貞操観念逆転世界になったので、美人な幼馴染みを誘惑したい 作:榊 樹
オリジナル:現代/恋愛
タグ:R-18 貞操観念逆転世界 あべこべ 幼馴染み お医者さんごっこ 誘惑 焦らし
突然だが、貞操観念が逆転した。
まぁ、そこはどうでもいい。
重要なのは僕の幼馴染みが、背が高くておっぱいが大きくて綺麗で、そして凄い美人だということ。
才色兼備で皆の憧れ。
貞操観念が逆転した世界でも、そこは変わらずの才女である彼女を。
そんな彼女を、誘惑したい。
恋愛感情とはまた違う。
ただ、仲の良い美人な女性を誘惑して、僕のことしか目に入らず、それで悶々とした日々を送って欲しいだけだ。
「ナツ、お待たせ」
そんな訳で、学校終わりの放課後。
生徒会の仕事を済ませた彼女を、どうやって誘惑しようか考えながら教室で待っていた僕は、部活に励む窓の下の生徒たちから視線を外し、低く落ち着いた、けれど透き通るように綺麗な声に反応してそちらへ振り返る。
「帰ろっか」
差し出された手を握り、荷物を持って立ち上がる。
女性にしては少し身長が高めな彼女と、そんな彼女の顎下に届くくらいの身長しかない僕達が並んで歩けば、それはまるで姉弟のよう。
実際、彼女の方が一歳年上で、幼い頃からお風呂を一緒に入るくらいには仲が良かったから、血の繋がりと戸籍上の関係を除けばほぼほぼ姉弟みたいなものではあるが。
だがそれはそれとして、そんな姉同然の存在である彼女―――
ご飯で食欲をそそるとか、堅物な彼女をゲームの沼に引きずり込むとか、そういう変に捻った話ではなく、もうただただ単純に、どこまでもド直球に、彼女を性的に誘惑したい。
そしてあわよくば、性欲と理性の狭間で揺れ動き、思い悩み、悶々とした日々を送り、最終的に我慢出来ず襲おうとして・・・でも直前で理性が勝って、罪悪感で押し潰されそうになりながらも、僕への想いを胸に抱いて、一人ベッドの中で自分を慰めて欲しい。
下品な言い方をすれば、僕をおかずにオナニーして欲しいです、はい。
「ナツ・・・?」
とは言え、それは最終目標。
まだ焦るべき時ではなく、今は寧ろそれまでの過程を存分に楽しみたい。
折角、貞操観念が逆転しているのだから、そこを存分に活かして彼女を誘惑したい。
目下、悩みどころは握っているこの手だろうか。
普通に繋いだ手。恋人繋ぎとかではなく、親が子供にするように繋いだこの手を、いつ恋人のように絡め合い、ニギニギするべきか。
出来ることなら彼女の方から、恋人繋ぎしたいけど、でも恥ずかしいから出来ず、結局最後はいつも通り握ろうとして・・・そこをすかさず僕の方から恋人繋ぎを、みたいな。
そういうシチュエーションとかも良いな、と思ってみたり。
それで彼女の方を見上げながら、ちょっとだけ照れくさそうに「えへへ、恋人みたいだね・・・」とか言ってみたり。
まぁ問題は、肝心の
うーむ、さてどうやって誘惑し、その気にさせたものか・・・。
「ナツ、ナツ。くすぐったい」
言われて、ニギニギしていたことに気付き、手を止める。
「ん、大丈夫・・・?」
謝り、頭を下げれば、返って来たのは性欲なんて欠片も感じさせない、ただ純粋に心配したような声。
意図した行動では無いとは言え、こういう反応をされると、ハードルの高さを思い知らされる。
そもそも生まれてこの方、女性経験なんて碌に無かったので、いきなり幼馴染みを誘惑しろとか言われても普通に無理な訳で。
おまけに、完全に弟のように思われているっぽいので、尚更難易度が高くなる。
まぁそれでも諦める気なんて全然無いが。
だって冬姉にエッチな目で見られたいし。
「今日、親が居ないんだ」
恋人的なアレの合図とかではなく、ただの日常会話。
冬姉の両親は医療関係のお仕事をしてるから、よく急患とかで帰れない時があって、そういう時は隣に住む僕の家で預かって一緒にご飯食べて、そのまま泊まって、よく夜遅くまで遊んだりした。
思えば、子供の頃にお医者さんごっことかしたなぁ。
親が居なくて寂しそうな冬姉に元気になって欲しくて。親に頼んで、おもちゃの医療器具を買ってもらって、それで一緒に遊んだっけ。
あの時はお互いに純粋で、なんならお医者さん役は冬姉の方だったから、別にムフフな感じには全くならなかったけど。強いて言えば、聴診器のあのヒンヤリとした感触。あれがちょっと癖になって、風邪で熱を出した時とかに行く内科の診察が密かな楽しみになったくらい。
確か、まだあった筈だし、久しぶりにやってみようかな。
◇
「ただいま」
冬姉は泊まりの日は、僕の家でもこうやって挨拶をする。
こうして手を繋いだまま並んで玄関に立つと、本当に姉弟みたいで、なんだか少し複雑な気持ちになる。
だがいつまでも落ち込んではいられないし、悟られてもいけないので、すぐに切り替えてリビングに向かう。
もう夕ご飯は出来ていて、荷物を置いて洗面所へ行き、手洗いうがいをして、そして当たり前のように並んで座り、箸を取る。
ここ最近のこととか、生徒会のこととか、僕の普段の学校生活のこととか、そういう何気無い会話をして、食べ終えれば食器を片付けて、お風呂に入る。
冬姉は皿洗いの手伝いをしているから、先に僕から。
そこまで長風呂じゃないから、風呂から上がったくらいに皿洗いを終えた冬姉がお風呂の準備をし始めて、その間に僕は寝巻きに着替えて、髪を乾かし終える時くらいに冬姉が脱衣所に入って来る。
そして入れ替わるように僕は出て行き、リビングのソファに座って、家族で何気なくテレビを見る。
冬姉が風呂から上がれば、今度は親が交互に入って。そしてその間は、濡れた髪を結ってターバンをした冬姉が僕の隣に座り、当たり前のように持ち上げられ、膝の上に乗せて一緒にテレビを見る。
「ん、ナツ」
面白い番組があれば、そのまま切りが良い所まで見たけど。
そうじゃない日は、冬姉の合図でドライヤーを取りに行き、ソファに座った冬姉の髪を乾かして、僕の部屋に行く。
「おいで」
僕のベッドに座る冬姉がこちらへ手を広げる。
それを見て、いつもならその懐へすっぽり収まりに行く所だが、今日はまだちょっとやりたい事があるので我慢我慢。
「ナツ・・・?」
いつもと違うことに不思議そうな声の冬姉を他所に、お目当ての物を探す。
あまり物が無い方なのですぐにソレを見付けて、冬姉に渡す。
「懐かしいね、ソレ。まだ持ってたんだ」
手に取った冬姉が懐かしそうに少しだけ目を細める。
どうしてこれを? という風にこちらを見て来たので、久しぶりにお医者さんごっこをしようと提案すれば、冬姉は少しだけ驚いたように目を見開いて・・・。
「・・・・・・、・・・・・・・・・ん、分かった」
◇
「今日は、どうされましたか?」
ベッドの上で向き合って、あの頃を思い出すように。
懐かしさに浸りながら、僕は風邪気味であることを伝える。
「それではまず熱を測りましょうか」
実際は診察のタイミングで熱は計らないけど。まぁ、そこはご愛嬌。
ボタンを二つほど外して、渡された体温計を脇に差し込む。
因みに体温計については本物を使ってる。家に普通にあったので、子供ながらによりリアルを追求した結果である。
ピピピ・・・。
「見せて・・・37度1分。少し熱がある、大丈夫?」
口調が砕けた彼女に普通に心配された。
別に気分は悪くないし、なんなら日中に測ったら平熱だろう。
つまりは風呂上がりで体温が上がってるだけ。まぁ、僕自身の体温が高いことも理由の一つだけど、その辺は彼女も承知してるので強がりでは無いと信じてくれて、そのままお医者さんごっこを続ける。
「それじゃ・・・、服を脱いで」
ボタンを全て外して、前を開く。
聴診器を耳に着けた冬姉が、心做しかいつもより真剣な眼差しで僕の胸にチェストピース*1を近付ける。
ぴと・・・。
ぴと・・・。
目をつぶった冬姉が、僕の心音を聞く。
とくん、とくん。
きっと、そんな音が冬姉の鼓膜を揺らしてる。
ぴと・・・。
ぴと・・・。
「・・・後ろ、向いて」
言われた通り背を向けて、そして袖から肩を抜く。
子供の頃は、服を肩まで持ち上げながら聴診器を当てるとか難しかったので、こうして完全に半裸の状態になってやっていた。
だから、それを再現するように、服をその場に脱ぎ捨てて、惜しげも無く背中を晒す。
ぴと・・・。
ぴと・・・。
優しく貼り付けて、そこからヒンヤリとした感覚が伝わる。それが心地好くて僕も目を瞑り、その感覚に浸る。
ぴと・・・。
とくん、とくん・・・。
ぴと・・・。
とくん、とくん・・・。
なんとなく、自分の鼓動が聞こえて来て、この音が今も冬姉に聞かれているのだと思うと、妙な気持ちになる。
「・・・・・・」
やけに長いなと違和感を抱いて、でも子供用とは言え聴診器を付けてるから下手に反応することも出来ずに居ると、漸く離してくれた。
「・・・いいよ」
言われて、服を着直そうとして―――背後から抱き着かれた。
「―――」
両の腕を拘束するように、お腹と肩を掴むように抱き締められ、首元に顔を埋められる。
僕と同じシャンプーの香りがして、それから・・・背中に柔らかくて、硬いものを押し付けられた。
上と、下。
背中と、お尻辺りに。
「はッ♡ ぁ、ァっ♡ ァ゛ぁッ♡♡」
初めて、だった。
冬姉の、こんな姿を、見るのは。
擦り付けられていた。
息を荒くして、抱き締めながら身体を揺らし、固く突起した部分を、僕の、身体に。
「ぁぁ゛、はッ♡ ァーッ゛、ァ゛ー・・・・・・むっ゛♡」
かぷり・・・♡
本気で噛みたいけど、ギリギリ理性が勝った甘噛みが僕の首筋を襲った。
お尻を着いて、膝を立てて、足でも僕を抱き締めて。
徐々に激しくなって来た冬姉は、遂に―――。
「んァ゛、ァ゛♡ いくっ゛、ィく゛ッ♡ ィグイグッ゛♡ ィ゛―――ッ゛♡♡♡」
びくんッ♡ びくんッ♡
耳元で聞かされた絶頂宣言と同時に、冬姉が果てた。
隙間が無いくらい密着してるから、冬姉の絶頂が全身に伝わって来るようだった。
「ッ゛・・・・・・ーーーーーッ゛♡♡」
イッてる間も、殊更強く抱き締められた。
長く、長く―――とても長い絶頂を終えて、ぐったりとした冬姉の重みが背中に掛かる。
「はぁ ァーッ゛♡ はァー゛ッ♡」
荒く湿っぽい吐息が、首元に吹き付けられる。
乱れた冬姉が珍しくて、初めての姿に動揺が隠し切れなくて。
でも、何故だがとても嬉しくて。
"寝よっか、冬姉"
手を重ね、そう告げた僕に、冬姉は小さく頷いた。
◇
とくん、とくん・・・。
とくん、とくん・・・。
"冬姉、聞こえる?"
「・・・・・・」
僕の布団の中。冬姉が、乱れた直後の布団の中で、二人っきり向かい合って。
半裸の僕を抱き締めて、胸に耳を当てた冬姉を抱き締めて。
冬姉の頭を撫でながら、僕は言う。
"とくん、とくんって"
「・・・・・・聞こえる」
"うん、冬姉のも聞こえる"
聞こえていると言うより、密着した肌から感じているのだけど。
"冬姉、少し速いね"
「・・・ナツも」
"うん、だって恥ずかしかったから"
「・・・・・・なら、なんで」
"んー? さぁね。・・・冬姉が、昔のことを覚えててくれてるか。それを、知りたかったからかな"
「・・・、・・・んぅ」
僕の答えが理解出来なかったのか、何かを言おうとした冬姉を黙らせるように少しだけ強く抱き締め、薄く平らな胸を押し付ける。
これ以上を言葉にするのは、なんだか違う気がしたから。
そのまま、お互いに何も言うこと無く。
静かで、激しかった夜が、耽けて行った。
もう何話か続きます(多分)