Skeb依頼で書かせていただいた、ドーマウスとえっちする話。
私たちの住む世界と彼のいる世界は、密接な関係にありながらも間にはとても分厚い壁がある。
その世界に数多存在する小さな窓から世界を覗き見ることはできても、自分たちを使うマスター以外との意思疎通はとても難しい。興味本位で誰かに声をかけるとか、その世界に飛び出して歩いてみたりするのはまず不可能なことだ。
とはいえマスターが相手であれば、一言なにか声をかけたり夢枕に立ったりすることはできなくもない。自分たちを使う、という明確な繋がりがあるから、そこを通して意思を伝えたりができる。マスターがそれを単なる空耳やただの夢と思わずに、気に留めてくれるかは別の問題として。
――絵本を読んでいるようなものだよ、と誰かが言った。そこで暮らす人々の生き様や街の様子を見ながら、そこで私達がどんなものとして登場しているのかを楽しむのだと。たしかにそうだと私は思った。向こうの世界の様子を観察して、あっちじゃなかなか出番が無いことを嘆いている人や、いつになったら自分が覗ける窓が出来上がるのかと愚痴をこぼす人や、その世界の自分が強すぎて肩身が狭そうにしている人も、活躍できなくて寂しそうにしている人もいた。
その中でも、自分を使うマスターと特に強いつながりを持つ人だけが、そのつながりを辿って実際に向こうの世界に行くことができた。曰く向こうでは、『カードの精霊』なる存在が都市伝説として存在しているらしい。カードと強い絆を持つ人だけが、精霊に――つまりは私たちに巡り合うことができるのだと。
絵本の中の世界に旅立って、自分だけの王子様に会えるだなんて――まさに夢のような話。
夢の続きを知ることができるのは、その夢に旅立てることのできた人だけ。
ああ、いいな、うらやましいな……なんて夢見心地でいられたのは、もうずいぶん前のこと。
「マスター、起きて。遅刻しちゃうよ」
「…………んん」
寝ぼけた王子様の体をゆっさゆっさと揺さぶって、彼を深い眠りから起こそうと試みる。
彼はとてもねぼすけで、アラームが鳴り響いてもちっとも起きやしないどころか、アラームの音で自分は寝たまま隣の部屋の方を起こしてしまうものだから、こうして私が彼の目覚まし時計をやっている。
……寝てる人を起こすのは、王子様の役目のはずなんだけどな。なんて思いながら、私は今日も彼の目覚ましを担当する。
*
彼と私との間にできた強い強いつながりを辿って、世界を渡ったのが懐かしく思えるほどに日が経った。
彼のデュエルディスクを用いて彼の元に召喚されて以来、私はずっと彼と一緒に過ごしている。他の子たちもじきに来るだろうけれど、最初につながりを得てこの世界にやってこれたのは、私――M∀LICE<P>Dormouseだけだった。
私のマスターである彼はこの街でそれなりに名の知れたデュエリストで、主にサイバース族を軸としたデッキを使用している。コード・トーカーや@イグニスターといったデッキを愛用していた彼は、私たちM∀LICEの登場とともに私たちを使用するようになってから、もともと低くなかった勝率をぐんと高めたのだという。そういった情報を彼の自宅にある電子機器に潜り込んで調べるのが私の楽しみでもあった。
広大な情報の海に浮かぶ掲示板では、一線からは離れる強さのデッキを使いながらそれでも戦えていた彼だから、そこに私たちという新しいデッキが現れたことで、カードパワーとデュエルタクティクスが合わさってそんな強さになったんだと評価を受けていた。事実それは間違いではないのだろうけど、それだけが彼の強さの理由ではないことを私は知っている。
「ドーマウス。今日の予定はなんだったっけ」
「ダブル町のカードショップで十三時から大会。それからボーンヤードタウンの、カ……? あとコロン記号に閉じカッコ? 何このメモ……もしかして予定書いてる途中で寝落ちしたの、マスター?」
「ああ……確かボーンヤードタウンの、ファイブアップって店に用があったんだ。昨日探してたカードがそこにならあるってカドショの案内サイトで見たから……」
洗面台の前で歯を磨くマスターに対し、私はデュエルディスク内のメモアプリに書かれた内容を声で伝える。
彼の使っているデュエルディスクは、一度デッキをセットしてカードを読み込ませればディスクが内容を保存してくれる――いわゆるデータ管理タイプと呼ばれる、カードレスでデュエルが可能になる新しいタイプのデュエルディスクである。従来のディスクに比べてコンパクトなサイズで取り外しも可能だから、電話番号やメールアドレスの取得、それからアプリなんかをインストールして携帯端末がわりに使うこともできる。ソリッドビジョンによって空中に浮かぶ半透明の手札やフィールドに触れて行うARでのデュエルが格好いいと評判の一品だ。
そして私は、そんなデュエルディスクの中に自分のカードデータと一緒に宿っているから、中から操作して勝手に自分を召喚させることも、召喚をやめて中に戻ることも自在にできる。普段は中に隠れてマスターのお手伝いをする会話型AIのふりをして過ごし、家の中ではリアルソリッドビジョンで構成される肉体を得てマスターと交流している。今はこれから出かけるとのことで、私はディスクの中から電子のスケジュール帳を開いて内容を確認していた。
「ぷえっ……。ドーマウス、ボーンヤード行きのバスの時刻も調べておいてくれ」
「了解、ダイヤを調べてアラームも設定しておくね。大会のあと、すぐ? それとも少し空ける?」
「んん……一度、食事してから向かいたいかな……大会は頭を使うからお腹空くし……」
「それじゃ、ダブル町のレストランも調べておきますね。なるべく安くて量のあるお店を」
ブラウザを開き、指を躍らせて検索をかける。その間にマスターは口をゆすぎ終えて、身支度に移っていた。
こうして彼と一緒に過ごしたことで、我ながら阿吽の呼吸というべきか、彼の好みや行動をどんどん把握できるようになっていた。彼も最初こそ驚きはしたものの、なんだかんだで適応力が高いらしく、「よろしく」の一言で私という存在を受け入れてくれた。
強いつながりを辿ってやってきたとはいえ、拒絶されるかもしれないと恐れていたから、その言葉と小さな笑顔は何よりうれしかったことを今でも覚えている。同時に、ずっとこの人の傍にいたいな、という想いが硬く強く大きなものになったことも。
だから――デュエル以外でも、一緒に日常を過ごしながら頼られていることは、すごくすごくうれしいのだけれど。
(もしかしなくても、私……)
自分に任されたこと、自分がやっていることを客観的に見て、いつも思うことがある。
(ほんとにただの、便利なだけのAIと変わらないのでは……?)
もっと、マスターと……ひとりの少女として一緒に過ごす時間があっても、いいんじゃないのかと。
カードの精霊、電子機器に宿るサイバース族、というだけじゃなく。
彼ともっと……親しくなりたいと。いや、というよりも、もっと先。こういう関係じゃなくて、もっと――。
(もっと……何か、あっても、いいんじゃ、ないの、かなあ……??)
彼のデュエルディスクの中、データの中をぐるぐる泳ぎ回りながら、行き場のない気持ちが膨らんでいくのを実感しつつ、赤らんだ顔でため息をひとつこぼした。
*
私は、マスターのことが大好きだ。
私を使ってくれるマスターが大好きで、私を愛してくれるマスターが大好きだ。
強いつながりというのは、私からマスターに向ける想いだけじゃなく、マスターが私に向ける想いも強くある必要がある。双方向から結びつきあう想いの強さがあって、はじめて世界を渡ることができる。
だから私がここにいるということが、マスターが私を強く想ってくれていることの証左なのだけれど。
たぶん、きっと……いや絶対。
マスターが私に抱いている想いの形は、私が抱いているそれとは、微妙に形が異なっているのだ。
でないと――。
「……ぐう」
「…………、…………」
私という女の子のモンスターが、リアルソリッドビジョンを伴って、同じベッドで同じシーツを被って添い寝しているのに、爆睡なんてできるはずもないのだから。
……カンテットシティの外に出て、バスを乗り継いだりしばらく歩いたりして、今日は結構な時間を外で過ごした。だから彼の体に疲労がたまっているということはわかる。わかるけど。
家に帰ってきてさあ寝ようとなったとき、少しの勇気を出して『添い寝してあげましょうか』と言った私に対し、彼が返した言葉は『じゃあお願い』である。これまた勇気を出して彼と一緒のベッドに潜り、彼の体温を感じながらじっと顔を見つめていたら、この様子。爆睡である。男の子とは思えないあどけない寝顔を私の前に晒して、ぐっすりと眠っている。
(この人は……どうして眠り鼠より寝るのが早いの……!)
一方の私は、彼と同じベッドにいるせいで体や顔が火照り、到底寝付けそうにない状態にあった。
目の前に好きな男性が寝顔をさらして眠っている。平静なんて保っていられるはずもない。
いや、いいやとぎゅっと目を閉じて深呼吸をして、改めて彼の顔を見つめた。寝顔。かわいい。好き。
彼の抱いている感情が私のそれと違っているのなら、同じ方向に向けさせればいい。否が応でも私に興奮させられてしまう、そんな状況に持ち込めばいい。そのために今日、私は彼がデッキを調整している時にこっそりとデュエルディスクからブラウザを開き、彼が普段使っているいかがわしいサイトを覗いてきたのだ。
電子書籍やゲーム、便利なソフトウェアに至るまで全年齢向けも十八禁も取りそろえた大きなサイト『ディランザ』へ、彼のブックマークから辿って彼のアカウントを使ってログインし、購入履歴を見てきた。彼がどんなものを好んでいるのか、彼が好む作品の中の女の子はどんなアプローチを試みているのかとかをしっかり読んで把握した。
……みんな、おっぱいが大きかった。あと、かなり積極的で肉食系って感じだった。
(荷が重い……とか考えてちゃだめだよ私、ぐいぐい行かなきゃだめなの……!)
毛布をどかして体を起こし、衣装を消してインナーだけになる。
おしゃれなドレスから黒くて薄い服一枚だけ――それも食い込みの角度がそれなりな、いわゆるレオタードを着たような姿へ。
電子書籍で見た女の子たちは似たような姿をしていたから、たぶん、私のインナー姿は彼の好みだと思う。体型は……某ラビュリンスのお姫様とか、ブラックでマジックな女の子には負けるけど。与えられた手札で勝負をするしかないのだ。
「……よく寝てるなあ……ほんと…………」
のし、と彼の体をまたいで乗っかり、体を伏せて顔を近づける。
電子の仮想空間で得られるデータとは違う、質量の粒子で構成された体が受け止める彼の存在。ほのかに感じる体温や香り、息遣い、それらが私に夢見心地の現実感を与えてくれる。
彼の頭を撫でる。頬を撫でる。愛おしく思う気持ちに身を委ねる。私たちを選んでくれてありがとう、一緒に戦ってくれてありがとうと心の中で感謝しながら、彼の目を『カード』じゃなくて『私』に向けさせようと、顔を寄せた――。
「…………」
「…………へっ?」
瞬間、彼と目が合う。ぱちぱちと何度かお互いに瞬きを繰り返す。時間がすごくゆっくりになったような気がして、だけど確実に病身は先に進んでいて、彼の目がぱっちりと開いていくのを間近で見た。
どう、しよう。怒られる、かな。勝手に彼を襲おうとして、幻滅されたかな。どうしよう、どうしよう――。
「え、っと……ドーマウス?」
息が詰まって、喉と胸が苦しくなってきた私に、マスターはやさしく微笑んだ。
「……眠れないの?」
いつもと同じ顔。いつもと同じ声。いつもと同じ、優しい調子で。
その言葉に、その態度にぐるぐるといろんな思考が巡った。私の気持ちを置き去りにするような優しさに、ぷつりと私の中のなにかが千切れた気がした。
「ドーマウス――ん、むっ、ん、んんっっ!!?」
二度、彼が私の名を口にした瞬間、私はその唇を奪っていた。
もごもごと彼が何かを言っている。唾液ごとその言葉を吸い上げて飲み込む。鼻で息をしながら、彼の唇を丹念に舐めしゃぶる。
キスをしたのは初めてだった。意外と硬いんだ。歯とか頭蓋骨が近いからかな。密着しながら近づきすぎず、彼の柔らかい部分だけを唇で味わう。彼にも私の唇の味が伝わってると嬉しいな。
ぐ、っと私の体を彼に押されると同時に、私を拒もうとしてくれた彼の手首を掴む。
どん、とベッドに彼の手首を押さえつけて、改めて私の意思を示した。
「ぶはっ――!? はっ、はっ、……っ、ドーマウス、待って、だめだ、こういうことしちゃ――」
「なんで、だめなんですか?」
「だ、だって――こういうのは、好っ……好きな人とするべきじゃ」
「私は、マスターのことが大好きです」
彼の抵抗を行為と好意で黙らせる。私はあなたのことが好き。あなたとしたいからこうしてる。今までずうっとそれをのらりくらりとかわしてきたのだから――黙って、受け止めて。
繰り返し何度かキスをしていたら、彼の手首から伝わる力がどんどん弱まっていくのがわかった。私が息を奪うから、彼の顔もどんどん赤く染まっていく。呼吸が乱れていく。お互いに、熱い吐息を互いの顔に吐き出し合う。
「ド……マウス、待っ……」
「やです、待ちません。あなた、どれだけ私が辛抱したと思ってるんですか」
「辛抱、って――」
「ずっと、ずううううっと、あなたのことが好きでした。女の子として。あなたとこうして交わりたいって思ってました。……幻滅しましたか、マスター?」
彼は赤い顔をぶんぶんと横に振って答えた。
「違、そうじゃない、けど……っ」
真っ赤に染まった頬と、私の唾液で濡れた唇と、うるんだ瞳。彼の見たことのない顔に、ぞくぞくと知らない感情が湧いてくる。
いろんな思いをこくりと飲み込んだのか、彼の喉が動いた瞬間に混乱の一色だった表情が真っ直ぐに私を見るものに変わる。
見慣れた顔。それも、大好きな顔。
「……僕も、ドーマウスが……君が好きだ。愛してる、けど……っ、君は、君の世界のドーマウスだろ? 本当はここにいるべきじゃない……君には君の世界があるんだ、君はそう言った。だからその、ずっと……その、そういう目で、見ないフリを、してきたっていうか……」
淡々と連なる彼の言葉には、彼の意思という重みがあった。
彼の手が私に、私たちに触れる時に聞こえる声と同じだ。はっきりとした、目の前の人間に一言一句逃さず伝えるように喋る声色。
「い、いいかいドーマウス。僕は君にずっとここに居て欲しいと思ってる、けど本当は……君は君の世界に戻って、君の世界で恋をすべきだ。僕はカードの持ち主であって、君の持ち主じゃない……から」
落ち着いた呼吸が、彼の心を表していた。伝えたいことをやっと伝えられた。そんな顔色と息の音。
彼が言った通り、私は彼のカードを窓にして別の世界からやってきた存在だ。彼のカードが擬人化した、イコールの存在ではない。
でも、彼が私たちを深い愛情をもって愛用してくれたことを私たちは知っている。他の窓から覗いた景色と、彼の手の内から覗いた景色とはまるで色が違っていた。私を見つめる彼の顔に、私は恋をした。あの正方形の小さな窓から、ずっと私は覗いていた――ううん。
彼の顔を、見つめ返していた。
「……あーあ」
心臓が高鳴る。体が熱くなる。ソリッドビジョンで作られた形だけの肉体が、本当の熱で満ちていく。
四肢の先まで熱でいっぱいになって、頭の中は彼のことしか考えられなくなっていた。
何度も何度も彼の声を繰り返す。彼は確かにそう言った。だから、もう。
「ドーマウス……?」
「両想いになっちゃいましたね、マスター。……言ったからには、逃がさないから」
私の意思は変わらない。私は私だ。彼の持つカードを窓に選び、彼の顔をずっと見つめ返すことを選んだ私。
彼に恋をしたのは、紛れもなく私だから。
彼の腰の上にまたがり、膝立ちになって、見せつける。
自分のそこを指先でなぞり、撫でて、指し示す。
食い込みの角度がけっこうえぐい、レオタードのようなインナーの股間を。
「~~~~っ…………」
あ、かわいい。マスター、すっごくかわいい顔をしてる。
見ちゃだめって思ってるのに、目が離せない。そんな顔。
私も、恥ずかしい。すっごく恥ずかしいのに、見られるのがこんなに気持ちいい。
快感と、優越感と…………達成感?
「マスター、女の子のココ、大好きですよね。知ってますよ、ちゃあんと……把握、してます」
「は……把握、って……っ」
布地に指をひっかけて――人差し指と中指で挟み込んで、くい、と持ち上げる。
肝心な真ん中は見えないまま、もっともっと際どくなる。どろ、って溢れ出た熱いシロップが布地を濡らす。
興奮が収まらない。口をぱくぱくしてるマスターの顔がすっごく可愛い。いいよ、もっと見て。私のこと、もっと大好きになって。
なれ。
「ひう――っ!!?」
とすん、と、彼の股間の上に座る。ぴったりと股間と股間を密着させる。
ズボンと下着の向こう側に、がっちがちに膨らんだ彼のがある。興奮してくれてる。大好き。
男の子はわかりやすくて嬉しいな。こんなに大きく、わかりやすく変わってくれる。魔法みたいに。
私の、これ、私のだよ。彼のお腹に手を置いて、前後に腰を動かして、溢れ出るシロップをズボン越しに塗りたくる。
「えっちなサイトの購入履歴、見ちゃいました。……ふふ、おっぱいの大きな、がつがつ責めてくれる女の子が大好きなんですね、マスター。私の体型はこうですけど……でも、言ってしまえばアバターだから――」
姿勢を低くして、かぼそい喘ぎ声を漏らしてる彼の耳元で囁く。
「おっぱい。もっとおっきくしたほうがいい? マスター」
「~~っ、~~~~っっ!!」
ぶんぶんと彼は首を横に振って答える。
ふうん。……いいんだ。このままで。
「ど……ドーマウスのっ、その体が、好き、好きだからっ、そのままで、あ、でもっ、腰は止めてっっ、あく、ひぅ……っ!」
「……っ♥ そっか。私の体が好きなんだ……この体が好きなんだ? でも……じゃあどうして、購入履歴のイラストは――」
「ドーマウス、そのっ……その、作品、のっ……買った、日付っっ、見た……っ!?」
「……ひづけ?」
日付。盲点だった。頭の中にもう一度同じ画面を表示させて、改めて確認してみる。
腰はもう勝手に動いてしまうし、彼もびくびく動いてるけれど、少しだけ我慢してもらって。
その日付は――全部、今から数カ月くらい前のものだった。その期間に、何か思い当たる。……そうだ。
私が、来る前の日付だ。全部。
「…………私が来てから……買ってないんだ。こういう……えっちなやつ……」
マスターは涙目をぎゅっと瞑りながら、こくこくと何度も頷く。
ただでさえ熱かった胸の中に、もっともっと燃料が注がれていく。
私のことが好きだから。私のことを好きになったから。だから必要なくなった。だから使えなくなった?
「私のことしか――考えられなくなっちゃったから…………とか?」
「だ、だからっ、それに、も、ずっと――いっしょ、だから――でき、なくて…………っっ」
「できないって……なにを? 私がいると、できないこと? それは――なあに?」
口から言葉が止まらない。もっと彼の言葉が聞きたい。知りたい。
ずり、ずりとシロップまみれの股間を彼の一番敏感な部分に擦り付けながら、緩んで歪む口角をそのままに彼を見下ろし続けた。
そうして。
「も、もうっ、だめ、だめ、とめてっ、はなれてっっ、ドーマウス……っ!! ~~~~ッ!!!」
「ひゃ――っ♥」
びくん、び、っくん。ひときわ強く彼の腰が私の内ももの間で跳ねる。
じわ、と広がっていくズボンの染み。硬いモノの先端から、シャツにまで及んでる何か。
マスターがいやだいやだって言っても止まらない、その液体が何なのか、一瞬私はわからなくて。
でも、理解するのに費やした時間は、一瞬だった。
「…………ぁ……♥」
どく、どく、腰が大きく跳ねると同時に硬くて熱いモノが震える。私はそれを上から押さえつけて、染みが広がっていくのを見下ろす。
たっぷりの達成感と、征服感をブレンドして、同時に味わいながら。
「でちゃった……ね。そっか……ずっと我慢してたんだ、マスター?」
「はぁぁっ……はぁぁ…………」
射精、させたんだ。私が、マスターを。彼を。熱い息がたっぷりと口から漏れて、自分でも笑みが隠せなくなっているのがわかる。
見下ろした先で、マスターは火照った赤い顔のまま放心していた。わずかに涙が浮かんだ虚ろな目で、それでも私を見つめていた。
……マスターもえっちな気持ちになる。溜め込んで、刺激されれば射精する。彼も、男の子なんだ。男性なんだと、目の当たりにした性から実感する。
「……今度からは我慢しなくていいからね。言ってくれれば……お手伝いもするから」
「……っ、…………ん……っ」
赤い顔と赤い顔を近づけて、耳元で囁く。もう両思いだから。マスターとカードだからじゃなくて、恋人同士として役割を果たすと。
彼も息を飲み込みながら頷いてくれた。これからずっと、彼とはこういうことができるんだ。もう我慢しなくていいんだ。
それは私の中のもやもやした昂りを収めてくれると同時に――決定的に、不可逆な形へと変えてしまってくれた。
「動かないで、マスター。拭いてあげる」
腰を浮かせて体を起こし、彼の寝間着のズボンをゆっくりとずり下ろす。
むあっと広がる塩基の香りにくらくらしそうになりながら、少しずつ露わになったそれは白濁した色にまみれていて、まだ硬く大きくそそり立っていた。
頭をシャツの中に埋めて、びくびくと震えている。精液にまみれた、彼の性器。
「す……っ♥ ……ごい、ね……マスターの、おちんぽ……まだ元気だよ? ……ふふ、こんなに濡れてる。私と一緒だね」
……挿れたいなあ。犯してほしいなあ。私のお腹の中に、これ、欲しいな。
彼のお腹をするする撫でながら、びくびくしてるそれを凝視する。精液にまみれた硬いおちんぽ。
見方を変えれば、これ以上に危険なものなんてないと言える。
「ドーマウスも……興奮……してるの……?」
彼も同じように、私のそこを見てくれていた。わかりやすくぐっしょり濡れてる股間。
ほんの少し布地を横にずらせば、簡単に見せられる。女の子のいちばん大事なところ。
そこをあえて、見せたい気持ちを必死にこらえて、隠し続ける。布地が少しでもずれちゃわないよう、気を使いながら。
「してるよ、すっごく。マスターと……えっち、したくて。奥の方までとろとろの、ぐちょぐちょになってるから……簡単に入っちゃう。できるよ。すぐに……」
腰は浮かせたまま、ちょっと力を抜けば、そのぐしょ濡れ同士がくっついてしまうぎりぎりの距離に置いたまま。
無意識に自分の胸を弄りながら、私はマスターを挑発するように言う。
「……精液まみれのおちんぽと、交尾、できるよ。おまんこに入れたら、それだけで確実に妊娠しちゃうような……危険な、危険なおちんぽと。入れるだけで――私はママに、マスターはパパになっちゃう、とっても素敵な魔法のおちんぽ、だね」
勃起しっぱなしの、精液にまみれた性器。避妊具なんてないから、しちゃった瞬間にはもう、済んじゃう。
マスターは一瞬ぎらぎらした目で私を見つめてから、ぶんぶんと必死で首を横に振った。
「そう、そう……だよ、危険だよ……だから、早く……拭いて、くれる? ドーマウス……」
犯せる女が目の前で興奮してるのに、一瞬ためらってしまうくらいの性欲だってあるのに。
私のマスターはそれを堪えて、首を横に振れるんだ。そこが大好き。そういうところが大好き。
……だから私は、もう、こうやって応えることにする。
「うん、いいよ。マスターの、これ……」
こめていた力を、抜いて。
さっきまでと同じように、くちゅぅ――♥ って音を鳴らして、彼のおちんぽをお股で挟んだ。
「ひぅ――っっ!!?」
「マスターの大好きな、ココ、で。……拭いてあげるね?」
マスターはお腹から息を引っこ抜いたみたいな声を出して、びっくん、と強く体を跳ねさせた。
完全に不意打ちだったみたい。腰を前後に動かして、今度は彼のおちんぽを直接――インナーの薄い布地だけを隔てた状態で、擦る。
私のおまんこは柔らかいかな、気持ちいいかな。私は――もうとっくに、正気なんてどこかに消えてしまって、気持ちいい、だけが残ってた。
「待っ、ドーマウス、あぶない、あぶないからっ、はいっちゃう、から……っ!!」
「だあいじょうぶ、マスター♥ ちゃんと服……着てるから♥ ずれたりしないように、慎重に拭くから……安心して? ふふ……っ♥ ん……っく、んっ、……♥ 擦れると、私も……頭、とろけるくらい、気持ちいい……っ♥」
「でも、でもっ、~~~~っ……!! も、もういいよ、もうおしまいっ、寝よ、ドーマウスっ? これ以上はっ――」
「んーん、まだこんなに残ってるよ、拭けてないよ……このまま寝ちゃうと、不潔だよ……? ふふ、うふふふふっ、ふふ……♥」
気持ちいい、気持ちいい、気持ちいい。もっと擦りたい、もっと感じたい、もっと、もっと。
私の顔色や行為から何かを察したマスターが制止しようとするけれど、ごめんね、もう遅いんだ。
おまんことふとももに挟まれたおちんぽがびくびく跳ねて、このままだとまたすぐに射精しちゃうそうだとわかった。
わかったから――最後の仕掛けを、使うことにした。私のインナーは、着てるわけじゃなくて、構築してるものだから……。
「そ、そうだけど、ティッシュとか、シャワーとか浴びればいいしっ、だからドーマウス、お、おちつい――てっ!!?♥♥」
……一部分だけ、消すってことも、出来るわけで。
「あ…………っっ♥♥」
に、ちゅっっ♥♥
会いたがってた二人がようやく出会う。薄布一枚隔てていただけの二人から、その薄布すらも失われる。
直に触れ合ってキスをした瞬間、頭の中身は甘くとろけて、お腹の奥の疼きは突き刺さるようなもどかしさに変わった。
「あ……づ……っ!!? やわ、らか、っ…………!! ドーマウス、ちょっと、ずれ、てるっ、もどして、離れてっっ!?」
「あーー……♥ マス、ター……♥ ごめ……なさ、ちょ、と、これっ……♥♥」
止まらない。腰の動きが止まらない。外側のおっきな唇が彼のちんぽを挟み込んで、吸い付いて、おまんこの先端の硬い部分も擦ってくれるから、気持ち良くて――止められ、ない。
精液を、塗り込むように動かしてしまう。ほしくてたまらなかった彼の精液を、塗り付けて、塗り付けて――でも、足りなくて、もっと奥にもっとたくさんほしいよって伝えるお腹の声はもっともっと大きくなっていて。
「っ、も……もっと、綺麗に、しますね? マスターのおちんぽ、口で咥えて、舐めしゃぶって、綺麗にしますねっっ♥♥」
「しゃ、ぶるっ?? っじゃあやっぱり、離れないと――って」
先端を、私の小さな口にあてがう。誰も、何も食べたことない、自分で言うのもなんだけど、綺麗な口に。
ぱくぱく、ぱくぱく。ほしいほしいって訴えてたそこに、はじめての食事を手で掴んで食べさせる。
甘いクリームに包まれた、大きなケーキ。この世でこれよりもおいしいものはないって言えるくらい、大好きな大好きな。
「あ――――っっ」
「…………いただきます……♥」
にゅぷっっ……♥ と、ぱんぱんに膨らんだ先っぽを食べた瞬間、私の口から濁点だけで構成された声が漏れ出た。
瞬間、迸った快楽が腰から力を奪う。ほんの僅かに彼を迎え入れただけで、もう、体を起こしていられない。
ぐぷ、にゅぷぷぷっ……♥ ず、っっぷ♥
「はぇあっっ……はぁぁあああああっっ……♥♥」
腰と腰とがぴったり密着した瞬間に腰が砕けて、私の全身からは一切の力が抜け出てしまい、彼の上に覆いかぶさってしまう。
はじめて味わう彼の性器がもたらす肉体的な快楽以上に、ずっとずっと欲しかったものを手に入れられたという充足感が、心の中を『好き』と『大好き』と『愛してる』で支配させてしまい、肉体を動かすことができなくなってしまった。
「ぉ……おっ、ぉ……♥ ……ちぅっ…………♥」
純水が放り込まれた茶葉の色に染まっていくように、私の体も彼の熱と彼がくれる快楽で染まっていく。
快楽を受け止めることでせいいっぱいで、指先だって動かせない。動きたいのに、もっと感じたいのに、味わいたいのに――。
そうして少しずつ少しずつ、確実に絶頂が近づいてくる。近づいて、きてしまう。終わって、しまう。
やだ、そんなのやだ、もっと、もっとしたい、彼ともっとしたい。動かなきゃ、頑張って動かなきゃ――。
「――へっ?♥」
ぶるぶる震えるばかりの私の体が、不意にふわりと軽くなる。
何が起きたのか理解できないまま、くるりと移り変わる景色を見た。
彼の顔が目の前にあって、その先に天井があって、私の背中にはベッドの感触があって。
「ドーマウスが……悪いん、だからね……」
彼の両腕が私の方に向いていて、片手が私の肩を掴んでいる。頭の中は快楽とはてなでいっぱいだったけど、やっと気づいた。
……寝転がされたんだ、私。押し倒されたんだ。彼に。それで――。
「ぢぅっ!!?!?♥♥」
ぱんっっ!! ――と強く音が鳴った。同時に私の口から声も漏れた。
音が聞こえた瞬間、頭が真っ白になっていた。目が勝手に上を向いて、わずかに見えた彼の顔は。
すごく。……すごく。
「我慢っっ……してた、のに……!!」
「ひぅっ!!?♥♥ んぅっっ、ぢゅ、ぅ、ふぎゅぅっっ!!?♥♥」
ぁ、駄目。駄目だ。きもちいい、とか、そういうんじゃ、ない。
奪われる? 犯される、使われる……? 据わった目の彼がずっと私を見つめたまま、砕けて力が入らない私の腰を容赦なく叩く。
頭の中にいくつもはてなとハートが浮かんで、沸騰するようにぱちぱちはじけて消えていく。
消えていく度に、また突かれる、使われる、止まらない、ずっと、される。
「ぁぁあああっっ、きもちいいぃぃっ……!! ドーマウスに、こんなこと、したく、なかったっっ――のにっ!!」
「あ゙ッ!!!♥ ぁ、あっっ、ぁく、ごめ、ます、ぢゃっっ、あ、あ゙ッッ!!!♥♥」
大きく膨れ上がった本能に突き動かされる体と、それに対する自己嫌悪が入り混じりながら、全部、ぜんぶ、私にぶつけられる。
――私が悪い。私が悪いんだ。それは、そうだよね。マスターにいたずらを仕掛けたのは、私だもんね。マスターにはどうせできっこないから、私が好きなようにする、って。
我慢、してくれてたんだね。私のことを想って。でも私は、私は……。
「っっぎもぢぃ、いっ、ぃぎゅっ、まひゅたっ、止まっっ……ぁ゛おッ!!♥ っぐ、ぃ、ひぎゅっっ、あ、あ゛ぁぁぁっっ♥♥」
舌を伸ばして、顔中をべちゃべちゃに濡らして、彼の想いを受け止める。私はそんな彼の想いを理解しないまま、刺激した。彼は、こんなにも……私のことを、想って、くれてた。
でも、もう、ね。これで、一緒だ。だって。
腰、止まらないもの。マスター、中で出すつもりだ。ソリッドビジョンだから大丈夫って、思ってるかな。それ以上に、気持ちいい、のかな。
「ドーマウス、ドーマウスっ!! ぁ、ィっく、出るっ、はじめてっっ、女の子のナカに出すっ……!! ドーマウスが悪いっ、っから、も、二度と、しないでよ……!! また、こんな目に、あうんだからっっ……ぁ……っ!!」
「出してっっ出して、だして、だしてっ、ぜんぶちょうだいっっ、マスターのミルク、私の中にそそぎこんでくださいぃいっっ!!!♥♥」
力の入らない両脚をそれでも持ち上げて、彼の腰を抱き寄せる。出して。出したら、いっしょ。私があなたを襲ったように、あなたも私の体を使ってくれた。これで両想い、だよね。
マスターが、じっと私の顔を見つめる。失いそうになる意識を必死で保って、私も彼の目を見つめ返す。お腹の奥のティーポットに、彼の性器の頭が入ろうと何度もノックを繰り返す。ドアは狭苦しくて小さいけれど、鍵は開いているから、いいよ、どうぞ。
全部、ちょうだい。あなたの、データ。赤ちゃんの、設計図。そしたら私、全部記録して……。
「はぁ、はあっ、はむ、んむ、むぐ……! じゅる、れる、ぴちゅっ、ぢゅぅぅっ……!!」
「ん゙っっ!!! ん、んぅっ、んむ、ん、ん゙ぅぅうううううううっっ!!!♥♥」
とどめのキスと、ほとんど同時に。
私の意識がばちんと弾けて、からっぽのティーポットに、熱くてとろとろのミルクがどぷどぷと注ぎ込まれた。
それを逃すまいと、私の口は彼の口にしっかりしゃぶりついて、離さない。上も下もどっちの口も、どっちも同じように。
――どく、どくっ♥ どぶ、どぷっ、びゅぐ…………びゅるるっ……♥
「んぶ……♥ んっむ、ん、んんっ……ふ……っ、ふぅ、ふぅうっ……♥」
体の芯から熱く煮えてとろけるような絶頂が、ようやく終わって体が冷めるとき。
とろりと彼の舌と私の舌が別れて、お互いにお互いの吐き出す息を食べあった。
彼の両手が私の頬から首を伝い、鎖骨をなぞり、肋骨の上を撫でる。くすぐったくて、体が跳ねる。
「あ……♥ ……はぁ、はぇ、はふ……♥ ……しちゃったね……マスター……♥」
「…………ん」
「私……マスターのこと、だいすき、だから。これからも……いいよ。好きなときに、好きなだけ……んっ……?♥」
「…………ドーマウス」
何だろう。何されるのかな。お腹の奥に迎え入れた彼の性器は、だんだん柔らかくなっていったと思ったら、今度はまた……硬くなってきた。
彼の手が、私のおっぱいを撫でる。ふにふに、さすさす。気持ちよくて声が漏れて……。
「あ゜♥」
かり。
インナーを押し上げて、かちかちに勃起してる乳首をひっかかれたとき、本当におかしな声が漏れた。
頭の中に一瞬、ばちんと甘いノイズが走る。
「あ……♥ あっ♥ ぁ、あっ、マスターっ、あの、えっと……ん、んくっ、ん、んっっ♥♥」
かり、かり、かり、かり……。
マスターの小さな指の動きが止まらない。何度も何度もおっぱいのいちばん気持ちいいところだけを弾いてる。走る快感に腰が跳ねて、ぎゅ、ぎゅっておまんこが締まって、しま……ぅ?
……あ。
そっか、なるほど。
「マスターっ、も、しかし、てっ……♥ ぉ、おまんこの刺激っ、ほしいんですかっ?♥ まだ、交尾っ、したりないんですかっ……??♥」
「…………ドーマウス」
「は……ぃっ?」
「……ドーマウスがイったら、はじめるね」
かり、かりかり、かりかりかりかり。
言葉の意味を理解するより早く、彼の乳首責めが開始される。時々おっぱいを優しく揉んで、乳輪をくるくるなぞって、またかりかり。
「や♥ っっ、マスター、ぇと、それって……ぁのっ?♥ ぁの、えと、ぉ、おっぱいでイくまでっ、ずっと、これ、続けっ……??♥」
「ドーマウスがイってる顔、もっと見たいから」
だからってなんでおっぱい、ばっかりっっ……?
……や、ちがう。ほんとは、わかってる。イかされまくったおまんこが、どろどろのシロップを垂れ流して悦んでる。このままおっぱいで私をイかせて、とろとろのとろとろにして、イってる最中の私のおまんこを、いじめる、つもりなんだ。
ひどい、な。そんなの、そんなのっ、そんなのされたら私。
「ふーっ、ふーっっ♥ ぅ、あっっ、あ……やだ、マスターっ、許して……ください……♥ おっぱいいじめないでっ、おまんこもいじめないで、私、ほんとにっっ……」
壊れ、ちゃう。
あなたの形に、されちゃう。
そんなの。
「イ……くっっ♥♥ ん、んんっ、ぁ……♥♥」
最…………。高……っっ♥
「――ぁぎぅッ!!?!?♥♥♥」
肉と肉がぶつかりあって混ざる音。
言葉にならない濁った嬌声。
どくどく、どぷどぷ、だくだく、溢れるミルクとシロップ。
ベッドはテーブル、シーツはクロス、私たちは並ぶデザート。
マナーなんてどこにもない、騒音ばかりが満ち満ちたお茶会は、ずっとずっと長く、長く長く、二人きりで行われ続けた。
*
「いい……なぁ……♥ ドーマウスってば、あんなに気持ちよさそうにしてもらって……♥」
もうじき日が昇る、深夜の先の次の朝。
必死でドーマウスが手を伸ばして、だけど決して届かなかった先にあったデュエルディスクの中から、彼女たちはその一部始終を堪能していた。
あの子がこっちに助けを求めてる。快楽から逃げ出したいと、召喚をやめて戻りたいと叫んでる。でも、マスターはそれを許さない。自分たちの目の前で、自分たちに助けを求める彼女が、ずうっと犯されていた。
その姿が、本当に、本当に気持ちよさそうで……うらやましくて。
「おつかれさま、 マスター♥」
失神したドーマウスの口やおっぱいに口をつけて味わっていたマスターの前に、一抜けて現れたのは猫なしのニタニタ笑いのチェシャキャット。
普段となんにも変わらない様子を装いながら、股間だけは丸出しにして、どろっどろのシロップでコーティングされた様子を見せつけながら、ベッドの上へと這っていく。
驚いた様子のマスターに対し、真っ赤なほっぺたのニタニタ笑いが口を開く。
「いいなあ、ドーマウスっ……私も手籠めにされたいなぁ……っ♥ ……ねぇ、マスター。マスターが好きなのはドーマウスだけ? それならそれで、いいんだけどぉ……」
ぐちぐち、にちゅにちゅ。
顎に指を当てて天井を見上げ、その様子を思い出しながら、チェシャキャットは股間に這わせた指を蠢かせてシロップを掻き出しながら喋る。
「まっしろな体で清純派気取ってるくせに、実は頭もお腹もまっピンクでむっつりな……ホワイトバインダー、とか。……ツンデレで素直になれないけど、ドーマウスとおんなじことされたくってはぁはぁ口あけておっぱいいじくってたレッドランサムも……マスターとドーマウスとのお茶会をおかずに、オナニーしてた、けど……どう、する?」
それとなく、シロップでどろどろの指で、デュエルディスクを指さして。
ニタニタ笑いを潜めて、ひとりの恋する女の子の顔を浮かべながら、チェシャキャットは微笑んだ。
「…………みぃんな、あなたのことが大好きで……会いたくてたまらないから、来ちゃってるよ、マスター。今すぐ呼んであげる? それともぉ……」
「……その、ドーマウスのシロップとマスターのミルクまみれの半分勃起おちんぽ。チェシャーのおまんこでちゅぷちゅぷ食べて……おっきくさせてから、他の子とえっち、する?♥」
あなたの前に差し出された、女の子の形をした、終わらないお茶会への招待状。
受け取るかどうかは、あなた次第。