いこともあったけれど。

 間違いも遠回りもしてしまったけれど。

 今もまた、普通とは違う道を進もうとしている二人だけれど。

 

 ──きっと、二人なら幸せになれる。

 

 困難だって乗り越えていける。

 

 どうして彼が許してくれたのか、愛してくれるのか、はっきりとはわからない。

 けれど、信じることしかできない。

 二人の愛の証を。

 胸の中にある確かな思いを。

 

 だから。

 遅刻したら怖い担任から大目玉だというのに、楓はとても楽しくて。

 お腹に響かないように加減しながら、それでも限界まで急いで教室にかけこんで。

 

 すると、教室は今日から来るという転校生の噂でもちきりで。

 廊下を歩いてくる担任の気配に、思わず稟を見上げると。

 

「?」

 

 美少女の噂になど興味ないとばかりにこちらを見てくる少年と、しっかりと目が合った。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
点
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。