タイトルの通りです。
こねこねのすけべ小説がない!依頼するか!プロット組んでああしてこうして……これ自分で書けるのでは?から勢いで生まれました。
(エロは)初投稿なので初投稿です。

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こねこねかわいいよこねこね

何?知らない?ならば「アイギス コーネリア」で検索しよう。
ちょっと恥ずかしい悪の女幹部みたいな仮面の子が出てきたらそれだ。
全年齢版(A版)とエロ版(R版)の2種類があるが、作中はA版→腹パンでR版になる感じで脳内補完よろ。


第1話

 

 

 

 

 

「ふうむ、全く。計算通りとはいかないものだね」

 

 手足という四肢を有し、直立した身体の頂点に頭部が据え置かれる、という点のみでは人型と言えなくもない巨人。

 およそ人類とは似ても似つかぬその巨体の口から、落胆が少々と苛立ちが多分に含まれる声が響いた。

 

 つい先程までギャアギャアとしきりに騒ぎ立てていた魔物だったモノがそこかしらに散乱する戦場。

 あるモノは一撃の元に叩き斬られ、またあるモノは鋭利な爪撃により切り裂かれ、ことごとくが血の海に沈み、その身体がただの肉塊として打ち捨てられている。

 辛うじて命を繋いだモノはもはや戦意などなく、如何にこの場から逃げ延びるかしか考えていない。

 

 そんな血と肉に塗れあらゆる生存を否定するような禍々しい光景にあってまだ逃走以外の意思を持つものが二つ。

 

 一つは先述の巨躯。人類とは正反対の薄紫色の肌の巨体に、これまた巨大な雄羊のような一対の角を側頭部より生やし、黒目に紅眼を有する。

 

「ここで王子を亡き者にできれば魔王軍幹部の座も夢ではなかったというのに、全く腹立たしいよ」

 

 それは魔界を住処とするデーモン族の中でも際立つ膂力と体躯を誇り、雑多なモンスターとは一線を画す知能を誇り魔法すらも自在に操る、グレーターデーモンとも称される上位デーモン族。

 自身の手勢はことごとくが物言わぬ肉塊と成り果て、戦力として数え得るのはもはや自分一人のみ。その種族差を考慮してもなお不健康な大きく張り出した腹をさすり、一息をつく。

 

 そしてその視線の先には、その身を漆黒の鎧と聊か露出の激しいインナードレスを纏った、鮮やかな金の髪を背に流しその表情を兜で覆い隠す、少女と女性の中間のような、幼さを残しつつ大人びた雰囲気を湛える女性騎士。名はコーネリア。

 

「はっ、それは、ご愁傷様だな……。漁夫の利を狙うなど、小賢しい真似をするからだ……っ」

 

 肩で息をし、今にも膝をつきそうになりながらもなお挑発的に笑う彼女。

 

 すでに体力はとうに底をついている。辛うじて武器こそ手放していないが、愛用の魔剣を支えにしなければ立っていられないほどに疲労は極限に達していた。

 

 周りに友軍の影はなく、また訪れる気配もない。

 

 まさに孤軍奮闘、絶体絶命。

 

 ――――だが、勝ち誇っているのはコーネリアの方であった。

 

 

◆

 

 

「ぐ……ッ、見事、だ。王子よ……!」

 

 血飛沫をあげ、巨漢の偉丈夫が膝をつく。2mをゆうに越し、3mに届こうかという巨大な体躯。

 幅広のグレートソードをまるで枝葉のように軽々と振り回し、群青色の甲冑を身につけた、緑色の肌に紅眼を宿す、人間ではないモノ。

 

 同じ物質界に住みながらも、王国を筆頭とする人間種族と敵対を貫くオーク族の族長であった。

 

 きたる魔王軍との決戦に備え、物質界に住まう者たちの統合を急ぐ王国軍。その遠征。

 

 王国としては話し合いで済むならそれに越したことはないし、旗頭の王子とて別に血気盛んであるというわけではない。

 

 しかし強者との戦いを至上とするオーク族との交渉は、まず正面から戦って勝つという前提がなければ交渉のテーブルごと切り捨てられる、という厄介な相手であった。

 

 可能であれば友好的な和議を結びたい相手とあらばどうしても躊躇が生まれるというもの。傷を負うほどに力が増すという、まさに戦うための種族といえる特性を持つオーク族相手に、王国側は多数の重軽傷者を出しながら、どうにかその命を散らした者はいないという最善といえる結果を残せた。

 

 そして会戦の果ての頭目同士の一騎打ち。

 

 その決着をもってして終戦の合図としたのか、両軍から喝采が挙がる。

 

「見事です!王子!」「信じてました!」「王国軍万歳!!」「もうこんな無茶はやめて下さい……!」

 

 王子の勝利と無事を祝うのは当然ながら率いる王国軍の兵、幕僚達。

 

 そして、

 

「さすが噂に違わぬ強者よ!」「今回は我らの負けだ!」「だが次こそは譲らぬぞ!」「なんの次はオレだ!」「いやワシが!」

 

 勝者をたたえ、リベンジマッチを誓うオーク族。

 人間種が主を占める王国軍とはあまりにも隔たりがある価値観の相違に、後方指揮を担う軍師などはまるで理解できないと首を振る。

 

 言葉は通じる。話も、まあそれなりに通じる。

 

 だがしかし根底に流れる、種族・勢力として何を第一義に置くかという違いが両者から和解への道を険しくさせていた。

 

 なによりもオーク族は単一種族としてはきわめて強大な勢力であるが、政府や王家といったわかりやすい統治機構は存在しない。今回の相手に限らず、数多に存在するオーク族の集団ひとつひとつが全てこんな調子であるのだ。

 あと何回これを繰り返せばいいのやら。政務の一端を担うこともある軍師たちが頭を抱えるのも当然である。

 

 が、しかし。休戦によりどこか和やかな空気が流れたのも束の間。

 

「王子!!大変だ!!」

 

 王国軍にとってジャングルという慣れない土地。それゆえにジャングル出身で地理に明るく、機動力もあるがゆえに周辺警戒を任されていた槍騎兵のチグリが急報を携えて駆け込んできたのだ。

 

「チグリさん!どうしました!?」

 

 王子の筆頭秘書も務める政務官アンナが応対する。彼女は秀でた武力こそ持たないが、その類まれなる調整能力で言葉少なな王子の代官の役割も担っていた。

 

「動物が教えてくれたんだ!ジャングルの奥に変な紫のモヤがあって、そこからデーモンがたくさん出てきた!!」

 

「紫のモヤ……? 異界の門ですか!?」

 

 異界の門。いわゆる”人間界”である物質界とそれ以外の世界や魔界、あるいは異次元空間を繋ぐゲート。一部の高位魔族や特異な才能を持つ術師などが開くことができる、次元の扉。その規模・正確性などは個人の技術に寄るところが大きく偶発的に発生することもあるが、そこから現れたのがデーモンの大群とあらば綿密に準備された計画的侵略であることは明らかだった。

 

「まずいね……。この魔力、確かにデーモンだ。数は……数えるのも馬鹿らしいね」

 

 魔力探知に優れる魔女デスピアがその報告を補強する。そしてそれが予想以上の大部隊であることも。

 

 王国軍はいかに精強とはいえその構成人員はほぼ人類種である。大軍の身動きが取りにくいジャングルでの戦闘を見越して、人員を絞った少数精鋭の編成も災いした。

 疲弊した状態での連戦は絶対に避けるべきであるし、それができないのであれば一刻も早く退却し態勢を立て直すべきであった。

 しかし激戦の後の間隙を突いたデーモン軍の強襲はその撤退のタイミングを完全に奪っていた。

 

 もはや組織的な撤退は不可能。誰かを見捨てることになってでも逃げるか、あるいは万が一の奇跡を願ってこのまま踏みとどまり応戦するか。

 

 判断を下すべき王子も逡巡する。

 

「――――王子、ここは我らに任せて先に行け」

 

 考える時間さえ惜しい。そんな中で声を上げたのは、さきほど敗れたばかりのオークの族長であった。見れば周辺のオーク達も武器を手に立ち上がっている。

 

「貴様らは見事に勝利した。ならば勝者を送り出すのも敗者の務めよ!」

 

 だが、と躊躇する。せっかくの友好関係を結べた相手だというのに。

 

 王国軍にも被害はあるが、負けた側であるオーク族はその比ではない。雄叫びを上げるオーク族たちに無傷な者などただの一人もいない。

 

「王子、ここはボクも賛成。彼らの提案に乗ろう」

 

 しかし筆頭軍師であるアイシャからも賛同の意見が出る。

 

 いますぐ全力で退却したとして逃げ切ることが出来るのか、それすら危ういのだ。非情な判断に聞こえるが、組織全体の利を考えればここで無理をせずに撤退を選ぶのは当然であるし、呉越同舟とばかりに共闘できればあるいは奇跡が起きるかもしれないが、さきほどまで殺し合いをしてた敵同士だ。王子個人はともかく末端の兵士までもがうまく連携を取れるわけがない。極限状態で同士討ちなど起きれば最悪だ。

 

 王国軍随一の頭脳にそのように説明されて、さらに自軍を思ってのためならばさすがに王子とて面と向かって反対もできない。それに何よりも、アイシャ本人も苦渋の決断であることはその表情から明らかであった。

 

 すでに遠方からはデーモンの耳障りな雄叫びが聞こえつつある。一刻の猶予もない。

 

「何を迷っている。王子の役目はこんな所で立ち止まることではないだろう」

 

 そんな中、1人の女声の声が響く。

 

 —―コーネリア。

 

 いつしか王国軍に加わり、魔物を根絶するという目的から行動を共にしていた女性だ。

 漆黒の装備に身を包み、どこか近寄りがたい雰囲気を纏わせながらその実は優しさと可愛らしさを秘めた女性。

 

 それが、コーネリアだった。

 

「つい先ほどまで干戈を交えた相手を思いやれるのは王子の美徳だが欠点でもあるな」

 

 コーネリアが歩を進める。その先は我先にとオーク族が向かう、デーモン軍の現れた方角であった。

 

「私が食い止める。周りが魔物しかいないならむしろ都合がいい」

 

「コーネリアさん!ですが……」

 

 アンナが口淀む。確かにコーネリアは強い。精強たる王国軍においてなお強く、彼女より明確に上回る猛者など果たしているのだろうか、と思えるほど強い騎士である。

 

 だがしかし、強いとはいっても1人では限界がある。

 

「私のクラススキルは知っているだろう?半端な味方などいないほうがマシだ。さっさと行け」

 

 ——ダークファイター。暗黒オーラ、とも呼ばれる特殊な魔力を身に宿す戦士たち。人を捨て魔道に身をやつした暗黒の騎士。

 身を削れば削るほど力を増し、半死半生に追い込まれれば魔人のごとき力を発揮する。その強さは心身ともに十全の状態を遥かに上回る理不尽さ。

 

 確かに殿軍としてはうってつけの能力であるし、オーク族との攻防では後詰を務めていた彼女は他の者よりも余力がある。まさに適任である、が。

 

「…………」

 

 コーネリアの内実を知る、数少ない1人である王子がその判断力を鈍らせていた。

 その様子を察したコーネリアが苛立たし気に鼻を鳴らした。

 

「フン、王子には王子の役目があると言った。欲深いのは結構だがな、それを支える部下の身にもなってみろ。下を見ない上司は嫌われるぞ?」

 

 王子が周りを見やれば、騎兵隊を中心に退路を確保する部隊や側面防御を担当する重装歩兵、中央に怪我人や王子の護衛部隊、後列には追撃を牽制するための弓兵などが隊列を形成しつつある。

 

 そしてその中に万全な者などただ一人としていない。王子の我儘で彼らを危機に晒すには、その両肩に乗った責任が重すぎた。

 

 —―――後で、また。

 

「――――ああ、心配するな。すぐに追い付く」

 

 チグリを先導役とし、王国軍が退いていく。

 

 近衛に囲まれた王子も、とりあえず最低限でもいいからと医療班に応急処置を受けながら歩を進める。

 

 時折振り向く視線の先。

 

 背に垂らした金の髪を揺らす彼女の頼もしい後ろ姿。

 

 しかし王子にはどうしてもそれが不安を抱かせて仕方がなかった。

 

 

 

 

 

◆

 

 

 

 

 

 ――――そして。

 

「気に入らないね。絶体絶命だというのに勝ち誇ったような態度で」

 

「事実、私の勝ちだ。王子は無事に撤退した。対して貴様はなんだ。手勢は壊滅し、計画とやらもご破算だ。一人でできる作戦ではあるまい。幹部どころか処刑されるかもしれんな?」

 

 コーネリアは見事その役目を完遂した。オーク族の迎撃をも潜り抜けたデーモン軍、その攻勢を一人で凌いでみせたのだ。

 

「王国軍は逃げ切ってみせた。貴様の小賢しい奇策が二度も通じるものか」

 

 だがその代償としてコーネリアはもはや動けないでいた。全身の鎧はひび割れ、インナードレスはところどころ破けている。肉体の至るところに大小様々な裂傷や魔法の被弾による火傷を作り、鎧で見えない箇所の怪我は筋肉どころか骨まで影響が出ているかもしれない。

 

 身を削れば削るほど力を増す。それは確かにその通りで、事実彼女はたった一人で50を越すデーモン達を叩き潰してきた。

 

 しかし削れる身も、増す力も無限ではない。

 

 コーネリアはその両方がとっくに限界を迎えていた。

 

「……よし、決めた。キミには罰を受けてもらうとしよう」

 

 彼女に限らず暗黒騎士は自身の魔力操作により強大な戦闘力を誇るが、肉体そのものは普通の人間と変わらない。中でも特殊な出自など持たない、ただの村娘であったコーネリアは殊更だ。

 

 纏う雰囲気に反していっそ華奢ともいえる身体は、見る者が見れば劣情を抱かせるには十分なほどの整い、美しいものであった。

 

 そして、それは例えデーモンであろうと例外ではなかったらしい。いや、むしろデーモンだからこそか。まともな知性を持たない下級悪魔などはその見た目の妖艶さに惹かれたのか、逃げた王国軍を追うよりもコーネリアに対して我こそがと群がっていった。

 

 もっとも、そのような不埒で下劣な輩はことごとくが一刀の元に切り捨てられていったが。

 

(残すはこいつ一匹……!)

 

 王国軍が逃げる時間は十分に稼いだ。あとは目の前の司令塔らしきデーモンさえ仕留めれば、残りは烏合の衆。優秀な王子の側仕えならば多少の討ち漏らし程度なら問題ない。

 

 ならは、自分に課された役目は、

 

(確実に、こいつをここで仕留める……!)

 

 長期戦は不可能。残った体力、気力、魔力を総動員して、一撃に賭ける。

 

「はあああああ!!!!」

 

 袈裟懸けに構え、切り込む。先ほどまでの疲労困憊さを感じさせない、稲妻のように凄まじく鋭利な突撃。

 

「おおおおおおーーーー!!!!」

 

戦槌を持つグレーターデーモンの動きは、見た目通りの緩慢さ。コーネリアの鋭さには到底及ばない。

 

「これで――――」

 

 防御のためにと掲げられる戦鎚だが、まるで間に合っていない。コーネリアの全身全霊を乗せた一撃。ここを逃せば勝機はない、と少女自身が一番理解しているがゆえに。

 

 だから彼女は気付けなかった。その緩慢さが、あえてそうしていたことも。晒した隙こそが、罠であり。そこに飛び込んできた餌を見たグレーターデーモンが、常日頃から浮かべていた酷薄な笑みを一層深くしていたことに――。

 

「――なッ!?」

 

ギィンッ!!

 

 彼女の魔剣がデーモンの戦鎚ごと頭蓋を叩き切ろうとするその直前。急激に勢いを増した戦鎚が振るわれ、彼女の一振りに合わせる。速度こそ追いついていないが膂力と質量が合わさったカウンターの一撃が、剣撃をはじき返す。見た目に反した確かな技巧を感じさせる合わせ技。

 

 そのことが予想外だったコーネリアと、予測済みだったグレーターデーモン。両者の対応に差が表れることは当然のことであり—―。

 

 両腕を使って切り込んだ一撃ゆえに、それを跳ね上がられて無防備な胴体を晒してしまったコーネリア。弾いた反動を利用し、空いた片腕を振りかぶるグレーターデーモン。

 

 兜の魔眼越しに、コーネリアの視界にその巨大な腕が映り込む。

 

「しま—―っ」

 

 防御は、間に合わない。

 

 ボグゥ!!と、人体から響くとは思われない打撲音が響き渡る。鎧による防御などまるで元から存在しないかのような強烈な一撃。がら空きとなった腹部にめり込んだ拳の衝撃が彼女の全身に伝播し、さらに突き抜け、なおも残った衝撃により身体をくの字に曲げ、鎧の破片を撒き散らしながら吹き飛ぶ。

 

「ぐ、あああああ!!!!!!」

 

 宙を飛んだコーネリアは受け身を取ることさえできずに地に叩きつけられ、マントを巻き込みながら地面を滑り転がる。ショルダーアーマーから伸びる突起が土を削りブレーキになるが、それも負荷に耐え切れずへし折れる。

 

 やがて停止した位置は、最初に対峙した位置よりも遥か後方となっていた。

 

「はぁ……ッ、っぐぅ!ごぷ、ゴホッ……!ガハッ!!」

 

 必死に酸素を追い求めながら腹部を抑え込み、うずくまるコーネリア。体を守っていた鎧は砕け散り、その残骸を腰回りに残すのみ。

 彼女の鎧は自己の魔力を通して生成・強化されている。ひどく消耗した今の状態で、先の一撃に全魔力を注いだ後ならば。その強度は一般兵が装備するものと大差ないほどまでに大きく劣化していた。

 

「ぅ、ぷ……、ぇ、はぅ……っ!ぐ、ぅぅ……!っふ、は、ぁ……」

 

 瞬間的に収縮した胃袋から溢れた胃液が一気に食道を駆け上がり、口腔内に逆流してくる。必死に抑えこもうとするが、口元を抑える指の間から血と胃液が混じった液体がポタポタと落ち、周囲にツンと鼻腔を刺激する臭いを発散する。

 

 遥か彼方に弾き飛ばされた愛剣、それを拾うどころか、探す余裕すらない。つい先ほどまでの毅然とした態度とは裏腹に、苦痛にあえぐ少女の姿はデーモンが好物とする弱った獲物の姿そのもの。

 

 かつてその攻撃力で王国軍を震撼せしめたグレーターデーモンの殴打が、たった一撃でコーネリアを戦闘不能に陥らせていた。

 

「さっきは随分と舐めた口をきいてくれたね?これで立場がわかったかな」

 

「ゲホッ……オ、ぶ、ンっ、んんぐぅ……ぐ、ぅう……」

 

 (ま、ずい……!!息、が……!どこか、やられたか!?)

 

 返事をする余裕もない。もはや戦闘力と呼べるものを根こそぎ奪われた彼女の意識は、腹部から込み上げる嘔吐感を抑え込むのに精一杯であった。

 さらに必死に呼吸を整えるが、その時間が経つごとに激化する苦しみと鈍痛。その躰の内から迸る痛みは、殴打そのものよりも、それによってなにかしらの臓器が損傷したことを如実に伝えていた。

 

「何か言ったらどうかね」

 

「ガフッ!?ごふっ……ぐ、ぁ……!ぁぐあ!!」

 

 道端の石を蹴飛ばすかのように、俯いて喘ぎ続けるコーネリアの脇腹にデーモンのつま先がめり込む。痛めた箇所に的確に突き刺さる一撃。

 

「ガフ……ッ、ふぅっっ……ふぅっっ……っふ……ごほっ……!!」

 

 ただでさえ覚束ない呼吸をさらに制限され、仰向けにされる形で地面に転がされたコーネリア。口をぱくぱくとさせ空気を求める彼女は腕を掴まれ、力任せにグンと引き上げられる。両腕を一掴みにされ宙吊りにされた様はさながらサンドバッグのようである。

 

「っっ……!あぐ、ぁ……!」

 

 重装備に身を固めたヘビーアーマーらに比べ小柄で軽装であるとはいえ、それでも1人の人間を苦もなく片手で持ち上げるグレーターデーモンの膂力。腹部の痛みも引かぬまま、急激にかかった負荷により彼女の口元が苦悶に歪んだ。

 

「ぐッ、——ごほ、ゲホっ……!!はーっ、ふぅ……ッ、ふん、女性の、扱いがなっていないな……!」

 

 呼吸すら満足に行えないなか、挑発するような発言をするコーネリア。嗜虐的なデーモンはそういった“無駄な抵抗”を好む傾向があるため、挑発を兼ねて息を整える為に利用する。その内に秘めたいまだ消えぬ復讐の炎と、仲間を生かすという使命感。その二つが彼女の意地を繋ぎとめていた。

 

 だがどれほど精神が強くあろうとも身体はそうではない。鍛えこまれているとはいえ、所詮は年相応のものでしかない彼女の肉体は、とっくに反抗のための力を失っていた。

 

「これでもワシは紳士的なのだがね?こうして殺さないでいてやるのだから」

 

「減らず口を……ッ」

 

 そして、心だけが折れていないということは、デーモンら魔族にとって格好の玩具であるということを意味している。

 

 宙吊りにされたコーネリアにわざとらしく目線を合わせ、酷薄に笑うグレーターデーモン。その表情にはもはや逃がしてしまった王子への執着よりも、目の前の”残り物”をどう処理するかを考えていることがありありと浮かんでいた。

 

 吊るされたまま身動きのとれないコーネリアは屠殺場で解体される肉のような有様で。

 家畜のような丸々と太った四肢と、贅肉により膨れ上がった腹部を有するグレーターデーモンはその解体業者。見た目から受ける印象と実際の立場が逆転していた。

 

「確かに王子を逃がしたのは失態だよ。小うるさい魔王親衛隊に何を言われるかわかったものじゃない。だからここで君にひとつ、猶予をあげようじゃないか」

 

 交渉、ではない。圧倒的な優位を持つ者がそうでない者に向ける、実質的な命令である。

 

「ハッ、お断りだ……!魔物から情けをもらうくらいなら—―おぐッ!?」

 

 そう啖呵を切ることはできなかった。グレーターデーモンはコーネリアの身体の腹部。さきほどの一撃により露出した、痛々しく青紫色に変色した肌に再び一撃を叩き込んだのだ。

 

 威力は手加減されているとはいえ、もはや鎧もなく防御もままならないまま撃ち込まれた三発目。比喩でなくコーネリアの呼吸が数舜止まった。

 

「ヒトの話は最後まで聞きたまえよ。なに、そう難しいことじゃない」

 

「――――げほっ、がふッ…!は……っ、っは……ふ、ぅ…………!」

 

 再び定位置に戻され、痛む箇所を抑えることもできず、再び乱された呼吸が彼女からなけなしの余力を奪う。だがグレーターデーモンはそんな苦しむ彼女の様子を見ても一切気にすることなく問答を続ける。

 

「ワシも手ぶらで帰るわけにはいかないからね。王子に関わる情報、それをくれたら助けてあげないこともないよ?」

 

 ――――まあもっとも、助かるかどうかは、その情報の内容次第だがね。

 

 言外にその意図を滲ませ完全に生死の主導権を握ったグレーターデーモンは、まさに名の通り悪魔のような酷薄な笑みを浮かべながらコーネリアへ迫る。

 

 助かりたければ主君を売れと、そう言っているのだ。

 

「知ら、ない、な……!知っていたとして、貴様なぞに教えるわけが—―――っ、ぐぅッ!?」

 

 ——ミシッ。——ビキッ。

 

 定型句のような安い抵抗の言葉を聞きたいのではないと、グレーターデーモンが掴んだ両腕に力を込める。人間など比較にならない埒外の膂力に、漆黒の鎧が悲鳴をあげる。

 

「知らないとは言わせないよ?あの王子が、信用の置けない者に足止めを任せるわけがないだろう?」

 

「だ、れが……!ぁぐッ!!」

 

 グレーターデーモンが更に力を加える。万力に挟まれ加工される板金のように、明らかに許容範囲を超えた外圧が鎧を、コーネリアの腕を潰していく。

 

 ——バキッ。——ゴキン。

 

 金属の耐性の限界値を超えて潰れ始めた鎧が、その下のインナーごとコーネリアの腕にめりこむ。身を守るはずの鎧がその機能を逆転させて拷問器具へと変貌していく。

 

「ぅあ……ッ、ああッ!!」

 

 コーネリアの苦悶の声など聞こえていないとばかりにいっそ機械的なまでに。じっくり、締め上げるように。熟れた果実から果汁を抽出するように丁寧に、ゆっくりと、力強く。

 

「どうかね?答える気になったかな?」

 

「ぐぅぅ……ッ!は……ッ!な、にも……!」

 

 来るとわかっている瞬間的な衝撃ならば、まだ耐えられる。だがしかし、じわじわ真綿で締め付けるような拷問は彼女の肉体に深く刻み込まれていく。

 

「ふぅむ、どうして君たちみたいな戦士?騎士?まぁどちらでもいいが、こうも強情なのかね。手間がかかってしょうがないよ」

 

「がッ、ぐ!ああ!は……っ!あ、ぐぅ……ッッ!」

 

 最後のひと押しで留められていたところに、グレーターデーモンが呆れたとばかりに力を込める。

 

 ————ゴキャッ。

 

 致命的な破砕音が、響く。

 

「……ッぎぃ……!!あ、が、んぐぅ――――~~~ッッ!!」

 

 両腕の尺骨、橈骨の破砕。奥歯を砕かんばかりに噛みしめて、口内から漏れ出す悲鳴を押しとどめる。

 

 だがグレーターデーモンはギリィと鳴る甲高い食いしばる音を聞いても、耳障りとばかりに顔をしかめるばかりで拘束を緩める気配はない。

 

「これで懲りたかな?まったく、せっかくこちらが情報ひとつで助けてあげようと言っているのに」

 

「ふっ……ッ、ふっ……ッ、ふ、は、く、クク」

 

 コーネリアは額から大量の油汗を流しながら、それでも悲鳴ではなく笑みを漏らす。

 

「どうしたのかね?腕で足りなければ脚を折ってあげてもいいのだけど」

 

「は…ッ、は…ッ、ふ、クク。いや、主人思いのいいペットじゃないか……っ。健気におつかいを果たそうとするとは……!」

 

 腕を折られて悲鳴をあげるどころか皮肉を飛ばしてみせたコーネリアの胆力はなるほど、騎士に相応しいもの。だがしかし、グレーターデーモンの、それこそ”悪魔”の責めがその程度のもので終わろうはずもない。

 

「――ふむ、少し趣向を変えてみようかね」

 

 ふり絞った精一杯の皮肉に対して、ひとかけらの痛痒も抱くことなくそう言うと、グレーターデーモンは

 

「ぐ、ぅ……おい、触る、な……!」

 

 漆黒の板金が折り重なるように作られた胸鎧に巨大な手が添えられる。片手だというのに手のひらにすっぽり収まるほどの体格差。

 

 鎧の上からとはいえ、あまりに無遠慮に胸を触られたコーネリアの顔が痛みとは別種の不快感に歪む。

 

 しかしそんなささやかな抗議を無視したイモ虫のような肉厚の指が鎧の上端にかかると、軽く力を入れただけで鎧がメキ、ミシ、と軋む。

 

ーーバキン。

 

 あっけないほど簡単に、グレーターデーモンの巨指がコーネリアの胸部鎧を引き裂いていく。幾度も命を救われたはずの強固な鎧が、果実の皮をめくるようにベキ、メキと力任せに剥がされ、彼女の黒いインナードレスに包まれた双丘を晒した。

 

 少女然とした顔立ちと体格には些か不釣り合いなほど豊かなそれは、鎧の圧迫から解放されたせいかその豊満さを惜しげもなくさらけ出した。

 鎧の残骸に支えられる形でやや上向きに主張する、黒い布地に包まれた丸みを帯びたライン。元より露出の多いインナーは、大半が素肌を露わにした扇情的なもの。頂点こそ隠されているがわずかにつんと尖り、そこに繊細な肉蕾があることをはっきりと主張していた。

 

「――――っっ!!」

 

 復讐の騎士となって尚、どこか真面目で律儀なコーネリア。いや、そんな性格だからこそ復讐者となったのかもしれない。

 

 魔族を恨み、魔族に屈しない。だからこそ気丈に振る舞うコーネリアだが、ことこの時に限ってはその決意が悪い方向に働いてしまっていた。

 

「人間のメスはこうすると大体は叫ぶか黙るかの二種類だからわかりやすいね。キミは後者のようだ」

 

「ッ……!この、外道が……!」

 

 その推論を得るために、今までどれだけの女性が餌食にされてきたのか。わかりやすすぎる物言いに、羞恥に傾きかけたコーネリアの内心が赫怒に染まる。

 

「貴様は私が――――ッ!!……っ!?あ゛ぅ……っ!」

 

 だがその怒りの熱を保つことも許されない。晒された豊かな乳房は、しかしグレーターデーモンからすれば手のひらに収まった上でなお余裕がある程度でしかない。それほどの圧倒的な体格差が両者にある。

 

 悪魔はそれをまずは小手調べ、というように乳房をぎゅうっと握り締める。あきらかに力加減など考えていないその動作と、いきなり鷲掴みにするという無遠慮さにコーネリアの顔が苦痛と嫌悪で歪む。

 

「っぎぃ!?づ…………っ!!」

 

 吊るされた少女の肢体が痛みを堪えるように揺れ動く。そのたびに残された鎧同士がぶつかり合い、かすかな金属音を響かせる。

 

「おっと失礼、力が強すぎたかな?いけないね人間は柔らかすぎて」

 

 さきほど腕をへし折ったばかりの者が白々しいセリフを吐く。インナードレス越しとはいえ、露出の多いそれは感覚としては素肌と大差ない。それを憎悪する相手に遠慮なく掴まれ、羞恥心よりも嫌悪感が勝ったのだろう。コーネリアが睨み返す。

 

 だがその精一杯の反抗でさえ 悪魔からすればこの場を愉しむスパイスでしかない。まだジンジンと痛みが残る乳房が大きく、太い指で揉みしだかれていく。見た目通りに柔らかく瑞々しいそれが手の動きに柔軟に追随して形を変えていく。まるで搾乳するかのように大きくしぼる動きをすることもあれば、逆につま弾くように指の腹で突起を擦り上げる。

 

「何か言ったらどうかね?君には答えてもらわないと困るんだがね」

 

「ぐ…………う、この、好き勝手……!触る、なぁ……!」

 

 薄いインナー越しに柔らかな乳房を握りしめられ、何も話すことはないと食いしばったはずの口の端から苦悶が漏れる。だがグレーターデーモンはその反応をあえて無視して小慣れた様子で”作業”を続ける。

 

「は、ぁぅ!っふ、ふ……っ!」

 

 人間同士の営みにあるような、相手を気遣い、気持ち良くさせるような気配りはない。ただ幾度となく繰り返した”実験”の結果としてこのようにすればいいと知っているだけだ。

 

 ただ機械的に、暴力的に、時に力強く、時に柔らかく熱を通していく。

 

「……ッ、この、いい加減に……!んぅッ!」

 

 だが入念に与えられ触発された性感が、例え魔物の媚薬に侵されようと崩されまいとしたコーネリアの決意をじわじわと侵食し、溶かし、剥がしていく。体温がじわじわと上がり、露出している首元や脇は代謝反応として汗ばんでいく。その熱がまた、コーネリアの決意を溶かすという悪循環。

 

「は、なせ、あぁ……っ!ん、く、ふぅ、ぅ……っ!」

 

 胸部から腹部にかけて前面が大きく開いたインナードレス。形がはっきりと浮き出た張りのある双丘がぐにぐにと形を変え、好き勝手に揉みしだかれる。

 

「ああ……っ、は、ゃ、あ、んぅ……!やめ……あ‶っ……!くひぃっ!」

 

 やがてコーネリアの口から苦悶以外の、微かだが確かに快感を滲ませた喘ぎが漏れ始める。

 

 少女の意思に反して徐々に硬くなり始める胸の突起。反対にまるでコリをほぐすように柔らかく揉まれる乳房。さらに砂漠に染み込む水のように流し込まれる魔力によって鋭敏になっていく身体。

 

「やめ、ろ……っ!は、ぁん!んぅぅ、くぅぅ……ッ!!」」

 

「ふぅむ、やはり単純作業の中でも試行錯誤は大事だね。ところで、さっきまでの威勢はどうしたのかな?」

 

 その様子を見て満足したのか、痛みよりは”こちら”が効き目があると判断したのか。グレーターデーモンの巨大な手のひらが、薄い布地一枚に包まれたコーネリアの胸を鷲掴む。

 

「っ……やめ!く、ぅ、ぁ!ぐぅ!」

 

 いったい何人の女性をそうしてきたのか、粗暴極まりない外見に反した巧みな指捌きで乳房を撫でまわし、揉み解す。不規則に、かつリズミカルに。凝り固まった肉に熱を通し、やわらかく煮込むかのように。

 その熱がコーネリアの決意を溶かしていく。その熱がコーネリアの怒りを覆いつくしていく。

 

「ぅ、ぁ……!やめ、ろぉ!やめ、やぁ……!ひあぅ……!!」

 

 それでも拒絶を口にするが、その中に少しずづ官能的な響きが混ざっていく。グレーターデーモンがときおりわざとらしく突起を擦り上げれば、コーネリアは身体を電流が走ったように弓なりにしならせてしまう。

 

「は、あ、あぁ……っ!ん……ッ!やだ、ぃゃ……ぁん!!」

 

 情けなく反応してしまう身体。否応なく晒される己の痴態にコーネリアの意思がぐちゃぐちゃに掻き回される。

 

 蠢くように動く指が乳房を好き勝手に揉む。そのたびに少女の身体がふるりと揺れ、どうしようもなく反応していまっていることを如実に伝える。それに気をよくした悪魔の舌先が、汗の滲んだ脇の窪みを舐め上げる。

 

「んぅ……!こ、の……!そんな、ところ、舐め、るなぁ!」

 

 寝室を共にした、かの人物にすらされたことのない倒錯的な行為にコーネリアの声が上擦る。その漏れ出た甘い声を耳にしたグレーターデーモンが満足げに笑うと、そのままべろぉん、とわざとじっくりと執拗に舐め上げれば、跳ねた唾液の飛沫が少女の肌に降りかかる。

 

「っひ、この……!汚らしい……化け物め……っ!!」

 

 その反応を確かめながら、なお執拗に胸部のみを責める。もみほぐすような動きから一転、段々とペースを上げ、弾ませるように愛撫する。その度に手から解放される両乳房がぶつかり、たぱん、と音を立てる。そのどうしようもなく煽情的で蠱惑的で、破廉恥な音がコーネリアの抵抗意識をガリガリと削り落としていく。

 

 触れずともわかるほどくっきりと充血し、布越しに存在感を放つほどにまで至ってしまった乳首。それが二本の指によって摘まみ上げられると、、くぐもった呻きが切迫感を増した。

 

「ふ、んん゛ッッ!!んぅ、ん、ぐ、ぎ――――っっ、ッ!!んん゛――――ッ!!」 

 

(そんな、馬鹿な……!こんな、こんな魔物にいいようにされて、気持ちが昂るなんて……!)

 

 いっそ媚薬でも盛られたほうがまだ言い訳ができた。魔物の毒ならば仕方ない、と。しかしそうではない、ただ単純に魔物の手技に屈しかけているという事実がコーネリアの心に暗い影を落とす。

 

 魔物はコーネリアの仇敵である。家族を、故郷を、国を滅ぼした不倶戴天の敵。すべてを滅ぼすまで決して立ち止まらないと誓ったはずの、憎むべき相手。

 

 その相手にいいようにされ、あろうことか快感さえ抱きつつある現状がどんな苦境であろうと折れなかったコーネリアの精神を犯し、神経を辱め、体の節々にいたるまで抵抗する気力を奪っていく。

 

(こんな!こんな……!胸だけ……で!?イヤだ、そんな!私は……!)

 

 内心を読んだわけではないだろう。しかしコーネリアの快楽と忍耐の均衡が崩れかけ、あとほんの少し突けば決壊してしまうだろうというところでグレーターデーモンが絶妙な手加減でその乳首に爪をかけると、その敏感な肉突を捩じり上げる。

 

「ひ、ぃ……っ!?は、ぁ、んぅ……!!やめ――――っづぁ゛っっ!!ぅああぁぁっっ!!あああああああーーーーーー!!!!」

 

 華奢な体が今までになく弓なりに反り返る。果たして、一度崩れた均衡はもはや留まることがなく、ついに我慢しきれなくなった矯声が響きわたる。

 

 さらに鋭敏なグレーターデーモンの耳朶に響くのは、確かに叫び声をあげる口吻とは別の箇所から響いた、微かな噴出音。そして液体が地面にしたたる際に鳴る、パタ、パタッという落下音。

 

「フン、口ぶりの割には随分とあっさり落ちたね。これならそこらの村娘のほうがまだいくらか保ったよ?」

 

「…………ふっ、ぐ……ッ、くぅ、ぅ……ッ!こ、の……うぅ……!」

 

 あまりにわかりやすい挑発に、しかしコーネリアは幼稚な罵倒すら満足に言い返せずに睨み返すのが精一杯のありさま。

 

 兜の下の目尻には涙が浮かび、頬は上気し、さらけ出された乳房の頂点はインナー越しでもわかるほどに痛々しいほどに硬くなった突起を主張する。

 

 腰の前垂れを挟むように擦り合わされる両脚。身じろぎする際に身体に残った鎧が鳴らす金属音が、辛うじて彼女の騎士としての矜持を繋ぎ止めていた。

 

 

 

 —―ただし、コーネリアの名誉のためにも記すが、これには訳があった。彼女はそういう特別感じやすい体質でもないし、仇敵に嬲られることで興奮するようなどうしようもない性癖を持っているわけでもない。

 

 彼女の持つ暗黒の力はかつて上位デーモンから奪ったものである。つまりは同種であり同源である力。ゆえにその力に容易く感応しやすくなってしまっただけなのだ。平たく言えば、相性が良かったのだ。

 

 もっともそれは双方ともに預かり知らぬことであるし、コーネリアが知ったところでなんの救いにもならないどころか、更なる絶望に落とされるだけなのだが。

 

 

 

「さて、そろそろいい頃合いかな?」

 

 もじもじと切なげに擦り合わされる両内腿。脚を守る鎧は膝下のみであるため、鼠径部付近から膝上まで、大きく素肌のまま露出した大腿部はじんわりと汗ばんでいる。

 

 そこに挟まれる形となるインナードレスと一体となった前垂れ部分。

 

「な、にを…………!あっ!?やめっ!!触るなぁ!!」

 

 さきほどから湿気を存分に湛えた秘部と太ももに巻き込まれ、くしゃくしゃになったそれ。これまでただの一度も触れられてさえいない乙女の股座。

 

 奥底から滲む出てしまった蜜が、表面に染み出し、その布地をじっとりと濡らしてしまっていた。

 

「んん〜?なんだ、これはまた思ったよりひどいね。随分とはしたない娘だ」

 

「あ……っ、や、だ!ち、ちがっ……!

 こ、こんな、こんなの、っ、ぁ、うあぁっ!!」

 

 グリグリと、布地越しに秘部を押し込まれる。そのたびに溢れた愛液が滲み出し、前垂れにできてしまった染みを拡大していく。もはや失禁と言って差し支えないほどの量。溢れた液体が両太腿を伝い、インナーであるニーハイソックスにまで到達してしまう。

 

「なにも違わないだろう?そら、そら、ほら」

 

「ぁ、あぁぁ、やめ、ろぉ!!は、ぁ、んぅうぅぅ……っっ!!」

 

 不意打ちのように再び放たれた爪弾きを受け、固くなりきった肉の蕾が、鋭敏になった全身の神経に電撃のような衝撃を伝播する。いや、ともすれば電撃よりも強烈な性感の侵食に少女は再びその細腰を大きく跳ねさせ痙攣するしかない。

 その無様な有り様は、騎士として戦ってきた少女の意地と矜持をこれでもかと貶めていく。

 

「こう見えてワシは鼻が良く効いてね」

 

(見た目どおりだろうが……ッ!)

 

 そう内心で毒づくも、口に出す余裕もない。

 

 グレーターデーモンがその鼻を股間部の前垂れに近付けてスンスンと嗅いでいるのだ。

 自分の恥ずかしい匂いが染み付いたそれをこれ見よがしに嗅がれて、コーネリアは羞恥と悔恨で爆発しそうであった。

 

「ふん、ふん。汗臭いね?エチケットがなっていない。それに、これは。ふぅん?」

 

 人間とはまるで違う生物の顔。しかしそれが誰が見てもそうだとはっきりと分かるほどに愉悦の形に歪む。

 

「っあ……!さ、わる、な……!みるなぁ!!やめ……〜〜っっ!!」

 

 身体をさらにグイッと高く持ち上げられ、必死な制止の声を無視した巨指が前垂れの裾にかかるとつまみ上げるように捲っていく。

 

 カーテンで隠された窓の向こう側を覗き込むかのように、グレーターデーモンの目と鼻の先に晒されたのはインナーと同色のショーツ。動きやすさを重視したためか極めて布面積の小さなそれは、わずかな月明かりの反射でも分かるほどにその下に隠された秘裂に添った染みを作り上げていた。

 いや、もはや染みどころではない。よくよく見れば、受け止め切れなくなった淫液がぽたぽたと滴り落ちていた。もとより布面積の少ないハイレグショーツは、下着としての役割を完全に喪失していた。

 

「や、めろ……!はなせぇ!!見るな!くそぉ!!」 

 

 あまりの羞恥に取り繕う余裕もなくなってきたのか、復讐の騎士としての仮面が剝がれていく。その少女の姿に満足したのか、グレーターデーモンがショーツのクロッチに指を近付ける。なにをされるか察した少女が身を強張らせるが、抵抗としての意味がないそれを無視して、巨大な指がクロッチに怪しく触れると、そこからぐちゅり、と湿った音が木霊する。その音がまたコーネリアの痴気を引き起こす。

 

「ひ……!?あぅ、そこ、だ……め、やめ、ろぉ!」

 

 その分かりやすい反応に笑みを深くした悪魔が、今度はクロッチの生地ごと指を押し込む。途端、くちゅ、ぐちゅちゅと水分と空気が混ざった卑猥な圧搾音が響き、少女の純粋さを残すクレバスから淫らな愛液が漏れ落ちる。

 

 糸を引きながら落ちる、確かな粘土のあるそれは明らかに尿や汗とは別物の液体であった。銀糸に月明かりを反射させるその光景は、その箇所だけを切り取れば一種の芸術品のようでもある。

 

 「はしたないね。こんなに漏らして。ヒトのことをペット呼ばわりした君のほうがよほど躾がなってないね?」

 

「だ、れが……漏らして、なんか……!ひああああっっ!?は、ぁ、やぁ、やめ、っっ!やぁぁ!!あ、ぁ、あ、ああぁああぁぁああッッ!!」

 

 思わず口から出てしまった反論。だがそれが苦し紛れであることは誰の目にも明らかであった。グレーターデーモンが濡れたクロッチはそのままに、秘裂から浮き出てしまっているクリトリスに指弾を浴びせると、なんとも淫らな体液を今度ははっきりとわかるほど噴き出してしまう。

 

 ぷしっ、という無人の闇夜にて響く小さな噴出音。すでに濡れそぼっている下着で受け止めきれるはずもなく、たやすく溢れてしまったそれが地面にぽたぽたと落ちて確かな染みを作る。

 

「これでもかね?まったく、往生際が悪いことだ」

 

 憎むべき怨敵に絶頂させられた、という覆しようがない証拠である。その事実にコーネリアが絶望に染まる。ここまで好き放題にされて、あまつさえ感じてしまうなど。

 

 「っっ、はぁ、ぁ、や、やめ、てっっ!!そ、れ、だめっっ!!んぁ、あ゛ぁ……っっ!!」

 

 容赦なく続けて放たれる連続した爪弾き。バチン、パチン、という音と共にしなやかな身体をたわませながら、体の奥底から脳天までを貫くように駆け抜けていくその感覚に、コーネリアはただ全身を無様に跳ね震えさせながら、淫らな飛沫を飛び散らせる。

 

 そしてそんな哀れな少女の身体は、更なる性感の炸裂に大きく仰け反る。それまでの線香花火のような刹那的かつ断続した刺激から一転、まるでノコギリで削り抉るような冒涜的な刺激が彼女を責め始めた。

 

「っっ~~~~、んぁ、ぁ、あぅ……っっ!!っ、ひっ、あっ、や、め、ひっぱる、なぁ……!!ぁ、ぅ、ぅうぅう……やあぁああぁぁああっ!!」

 

 生地と肌の間に入り込んだ指がショーツを掴み上げ、無理やりに引き絞ったのだ。元より小さなショーツがどうしようもなくコーネリアの秘裂に食い込んでいく。宙に浮いたままの脚がジタバタと足掻くが、まるで意味をなさない。どころかその反動でなおさら食い込みを深くしていく。

 

「やぁ、や、やめ!やだ、いやだ……!離せぇ……!!ああぁぅぅ〜〜ッッ!!」

 

 もはや紐同然となったショーツ。さらに狭い布地に隠しきれなくなった肉土手が両サイドから顔を出し、愛液に濡れたそれが光を反射してらてらと艶かしく光る。

 

「お願いします離してください、だろう?全く、躾ができてないばかりか言葉遣いまで碌なものではないとはね。飼い主の出来が悪いとこれだから困る」

 

 さらに絞られた細布が、弦楽器のように左右に振られる。そのたびに露わになる、いまだ恥毛すら生え揃っていない幼さの残るクレバス。

 

 自分のもっとも大切で敏感な場所をただただ玩具のように嬲ら続けられるコーネリアの自尊心が踏みにじられる。

 

「っ、あ、はぁ……!か、ふ、やめ、ぁ、あああ!は、ぅ、待っ、て、やぁあッッ!!」

 

 グレーターデーモンはまるで聞き耳を持たない。どころか確信を得て、まだ陥落しきっていない少女を完全に屈服させるべく攻勢を一層苛烈にするべく動き出す。

 

「や、だぁ!うご、かす、なぁ……!やぁっ、い、やだぁ……!」

 

 細紐が動くたびにクリトリスを掠めていき、コーネリアに湧き上がる淫らな熱。冷徹な印象のとおりに白かった肌が、赤熱していく。

 デーモンの悪辣な行為を咎める者はおらず、ならばその行いはさらに残忍で狡猾なものへと深化していく。

 

「は、ぁ、はぁ……、ぁ、っ、はあぅ……ッ」

 

 息も絶え絶えとなったコーネリアは浅い呼吸を繰り返すのみ。ショーツをずらされたまま剥き出しにされた陰唇は熱と淫気を帯び、みだらな湿り気で月光を反射し怪しく光る。

 

「それにしても随分と暑そうにしているね。冷ましてあげようか」

 

 デーモンがそう言って笑うと、幼さの残る割れ目に、息が吹きかけられる。

 見た目そのままの威容から繰り出される吐息は、しかし名のような生易しいものではない。突風に近い強烈な風圧が、細く窄められた陰唇に直撃する。ただでさえ敏感になった秘部。力の入らない姿勢。急激な温度変化。

 

 様々な条件が組み合わさり、一つの生理現象をもたらす。コーネリアの身体が一瞬ふるりと震える。

 

「ひっ」

 

 小さく、短い悲鳴が漏れる。今から何が起きるか、否が応でも察してしまったために。

 

「ぁ、やだ……や、いやだ!離せ!はなせぇ!」

 

「いいよ?」

 

 あっけなくパッと離されたショーツ。だがあくまでショーツのみ。拘束されたままでは手で抑えることもできない。そしてもはや限界まで達していた尿意が、圧力から解放されただけで消え去るわけもなく。むしろその解放された勢いでもって尿口へと殺到する。

 

—―ぷしっ。

 

「ひっ!?あ、や、だめ……!ダメぇ!!」

 

「我慢はよくないね」

 

 必死に下半身に力を込めて身を捩らせる少女に対してデーモンは容赦しない。ピンッと、その爪でクリトリスを弾いてやれば、彼女のそこは風船が割れるようにあっさりと決壊した。そうなればもはやあとは衝動に身を任せる他はない。

 

「やっ、あ、ああぁぁ!出る、出ちゃ…!やだ、もう、やめ、ああっ!!」

 

 噴水のように勢い良く噴き出される飛沫。先ほどまでの愛液とは比較にならない、確かな水量。一定の勢いを保ったまま、足元の地面を、コーネリアの身体を汚していく。

 

「やっ、や、やだ!だ、ダメ!止まれ……!とまっ……!あ…!や、ああぁぁぁぁ……」

 

 いくら口で訴えようと、一度緩んでしまった尿口を締めることは不可能だ。本人の意思など知らぬとばかりに止まることのない生理現象に、コーネリアは屈辱と絶望に満ちた嗚咽を流すしかない。

 

 十数秒もの間垂れ流された黄ばんだ液体は、彼女の漆黒の鎧やインナードレス、ニーハイソックスを穢していった。

 

「ぅぁ、ああ……!ゃ……!こんな……!ばか、な……!あぁ……!」

 

 現状を受け止めきれず、ただ絶望感だけが精神を蝕んでいく。そしてコーネリアが絶望すればするほど、グレーターデーモンは恍惚とした笑みを深めていく。

 

「ふぅん、これで言い逃れはできないね?まったく、躾が出来ていないとは思ったがここまでとはね?」

 

 グレーターデーモンの嘲りの言葉も耳に入らない。己の秘部を見つめるコーネリアから漏れ落ちるのは、「ぁ……」だの「ぅ……」だの、意味をなさない単音。そして尚もぽたぽたと落ちる雫。

 いまだ素顔を覆い隠す兜は健在だが、その下がどうなっているかは一目瞭然であった。

 

 魔物を滅ぼす。そのために捧げてきた半生を根本から否定されたかのような醜態がコーネリアの理性を、矜持を削り取っていく。

 

「ふぅむ、ふむ…………よし、下拵えはこんなものかな?」

 

 茫然自失とした姿に満足したのか、デーモンがそう言い放ち、腕を解放する。乱雑に地面に放り出されたコーネリアは、折れた両腕では満足に受け身を取ることもできずに情けなく倒れ伏す。

 

 解放された両腕は鎧の破片が突き刺さり至るところから出血し、前腕の中ほどが不自然にくびれていた。常人ならばとっくに気絶してもおかしくない状態だが、彼女の精神の強さが裏目に出たのかそれすら許されない。

 

「ぁぐ……っ!!」

 

 両膝と頭を地面につけるという四つん這いの出来損ないのようななんとも無様なポーズとなってしまったコーネリア。

 その後ろに突き出される形となった秘裂からはなおも愛液と尿がまじりあった液体が垂れ落ち、地面に下敷きになった前垂れを穢していく。

 

「さて、仕上げといこうじゃないか」

 

 仕上げ。この状況におけるその言葉の意味を理解できないほどコーネリアは無知ではないし、幼くもない。

 しかし理解できることと、受け入れられることは全く別である。

 

「っ……あ……!や、っ、ぁ、……!は、ぁ……ぁ、ぁ……!」

 

 這いつくばったまま、しかし逃げることも叶わない。両腕は折れたままで、体力は底の底。肘をつきながらなんとか身を捩らせるが、ボロボロになったマントとスカートを踏まれ地面に縫い付けられたその姿は、野生の肉食動物に捕らわれた哀れな獲物の姿そのものであった。

 

「ワシは寛大だからね、最後にチャンスをあげよう。何か言うことはあるかね?」

 

 そんなコーネリアの様子を見下ろしながらグレーターデーモンが告げる。事ここに至っては彼女が簡単に白状するとは思っていない。ただ何某かの無様な命乞いでも聞ければ多少は楽しめる、とまさに悪魔のごとき愉しみのために尋ねているだけだ。

 

 たすけて、やめて、おねがいします、ゆるしてください。凡庸な、凡人であれば誰でも思いつく様なシンプルな言葉。そこに意味はない。あるとすれば今まさにその身を穢そうとしているデーモンの征服欲を満たすためのスパイス。どんな美麗字句を並べたところで助かる可能性はない。

 

「……ぁ、はっ、ぁ、ぁ、ぐ……ぁ、っ……!」

 

 グロテスクなほどに雄々しく聳り立った陰茎がぐぢり、とコーネリアの意思とは関係なく受け入れ準備が整った膣の入り口に宛てがわられる。

 獰猛な大蛇のような猛毒を備え、さらにそれだけで火傷しそうな錯覚を覚えるほど熱く巨大なモノ。先端だけで彼女の腕より遥かに太いそれは、ならば入れられたらどうなるか。想像を絶する未来にコーネリアは浅い呼吸を繰り返すしかない。

 

「っ、ぁ……!は、ぁ…っ、ぁ、あ、ぅ……!わ、たし、はぁ……!」

 

 ようやく紡ぎ出された意味のある単語。その先を促す様に秘裂に亀頭がぐじゅり、と擦り付けられる。吐息すら惨めに震え、幾度もの絶頂の余波が身体を時折ビクリと揺らし、股間からはだらしなくもはしたない体液が滴り落ちる。

 

「……わ、たし、は、負けてなぃ……!」

 

 けれどグレーターデーモンが期待するような言葉がコーネリアの口から紡がれることはなかった。

 

「――――なんだ、つまらない」

 

 少女の口から紡ぎ出されたのは命乞いではなく負け惜しみ。彼女のなけなしのそれは、ひどくつまらなそうな呟きを伴いあっけなく破壊されてしまう。

 

 細腰を両腕で掴まれ、わずかな身じろぎすら出来ないように固定される。そして度重なる前戯ですっかり濡れた柔口を強引にこじ開けられる感覚。

 

「っ……や、あぐ……!は、ああぁ……!……!」

 

――――めり、めりめりめり。

 

 例え柔らかく、濡れていようと元より規格外の異物。それが華奢な膣口を割り開いていく。

 

「んぃ゛……ギッ!!ぅ、ぁ、が、ひぅぅ……ぅ、ぁあぁぁっっ!?」

 

 まだ幼さの残るクレバスにずるりと入り込む無慈悲な質量。彼女の腕よりも太い規格外な異物の侵入に、コーネリアの秘所がミチ、ブチ、と悲鳴をあげる。膣内の空気が圧縮され、泡立った蜜液が逆流してくる。ずらされたショーツを伝い、糸を引きながら落ちていく。

 

「――――ふ、ぅ、んぅ、ぐ、ぁ……っ!!あぁぁ……っ!ぁ、あぁ…………っ!」

 

 痛みと圧迫感はすぐさま少女の最深部にまで至り、しかしなお侵入した長さは全体の半分にも満たない。

 限界に到達してなお、突き入れられていく肉棒。一度で駄目ならば二度、三度と容赦なく響いてくる深く重い衝撃。繊細な少女の入口が破城槌で強引にこじ開けられていく。

 

――どすんっ ばちゅんっ ごちゅんっっ

 

「――ッあ!ッああああ!!ぁ、が、あああああ!!!!」

 

 ただただ無理矢理に、強引に力任せに押し入ってくるモノ。節くれだった陰茎が前後するたびに粘膜の壁が削り取られていく。コーネリアにとってそれは苦痛でしかない。しかし事前に存分に魔力を浸透させてしまった身体が、その痛みに伴う熱を快楽へと誤認させてしまう。

 

「ぐ、ぅぅぅ……、ゃ、あ、ああんッ!」

 

(な、に……なにが、起きて……!?)

 

 食いしばったはずの口から漏れるのは痛みに対する悲鳴ではなく、呆気ないほど無様な嬌声。痛みに勝る熱量。胎内が熱い。まるで体の内側をまるごと性感帯に置き換えられたような熱。

 

 痛みと快楽が同時に押し寄せる中。ひと突きごとに絶頂を迎えるコーネリアが、それに合わせるように愛液を噴き散らかし、ビクビクと情けなく痙攣する。

 

 悪魔が腰を前後させる度に兜が地面に叩きつけられ、少女の尊厳を徹底的に蹂躙していく。

 

「んふぅ……やはり人間のそこは狭いねぇ。まあそこが取り柄ともいえるかな?」

 

「ぁ、あ゛ぁあぁあぁっっ!!が、ぁ、うぁ、やあぁぁっ!!ーーう、ぶッッ!?」

 

「やかましい。集中できないじゃないか」

 

 コーネリアの悲鳴すら煩わしく思った悪魔は、その頭部を地面に押さえつけ強引に口を塞ぐ。

 ひたすらに暴力的かつ遠慮呵責のないその行いは、しかしそうであるが故に悪魔の嗜虐心を満たしていく。

 

「むぅ……まだ固いね。いやはや、甘く見ていたよ。やればできるじゃかいか」

 

「や、ぁっ、うれ、しい、わけが……ッッ!早く、抜け――――っ、んぎ、ぃっ!?っっ、んぐ、ぅ、んぁ!!」

 

 固定された哀れな少女の肢体。悪魔は本能に駆られるままにそれを貪り喰らうように腰を打ちつける。押し込み、引き抜く。その度に身体の内側が引き剥がされるような痛みが走る。そして痛みは熱を帯びる。熱が快感をもたらす。

 わけがわからない連鎖反応がもたらす結果に、コーネリアの身体が快楽に震えてしまう。

 

「は、ぁ、うぁ、あぁ、こんな……っ!こんな……っ!」

 

 確かに痛く苦しいはずなのに、最終的にもたらされるのは快感。強引に突き入れられた秘所から溢れた愛液が、その動きを手助けしてしまっている感覚。

 

「――――っ、ぅ、ぁ、あぁぁっ!?あっ!あぁっ!ああ、うああぁぁああっ!!」

 

 削岩機のような強烈な肉悦の連打。舌がもつれ、意味のある言葉を紡げなくなる。眼窩には火花が散り、意識が弾ける。 

 

 思考が焼ける。矜持が燃える。意地が溶ける。苦痛と快楽に交互に襲われるコーネリアの内心が焼け落ちていく。

 

(こんな、こんなやつに、馬鹿な、そんなーーーー!)

 

 剛直が引き抜かれ、突き入れられる。その動きのたびに入口からは淫らな蜜が飛沫をあげる。臓器が圧迫され、だらしなく開けられた口端から唾液が漏れ落ちる。兜の下に見える頬は紅に染まり、火照った肌には珠のような汗が浮かぶ。

 

 地に組み伏せられたまま激しい運動を行なっていたせいか、いつの間にか密着していたはずのインナーがめくれ、乳首が露出していた。膨れ上がったそれは痛々しいほどに屹立し、地面に擦られることで電流を流されたような衝撃をコーネリアに伝える。

 

「くぁあ!は、あ、ぁぐっ!うぁあ……っ!」

 

 凶悪なカリ首の段差が、ヤスリのように膣内の粘膜壁をガリガリと削る。さらに亀頭が膣奥を叩けば、巨大な性感がコーネリアを襲いその身体を打ち据える。両腕で固定された細腰はコルセットのように雁字搦めとなってコーネリアを逃さない。

 性感の衝撃を余すところなく受け止めるしかない華奢な身体が、一突きごとに跳ね、震える。

 

「ふ、ぅぅぅ……ぁ、ぐッ!この、このォ……!ふぁ……ッ!貴様は、必ず、殺してやる……ッ!わたし、が!ぜったいに――――ッッ!?」

 

 まだ自分は折れてない、そんな負け惜しみの言葉すら紡がせてもらえない。強気な抵抗の言葉は、言い切る寸前にデーモンの一突きで遮断される。いや、一突きどころか軽く押し込む程度の動きでコーネリアは簡単に絶頂し、膣口から潮を噴き散らす。

 

「は、ひぃぃ!や、やあぁ!くひあぁあ!!」

 

「なにか言ったかね?フゥ、いい加減認めたらどうだね。キミはもう戦士で騎士でもない、ただの肉玩具だと」

 

 ぐりっと膣奥を刺激されるだけで膣口から溢れた潮が滴り落ちる。コーネリアの足元には淫らな体液でできた水たまりが形成され、膝や前垂れが水面でびしゃりと跳ねる音が鳴る度に自らの肉体がとっくに陥落していることを知らしめる。

 

「んぅう……っ!んくぁ、あ、ぁぁ、あはあぁぁっ!!ち、がう、私、わたしはァ!ぁ、ああああ!!やぁああ!」

 

 反論するために開いた口からは、しかし隠しようもない快楽の嬌音が響く。否定したかったはずなのに、自らの口から出た音がコーネリアのプライドと矜持を削り落とす。

 

「違う違うッ!私はッ、わらひはぁッ!ち、が……!く、そぉ……っっ、くそ、くそぉ!!んぁ、く、ぅうぅ、あぁぁぁっっ!!」

 

 何に対して悔しがっているのか、最早本人にすらわからない。ただ何かしらの声を出すことでしか自我を保てず、ひたすらに身を震わせる姿にはかつての勇ましさなどは欠片も残ってはいない。

 それは間違いなく、ここまで必死に否定していたコーネリアという少女の敗北の証に他ならなかった。

 

「〜〜〜〜ッッ、っは、あ、かは……ッッ!」

 

 そして、無意識下で行われていた抵抗が弛んだことを感じ取り、その一瞬の隙を突いた悪魔の肉棒がコーネリアの最奥を穿つ。さらなる埒外の衝撃にコーネリアは身を仰け反り、声にならない悲鳴をあげる。

 

「あぐぅ!ぅ、んぐ……っ!は、ぁ、ああ!やだ、やめ……!そこ、やだ、やだぁ!ぅ、ぁああ!!」

 

 矜持が敗れてしまえば、ついに場に残るのは肉と肉がぶつかり合う音と悪魔の哄笑と少女の嬌声。それらの陰惨な交響曲。グレーターデーモンの巨大な陰茎がコーネリアの身体を何度も打ち据え、その度に大量の愛液が噴出する。

 

「も……だ、めだ……!はなせ、放してぇ……!わ、たし……、壊れ……!私、が……壊れるぅ……!」

 

 折れたはずの腕で地面をガリガリと削る。身体の内側からそれほどの爆発的な快感が発生する。文字通り弾け飛んでしまうかのような一瞬の浮遊感。身体が波打ち、まぶたの裏で火花が散る。

 許容範囲をとっくに超えた快楽の津波は、少女に残された理性を欠片も残さず押し流す。

 

「……っ!!や、だ、やだぁ……!!おかしくなるぅ!!こんな、こんな……ッ!!」

 

 自分が自分ではなくなってしまうような恐怖から少女が泣き叫ぶ。叛逆の騎士らしい冷徹な仮面も、力を得て抱いた傲岸不遜さも、あるいは生来の生真面目さも。全て砕かれ、何もかもがなくなってしまうような感覚。

 

「あああッ!やだ、いやぁ!イく……イきたく、なぃ……!だめだめそこ……っ!あ゛ああぁぁあ゛!!」

 

 そしてついに、呼応するかのように少女の裡で悪魔の分身が震えたつ。

 

「ひっ……!?」

 

 その蠕動の意味するところは一つしかない。

 

 膣内に深く穿たれた肉杭。熱せられた鉄塊のような熱量を持つそれが、持ち主たる悪魔から湧き上がる劣情を蓄えるように膨らみ上がる。

 

「っく……さて、ワシもそろそろ限界だからね。ここらで終いにしようじゃないか」

 

「……!ぁ、ゃ!中、な、か……だ、めだ……!やめっ、や、やだぁあ゛あぁぁ!!」

 

 膣道で感じてしまう、肉楔がボコリと膨らむ感覚。そこから察してしまう非常識な量。到底子宮に収まり切るわけがない。必死に逃げようと腰をくねらせるが、その抵抗が却って陰茎を刺激して射精を促す。

 

 そして。

 

「お、おおぉ!出る、出るぞ!そら、イけ……っ」

 

「やだ、やだぁ!なか、な、ゃああぁぁっっ!!」

 

 ――――瞬間。ついに堰を切った大量の白濁が放出され、コーネリアの身も心も埋め尽くす勢いで押し寄せていった。

 

「――――ッッッああああ゛あ゛あ゛あ!!ぃやあああああああ゛あ゛!!!!」

 

 鉄砲水のように膣奥を穿ち貫く大量の白濁流。身体の内側から腹を突き破りかねないほどの量と勢い。それは固定されたコーネリアの身体を暴れさせるが、しかし一切の身じろぎを許さずに衝撃を一つ残らず受け止めさせる。

 華奢な肉体には到底収まりきらぬ量が少女の腹部を不自然に膨らませ、ボゴン、と音を立てて拡がる。

 

「あ゛、がは……ッ!」

 

 長い長い射精から、やがて少女の裡に収まりきらなかった白濁が逆流し溢れ出す。その勢いに任せるようにグレーターデーモンが腰から腕を離し、コーネリアの身体が解放される。

 

「あ……ぅぁ、ああぁ、ふ、ぅ、うぅぅ……ぁぅ……」 

 

 重力に従い崩れ落ちる身体と、ずぬり、と引き摺り出された陰茎。股間から大量の精液を溢れさせながら白濁の沼に沈み込むコーネリアは、もはや漆黒の騎士とは程遠いほどに全身が薄汚い白に塗れていた。

 

「ぁ゛ぁ……ぅぁ……」

 

 仮面越しに覗く顔からは涙が流れ、コーネリアの尊厳と矜持がこれでもかと破壊されたことを如実に表していた。ひゅーひゅーと浅い呼吸を繰り返し、それに連動するかのように股間から精液が逆流する。ごぷっ、ぶぴゅっと醜悪な臭いと共に溢れる白濁の液体。

 

「ふぅ、いかんね。随分と興が乗りすぎてしまったよ」

 

 一通りのコトを終えて満足したグレーターデーモンが、当初の目的を思い出したとばかりにコーネリアの頭を持ち上げる。

 すでに意識を失っているのか、だらりと脱力したままのコーネリアの身体が動く様子はない。剥き出しになった秘所からは精液が漏れ落ちてびちゃびちゃと陰鬱な音を鳴らす。

 激しい行為で何度も地面に打ち付けられて破損してしまったのか、仮面には幾つもの亀裂が走り、その隙間からは涙で濁った蒼眼が垣間見える。

 

「まだ生きているかね?まったく、世話が焼ける。死ぬ前に情報のひとつでも吐いたらどうだね」

 

 力を込められた仮面が軋む。数秒も待てばコーネリアの頭蓋ごと砕かれてしまうだろう。その痛みが意識の覚醒を促したのか、あるいは問い掛けに反応したのか、彼女の口先が微かに動く。

 

「……ぉ、ぅじ……は……――、――。――――……」

 

 消え入るような小さな、本当に小さな声色。それを聞く為にグレーターデーモンが顔を寄せる。まさに目と鼻の先。そこまでしてようやく聞き取れた言葉の内容。

 

「――――無口、で……おんな、ぐせが、悪い」

 

「はあ?」

 

「――ふふ、は……寝室では、手荒いし、しかも、この上なく、よくばりだ」

 

 そこで初めてこれまで愉悦に浸っていたグレーターデーモンの顔が困惑に歪む。一聞するとただの悪口だ。だが、コーネリアの口元は満足げに笑みを浮かべていた。

 

「ああ……いい顔が、見れた。つまり、だ。――――くた、ばれ」

 

 瞬間。

 

 激昂したグレーターデーモンがコーネリアの頭を握り潰すよりも早く、悪魔の首筋に折れているはずのコーネリアの両腕が突き刺さる。

 

「グギッ、ぎいいい!?」

 

 ぞぶり、と指が抜かれた首筋から大量の血液が吹き出し、さらにそれ以上の魔力が失われていく。魔物にとって魔力とは生命力そのもの。急速に失われていく魔力に従い、その醜悪な肉体が崩壊していく。

 

「がばっ、ご、ばがな゛、ごん゛な゛……ッ!?」

 

 コーネリアの腕は折れたまま。しかし腕にへばりついたままの鎧に魔力を流し即席のギプスとし、指先に形成した魔力爪を全力で突き入れる。図らずとも自身に注ぎ込まれた大量の魔力。それを僅かでも取り入れて利用することで起死回生の一撃へと繋げたのだ。

 

「わ、ワシの……ワシの身体が崩れで……!」

 

 そう、グレーターデーモンの敗因はコーネリアの両腕を切り落とすのではなく砕くに留めたこと。不用意に顔を近付けたこと。時間をかけすぎたこと。

 

 そしてなにより、彼女をみくびっていたこと。

 

「ご、ぉ……ばがな、ワシのがらだがぁああああああ……!!」

 

「やかましい。死ね」

 

「ごッ……。――――」

 

 首だけになってなおも断末魔を上げ続ける悪魔に嫌気が差したのか、消滅しつつあった頭部を踏みつける。紙屑のように呆気なく踏み潰された悪魔は、それきりチリとなって消え失せた。

 

「……ふぅ」

 

 それを見届けて、膝から崩れ落ちるコーネリア。

 

 奇跡に賭けた一撃であった。躱されても、刺さりが浅くとも次の瞬間に待つのは自分の死。ただ一度のチャンス。さらに敵の魔力を転化できるかすら定かではなく、気付かれてもいけない。

 

 そんな綱渡りの博打だったが、彼女は打ち勝ったのだ。その決意を後押ししたのは、最初の攻防の際に弾き飛ばされ、地に突き刺さったままの魔剣。

 

 その刀身に埋め込まれた魔眼が、こちらに急ぎ向かってくる王子達の姿を映し出していたからに違いない。

 

「……まあ、なんだ、随分と格好がつかないが、許してくれ」

 

 そう笑う彼女の姿は白濁液にまみれてこそいたが、確かに勝利者のそれだった。 

 




こねこねかわいいよこねこね。

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