僕は多分、この宇宙の中でも幸福な人間だと思う
ヘルタ───余程の世間知らずでも無い限り、その名前の主の事を聞いた事がある筈だ。天才クラブ♯83、宇宙ステーションヘルタの建設に、若返りの方法の確立───彼女の偉業を挙げていけばキリがない
その上めちゃくちゃ可愛いのだから、やはり人間というものはとことん不平等だなと思わざるを得ない。宇宙ステーションに溢れている沢山のヘルタ───本人曰く『幼少期と7割くらい似てる』らしい彼女の人形でさえ人を魅了してやまないのだから
………やっぱり、僕は幸福な人間だと思う
何故って───少し、恥ずかしい話だけど
僕は、彼女に愛されているから
──────────────────
「いた」
彼女の人形のそれと比べると、ほんの僅かに低い若々しい声が耳朶を打った。宇宙の辺境に浮かぶ、彼女が拠点としている宇宙船の中。彼女は専ら僕に家事を任せているので、今も当然その最中だ
「ねぇ」
容易く背後を取った彼女の手が、確かな情欲を伴って僕の腰を抱いた
「っ…………」
何度も何度も身体に刻み込まれた、どこまでも倒錯的な快感。必死に声を抑えなければ、こうして少し撫でられただけで女々しく喘いでしまう程に、彼女のそれは僕の身体に強く深く刻まれている
「愛してる」
耳に注ぎ込まれた愛が、背筋を伝い下腹へと駆け抜けていく
「宇宙で一番…誰よりもあなただけを愛してる」
囁きかける様な愛の告白に脳髄を溶かされながら、それでも僕は唇を噤み抵抗の意を示す。だって、普通は逆だと思う。僕は男で、ヘルタは女。そういう行為に及ぶ大多数の人間は、きっと男から求めるのだと思う
だから、ささやかな抵抗。組み伏せられて、受け止めるには大きすぎる情欲と快楽を受けて、ぐずぐずに壊れていったなけなしのプライドだった
「関係、ある?」
なのに。ヘルタは僕の身体を抱きすくめて離してくれない。男だとか女だとか、そんなつまらない固定観念はヘルタの愛情で溶かされて思考に入り込む余地がない。僕の思考を先回りするかのように、ヘルタは僕に言い聞かせてくる
「あなたは私に愛されていればそれでいいの。思考なんて捨てちゃいなさい。少なくとも、今はね」
それは……また、あまりにも傲慢な言葉だった。人の心を好き放題に蹂躙しておいて、その態度はあんまりだと反発心を覚える自分がいる
だけど、この最後の一線───彼女がその気になればいくらでも壊し、蹂躙できてしまうささやかな抵抗を辞めた先にある暴力的な快楽を、僕はもう知ってしまっている
「ちょっ…………!?」
腰を抱く手───その白魚のような指が、服の内側へと入り込む。まずは、一本。隙間を広げて、さらに一本。これもまた、彼女の常套手段だった。じわじわと抵抗を蝕んで、僕自身が屈服するまで、決してその責め苦は終わらない
「っ……ぅ……」
そして。彼女の指が、服の内側の素肌を滑る。その指は僕の胸の先端に優しく触れ───そのまま、くに、くにと弄ぶように愛撫し始めた
「可愛い……」
「っ……ぁ……っ!」
彼女の指が動く度、僕は情けなく嬌声を上げてしまう。この身体はもうとっくに彼女専用で、彼女の為だけに在るのだから当然だ。そう躾けられてしまったから、仕方ない
「そう、じ、してるからっ……やめっ……」
「嫌」
彼女の指は止まらない。僕の抵抗など、その程度のもの。彼女は僕の身体を知り尽くしているから、どう抵抗しようともすぐに快楽に屈服してしまう事を知っているのだ
目尻に涙を浮かべて必死に首を振りながら、僕は耐え続ける。多分、何の意味も持たない事───どころか、彼女の興奮を煽るだけと分かっていても、それでも僕は快楽に流されまいと抵抗を続ける
不埒な指が僕の乳首をくにくにと愛撫する。爪でかりかりと軽く引っかかれてしまう度、微弱な電流が全身を駆け巡るようだった
「後でいいじゃない。今はこっち」
「待っ……ひぅっ……!」
ぴり、と爪が先端を掠める度、むず痒い様な切ない快感が胸の先端から下腹部へと伝わっていく。その快楽に悶える僕の反応を楽しむ様に、ヘルタは責めの手を休めてはくれない。そして───
「あむっ」
「ひぁっ!?」
唐突に右耳に生暖かい感触。それが彼女の舌だと気付いた瞬間、僕は情けない嬌声を上げてしまった
「や……やぁっ……」
「ん、ちゅるっ」
ぴちゃ、くちゅっ。彼女の舌が耳の穴を蹂躙する音が脳髄に直接響き渡る。その感覚はあまりにも甘美で、僕の抵抗の意思を容易く溶かしつくした
「ひぅ……ぁ……あ……」
限界だった。僕の身体は、彼女の愛撫に屈服してしまっていた。もう、受け入れる以外の選択肢は無かった───けど
「っ……やめ、てっ」
頭を動かしたのは、別に抵抗しようとか思ったわけじゃない。むしろその逆──とも言える被虐心からの衝動だった。当たり前だけど、僕が抵抗を見せれば見せるほど、ヘルタのフラストレーションは溜まっていく
「………………へぇ」
頭を動かした事で、ぴちゃり、と水音を立てて耳から舌が引き抜かれた。彼女は明らかに不満そうだ。まぁ無理もない───徹底的に快楽漬けにするつもりだったのに、焦らす様な抵抗をされたのだから
「そう、わかったわ」
僅かに怒気を孕んだヘルタの声。被虐に焦がれる僕には、あまりにも心地良かった
「んむっ」
眼前に広がる、見慣れた顔立ち。唇を、奪われた────?
「っ……!?♡♡」
当然のように唇をこじ開けて、ヘルタの舌が侵入してくる。口の中に感じる異物感に身体は抗おうとするけど───快楽に浸りきった僕の身体では、そんなささやかな抵抗をする事さえ叶わない
「んっ……ふぅっ……」
くちゅり、と唾液が混じる音。そうしている内にも彼女の舌は口内を蹂躙し続け、その快感で震える僕に自身の唾液を流し込んでくる
「んぐっ……!?」
ただの唾液でも、僕に取っては超強力な媚薬のようなものだった。思考がぐちゃぐちゃにかき乱されるのを感じながら、僕は与えられる快楽に抗う事も出来ず、それを飲み下してしまう
「んむっ…!は、ぁっ………まっ、やだっ」
細腕に込められた万力のような力が、僕の腕を押さえ込んだ。力比べで知恵の使令に勝てる道理は無く、抵抗の全てを正面からねじ伏せられながら引き摺られていく
行き先なんて決まってる。寝室に連れ込んで鍵を掛けて、誰の邪魔も入らない密室で僕の身体をとことん味わう気だ。僕の行動がフラストレーションを溜めている今、行為自体に激しさは伴わずとも、それは確実に表れるはずだ
「ふふっ……」
これから僕の身体を好きにするであろう彼女は、こんな僅かな抵抗でも喜ばしく思うらしかった。悪戯な笑みを浮かべながら───強く握り込んだ手首に、更に力を籠める。そうしてようやく腕は解放されて、痛みと恐怖で震える僕を優しくベッドへと押し倒した
「っ……」
怖くなって目を背ける。けど、そんな僕に追い討ちをかける様に、ヘルタは僕の服をたくし上げ始めた
「やぁっ……!」
服を抑えてみても、抵抗は意味を為さない。僕の腕力程度で、知恵の使令に抗える筈がない
「っ……」
そして、露になった僕の上半身。彼女の視線がそこに突き刺さるのを感じる。羞恥で顔が真っ赤になるのを感じながらも、僕は必死に目を逸らした
「可愛い……本当に」
ズボンに指がかけられる。これから起こる事は一つしか無いだろう。彼女はゆっくりと、焦らす様に僕のズボンを下ろし始めた
「やめっ……んっ……!」
裸で、抵抗もできなくて、目の前には自分を犯そうとする女がいる。蛇に睨まれた蛙の気持ちがわかった気がした。僕は今から、このヘルタという女に食べ尽くされてしまうんだ
「愛してるわ」
その言葉は嬉しいけど、これから愛される恐怖感と無力感が強まっていく。何より怖いのは───僕の身体が、そんな被虐的な快楽に期待している事だ
「っ……ぁ……」
長い指が内腿を滑る。つぅっ、と指が肌の上を掠める度、僕の口からは情けない声が零れた。これから、彼女は僕をどう犯すのだろう。片手で跳ねる腰を抑えつけながら、その美しい手で搾り取るのだろうか。しがみつくように腰に取り付いて、その艶めかしい口で吸い搾るのだろうか。それとも、足?胸?どこを使って、僕をどう犯────────
─────どちゅんっ♡♡♡!!!
「あぇっ……?」
淫らに嬲られる様を想像していた僕を、圧倒的な快楽がぶち抜いた。余りの快楽に、反応が一瞬遅れ───そのまま、全ての快楽を脳が理解した
「ふ、あぁぁぁぁぁああぁっ♡!?やぁっ♡あっ♡あっ♡あぁぁっ!♡♡♡」
当然の様に───ヘルタの腰が、僕の腰に打ち付けられていた。ばちゅんっ、どちゅっ、と下品な音が寝室に響くけど、そんな事を気にしている余裕は僕には無い
『やだ』『おかしくなる』『気持ちいいのだめ』………その全てが、ヘルタに届く事は無い。だって、彼女にしてみればこれは『レイプ』であり、快楽を得る為の手段の一つでしかないのだから
「なにこれっ♡むりっ♡しんじゃう♡♡♡きもちよすぎてぇっ♡♡♡」
そう───気持ちいいのだ。彼女が動く度、僕の脳は一瞬でふやけてしまう。ヘルタという個人に本能的に刻まれた快楽を容赦なく責め立てられて、僕が耐えられる筈が無い
「んぁっ♡!あっ♡あぁっ♡」
もう僕は何も考えられない。ただ彼女の愛を受け入れるだけの肉人形。そう、僕はもう、彼女の愛無しでは生きていけない身体にされている
「やぁっ♡あっ♡あぁっ♡!」
ヘルタは一心不乱に腰を振っていた。その一突き毎に快楽が弾けて、僕の頭を焼き切っていく
「んむっ……!?」
突然、唇が奪われた。そのまま舌が侵入してきて、口内を蹂躙される
「んっ……ちゅるっ……」
そして───どちゅっ!と一際強く腰が打ち付けられて。彼女の身体が、僕の上に覆い被さった
「~~~っ♡♡♡♡!!」
キスされて、全身で密着されて、逃げられないように抑えられて。どくん、とヘルタの身体が脈打つのを感じながら───僕の意識は快楽に灼き切られていく
びゅるっ♡どぴゅっ……♡びゅぅぅぅぅ♡♡♡!
「ん……ぁ……♡♡♡」
焼けつく様な快楽が僕の中を満たし、身体から力が抜けていく。気持ちいい以外の全てが抜け落ちて、頭が真っ白になって、切れた息を吐き続ける。そんな僕の頭を、ヘルタは優しく撫で続けていた
「ふ……っ……ん……♡」
キスが終わって唇が離れると───僕を快楽の淵へ追いやった彼女は、慈しむ様な瞳で僕を見ていた。時折僅かに動く身体に合わせて、膣内が収縮して精液を搾り取ってくるのを感じる。このまま出し続けるだけで、また頭の中が白に染まっていくだろう。だけど────
「……愛してる」
彼女の愛は止まらない。その一突き毎に、僕の身体に刻み付けられる
「愛してる、本当よ?」
絶え間なく押し寄せる快楽と、愛を囁かれる事による多幸感。何もかも忘れて彼女の愛に溺れたいと思える程、それは甘美な毒で、僕の身体はとっくに、それに浸りきっている
「っ……それ言えば、いいと思ってっ………」
彼女はまだ満足していない。僕から全てを搾り取るまで、この行為を止めるつもりは無いだろう
僕の両耳に指を挿し入れて、ヘルタが腰を動かし始める。無力な人一人が受け切るには、あまりに大きな愛情の濁流。抵抗なんてできる筈が無くて、その快楽にただ流されるしかない
「愛してる」
幾度となく囁かれてきたその言葉に、どんどん顔が赤くなっていくのを自覚する。優しい表情で囁かれる度に、僕の心がかき乱されていく
「可愛い」
「好きよ、大好き」
「愛してる」
全身を愛で埋められながら囁かれる。時折キスを織り交ぜられ、その度に身体の奥が疼いて仕方ない
「っ〜〜〜♡♡もぉっ…………ばかぁ……♡♡♡」
好きだ、愛してる。そうやって愛を囁かれて幸せだと感じるよう調教された僕に抗う術はない。頭の中は彼女の事だけでいっぱいで、もう他の事は考えられない
こっちの都合なんて考えないで、ただ自分の欲望のままに僕を愛し、身体を弄ぶどこまでも不遜な天才。そのくせ、快楽に溺れる僕を見下ろすその表情はどこまでも優しくて
「ふふ、照れてる?」
どこまでも甘ったるい強姦を受けておきながら、向けられる愛情に蕩けそうになる自分の単純さ───本来嫌悪すべきその性質が、僕に銀河中を探しても二つとない幸福を享受させている
「やぁっ……♡」
次第に、ヘルタの動きが激しくなる。もう僕の身体は彼女のモノだ。どう犯されても抵抗なんて出来なくて、その愛にただ流され続けるしかない
どちゅっ♡!ばちゅっ♡!ずちゅんっ♡♡!!
「ひぅっ♡あぁっ♡あっ♡あぁぁっ♡」
ただ快楽を受け入れて、その快感に流され続ける。視界で火花が散って、自分が上を向いているのか下を向いているのかすらも曖昧になっていく
「やぁっ♡あっ♡あぁっ♡!だめぇっ♡」
びゅくびゅくと、膣内で肉棒が震える。壊れた蛇口のように、ずっと精液を吐き出し続けてる僕の肉棒も、きっともう馬鹿になってしまっているのだろう
「もおっ、むりぃっ♡♡!!でないっ♡でないからぁっ♡♡♡!!」
「まだできるわ。貴方の体の事はよーく知ってるもの、貴方よりもね」
合わせ技だった。もはや拷問とも呼べる莫大な快楽、この世のものとは思えない美貌、彼女が僕に向ける愛情と、僕が彼女に向ける好意。それらが僕の興奮を押し進めているから、本来ならとっくに萎えきっているであろう僕の身体は、どれだけ貪られても滾り続けている
「あぇっ♡あっ♡あぁっ♡♡やぁっ♡♡♡!」
もう何も考えられない。ヘルタが僕に与える全てが気持ちよくて、その快楽に流され続けて───そして、そんな快楽の奔流の中で、僕は確かに幸せを感じていた
「愛してる」
「もっ……それ、いいからっ…………♡♡♡」
そう囁かれる度に、心の奥が満たされていく。愛されているという実感が多幸感を加速させるけど、同時に羞恥心も加速させて。愛されているという自覚は、僕の心と身体の両方を追い詰めていく
「愛してる」
「っ〜〜〜〜♡♡♡!!」
どくん、と膣内で肉棒が跳ねる。もう何度目の射精だろう?少なくとも、僕の身体が覚えるくらいには達しているはずだ。それでもヘルタは止まらない。僕が気絶するまでこの行為は続くのだろうか───そんな絶望にも似た期待が僕の中で膨れ上がっていく
「愛してるわ」
「あぇっ♡あっ♡あぁっ♡♡!もう、らめぇ♡♡♡」
駄目、本当に駄目。これ以上されたら、おかしくなる。そんな事はわかりきってるはずなのに
「壊れて。どんな貴方でも愛してる」
そんな事言われたら───もう、どうしようも無いじゃないか
「ひぅっ♡あぁっ♡♡!へんにっ♡なっひゃぁっ♡♡♡」
もう訳がわからない。気持ちいいのと、彼女に愛されている事だけしか認識できなくて、僕は無様に喘ぎ続けた。いっそ本当に狂ってしまった方が楽かもしれない。そう思ってしまう程の快感を味わいながら──────────
「───す、きっ」
快楽の渦に吞まれながら、その言葉だけは何とか絞り出せた。もう僕の頭ではそれしか考えられなかったし、その二文字はヘルタを喜ばせるには十分だった
「すきっ♡すきっ♡♡へるたぁっ♡すきっ♡♡♡」
壊れた人形みたいに、同じ言葉を繰り返す。それを、ヘルタは満足そうに聞いていた。その表情はどこまでも幸せそうで───
「私も好き、愛してるわ。だから───ちゃーんと全部出して」
びゅるっ♡!どぴゅっ♡♡!!どくんっ♡♡♡!!!
「〜〜〜〜〜〜〜〜♡♡♡♡!!!」
一際強く腰を打ち付けられて、視界が真っ白に染まる。もう身体は限界なのに、肉棒が吐き出す精液は止まる気配がない。快楽とともに、どっと体に押し寄せる疲労感
「ん………あ、ちょっと、まだ────」
まだ足りないと、そう言いたげな表情で彼女は僕の身体を掴む。が、酷使された身体はもう限界で────
「はぁ………おやすみなさい」
柔らかい微笑みを浮かべる彼女の顔を見ながら、遠のいていく意識に身を預けた
──────────────────
「起きた?」
柔らかな声が、僕の意識を一瞬で覚醒状態へと引き上げて。そうして視界に映ったのは、彼女の覗き込む顔だった
随分長く寝ていた気がする───もしかして、ずっと待ってくれていたのだろうか。彼女は一秒だって時間を無駄にするタイプではないのに
「………起きた、けど」
「身体に変な所はない?なら早く起きて。貴方全然起きないんだもの、放っておくわけにもいかないし」
誰のせいだ、なんて文句はあったけど、なんだかそんな気も起きなくて。眠気混じりの意識でぼーっと彼女の顔を見続ける
「……何よ、その顔。文句があるなら聞くけど」
「…………ないよ」
彼女の首に手を回し、抱き寄せる。一瞬驚いた彼女が身動ぎするけど、抵抗の素振りは見せない
「……どうしたの?」
「どうもしないよ」
そう、別にどうって訳じゃない。ただ───
「幸せだから、さ。こうしてたいなって」
「……そう」
そのまま、彼女の身体を抱き締め続ける。大好きな人に触れていられる事が、何よりも幸せで
「………裸で抱きつくのはどうかと思うけど」
「あ」
終わったならパンツぐらい履かせてくれてもよかっただろうに。やっぱり、そういう気遣いとかとは最も遠い場所にいる人だと思う
「………はぁ、変な気分になってきちゃった」
「え」
同じように、彼女の手も僕の身体へと伸ばされる。昨日と同じく、情欲を伴って
「…………強姦魔」
「誘ったのは貴方でしょ」
誘った。そうかもしれない。昨日あれだけめちゃくちゃにされたというのに、まだ足りないと感じている自分がいる。でも、それを言うのはなんだか恥ずかしいし悔しいので
「………うるさい」
僕が放てる、最大限の抵抗。そんな事はお見通しだとばかりに、彼女はゆっくりと僕へ顔を近づけて
「んっ」
その唇を、僕の唇へ押し当てた
「んんっ……♡」
甘い吐息が鼻から抜けて───昨日みたいなディープキスじゃなくて、触れ合うだけの優しいキス。それは始まりにすぎない事、僕はよく知ってしまっている
「んっ……♡」
離れた唇がもう一度吸い付く。ちゅっ、ちゅぅっと湿ったリップ音を響かせながら、互いの感触を堪能するみたいなキス
「はむ……ん……」
軽く口を開けると、彼女の舌が口内へと侵入してくる。ゆっくりと舌をなぞられて───昨日と同じ快感に背筋が震えた
「……まっ、て」
「何?」
珍しく静止の言葉に反応してくれた事に驚くけど、今はそれよりもして欲しい事があって
「その、ちゃんと、愛してるって言って欲しくて」
「昨日たくさん言ってあげたじゃない」
「……アレは、僕を犯すのに都合の良い事言ってただけでしょ」
「……」
沈黙するヘルタ。そのまましばらく考え込んだ後、彼女は小さく笑った
「そう、ね」
そう言い終わると同時、また唇が塞がれる。それはさっきみたいな啄むようなキスじゃなくて───貪るような口付けだった
「んちゅ……んぅ……」
お互いの唾液を交換するような深いキスは脳が蕩けそうな程気持ちよくて、心の奥底から多幸感が押し寄せてくる。そうして僕はまた彼女の事しか考えられなくなっていって────
「は、ぁっ……♡」
離される唇。溢れ出す唾液が口の端から垂れるけど、それを拭う余裕なんてなかった。もっと、もっと欲しい。そんな性欲の塊になった僕の頭を───彼女は優しく撫でる
「……好きよ」
びりっと、身体に電流が走った。顔は赤く、身体はどんどん熱くなって、本当に、ただ愛を囁かれただけで発情してしまう
「う、ぁ……♡」
「…………ほんと単純。心配になるくらいだわ。ま、私が守るから大丈夫か」
さながら、テーブルに並べられた食事だ。もちろん、食事は僕。食べるのは─────
「いただきまーす………」
いつだって、世界一愛しい僕の伴侶だ
ガバ設定
主人公
ヘルタの旦那。ヘルタとは同い年の幼馴染。その天才ぶりをどんどん発揮し、日々どこか遠い存在へとなっていくヘルタに対し、一度は彼女の元を離れる決心をする。しかし許されるはずもなくキレたヘルタに娶られた
ヘルタ
お気にの男が自分の元を離れようとしたのでキレて逆レして娶った。現在は宇宙の辺境にあるヘルタの拠点に監禁中。性欲が溜まるたびに主人公にセクハラを仕掛けて襲っている