そのか弱くある存在からか、村で虐げられていたレイネは、想い人である幼馴染と共に栄華を夢見て王国へと発つ。

 そして、果敢にも闘技場の覇者へと決闘を挑んだレイネであったが、無様にも敗北を期し、挙句性転の儀を受ける。

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メス堕ち

 

 金色の長髪が揺れる。

 

 其処には美しい少女と見紛うまでに容姿の整った少年は、面持ちを険しく、内心の焦燥を露わとしていた。

 

「ほ、本当にこの呪いは解けるんですよね?」

 

「ほほ‥。レイネ少年。それは無論、其方の振る舞い次第さね」

 

 否、元は少年であったこの者、レイネと呼ばれた彼は、その肉体を女体へと、本人の意思にそぐわずに、変じさせていた。

 

 彼もとい彼女は、眼前の老婆へと尋ねたその質問の答えを受けて、判然としないそれに対して、動揺を示す。

 

「そんな‥あの、覇者ってわかりますか?」

 

「ああ、勿論知っているさね。あの闘技場で頂点張ってる男に冠せられた異名だろう?確かディアルという名だったかのぉ?それで少年は彼との勝負に負けた、と」

 

「うッ‥」

 

 自らの現状の説明を試みようとした所、先回りをされた形。

 

 老婆の語る通り、レイネはディアルという気に食わない男に決闘を挑み、そして無様に敗北を期したのであった。

 

 そして否が応にもディアルからの要求に対し、その敗北の対価として、あらかじめ交わしていた契約に基づき、性別転換の儀を受ける他に選択肢は無かった。

 

 この様な屈辱にレイネは耐えきれず、自らの師である眼前の老婆へと相談を持ち掛けていたのであった。

 

「最悪です。こんなの‥。情けないです。真剣での決闘に負けた挙句、加えて情けまでかけられるなんて‥。しかもこんな身体にまで‥」

 

「ほう‥。敬語を使うようになったのぉ。以前までは見られなかった良い行いじゃて」

 

「なッ、これはそうしてないとあの男がうるさいからです。決してわたしの意思じゃありませんっ」

 

「わたしとな。ほほ‥なかなかにそのディアルという男は、其方を手懐けている様じゃのぉ。なんにせよ、レイネに春が来てわたしゃ嬉しいよ」

 

 だが、老婆はただ柔和な笑みを浮かべているのみで、具体的な助言を与えてくれそうには無かった。

 

 寧ろその言の通りに、喜んでいる節すらある。

 

「わ、わたしは‥元に戻りたいのです。お願いします。手を貸して頂けませんか師匠?」

 

「そうは言われてものぉ。これは正式に交わされた契約を経て得た結果に過ぎぬ。其処に不正はある訳でもない限りは、流石のこの婆でもどうすることもできん」

 

「うそ‥ですよね?」

 

「本当じゃよ。それに其方に剣は向いておらぬ。それは元より言い含めていた事。それを理解した上で尚、かの最強に挑んだのじゃよ」

 

「ぐっ」

 

 反論をするも一蹴。

 

 とりつくしまもない。

 

 最早これ以上の会話は今のレイネにとって、時間の浪費でしかなかった。

 

 ─不毛

 

 その単語が脳裏へと過ぎる。

 

「わかりました」

 

 落胆に脱力し、その際にレイネの豊満な乳房が揺れる。

 

 ぶるんっ❤️とまるで音でも立ちそうな程に巨大な乳肉が、柔らかに弾んだ。

 

 同時、老婆の元から踵を返した彼女は、この場を緩慢な足取りで後にする。

 

 これと合わせて、レイネのむっちりとした太腿が歩む度に周囲からの男の視線に晒された。

 

 短めのスカートに、オーバーミーソックスというのが、今の彼女が身に纏う衣装。

 

 これは例の男、ディアルの取り巻きの女達から着せられた代物だ。

 

 それと同様に、レイネの上半身は谷間も大きく露出されている。

 

 どうやらこれも、ディアルの侍らせている女達が所属している冒険者パーティーの制服らしい。

 

 更にはフリフリの、丈の短いスカートは一番履きたく無かったレイネである。

 

 だが契約の強制力からか、あらゆる事に逆らう事が出来ない。

 

 何もかも勢いで押し切られてしまうのだ。

 

「最悪ですね」

 

 だが、自ずと足は闘技場に居るディアルの元へと向けられていた。

 

 己が元に来い。

 

 そう命じられたから行くしかない。

 

 レイネは抗えなかったのだ。

 

 故に今は従順に足を運ばせる他になかった。

 

 そうして憂鬱をその美しい碧眼に浮かべ、彼女は闘技場の入り口を通過する。

 

 街の中央にあるその巨大な建造物の前には、見回りが常駐している。

 

 その男等二人にも、レイネは身体を見られた。

 

 視線を注がれて、それの行き先は当然、自らの胸と尻であるのにレイネは気付く。

 

「おっとレイネじゃないか。いや、今はレイネちゃんの方が正しかったか?」

 

「もしかしてこれからディアルさんの所に行くのか?いいよなぁ、俺もお前と一回ヤッてみたいぜ。なぁ?」

 

 顔見知りからの声掛け。

 

 だがそれは大変レイネの自尊心を傷付ける言動だった。

 

 だが羞恥に頬をまるで林檎の様に染めるばかりのレイネといえば、萎縮するばかり。

 

「うぅ、見ないでください」

 

「へぇ、言葉遣いまで強制されてるってマジだったんだな。俺、リーゼちゃんに指導されてるの前に見たぜ」

 

「ああ、俺も服屋でこいつがエルルちゃんとも一緒に居るの見た」

 

 そんなレイネの無様な姿を他所に、見張りの兵二人は至極上機嫌に囃し立てた。

 

 どうやら暇を持て余していた様子だ。

 

 退屈から逃れるべくして刺激に飢えた彼らは止まらない。

 

「良いだろう?レイネよ。前だって剣を教えてやったじゃねぇか。少しくらい会話に付き合ってくれよ。なんなら後で酒でも奢るから構わんよなぁ?」

 

「ああ、そうだぜ。俺等がお前に剣を教えていなかったら、今頃どうなっていたかわからんって話だ」

 

「あ、え、でも、わたしはディアル様の所に行かなくちゃ」

 

「そんなん大丈夫だろ?だってあいつは今頃リーゼちゃんとエルルちゃんにご奉仕されている最中だろうさ」

 

「そうそう、あいつだけ独占して俺等も気にくわねぇと前々から思ってたんだ。お前もそうだろう?なぁ?レイネ」

 

 男二人の妙にギラついた眼光がレイネを捉える。

 

 相変わらずその視線はレイネを見据えており、まるで這い回るかの如く、眼差しは乳や尻たぶに向けられていた。

 

 と、その様に闘技場の入り口で立ち往生しているのも束の間の事。

 

 唐突にレイネの正面を塞いでいた扉が内側から開閉され、中から一人の少女が姿をこの場へと現した。

 

「騒々しいから何かと思ってきてみれば呆れた。はぁ‥。ちょっとレイネ、アンタってば呼び出してからいつまで掛かってんのよ。良い加減に早く来なさいな」

 

 そして突然そう捲し立てたかと思えば次の瞬間には見張りの兵二人を押し除けてレイネの手を掴む少女。

 

「あっ、リーゼ様ごめんなさい。い、痛いので引っ張らないでくださいっ」

 

「うるっさいわねっ。こうでもしないとアンタはただでさえ押しに弱いんだから、その辺の男に引っ掛けられて、一生辿り着けないわよっ。良い?男はみんなケダモノなのわかった?」

 

 有無を言わせぬ物言いで、リーゼと呼ばれたその少女は、横目に男兵士二人を睨みつけて、そのままレイネを闘技場の中へと連れ込んだ。

 

「おお、怖い怖い」

 

「はいはい。俺たちゃ引っ込んどきますよ」

 

「当たり前よ。アンタ達みたいなのが、ディアルの女に話し掛けて言い訳ないじゃない」

 

 更には、嵐の様に訪れて、そしてまるで挑発するかの様にして、辛辣な言葉を言い置き、この場からレイネと共にリーゼは足早に歩みを進ませて行った。

 

「随分と良いご身分だな。だが所詮はそれも虎の意を借りる狐だ。調子に乗るなよ」

 

「おうおう傲慢だねー。七光様も伊達ではない所見せてほしいぜ」

 

 これに対して二人の男は、両者特段激高まではしないものの、諦観混じりの負け惜しみの言葉だけは背中越しに向けて送っていた。

 

 しかしその揶揄う様な侮辱に対し、肩口に一度だけ振り返るリーゼは、微塵も臆せずに言う。

 

「ディアルに言っとくわね。アンタ達がレイネに手を付けようとしてたって事。良かったわね。わたしみたいな七光なんかじゃなくて、本物の頂点が見られるかもしれないんだもの。見ものだわ。せいぜい首を洗って待ってなさいな」

 

 容赦なく、可愛らしいその薄桃色の唇から放たれた捨て台詞はしかし、兵士を閉口させるにはなんら申し分無かった。

 

 そして、リーゼとレイネは、カツカツと甲高いヒールの音を鳴らし、闘技場の廊下を歩む。

 

「アンタ大丈夫だった?あいつ等に何もされてない?」

 

「あ、はい。わたしはただ揶揄われていただけです。あそこまで言わなくても‥」

 

「バカね。ばか。ああいう男ってのは、ああでも言わないと身の程っていうのがわからないのよ。勿論わたしだってもしもあいつ等がディアルみたいに強かったら何も言わないわよ。でもね、雑魚の癖にさっきのあのバカどもは、確かにディアルの女であるアンタを口説こうとしてたのよ。ご飯に誘われたでしょ?」

 

 闘技場の入り口を後として、やり取りを交わす少女二人は、互いに手を繋ぎ、このリーゼという少女に対して一方的にレイネは、居心地を悪いと感じていた。

 

 何故ならリーゼという少女は、相手との距離が近い。

 

 その為、この状況は、以前まで健全な思春期の少年だったレイネにとって、気後れしても不自然ではなかった。

 

 むしろ致し方無いのではなかろうか。

 

「で、でもあれは流石に冗談で‥」

 

「はぁ?ばっかじゃ無いの?アンタはあの男共に狙われてたの。そんな事もわからないのって、あ、そっか、そういえばアンタって元は男だったんだっけ?ごめん、あんまりにも印象薄すぎてつい忘れそうになっちゃう」

 

 それ程までに現在のレイネは、姿を変貌させていた。

 

 以前の少年だった頃の身体は最早見る影もない。

 

 今あるのは、美麗な男好きのする顔立ちと肉付きの良い男受けのする豊満な乳肉と臀部である。

 

「全く。アンタってば胸と尻はあるのよねぇ。バカで教養も無いのに‥。ホント腹が立つわね。役に立たない脂肪の癖に生意気よね。少しくらいこのわたしにもわけなさいよっ。このこのぉ〜」

 

「あっんっ❤️リーゼ様っ❤️人が見てますからっ、やめてくださいっ❤️」

 

 それを見て取り、リーゼは悪戯っぽく笑みを浮かべると、レイネの乳房をぐにぃ❤️と容赦なく揉みしだいた。

 

 それはまるで猫がじゃれつくかの様な振る舞いだった。

 

「いいでしょ少しくらい。これからわたしともどもディアルに可愛がられるんだから、スキンシップよスキンシップ」

 

 その赤い燃えるような髪に反せず、苛烈なリーゼの性格は、時としてレイネをこの様に弄ぶのだ。

 

 少年の頃は異性に縁がなかったレイネだが、女に変じてからは、妙にディアルの取り巻きとの接点が増えた。

 

 否、それも当然だとレイネは思う。

 

 何故ならディアルの侍らせている女等は皆同様に仲が良い。

 

 その中でもレイネは彼女達から特段可愛がられていた。

 

 恐らくは妹分か何かだと思っているに相違ない。

 

「それにしてもアンタ、漸くわたしって言える様になったのね。もう本当大変だったわよ。最初の頃なんて、まだ自分の事男だって勘違いしていたんだもの。もう、アンタみたいな奴、女になって正解だったわよ」

 

 そう言って、リーゼはレイネの僅かながらに固くなった乳首を指先で摘む。

 

 そしてコリコリと指の腹で転がしてはその感触に対して口端を愉快げに釣り上げる。

 

「あら、レイネちゃん興奮して乳首勃起してない?アンタもしかして罵られて興奮したの?そういう所ホント情けないわよね」

 

 揶揄いと共に艶やかな笑みを露わとしたリーゼはそのままレイネのデカ乳の先端を摘んで歩む。

 

「んんッ❤️ダメですリーゼ様ッ❤️痛いですっ❤️」

 

「そんな事言って、アンタますます息荒くなってるわよ。ていうか、もうすぐそこだし、ほらここよ。入りなさい」

 

 次いでこの場においては一等豪華な誂えの部屋の前にまで歩みを進ませると、リーゼはレイネを連れて、ノックすらも無く、扉をなん等躊躇せずに開いた。

 

「連れてきたわよディアル。アンタが望んでいたレイネちゃん」

 

「そうか、随分と遅かったが、何かあったのか?」

 

「いいえ、ただこの子がナンパされてたから、このわたしが直々に連れてきてあげたって訳。感謝しなさいよね」

 

「ああ。理解した。幾ら欲しい?」

 

 軽快なやり取りで、リーゼは入室と同時に佇む長身の大男へと話し掛けている。

 

「相変わらず覇者様は気前が良いわね。けど今回は、お金は別に要らないけれど、でも、違うモノが欲しいの」

 

「それは?」

 

 愚問。

 

 特段改めるまでも無く、リーゼはレイネと共にその男、ディアルの前へと歩み出た。

 

「この子と一緒にわたしにアンタの‥んんっ、これ以上言わなくても分かるでしょ?というか分かりなさいな。初心な乙女の口から何言わせようとしてるのよ」

 

「わ、わたしはっ」

 

 するとここで、これから自らが子種を受ける事への忌避感と抵抗を覚えたレイネが声を挙げた。

 

 けれどそれは─

 

「今更嫌だなんて言わないでしょうね、レイネ。散々ディアルにあんなに調教されたのに、まだ男の子としてのプライドがあるとでも言うのかしら?お笑い草ね。わたしから見てもアンタは男に媚びるだけのただの女よ。だからこうして力でもわたしに敵わないでしょう?」

 

 そう言って、レイネの背後に回るリーゼ。

 

 それなりの身のこなしにも、今のレイネでは捉え切れない。

 

 だからされるがままに次の瞬間には上着をはだけさせられていた。

 

 リーゼの手が力任せにレイネの豊満な乳肉を鷲掴み、それを真正面のディアルへと見せつけた。

 

「あんっ❤️リーゼ様本当にやめっ❤️」

 

「あら、口ではそんな事言って、乳首固くなってる癖に❤️ホントはディアルに無様な自分の姿見られてるのに興奮してるんでしょ?わたしには嘘ついても無駄よ。アンタともそれなりに長い付き合いだし、なんでもわかっちゃうんだから❤️」

 

 それは言葉通りの意味であり、レイネは少年であった時分、つまりはディアルとの決闘に敗北を期す以前の頃、リーゼに告白をした事があった。

 

 だが、それも虚しく一蹴されてしまった過去がある。

 

 無惨にも手痛く罵倒と共に断りを受けた苦い記憶がレイネの脳裏へと想起された。

 

「うみゅっ❤️」

 

 と、そこまで思考を巡らせたと同時に、リーゼは傍らの寝台へとレイネの顔を押し付けた。

 

 これに伴い、上半身を傾けたレイネのデカ尻は、自ずと丈の短いスカートの奥から露出された。

 

 身に付けていた黒色の下着に包まれた柔らかな臀部が露わとなったのだ。

 

 真っ白い柔らかな尻肉を前にリーゼはその髪色同様に、紅の瞳に妖しい光を浮かべた。

 

「ほんっと無駄にデカいわよねっ」

 

 そう言って、彼女はレイネの下品な程にむっちりとしたデカケツを勢いよく手のひらで、ぱぁん❤️と打ち張った。

 

「あッ❤️うぅぅ❤️やっ❤️」

 

 すると色白い初雪の如きレイネの尻肉へと、リーゼの手形に誂えられた紅色が彩られた。

 

 跡を残した部分からじんわりと広がる僅かながらの痛みにも増して、これと共にそれを遥かに上回る快楽がレイネの脳髄を焼く。

 

「ほらっ、アンタはマゾなんだからっ❤️ホント仕方のないやつだわっ❤️さっさとおねだりしなさいよねっ❤️」

 

 これに対して残虐に加虐心を煽られたリーゼの手が振りかぶられる。

 

 合わせて彼女のツインテールに結んだ紅色の長髪の毛先が揺れた。

 

 ぱちんっ❤️ぱちんっ❤️ぱちんっ❤️と無様にもレイネは自らの尻肉を叩かれるのを甘受する。

 

 これにより生じた快感が、更なる倒錯的な興奮を彼女へともたらせる。

 

「このマゾ豚っ❤️前までこのわたしにへこへこ腰振って告白してきたクソガキだった癖に、こんな下品なお尻とおっぱいぶら下げて恥ずかしく無いのっ❤️」

 

 挙句、被虐の悦びを与える側のリーゼとて、レイネのあまりに女性的な身体を前として、否が応にも其処に喜悦を見出した。

 

「おあいにく様。残念だったわよねっ❤️アンタが告白する前からわたしはディアルに抱かれてたんだからっ❤️」

 

 そう高らかに大仰な程に宣言したリーゼは、うつ伏せに寝台へと身体を横たえるレイネの頭を押さえ付け。

 

 其処からそのレイネの背中の上へと跨った。

 

 マウントポジションを確保したリーゼは、肩越しに後ろを振り向き言い放つ。

 

「ディアルっ、早くレイネを犯しなさいよっ❤️その次はわたしなんだからねっ❤️」

 

 言葉と同時、彼女はレイネの黒色のtバックをずらし、ツルツルとした無毛の秘部を露出させた。

 

 これもリーゼの指導のお陰であり、彼女がレイネの陰毛を手ずから剃っていたのである。

 

 そしてこれに加え、僅かながらにもりあがったレイネの陰部は、くっきりと浮き出てその存在を主張する土手マンであった。

 

 それを見越して、敢えてリーゼはレイネの身体をより視覚的に淫靡にするべくして、誂えていたのである。

 

「言われずとも、俺とて限界だ」

 

 その様なリーゼがレイネを一方的に弄ぶ光景を目の当たりとして、この場に居合わせているディアルも同様に、その剛直の鎌首をもたげていた。

 

 やはり彼は鍛え上げられた屈強な肉体に見合うだけの一物を誇っていた。

 

 それは岩の如き筋肉に覆われた肉体と同様に倣い、長大な代物であった。

 

 その巨大な男根を彼は露出させ、レイネのかかげられた尻肉へと向けた。

 

 そしてディアルの無骨な指先がレイネのデカ尻をむにぃ❤️と鷲掴み、陰茎を猛らせた。

 

 構えられた猛々しいまでの剛直は、依然としてリーゼに押さえつけられたままのレイネの秘部へと押し当てられていた。

 

 数々の雌を貫いてきたのだろう。

 

 傍目に見てもその様な感慨を否が応にも抱かざるを得ないまでに赤黒い亀頭が、淡い桃色のレイネの貞操を犯した。

 

 

 

 

*

 

 色白い生のデカ乳がぶるんっ❤️ぶるんっ❤️と揺れる。

 

 同様にむっちりとしたレイネの尻肉とてぱぁんっ❤️と甲高い音を立てて、ディアルの掌で打ち据えられた。

 

 大きな無骨の手形が、紅色をデカ尻へと勢い良く跡を残す。

 

 たぽたぽと弾む長乳は、レイネが身体をのけぞらせる度に柔らかく、虚空へと弧を描く。

 

「おぉッ❤️おおっ❤️んんっ❤️ディアルっ❤️さまっ❤️だめっ❤️ダメですっ❤️」

 

 その間にもレイネの膣奥を抉る雄の剛直は、子宮口をゴツゴツと力強く叩き続けた。

 

「良かったわねレイネ。ディアルに目を掛けて貰えて。アタシはアンタの幼馴染だから分かるけど、馬鹿みたいに決闘でも挑んでなかったら、こうして躾けを受ける事も叶わなかったのよ❤️」

 

 その様に尻肉に対してたぱんっ❤️たぱんっ❤️と腰を打ちつけられるレイネを上から依然として抑え付けたままにリーゼは言う。

 

「光栄じゃない。覇者様の三人目の妻だなんて。しかもエルル、そうあの子にも好かれている様だし、どうせこうなる運命だったんだから。アンタみたいなマゾ女、男に媚を売る以外何が出来るっていうの?今もディアルに虐められて興奮してるんでしょ❤️アタシには分かるんだからっ❤️」

 

 そしてレイネの尊厳を辱める言葉と同時、再びリーゼの手が振り上げられる。

 

 ディアルの男根が、レイネの膣口へと押し込まれると共に、リーゼの手のひらが尻肉を叩く。

 

「リーゼさまっ❤️おしり叩いちゃだめっ❤️ですっ❤️ああっ❤️んんっ❤️」

 

 ぱちんっ❤️とレイネのむっちりとした色白の臀部はしかし、もう既に観る影もなく、手柄状の紅に彩られている。

 

 そのデカ尻の脂肪は大きく弛むと共に波打ち、弾力的にディアルとリーゼの視覚を不本意ながら楽しませた。

 

 喜悦を受けてリーゼの容赦の無い物言いは止まらない。

 

「ねぇ、レイネ今どんな気持ちでディアルに気持ちよくしてもらっているのかしら?確か決闘で勝てばアタシを取り戻せるだなんて、よく分からない事を以前に言っていたわね?」

 

 彼女の口端は吊り上がり、その美貌に酷薄な笑みが露わとなる。

 

 髪色同様に宝石の如く美しい艶やかな瞳に残虐な色が垣間見えた。

 

 虹彩に煌めきが宿り、レイネに対するさらなる侮辱が言い放たれる。

 

「あっはぁ❤️本当に愚かにも程があるよね❤️いいえ、身の程知らずとでも言ったほうがいいのかもしれないわね❤️まぁどちらもそう変わらないけれど‥。いいかしら?アタシは、誰かに強制されたつもりもないし、自ら望んで強い雄に抱かれたの。弱い男なんて好みじゃないし、ハナから眼中にも無いんだからっ❤️だからレイネ、アンタなんて全然タイプじゃなかったんだからねっ❤️」

 

 濁流の如く心中を想いのままに吐露したリーゼは、自らのその倒錯的な衝動に喜悦を見出している。

 

 無論それを受けるレイネとて、ケツ肉をぶるんっ❤️ぶるんっ❤️と震わせて、自身の興奮がより一層高められるのを自覚した。

 

「そこまでにしておけリーゼ。あまりそう一方的に言うものではない」

 

 だが、語るリーゼへと横槍を入れたのは、この場へと居合わせている唯一の雄、ディアルその人であった。

 

 誰でも無い闘技場の覇者にして、武力においては世界の頂点に君臨する男が言い放つ。

 

「わかったわよ。相変わらずディアルはレイネに甘いわよね。確かに今のこいつはバカみたいに大きいおっぱいぶら下げて、しかもお尻もだらしらないアンタ好みの女かもしれないけど‥。でもね、喜んでるのよこいつは。好きだった幼馴染を取られた相手に辱めを受けて、挙句愛人にもされたのに。そんなはしたない女の子に対しての振る舞いとしては上等なものじゃ無いからしらアタシのは」

 

 感情を昂らせたリーゼは平素からの一人称をわたしからアタシに変えて、元来の性質を露わとしながらも、どうやらディアルの前ではそれでも自重している様子が窺える。

 

「多分エルルなんて、レイネの事、性の対象としてしか見てないわよ。まぁでも、この子の身体は同性のアタシから見ても凄いと思うし、あの子もそんな感じなんでしょうね。もうおかしな話よね。性転の儀って本当はどういう使い方をするものなわけ?」

 

 そして少なからず落ち着きを漸く取り戻せたリーゼは片手にレイネの尻肉をむにぃ❤️と弄びながら語った。

 

「本来は法を侵した者への去勢へと使われていたと文献には記載されていた」

 

 これにディアルも同様に、レイネの膣口奥を陰茎で抉りながら返答した。

 

 子宮口を叩き続け、これに対してレイネの黄色い喘ぎ声が響き渡る。

 

「あぁっ❤️いっ❤️イキますっ❤️もうっ❤️」

 

「ふーん‥。ってそれも今となっては迷宮入りよね。だってあの魔道具って一回きりだし、何よりこの子を戻す気もないんでしょう?」

 

「ああ、レイネは俺の第三夫人として迎え入れると、王には既に言い含めてある故、近日中には式が執り行われるだろう」

 

「流石は覇者様って所かしらね。手がお早いこと❤️それにアタシの時の衣装もまだ残しているもの。あぁ❤️凄く楽しみだわぁ❤️」

 

 二人が会話を交わして、リーゼは心底から待ち遠しいとでも言わんばかりに喜色にを表情へと露わとする。

 

 自らの紅色のツインテールを指先で弄び、その仕草は彼女が愉悦を得ている証左であった。

 

 その姿を前として、ディアルは苦笑をひらめかせた。

 

 精悍な顔立ちが、リーゼを宥める様にして浮かべられる。

 

「君は以前から変わらないな。相変わらず我が道を征く」

 

「何言ってんのよ。それはアンタでしょーが。アタシは自分の欲望に忠実なだけだもの」

 

 力ある者の、真の正道は己では無いとリーゼはディアルの言葉を一蹴した。

 

 ディアルという名の覇者であり、強者足る雄のおこぼれに預かっているだけに過ぎないのだと。

 

 そう自らリーゼは躊躇いなく言外に伝えた。

 

 その受け答えに対して、ディアルは頷きを返した。

 

「その強かな感性も俺は気に入っている」

 

 そしてそれは言の通り、第一夫人としてディアルがリーゼを選んだ理由のひとつでもある。

 

「それは良かったわね。ええ本当に。アタシもアンタに相応しい妻になれる様に頑張る。それにこれでも一応努力はしているつもりよ」

 

 それ即ちリーゼの語る意味する所の内容は、つまり自らの武を高めるという事だった。

 

 けれどこれを受けて特段ディアルは肯定する事は無かった。

 

 ただ、穏やかな声色で、リーゼに対する返答をした。

 

「いや、君はそのまま変わる必要はないさ。俺は今のままを愛している」

 

 そう、ディアルはリーゼが求めているであろう言葉を紡いで見せた。

 

「そうかしら?見目はともかく、実力は未だに釣り合っていないと思うけれど、認めるのは癪だけれど、確かにアンタの方が上よ。間違いなくアタシよりもディアルは強いもの」

 

「ああ、仮に君の言う通りだったとしても、俺は女性にそれを求めてはいないさ」

 

 業腹ながらも、元来プライドが人一倍高いリーゼが、珍しくもその思いの丈を告白した。

 

 それに対してさして動揺する事も無く、ディアルは淡々と、しかし微塵も揺らがずに受け応える。

 

「そう‥」

 

 それを受けて、リーゼは一つ頷きを返すと共に、自身が未だ馬乗りとなっているうつ伏せのレイネの尻を唐突に思いき切り叩いた。

 

力任せに、そしてネイルでショッキングぴんくに彩られた鮮やかな色の指先が食い込み、レイネの臀部へと爪を立てる。

 

「あッ❤️やっ❤️ダメっ❤️」

 

 ぱちんッ❤️ぱちッ❤️と音が立て続けに響いては聞こえ、リーゼの紅色の瞳がレイネを見下した。

 

「まさか休んでいるわけじゃないわよね?これで終わりなわけないじゃない。良かったわねレイネ。ディアルに女の子に強さを求めていないって言ってもらえて。だってアンタはアタシよりも弱いんだから」

 

 そしてリーゼは勢いのままにレイネの豊満な尻たぶを力強く鷲掴み、ぐにぃ❤️と揉みしだいた。

 

 加えてそれが両手で行われると共に、左右へとレイネの尻たぶの贅肉が押し開かれた。

 

 必然、露わとなるのはレイネの薄桃色のアナル。

 

 次の瞬間には彼女の尻穴が、ディアルの眼下へと無防備に晒されていたのであった。

 

 

*

 

 自らの尻の穴をディアルに曝け出したままに膣を侵されるレイネはそのまま絶頂へと導かれた。

 

「イッグぅぅぅっ❤️イクっ❤️イキます❤️」

 

 無自覚ながらも以前受けた調教の通り、彼女はディアルの男根にその身を貫かれるがままに果てた。

 

 そして子宮口はディアルの男根の亀頭へと甘く吸い付いて、吐精を促す。

 

 同時、弾力的にレイネのむっちりとしたデカ尻は弾み、彼女の身体は仰け反ると共に痙攣した。

 

「んんっ❤️れぇ❤️れろぉ❤️れる❤️れる❤️れる❤️れる❤️べろぉ❤️」

 

 更にその反応を眼下に見下ろして、リーゼはレイネの顎を掴み面を自らの居る方向へと上向かせた。

 

 流れる様な動作で唇を合わせ、リーゼはレイネと舌を絡ませた。

 

 濃厚に唾液を互いに交換し、艶かしい両者の嬌声が溢れる。

 

 次いで追い討ちとばかりにレイネの胎へとディアルの子種が吐き出され、その白濁を身体で受け止める。

 

 子宮を犯すどろりとした熱い本流が肉体の芯を焼き、まるで押し潰すかの如く、ディアルの重たい腰は、レイネの柔らかな尻たぶを圧迫した。

 

 雄の濃厚な吐精を受けて、レイネはそのまま意識を手放し、尻肉を放り出したまま、大きくもう一度だけ痙攣する。

 

 際しては、ちゅぽんっ❤️とリーゼの舌先がレイネの唇から離れ、下品な粘膜の音を立てた。

 

 その光景を見下ろして、リーゼは口端を釣り上げて言う。

 

「もしも赤ちゃんが出来てしまっても大丈夫よ。みんなで育ててあげるんだから」

 

 喜悦に彩られた表情を露わとしたリーゼは、自らが跨っていたレイネの背中から降りて、ディアルへと身を寄せる。

 

 今し方にレイネの膣口から引き抜かれたそのディアルの男根へとリーゼは躊躇いなく舌を這わせた。

 

「次はアタシなんだからねっ❤️」

 

「ああ」

 

 これに対して、ディアルは一度吐精したのにも関わらず、その絶大なる精力からか、再び男根は屹立を示していた。

 

 二人は、寝台へと身を横たえ尻肉を剥き出しとして、更には放り出ているデカ乳もそのままに、膣口からどろりとした子種を垂れているレイネを横目にしている。

 

 だがそれでも尚、意に介する事無く、否、寧ろその光景から喜悦を見出し、更なる興奮の糧として、交尾へと至った。

 

 

 

 *

 

 

 

 夕方に目覚め起床したレイネは、自身の子宮へとディアルの子種の熱い感触を得て、その恥辱に苛まれた。

 

 自分以外、つまりはリーゼとディアルが寝静まった頃合いを見計らい、用意を整えた。

 

 そしてその場にはいてもたってもいられずに、屋外へとその足で赴いていた。

 

 その紅色の手形の跡を残された尻たぶには、当初着ていた下着は無く汚れていた為、代わりにリーゼの履いていた物を着用していた。

 

 これしか無かったのだから致し方無いだろう。

 

 そう自らのへと言い聞かせ、レイネはディアルの囲う女達と同様の制服のままに、リーゼが誂えた衣装で再び外出をしていた。

 

 感傷へと浸るレイネは、ディアルとリーゼから受けた屈辱に俯き、丈の短いスカートの裾を抑えた。

 

 これでは散々に弄ばれた自身の尻たぶが傍目にも見えてしまっている。

 

 ここは闘技場から程近い街中である為、人通りもそれなりに多い。

 

 この国においても栄えある都市であるがゆえに、観光客から様々な人々が道を往来しているのだ。

 

 その観衆の元レイネは自らの揺れるデカ乳を片腕で抑えながら、途方に暮れていた。

 

 何より金色の美しい長髪が傍目にも目立ち、同様に宝石の如き碧眼が男達の視線を惹きつけるのだろう。

 

 男好きのする肉好きの良い豊満な肢体に加え、男受けの良いその端正な顔立ちは、さぞ雄の獣欲を煽るのだろう。

 

 ただ、市中へと出てきたは良いものの元より行く所など無いに等しい。

 

 だが、ディアルの元には流石にもう戻りたいとは思わない。

 

 自身の想い人であるリーゼの懸想する相手に犯されるなど、二度とあってはならないそう心に決めていた。

 

 と、そうしてレイネが自己嫌悪と共に、後悔へと打ちひしがれている最中の事である。

 

 彼女が伏目がちとなり、その艶かしい雰囲気の姿を前として周囲の男の誰かが声を掛けようとしていたのも束の間。

 

 不意に露店商の声が響き渡り賑わいを見せている繁華街へと差し掛かると、与えられる声があった。

 

「なぁ嬢ちゃん、ここいらで上等な店を知っているんだが、一緒にどうだ?」

 

 同様によくある平素通りのナンパだとレイネは思い、そして反射的に断りを入れようと頭を下げて相手を目とした。

 

 そしてその時、彼女はその声の出所の主を前として、驚愕に声を挙げた。

 

「まさか、ジョエル‥?」

 

「おっと何処かで会ったことがあるか?それなら話が早いな。俺を知っているという事は、当然あの不名誉極まりない通り名も知っているんだろう?」

 

 ジョエルと己の名を認める男は、口の端を歪め、心底から愉快そうに振る舞った。

 

「ええ‥狂戦士様ですよね。存じています」

 

「だろうな。不本意だが、如何にも汚名を濯ぐには求められる慈善行為が大き過ぎるぜ。それで?俺と何処で面識を持ったのかね?こう言っちゃあ失礼だが、全く記憶にないぞ」

 

「わたしは‥そうですよね‥。当然です。何せわたしの名はレイネなのですから」

 

「なに?」

 

 自らの名乗りをあげるレイネの言葉に訝しげにジョエルの片眉が上がる。

 

 そして未だに欲望が垣間見える視線がレイネの肌を撫でた。

 

「俺の村にはレイネっつう奴は居た。だがな、あいつは嬢ちゃんみたくこんな良い女なんかじゃぁねえ。男だったはずだ」

 

「ええ。ですから貴方の知るレイネです。わたしは。これを見ればわかるでしょうか?」

 

 そう言い彼女は証明の為、自らの柔乳が納められている服の前部分をはだけさせた。

 

 豊かな上乳がジョエルだけに見える様に示し、突起は見えていない。

 

「この黒子、ここに二つあるのが見えるでしょう?貴方なら知っている筈ですから」

 

「‥確かにあるが、一体どういうこった?お前が仮に本当のレイネだとして何故そんな姿に‥」

 

 何かの冗談かと思っていたジョエルの面持ちは疑念に彩られた。

 

 そして問い掛けを思わずといった塩梅で口走る。

 

「それは良いんです。今はただ貴方にお願いしたい事があるんです」

 

「なんだ?」

 

 対してレイネも同様にその場の再会の勢いからか、当初は抱いてもいなかった事を気が付けば言い放っていた。

 

「わたしを故郷の村まで送り届けて欲しいのです」

 

 そう言ってしまってから、レイネは自らの行動の浅慮に漸く及ぶ。

 

 自身の今の振る舞いは、ディアルに逆らう事に自然となる。

 

 それに思い至った頃には、眼前に佇むジョエルへとレイネの言葉は確かに伝わっていた。

 

 だがレイネの懇願を受けて、ジョエルは再度に渡り疑問を呈す。

 

「深くは聞きはしねぇが、リーゼはいいのか?」

 

「‥っはい‥」

 

 以前共に冒険者で成功しようと約束を交わしたリーゼとの間柄を指摘され、息を呑んだレイネだがしかし、躊躇いながらも首肯した。

 

 一緒に村を飛び出した幼馴染との関係は、当然同郷のジョエルとて知り及んでいる。

 

 故に聞かれてもなんら不自然では無かった。

 

「あの時貴方がわたしに言った事は如何やら正しかったみたいですね‥。不相応だと。リーゼとは不釣り合い、そう身の丈を教えてくれていたのにわたしは‥」

 

「‥いや、俺もあの時は未熟だった。大人気無い事をした。お前に八つ当たりみてぇなことをしたのは謝る」

 

 互いに視線を逸らし、そして気まずい沈黙が訪れる。

 

 不意の静寂であるがしかし、これを打ち破ったのはジョエルであった。

 

「それでお前はリーゼと仲違いをしたってのはわかる。だが、何故そうまでしてあの村に戻りたい?何も無い所じゃぁないか」

 

「構いません。わたしは自分の力量すらも見誤りました。それにもう、リーゼの心はわたしには既に無いでしょうから。ですからあの村にもう一度戻り、自分を再び見つめ直せるだけの機会が欲しいのです」

 

 そうして語ると共に、憂いを帯びた翳りがレイネの美貌へと落ちる。

 

 返答を受けて、ジョエルは顎に手を遣りカストロに整えられた髭を撫で付けた。

 

「そうか‥。わかった。お前がそう決めたのなら俺から口出しする事じゃねぇ」

 

「‥ありがとうございます。報酬はその‥これでも構いませんか?」

 

 そう言って、レイネは自らが身に付けていた金色に輝くピアスと腕輪、そして首飾りを指先で指し示す。

 

 これもディアルから皆与えられた代物であり、全て最高級品である。

 

 価値は言わずもがな、何せ国庫から報酬としてディアルが王から下賜された物であるのをレイネは知っていた。

 

 闘技場の覇者とはそれだけ別格な待遇をその身に国からも受けるのだ。

 

 王直々に言葉を交わすのをレイネは現実にその目で見た事があった。

 

「おいおい、あまりみくびってくれるなよ。俺もお前に負い目がある。だからよ、こう言ってはなんだが、ああこれは俺自身の自己満足だ。そう、罪滅ぼしってやつををさせてはくれねぇか?タダでお前が満足するまで何でも言うことを聞いてやるよ。それでどうだ?」

 

 だが、これを眼前としてもジョエルが口としたのは破格の言葉である。

 

 何故ならばディアルが闘技場の頂きに君臨する者であれば、今もレイネが対面する相手とて冒険者の間では最強と謳われるあのジョエルだ。

 

 彼はディアルをも相手取れるだけの戦士として、一部では囁かれている程。

 

 昨今では遠征に行っていたとかで、その噂はなりを潜めていたが、現在こうしてレイネが前としている相手は、そういう人物だ。

 

 当然レイネは村に居た時分、その驚愕に値する事実を知らなかった。

 

 だが今ならば理解出来る。

 

 目の前に現在対峙するこの男の力量に。

 

 だからこそこうして依頼をしたのだから。

 

 そしてそれは正しい選択だった様だ。

 

 その証左として相手側のジョエルから本来ならばあり得ない譲歩を引き出していた。

 

「‥それは‥ですが‥」

 

 それに対して以前村に居た時分では受けなかったジョエルの振る舞いに困惑を露わとするレイネである。

 

「ほら、今からなら馬車も恐らくは最終だろうぜ。急がねぇと置いてかれちまうぞ」

 

「あ、あの、本当によろしいのですか?」

 

 けれど切羽詰まったレイネのその憂いを払拭する様に、ジョエルは陽気に言った。

 

「ああ、まさか俺もそこまで急だとは思って無かったが‥」

 

「違います。わたしは真剣に聞いているのです。ふざけないでください」

 

 だが意図的に揶揄われていると理解して、レイネは僅かながらに表情を硬くして更に言い放つ。

 

 するとこれに受け答えるジョエルとて同様、冗談めかした口振も失われて真剣な面持ちで首肯した。

 

「ああ、かまわねぇぜ。正直俺はもうお前に謝れねぇと思ってた。それだけが唯一俺の人生においては気掛かりだった。だがこうして何の因果か神さんは巡り合わせを与えてくれた。だからよ、困ってんなら俺を頼ればいい」

 

 そう彼はレイネの手を取り言った。

 

「‥うぅ」

 

 これを受けて、レイネは僅かながらに眦へと涙を浮かべると、艶やかな睫毛を伏せた。

 

 そして決壊した。

 

 この街に来てからというもの、決闘に負けた挙句、想い人の幼馴染を無様に奪われて尊厳すら凌辱の限りを受けた。

 

 恋敵のディアルという名の強者にその貞操を犯されこのままでは存在を貶められるばかりだろうとも自覚していた。

 

 そんな最中にどの様な神の悪戯か、偶然過去の同郷の男との再会である。

 

 村で共に過ごしていたジョエルとは反りが合わなかった時分の記憶は、お世辞にもあまりいい物では無いが、今のレイネには充分にジョエルの優しさは救いとなっていた。

 

 加えて如何してか現在となっては、何故かさしたる反感をジョエルへとレイネは以前程抱かなくなっていた。

 

 一筋の涙を流すレイネは、その情動のままにジョエルに握られた手のままに導かれた。

 

 今夜、レイネはディアルという強者からの闘争を、試みる。

 

 同郷のジョエルという男から受けた過去を今だけは水に流して。

 

 ジョエルの無骨でいて男らしく逞しい手に引かれ、レイネは自ずと歩み出していたのであった。

 

 

*

 

 それに気が付いたのはリーゼとディアル互いにさしたる差も無く、同時であった。

 

 そう、レイネの姿が、一定の時刻になっても見えないのだ。

 

 これはあり得ない事だった。

 

 何故ならば、一日にディアルの気が済むまでは顔を見せる様にあらかじめレイネ本人へと言い含めていたからに他ならない。

 

 その命に逆らうというのはレイネの性格上は考えにくいと彼女の幼馴染であるリーゼはディアルへと語った。

 

 故に同郷の相手を知り及んでいるリーゼは、ある程度レイネの行動に対する推測が付いた。

 

 リーゼは幼馴染であるレイネが女の身体となってから、故郷について妙に語っていたのを思い出した。

 

 其処から自ずと結論を導き出す。

 

 そして逃亡を図ったのだと理解して、ディアルはすぐさま動いたのだ。

 

 リーゼの助言からレイネが帰郷を望んでいるのかもしれないというのが理解出来る。

 

 ならば、この時間に出る馬車を止めればいい。

 

 それだけの実力を当然ながらディアルは有していた。

 

 それらの経緯を経て、己の傍らにリーゼを伴ったディアルは、乗合馬車の元へと足を運ばせていた。

 

 其処で視界の端へと捉えたのは、ディアルと同様の巨漢の隣へと身を置く、外套を深く被った金色の長髪の女性の姿。

 

「ディアル、あれ」

 

「ああ、リーゼの言う通りレイネだろう」

 

 金糸の如き煌めく艶やかな髪の先端が、僅かながらに垣間見えた。

 

 

 それをリーゼも同様見咎めたのか、爪先立ちとなり、ディアルへと耳打ちした。

 

 

 加えてその美しい髪に負けず劣らず目立つのはレイネの身体である。

 

 

 容姿にも増して、特段肉付きの良い豊満な乳房と同様にむっちりとした臀部は外套を羽織って尚も、その布地越しに鮮明に形が露わとなっている。

 

「リーゼ」

 

「うん」

 

 だからこそ、特徴的なレイネは否が応にも同所においては自然、注目を浴びていた。

 

 ディアルはリーゼの名前を呼び、互いに尾行の意を交わし合う。

 

 再度雑踏に紛れて二人は遠目ながらレイネの姿を確かにその瞳に捉えられる場所へと移る。

 

 チラチラと彼女を横目に見る男達の視線が露骨では無いが、その瞳が欲望に彩られているのは言うまでもない。

 

 何より剥き出しとなっている、色白いレイネの太腿は、身にまとうニーソにより一層艶やかな印象を視覚的にも周囲へと与えていた。

 

 次いで、そのレイネが身を置く馬車が、規定の時刻となったのか、動き始めた。

 

 次の瞬間には手綱を操る御者が、馬へと出発を促していた。

 

 これに対して早足に他の馬車へと乗り込んだリーゼとディアルは、そのままの流れでレイネの後を追う。

 

「ディアル、あのレイネの隣に居る男、わたしの村の出身よ。どうしてあそこにいるのかはわたしにはわからないけれど、気を付けて。剣の腕はアンタよりも劣ると思うけれど、あいつの力は異常よ」

 

「ああ、理解した」

 

 二人は馬車から身を乗り出し、前をゆくレイネへと視線で見遣る。

 

「けれど、まさかレイネがジョエルに頼るなんてね。あの子いじめられていたのに、もう本当に無様なものよね」

 

「そうか」

 

 交わす言葉は一方的にリーゼが語るのみであり、ディアルは言葉少なに頷きを示す。

 

 前者の何処か怒りを露わとする様子とは対称的に、後者の片手は腰に吊られている剣帯を撫でる。

 

 急ぎであった為、本来の獲物を持てなかった。

 

 しかし、次いで剣の柄へと添えられたディアルの五指は、流れる様でいて、武器の扱いは確かに一流には相違ない。

 

 それは覇者を冠する異名に違わず、ディアルの実力は伊達では無い証左であった。

 

 と、そこで前方をゆくレイネが乗った馬車はから突如として人影が二人、宙へと身を踊らせた。

 

 まるで身投げの様であるが、片方の巨漢の男の腕が小柄な少女を抱き抱え、地面へと危なげなく着地した。

 

 その身のこなしは、一流と称して差し支えないだろう。

 

「行くぞ」

 

「ええッ」

 

 この光景を眼前に受けて、一つ声を発したディアルとて同様に、リーゼを腕に抱き、馬車から身を投げ出した。

 

 次の瞬間には虚空へと踊るが、先ほどのジョエルと同じく、ディアルも流れる様な動作で地面へと足を付けた。

 

 その振る舞いには微塵の躊躇いも無く、動作の一挙手一投足全てに欠点が見当たらない。

 

 やはり馬脚が生み出す馬車の動く最中に、離脱したのはレイネとジョエルだった。

 

 本来の正道とは逸れて獣が征く道なき道へと二人は姿を消した。

 

 これを追うべくしてリーゼとディアルも駆ける。

 

 だが動き出した彼等の道を阻む様にして、森に中へと足を踏み入れた瞬間に一つの声が与えられた。

 

「少しこの婆の話相手になってはくれんかね?」

 

 声の出所を探る様に、ディアルとリーゼが目を凝らす。

 

 そして、薄暗い鬱蒼とした森林の奥、其処に居たのは一人の老人。

 

 腰の曲げて地面へと杖を付く老婆がディアルとリーゼの眼前へとたちはだかる。

 

「‥そうアンタ‥レイネが言ってた師匠のおばあちゃんね?退いてくれる?」

 

 するとこれを前としてリーゼが苛立ちを露わとする様に言い放つ。

 

「何処までもレイネの味方だって言うなら、素直に言うことを聞いたほうが身のためよ。だってディアルに逆らうってことは─」

 

 ただ、この語りは最後まで続きはしなかった。

 

 唐突に周囲の木々が葉を揺らし、森がざわめきを示した。

 

 そしてこの場における自然、つまりは木々や蔓、草花などが魔術により世界の理を歪ませて、動き出したのだ。

 

 これに加えて、地面の土が人間の手を模した形となり、リーゼとディアルに迫りきた。

 

 だが其処に殺意は無く、故に完全な不意打ちとして、その企みは完膚なきまでに死角を取った。

 

 だが─

 

「‥ほほ、若い者には敵わんのぉ」

 

 次に手札を全て潰され、その首へと剣先を向けられているのは老婆の側であった。

 

 自然の脅威はディアルの瞬時に抜き放たれた剣により寸断され、一切の例外無く地面へと残骸を晒していた。

 

「何故俺の道を阻む?」

 

 構えたままにディアルは疑問を呈す。

 

 これに対して、老婆は至極穏やかな笑みを浮かべて受け答える。

 

「レイネはのぉ、あの子は未だ未熟故、俗世に触れるべきでは無いのじゃ。この国に来て確かに世間を知った。じゃが、ちと村から出るのが早過ぎたのじゃよ」

 

 幾重にも皺が刻まれて、瞑られていた老婆の瞼が開かれる。

 

 そして細められた瞳がディアルを捉えた。

 

「どうかあの子をそっとしておいてやってはくれんかのぉ?」

 

 真剣を突きつけられているにも関わらず老婆の振る舞いは泰然としたままに揺らがない。

 

 その腑に落ちない光景に対して思わずリーゼは口端を歪ませた。

 

「おばあちゃん、今の状況を理解しているのかしら?温厚なディアルに免じて見逃してあげるから早くどっかいきなさいな」

 

 その言葉と同時、ディアルは流れる様な動作で剣身を仕舞い、剣帯へと戻した。

 

 これに伴いリーゼも同様、その場から動き出し、ディアルと共に歩む。

 

 依然として柔和な笑みを浮かべる何処不自然なまでの老婆の傍らをディアルとリーゼは過ぎる。

 

「おまえさん達、少し其処で止まりんさい」

 

 だが未だ尚、老婆から発せられた自身へと与えられる声を受けて、リーゼは怒りを露わとして背後を振り返る。

 

「アタシ達はレイネを追ってるの。わかるかしら?アンタみたいなババアに構ってる暇は無いのよ」

 

 そう捨て置いて、言い残したリーゼは再度に渡り肩越しに老婆を睨み付けて、それからはもう反応を示さなかった。

 

 そうしてレイネの行方を追うべくして、ディアルとリーゼは獣道を征こうと数歩歩みを進ませた。

 

 その時、突如として森の側面を覆う様に切り立つ崖の一部が崩れた。

 

「なッ」

 

 これに驚愕を露わとし、硬直からその場より動けないリーゼを他所に、ディアルはすぐさま迅速に動く。

 

 傍らのリーゼを抱き止め、後方へと後退した。

 

 一足飛びに常人ではあり得ない跳躍を示す。

 

 そしてこれと同じくして、ディアルとリーゼの眼前で瓦解した山は、其処からは連鎖的に崩壊を始めた。

 

 最早これ以上打つ手は無いのだろう。

 

 森を押し潰すかの如く其処に流れる巨大な岩や土砂が、道なき道すら埋めてゆき、既に空間は失われていた。

 

 まるでその場所だけ阻む様に、流れ出た障害物は、人の身の丈など優に超えた所にある。

 

 巨大なそれは其処より先、人の侵入を誰一人として許さない。

 

 どれほどの傑物とて、寄せ付けない、何者をも通さぬ自然の脅威が同所へと降り注いでいた。

 

 其処に現れた存在を前として、リーゼは呆然とした面持ちで言う。

 

「まさか‥」

 

 そして何事かに気付いたかの様にして、背後を振り返ると、既に先ほどまで其処に居た老婆の姿は露と消えていた。

 

「逃したか‥」

 

 その光景を目として、平素から平静を保つディアルの表情が歪む。

 

「‥ディアル、ごめん。アタシが油断してなかったら‥」

 

「いや、恐らく加減されていたのだろう。あの婦人の底は知れなかった。あれより先に行けば、俺とて無事では無かっただろう。故に詮無きこと。あまり悔やむな」

 

 そう、あの崩壊の最中、確かにあの場で駆け抜ければ先に行けたかもしれない。

 

 それだけの身のこなしをディアルには可能である。

 

 だが、いかなる強者とてその肉体は頑健といえど、決して不死では無い。

 

 剣で傷つけられれば出血をし、瓦礫に押し潰されれば死を免れないだろう。

 

 あの瓦礫が降り注ぐ最中、一切の傷一つ無く潜り抜けるなど、さしものディアルとて不可能に相違ない。

 

 故に、今し方にリーゼへと返した言葉もまた慰めでも無く、歴とした事実である。

 

 それに追いをする以上は、万全に越した事は無く、手傷を負った状態で続けるのは悪手極まりない。

 

 それは当然ながらディアルは理解しているが為に、彼は後退の選択を下した。

 

 ただ、かの老婆を逃したのはリーゼを抱いていたのが原因でもある。

 

 手が塞がれていて尚且つ、人一人の重荷と偏った体感では本来の実力が失われるのは自明の理。

 

 しかしそれを口にする必要は無いとディアルは断じていた。

 

「‥ディアル‥まさか、レイネの事諦めるの?」

 

「それこそまさかだ。だが一度立て直さなければならない」

 

 二人は何方とも無く土砂が崩れた同所から踵を返して歩み始めた。

 

 これ以上の追跡を不可能と断じたディアルとリーゼはどうやら、一時街への帰還を目的とした様だ。

 

「ええ、そうね。でも‥長い戦いになりそうね‥」

 

 そんな最中、心底から悔しげに唇を噛み締め、恐らくは先程の老婆を虚空へと未だ幻視しているのであろうリーゼは、忌々しげに苦言を呈す。

 

「ああ」

 

 これに対してその言葉を受けたディアルはといえば、先程表情へと浮かべていた歪みは既に失われていた。

 

 次の瞬間には平素通りの憮然とした面持ちのまま、一歩を踏み出した。

 

 

*

 

 レイネがジョエルと共に逃亡を果たしてから数ヶ月。

 

 港町を越えて、船に揺られ、次に向かうべくは遂に砂漠を踏破した所にある故郷である。

 

 ジョエルとの長い旅路にも、漸く終止符が打たれようとしていた。

 

「うそ‥」

 

 だが、その道半ばに眼前へと現れるのは、砂丘の頂から姿を見せた砂竜。

 

 身に纏う砂塵を振り落とし、道ゆくレイネとジョエルの正面へとたちはだかる。

 

「俺の後ろに隠れてろ」

 

「で、でも」

 

 けれど、巨大な竜種を前としても、レイネの傍らの強者は揺らがない。

 

 その立ち振る舞いには微塵も怯む様子が無く、背に担いでいた大剣をジョエルは抜き放った。

 

 際しては、虚空へと構えられたその人の身の丈程もあろう剣身が空気を裂くいななきを纏い響かせると同時、彼は駆けた。

 

 対して砂竜は迫り来るジョエルへと大口を開き、その息吹を今にも放とうとしていた。

 

 しかし一瞬ジョエルの接敵の方が一歩勝る。

 

 一泊遅れて砂竜は翼をはためかせ、戦士から距離を取ろうとした。

 

 弱肉強食の理において、自然界の強者足る竜種が、一人の人間へと確かな怯えを示した。

 

 それが命取りとなるとも知らずに。

 

 竜のブレスが放たれる前に、さらなる死地への踏み込みを厭わないジョエルは、大剣を薙ぐ。

 

 応じて既に懐へと身を置いていたジョエルの繰り出した大剣の刃が、砂竜の喉元へと軌跡を描く。

 

 そして、受ける砂竜の翼の羽ばたきは次の瞬間には失われた。

 

 そう、何故ならばジョエルの描いた軌道はそのまま阻まれる事も、そして抵抗を許す暇を与えずに、獲物の首を落としたが故に他ならない。

 

 紛れもない竜種の丸太の如く太い首が、人間の手により意図も容易く刈り取られた。

 

 夥しい紅が虚空を濡らし、地面へと跡を残す。

 

 けれど、其処で動きは止まらなかった。

 

 首を切り落とされたのにも関わらず、砂竜は未だ現世へと未練を残している様だ。

 

 掲げられていた前脚が、緩慢なが動きながらジョエルへと向けて落ちてくる。

 

 だが─

 

「終わりだ」

 

 そう誰に言うでも無く引導を渡すジョエルの言葉と共に、彼の大剣の両刃が返す剣身で砂竜の前脚を切り落とす。

 

 最後の悪足掻きは、竜種をも超越するジョエルの手により、目にも止まらぬ早さでこの場へと葬られた。

 

 そして何事も無かったかの様にして、大きく血振りをするジョエルは、大剣を背中へと再び背負うと共に、後ろを振り返る。

 

「行くぞ、レイネ」

 

「は、はいっ」

 

 瞬時に砂竜を一刀の元、切り伏せたジョエルはしかし、その己が偉業を誇るでも無くレイネへと声を掛けた。

 

 これに対して、レイネはあまりに信じ難い光景を目の当たりとした事により、何処か上擦った声色で受け答えた。

 

「どうした?もうすぐでお前が望む目的地につくってのに、締まらねぇ返事だぜ」

 

 その様子を受けて、ジョエルは軽い調子のままに肩をすくめてみせる。

 

 そう、幾度も馬車を乗り継ぎ、最短で漸くここまで辿り着いたのである。

 

 にも関わらず、レイネの反応はあまり芳しく無い。

 

「‥まさかあの竜種をも、あれ程容易く‥。以前より随分と腕を上げられたのですね」

 

 これまでに多少の諍いに巻き込まれたりはしたが、明確なその実力をジョエルは露わとした事が無かった。

 

 だがその一端を今現在初めてレイネに見せ付けたのである。

 

 過去の時分、レイネが未だ村に居た頃に手合わせをしたジョエルはもう少しばかり未熟であった。

 

 そんな思いを抱きレイネは驚愕に瞠目を示してしまっていた。

 

「おいおい‥。いつの話だよ。流石にあれぐらいの芸当は俺だって片手間に出来るぜ」

 

「‥やはりわたしなど比較にもなりませんね。今し方の戦いを見て足元にも及ばないと理解しました。ええ、あなたは上を行き、だと言うのにわたしは‥」

 

 更にジョエルの当然とでも言わんばかりの振る舞いを受けて、レイネは憂いをその美貌へと落とす。

 

 そして気落ちした様に金色の睫毛を伏せた。

 

「‥あー、別にそんなつもりはなかったんだが‥」

 

「いえ‥。良いのです。わたしが至らないのは事実ですから。過去にあなたが言った言葉は確かに正しかった」

 

 そう言って首を振るレイネは気を取り直した様に、再びジョエルの元へと歩み出す。

 

「‥参りましょう。先へと」

 

「おう。と言いたい所だが、今回はここで終いだ。これ以上進むと寝床の用意が間に合わなくなるぜ」

 

 だがその志も虚しく、既に陽光も少なく、つい先程まで中天を示していた日の光も、傾きつつあった。

 

「本当ですね。わかりました。ここまでに致しましょう」

 

「ああ、丁度良い飯も其処にあるしな。久しぶりだぜ砂竜なんてよ。レイネは食った事あるか?」

 

 などと言葉を交わす二人は、一面に砂が広がる同所を一時の休息の場と定めた様であった。

 

 

 

 *

 

 

 

「おっと、存外にイケるよなこれ」

 

「はいっ。凄く美味しいです」

 

 

 と、夜闇に一つの焚き火が煌々と輝く中、ジョエルとレイネは互いに隣り合い、楽しげに会話をしていた。

 

 砂竜はその見た目に反して、上質な脂の乗った霜降り肉をこの場へと提供していた。

 

 常理であれば質素な携帯食を否が応にも免れない中でのそれは、言わずもがな食事を殊更に美味とした。

 

 彩られた料理に舌鼓を打つ二人は、村に居た時分とは対称的なまでの談笑を交わしている。

 

 ただ、以前までであれば互いに一方的な言葉の応酬で殴り合い、或いは本当の暴力に発展していたであろう。

 

 無論その場合、レイネが無様に敗北を期す結果であるのは否めない。

 

 だが、現在に至ってはどうだろうか。

 

 レイネのその身が女であると言うのも影響してか、この旅路の中、一度としてジョエルとの間に諍いは起こらなかった。

 

 寧ろレイネはジョエルからの庇護を受け、その守護に甘んじている程である。

 

 だからこそ前者は後者という因縁がある相手に対して、相応の振る舞いを示していた。

 

 それこそジョエルというレイネ自身の過去に禍根がある男であるが、それも一時水に流していた。

 

「‥」

 

「なんだもういいのか?まだまだ沢山あるってのに、遠慮するこたあないぜ。それとも俺が後を食っちまっていいのか?」

 

 初めは勢いよく食べていたレイネであるが、今の身体は女の身、どうやら以前よりも胃が小さくなっているらしい。

 

 萎縮した食欲からか、食事に手が進まずにいた。

 

「はい‥。既に充分な糧を得る事が出来ました」

 

「なぁ、レイネ。お前、村に居た頃はそんな話し方じゃなかったよな?」

 

 だが、それにも増してジョエルが今気掛かりであったのは、どうやら別の事柄である様だ。

 

「これは‥」

 

 その予期しない問い掛けに対して、受けたレイネは僅かながらの躊躇いを見せたものの、まるで意を決した様に話し始めた。

 

 彼女はジョエルからの善意を一方的に受けている身であるのは自覚していた。

 

 故に、レイネは自らがジョエルに出来る事は可能な限りはその献身を示そうという、殊勝な想いを胸に抱いていた。

 

 そして、重い口を開いたレイネは、幼馴染と共に村から出てからの出来事を嘘偽りなく事実を淡々と話した。

 

 無論、自身の恥辱となるディアルから犯されたという最大の汚点は無自覚に言い淀み、そして最後まで秘匿された。

 

 だが、リーゼをディアルという男に無様にも奪われ、更には自ら決闘を挑んだその末に、敗北を期した事実とて正直にレイネは伝えた。

 

 其処までを耳としてジョエルは嘲笑を浮かべる事も無く、ただ頷きを返して聞いていた。

 

 そして─

 

「もういい。これ以上自分を傷付けるな。すまなかった。安易に俺が踏み込むべきじゃなかった」

 

 そう表情を歪ませてジョエルはレイネの眦からこぼれた涙をその無骨な指先で拭うと共に言った。

 

 既に同所には先程まで其処に存在していた団欒の暖かみは無く、レイネの悲哀のみが場を支配していたのであった。

 

 

*

 

 それから更に数日を経て、村に着こうかという頃合いの事である。

 

 レイネは故郷の手前のその街の宿にジョエルとは部屋を別として宿泊していた。

 

 そして早朝を迎えたレイネは朝食を摂るべく階下へと下る。

 

 起床してから依然として時間が経っていない手前も相まって、その足取りは何処か覚束ない。

 

 自らのだらしなく開かれた胸元にも気付かずに、寝惚け眼のままに、レイネは段を降りる。

 

 その度に衣服へと正しく納められていない豊満な乳房がたゆんたゆんと揺れる。

 

 無論乳首などが見える事はないが、その色白い上乳の存在は、柔らかな弾みを示している。

 

 それを階下の酒場で飲んでいた男達の視線が捉え、否が応にも視線を集わせてしまった。

 

 本来であればこの様な振る舞いは、未だディアルからの追手が掛かる可能性がある以上レイネとしては避けたい所であるが、今の彼女は眠気に苛まれている為に其処までの思考には及ばない。

 

 そして、その階段を下るに当たり、彼女のスカートの中が酒場に居合わせている男達から見えてしまう。

 

 これもまた不可抗力だろう。

 

「おい、あの女は誰だよ?あんな女この宿に居たか?」

 

「いや‥俺も知らんね。恐らく最近入ったやつじゃないか?」

 

「‥にしても、えれぇ別嬪さんじゃねぇか。誰か声掛けて来いよ」

 

 その様な塩梅に、レイネへと眼差しを向ける男達は、言葉を交わす。

 

 むっちりとしたレイネの尻たぶが、むにぃ❤️と足が階段を降る度に柔らかに歪み、そして黒色の下着が尻の穴へと食い込む光景すら場所によっては目にする事が出来るのだ。

 

 故に男達はそれを肴として、酒を酌み交わした。

 

 豊満な臀部が完全にレイネの死角から彼女の意図しない形で露わとなっている事実に、同酒場へと居合わせている男達が皆一様に歓喜した。

 

 それも当然だろう。

 

 何故ならばレイネの顔立ちは至極可愛らしい端正な顔立ちをしている。

 

 この場に集う荒くれ者が触れた事があるのは精々場末の娼婦が関の山だろう。

 

 対してレイネの容姿はまるで御伽噺に出てくる美姫の様な造形だ。

 

 これに反してそんな彼女の肢体は娼婦などよりも余程くびれていて、今すぐにでも揉みしだきたくなるまでに豊満な尻たぶは、男達から見ても垂涎ものであった。

 

「おい、マジであの子とヤレるなら俺は幾らでも金積むぜっ」

 

「おいっ、そう早まるなよ」

 

 その証左として、レイネが依然として階段を緩慢な動作で降りる姿を見て取り、遂に辛抱し切れないとでも言わんばかりの態度で一人の男が吠えた。

 

 それに対してまるで宥める様に傍らの男が声を挙げるが、抜け駆けは許さないという意思表明でもあるのだろう。

 

 嗜める言葉には至極真剣な声色が垣間見えた。

 

 どうやらレイネのその肉付きの良い肉体も去ることながら、彼女の容姿はそれにも増して、男の獣欲を激らせる様であった。

 

「だがよ。俺もそこいらの娼婦だけじゃなくて、あの女みたく、最高の身体を味わってみてぇよ」

 

 それ程までに雄の視線を惹きつけてやまないレイネだからこそ、この場を共にする男達は皆誰もが一様に今し方に発された言葉に心中では賛同した。

 

 一人の男の言葉は、この場に集う男達全員の欲望を代弁して言い放たれた内心の吐露に他ならない。

 

 そうしている間にも、ぶるんっ❤️ぶるんっ❤️とレイネのデカ乳は揺れ、その今にもこぼれ落ちそうなはち切れんばかりの脂肪を必死に着崩れた衣服が納めようと抵抗を示している。

 

 真っ白なデカケツも同様に、下着へと納め切れない、まるで白桃の如き柔肉が、太腿の上に乗って視覚的に男達を虜としていた。

 

「おおっ、やっぱり良いケツしてんなぁ。揉みしだきてぇ」

 

「いや、尻より胸だろ。見てみろよ、あのバカでぇのを。あんな生っ白い乳今まで見たことねぇぞ」

 

 やはりこれを目の当たりとして、階段の死角となる場所から、遂には覗き込む様にして態勢を変える者まで存在していた。

 

 ただ、これとてそう長くは続かない。

 

 当然ながらレイネは最終的には階段を降り終え、階下の酒場まで漸く辿り着くと、これまた先程と同様に緩慢な足取りで付近の席へと腰を落ち着ける。

 

 際しては、黒色の扇状的な下着に包まれた尻肉が柔らかに木製の椅子へと触れて、むにぃ❤️とまるで音を立てんばかりにその形を変じたのである。

 

 これと共に恐らくはその豊満なに過ぎる肉体にサイズが合っていないのだろう。

 

 不釣り合いな下着は必要以上にむっちりとした尻たぶを納めきれずにその贅肉をまろび出させた。

 

 加えてむちぃ❤️と同様に椅子へと置かれた太腿は、しっとりとした色白の肌を周囲へと見せ付けて、その触り心地の良い感触を想起させる。

 

 だが其処には生憎と言うべきか、彼女のみが身を置いており、偶然貸切となった。

 

 無論、これは本来あまり社交的ではない性質のレイネが平素通り、例え寝惚けながらも無意識的に選んだ為である。

 

 けれどもその様な彼女の内心など知る由も無く、これに合わせてレイネへと話し掛けようとでも思い立ったのであろう。

 

 複数の荒くれ者と思しき者達が腰を浮かせ掛けた。

 

 当然彼等からすればレイネの都合など知った事ではなく、今はただこの極上の雌を逃してなるものかとでも言わんばかりの振る舞いだろうか。

 

 と、そんな塩梅に場の空気が熱せられたその時である。

 

 依然として男達の邪な視線に及びがつかない無防備なレイネへと、彼等よりも先んじて与えられる声がある。

 

「おいレイネよぉ。お前さん随分無警戒に過ぎやしないかい?」

 

「‥おはよう御座います」

 

 ジョエルだ。

 

 彼はいつから起きていたのか、既に装備を整えて、平素と同様に背には大剣が背負われている。

 

 しかし席の元まで足を運ばせて、何処か頬を引き攣らせるジョエルは、その視線をレイネの胸元へと向けていた。

 

 けれどもそうして嗜める為、口とした言葉も現在のレイネには届かない。

 

 何故ならば彼女は元来朝が弱い性分であり、この性質だけは正そうにも本人の努力では治らない。

 

 故に言葉少ない挨拶のみを返したレイネは、席へと腰を落ち着けたままで、未だうつらうつらとしていた。

 

 だからだろう。

 

 先程着席した際に、自らのスカートを巻き上げて、不自然に折り目が付いたせいで、尻肉の半分程が露わとなってしまっている事に、レイネは依然として気付けない。

 

 その為彼女のくびれた臀部が、如何にして魅力的であるのかを、鮮明に周囲へと露わとしていた。

 

 本来は極力汚れを目立たせない為に敢えて黒色の下着を履いているレイネは、それがどれだけ男の欲望を誘うのかを未だ正確に理解していなかった。

 

 ただただ先程から襲いくる眠気に支配されない様に抗い続けているのみである。

 

 けれどそんなレイネへと少なからず遠慮した振る舞いでジョエルは言う。

 

「言いづらいんだが、レイネ」

 

「‥はい」

 

 与えられた声に対してレイネの反応はやはり芳しく無く、平素の彼女からは考えられない程に不機嫌な面持ちだ。

 

 旅の疲れも相まって、相当に眠いに違いない。

 

 その為これに対しては特段ジョエルとて不満を抱く事はない。

 

 それはこれまでの長い旅路からレイネのその朝が弱いという特性をよくよく心得ているが為であろう。

 

 既に幾度も朝を迎えた事があるが故に、その程度の配慮には当然ジョエルは及んでいた。

 

 何より彼女は女の身でよくここまで耐えて、旅を続ける事が出来たとすらジョエルは思っていた。

 

 ただ、だからこそレイネの事を想うが為に、彼は嗜めた。

 

「下着見えてるぜ」

 

「‥」

 

 これには一泊の間が二人の間に存在した。

 

 レイネが言われた言葉の意味を正確に咀嚼するには、それ相応の時間を要した。

 

 無論眠気が影響しての事もあるだろう。

 

 しかしながら、その内容も少なからず反映されての事に相違ない。

 

 そして先程までは何処か半眼であったレイネの瞳は、本来のパッチリとした可愛らしい状態へと徐々に見開かれてゆく。

 

 そして漸くジョエルから言い放たれた言葉の意味を理解した様だ。

 

 ガタリと勢いよく音を立てて今し方まで腰を落ち着けていた席から立ち上がる。

 

 そして自らの捲れ上がっているスカートへと手を遣った。

 

「‥うぅ」

 

 其処で彼女自身の指先へと触れたのは尻肉の大半が露わとなってしまう程に丈の短くなった生地の感触に他ならない。

 

 どうやら他に、最初からスカート丈の調整を誤っていたらしい。

 

 寝ている間にウエストに巻いた部分へと巻き込み、自然と今の状態になってしまった様だ。

 

「‥ありがとうございます」

 

「構わんよ。ただ、やたら無防備なのは頂けねぇってだけさ。これ以上人目を引きたくないんだろう?特に男の」

 

 次の瞬間にはレイネの眠気も吹き飛び、そして自ずとジョエルに対する礼を述べていた。

 

 そしてこれに気付いた彼女は、自身の尻たぶへと食い込んでしまっている下着の存在が、周囲へと晒されているのを漸く自覚したのであった。

 

 次いでまるで林檎の如く頬を紅く染めたレイネは、羞恥へと震えると共にその美貌を俯かせた。

 

 ただ、この一連のやりとりを側に見ていた周囲の男達は、今にも視線だけで射殺せそうなまでの瞳を、ジョエルへと注いでいた。

 

 それを受けて、ジョエルは人々からレイネの身を隠す様にして、傍らへと立ち、まるで周囲を威圧するかの如く意識を巡らせた。

 

 その振る舞いは、この雌の所有権はこの己にあるのだとでも言わんばかりに、酷く存在感をこの場へと与えていたのである。

 

 

*

 

「日々の糧に感謝を」

 

「ったくよぉ。相変わらずその堅苦しい言葉遣いが治らねぇな」

 

 酒場での食事を摂るジョエルとレイネ二人は、互いに隣り合い料理に舌鼓を打っていた。

 

 どうやら本日のメニューは質素なスープと、パン。

 

 加えて少しばかりの魚料理とあって、ジョエルは再度の注文の意を女給へと伝えていた。

 

 対してレイネはといえば、元より少食であり、その胃袋の小ささも相まってか、既に凛と済ませた面持ちで両手を合わせて祝詞を唱えていた。

 

 これは特段レイネが礼儀正しいと言うわけでも無く、風習として根付いたあるべき姿である。

 

 故にこれに倣わないジョエルが粗暴というだけの話であった。

 

「大変美味でした」

 

 そう、穏やかな笑みを浮かべて言うレイネは、先程の醜態を払拭するべくして必死だった。

 

 椅子に腰を落ち着けているにも関わらず、これに甘んじる様子はない。

 

 その背筋をピンと伸ばし、胸を張って座る姿は、傍目にも見て大いにメリハリが感じられた。

 

 しかしながら、そんなレイネの思惑とは対称的に、彼女が取った体勢はより一層乳房が強調されていた。

 

 

 故にそのデカ乳は見に纏う彼女の衣服の胸元を下から圧迫し、生地を張り詰めさせているのが、傍目にも見て取れる。

 

 

 大きくレイネの真正面、つまりは前方へと突き出ている柔肉は、相変わらず周囲へと居合わせている男達を虜とした。

 

 

 けれど、同所へと共にしているレイネはその熱気を特段意識する訳でも無く、淡々と自身が思う毅然とした振る舞いを人々へと見せ付けていた。

 

 これに反し、ジョエルは手元へと置かれた卓上の料理へと喰らい付いている。

 

 先程までのレイネの上品な所作とは異なり、酷く野生的な振る舞いだ。

 

 そうして手早くかつ迅速に、食事を終えたジョエルに、レイネはやはりこれまた上品な仕草を示した。

 

 例によって色白い指先で、ジョエルの僅かながらに零したそれこそパン屑一つ一つまで、拾い上げて手元の予め用意されていた紙ナプキンに包み込んだ。

 

 それは食べこぼしとはあまり言えない様な極小さな代物であるのだが、どうやらレイネはそれをも見咎めた様だ。

 

「おいおい‥俺はガキかよ」

 

 これを受けては、さしもの礼儀作法に意を払わないジョエルとて苦笑して見せた。

 

「ふふ‥そうかもしれませんね」

 

 などと、そうして二人は談笑を交わしつつ、朝食の一幕を終えた。

 

 そして食事を終えた所でジョエルとレイネは何方からともなく腰を落ち着けていた席から立ち上がる。

 

 その振る舞いはまるで意を示し合わせた様でいて、これまでの旅路で互いの機微を正確に読み取れるが故に成せる技とでも称するべきだろうか。

 

 次いで二人は出立に向けて酒場の出口へと足を運ばせた所、突如として男達から話しかけられた。

 

「そんな冒険者なんかと一緒に居ないで、俺と遊ぼうぜ?」

 

「そうだ、これから近くの店にでも行こうかって俺ら話してたんだよ。なぁ?」

 

「そうそう、そんな薄汚れたやつじゃなくてさぁ。もっと綺麗なところでお話しない?」

 

 無論声を与えられたのは、レイネ一人。

 

 声の主である男三人組は、まるで出口に立ち塞がるかの様にして、道を阻む。

 

「え?‥あの‥えっと‥」

 

 すると言葉の矛先を向けられたレイネはと言えば、どうして自身とは何の関係も無い男達から話しかけられたのかも分からず困惑を露わとした。

 

 それもそのはず、何故ならば今レイネの眼前を塞ぐ男達の視線は、酷く欲望の色に彩られていた。

 

 レイネの肉付きの良い、衣服の上からでも鮮明に身体の起伏を確認できるその豊満な乳肉と同様にむっちりとした臀部へと彼等は眼差しを向けていたのだ。

 

 これにはレイネも身の危険を感じたのか、自らの身体を庇う様にして、腕で隠す仕草を示す。

 

 その露呈した焦燥を前としてこれに畳み掛ける様に男三人組が言う。

 

「ほら、其処のお前はいらないからあっちいけよ」

 

 一人目は鬱陶しげに只々ジョエルへと視線で見遣る。

 

「どうせ護衛かなんかだろ?これでもくれてやるから這いつくばって惨めに床でも舐めてろ」

 

 二人目は硬貨を懐から取り出すと、それを床へと放り投げた。

 

「冒険者風情がイキがるからこうなるんだぜ?わかったら、さっさとこの場から失せろよ」

 

 三人目は心底から見下す様にして、ジョエルへと反抗的な態度を示す。

 

 そんな彼等はどうやらジョエルという巨漢をその体格から、そのままの印象を言った様だ。

 

 そしてそれは事実であり、彼はこの眼前へと佇む三人の男達をその気になれば赤子の腕を捻る様にして、地に臥せさせる事が出来るのだ。

 

 それこそ片手間に。

 

 だがジョエルは表情のない憮然とした面持ちで言い放つ。

 

「生憎だが、こいつは俺の女なんだ。旅の途中でね。悪いが放っておいてくれないか?」

 

 そうして唐突、ジョエルはレイネの細い肩へと手を回し、己の傍らへと抱き寄せた。

 

 我が物顔でレイネをその鍛え上げられた胸板へと寄せて、勝ち誇る表情を露わとした。

 

 ただ、そう言いながらも、ジョエルの切れ長の瞳には、鋭い眼光が宿り、真正面から三人の男達を見据えていた。

 

 そしてジョエルの堀の深い、強面な顔立ちも相まって、その視線で捉えられた三人組の男は、背筋へと確かな悪寒が走るのを感じていた。

 

 その様に身体を硬直させてその場から動けない三人を前として、ジョエルはそのままレイネを連れ立ち言う。

 

「ではな」

 

「‥ごめんなさい。失礼します」

 

 前者は後者のくびれのある豊満な臀部へと手を置き、むっちりとした尻肉へと我が物顔で触れて、この場からレイネを促した。

 

 同様に彼女もこれに応じて、二人は同所を跡とするべくして動いた。

 

 ジョエルはレイネを抱き寄せたまま、片腕で前方の道を阻む三人組の男を押し除けて、足を運ばせる。

 

 だが─

「ちょっと待てよ」

 

 その三人のうち一人がおもむろにレイネの乳房へと下品な面持ちを露呈して、手を伸ばした。

 

 そして次の瞬間には、レイネへと邪な眼差しを向けていたその男の膝が頽れていた。

 

 地面へと膝を付いた男はまるで身体の制御を失ったかの様にして、床へと倒れ伏す。

 

 そう、ジョエルがまるで流れる様な動きで男の手がレイネへと至るその直前に、動いていた。

 

 目にも止まらぬ速さで繰り出された手刀は首を叩き、絶妙な加減で男を昏倒させたのだ。

 

「行くぞ、レイネ」

 

「‥はい」

 

 無様にも返り討ちとなる男を尻目にレイネは心底から申し訳なさげに深々と頭を下げて、今度こそジョエルの声に応じてこの場を跡とした。

 

 

 

 *

 

 

「先程は助けて頂き、ありがとうございました」

 

 宿屋をから出てすぐさま、レイネが頭を下げてジョエルへと感謝の意を示す。

 

 その表情には手を煩わせた事への罪悪感が、傍目に見ても分かる程に滲み出ていた。

 

 ギュっと白く艶かしい手を握り締め、屈辱に耐えていた。

 

 そして何よりレイネはたかがナンパ如きで守られたのが悔しかった。

 

 本来であれば其処で自身が毅然と断っていればそれで済んだ。

 

 にも関わらず、急に話しかけられた手前も相まって怖気付いてしまったのだ。

 

 その為元来社交性があるとは言えないレイネは、自らの至らなさに羞恥を覚えていたのである。

 

「いや、あれくらいどうってこたぁねぇ。それより大丈夫か?」

 

 ただ、そんな彼女の心中を気遣ってか、ジョエルは獰猛に笑みを浮かべてみせた。

 

 そして言葉通り、ジョエルのような強者からしてみれば、あの三人組の男など取るに足らない相手であったのもまた事実。

 

 故にさしたる労力も掛けずに男を気絶させる事が出来た。

 

「‥な、なにがですか?」

 

「そりゃぁ、そんだけ震えてれば、流石になぁ?」

 

 だが、寧ろジョエルは先程に眠らせた男よりもレイネに対する気掛かりがあった。

 

 どうやら男に苦手意識があるのか、レイネは肩を震わせて自らの腕を庇う様にした体勢を見せている。

 

 この振る舞いは女性特有のもので、自らの身体を守る為の素振りである。

 

「お気遣い頂きありがとうございます。ですがわたしは大丈夫です」

 

「なら、いいんだが‥」

 

 とはいえレイネとて自らの弱みは無闇に晒さない。

 

 彼女はまるで強がる様に凛とした振る舞いを示し、淡々とした言葉で返した。

 

 その為、これ以上の詮索は不要と断じたジョエルも特段言及するでもなく頷いた。

 

「それにもうすぐで村に付きます。本当に今まで、何とお礼を言っていいか。感謝してもしきれません」

 

「最初に言っただろ。これは俺自身の為だと。礼は不要だ」

 

 そしてレイネは話題を変えるべくして目的地への道のりについて語る。

 

 これに応じてジョエルも同様に、平素通りの軽い調子で受け答える。

 

 そうして二人は言葉を交わしながら、遂に最後となるであろう故郷の村への旅路へと赴いたのであった。

 

 

*

 

 目的の地となる故郷の村には、最早一日と経たずに到着した。

 

 少なく無い苦難のあった長旅を乗り越えたレイネは、ジョエルと共に現在はとある家の中で寛いでいた。

 

 そう、レイネは自らを父と母、そして兄弟へと例によって黒子の位置で己が正体を証明した。

 

その立ち振る舞いはまるで、口で説明するよりもまずは論より証拠とでも言わんばかり。

 

意を決した様にして、決意も露わに殊勝な心掛けである。

 

それ程までに家族から自身が受け入れられるかの不安と焦燥が大きかったのだろう。

 

 そうして先に提示して見せたのである。

 

 胸をはだけさせその豊満な乳房には驚かれてしまったが、其処にごく小さなしかし同時に二つの黒子を見て取り、漸くレイネの家族は彼女の存在を認めた様だ

 

 そして彼女からジョエルとの旅路の話を聞き及んだ家族が、もてなしをしたいとの事であった為、レイネとジョエルは現在、ささやかな祝いの席に身を置いていた。

 

「もう、母さんったら‥大袈裟なんです。ごめんなさい」

 

 そう言ったのはレイネであり、今机を挟み真正面の席へと腰を落ち着けるジョエルへと申し訳なさげな様子を示した。

 

「いや、こういうのは俺も嫌いじゃ無い。有難いくらいさ」

 

 そんなレイネの気遣わしげな視線に対して相変わらず気軽い調子で受け答えるジョエルは、安心させる様に笑みを浮かべてみせた。

 

 と、その様な何処か親しげな二人の会話を耳として、一人の少年、つまりはレイネの弟は言った。

 

「に、にいちゃん‥。そいつって‥」

 

 この呟きに対して、料理を作っていたレイネの母が反応した。

 

「エリック。お客様に失礼よ。ジョエルさんって呼びなさい」

 

「‥」

 

 だが自らの母からの言にエリックと呼ばれた少年は、どうやら従う気がないらしい。

 

 まるで睨みつけるかの様に、レイネと談笑を交わすジョエルを見据えていた。

 

「もう‥どうしたんですかエリック。何かあったの?」

 

 ただ、その反抗的な態度も椅子から降りて、目の前にレイネが屈んだ事により何処かへと霧散してしまう。

 

 それもそのはず、レイネは覗き込む様にして自らの弟を前屈みとなり見つめている。

 

 その為必然的に彼女の豊満な乳肉は前方へと押し出され、更には美しい顔すらエリックに近付いていた。

 

 だからだろうか。

 

 エリックは気圧された様に、一歩仰け反りながらも言う。

 

「母さんは嫌じゃ無いのかよ。兄ちゃんがこんな姿になって」

 

 その言葉は嫌に大きくこの場へと響いては聞こえ、レイネはその意味する所を考えて首を傾げた。

 

 これに対して受け答えたのは、今も食材を調理しているレイネの母である。

 

「わたしは構わないわよ。どんな形であれレイネが無事に帰ってきてくれたんだもの。それに、ただ女の子になったていうだけじゃないの。こんなに可愛いくなって、きっと良いお嫁さんになれるわ」

 

 穏やかな声色で、諭す様に語る彼女は、横目にレイネとエリックを暖かみのある眼差しで見ていた。

 

「後、エリック。今のレイネはお兄ちゃんでは無く、お姉ちゃんでしょう?」

 

 トントンと断続的に芋類などを切り刻み、そして妙に心地の良い音を立てながら、母は言い放つ。

 

 これを受けてエリックは閉口し、何も言い返す事が出来ない様だ。

 

 故にその暇を縫う様にして、レイネは言葉を繋ぐ。

 

「だから、大袈裟なんですよ母さんは。それに、旅の間ジョエルに居てもらったんですから、危険も何もありません」

 

 そう彼女は言い切ると共に、再び自らの弟へと向き直る。

 

 そしてレイネはおもむろにエリックを抱き締めた。

 

 唐突なその行動に対してエリックはされるがままに身体を密着させる事になった。

 

「でも、ありがとうございます。エリック。わたしを心配してくれたんですよね?とても嬉しいです」

 

 言葉と共にレイネは、細く白魚の様に美しい指先でエリックの頭を撫でた。

 

 そして自身と同様の金色の髪を撫でながらレイネは弟のエリックの身長に驚愕した。

 

「エリック。貴方随分背が高くなりましたね。もう少しでわたしを超えてしまいます」

 

 その内心を吐露し、レイネは慈愛の感じられる優しげな手付きで自らの弟をその胸に抱く。

 

 

 声色も同様に透き通る、しかしながら砂糖をたっぷりと入れたミルクの様に甘い声でレイネはエリックを褒め称えた。

 

 

 その仕草は赤子をあやす様でもあり、身体全体を密着させて、久方ぶりの家族との触れ合いに興じている様子だった。

 

「‥」

 

 これにはエリックとて特段反抗を示す訳でも無く、彼は己に触れるその柔らかなレイネの身体の感触に対して、心を乱されていた。

 

 豊満な乳房から漂う、汗の入り混じった甘ったるいレイネの体臭は、エリックの獣欲を大いに誘惑する。

 

 幼いが故に、未だ女性経験が無い為レイネの無防備な振る舞いは、エリックにとって大変興奮を与えるものであった。

 

「ふふ‥。やっぱりまだ恥ずかしがり屋さんなんですか?なんだか震えていますよ?」

 

 ただ、その情動を耐えるエリックに対して何を勘違いしたのか、レイネはまるで聖母の如き笑みを浮かべながら、依然として優しげな声を与え続けている。

 

「大丈夫ですよ。わたしはこの村に帰ってきたのですから、寂しく無いですよ」

 

 そしてエリックの内心など知る由も無いレイネは、暫くの間家族と離れていたせいか、その再会に喜びを隠せなかった。

 

 ギュウっと自身の弟を抱き締めて、身体の奥底から湧き上がる暖かな感情に支配されていた。

 

 それは或いは母性と称して差し支えないものかもしれない。

 

 けれどその自覚は未だレイネには芽生えておらず、それを指摘する者とてこの場には居合わせていなかった。

 

 と、その様な大立ち回りを見せたレイネは暫くそうして自らの弟であるエリックを抱きしめたままの体勢であったが、母の呼びかけに応じて漸く身体を離した。

 

「ちょっとレイネちゃん。お料理を手伝って欲しいのだけれど」

 

「あ、うん。わかりました」

 

 そして次の瞬間には踵を返したレイネの柔らかな身体の感触はエリックから失われた。

 

 その場へと取り残されたエリックは、己が今し方にレイネへと抱いた感情から目を逸らす様にして言う。

 

「俺、父さんと兄さん迎えに行ってくる」

 

 そう誰に言うでもなく呟いたエリックは返事を待たずに家の扉を押し開き、出て行ってしまった。

 

 どうやらもてなしの為に、獲物の肉を手に入れるべくして狩りへと出向いた父と兄の様子を見に行った様だ。

 

「どうしたのかしらねぇ。あの子は。いつもはもっと元気いっぱいなのに‥。もしかしてレイネちゃんが女の子になって緊張しているとか?久しぶりだものねぇ」

 

 その平素とは異なり何処か硬い振る舞いが目立つ自身の息子の姿に対し、母の声がこの場へともたらされた。

 

 確かに彼女の言の通り、兄弟男三人で以前まで暮らしていたのだ。

 

 其処に父と母を含めて女はただ母親一人のみ。

 

 ならば当然異性への免疫が無くても然程不自然では無い。

 

 寧ろ同所の様な田舎では触れ合う機会自体があまり無ければ、例え相手が家族のレイネであったとしても、尻込みしてしまうに相違ない。

 

「母さんってば‥。変な事を言ってないで、口ばかりよりも、手もちゃんと動かしてください」

 

 ただ、それを正確に理解していないレイネは、そこまでの考えには思い至らずに、自らの弟の心情には及びがつかなかった。

 

 故に、可愛らしくも頬を膨らませたレイネは、不服そうに自らの母を窘めた。

 

「はいはい。わかってるわよ。もうレイネちゃんってば張り切っちゃって」

 

 だがこれに対する母の反応はどこ吹く風といった調子で流されてしまう。

 

「違いますっ。ただわたしは、どうせ作るならもう少し丁寧に‥」

 

 応じるレイネの側は、相手にしていない自らの母へと何処かムッとした様子で、受け答えた。

 

「ふふっ、わかってるわよ。ジョエルさんにお料理食べさせてあげたいのよね。それならわたしも腕によりをかけちゃおうかしらね」

 

 そして紡がれる返答には、やはり揶揄う様な声色が入り混じり、レイネの元へともたらされる。

 

「なっ、違います。母さんの勘違いですっ」

 

 そんな母の羞恥を誘う言葉を受けては、流石に大きく瞳を見開いたレイネだ。

 

 大きく可愛らしい碧眼が自身の母を真正面から見据えた。

 

 しかし見つめられた側といえば、与えられたその視線にも揺らがずに、満面の笑顔を浮かべていたのであった。

 

 

*

 

 家族と共に、食事を経てレイネとジョエルは互いに割り当てられた部屋へと向かった。

 

 その後ろ姿を見て、エリックは悶々とした心中を未だ、振り払えないでいた。

 

 何故ならば先程レイネに抱き締められた際に感じた柔らかな肉体の感触が、依然として脳裏へと反芻されているからに他ならない。

 

 だからこそ彼は、酒を酌み交わす父と兄の姿を横目に、母へと己が私室へと戻る旨を伝え、そそくさと歩みを進ませた。

 

 だが、彼はレイネの部屋の前を通り掛かった際に、その耳で聞いてしまったのだ。

 

 恐らくは閉め忘れたのであろう。

 

 レイネの部屋は僅かながらに扉が開いている。

 

 流石に家の中でもジョエルという他人が身を置いている現在、不用心だと思ったエリックが注意をしようとした丁度その時の事であった。

 

 次の瞬間に耳とされたのは、正真正銘女の甘い嬌声であった。

 

「ああっ❤️んんっ❤️」

 

 一瞬で脳裏へと刻まれるその粘り着く様なドロリとした甘ったるい声色は、昼間レイネに耳元で囁かれた揶揄いとは異なり、身体の芯から獣欲を誘う。

 

 自ずとエリックは衝撃からその場にて己が肉体を硬直させていた。

 

 ただ、その様に呆けているのも束の間、すぐさま続くレイネの声が響いては聞こえてきた。

 

「あっ❤️だめぇ❤️ダメですっ❤️その様な事、わたしはぁ❤️ああっ❤️ジョエルさまぁ❤️イクっ❤️イキますっ❤️」

 

 そうして鮮明にもたらされる己が兄、否、現在はその身を女として変貌させ絶世の美貌となり帰ってきた姉の声に聞き入るエリック。

 

 その内心で彼は今すぐにでも部屋の中を覗きたい衝動へと、その艶かしい欲望を刺激する声が立て続けてに聞こえてくるのも相まって、酷く苛まれていた。

 

 そしてこの激情に突き動かされるがままに、彼は遂に扉の僅かながらに開いた隙間から、その奥へと視線で見遣っていた。

 

 だが、彼の予想とは裏腹に其処にジョエルの姿は無い。

 

 ただレイネのみがその場に居た。

 

 彼女は現在寝台の上で仰向けとなり、下品にもむっちりとした太腿をガニ股に広げ、自らの秘所へとその手を伸ばしていた。

 

「ああっ❤️いけませんっ❤️いやですっ❤️信じていたのにっ❤️」

 

 黒色の扇状的な下着にに包まれた陰部を布地越しに撫で、白魚の如き指先を、濡れている為かその形まで鮮明に浮き出ている膣口へと這い回らせている。

 

 その緩慢であった動きも次第に激しくなり、レイネは身に付けている下着へと大きなシミを作る。

 

 濡れそぼつ股間は大きく虚空へと突き出され、レイネは自らの貞操を捧げる様にして腰を浮かせた。

 

「あんっ❤️おおきいっ❤️すごいっ❤️ああッ❤️イグっ❤️イっグッぅぅぅぅ〜❤️」

 

 ぷしっ❤️ぷしっ❤️と未だ下着を身に付けていながらも、形が鮮明に露わとなっている割れ目から潮を出したレイネはどうやら絶頂へと果てた様である。

 

 実の弟が見ているとも知らず、その美貌を無様にも歪ませて、盛大にベッドの上でイキ散らかしていた。

 

 自慰行為と共にジョエルに犯される妄想でもしているのであろう。

 

 本来であればディアルに貞操を奪われた経験から男を忌避していたレイネであるが、その記憶を糧として自らを愛撫しているのだ。

 

 男好きのする豊満な乳房を放り出し、そのデカケツを乗せて折り畳まれた脚は、柔らかな尻肉をむにぃ❤️と歪ませている。

 

 その淫らな光景を目の当たりにとして、知らず知らずのうちにエリックの剛直は硬くなり、屹立を果たしていた。

 

 しかしながら、衣服の中で熱を持つ己の男根にエリックは意を介さずに、未だレイネの痴態に目を奪われていた。

 

 何故ならば再びレイネは体勢を変えると、はぁはぁ❤️と呼吸も荒く、まるでエリックに対して誘う様に尻を突き出したが故。

 

 それは完膚なきまでに偶然であるが、安産型のそのたっぷりと贅肉の乗った尻たぶを前としては、エリックもこれから視線を離せない。

 

 否が応にも眼差しを釘付けとして、更には己の男根を自ずと扱き出していた。

 

 後ろ姿からでも見えるレイネのその肢体は、それだけ凄まじい、淫らな肉体を誇るのだ。

 

 四つん這いとなり乳肉はベッドへと押し潰されるかのように形をむにぃ❤️と変じている。

 

 それ程までにレイネのデカ乳は、遠目から見ても豊満であった。

 

 しかしそれにも増して美しく目を惹く金色の長髪は、柔らかな尻肉へと後ろ髪がかかっている為、レイネの尻穴を隠していた。

 

 けれどそれにより一層の事エリックの想像を掻き立て、彼の男根はその淫らな光景に膨張を続けている。

 

 対してレイネ自身は未だ覗かれている事実に気が付いた素振りもなく、その自らの贅肉の乗った尻肉を下品に左右へと揺らしていた。

 

 その姿はまるで雄を自ら誘い、そして交尾を懇願する娼婦の様でいて、エリックの心臓の鼓動は更なる高鳴りを示す。

 

 早鐘の如く打ち鳴らされるドクンドクンという音は、まるで脳裏で響いている様でいて、エリックは己が息を詰めている事に漸く気が付いた。

 

 彼はレイネの極上の肢体を前として平静を失っていた。

 

 獣欲に支配され、メスの誘惑に駆られていたのであった。

 

 

 *

 

 

 レイネはその生白いむっちりとしたデカ尻を外気へと晒し、露出にも躊躇わずに自慰へと耽っていた。

 

「ああっ❤️きもちいいっ❤️イクっ❤️イグっ❤️」

 

 女の絶頂は男とは異なりすぐには終わらない。

 

 それを否が応にも理解させられて、彼女は自らの膣へと遂に指先を差し込んでいた。

 

 彼女は自身の故郷へと帰り、そして懐かしい部屋に戻ると同時に強烈な安堵感に誘われた。

 

 そうしてリラックスしているのも束の間の事である。

 

 唐突に自らの胎が疼き出しているのに気が付いた。

 

 未だ誰も寝静まっておらず、壁を隔てたその先に家族も居るというのに、思いがけない情動に苛まれる。

 

 更に突然、甘く切ない感覚を下腹部へと得たレイネは、旅の途中にも幾度となくしてきた無様な行為に躊躇いなく移る。

 

 そうする他に、現在のレイネには選択を許されていなかった。

 

 メスの身体は容易く理性を溶かし、彼女の判断能力をいつだって失わせる。

 

 そう、レイネはジョエルに犯される自らの姿を幾度なく想像し、そして絶頂へと至る。

 

 それを旅路の中でも繰り返してきたのである。

 

 力強く逞しい腕力で頭を押さえ付けられて、後ろから貞操を犯される姿を其処に思い浮かべたレイネは自ら尻を振り、嬌声と共に赦しを乞う。

 

 その様なあまりに惨めな想像を、旅の途中で宿泊してきた宿屋でも幾度となく繰り返した。

 

 だから彼女は毎度寝坊も繰り返し、自身は朝に弱い性質だとジョエルから思われているのを自覚している。

 

 けれどそれは勘違いだ。

 

 自分は規則正しい生活が出来る人間だという自負もレイネにはあった。

 

 だがそれも以前までであり、就寝前の自慰行為を習慣としてからは、イキ果てるまで中々眠れなくなってしまった。

 

 以前男三人組に絡まれた時でさえもそうだ。

 

 レイネは彼等から散々陵辱を受ける想像をし、そしてジョエルからも種付けされる自らを思い浮かべて絶頂を迎えていた。

 

 そして今夜もジョエルの逞しい男根で貫かれ、子種を懇願する自身の無様な姿を脳裏へと思い描き、ベッドの上で潮を撒き散らしていた。

 

「おおッ゛❤️イグッ゛❤️イギますッ❤️イグッ゛❤️イグッ゛❤️」

 

 その様にして獣の様な喘ぎ声を挙げて、自身の弟にその情けの無い姿を見られているとも知らず、レイネはエクスタシーを感じ続けた。

 

 幾度イッても絶頂の波は止まず、その留まらない快楽の果てに、レイネは幾度も身体を痙攣させて、無様にも腰を振っていた。

 

 尻肉を上下に揺らし、虚空へとイキ潮を撒き散らかし、その美貌をベッドへと押し付ける。

 

 四つん這いでガニ股にした太腿をガクガクと震えさせ、ヘコ❤️ヘコ❤️と無様な動きを示していた。

 

 真っ白にシミ一つない美しい背中を天井へと晒し、金糸の如き長髪を振り乱す。

 

 そして遂には尻穴さえも露わとし、プシっ❤️プシっ❤️と噴き出す愛液で、自身が身を置く寝台を汚していた。

 

 半透明な液体が、膣口から噴き出して、虚空へと散らすと共に、次いで木製の床へと跡を残す。

 

 これを放り置くとシミとなってしまう。

 

 それをレイネは旅の途中幾度も経験していた為知り及んでいた筈だが、しかしこの場が自身の部屋とあっては彼女はそれを意に介さない。

 

 はしたなくも無様に絶頂を経たレイネは、その四つん這いの体勢のまま尻肉を突き出して意識を遠のかせる。

 

 気絶までには至らないが、暫くの間放心状態に苛まれる事には相違ない。

 

 安産型の尻たぶを露出したまま晒し、レイネは自らの柔らかな乳肉をむにぃ❤️と寝台へと押し潰すかの様にしたまま、その身体を痙攣させ続けたのであった。

 

 

*

 

 放心状態のまま、相応に時間が経った所でレイネは漸く動き始めた。

 

 絶頂を迎えてから暫く、それまで無様にも自らの肢体を曝け出していた彼女は身を起こした。

 

 それを目の当たりとしてエリックは急いでいつの間にか露出していた男根を衣服に仕舞う。

 

 そして焦燥に支配されるがままに、その場を離れる。

 

 まさか、平素から凛とした振る舞いで、エリックに対して先程は慈愛すら見せたレイネが、あの様な無様な痴態を晒すなど、驚愕にも値した。

 

 だが、レイネの痴態を覗いてしまった罪悪感より増して、エリックは内心に怒りを覚えていた。

 

 その理由は偏に、レイネのその艶かしい唇から言い放たれた人物の名前にあるのだろう。

 

 彼女が自らを慰める際に挙げた者の名はジョエル。

 

 だがレイネのその振る舞いに反して、彼女は幼い頃、ジョエルに虐められていた。

 

 だからこそエリックは義憤に駆られていた。

 

 恐らくレイネは何らかの暴力に支配されてジョエルに逆らえないに違いないのだ。

 

 そう思い込んでいるエリックは、弟である己が助け出さなくてはならない。

 

 故にその様な使命を心中へと抱いていた。

 

 思考を巡らせながら階下へと降る。

 

 先程己が男根を扱いたエリックは、その獣欲を暴発させていた。

 

 その為、彼は湯浴みをするべくして足を運ばせている。

 

 と、最後の階段を踏んだその時である。

 

 思考の海に意識を沈めていたのも束の間。

 

 唐突に背後から声が与えられる。

 

「エリック、もしかして貴方も身体を流しに行くのですか?それなら久しぶりに一緒に入りましょう」

 

 言葉を受けた声の出所へと肩越しに振り返るエリックは、その主を視界へと納めた途端困惑を露わとした。

 

「え、けど‥」

 

「ほら、早く行きましょう」

 

 実の弟だからなのだろう。

 

 エリックに対するレイネの立ち振る舞いは、相手が男とあっても然程緊張が感じられない。

 

 故にその異常なまでに近い距離感に対して、未だ異性に免疫が無いエリックは、幾ら相手がレイネであれど、否は応にも二の足を踏まずにはいられない。

 

 何せレイネの外見は、それ程までに美しい。

 

 中身こそ自身の兄だと理解しているが、視覚へと訴え掛けてくる様な、その存在感を大いに主張している豊満な乳房と臀部はそれだけエリックを動揺させた。

 

 更にレイネが先程自慰行為をしていた手前も相まって、その色白の肌は汗ばみ、甘ったるい匂いをエリックの鼻腔へと届ける。

 

 そのメスの匂いを彼は鋭敏に感じ取り、されるがままに脱衣場へとレイネと共に訪れていた。

 

 だが、レイネの意思に反して其処には先客が居た。

 

「お、すまんな。今上がった所だ。にしても結構良い風呂使ってんじゃねぇか。なぁ?レイネよ」

 

 そう心底から感心した様に、風呂の扉を押し開けて中から出てきたのは、屈強な肉体を晒すジョエルだった。

 

 彼は特段己の身体を隠すでもなく堂々とした振る舞いで、鍛え上げられた筋肉を見せ付けていた。

 

 無論彼にその意図は無いだろうが、これに対してレイネはというと何処か恥ずかしげに、しかしながらチラチラとジョエルの幾重にも割れた腹筋へと視線を注いでいる。

 

「もうっ‥。その様な格好で話し掛けられても困ります‥。いつもあれ程注意をしているのにまた‥」

 

「わりぃわりぃ。そんじゃ俺は部屋にでも行くとするかね」

 

 その様に、次いでジョエルの男根へと視線を落としたレイネは、あまりに巨大な代物に驚愕を経てから嗜めた。

 

 この言葉を受けたジョエルは、けれど何ら意に介した素振りもなく飄々と、その言をいなす。

 

「あ、あの」

 

 ただ、そんな彼へと再び声を与えたレイネは何事かを言いたげにして声を上擦らせる。

 

「ああ?」

 

 これに応じて今し方入れ違いに脱衣場の扉からこの場を跡としようとしていたジョエルが己の肩口に後ろを振り返る。

 

「明日の朝、その‥剣の稽古をしてもらえませんか」

 

 そう続いてレイネが言った言葉に対して一度不意を突かれた面持ちをジョエルは露わとした。

 

 そして瞠目した様に瞳を丸めた後に、最終的には首を縦に振り了承の意を示した。

 

 ただレイネの願いに疑問を抱いたジョエルは訝しげな視線で問う。

 

「俺がお前にか?それは構わないが、何故だ?」

 

「わたしは、強くなりたいんです」

 

 その質問に対して、本心を口としたレイネは毅然とジョエルを見据えていた。

 

 だからだろうか。

 

 レイネの何処か鬼気迫る様子を受けて、ジョエルも其処で漸く思い至る。

 

 恐らくレイネは強くなり自らの手でディアルという件の男からリーゼを取り戻したいのだろう。

 

 そう考えて、ジョエルはさっぱりとした笑みを浮かべて見せた。

 

「わかった。なら旅の直後というのもあるんだ。自分の体調にはできるだけ気を遣え」

 

 レイネの想いに及びがついたジョエルは、これだけを言い残して、後ろ手に片手を挙げて意を示す。

 

 それと共に今度こそ彼はこの場を跡とした。

 

 その彼の後ろ姿を見送り、レイネは緊張を緩める様に息を吐くと言った。

 

「それではエリック。入りましょうか」

 

 と、彼女はすぐさま自身の着ていたスカートと上着を丁寧な所作で脱ぎ始めた。

 

 そして上半身に身につけて下着をもエリックの眼前で取り払うと、まずそれに納められていた柔らかな乳房がたゆん❤️たゆん❤️と中からこぼれ落ちた。

 

 それと同時に色素の薄い桃色の乳首も外気へと晒されて、少しだけその大きさを増した。

 

 次いで尻肉に食い込んだ黒色の下着を露わとしたレイネは、これも特段躊躇う様子も無く片足ずつ脱ぎ捨てていた。

 

 更には当然先程までレイネが自らを慰めていた手前、彼女の下着のクロッチの部分は、比較的に汚れなどが目立たない黒色であるにも関わらず、その湿り気を確かに帯びた生地が確認出来た。

 

 繊維を濡らした下着は、脱衣場に置かれていた籠の中へと丁寧に仕舞われた。

 

 ただ、彼女自身も今更気づいたのだろう。

 

 何処かそそくさとした素振りは、自身の愛液でシミになった下着を弟に出来るだけ見せない様な心がけが感じられた。

 

 それもできるだけ自然にさりげない動作でむわぁ❤️と甘ったるい汗の匂いが蒸れているブラジャーをすぐさま折り畳むと、それを洗濯籠へと投げ入れる。

 

 どうやら自らの裸体を見られるよりも、弟に自慰行為の痕跡を気取られる方が恥ずかしい様だ。

 

 頬を仄かに赤らめたレイネは、自らを見つめているエリックへと不服げに呟いた。

 

「もうっ、エリックも立ってるだけじゃなくて、脱いでください。もしかして照れているのですか?わたし達は兄弟なのですから、恥ずかしがらなくても大丈夫ですよ」

 

「な、んなわけないだろ」

 

 これに対しては言葉を与えられた側も即座に反論を示し、レイネと同様に己が衣服を脱ぎ捨てた。

 

 男であるエリックの脱衣はレイネと比べてそれ程時間を必要とはしなかった。

 

 数秒と掛からずに前者は、幼いにしてはそれなりに筋肉のついた肉体をレイネへと見せ付けた。

 

 ジョエルには及ばないまでも、腹筋は割れていて、全体的に均整の取れているがっしりとした芯のある体型である。

 

 対してレイネは、その足元も覚束ない程に視線を阻む豊満な乳房と、むっちりとした安産型の、身体に媚肉の乗った肉体だ。

 

 それに反して彼女の腹部は程よい脂肪はあるものの、くびれは鮮明に見えている為、女性としては素晴らしいプロポーションの持ち主と称して差し支えないだろう。

 

 メスとして大変媚びた身体付きを誇る。

 

 腹筋こそないが、より一層女性的な魅力を引き上げているのには相違無かった。

 

 ただレイネの昨今の悩みとして、下乳の辺りが未着してしまうが故に、蒸れてしまうのが不快だった。

 

 下半身も同様に、尻たぶが未着する肌の間を洗うのも一苦労であった。

 

 だからこそ、レイネは利便性に富むエリックのオスとして優秀な肉体に羨望の眼差し送る。

 

 そしてレイネは漸く気付いてしまう。

 

 エリックのオスとしての象徴、つまりは男根の部分が鎌首をもたげている事実に。

 

 更にはその剛直が、レイネの以前の身体のモノよりも遥かに巨大であった。

 

 現在のレイネは女体であるが故に、其処にあるのは女性として男根を迎え入れる為の膣口である。

 

 だが、レイネは転換前の肉体で自らがエリックにオスとして劣るという現実を理解させられたのである。

 

「‥なんだよ?」

 

 故に、それを目の当たりとしたレイネの気落ちした素振りはエリックへと露呈された。

 

 これを前に怪訝な面持ちとなるエリックは、レイネの肉付きの良いむっちりとした身体から意識を引き離す様に視線を背けた。

 

「い、いえ。何でもありません」

 

 これと同様にレイネも弟に無様な屈辱を気取られぬ為惨めながらも、一所懸命に取り繕った笑みを浮かべて男根から瞳を逸らしたのであった。

 

 

*

 

 窓の外から煌々と漏れる月明かりに照らされる元、ここは脱衣場から続く浴槽の前となる。

 

 湯船からはふわふわと水蒸気になった湯気が漂い、薬湯にでもしているのか柑橘系の芳香が鼻腔をついた。

 

 石造の風呂場は足裏で踏むスベスベとした床面が心地良い。

 

 灰色に統一された同所であれど特別殺風景とは思わない。

 

 これはこれで風情があるとでも称して然るべきだろう。

 

 レイネと共に半ば無理矢理にこの場へと身を置いているエリックはその心臓の鼓動を高鳴らせ、思わず視線を彷徨わせた。

 

 何故ならば傍らのレイネの身体が自ずと見惚れてしまう程に、女性的な魅力に満ちていたからに他ならない。

 

 側から見ても豊満な彼女の色白の肌が、エリックの前に晒されている。

 

 少しあせばんでいるのか、濃厚なレイネの甘ったるい体臭がふわりと鼻についた。

 

 彼女の金色のサラサラとした長髪は、艶やかにも柔らかな曲線を描く安産型の臀部へと流れていた。

 

「に、にーちゃん‥」

 

「はい?どうしましたか?あ、もしかして昔みたく洗いっこをしたいのですか?」

 

 そんなレイネを目の当たりとしたエリックは少なからずその下半身を硬くしていた。

 

 膨張した陰茎は、同年代の若者よりも一回り大きく、オスとしての象徴を見せ付けていた。

 

「そんな事ねーよ」

 

「ふふ‥。照れなくても良いと言った筈です。構いませんよ。こうすることもあまり無いのですから。久しぶりですね」

 

 けれどレイネは相手が弟であるからか、平素とは異なり調子に乗っている様で、何処か得意げだ。

 

 

 たぷたぷとした乳肉を揺らして胸を張るレイネは、その白魚の如き肌に無頓着であるらしい。

 

「よしよし」

 

 そして手のひらでエリックの頭を撫でたレイネは、木製の椅子へと座る様に彼を促した。

 

「子供扱いするなって」

 

「ええ。ふふ‥。そうですね」

 

 その際にチラリと見たレイネの色白ながら張りのある太ももや、少しだけ浮き上がり気味の土手の様になっているその膣口を前に、エリックは更に息を荒くした。

 

 レイネが身動きをする度に豊満な乳房はいやらしく、まるでエリックを誘惑でもするかの様にたぷんたぷんと弾む。

 

 だからだろう。

 

 椅子へと腰を落ち着けると同時に、己の背中へとレイネの生乳の柔らかな感触が触れて、明らかにオスとしての獣欲が鎌首をもたげたのを自覚した。

 

 男根の表面には青白い血管が隆起して、怒張が逞しく天を衝く。

 

「それじゃ、流しちゃいますね」

 

「あ、ああ」

 

 だがエリックの興奮などいざ知らず、レイネは砕けた口調で湯船のお湯を掬う。

 

 そして麻で出来た布地に水分を含ませてそれをエリックの大きな背中に当てた。

 

 年齢に反して彼の背中は筋肉質であり、平素から鍛えているのも相まって、傍目に見てもオスとしての肉体に優れている。

 

 それに反してレイネは、自らの腹部を見下ろして女性特有の色白の脂肪を見て落胆した様に眦を下げた。

 

 無論引き締まってはいるものの、其処に男らしい筋肉は無い。

 

 どうやら彼女は自身の弟であるエリックと、自らのその肉体を比較している様だった。

 

 浅はかなその感情からか羞恥に頬を紅に染めて、まるでそれを誤魔化す様に手を動かした。

 

 ゴツゴツとした背筋になぞり、垢を落としていった。

 

「どうですか?ちゃんと気持ち良いですか?エリック」

 

 白魚の如き繊細な指先でエリックの背中を一度撫でるレイネは、戯れに興じた。

 

 すると問い掛けられた側は、何処か緊張した声色で受け答えた。

 

「そんなにくっつくなよ。あ、当たるだろ」

 

「え?あぁ、大丈夫です。わたし達は兄弟なのですから、これくらいおかしな事ではありません」

 

 そんな弟から受けた言葉の意味する所を理解して尚、しかしレイネはその調子を崩さなかった。

 

 やはり相手が肉親とあって、平素の態度は見る影も無く弛緩仕切っている様子である。

 

 長旅から解放された反動もあっての事か、彼女はその心を過去一番落ち着けていた。

 

 ただそんなレイネだからこそ、その無防備極まる立ち振る舞いは、エリックにとっては非常に目に毒だ。

 

 何故ならばレイネの肉体は女性的な魅力に優れているが故に、多感なお年頃のエリックにはあまりに刺激が強過ぎる。

 

 たわわに実る乳房に、豊満な尻肉は大いに獣欲をそそる。

 

 まるで男を誘うかの如くくびれた尻は、色白であり尚且つ、傍目に見ても柔らかであるのが窺える。

 

 思わず肩口に覗いていたエリックは、レイネから背中を流されているその間も、己の男根は勃起したままだった。

 

 そして案の定、然るべき事が起きてしまった。

 

「エリック、貴方未だ剥けていないのですか?」

 

 そう、何とレイネが勃起した男根を視界へと納めそれに気付き、エリックの背後から腰へと手を回していたのだ。

 

 依然として剥け切らない弟の男根の皮を目の当たりとして、レイネはどうやら年長者としての義務感に駆られた様だった。

 

 更にその指先はエリックの陰茎へと触れていた。

 

 レイネの手付きにはまるで性的な意図は無く、其処には家族への親愛が感じ取れる。

 

 けれどエリックからすればたまったものでは無い。

 

「まってくれ、やめろよ」

 

「ですから恥ずかしがらずにわたしの言うことを聞いてください。ここは綺麗にしておかないと病気になってしまうのですよ」

 

 否が応にもそう声を上げずにはいられなかったエリックだ。

 

 しかしながら次の瞬間にはレイネの手中には硬くなった男根が納められていた。

 

「おいっ」

 

「少し痛むかもしれませんが、我慢してくださいね。これは年長者としてのわたしの務めですから。仕方ないので教えてあげます」

 

 そしてエリックの儚き抵抗も虚しく、レイネの指先は亀頭と皮の間にくにゅりと差し込まれた。

 

「くっ」

 

「痛いですか?」

 

 それに応じて自ずと刺激からかエリックの口からは呻き声が零れた。

 

「いや、なんだかくすぐったい様な‥」

 

「それならよかったです。これは一息にいってしまった方がいいかもしれません。どうしますか?」

 

 レイネは手探りに白い指先の腹で、カリ首の辺りを撫でた。

 

 そしてどうやら皮と亀頭の表面を徐々に剥いていっている様だ。

 

「けど、こんなの自分で‥」

 

「いいえ、わたしがしてあげます。エリック、貴方は以前断った事があったでしょう?本当ならあの時しておくべきでした」

 

 次第に皮の奥へと指先が入り込み、レイネはそのまま優しげな手付きで男根を剥き出しとしてゆく。

 

「大丈夫です。安心してください。わたしの方が貴方よりも年上なのですから」

 

「けど、そう言う問題じゃっ」

 

 だがまるで何処吹く風といった調子でエリックの静止の言葉は、どうやらレイネには届かない様だった。

 

 赤色の亀頭の先端は既に全体が見えていて、レイネの五指は男根の皮を半ばまで剥こうとしていた。

 

「ごめんなさい。やはり慎重にいったほうが確実です。ですのでそのまま動かずに、大人しくしていてください」

 

 最早今にも暴発してしまいそうな程に張り詰めた男根へと指を這わせ、レイネはエリックの耳元へと囁いた。

 

「大丈夫です。わたしに任せてください。そのまま身を委ねて」

 

 そしてレイネはそう自らの弟を安心させる為か、甘ったるい脳髄へと染み込むかの様な声色で、吐息を吐き出した。

 

 言葉と共にもたらされたレイネが男根へと与える刺激にエリックは身を固くした。

 

「レイネっ」

 

「こらっ。お姉ちゃん、ですよ」

 

 だからだろうか。

 

 思わずそう口としてしまったエリックにレイネはまるで揶揄う様にして言葉を返す。

 

 男は甘えたい時もあるのだろうと、レイネは今だけ年上の優しい意お姉さんとして振る舞うとでも決めた様だ。

 

 それだけ彼女は自らの弟へと親愛を注いでいる。

 

 そのお節介と称するべき感情は度を越しているが、レイネが他所の家庭の事情を知る筈もない。

 

 その様な常識に関して、彼女は一等無知であった。

 

 だからこそ、この異常な自らの弟に対する行いにも、特別疑問は抱かなかった。

 

 寧ろあまり教養のない彼女にとっては、一般的な兄弟の在り方など当然ながら知る由もない。

 

 故にこうしてレイネは弟の男根の皮を剥く為の手解きを施していた。

 

 そして─

 

 

「わかりましたか?この様にして剥くのですよ。毎日ちゃんと清めなくてはいけませんからね」

 

「う‥」

 

 遂にカリ首の表面まで露わとなり、皮を全て剥き終わったレイネは、男根をその手中へと晒していた。

 

「どうですかエリック?何か変わった感じはありますか?」

 

「わかんないけど、めっちゃスースーする」

 

「そうですか。貴方のはとても大きいですからその分だけ空気に触れる面積も多いのでしょうね」

 

 ただ、其処までいったとはいえ、依然として男根は勃起したままであり尚且つ、エリックはその心中を獣欲に支配されたままであった。

 


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