(男の娘はおこぼれエッチを期待しているものとする)
※男の娘との性描写を一部含んでいます。苦手な方はご注意ください
ノクターンノベルズにも掲載しています。
コンコン
「カイル、入るよ」
ノックの音と声が聞こえてからすぐに、玄関のドアが開かれ幼馴染のフィルが入ってきた。緑色の髪は三つ編みにされており、おさげのように両肩にかかっている。小柄で華奢な身体、そして美少女にしか見えない顔立ち。昔から気のしれた仲で、よくこの部屋を訪れる。
しかし今日がいつもと違うのは、その後ろに赤い髪を肩先まで伸ばした美少女が顔を俯かせて佇んでいる事だ。
「フィル、お前まさか......」
この美少女と直接的な面識は無い。しかしその髪の色と、特徴的な気が強い顔をした美少女といえば思い当たるのは一人しかいない。
「うん、前に気が強い女の子としてみたいって言ってたよね?」
まるでなんてことない感じでフィルはニコニコ顔で微笑み答える。確かに前回そんなことを言った気もするが、いくらなんでも相手が予想外すぎた。
「ほら、自己紹介して」
フィルにそう急かされた赤髪の美少女は、悔しげな表情でこちらを見ている。しかし黙っていても仕方ないと判断したのか、意を決して喋りだした。
「......リゼットよ」
やはり、
美しい容姿に加え魔法の才にも恵まれており、男嫌いの噂もある強気な性格にも関わらず学園内での男人気は絶大である。そしてなにより彼女を高嶺の花たらしめるのは伯爵家の娘という部分だろう。
家柄、容姿、才覚、全てに恵まれており、優秀な成績ゆえ学園での行事の際に話題になることも珍しくない。この広い学園と言えども、彼女の名前を一度も聞いた事が無い人間の方が少ないと思えるほどの有名人だ。
そんな彼女がなぜ俺の部屋に訪れるのか。いや、これまでの事を踏まえると理由は分かっている。しかし本当にこんなことがありえるのだろうか。
「じゃあ早速だけど服脱いで、下着も全部ね」
フィルがそう言うと、彼女は少し目を見開いた後に口を結んで悔しそうな顔でフィルを睨みつける。
気の強い顔立ちの美少女が嫌がりながらも悔しげに顔を歪ませる姿は正直グッと来るものがある。そう思いながら待っていると、リゼットは小さく息を吐き、震える指で胸元に手を掛け脱ぎ始めた。本人が乗り気でない事は誰の目にも明らかだが、それを咎める人間は誰も居ない。
「いつも通り契印紙を使ってるから安心してね。きちんと他言無用の契約にしてあるから」
フィルが嬉しそうな顔でそう喋りかけてくる。
『契印紙』、それは拘束力のある魔道具だ。法の厳正な規制により様々な制限が課されているが、合意した当事者同士は契約内容に反する行動はできなくなる。一方が支配権を持つ契印の場合、強く命令すれば強制的に従わせる事も可能だ。
規制を掻い潜る契印紙を作成、所持した場合、一発で死刑になる可能性があり非常に厳しく取り締まられている。内容は千差万別だが、重要な商談や貴族間での婚姻などに使われる事が多い。
フィルはこの契印紙によって契約を交わし、毎回連れて来た学園の女の子に対して
どうやればこんな内容で合意させているのかいつも気になるが、十代半ばにして様々な分野で成功している優秀すぎる幼馴染からすると、この程度なんてことないのかもしれない。
前回は平民の一般的な家庭出身の女の子で、学費や生活費に困っていたところフィルがお金を支援するという内容で契約を結んだらしい。
その子は気弱で大人しい性格で、申し訳無かったが少し語尾を荒らげながら命令すると涙目で怯えながら従うところが良かった。
「......脱いだわよ」
服を脱ぎ終わった彼女は睨みつけながら小さな声で呟く。その身体はシミ一つない色白で、均整の取れたモデルのようなスタイルをしている。
胸は形が整っており、年齢を踏まえると大きさも平均以上はあるであろう美乳だ。下の方は立っている状態のためあまり分からないが、毛は綺麗に整えられている。
それにしてもさすが貴族令嬢だ。平民だと顔は整っていても、いざ蓋を開けて脱がしてみると手入れが行き届いていなかったり、スタイルが期待外れな事も少なくない。
「じゃあこっちに来てくれ」
彼女に目を合わせながらそう言うと、彼女は一瞬身体を強張らせた後、ゆっくりとこちらに近寄ってくる。
ベッドに腰掛けている俺の前で立ち止まると、少し目を泳がせながら居心地悪そうにしている。
一瞬彼女の腕がピクリと身体の内側に動いた気がしたが、すぐに元の位置に戻した。本心では腕で胸や陰部を隠したいのだろうが、恥ずかしがる姿を見せたくないという彼女のプライドがそれを阻止したように見える。
まあ本人がそう言った訳では無い以上、あくまで想像に過ぎないが。
こういう細かな動きに彼女の性格がよく現れていると言えるだろう。しかし彼女の顔をより近くで見てみると、伏せたその瞳には微かに小さな怯えが見て取れる。
「......!」
黙ってリゼットの胸を無造作に揉むと、一瞬身体を強張らせると同時に、ほんの小さく息を呑む音が聞こえた。手のひらに感じる柔らかさとハリ、これまで触ってきたどの胸よりもきめ細やかな触り心地で、いつまでも触りたくなるような胸だ。
優しく揉むと柔らかさを感じるだけだが、力を込めて揉むと胸の芯に少し反発を感じる。成人した女の胸とは違う、成長途中独特の胸の感触だ。
触られても声を出さないように我慢しているのだろうが、強く握りしめられた彼女の両手が心情を表している。
「どう、カイル? 楽しめそう?」
先ほどまで事の成り行きを静かに見守っていたフィルだったが、ほんの少しだけ不安げな表情を浮かべながらベッドのすぐ傍まで来る。
一言肯定してやると、表情は一転して嬉しそうににこりと笑いベッドのすぐ隣に腰掛けた。初めの頃は見られながらの行為が恥ずかしく気になって仕方が無かったが、今はもう慣れた。
「リゼット、キスしてくれ」
リゼットの方に向き直してからそう言うと、彼女は上歯で唇を噛み締めて悔しそうな顔をした後、数瞬の間を置きベッドに座っているこちらの高さに合わせるよう少ししゃがんで、その唇を押し付けて来た。
柔らかい感触と共に、彼女のふわりとした良い匂いが鼻を突き抜けた。しかしリゼットはすぐに唇を離し体勢を元に戻したあと、これみよがしに手で唇を拭った。ただキスをしろと言っただけの為、すぐに離れようが唇を拭こうが、確かに命令には背いていない。
好きでもない男に呼び捨てにされ、自らキスをさせられるのは嫌で仕方ないのだろう。しかしこれみよがしな抵抗の意思表示が、むしろこちらが興奮する材料になることを彼女は分かっているのだろうか。
「もっとキスしてくれよ」
ベッドに座りながら命令すると、嫌悪感を隠そうともせずこちらを睨みつけ、再度屈みキスをしてくる。しかし今度はすぐ離れないように手を彼女の頭の後ろに回し、そのままキスを続けると、驚いたのか微かな曇り声をあげる彼女だったが、契約を考えると無理やり振りほどいて拒絶しても仕方ないと悟ったのか、強く抵抗はせずにされるがままだ。
唇を突き合わせるだけのキスから、舌を突き出して彼女の唇に触れてみるが、その唇は固く閉ざされておりこちらを受け入れる気配はない。
キスした状態のまま無造作に胸を揉むと、一瞬身体を強張らせ身動ぎするが、やはり抵抗はそこまで感じない。
「今のはファーストキスか?」
しばらくキスをしながら胸を揉んでいると、ふと気になったため聞いてみる。キスが終わった彼女は少し距離を取り、今までで一番強くこちらを睨みつけながら口を開いた。
「......別にどうでも良いでしょ」
「リゼット、ちゃんと答えて」
しかし隣に居たフィルが間髪入れずに契約の力を使い催促する。
興味本位で聞いただけで、別に彼女が答えたくないのならそれで良かったのだが、フィルは少し強めの口調で答えを促した。
「............そうよ」
数秒の沈黙の後、顔を歪ませ悔しそうな顔をしながら答える。貴族家の令嬢で男嫌いの噂のある彼女ならもしやと思い聞いてみたが、まさか本当にファーストキスすら未経験だったとは。
ここまでの上玉の初めてというのはまず経験出来るものではない、お膳立てしてくれたフィルに感謝しないとな。
「じゃあ今度はこっちを頼む」
ベッドに座りながらそう告げ、大きく足を広げる。その間に膝を付けしゃがむよう指示すると、嫌悪感と屈辱感が混ざったような表情で彼女は指示に従った。
「脱がせてくれ」
跪いた彼女へ向けてそう指示する。
普段服の着脱をメイドに手伝わせる事はあっても、まさか自分が手伝う側になるとは思いもしなかっただろう。男の股の間に膝をつき、まるで召使いのように扱われるのは彼女にとってはただ抱かれるよりも屈辱的かもしれない。
しかしそんな思いも、今の彼女の表情を見るに消え去ったようだ。手間取りながらも脱がせた下着の中から出てきた、初めて見る肉棒に息を呑んでいる。
彼女がしばらくそうしていると、ハッとした表情でこちらを向き思い出したかのように睨みつけてくる。肉棒を見つめている姿を見られたのが恥ずかしいのだろうか。
「口で奉仕してくれ」
彼女に奉仕を要求すると、より一層こちらを睨みつけてくるがそれで状況は変わらない。
しばし躊躇していたが、やがて観念したのか覚悟を決めるかのように息を呑み、人差し指と親指で竿の根元に触れる。そのまま肉棒を口元まで持ってくると、恐る恐る伸ばした舌で亀頭をゆっくりと舐め始めた。
嫌悪感を滲ませながら舌を動かしているが、肉棒に奉仕しながらの表情だとむしろ興奮する。動き自体は拙く刺激は弱いが、あのリゼットに奉仕させているという状況が興奮を煽る。
「そういえばフィル、どうやって契約したんだ?」
リゼットとの契約をどうやって行ったのか気になるな。これまで経験の無い貴族の令嬢が、見知らぬ男との性行為を同意するまでに至る理由が謎だ。
「決闘したんだ。勝った方が卒業まで言うことを聞くって内容で」
あくまで規制の範疇に限るけどね、と付け加えるフィル。確かにこの学園においても、契印紙を使用した決闘の話はいくつか聞いた事がある。
その話の中でも酷いものだと、すれ違うだけで喧嘩に発展するほど仲の悪い二人が我慢の限界に達し、ついには決闘を行い敗者は契約により退学させられたという噂だ。
まあこれは随分と昔の話で、どこまで本当かは分からないが。
「学園の対抗戦や実戦試験で嫌がらせと妨害をしばらく続けてね、鬱憤が溜まった頃合いに挑発したら簡単に受けてくれたよ」
「それでもよく受けてくれたな」
「魔法の成績は彼女の方が圧倒的に上だったし、一対一なら負けないと思ったんだろうね」
基本的に魔法使い同士の戦闘というのは明確な実力差がある場合、ほぼ例外なく強い者が勝つ。そこに下克上は滅多に起こりえない。
理由は至極単純で、常に貼られている防御魔法を下位の魔法使いはどうやっても突破することが出来ないからだ。戦闘になれば逃げ回る事くらいしか出来ず、最終的には一方的な蹂躙と化す。
だからこそリゼットは負ける訳が無いと思い決闘を受けたのだろう。
「勝ち目が無かったらこっちから決闘を持ちかける訳無いのにね」
フィルが嘲笑いながらリゼットへ向けてそう言うと、これまで静観を貫いていたリゼットだったが、我慢ならないと言った様子で奉仕を止め口を開く。
「......っ! それは貴方がズルしたからでしょ!」
「不正なら契印紙は効果を発揮しないさ。ただ所持する魔道具も力の内だったというだけの話だよ」
フィルは腰に付けていたポーチの中から赤い色をした球状の魔道具を取り出してそう言った。なるほど、そういうことか。
たしかあの魔道具は相手の魔法を吸収、そして威力を倍増して跳ね返す効果だった筈だ。効果だけを聞くと強そうに思えるが、実際はそう簡単にはいかない。
この魔道具は事前に登録しておいた魔法式と、相手の使用した攻撃魔法の魔法式が
さらに発動の際には防御壁を解除しておく必要があるため、リスクがあまりにも高く、とてもじゃないが魔法使い同士の実戦で使われることなどない魔道具だ。
おそらくフィルは事前にリゼットの使う魔法や癖を研究し、ピンポイントでこの魔道具を用意して使用したのだろう。同じ学園で教わった魔法なのだから、魔法式は事前に予測できる。あとは目的の攻撃魔法のタイミングに合わせさえすれば、カウンターが成功するという寸法だ。
学園での手合わせでは基本的な補助魔道具しか使用してはいけない決まりの為、リゼット本人もあまり警戒していなかったのかもしれない。
その他にも様々な魔道具がポーチから出てくる。中にはそれ一つで良い所の土地を買える程の、目が飛び出るくらい高価な魔道具も混じっている。確かにこれだけ魔道具を用意して事前に対策をしていればリゼット相手に勝つことも可能だろう。
「っこんな卑怯な手を使って、あなた達には誇りの欠片も無いのね......!」
これまで喋らないよう我慢していたみたいだが、一度決壊すると止まらないようだ。嵌められた方が馬鹿だと本人も分かってはいるだろうが、卑怯な手を使われた上で嘲笑われるのはさすがに我慢ならなかったようだ。
「負け惜しみは別に良いんだけど、奉仕する口が止まってるよ」
リゼットの隣へ移動したフィルが、喋りながらその場でしゃがんで目線を合わせる。すると無造作に彼女の頭を後ろから掴み、無理やり肉棒の根元まで頭を押し込み咥えさせた。肉棒の先端が喉の狭い隙間を塞いでいるのが感触で分かる。
「抵抗するな」
そう耳元で囁くフィルの命令により、急に喉奥まで突かれたリゼットは暴れようとするも、すぐに抵抗出来なくなった。
両手でこちらの太ももに手を当てては拒絶しようとはしているが、力は全く込められていない。
彼女自身、喉奥にこれまで感じた事のない異物感があるせいか、喉から時おり小さな嗚咽音が聞こえる。
「そのまま頭を前後に動かして、舌を絡ませるんだ」
フィルに頭を抑えられ、喋る事も出来ない状態のままリゼットは命令される。喉奥を突かれた身体が拒絶反応を起こしたのか、それとも酸欠によるものか、彼女の目尻には小さな涙が浮かんでいる。
しかしそれでも契約の力により強く命令されたリゼットの身体は奉仕を続ける。緩急の無い機械的な動きではあるが、先ほどまでの舐めるだけの拙い口遣いと比べると刺激は段違いだ。
「カイルはね、先っぽの段差の所をなぞるように舐められるのが好きなんだ」
フィルはそう言うと、口での奉仕のやり方をリゼットに教え始めた。俺の気持ち良くなる場所や、好みの奉仕のやり方をこと細かに説明している。
優秀なリゼットは口での奉仕の飲み込みも早いのか、初めて男の物を咥えたばかりの拙かった奉仕が、フィルによる指導で少しずつだが確実に上達して行ってるのが分かる。
そのまま数分が経ち、段々と射精感を感じ始めたタイミングでフィルが口を挟む。
「一旦止めて良いよ」
「......っ! ゴホッゴホッ.......!」
奉仕の中断を許可されたリゼットは、肉棒から口を離すとすぐに口内に溜まった液体を吐き出すように咳き込み、口元に手を当てながら横目でフィルを強く睨みつける。
今日これまでのどれとも違う、一目で分かる程の明確な敵意がその瞳には込められていた。
しかしフィルは全く動じる様子もなく、あっけらかんとした態度で呟いた。
「う〜ん、やっぱり奉仕は心がこもっていないとダメだよね」
すると続けざまに彼女へ向けてこう言った。
「今度は自分の意思で奉仕してみて」
「っ! 命令でもないのにするわけないでしょ!」
どうやら契約の力は使わず、ただ普通に指示しているだけのようだ。まあこれだけ無理やりしておいて、急に自分の意思で気持ち良くしろと言われても、素直に従いたくは無いだろう。
しかしフィルはそう返答されるのは分かっていたと言わんばかりにすくっと立ち上がり、本棚の隣にある棚まで歩いて行った。そしてその棚の中に置いてあったある物を手に取りこちらに振り返った。
「この砂時計の砂が落ちきるまでに射精させる事が出来なかったら、中出しする事にしようか」
「っ!」
砂時計を片手に持ちながらそう言い放つと、リゼットは反抗的な態度から一転、明らかに動揺し始めた。
当然だ、貴族令嬢がどこの誰かも分からないような男の子供を妊娠したとなれば、家に多大な迷惑がかかる。社会的にアバズレの烙印を押され、最悪の場合学園も退学することになるかもしれない。
いくらプライドの高い彼女とはいえ、妊娠するとなれば話は変わってくるのだろう。
「待って! いくらなんでもそれは――」
「はいスタート」
フィルは話を途中で遮り、持っていた砂時計を反転させて机の上に置いた。一瞬何か言おうと口をパクパクさせていたリゼットだったが、このままでは時間がなくなると悟ったのか、急いでこちらに振り返り肉棒を口で咥え、そのまま動き始めた。
先ほどまでの命令された奉仕とは違い、自らの意思で男を射精させるための動きだ。唇や舌の動きに気持ち良くさせようとする意思が生まれ、以前より明らかに気持ち良い。
下を向き様子を見てみると、本人は必死なのかこちらを睨む余裕すらなさそうだ。
「カイル」
奉仕に集中していると、いつの間にかフィルがベッドの隣へ腰掛けていた。そして身体を傾けこちらに身を寄せて来たかと思うと、耳元を両手で覆いリゼットに聞こえないように小さな声で囁いてきた。
「もし中出ししても後で避妊の薬渡すから、約束は破っても大丈夫だよ」
耳元で聞こえる優しいヒソヒソ声に、ふわりと香る男とは思えない良い匂い。そのまま顔を隣に向けると優しく微笑みかけてくる。
昔からよく女に間違われていたが、成長した今の見た目は中性的な美少女にしか見えない。男にしては華奢な体付きがそれに拍車をかけている。その見た目に反して中々の悪だな。
「ああ、いつもありがとうな、フィル」
そう言いながら隣にいるフィルの肩に手を置き、こちらに抱き寄せる。絹のようなサラサラの緑髪がふわりと揺れ動き、小さな三つ編みが遅れてやってくる。
急に抱き寄せられ少し驚いたような顔をしたフィルだったが、すぐに上目遣いで何かを期待したような目でこちらを見つめる。
「あ、カイル......」
身長差でこちらを見上げるフィルだが、顔は完全にトロンとした顔付きになっている。
抱き寄せていた腕はそのままに、手だけをフィルの後頭部へ動かし、その柔らかな唇へキスをする。すでに目は閉じられており、完全にキスを受け入れる体勢だ。
「んっ......」
しばらくキスをしていると、次第に舌を絡め合わせる濃厚なキスへと変わっていった。喉の奥から溢れる甘い声と、小さな鼻から漏れ出る暖かな鼻息を感じる。フィルは両腕を首の後ろに回してからより身体を密着させ、まるで恋人同士がキスをするときのような体勢になった。
こちらが舌を動かすとそれに合わせるようにフィルの舌も絡み、逆に舌を動かさずに任せると、舌で舌を奉仕するかのように優しく纏わりつかせてくる、献身的な舌遣いだ。
上はフィルに、下はリゼットに奉仕され、まるで王様のような気分になってくる。しかしそんな時間も長くは続かない。
時間が経つに連れリゼットの奉仕も激しくなっていき、一度中断して落ち着いていた射精感が再度込み上げて来た。
砂時計を確認すると開始してから7、8割ほど経っているだろうか。砂が落ちきるまで我慢出来なくもないが、変に無理をしてまでこの勝負に勝つ必要はない。楽しい時間だったが、そろそろ終わりにしよう。
「んぐっ......!!」
リゼットの頭を両手で掴み、まるでオナホを扱うように激しく前後に動かす。それに伴いキスの動きも激しくすると、フィルも射精が近い事を察したのか、それに合わせてより激しく舌を絡め返してくる。
「......っ! 出る!」
我慢の限界に達し、キスしていた唇を離しそう告げる。それと同時にリゼットの頭を強く掴み、肉棒を喉奥まで押し込んでから腰を押し付けて射精する。
頭が馬鹿になり、口を開けながらドクドクという音がこちらまで聞こえて来そうなほど気持ち良い射精だ。無理やり喉奥に肉棒を突っ込まれたまま固定されているリゼットは、両手を使い力一杯押しのけようと激しく抵抗しているが、構わずに続ける。
そのまま数秒、いや十秒以上経っただろうか、長い長い射精を終えるとリゼットの頭から手を離し、一息つく。
「......この、クズ男......!」
咳き込みながら息を整えていたリゼットが、息も絶え絶えにそう言い放つ。口から精液が垂れている様子は官能的だ。まあ確かに息が出来なくなるほど雑に扱うのはやり過ぎたかもしれない、でも男は射精する瞬間は馬鹿になる生き物なんだ、許してくれ。
「悪いな、そこの洗面所で口でも濯いでくれ」
少しの間、肩で息をしながらこちらを睨みつけていたリゼットだったが、さすがにこのまま口周りの汚れを放置する気にはならなかったのか、口元に手を当てながら立ち上がり、こちらを睨みつけたまま洗面所へ向かって行った。リゼットからの好感度はすでに地の底だろう。
「カイル」
呼ばれた声の方へ振り向くと、フィルが片手にハンカチ持っており、優しい手付きでこちらの口元を拭ってくれた。射精直前のキスの際に、お互いの唾液で汚れた口元を綺麗にしてくれたのだ。
「ありがとうな」
そう感謝を伝えると、フィルは自分の口元にハンカチを当てながら微笑んだ。最近気が付いたのだが、フィルに向けて喋ったり触れたりすると、たいてい笑顔になっている気がする。
日に日に向けられている愛情が大きくなっているようにかんじ、思い直すと昔からこんな感じのやつだったから気のせいかもしれない。
「砂時計の勝負、負けちゃったね」
言われるまで完全に忘れていたが、そういえばそんな勝負していたな。リゼットは中出しされないよう必死に頑張っていたが、こちらとしては正直勝ち負けはどうでも良かった。
「リゼットは砂時計をチラチラ見てたけど、カイルは射精に夢中だったもんね」
フィルは笑いながら、からかうような口調でそう言った。
「仕方ないだろ、気持ち良いんだから」
そう話しながらもフィルは手元のハンカチを広げ、汚れた肉棒を両手で優しく包み込み拭いてくれる。射精してすぐだと敏感なため、わざわざ少し間を置いてから綺麗にしてくれるのだ。
まあ女とは違い、肉棒をよく理解した男ならではの気遣いとも言えるかもしれない。
「あなた、見た目が可愛ければ誰でも良いの? 変態ね」
口をゆすぎ終わったのか、洗面所から帰って来たリゼットが嫌悪感を滲ませながらそう吐き捨てた。洗面所から勝手に拝借したのか、短いタオルを胸元で握りしめ全裸の身体を少しでも隠そうとしている。
あれだけの行為をされたせいか、彼女の俺達に対するヘイトは明らかに上限に達している。
「......」
一瞬冷たい表情になったフィルだったが、すぐに元の表情へ戻った。そのまま何も言わずベッドから立ち上がり、砂時計を持って先ほどの棚の所へ向かって行った。
砂時計を元の位置に戻したかと思えば、そのすぐ隣に置いてあった施錠された箱を開け、赤い水滴の模様が描かれた水袋を取り出す。
あれは確かローションだった筈だ。しかし......
「賭けに勝ったし、もういいでしょ?」
リゼットはそう言い放ち帰ろうとするが、さすがにそうはいかない。今までのはあくまで前哨戦であって、本番はこれからなのだ。それに賭けの内容はあくまで中に出さないというだけで、セックスをするしないについてはまた話が別だ。
「待て、まだ終わりじゃないぞ」
服を着て帰ろうとするリゼットを止めると、彼女の性格的に反発してくるかと思ったが、意外にも素直に動きを止めた。
さすがに本人もこの部屋に来た時点でこうなる事は覚悟していたのか、万が一に賭けて一応言ってみただけなのかもしれない。
まあ契約の期間は学園卒業まで有効なのだ。仮に今ここから帰れたとしても結局いつかは貞操を奪われるのだから、遅かれ早かれ同じだと考えているのかもしれない。
「カイル、これ使おう」
先ほど箱から取り出した、ローションの入った水袋を片手にフィルはそう言い放つ。
「仰向けでベッドに寝て」
フィルに命令されたリゼットは、得体の知れない物体に訝しみつつも渋々といった様子で従う。まあ中身はローションだから処女のリゼットにはちょうど良いかもしれない。
しかし問題なのはただのローションではなく、不感症用に作られた効果の強い
フィルは早速、ベッドに寝そべったリゼットの両足を持ち開脚させる。この体勢だとモロに陰部が見える形だ。
「ちょ、ちょっと!」
「動かないで」
さすがにこの体勢は恥ずかしいのか、抵抗しようとしたリゼットだったが、すぐにフィルの命令により静止させられた。命令されてしまってはどうすることも出来ないリゼットは、恥ずかしそうに顔を横にそむけ、片腕で顔を隠すように覆った。
開脚させられた状態で固定されたリゼットの陰部を見てみると、毛はきちんと整えられ手入れされており、その下の割れ目はぴっちりと閉じられていた。色素もほとんど沈着しておらず、これまで経験が無い事が一目で分かる綺麗さだ。
「んっ......」
そのまま陰部に手を伸ばすと、急に触られ驚いたのか小さな声とともに身動ぎをする。陰唇の全体を優しく撫でるように手を動かし、時おり陰核にも触れてやると、刺激が強いのかそれに連動するように彼女の身体が反応する。
声を出したのは最初だけで、それ以降はずっと沈黙を貫いている。しかししばらく前戯を続けていると、彼女の膣奥からほんの僅かだが粘性の液体が漏れ出てきた。
濡れ始めている事を示すために、わざと音が鳴るように指を動かしてみる。顔を隠している彼女の表情は読み取れないが、粘性の卑猥な音は確かに聞こえているはずだ。
このまま完全に濡れるまで続けても良いが、最終的にローションを使うのだから今そこまで時間をかける必要もないだろう。
フィルの方に顔を向け手を差し出すと、ベッドの上に置いていたローション入りの水袋を手渡してくれた。
「今からローションを使うぞ」
そう言いながら水袋を開けると、リゼットは顔を隠していた腕を少しずらし、その隙間からちらりとこちらを覗き見る。やはり本人もこれが何なのかは気になっていたみたいだ。ローションを使う事は伝えたが、媚薬入りという部分まで伝えるつもりはない。
水袋を傾け媚薬入りローションを陰部に垂らすと、リゼットの下半身が驚いたように小刻みに動いた。
しかしさすがにそんなに早く媚薬の効果は表れない。単純にローションが少し冷たかったからだろう。そのままローションを垂れ流し、もう片方の手で陰部全体に行き渡るよう塗り広げる。これで準備は完了だ。
ローションによって光沢が出来るまで塗りたくられた陰部は、先ほどまでとは違い、ほんの少し手を動かすだけで簡単にクチュクチュと卑猥な音が鳴る。
これまでわざと触れていなかった膣の入口に指を当て、そのままゆっくりと中まで挿入していく。穴自体は小さかったが、ローションで滑りが良くなった指は簡単に中へと入っていった。
すると侵入してきた指を締め付けるように膣内がうねうねと動き、意思を持っているかのように指を刺激する。ここに肉棒を入れたら絶対に気持ち良いだろうと分かる締め付けだ。
「んっ......はっ......」
しばらく中で指を気持ち良い所に当たるよう前後に動かしていると、ずっと声を我慢していたリゼットの口から、小さな喘ぎ声が漏れ出て来るようになった。
媚薬入りローションが効き始めたのだろう、発汗しているのかリゼットの前髪の一部はおでこに張り付いており、身体が火照り始めている。しかし本人は媚薬入りという事は知らないため、嫌なのになぜか感じてしまうという状況になっているはずだ。
さらに指を一本追加して中に入れていくと、これまで指にかかっていた締め付けを更に強く感じるようになった。上昇した体温に比例しているのか、中で感じる熱も増したような気がする。
「ぁっ......あぁ!」
二本の指でグチュグチュと卑猥な音を鳴らしながら中を擦り続けていると、次第に彼女から漏れ出る喘ぎ声が大きくなっていき、ついには部屋の隅にまで届くであろう声量になっていった。既に声を我慢することなど出来ない様子だ。
「......ぁぁぁあ゙ぁ゙......!!」
段々と大きくなっていく喘ぎ声に合わせ、こちらも指と手を激しく動かす。顔を隠す事も忘れ、両手でベッドのシーツを鷲掴みにして少しでも刺激に耐えようとするリゼットは、腰を震わせながら部屋に響き渡るほどの大きな喘ぎ声を喉から出していた。そしてついに限界が来たみたいだ。
「あ゙ぁ、イッ......はッッッ......!!!」
リゼットは顎と背を仰け反らせ、声にならない声を喉から出しながら絶頂した。開きっぱなしの口の端から涎を垂らし、腰はガクガクと震わせている。経験の無い彼女にこれは些か刺激が強すぎたかもしれない。既に膣穴から指を抜いているが、リゼットの腰は未だに小刻みに震え続けたままだ。
処女相手にいくら頑張ってもこうはならない、媚薬の効果が良く現れていると言えるだろう。
「はぁ......はぁ......」
絶頂の余韻から肩で息をしている彼女は、天井を見上げながら呼吸を整えている。顔を赤く火照らせながら汗でおでこに前髪を貼り付けている妖艶な姿は、誰が見ても事後にしか見えないだろう。
すでに息も絶え絶えの彼女には悪いが、ここからが本番だ。時間が経ち少し乾いたローションを補充するため再度垂らし塗り拡げ、スムーズに肉棒が入るようにする。
「じゃあ挿れるぞ」
絶頂してほぐれきった膣に、正常位の体勢で勃起した肉棒の先端を合わせる。ローションの滑りと前戯によって受け入れる体勢になった膣の入口は、少し腰を突き動かすだけで肉棒を簡単に受け入れた。途中処女膜によるものなのか一瞬抵抗を感じたが、それもすぐに突破し奥まで挿入が完了した。
「えっ......?ぁ!」
不意に入れられたリゼットは驚いているみたいだ。本人もこんなあっけなく処女を奪われるとは思っていなかったのかもしれない。リゼットの反応を伺うようにじっくりと挿入しても良かったが、絶頂してすぐのほぐれた膣は生き物のようにうねり肉棒を刺激する。彼女が回復するまで待っているのは少し勿体なく思えた。
しばらく肉棒を根元まで入れたまま中で馴染ませる。何もしなくとも膣が強く締め付けており、動いていないにも関わらず快感が襲ってくる。
前戯の時から思ってはいたが、やはり相当な名器だ。これまで抱いてきた女と比べても締まりや膣内の動き、感触のすべてが男を搾精するのに特化しているように感じる。
「ぁ......私の中に......」
リゼットは首を少し持ち上げて接合部を見ながら呆然としている。だがそんなことを気にする余裕もすぐに無くなるだろう。
彼女の柔らかな太ももを掴み、馴染ませる為に止めていた腰に力を入れて前後に動かしていく。するとこれまでとは桁違いの強烈な快感が襲ってきた。
「これは凄いな......」
中の感触を味わうようにじっくりと腰を動かす。膣内のでこぼことした膣壁が、締め付けながらぬるぬると絡みついてくる。
腰を引くと名残り惜しそうに絡みついてくると思えば、突き出す時には抵抗するかのように膣壁が反発してくる。容姿だけではなく、身体もそこらの女とは比べ物にならないほどの上玉だ。
「んっ.....あぁっ!だ、だめっ......!」
腰を動かしながら片手で胸を揉む。一応抵抗しようとしているのかこちらの腕に手を添えてくるが、その手には全く力が入っておらず、ただ形式的に抵抗しているだけの状態だ。
視覚的な情報は言わずもがな、こちらの動きに合わせて漏れ出る淫らな喘ぎ声がより興奮を煽る。
リゼットの反応を見るに、ローションの効果によって処女特有の痛みはほとんど無いみたいだ。これなら遠慮せず好きに動けそうだ。
「ん?」
太ももに何かが触れた気がしたため、そちらに視線を落としてみると、隣にいるフィルの片手がそっと太ももに添えられていた。思わずそちらに顔を向けると、フィルはすぐ傍まで来ており、上目遣いでこちらを見つめていた。
「どうした?」
顔を見ただけではさすがに何を伝えたいのか分からない。本人に直接聞いてみると、不安そうな表情で少し言いづらそうに答えた。
「む、胸舐めても良い?」
いつもの冷静な喋り方ではなく、時おり表れる少し弱気な喋り方だ。
それにしても珍しいな。行為の最中に自分から声をかけて来たり、軽く手伝いをしてくれる事はある。しかし普段は控えているのか、性的な接触をしてくることはまず無いのだが。
「いいぞ」
一言そう伝えると、不安げだった表情が柔らかい笑みに変わった。すると身体を潜り込ませるようにこちらに近付いて来て、そのまま俺の乳首を舐めだした。あぁ、リゼットじゃなくて俺の胸の事か。
たまに愛撫を手伝わせているせいで麻痺していたが、冷静に考えるとフィルが自ら女の胸を舐めたがる事は無いな。上目遣いでこちらを見つめながら乳首を舐めているフィルの頭に手を置き、サラサラの髪の毛を撫でる。
しかしフィルが上手いのか、想像していたよりも気持ち良い。男の乳首なんて舐められてもたいした刺激にならないと思っていたが、案外悪くないかもしれない。
腰を振りながらしばらくそうしていると、段々と射精感が込み上げてきた。すでに二発目だがリゼットの中が想像以上の名器で、思っていたより早く逝きそうだ。先ほどの乱れ具体を鑑みても、彼女の体力の限界も近いだろう。
最後のスパートをかけるため両手で強くリゼットの腰を掴み、少しずつ腰を振るスピードを上げていく。動きが早くなるにつれ、結合部から水気を帯びた卑猥な音がよく聞こえるようになってきた。
「〜〜〜〜っ!!」
激しい動きに身体をビクつかせているリゼットは、手で口を押さえながら声にならない声をあげる。先ほどから小刻みに小さく逝っており、これまで感じたことのない快感に身体が驚いているのだろう。
ただこちらもそろそろ我慢の限界だ。正常位の体勢からリゼットに覆いかぶさるように体勢を変え、声を出さないように口元を押さえているリゼットの手を強引にどかし、邪魔するものが無くなった唇にそのままキスをする。
「んんっ......!?」
突然のキスに目を白黒させるリゼットだったが、激しい快感に精一杯なのかたいした抵抗はしてこない。その勢いのまま唇の間に舌を入れると、あっけなく口内への侵入に成功した。
そのままリゼットの舌にこちらの舌を絡めると、リゼットも興奮しているのか弱々しい動きながらも自らの意思で絡め返してくる。媚薬による興奮と初めての快感で、抵抗する意識が朧気になっているのかもしれない。
濃厚なキスをしながら興奮のまま全力で腰を振り、絡めている舌を激しく動かすと、それに応えるように向こうの舌遣いも段々と激しくなってくる。
ヤバい、そろそろイク......!
「んんっ!? 〜〜〜〜!!!」
キスをしながら全身を密着させ、一番奥で射精をする。リゼットも同時に絶頂したのか、しがみついてくるように手足を回してくる。間違いなくこれまでの人生で一番気持ち良い射精だ。
柔らかな唇の感触と、リゼットから醸し出されるフェロモンのような情欲的な香り、そしてこちらの精液を少しでも多く搾り取ろうと動く膣内。
頭が真っ白になるほどの強烈な快感と全能感に支配される。しばらく身体を密着させたままそうしていると、無限に続くかのように思えた長い長い射精が終わり、少しずつ冷静になってくる。
「......ぁ」
身体を起こしゆっくりと陰茎を抜くと、中からゴポリと精液が垂れてきた。まだ使い込まれていない綺麗な割れ目から、白濁した精液が流れ出てくる姿には淫靡さと征服感を感じる。
そういえば黙って中に出してしまったが、リゼットとは中出ししないと約束していたはずだ。元々約束を破る気は無かったのだが、興奮してそれどころでは無くなってしまった。
「お疲れ様、カイル」
事の終わりを見計らったフィルが、水の入ったグラスを手渡してくれる。軽く一口飲むと、運動して火照った身体に水がよく染み渡る。
「綺麗にするね?」
フィルは優しく囁くようにそう言うと、股間に覆いかぶさるように頭を埋めた。ローションや愛液、精液が混ざり汚れた肉棒を構わず口に含み、そのまま優しく舌で舐め取り出した。射精してまだ少し敏感ではあるが、唇や舌ならそこまで強い刺激にはならない。
それにしてもさっき乳首を舐めるのを許可したからか、随分と積極的になっている気がする。前までは、こちらから頼むまで静かに隣で待っていた筈だ。
あと一応体内に摂取しても問題のないローションの筈だが、色々と混ざった肉棒を舐めるのに抵抗はないのだろうか。
「やっぱり上手いな」
フィルの頭に手を置き、手触りの良い髪を撫でながらそう呟く。これまで何度も舐めさせているせいか、気持ち良い所や敏感な所を完全に熟知している。
今回は抜くためではなく掃除するための行為だが、尿道内に残っている精液まできっちり綺麗にしてくれるのは、慣れていないと中々出来ない動きだろう。
中々心地よい掃除の時間だったが、一通り肉棒が綺麗になるとフィルは離れていく。そして片手に持ったハンカチを少し広げ、その裏側で肉棒を丁寧に拭いてくれる。
「もう終わったから、服着て帰って良いよ」
疲れてベッドに横たわっているリゼットに対して、フィルが陰茎を拭きながらそう言い放つ。
「そこに避妊薬置いてるから、帰ったら飲んでおいてね」
いつの間にか机の上に置いてある避妊薬を指差し、帰宅の準備をさせる。
事後で体力を完全に使い果たしたのか、リゼットはゆっくりと服に手を掛けていた。しかしそんなリゼットを尻目に、フィルは急かすように支度をさせると、気が付けばあっという間に彼女を帰らせていた。
もう少し何か喋る事になると思っていたんだが、まあ別に良いか。リゼットとは今日これで終わりという訳ではないのだ。
「どうだった? 気持ち良かった?」
「ああ、これまでで一番気持ち良かった」
素直にそう伝えると、フィルはほんの少しだけ憂いを含んだような表情で笑った。
「そっか、またしたくなったらいつでも呼び出せるから、その時は言ってね」
喋り方はいつもと同じだが、これまで見たことのない表情に何か違和感を覚える。行為が終わり少し離れた位置にいるフィルの元へ行き、無理やり肩を抱き引き寄せる。
華奢な身体は腕の中にすっぽりと収まり、驚いた顔をしているフィルの顔を上げさせ、そのままキスをする。
舌を絡めるキスではなく、ほんの一瞬触れるだけの簡単なキスだ。これまで幾度となくしてきた行為だが、フィルはとても驚いた表情をしている。これまで行為中に流れでキスすることはあっても、シラフの状態でキスをしたことは一度もない。
「えっと......なんで」
「分からない、ただほんの少し寂しそうだったから」
正直にそう口にすると、フィルは一瞬不思議そうな顔を浮かべたあと、はにかむように笑いながら抱き着いて来て、俺の胸に顔を埋めた。
「そっか」
胸元で小さくそう呟いたフィルは、しばしの間くっついていたが、やがて満足したのか数歩後ろに離れてからかうようにこう言った。
「見た目が可愛ければ誰でも良いの? 変態だね」
まるで真似をするかのように上機嫌でそう言い放つと、すぐにそのまま汚れたシーツの片付けをし始めた。
最近は献身や気遣いをしてくる度に、フィルから向けられる感情を強く感じるようになった。
男とする趣味は全く無いのだが、性行為をしている最中に近くにいると、つい便利なフィルを使ってしまうのだ。
このままだといつか完全に絆されてしまうのではないかと少し不安になる。だからと言って止めるつもりは毛頭無いが。
そんな小さな悩みも、嬉しそうに小動物のように動くフィルを見ると次第にどうでも良くなってくる。まあ、万が一そうなったとしても今の生活とたいして変わらないのだから、そう悪いものではないのかもしれないな。