※この作品はR-18です。

Lily EP2 ~黒濁の海に沈んだ王国~   作:YU-GO

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第19話 ~明かされてゆく真実~

リリィ達の前に現れた冥海龍『ラギアクルス希少種』。だがその正体は、深きものであり、闇の化身でもある冥海神ダゴンであった。

 

ダゴン「我の目的はこの世界を千年帝国である『ダゴン帝国』を築き上げた暁に、それぞれの世界へ侵攻し、そして蹂躙し、それらも我の物へと変えるのだ。」

 

カレン「そんな自分勝手な事を!!許さないわ!!」

 

ダゴン「それに、我の機嫌は昂るほど調子良い。ならば、全ての真実を自ら明かしてやろう。」

 

レオナ「全ての真実…!?」

 

ダゴンは身体をくねらせ、水中の中で独自のとぐろを巻いた。その姿は、正に深海を支配する魔王の姿だった。

 

ダゴン「まずはヴァンクラッドという愚か者を生み出したのは、我だ。」

 

アレイス「なっ!!?」

 

ジャック「ヴァンクラッドが…アンタを生み出した…!?」

 

ダゴン「具体的に言えば、彼奴は元々は豪快さと勢い任せの善意ある者だった。だが、我が秘宝を見つけた時、其奴は秘宝を手に入れた代償により、ヴァンクラッドは残虐で残忍なる大海賊へと変貌した…」

 

クラウス「ま、まさか…!ヴァンクラッドは元々は良い奴だったのか!?」

 

ダゴンが告げた言葉を聞いたリリィ達は、戦慄や電流、稲妻が走った。特に元々この世界にいたアイリス達はリリィ達よりも鋭く電流が異常なほどに走った。

 

かつてヴァンクラッドは、殆どが豪快と勢いで乗り越え、仲間想いの大海賊だった。だがある日の時、ヴァンクラッド達はある秘宝を手に入れた。だがその秘宝はダゴンが生み出した物で、絶対的な価値のある秘宝でありながら、人の心を醜く歪ませる物であった。

 

ダゴン「ヴァンクラッドが見つけ出した秘宝は我が生み出した物である事を知らず、徐々に心は醜く歪んでいき、残虐で残忍、非道なる外道へと堕ちていった。そして、其奴の手下をも影響を受けてな…。」

 

日菜「まさか…ヴァンクラッドは…そのまま悪業を行って…!!」

 

ダゴン「ご明答。彼奴我の策に掛かった事を知らず、このまま欲望と復讐のまま全てを蹂躙し、そして裏切られ、命を落とした。だが、彼奴は余りにも恨み深かった。我は彼奴にチャンスを与えた。『別の物を憑依しろ』と使命を与えた…」

 

クラウス「私が、あいつに乗っ取られて…それから…!!」

 

ダゴン「察しが良いようだな。クラウス。ここまで来たら、もうわかるだろう。」

 

ヴァンクラッドがクラウスの体を乗っ取ってから、彼はありとあらゆる策や海賊達を利用し、アイリス、ミレイユ、オリヴィア、セシル、ルイリー、その他の女達を犯し、弱者を弄び、そして海賊王国を築き上げたという。ヴァンクラッドは悲願である弱肉強食の海賊王国を建てるも、ダゴンの策略の駒にされている事に気が付かなかったのだ。

 

ダゴン「其奴が海賊王国を建てた後、我の領域に傷だらけの魚人の王子が沈み堕ちて来た。」

 

シュトロム「余の事だ…!」

 

テオ「シュトロム…アンタは、アイツとは何が関係あるのか!?」

 

シュトロム「余は…私は…魚人や人魚達が暮らす王国の王子だった。だが、そこに人魚の肉を求め、人間どもが侵攻して来た…奴らの暴虐で大勢の魚人や人魚達が殺された…!!」

 

ダゴン「そのシュトロムは人間に対する憎悪が満ちており、我は其方に素晴らしい力を与えた。」

 

シュトロム「その素晴らしい力と引き換えに、私の心は憎悪に蝕まれ、そして冷徹な魚人王へと変わり果てた…!!」

 

バルト「シュトロムが魚人や人魚達の国の王子だと…!?」

 

ダゴン「シュトロムやらが力を発揮出来るようになった時。小手調べとして、其方の故郷を襲った愚かな人間どもの国を、我の軍政を率いて蹂躙した。結果は人間どもは呆気なく敗北し、シュトロム達は勝利した。」

 

メノウ「憎しみと本能のままで、憎むべき相手を蹂躙したのか…!!」

 

ダゴン「そして、次は海賊王国の侵攻を開始した。我ではなく、シュトロムが率いる軍政により、海賊王国は瞬く間に壊滅し、サン・テミオンとやらは深海へ沈んでいき、我の国の一部へと変えた。」

 

リリィ「ヴァンクラッドの事はどう思ったの?」

 

ダゴン「たった一つの単純(シンプル)な答えだ。用済みだ。だから殺した。我の手で、いや、シュトロムの手でな。」

 

シュトロム「ヴァンクラッドどもによって穢されたアイリスや他の女達は、ダゴンの邪気で人魚と化し、我々の軍は更に力を増幅していった。」

 

アレイス「だとすれば…全ては…あのダゴンと言う奴が、元凶なのか…!!」

 

アレイスは知った。ヴァンクラッドが海賊王国を建てたのも、元を正せば、全てはあのダゴンという敵が、全ての元凶である事を知った。

 

 

オリヴィア「………さげんな………」

 

ガレオン「オリヴィア、また息があったんかいな…(汗)」

 

オリヴィアは意識を取り戻すと、落ちていた戦斧を拾った。

 

オリヴィア「ふざけんな…!!」

 

オリヴィアは前に出る。

 

オリヴィア「ダゴンかなんだか知らねえけど…私を狂わせたのをふざけんじゃねぇぇぇぇッ!!!!!!」

 

オリヴィアは怒り任せでダゴンに向かった。

 

ドリータ「オリヴィア!!前に出るな!!」

 

 

 

オリヴィア「ふざけんなぁ!!!この海蛇野郎があぁぁぁッ!!!」

 

ダゴンの右側に、オリヴィアか戦斧を構えて突進して来た。

 

ダゴン「元凶であるこの我に刃向かうとは、なんとも愚かしい者だな。」

 

オリヴィアが力いっぱいダゴンに斬り裂こうとするが、ダゴンの鱗は余りにも硬く、オリヴィアの攻撃が弾き返された。

 

オリヴィア「か、硬え…!!」

 

ダゴン「我に刃向かった事を後悔するが良い!!蛮娼の黒薔薇とやらよ!!!」

 

ダゴンはそう言うと、口から黒雷弾を放ち、オリヴィアはその黒雷弾に直撃した!!

 

『バチィィィィン!!!』

 

オリヴィア「うぎゃああああぁぁぁ!!!」

 

黒雷弾に直撃したオリヴィアは、感電したまま沈んでいった。

 

ルイリー「オ、オリヴィア…!!」

 

ルイリーは沈んでいくオリヴィアをキャッチした。だがオリヴィアは白目を向いたまま気を失っていた。

 

ルイリー「オリヴィア…」

 

クラリス「大丈夫…さっきの攻撃で気を失っているわ。」

 

 

テオ「……………」

 

ダゴンを強く見ていたテオは、刀を抜き、構えを取った。ヴァンクラッドが起こした悲劇の元凶、そして全ての元凶であるダゴンが、今目の前にいる事を。

 

リリィ「私も同行するわ。」

 

テオ「リリィ…」

 

リリィ「貴方一人じゃ、困難だわ。私とイリスと共に、アイツをぶっ潰す。」

 

イリス「同感だ。アイツはあの黒犬どもよりも、デュランと同じような臭いがする。」

 

 

ダゴン「そうか…小僧と小娘が我に刃向かうのか…だが、これでは面白くない。グランドフィナーレに相応しく、こうしてやろう。……………ハァッ!!!」

 

ダゴンは邪気を放つと、周りにいた人魚達が凶暴化し、ジャック達を襲いかかった!!

 

ガレオン「最後の最後でこう言うオチかいっ!!!」

 

ジャック「ここまで来たなら、もうとことんやり切るしか無いな。」

 

バルト「良いだろう…ならばパーティと行こうか。」

 

 

ジャック「行くぞッ!!!!!」

 

 

リリィ「みんな…!!」

 

テオ「ダゴン………てめえだけは…!!!」

 

ダゴン「クハハハハ…かかって来るが良い。白百合の女騎士と、神眼の剣士よ…!!」

 

リリィとテオの目の前には、ダゴンがいる。サン・テミオンを更なる悲劇へ叩き落とした全ての元凶を打ち倒す最終決戦が幕を開けようとした。




topics

ダゴン
古きものであり、闇の化身の一人である冥海神。サン・テミオンを襲った悲劇の元凶。この世界へ迷い込んだラギアクルス希少種の身体を憑依して、ヴァンクラッドやシュトロムを醜く狂わし、計画の為に利用した。

目的は彼の悲願である千年帝国『ダゴン帝国』を築き上げた暁に、ありとあらゆる世界を蹂躙し、その全ての世界も帝国の贄として、完全なる帝国を生み出そうとしている。
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