時間と種族を超えて結ばれる男女の話です。
ドラゴン、生命の頂点に君臨する気高きモノ。
大凡他の生物と関わることは無く……己の産まれた土地に根付き何万年もの年月を過ごす悠久の存在。
ただ一度……何かの縁に導かれ交わり、誰かと特別な関係を結ぶ……
そうした時、ドラゴンは変容し、生涯を其の者へ捧げる。
たとえそれが自分よりも短命で一瞬の儚い灯火であれ……フッと息を吹きかければ吹き飛びそうな小さな命であれ……
慕い……時には戦友、時には親友、はたまた……夫婦として振る舞う。
強く気高く、そして一度共に歩み始めればその一生涯は隣立つ者に困らなくなる。そんな言い伝えがこの世界には伝わる。
ドラゴンの存在はおとぎ話にも登場する。
遥か昔、太古の時代の世にあらゆる生物に仇なす魔王と呼ばれる存在あり。
魔王を討ち滅ぼすべくそれまでいがみ合っていた人類は結託しそれぞれの中で一等強い若者を勇者として送り出す。
討ち取れなければ人類は滅びゆく瀬戸際に立たされていたのだ。
そんな折に一人の少女がとあるドラゴンを……呪いをかけられじわじわと苦しめられているドラゴンを助けた。
少女は清水のように清らかな心と慈愛に満ちた者で大きなドラゴンが何年も苦しめられている事実に嘆き、どうにかしようと己の女神に授かりし秘術を使った。
するとどうだ、ドラゴンにかけられていた呪いはサラリと祓われ苦しみに呻くばかりのドラゴンは呆然とするほか無かった。
笑顔で去ろうとする少女にドラゴンは褒美になにか必要ないのか? と問う……
だが、少女はこれまた笑顔で「褒美はもう頂いています、貴方の元気なお姿っていう素敵なご褒美を」と言ったのだ。
なんたる女だ。とドラゴンは感嘆し改めてその少女の魂を見た。光り輝く太陽よりも一等眩しい物であった……
矮小で短命な種に救われた事実も加味され、そのドラゴンは少女に付き従うようになった。
現代におけるドラゴンテイマーの始まりとされるおとぎ話だ。
後の世にもおとぎ話と同じ浄化魔法は伝わるが……この少女程の浄化は望めない。
精々が十分の一程度。故にそんなおとぎ話は盛られた作り話と思われていた。
世は平穏に過ぎていき、過去に魔王が居たとする痕跡は一切残っていなかった。
魔王が作り出した魔物も先細りしていき……ついには消えた。
人々はそれぞれの国を発展させていき……国土を拡げ……干渉する他の国へ争いを仕掛けていった。
愚かしくも人間は同じ種であるのにも拘らずお互いに争い滅ぼし合うようになっていった。
そんな人間達に愛想をつかせたドラゴンたちは身を隠す様になり……何か危機があった場合には手を貸せど平時では人間とは距離を置く存在となっていった。手を貸すのが馬鹿馬鹿しいと唾棄したのだ。
一部の秘境ではドラゴンの庇護下にあるが……他言厳禁。
下手をすれば故郷が焼かれる事にも繋がりかねない……故によっぽどの事が無い限りはドラゴンの事は文献にも残らなくなっていった。
純粋種のドラゴンテイマーも絶滅し……数千年と過ぎた。
混迷続く乱世の片隅、山間の小さな村は真逆の平穏そのものな生活を送っていた。
シズク村と呼ばれるその村は過去に水を司るドラゴンの庇護下にあり、豊かな自然に恵まれていた。
厳密には今もその庇護下ではあるが……当のドラゴンは代替わりしていた。
人とドラゴンの愛の結晶、ハーフである龍人の女……メイミ。おとぎ話の少女とドラゴンの間に生まれた女だ。
気性は非常に穏やかで水のドラゴンらしく護りと浄化に秀でた女。
その身体は豊穣を示すかのように起伏に富み……人間や亜人、人間種に欲情する類の魔物を魅了する色気があった。
攻撃的なドラゴンにありがちな荒々しい角は無く、頭頂部だけ見れば普通の女だろう。だが、ドラゴンとのハーフであり、力あるドラゴンの象徴は他にある。
背にある大きな翼と腰より垂れる自由自在に動かせる尻尾だ。
その翼と尻尾の存在に加え……瞳、そして常に胸元に提げている宝珠がメイミがドラゴンの一族である事を物語る。
宝珠はとてもとても大事なモノであり、長い年月をかけ……ドラゴンの力が込められた少しずつ育つ生きる珠。
ハーフであれ、ドラゴン族の特徴を顕在化させたメイミは当然のように自然とそれを生み出していた。
ドラゴン族の父に教えられながら……人間の中でも特等純粋だった母に愛情とは何か……説かれながら……
メイミの存在は村にとっては……無くてはならない守護者であり何かと困った際に色々と頼める万能屋な所もあった。
親しみやすい気質でありながら強大な力を持ったドラゴンでもある。
獣に悩まされればほんの数分足らずで狩りとり、その生命の恵みを無駄にしないために即座に食肉にしてくれる。
疫病に対しても知識が豊富で薬剤の調合も請け負う……さらには村唯一の助産師……護り神と言うよりは本当に頼れるお婆さんといった風だった。
見た目は小柄で若々しく……人間では到底持ち得ない乳房をもつ子供には何かと甘い。頼りになりすぎるみんなのお婆ちゃんであった。
無論、ドラゴンとしてはまだまだ若年と言っても良いが精神は人間染みていて、何人も見送ってきたが為に老成してしまっているのだ。
婿を取るにしてもメイミに対して気後れする男が多いのもあるが……メイミの心がざわめく程に心が清らかな男がなかなか現れなかった。
これは生まれ持った司る属性によるものだが……メイミは特等、番に恵まれにくい水を司る。
番になるにはどこまでも純情な愛情を育まなければならない。
実った後は悠久の時間をかけ仲睦まじく添い遂げていくのだが……後もう一歩といった所でその番候補が亡くなっていく、亡骸代わりの装備品……皮肉なことにメイミが授けたお守りばかりが戻って来る。
メイミ自身の恋は成就する事無く延々と刻は過ぎ去っていった。
そうして碌な恋愛もしたことなく……年月ばかりが過ぎ去り、村の子を育み民を護り……そして老いた者を葬る。生きる村の歴史になっていっていた。
「へへ、メイミのデカパイだー!!」
「くぉっ……こりゃこりゃ、女子の乳は特等大事な物なんじゃぞぉ?……乳恋しいかぇ? おばばの乳なぞ欲して……」
「……ち、ちげぇやい、窮屈だろうから脱がしてやっただけだって」
「ほほ……そうかぇ? じゃけど……おんしのおっかぁはそう思っとらんようじゃな?」
「へ? げぇっ、母ちゃん……ぐぇっ!」
重く永い歴史を背負っているのを感じさせない包容力に子供はあっという間に懐く。
同時にその特異な容姿、親から言い聞かされた大事な存在であること……目を引く胸にいたずらを仕掛けていく……メイミにとっては良い交流とも取れなくないが……
「……ちとスケベじゃのぉ、将来有望じゃぁ」
ペコペコと頭を下げる子どもの親に朗らかに笑みを浮かべつつその少年の将来を案ずるのであった。
将来嫁になるだろう女はたいそう……子に恵まれそうだと。
かつては自分に同じようなイタズラをしてきた子供や青年達を思っては目を細め、ふっとため息を吐くのであった。
お国のため奉公する、それがその国に生まれ落ちた民の役目。
繰り返される戦争にどれだけの若者、才気ある勇者が駆り出されたか。
ただただ、静かな村で平穏に過ごす事すら許されない……人間とは賢く、気高く……そして愚か。自己矛盾をいくつも抱えた複雑な生き物。
皆が皆、お母様の様に潔白で慈しみに溢れた者であればよいのじゃがのぅ。
「ふぅ……ここに並ぶ墓も随分と増えてしもうた物じゃなぁ……イヤになるわい」
ここはそんな人間の愚かさの最低辺、人間同士の争いに散っていった村の若者達の墓。
戰場で散った者の骸は残っておらず……此処にあるのはただただ形のみの墓。
弔いの為の張りぼて。祀って欲しいと懇願されたのもあるのじゃが……ワシ自身がコヤツ等を好いて居ったのもある。
ほんに……戰場なぞで散るには惜しい子ばかりじゃった。
綺麗でまっすぐワシを見て、ワシを一人の女子として見ておった……ほんに心も魂も清らかで、見るも眩しい程じゃったのぅ。
害意や心に後ろ暗い物を抱えた者が立ち入れないよう……念入りに結界を張ったこの場で祀り、冥福を祈るばかり。
時折、村の子供が来ては一緒に掃除などもしてくれては居るのじゃが……今はちと諸事情あって近寄るのを禁じておるのじゃがな……
「これ、何処を向いておるんじゃ……里にはまだ連れて行けぬと言ったじゃろう……そんな目でみてもダメじゃ」
はてはて、何処から忍び込んだか……世にも奇妙な魔物が迷い込んできた物じゃ。
知能が無い物がほとんどであり、力量差も弁えられぬ獣同然……ローパー種に分類されそうな魔物が地を這うようにして来たのじゃ。
そう、魔物……隔世遺伝で残っていたか……と驚いたものじゃ。
最初こそ……知能が無いなりの罠かとも身構えたものじゃが……此奴がなんともまぁ、無害なのじゃ。
殴り消しても良いし刀のサビにしてやっても良かったのじゃが……
無防備を装い近づいてもピクリとも動かず地に伏せ……面を上げてみぃ? と問いかければ恐る恐るとその大きな一つ目を上げてきた。
まるで感情があるのかと思う様相に驚かされた物じゃ……そういう個体が居ないわけではない。
ワシのまぁ……数千に及ぶ人生経験で数度遭遇したものじゃ。
それこそ、魔王が滅ぼされて五百年の間はそんなヤツがでてもおかしくはなかった。
滅んで久しく魔王の力薄れ、血も希薄された今でこんな個体が居るのはどういうものか……さっぱり検討がつかぬ。何より……ここまで無害な触手生物というのは初じゃ。
触手生物は特等強い生殖本能に従い穴がある雌であれば何でも襲い孕ませようと企てるものじゃが……
「なんじゃ? ほう、箒を貸せと? ほれ、好きにせぇ」
しかしこの触手はそうではない、まるでワシの手伝いをする小童のような振る舞いをする。
墓掃除をしていればついてきて……触手で箒を使う仕草をして貸すように促してきて……結界を通り抜けるだけはあるが……のぅ。
食事を作っていれば切るのは任せろと言わんばかりに包丁を握ろうとしてくる。
ワシに近づく時は辛かろうに体液の分泌を止めて来る。触手生物にとって身体の乾燥は命に直結する問題じゃ。
肌が乾燥したとて、すぐに致命傷にはならぬが……人間で言うならば、酷暑の中水も飲まず立ち続けるようなもの。
催淫効果があるが故にあまりみだりに近づくなと言ったがのぅ。
「これ、分泌をやめんで良いわ。おばばにお主の体液なぞ効果を成さぬと言うておろう? 確かに最初は近づくなと言うたかも知れぬが……」
生態を知っているが故にそこまでする事に戸惑いもある。
何がこの触手を駆り立てておるのか……何故にワシに近づいてくるのか……正直まだまだ分からぬ。
観察で分かることもあるやもしれぬと保護観察としておるが……怪しむべきというのがこれまでの経験からくる経験則ではあるのじゃが
んーむ、どうにも此奴は違うのではなかろうかというワシ自身の直感が囁く。
まぁ……時間はたっぷりとあるのでの、触手も狩られなければその寿命はほぼ無限と聞く。
うむ……見極めるだけの時間はたっぷりとある。まだまだ拾い上げて数日しか経っておらぬが故に分からぬ事が多いのぅ。
「うん? じっと見て手を止めるのぉ……知っておるのか?」
目はこちらを見て何かを訴えかけるが……あいにくと触手の意思は分からん。
否、見ようと思えば見れなくはない、ドラゴンの目は少々見えすぎるのじゃ。
……ワシも幼い頃は見すぎてしまって心を犯される事が多かった。
触手にその目を向けるというのは……ちと、抵抗があってのぉ……切り替えられねば幼い頃のワシは荒れて居ったわぃ……
「まぁ知ってなくとも良い、おばばが勝手に昔話をするだけじゃ……この墓に眠る嘘つきな小童……此奴はのぉ……」
皆揃って言えるのは……二百年置きに村でワシと心を通わせた……ほんに良い小童だったということじゃ。
ぽつりぽつりと語りだしたのは今から三千年前の事。
まだメイミの両親も同居していた頃だった。平和になって久しく、人間達はその活動圏を広げていっていた。
当然世界の大地は不変、広がりを見せる事はなく、新たな大地が生まれるわけでもない。
各地に散っていた国はそれぞれが発展し栄える……当然、隣接国家は領土の主権を争い……大きな戦争にもつれ込んでいった。
当時はどの国にも属していなかったこの村にも戦火が迫りつつあった。
触手が手を止める墓の主は幼少期から何かとメイミについて回って……どれだけ隠蔽術を使おうが看破され抱きつかれた。
次代の護り神として祀られる存在であったメイミだったが……それらを抜きにして一個人。
ドラゴンでもなく護り神でもなく……ただの女として見てくれていた稀有な存在。
隠蔽術も貫通する素性の相性の良さというものがあった。正直ここだけでもドラゴン族としては好感が高い。
子供は誰もそう? 否、その目に畏怖の色が多い子が大多数。他は……子供らしからぬ欲望の目が色濃く出る子、言わばスケベ小僧が居るくらい。
稀有な子も多少なりともスケベ心はあってイタズラはしてもメイミが嫌がるラインを踏み抜く事はなかった。
あくまでも……本当に可愛らしいイタズラ程度。メイミが心許したのも純粋で無垢、清水のような心あってのことだった。
村に降りるのは週に一度、緊急時の狼煙が無い限りはそうであった。
その村へ赴く事が何よりも楽しみに思う程に少年と心通わせていた。
歳を重ね成長するにつれてイタズラも無くなり人間でありながらドラゴンに引けを取らない並び立とうとする動きが増えていった。
それがまた愛おしく思い……このまま平穏なまま過ごせば明確な恋の形となり成就していたかもしれなかった。
だが、それが叶うことはなかった。
戦乱が拡大し村の麓にまで及ぶようになってきた。
どちらかの国に属さねば両者からなぶり殺しに遭うのは必至……ドラゴンの存在がバレればメイミだけでなく両親まで安住の地を失う。
メイミがもう少し成長しドラゴンとしての力を成熟させていれば次元を切り裂き、隠居することも考えられただろう……今実行したならば悠久の時間を離ればなれで過ごす他に無くなる。
それに……故郷を捨て去る事はメイミには出来なかった。
そのため、村は存続のためどちらかに属し……戦争に身を投じなければならなかった。
加護を賜る神に等しきドラゴンを護るために……
村の人口は少ない、若い男の出兵も一人二人程度で良いのがまだ救いであり……メイミにとっては悪夢だった。
無事に帰ってくることを願っていたが……戦乱に加え魔物との戦いもあり、二度と村に帰ってくることはなかった。
その後も同じような少年は産まれては戦火に散っていった。
どの少年も戦いに散らすには惜しい存在であったがメイミの願いは叶うこと無く骸の代わりにお守りが戻ってくるばかりだった……
思い出せば思い出す程に胸が締め付けられるのぅ。それに……お国の面々に怒りが浮かぶ。
……同時にお父様の忠言が耳に響くわい……みだりに力を振るえば余計に巻き込まれ住む場所を追われるとな。
どうにもあの小童共が忘れられんなぁ……小僧と思って居たら一丁前の男の顔をするようになり……
こんなワシにひたむきに……まるで生まれ変わりのようじゃったなぁ。魂の形は違えど輝きは同じ様に眩かったのぅ。
ほほ、話ながらじゃと時間があっという間に過ぎるわぃ
「ん、こんなものじゃな。ほれ墓掃除はおしまいじゃ……今日のお手伝いも助かったぞぉ」
触手めはしっかりと聞いてくれていたかは知らぬ。
じゃが……言葉の色を理解するだけの知能はあるとは思う。
ワシが大事にしておる物には触れずあの目玉で見てはそっとしておいてくれている。
「あやつらが今の村を見たら自らの行いを誇るじゃろう……ほんに、平和じゃ……」
少し遠くに見える村はワシが産まれてからほぼ変わらぬ光景のまま。
もくもくと炊事の煙が上がっていて何とも長閑なもんじゃぁ。さて、またぼちぼちと節目の年じゃ、今年も何処ぞに小童が産まれておろう。
また心通わせる子が居るかも知れぬという期待と共に居ないほうが良い、悲しむだけじゃ……と思う気持ちもある。
「ほんに、人と心通わすのは……楽しくあり悲しくもあるなぁ……母上が言うてた通りじゃ」
はてさて、今宵の夕餉はどうしようかのぉ……
こんの触手めの食べるものも考えぬといかんからのぅ。
「本来ならば女子の体液が主食なんじゃろうがなぁ……ふふ、そんなに首を横に振らんでも良い」
ほんに此奴は……触手らしからぬヤツじゃのぉ。
まだまだ観察期間じゃが……もしかしたら産まれて間もなく巣から追い立てられたのやも知れぬなぁ……人間に育てられたかの?
それとも……
『どんな姿になってもいい……必ず、必ず……返ってくるのを約束して……』
『おうよ! オレはメイミの隣に立って恥ずかしくない男になって戻って来るから……帰ってきたら、もっとメイミと色々したいし……聴いて貰いたい事もあるからよ』
『約束だぞ、約束だからね! 違えたら……許さんぞ……ドラゴンの恨みは恐ろしいから……絶対に帰ってきて……』
ハン、ありえぬ事じゃ、ワシの勝手な希望的観測の妄想じゃな。在りし日の約束通りに姿変えたとて、触手はなかろう。
彼奴がそんな男ではないのは解っておる。他の嘘つき坊主共の誰ぞの生まれ変わりかもしれんと思う等とはな。
昔を思い出すとどうしてもこうセンチメンタルになるのぅ……
奇妙な触手はその後もなんじゃかんじゃと隙を見せても特段襲ってくる様子も無い。やはりというか、ワシが警戒しすぎな気がしてくるまである……
夕餉を終え湯浴みをし、縁側で涼んでおっても……付かず離れず同じく縁側にいつく触手。
浮遊能力を有していてそれなりに上位と思うのじゃが……あえて腰を落ち着けるような仕草をする。
座る必要性があるはずも無い触手で……じゃ。
それにしても……人ではないが、こうして誰ぞと過ごす夜は久しぶりで心が和むのぅ。
父上と母上がこの世界から隔絶された領域へ隠居してから……ほぼ二千五百年か。
時折顔を見せてくれるが……最初の百年ほどは寂しくてのぅ、坊の形見に何度となく話したり……抱きしめたりしたものよ。
何より、誰にも見られんからと泣き腫らす事が多々あって……あーいかんなぁ、どうにも今日は思い出してしまう。
「ん、何じゃ……ふは、おぉおぉ涙か、久しく人前で流す事はなかったんじゃがなぁ。ほほ……やはり歳を食うと涙脆くなるわぃ」
オロオロとする触手に目を向ければ……目元からはらり。
思うたよりもずーっと涙腺が緩んでいたようじゃ。指で払う……が、どうしてもまた浮かぶ、まいったのぉ。
「はは、なんじゃ涙を拭こうとしてくれるのかぇ? 粘液で濡れておるじゃろうが……ふふ、ありがとうなぁ」
中に人が宿ってるかのようじゃ……ほんにほんに……優しいヤツじゃのぉ。
指摘してみてびくりと身体を震わせるのもなーんとも……間抜けで愛らしいのぅ。見上げるようなその眼差しも……似ても似つかぬのにどうして……
「坊のようじゃの……ふっ、さてさて……明日に備えて眠るぞぇ、明日も早いからのぅ」
もう言わずとも触手めは自分の寝床に身を寄せ……目を閉じる。
ここまでしてくれるならば……視ても良いかもしれぬなぁ……どれ少し、際どい隙を見せて鎌掛をしてみようかの。それで動じないようじゃったら……視てもよかろうかもな……
寝入った後も少し警戒していたが……襲ってくる気配無し。
小鳥の囀りと共に目を開ければ……穏やかな光が差し込む。
ヤツめの寝床を見れば器用に丸まって目を閉じていた。猫の様じゃのぅ。
触手生物が眠る姿をマジマジと見ることはなかったが……うむ、安らかなモノじゃな。
どれ……奴めが起きてすこし時間をおいてから油断を装って近づいてみようかのぉ……
寝起きとは数多の生物の一等気が抜けて本能的に判断する時間じゃ。そんな折に好物であろう女体を目にしたらどうなるかのぉ?
特に……ワシの乳は触手共には極上に見えようなぁ。何せ極上特濃の魔力が込められた乳じゃ、魔に通じる者はほしがる物じゃよ。
錬金術でも欲されるもんじゃ。……こんな物じゃろうか、元々乳は出しやすくしておったのが良いのぅ。
ほほ、村の乳母を務めることもあるからのぉ……あの村の者の大半はワシの乳で育ってるもんじゃ。
その為に左右を切り欠いた物じゃ……別にのぅ開けさせれば良いとも思わんでもないがなぁ。
あの村で童が生まれる時は片手で数える程度じゃが……示し合わせたかのように同時に生まれるもんじゃからなぁ。
片乳では足らぬ事が多々、つい数年前もそうじゃったなぁ……ふふふ。矢継ぎ早に抱く赤子達はそれはもう可愛いモノじゃったわぃ。
それにのぅ、乳が見えやすいというのは雄の油断を誘うモノじゃよ。
「んん……おはよう、ワシより早く起きてるとはの」
目玉の前に触手を持ってきてゴシゴシと……本当に人間臭いのぉ。ブラシでもって身繕いでもしておったか?
声を掛けてみればこちらを向いて……うむ、乳を確り視認したのぅ……ワシは気付いてないふりをしておるが……
どうじゃ……ふむ、目を瞬かせて。襲ってくるか? それとも……むっ。
「お、おぉ? なんじゃ、お主怒っておるのか?」
なんと……襲ってくるではなく、衣類を正された。これは驚く他に無いのぅ。
衣服を理解している上にワシの衣類の事を理解っている……そしてこの様子は怒っている……と、思う。
眼もどこかギョッとした様子というか……のぅ……
「ほほ、こりゃおばばもうっかりしていたわぃ……ありがとうなぁ、こりゃ襲われても文句言えんわ」
全く……といった風にして……ほんに人間くさいのぅ。
「……信じても良いかもしれんな」
ワシの直感に従おう、此奴は視ても良い。ドロドロの欲望に犯されることも無いじゃろう……これでドロドロの欲望ありじゃったら……何を信じろと言うんじゃ。
少し離れてから悟られぬ様にちょっとばかり集中する。こうするとドラゴンが持つ視野と言うべきかの、魂が見える。これで――――
「……なん、と……」
あり得ざる事じゃ……肉体と魂がこうも違う形をしているとは。それよりもじゃ……信じられん、よもやよもや……
「タケル……タケ坊、お主……なのかぇ?」
驚きに目を見開くのはワシだけではなく、触手……否、タケ坊の目も同じじゃった。
考えるよりも先に……身体が弾かれたように動いてしもうた。ぎゅぅっと……抱きしめて……
信じられん……これは夢であろうか?
「ほんに……タケ坊……お前さんなのかぇ?」
変わり果てた姿じゃけども……ようやく此奴がなぜ……ずっと黙って行動で示していたか理解できた。
タケ坊は……ワシに押しつける事は嫌う、良いと思う時を待つ辛抱強い子じゃったのぅ……
「何千年も待たせおって……おかえり……なんじゃぁ、お主まで泣いて……」
はらり、ほろり……ほほ、嬉しくて泣いたのは久方ぶりじゃのぉ……大きな目玉もまた、涙を湛えて……魂の方も泣いて……こうでもしなければ信じるなんて事はせんのは理解っているから、か……
「辛抱強く……耐えてくれたの……」
今は少し……ぎゅっと抱き合っていたい……
朝日に包まれながら包容を交わした両者。感情を落ち着かせた後は……触手……元人間であったタケルから事情説明が行われていった。
志半ば、帰郷後は絶対にメイミに求婚するつもりでいたのに死んでたまるか……その無念を胸に息絶えたと思っていた。しかし……次に気がついた時には転生を果たしていた。
輪廻転生の神が嫌らしいことに魂の形をその都度変えて生まれ変わらせたのだろう。
何度も何度も……おぼろげにメイミの事を覚えていながらも自分が何者だったのかを思い出せずシズク村の青年として産まれ……メイミに会い育てられ、何度も惚れ……そして無念のまま散っていった。
今より百年程前に触手生物として目を覚ました。輪廻の輪から外れたからか、同時にそれまでの自分が味わってきた無念の数々も一気に頭に蘇った。
人の身では成就させる事叶わなかった願いも今ならば……と希望が見いだされていく。強く抱き続けた無念が実った……とも言って良い。
それからは只管に身を潜め不用意に狩られない様にしながら……力を蓄え少しずつシズク村へと向かっていった。知能があると知られれば何千年ぶりの魔族として狩られるのは目に見えている。慎重に慎重をかさね……メイミに会うために……仮に自分だと気付かれなくとも良い。
ただただそばに寄り添いたかった、身体が魔物であっても心はそうではない。本能に負けそうになれば……その時はすっぱりと斬ってもらおう。そんな風に心に決めて意を決し会いに行った……という。
「ふふ、手が無くなっても筆跡はそのままじゃなぁ、ほれ……ヌシが記した書じゃ、覚えておるかの……」
発声機関はなく魔力を操る事も出来ない……魂が人間であるからかも知れないが筆談でしか意思疎通は出来なかった……が、それでも十分すぎた。
朗らかに笑いながら思い出話を交えつつ……すっかり、メイミは身体を寄せ……衣服が粘液で汚れようがお構いなしにぺったりくっついていた。翼も回し……まるで抱き寄せるかのようだった。
無論、豊満が過ぎる胸も押しつけて……
「遠く遠くに行ってしまった上、還らぬ人となった……どれだけ悲しんだか……ふふ、ちと意地悪しても良いじゃろう?
わかるかぇ、三千年じゃ……人間じゃったら六十回は寿命で死に絶える年月じゃ、片時もヌシを忘れた事はないぞ」
「それだけ……お主はワシの心をかき乱し、これ以上無く夢中にさせた唯一と言って良い男だったんじゃぞ?
……恋しくて何度枕を濡らしたと思う? まだまだ若かったワシは……運命なぞ信じていなかったが……母様の言うとおりこの宝珠を授けておけばよかったと何度後悔したか。
これはのぅ……呪いじゃ……人間であれどドラゴンと変わらぬようになる、寿命から解き放たれ力を手にし……人らしく死ぬ事叶わぬ身体と魂に成り果てる。
ヌシなら……はは、共に歩んでくれるか……それをもうちと早く聞けたならなぁ……」
言葉を交わせなくとも……メイミの目に映る魂の形、輝き具合、そして実体の身振り手振りで意思疎通は可能だった。
次第にメイミは触手と成り果てたかつて恋した男にしなだれかかる……
「……こんなおばばで良ければ……むっ、何じゃ……ワシからは言うなと?
まぁ良い……あ、そうじゃ……お主の事をなんと呼べばよいかの……タケルと呼びたい所じゃが、もう何千年も前に逝った者……ワシが絶対に雫村で名乗る事を許してない特別な名じゃよ。
それを今のタケ坊のような触手にとなると……ワシの正気が疑われる……許せ……」
何度も生まれ変わり恋をした者と何年も待ち続けた者の時が動き始めた。
触手は分かり合えぬ物、獣の中でも特等知能が無く手懐ける事すら叶わなぬ相手。
それが今までの常識であり、知性を持つ存在なぞありえぬ事じゃった。
出会いからして不可思議で……愛嬌を感じる相手だったのは認める、じゃがのぅ……
「……んむ、ヌシの名はそうじゃのぉ……レネウスとしよう。遠くに水に纏わる何かしらの名をちと捩ったものじゃ」
こんな奇跡があろうとはな……そして恋は盲目とも言う。
一度こうして愛しいと思えばワシが持っていた常識すべてが吹き飛んで彼方へと消え去った。
触手に……よもや女性最悪の敵とさえ呼ばれる魔物の一族に……抱かれても良いと思うとはの。
「のぉ、レネウス……触手の本能はかなり強い生殖本能と言うが……辛くはないかぇ? 特に……ワシのような……あー、自分で言うと小っ恥ずかしいのぅ……強く、孕ませ甲斐がありそうな女は抱きたくて仕方なかろ?
怒るな、ワシも本気でお主を案じて……まぁよい、我慢できなくなったらワシは受け入れる準備はできておる……
そう言いたかっただけじゃ……お主の為にこの身体は成ったようなものじゃ……乳もうんっと出るぞ? ほほ、ワシは豊穣と水を司るドラゴンじゃぞ?
この豊満な乳房も……湧き出る乳もその権能みたいなものじゃよ」
触手の一つを手に取り頬ずりしながら問う。触手の生殖本能は凄まじい、それはもう何度も語られているとは思う。
特に酷くなるのは……自分よりも遥かに格上の存在を認知した時、その存在に卵を産み付けられたら一気に種として繁栄出来るから……じゃろう。
かつてはこのシズク村近辺にもその様な魔物は多く居た。スライム、触手……そしてこの近隣に寄り付かなくなって久しい小鬼共じゃな。
何度も何度もその手の魔物に性欲の目を向けられ魔の手も伸ばされた。
無論……すべて触れることすら許さず屠ったものじゃ。経験があるからこそ……案ずるものなんじゃが余計な世話なのかもしれぬな。
「近く、村の者にも説明しよう。ワシの言う事なら信じてくれようさ……本当はタケ坊として紹介したい所じゃがなぁ……」
今はワシの積年の物を……発散させて欲しい。実益と欲望を兼ねての……!
「しかし喋れぬのはちと不便じゃのぅ……うむ、やはりワシの乳を吸うが良い、なぁに恥ずかしがる事は無かろう?」
ワシの乳は水のドラゴンとして加護もある。変容を促すこともできる……触手でも目玉があったりするのじゃから口や発声機関を設ける事はできよう?
出来ずとも力を蓄えればどうにかなるかもしれぬ。過去にもそういう触手生物は見てきたのでのぅ。その為に最も簡単かつ確実なのは……ワシの母乳を吸うことじゃ。
「真剣に考えてのことじゃぞ? ヌシも分かっていよう……ワシの力は変化を齎す。忘れたとは言わせぬぞ……乳に加護を含ませるのは造作もない」
「幾多の赤子に無病息災の加護を授けたか……よく見ていたじゃろう? 今宵は……オヌシに乳を、ワシの加護を与え少なくとも無理なく意思疎通出来るようになってもらおうと思うてなぁ」
「……それに、のぅ……オヌシに……特等、濃ゆいのを飲んでもらいたくて……ダメかの?」
こんなばばあが乳を吸って欲しい等とおねだりするのはやはりキツいかのぉ……偽らざる本心なんじゃが、ぐいぐい行くのはあまり……
「むぉ……くふ、そうか♪両乳ワガママに吸っておくれ、ドラゴンにとっての……愛する番に何かを与えるというのはうんっと幸せな事なんじゃ」
ふに……と乳が寄せられ目の前には丁度触手が絶対にもっているモノ……搾乳搾精兼用の吸い口触手……二つも出してギラギラとした目で見おってからに、愛らしいのぅ。
我慢し続けてきたのをワシが壊してしまったかもしれんがそれは……ワシもずーっと燻っていたモノじゃ、お互い様って事で思いっきりハメを外して頭もユルユルにして……
しゅる……たぷん♥
「ほぅれ、メイミの特大お乳じゃよぉ、たぁんと召し上がれ♥」
乳母として授乳する為の露出ではない、心から愛する者へ我が身……真に身体を預けても良い相手へ捧げる為に脱ぐ。
何かと脱ぎやすい着物だが……上半身をまるっと人前で脱ぐのは……父様、母様以外では初じゃの。
童の入浴はそれぞれの実母が担当したしのぅ。
「のぅ……一応分っておろうがワシはこうして人前で衣類を脱ぎ捨てたのは初めてじゃぞ?」
脱いで乳が真に丸出しになったのを見て……じぃっと見て震えて……初めて女体を抱くみたいじゃな。
明確な言葉は期待しては居らぬ……興奮の様子だけでもあるのは嬉しい限りじゃな。
ぴと……たぷ♥ゆさゆさ……♥
触手が乳房に触れ、そっと重みを確かめるように揺らして弄ぶ……異性として認識され始めた頃合いを思い出すのぉ。
何気なしに触ったり甘える為に顔を埋めていた乳に変な感情を抱き始めて勢いがぐっと減ったんじゃったな。
「いくらでも触っても良いがの……ん、漏れてきてしもうたわ……嬉しくて興奮しても出てしまうんじゃのぉ」
のう、すこし谷間を分け入って奥に触れてみぃ? おばばには一生無縁と思っておった恋慕の高鳴りがしておるんじゃぞ。
ドキドキ、ドクドク……理想とはちと違うが、ようやく想い人に性的に触られると思うと……堪えられん。
「もったいない、ほれ……早く……んっ」
ちゅぷ……ちゅっ♥ちゅっ♥
ようやくと吸い口が乳房の先端……ぷっくりと際立つ淡い桜色の乳首に食らいつく。舐る事もなく左右吸い付いて音を立て……吸い上げていく。赤子の授乳の様で心が安らぐ。
「こりゃ……遠慮は無しじゃよ?」
じゃがこれは遠慮……いや、躊躇いが見受けられる。まだ目は魂が見えるが故に丸裸も同然じゃぞ、隠し事は出来ぬと覚えておくべきと言ったはずじゃが……
「のぅ……タケ……いや、レネウスの欲をありのままにぶつけてくれぬか? ワシはおヌシのありのままを受け入れたいんじゃ」
これはワガママかもしれぬ、だがの……好いて好いて堪らぬ相手の全てを受け入れて包み込んで満たしてあげたいと願うのは……仕方なかろう?」
ガッ……にちゅ、ぬりゅぬりゅぅ♥
「胸だけ……とな? ふふ、今はそれで我慢しようかの、このカタブツめ……繰り返すが、ワシはいつでも歓迎するからの……♥」
肩や首、手首まで触手に絡め取られ抱き寄せられ……両乳房に触手が幾重にも絡み……ぎゅっと搾り上げる。
綺麗な丸みが欲望に絡み取られていく。何度か心に直接見せつけられた欲望と似て全く異なるモノ……同じ欲望に絡め取られるというのに……なんと、なんと……
「心地よい……♥ふぉぁっ♥こ、声が抑えられん……斯様なまでに……ッ♥」
あぁ、これは猛毒じゃ……誰がなんと言おうがこれは猛毒じゃ。
我が身も我が心もとろっとろに蕩けさせ心酔させる熱毒……乳だけじゃというのに……ワシの全てをかき回され抱きしめられているかのように思える……♥
これが吸い口ではなく……普通の口や舌があれば口吻を交しより繋がり合う事が出来ようにのぉ……
かくして始まった欲望の搾乳はお互いにヒートアップしていった。
片や三千年物の処女、ようやく番を迎え入れた豊穣と清浄のハーフドラゴン
もう一方は強烈な生殖本能を今まで最愛の女の為にとねじ伏せてきた人間のなれの果てたる触手……感情豊かに揺れ動く大きな目玉は血走り欲望を抑えきれなくなっていた。
愛する女の誘惑に必死に押さえ込んでいた物が漏れ出ているのだ。乳を吸い満ちあふれていく力、流れ込んでくる愛情の濁流、積年の夢が一つ叶った悦び……それらが触手、レネウスの本能的な部分を突き動かそうとしていた。
――――種を植え付けろ、魔族の種をばら撒け
絶対にこの欲望に今負けてはいけなかった。メイミがなんとかするかもしれないが万が一もあるし第一子が人に害意を持った野蛮な魔物ともなればメイミの清水のような心は濁ってしまうだろう。
懸命に搾乳しつつ欲望とのせめぎ合いがレネウス……タケルの中では繰り広げられていた。
「ふぉっ♥おぉぉっ……こんなにも、感じられる物じゃったとは……のぉ♥」
触手が蠢き右左と交互に吸っては押し込み……ポンプのように搾り上げていく。
その感触たるや極上の綿だろうと羽毛だろうと霞んでしまいそうな程柔らかく、確りとした土台を感じさせる弾力も兼ね備えている。
肌はどんな磨き上げられた宝石よりも滑らかで艶やか、メイミという女性を……包容力に溢れながら芯を持った女性を体現しているような物だった。
喉から溢れていく文字通り、誰にも聞かせた事が無い甘い甘い雌の声は触手の本能を……否、どんな雄であろうと誘惑し、あっという間に本能を暴走させるに足る淫靡な物。
「むぅぉ♥……ぁ、そうかそうか……ちとワシも舞い上がっておったな……」
触手の本能を暴走させる前にと……レネウスは己を律せる内に離れ……「しばらく離れて昂ぶりを抑える」とだけ伝えそそくさと身を隠した。
メイミも気持ちが舞い上がり悦びを優先してぐいぐいと行き過ぎたと反省する事となった。
少しばかり気持ちを落ち着けた後……我ながら急ぎ過ぎたと猛省するばかりじゃ。年齢相応に落ち着きをもったつもりじゃが、ままならんものじゃ。
こんなに気持ちに振り回されるのは何時以来じゃろうな……気分だけは十六歳の小娘みたいじゃぁ。
しかし……ワシの力、加護……あれこれと濃縮された物を取り込んだんじゃ、相応に力を付けてくれよう、強い清めの力で……いや、これは滅してしまうかもしれんし……あぁ早う気兼ねなく何も心配せず愛し合いたい……彼奴が気にしている事も分る、ワシがうっかり孕んだとして、生まれる子は触手でしかなく殺さねばならなくなる。それを危惧して押しのけたのだろうて。
「触手の子を孕んだという女の話はとんと聞かん……ワシがその第一号となるやもしれんなぁ」
触手の繁殖能力は卵生であるが故の事。精液は人を孕ますに至れない……が、望めばどんな異種族の子をも授かれる秘術がある。
ワシは母様から教えて貰って居ての……どんな番が出来ても応援するとも後押しされておる。
邪悪な存在ならば清めよう、人と共に歩めるように……
「よっこいせ……ふむ、タケ坊じゃった頃は落ち着ける時……庭の端で素振りをしておったかの」
母屋から出てちっとばかり歩くとワシも修行に使っていた庭がある、端には二メートルほどの滝があっての、その付近で何かと素振りをしておった。
打ち込み用の案山子はまだ出してあったかのぉ? パシパシと打ち込む音がするが……んーむ?
「でてけ、ばけもの!」
さぁっと血の気が引いていく。子供はきかん坊、言いつけを無視する事はままあるが言いつけを破って入ってきおって……よりにもよってワシではなくレネウスを真っ先に見つけたか……! 裏口はそうじゃ、庭が近いんじゃったな……!
一陣の暴風のように飛び出したメイミ、その目に見たのはまだまだ五歳程度の幼い男児が棒を手に触手……レネウスをひたすら叩く様子だった。
レネウスの方はと言えばひたすら丸まりジッと耐えていた。
『まぁ仕方ない、オレはもう人間じゃないんだから』
悲哀を滲ませた思いが漏れ出していた。それがまたメイミの心をギュッと締め付ける。自分が魔物の身体に変わっていると言う事を理解しているからこそ……だ。
「あ、めいみ! へ、へへ……オレがコイツをやっつけるからご褒美でも考え――――」
「――――この戯けがッ!!獣や魔物を見た時どうしろとワシは言いつけておったか!」
メイミの姿を見た男児はしてやったりといった顔だったがそれも一瞬で凍り付く、メイミの表情は滅多に見せる事も無い激憤に彩られた険しい顔だった。
普段は澄んだ水色の瞳も激昂したドラゴン然とした煌々と輝く金色の光彩を放っていた。
それもそのはず、女子供は獣や魔物と相対した際は戦わず、逃げる事を徹底する事とキツく言い聞かせていたからだ。
大人の女はまだ身を守り致命傷を避けられるかもしれないが、子供はそれすら適わず嬲り殺しにあっても不思議ではない。
獣が一匹でふらふらと来る事も考えづらい。群れとなれば音を聞きつけ狩人や……それこそメイミが飛んできて対応しよう。
それでも……間に合わない時は間に合わないから逃げろと言い聞かせていた。
レネウスを叩いていた子供は……それを無視して無謀にも殴りかかっていたのだ。
「コヤツが害意が無いから助かったモノを……!」
「で、でも……そいつ……お、オレ一人でやっつけて大人として見て貰うんだ!」
牙すら剥いて身を案じ、怒っているメイミに対してなおも食い下がり……自分を正当化しようとする子供。
その根底にあるのは……メイミという女を我が物にしようとする幼いながらに肉欲を芽生えさせていたエロガキとしか言えないモノだった。
目の前で揺れる乳房を揉みしだき、独り占めしたいという肉欲ありきの蛮勇。
「よいか、小僧……無謀な事に挑む蛮勇を事、勇敢さとはき違える無謀な者を大人とは言わん」
「な、何言ってんだよ……そいつ、触手だろ……?」
「そう、触手じゃ。普通だったら貴様のような小童は締め上げられて殺されている所じゃぞ……言いつけを二重に破った馬鹿者めがッ!」
激する時は激する、子供には甘いが……事、命に関わる事に関しては一切の甘えは許さない。
幾分憤りは落ち着いたか瞳は元の澄んだ青に戻るが……眉間には皺が寄っていた。
最大限の怒気にあてられ竦んだ子供を小脇に抱え……
「……予定は大いに狂ったが、一緒に来るかぇ? 丁度良い、紹介しに参ろうかの」
丸まっていた触手、レネウスに声をかける。少年は信じられない様な目で見ていたが……レネウスはただ静かに見上げるだけだった。
『分って貰えるだろうか?バケモノになった自分を……』
子供の殴打とはいえ少し痛む身体、明確に拒絶される心理的痛みにどこか……恐れというモノが浮かんでいた。
やはりというべきか、触手を連れて降りてきたならば警戒はされたの……懇切丁寧に説明したしイタズラ小僧の証言もあったし……
何より、レネウス自身が大人しく、こちらの言葉を理解している事を見せていたのがあって……即座に斬りかかるなんて事にはならなくて良かったわい。
「これからじゃ、今日明日で仲良くなれるとは思わんでよかろうさね……ワシとて気付くのに一週間近くかかったんじゃぞ?」
小さくとも、明確な拒絶ではなく歩み寄りがあったのは喜ばしい事。
同時に、本能に負けてはならないとレネウスは気を引き締める事になった。少しずつ理解を深めていけばいずれは胸を張って歩めるのだろうか?
「ワシの力が馴染めば本能に悩まされる日も無くなるかもしれぬし……ワシにも言えるが焦らずにいこうかの、時間はたっぷりあるし、お国に奪われる事もない。身体はともかく精神はもう十分に成熟しておるしの」
ぽりぽりと頬を掻きながらメイミは改めてゆっくりと……と言い自戒も込めたほんのり苦い笑みを浮かべるのであった。
擦った揉んだがあったその日はその後何事もなく過ぎ去っていった、レネウス……いや、タケ坊めは己との向き合い方を模索している所じゃ。
受け入れられた後の事をとんと考えていなかったらしい。全く、そういう所は何度生まれ変わっても変わらんかったな……
「して……今日の夕餉はどうしようかの? ほほ、惚けるでない。ワシのお乳をぎゅっぎゅと搾ってあげようかとのぅ」
直接吸って貰いたいのはあるんじゃが……暴走しかねないとあればワシ手ずから搾って何ぞ器に注いで飲んで貰うが良いかと思っての。
すぐに揮発するものでも無し、ワシは飲んで貰えて嬉しい。タケ坊は真に満腹になれよう。
「実はのぅ……恥ずかしい話なんじゃが、タケ坊を近くに感じるとどうしても乳が張って張って……こんこんと溢れてくるんじゃよ……」
着物の内はしっとりと乳で蒸れてしもうて自分で分るくらいには乳臭うなってしまっている。今も張って張って……
スグにでも搾って貰いたいと身体が疼いて仕方ないんじゃ。
「いつも通りの人間らしい食事にワシの搾りたての乳を添えるだけじゃ、どのみち搾らんと乳が破裂してしまいそうじゃ……それとも、このまま放置して乳をもぉっと大きくしたいかの?」
おばばは何方でも良いんじゃぞ、愛する番の満足こそが至上の悦びじゃて。
今でもこんこんと湧き出ているし近い将来、子も満足させられるじゃろう? 過ぎたるはとは言うがワシは豊満で飽きる程にでるくらいで良いと思っておるしの。おぉおぉ慌てふためいて……愛らしいのぅ♥
「んむ、飲んでくれるかぇ? よぉし、夕餉はうんっと腕によりをかけて作るかのぅ!」
強い首肯もあったしどれだけ搾ってやろうかのぉ、そもそもじゃが……どれだけ出るかのぉ?
うーむ、乳を使う夕餉を用意しても良いかも知れぬなぁ、母様秘伝のレシピを引っ張り出すかの、異国の料理がきっと良かろうな。
「いつかは……おぬしの手で搾ってくりゃれ、ほほ……」
がっちゃん、いい音を立てて転けたのぉ。
夕餉はなるだけ牛乳を用いる食事にした、クリームを作るなぞ久方ぶりじゃったが……作って良かったのぅ。
コトコトと煮込む料理は時間はかかるが楽じゃし、定番にしても良いのぅ。
「その口は新たに出来たのかの、舌もあって……人間の口みたいじゃの? ちゅーっと出来そうじゃ」
一日しないうちに変化が見受けられていた……といっても触手に追加があったくらいじゃが……その追加が丁度良い。
本来ならば上位種にあるかどうかといった口触手が増えていた。触手生物は体液を啜るのが殆どじゃからの。
「くふ、美味しいかぇ?」
目玉は一つのままじゃし言葉はやはり話せない様子ではあるが、乳をガブガブ飲むような事はなく常に理性的に振る舞っている。乳に目がいく事もあるが血走る様子も無いのぅ。
「……そういえば触手の汁をまともに味わった事は無いのう。ちとぺろぺろと舐めさせてくれぬか?」
舌技の試しというのもあるがの、本当に好奇心がくすぐられる。拒む事なく受け入れた時はどうなるかのぅ。
『後にしてくれ、今はメイミの料理に舌鼓を打ちたい』
「む、それもそうじゃのぉ……おかわりは要るかの?」
魂を見ていれば向こうの声も聞こえるようになって……意思疎通はほんに少しずつ確かなモノになって来ている。あとすこぉーしじゃな。物理的に発声出来るようになれば……
「ほれ、あー♪」
『……自分で食べ……あむ……』
ほほ、若子のような気分がまだ抜けきらんが……これは楽しいのぅ。愛して止まん相手に尽くす……幸せじゃ♥坊の照れる様子も見られて一石何鳥じゃろうか……
「ごちそうさまかぇ? お粗末様でした……ん、手伝ってくれるんかぇ、ありがとうなぁ」
言葉はあまり喋ってくれん、寡黙な子じゃが……ほんに優しいのぅ。さてさて……皿洗いを済ませたらどうしよう……か……気のせいで無ければ乳を撫でられて……
『……こっちのおかわりの代わりに、オレの触手を味わって貰う……良い、よな?その……正直、もう我慢出来る気がしないんだ』
――きゅぅぅん♥じわぁ♥……からんっ、からから……
願ってもない申し出に呆然としてしまった……下腹部と乳が疼く……しょ、食器洗いなぞ後じゃ後……! フスフスと鼻息が荒くなるのを自覚するが……気にしてはいられん。
この猛り狂う熱情はいま此処で発散させねば……!
「後悔なぞしても知らぬぞ……♥」
そんなおねだりをしてきた坊が悪いんじゃからな……♥
寝室に入る暇も惜しいのかその場でメイミは衣を脱ぎ捨てた。手頃な布を軽く敷いただけで始めようとしていた。
求められたというのもあってか完全に雌顔で膝立ちになり何をされても良い体勢をとる……大きな乳房の先端からはもう母乳がしとどに滴り筋を作っていた。
先端は完全に臨戦態勢、搾乳されるのを待ちわびてピンッと立っている。
触手レネウスもその気になっていたが……ほんの少しばかり怖さを抱えていた。
暴走しかねない……自分の身体を深く知っては居ない、仮にこの触手の身体が卵を産み付けてしまったら……という恐怖は拭い去れない。
「心配することはない、ワシを思ってくれるのは嬉しいんじゃがな……暴走してこの身に邪悪な種を植え付けられたとして……喜んで産み、育もう……邪ならば清めればよい、教育さえ出来れば後はワシとお主の……夫婦次第じゃ」
暴走を憂いているのはメイミには筒抜け、それでも良いと言って聞かせてから柔和な笑みを湛え頭に当たるだろう目玉のてっぺんを撫でる。
「ワシ一人じゃったら手を焼くかもしれんが……お主が一緒なんじゃ、いくらでも乗り越えられるじゃろうて」
揺るぎない信頼と希望に満ちた眼で見つめるメイミ、それに射貫かれたレネウス……否、タケル青年はほとほと敵わないと瞑目する他にない。惚れた女が強過ぎる。惚れた弱みというのも含めて……強過ぎる。
『……もう、分ってるかもしれない、本当は声に出して伝えたかった事だけれど今なら魂で伝えられるし……オレも我慢出来ないや、この想いはメイミにも負けてないと思う』
レネウスはようやくと踏ん切りがついたのか……それともここまで信頼されていて据え膳をいただかないのは無礼と思ったか……触手をぐるぐると絡み合わせていく。
暴走している訳ではないが行為中は保証できない。なにより……思いを抱え続けるのは辛いのだ。
『好きだ、愛している……姉のようであり母のようでもあった貴女が……メイミという女性が好きで好きで……何度生まれ変わっても貴女と添い遂げたかった。
今は人間ではなくなったけれども……オレと夫婦として付き合って……くれるか?』
ぽたり……ぽたり……その言葉の終わり際にはメイミの両眼は大粒の涙を湛えていた。感極まり……瞳は揺れていた。
返答など不要かもしれない、一本差し出された触手は……ほんのりと震えていた。
「あぁあぁ、まったく……待たせて焦らしおって……不束者ですが、末永くよろしくお願いします……」
しっかりと両手で触手は握られ……二人はお互いを夫婦とし結ばれた。
甘い甘い、身体に絡むこの触手の汁は……なんと甘く感じる事か。
乳に絡みつき、ワシの四肢に絡みつき指先にくるりと絡みつく……ぎゅっと握り合っている様で良い気分じゃの……♥
ぎゅっと寄せられた乳の谷間から飛び出た触手を舐めて、両乳房はぎゅっぎゅっと絡み搾られ……吸い口に吸われ……これは触手だからこそ出来る芸当じゃな。
「ほ、ふ……♥身体が、タケ坊の熱で満たされていくようで得も言えぬ多幸感が……♥」
ちゅっ♥ちゅっぷ♥ぐにっ♥ぐにゅん♥♥
この触手群のどれがタケ坊の逸物なんじゃろうか……全部? それはそれで奉仕しがいがあるんじゃが……一等気持ちがよいじゃろうモノを特に……それも探り当てるのは妻のお勤めかもしれんのう。
ぺろり……れろ♥れろぉ♥
「こうがよいかの……ここか、ほほ……気持ちよさそうに震えおって、可愛いの♥」
番に迎えるのは……ヒトの誰かとはぼんやりと考えていたのでのぅ、雄を愉しませる技巧はたんまりと練習してきておる……無論実技は今回が初じゃが……良い具合に気持ちよく出来ておるのかの。
乳で挟んで奉仕とは……人はよくもまぁ考えたモノよ
坊の方は……どうかの、戦地で誰ぞを抱いていてもおかしくは……むぅ、どうなんじゃろう。
『これ、が……ぅぉ……』
「初めてにしては上出来じゃろ? お主は……初体験ではないかもしれんが」
『あ、甘く見るなよ。何遍生まれ変わっても思い続けたオレはなぁ! メイミに操を立ててずっと他の女は丁重に断ってきたんだからな! ぅあ、ヤバい……』
ワシも、コヤツもほんっっに似た者じゃなぁ。あぁ、ダメじゃ……今度はワシの本能が抑えきれなくなってくるのぉ……本来のドラゴンは番と事をし始めるとの……三日三晩はヤり続けて番を孕ませるまでヤり続けるのじゃよ。
雌であるワシもまた然り、タケ坊の……レネウスの子を孕むまで止まりたくない、交わり続けて果てても果てても縋り付き種を搾りたいと……発情して仕方ないのぉ……♥
「フーッ……♥ごめんねぇ、タケル……今度は私が我慢できなくなりそう♥」
父様や母様も夜通しヤっていたのを見ていて……私も番が出来たらああなるのか……と想像もしていた。実際、衝動が止まらない。溢れて溢れて……! 愛おしくて……!
欲しい……! 貴方の種が……貴方の子供を妊りたい!
「じゅぷ♥ぁ♥ふぉこでもイイから……しゅきなだけッ♥射精してぇ♥」
全身を貴方に染められたい、心はもう貴方に染められてこんなにも愛情の熱で狂いそうな程あるんだから……! ずっと保ってきた純潔も何もかも……私から奪って……♥
私は……私はそのためにずっと待っていたんだから。責任もって……くれないと♥
メイミは……下品な音を立てながら触手にむしゃぶりつき……最高位に分類される立場をかなぐり捨てて目の前に居る欲望の権化……最底辺に位置する触手生物に媚びるように奉仕をしていく。
身体に纏わり付く触手はビクビクと震え口淫快楽に打ち震え……体表の粘液だけではない、先端から特等どろりとした粘液が漏れ出る……触手の持つ感情豊かに動く目玉は欲望の火がギラギラと灯っていた。
お互いのタガはもう外れた、止めるモノは居ない。止めようも無い……双方がそれとなく止めるほかに……無い。
「はっ♥はぁっ♥ちゅぷ……じゅるっ♥はっ♥」
音は淫らな水音が数種……メイミの唇が太い触手を咥え込み拙いながらに懸命に奉仕していく音、豊満そのものな乳房に絡みついていく大小様々な触手が織りなす搾り上げ、肌の上を彩る粘液が泡立てられていく音……
そしてメイミの下の着物……袴のようなスカートの奥で臨戦態勢のお互いの性器がキスをする音……それだけの音がほぼ同時に奏でられ……
メイミの甘い甘い吐息と乳房に吸い付く吸い口触手の吸引音も合わさりメイミもレネウスも双方音につられて興奮を加速させていっていた。
「も、もっと強く絞っても……ぁふっ♥そぅっ♥そこぉ……あぁっ♥ぎゅっと、ぎゅぅぅっとぉ♥」
人間の精神性でありながら何千年と過ごしてきたメイミは己の乙女心に蓋をして村の皆を支える柱として自らをどんどん精神的に老成させていった。
晴らされることなかった乙女心に今火が点いてレネウスが人であり、メイミのまだまだ齢幼い頃でもあった三千年前の少女然とした……外見相応の振る舞いが解き放たれる。
奇しくも何度も何度も生まれ変わっていた相手にまさかと思いつつも惹かれていた、お互いに惹かれていた事もあい余って……燃え上がっていたのだ。
存在そのものを巡り争いが起こり得るのもあって目立って動くことも出来ず、婿を迎えることも出来なかった三千年熟成された恋心は……番に触れられる事、繋がること……
自分を激しく求められ、使われるくらいに思いをぶつけられることを望んでいた。
ぐにゅぅぅぅ♥ぐにっ♥ぐにぃぃっ♥むにゅん♥むにゅ♥
ぢゅぅぅぅ……ちゅ♥ちゅっ♥ごくん♥ごきゅ♥
「あぁぁぁっ♥きもち、ぃ……あぁッ♥もっとしゅってぇわらひの……じぇんぶぅ♥」
メイミの頭はもう幸せで満杯、魂そのものが発情しきってしまっていると言ってもいいほどに激しく官能に酔いしれていた。
呂律は怪しく、目の焦点もどこか胡乱……ただ求めている相手はしっかりと見ていて、与えられる快楽に素直に喘いでいる様子だった。
過去何千年、何回の人生を繰り返して見てきた女の一度も見たことがない艶やかな姿。ある意味夢にまで見た光景だろう。
ドクンッ……ドクンッ……
レネウスの大目玉が見開かれ……血走っていく。触手の全てに血管のような筋が浮かんでいく、先端から溢れる汁はさらに量を……粘度を増させていっている。
これは触手生物が本気で種付けを行う際の反応だ。特等濃度のある催淫液と子種を混合させた捕まえた雌を確実に墜とし孕ませる物。魔物全盛期における触手の異常な繁殖能力に一翼を担う能力だ。
多くの女性がこの汁に頭をこんがりと焼かれ廃人同然になった、今のメイミは拒むことをしない。この体液を注がれれば瞬く間に身体の快楽神経は鋭く反応するようになり与えられる快楽に脳も魂も焦がされる事だろう。
肌に触れるだけでも火照り狂わされる物だが……受け入れているメイミにその兆候は無い。
確かに興奮をしている両者だが……レネウスは己の身体、種族となりはてた触手の邪悪な本能を従えていた。
否、メイミの乳吸い込み力として蓄えた時から徐々に本能的な部分は消え失せていたのだ。魔物でありながら邪悪なる魔王の影響から逃れた……数千年前でも希有としか言えない存在になっていたのだ。
『……メイミの乳は本当に美味いな、魂が洗われる様な気がしてならない』
「んぉッッ♥うれひぃっ♥んはぁあぁぁッッ♥」
激しい本能の猛りに焼かれていた最初の授乳時と比べれば凪いでいると言って良い。
愛する妻の身体に感動し口にする乳の味にもまたありもしない口角を上げざる得ない。
それを考え感じる余裕があるのは間違いなく……メイミ自身の献身あっての事……乱れに乱れているメイミを見ていて一周回って落ち着いているのもあるかもしれないが……
『こんなに……メイミが淫らに乱れるとは……な』
「フーッ♥フーッ♥し……しつぼう……した……?」
『まさか、変な話オレだけが見れる姿だって思うと……興奮してならないな。乱れるメイミも綺麗だ……ますます好きになっちまう……止まらないな』
「~~~ッッ♥こ、このッ……うぅぅっっ♥♥ぃひっ♥」
乱れに乱れるメイミの表情に陰りが少し差した、はしたない女と見られて軽蔑されたか? と……
しかしその次の言葉は余計に惚れるといった旨の言葉、興奮以外の激情に振り回され顔を赤くし……
その言葉一つで軽く達するような有様を見せた……完全にメイミはレネウス……タケル青年の掌の上で踊らされ続けている……
しゅるり、ぱさ……ぐぃ……ぐっ、ぐっ……
『そろそろ……貰うぞ?』
「ッ……♥」
袴スカートも解かれ……下着も全て優しく脱がされていく。
床に落ちた着物はもうメイミ自身の汗、愛液……母乳で酷い有様。その上でレネウスの粘液も吸い重みを持っていた。
双方の興奮の度合いを測るには十分か。擦り付けるに留まっていた極太の触手が頭を少し潜らせる。守り続けてきた純潔を頂き、深い愛情をもって種付けを行おうとしていた。流石にメイミも身体が強張る。
「……幸せすぎるわ……夢だったりしない?」
『夢で終わらせたくねぇよ……オレ……いや、オレ達とメイミの一生はこれからなんだぞ?』
つぅ……っとメイミの瞳から一筋大粒の涙がこぼれ落ちる。
そっと払う事ができる指はないが……メイミの全身を抱く触手はすこしキツいくらいに抱きしめ……遂に最奥を目指し触手が滑り込む……
ぬぷ……ぐっ、ぐっ……
「ぅ、ふ……これが……ッ♥」
初になる感覚に苦しさも愛おしく感じる、腹を分け入られかき乱される……メイミも何度となく夢に見て罪悪感などに瞼をぬらす事があった番と繋がる行為……
指に絡みつく触手をぎゅっと握り……与えられる感覚を一つたりと逃がしてなるものかと意識を研ぎ澄ませていく。
先端は奥へ……メイミが守り抜いてきた膜に当たる。
『……できるだけ、優しくしたいけど……我慢出来ないかもしれない、激しくしちまったら……その』
レネウスの思念は興奮に炙られながらもしっかりとメイミを気遣う……痛みに苦しむ姿は見たくないという思いもしっかりと出ていた。
「ふ、ふふ……そう思うんだったら……痛みを感じれないほどにいっぱい貴方を感じさせて、おっぱいも喉も太ももとかも……摩られたら、すごく気持ちいいの……♥教えたと思うけど、ドラゴンは運命の相手に触れられるとそうなるらしいの……もう、あとは分るでしょ?」
――――私を乱して、とことん貴方に染めさせて♥
是非も無し、メイミに這い回っていた触手は一斉に動きを激化させることとなった……
ぶちぃっ♥ずちゅん♥ぽこっ……
むにゅぅ♥ぐにゅ♥ぐにゅん♥ぐぃぃ……♥ちゅっ♥
「ッッ♥ほにゅぃッ♥あひぁぁあッッ♥♥あひぇ♥んぅい♥なにこれぇ♥こんにゃのッ♥」
膣に潜り込んだ極太の触手はそのまま大いにグラインドしていく。
表面に浮かんだ血管の筋はほどよい抵抗になりメイミの肉襞を掻く……人間的な構造な分スウィートスポットというモノも同じ……触手の本能的な動きで全てを刺激していく。
太く、長く……女殺しの技巧が備わっている。奥をノックされながら搾乳もされ……快楽と幸福の絶頂にいるメイミが耐えられる訳もない。
性行為、契りの結び合いというのは儀礼的な物だと頭ごなしに思っていた。
私には……ワシにはもう関係の無いことと諦めが強く識るのが辛かった。
そのくせ未練がましく……性行為の技巧だけは磨いて……披露することも無いと心中嘲りながらやっていた……ほんに、ワシは未練がましい女だった。
『良い、メイちゃん……運命のヒトとエッチする事があったら……気をしっかり持たないとダメよ?』
『あぁもう、またなの……母様、いい加減……』
『本当に大事な事よ? 幸せ過ぎて気が狂いそうになるんだから……特にドラゴンの血が半分入っていて魂的な繋がりに敏感なんだから、ママもパパとね……』
『はいはいもう分ったから! 惚気はもうイイ!』
くふ、ほんに……母様の言っていた通りじゃ……運命の相手もエッチ中のこの……気が狂いそうな程の幸福感……
快楽もそうじゃ、坊が触手というのもあるかもしれんが……魂との繋がりがしっかりと結ばれたのが強いのぅ……
「ふぅぅぅっっ♥あッッ♥アァァッッ♥も、もっとぉ♥はげしくしてぇ♥感じさせてっ♥もっと、もっとぉ♥」
いくら言葉を紡ごうとしても欲望の昂ぶりを口走るばかり。
幻滅されても仕方ない有様、けれども……身体を這い回る坊の触手が本当に……本当に気持ちよくて堪らない♥
乳を搾られるこの全体を揉み潰されるような感覚も乳が出ていく感覚も……飲まれる音も全部が心地よく快楽に繋がる。
膣の中を自分の指でかき回した事はあるしそれで肉欲を癒やした事はある……しかし……この快楽に、レネウスめの触手と比べるのは烏滸がましい!
こんなモノを味わって……母様はどう押さえ込んでいたのかと小一時間問い詰めたい所……!
『もっとその声……聞かせて貰おうかな、へへ……オレだけ気持ちよくなってるって訳じゃなくて……安心する』
それにこれじゃ、こんな言葉をかけられてみろ、ぞわぞわと心が撫でられ慰安される……
身体も心もどちらも感じて感じてしょうがない……奥をもっと小突かれて……この考える猶予というのも……消し飛ばして貰いたいとすら思う。
ほんっとうに……たまらんなぁ……♥
ずちゅずちゅ♥ずちゅん♥どちゅんっ♥
耳に入る水音はワシの愛液の泡立つ音か……激しく突かれて滝のように垂れ流しているのじゃろうな。
ばばあを自負しておったが……身体はまだまだ……じゃの。おかげでレネウスを飽きさせる事はなさそうで安心するわい……
逆に、ワシ……こんなにやられて……明日に元の振る舞いができようか……? この快楽に気をやって、次に目を覚ました後……レネウスに襲いかかってしまわんだろうか……?
あぁ、契りを交している最中なのに……身体が、心がもっとと求めるのをやめられぬ……♥
『ぅく……も、もう出る……』
触手が膨れてビクビクと震えて……ぉほ♥これまた堪らない快楽が……都の玩具にそういうものが有るとは聴くが実際がこう……とはのぉ♥それに出る……とな、子種かぁ♥
「フゥーッ♥絶対に……ナカに注いでくれないとイヤ♥」
もう孕みたくて孕みたくてしょうがないのだから……日和って外に出そうモノならお説教じゃ……♥
「ほ♥ぉ♥おふぉっ♥ぉきゅ、こづいちゃ♥ふぎゅぅっ♥ぉ♥ォッ♥」
ぬぉ……し、尻にも入ってきたぁ……? 何を考え……腹がかき回されて……や、休まる暇もなく達し続け……ッ♥
これが触手の本気の種付けだと言うのか……♥これは……狂う女が多発する訳じゃ……♥
『いっぱい……出してやる……ッ!』
ナカで膨れて、ど、どこまで膨れ上がるの? 腹一杯にとは望んだけれども……お、収まりきるのか……? ほ、ほほ……これは夜の営みが大変になるの……♥
どぷっ、ぶぴゅるぅぅぅっ♥ビューッッ♥ごぽっ♥ゴポッ
腹に全身に……熱い熱い……これは、とんでもない愛がしみこんでいるではないかぁ……♥こんなの……耐えられるモノか……♥
種は蒔かれた、それまでの人生の繰り返しの分だけ……中にも外にも……思いの丈を示すかのように……
清らかな水の龍人はその愛情に……真摯な思いに染め上げられる。
ぬぅ……完全に気をやっていたらしい、記憶が途中から飛んでいたならばここまで頬に熱を帯びなくて良いのじゃろうけれども……
完全に覚えておるし年甲斐もなく幼い女子のように振る舞って……オマケに……
『感じさせてっ♥もっと、もっとぉ♥』
「くぁぁぁぁぁぁ……ワシはなんちゅぅ……」
まさか自分があんなに乱れ狂うとは思うまい、じゃが……もうすこし嗜みというモノがあったじゃろう! ワシのおバカ。
思い返しても本ッ当に……生娘みたい、というか丸出しじゃ
「家事もあやつにさせてしまった様だしのぉ……ッ」
妻としてどうなんじゃ? と口走ろうとして……嬉しさと恥ずかしさが同時に襲ってくるのはどうなんじゃぁ……夢のようじゃし長年望んでいた事じゃが……うぅぅむ……
「……ほふ、失望はされては居ないとは願いたいがのぉ」
脳裏に過るのは契りの最中、随分とたくましく頼りがいを感じた坊……いや、夫となったタケル……レネウスの言葉。
感じ、乱れてとんでもない痴態をみせていたワシを可愛いと言ってもっと見たいとまで言うたのじゃ。
事実かなり興奮しておったし……ウソの色はまるで無かった。
ちょっと……甘えるくらいでも良いかもしれんのぅ……
「お、起きたか。身体の方は大丈夫か?」
「ん、おぉ……ご覧の通りピンピンと……って、お主今……! 物理的に喋って……!」
「メイミと色々深くつながれたからかな、触手からは脱せられないけど……かつての感覚で使えるのがいくつか生えてきて、これもメイミのおかげだな、へへ……」
目玉一つ、不気味と形容される触手であるのは変わり無いが……発声器官は形成されて触手の中でも四肢にあたりそうなモノが形成されていたりと……
人間らしさというのは確かに出てきたかもしれんのぅ……こんなに早く形成されるとは思わんかったがのぉ……
「へへ、これもメイミってめちゃくちゃ可愛くて出来た女の子が妻になってくれたからかな」
「ブフッ……」
「たまにはああやって昔に戻った気分で……ってのも良いと思うんだが……ま、まてメイミ、我が愛! 拳で殴るのは止めろ、やめてくれ」
「むーっ! むーっ! 年甲斐無く振る舞って悪かったのぉ! これ幸いにイジりおってぇ!」
結納前の夫婦喧嘩と参ろうかのぉ、このイジわる夫めを成敗してやらねばなぁ! むぅ……力は全然入れられんし……ゆさゆさと揺れる乳房を意識してしまうし……
「ふふっ、はははは……」
参ったのぉ、何をしても幸せに感じて……頬が緩むのぅ。
程なくして、ワシは常々首に掛けていた宝珠をレネウスに授けることにした。力の譲渡は母乳を介してしてきたが……これが一番効く、しかし……同時にこれは呪いでもある。
「長閑な朝じゃの……これ、朝の搾乳は……っ♥」
「……あ、すまん……つい」
「食いしん坊になったもんじゃの……ふふ♪」
ワシの生活はこの一週間とちょっとで随分と変わった。
隣りに寄り添って立ちたいと願った者が戻ってきた……それにあわせ身体も長年の思いを爆発させて自分でも引く程に淫らな素養を見せていてのぅ……
乳を日に四度搾って貰わねば満足出来なくなったし……ここ毎日と言って良いほどレネウスとの触手乱交を味わっておる……
年の功を発揮したい所じゃがワシは生娘じゃったしの、女泣かせの種族となったレネウスには敵わん……そのまま搾って貰っては昼まで人前に出られなくなるのでのぅ……
「今日は……ワシも我慢するから昼まで辛抱してくれ……大事な儀式を行おうと思ってな。」
レネウスも居住まいを正してじっとこちらを見てくる。聞き分けは本当に良いわぃ。
「この宝珠……お主もどんなモノか分っているかの? 一度は話していたがの……念押しじゃ」
「たしか……ドラゴンが番に渡す婚約の宝珠、力の結晶だったっけか。メイミの母上も受け入れたという……」
「そう、これを受け入れて貰ってようやく真にドラゴンと結ばれると言うモノじゃ……だが、気軽なモノでは無い」
非常に……重い物だ。文字通り選択を間違えれば全うに死ぬ事は叶わなくなる。ただただ見送る立場になりそれに慣れる事出来なくばすり減っていくばかり。
「よいか、この宝珠を受け取り己が身に受け入れるということは……余程のことが無い限り死ぬ事が出来なくなると言う事。
人の身を何度も繰り返してきたお主なら理解できよう……見送る側の辛さというモノを……言い換えれば置いて行かれていくモノの辛さ、じゃな」
「敢えてキツい言い方をするぞ。これは魂を蝕む呪いじゃよ。ワシと結ばれ婚姻の儀を交す事で永遠に等しい時間を得てしまう呪いじゃ。
もう触手だから関係ない? いいや……外見的には変化は無くとも肉体的にはドラゴンの……ワシと同等に強くなる。
かの死を振り蒔くモノ……魔王と呼ばれた存在の呪いでも死にきれず延々と苦しみ続ける事にもなるぞ? ワシの父様がそうじゃったらしいからの……じゃから……よく考え」
「……愚問だな」
言葉を紡いでいたワシの胸元から宝珠が引きちぎられレネウスめは……迷い無く自らの身体に押し当て……力を取り込んだ。ほんのりと目の色がワシと同じ青に染まって……
「す……少しは迷うとか、じゃな……」
「何を迷う必要がある、メイミと……好きな女とずっと一緒に寄り添えるって言うんだったらオレは喜んで受けるさ」
「……参ったのぉ」
ドラゴンの番が離ればなれになるのは……壮大な喧嘩別れが大半、異種族の番を持った場合はドラゴンが殺して腹に収める事が多い……との事じゃが……
「努忘れるなよ……その力の根源はワシの力じゃ、ワシがお主を殺したいほど憎んだ場合はじゃな」
「食われるなら本望だ、それだけオレはメイミに惚れて全部を捧げる覚悟はある」
ああ言えばこう好意を重ねて封じてくるのぉ……!
「すぅー……はぁー……あぁもう! 好きィッ♥」
今日という今日はワシがリードを握って……妻らしく甲斐甲斐しく世話をと思ったが無理じゃぁ……触手で蹂躙されるのを望んで、あちこち穴という穴に種を注いで貰いたくて堪らん……!
「今日は……特等激しくしてくれぇ……♥幸せ過ぎて我慢ならん……♥」
どんどんとワシの身体が触手の妻たり得る……苗床となり得る身体に開発されていってる気がしてならんが……それも良いな……♥
「識ってるかもしれんがのぉ……私、貴方にめちゃくちゃにされるの……大好き♥」
今日の触手はどんな物を使ってくれるかしら……楽しみで仕方ないの、全部貴方のせいだから、責任とってよ♥
メイミ一人住むには大きすぎた座敷の片隅は……夫婦として事実婚状態だった二人の巣となっていた。
夫であるレネウスの住みよい環境に……となれば触手生物が形成する苗床空間の様相を見せ……メイミ特攻とも言える媚毒を噴出させる肉塊の胞子がいくつも壁や床にできあがっていた。
「んぶぐっ♥~~~ッッ♥」
そんな名実ともにヤり部屋となった場でメイミは素っ裸に剥かれ触手に集られる、それだけ見れば完全に陵辱か……
過去に多く見られた触手に頭を焼かれた女にしか見えないだろう。頭を焼かれているのは間違いない。身体の白を覆い隠す肉色の触手の多さに悦び狂っているのだから。
「オレも遠慮無くなったけど……メイミもすごいなぁ」
「んっふふ♥ぷぁ♥しゅきなヒトにめちゃくちゃされるの、気持ちいいのぉ♥」
触手の穂先が潜り込むのは唇の奥、乳首、膣穴に尻穴……孕み穴として使える穴には潜り込んでいた。
喋る余裕は持たせて、唇のモノに関してはメイミの意思でするりと抜ける程度に加減はしているが……首から下は触手の苗床セックスと形容するほか無いほど……穴に群がっていた。
両乳房に群がる触手は余りに多く、先端を隠してしまう程であり……膣にはこれまた極太の種付け触手が三本も入り込み後に産道にもなる膣を大いに拡げていた。
尻の方も似たり寄ったりで凶悪なつぶつぶが形成された触手が潜り込んでいてメイミの開発されきった夫触手専用ド淫乱ボディを苛め抜く布陣となっていた。
「んじゅぷ♥わらひも、がんばるからぁ……♥」
「ん、お互い気持ちよく……色々忘れる程に愉しもっか」
端から見ればどう映るか理解していながらその状況というのも全てひっくるめて愉しむようになってしまったのだ。
すぐ側の村を護るドラゴンでありながら……番として認めた触手に蹂躙されるように繰り広げる契りが特等興奮するのだ。
メイミはだいぶ強いマゾ性癖が芽生えてしまったようだ。二人の時間がこうして交わり、動き出し、結ばれ……
乱れに乱れ……メイミの腹に新たな命が宿るのはほぼ確定事項と言ったモノだった。
レネウスがワシの座敷に現れて二ヶ月、ワシと関係を結んでから八週間が過ぎようと言う所、麓のシズク村の皆に全てを話した。
この村につい百年前戦争に派兵され還らなかった強者……トヨナガの生まれ変わりであり、ワシが恋していた三千年前の男タケルである事も包み隠さず話した。
最初こそワシの正気を疑われたがの……ワシの目は狂っておらんし不埒な事考えて近寄ってきた男衆はすぐさまお説教して……
お楽しみしていたのがバレて何も言えなくなったりもしたのぅ……しかしまぁ、概ね受け入れられたし……
『あぁ~……だからメイミ様がやけにウキウキとされていたんですね、納得』
『それでかぁ……メイミ様がここ最近色っぽさが増したなぁと……あ、いだだだだだ……耳を引っ張るな!』
『バカ亭主には誰が妻なのかよぉ~く教え込まないと……では、メイミ様もどうぞお幸せに。そっちの触手はメイミ様泣かせたらブチ殺しにいくわよ』
庇護してきた面々からこうして祝われるとなんとも言えぬ幸せな感情を噛みしめるわい。
それにのぅ……嬉しいことはもっとあっての、まぁエッチも相当数やって来たからもしかしたら……等と思っていたがのぅ……
「随分と早くに母にしてくれたの、それに……感じる限りではワシそっくりの人間見たいじゃのぅ」
「……あぁ、本当に夢みたいだな」
「夢で終わらせんと言うたのは誰じゃったかなぁ?」
「それも……そうか、名前はどうしようかな」
ワシとレネウスの間にも一人の命が宿った。ぽっこりと膨らんだ腹に張り詰めた乳、そして程度は軽いが悪阻もあってのぉ……
レネウスめが相当焦ったのが記憶に新しい。経験則からもしや……と思っておったが、お腹を見て間違いなし。
「そういえば……触手の精液は母胎にとってかなり良いと聞く……妊娠したとて休ませはせんからの?」
「お、お手柔らかに頼む……」
さぁてどうしてやろうかのぉ……鳴かされるのはワシじゃが搾りとるのもワシじゃ。
ワシはもう骨抜きにされてしもうたが……お主もワシ抜きに生きていけないようにしてやるからのぅ……覚悟せぇ。龍は特に執念深いからのぉ。
程なくして人間の間で勃発していた領土争いは完全に休止することになった。魔王復活の兆しあり……という報もあるが国と国で勃発していた争いに民が疲弊し尽くし反乱が多くなっていったからだ。
シズク村の付近の国も同じでようやく静かになっていった。
シズク村の近辺では獣騒動も無くなって本当に平穏そのものとなっていった。メイミとレネウスという時と種族を越えて結ばれた二人の話もそれとなく……童話という形で残ることになった。
生き証人も居るがその所在はきっと……誰の口からも出る事は無い。
「ほほ……とと様に似て食いしん坊じゃなぁ、たーんとお飲み……ワシの可愛いルカ……」
「……そうでもしなけりゃ搾り取ってくるメイミが……んむぐ」
「ほーぅほぅ、正直にワシのおっぱいが美味しいからと言わん口はこれかのぉ?」
「……お腹いっぱい吸わせて貰います、我が愛……」
「んぐっふ……キザな事はいわんでよいわ!」
シズク村よりもずっと山奥、ドラゴンの秘術により隔絶されメイミが立ち入る事を許している者のみが入れる場所で結婚してから一年が経とうという中でも変わらず……
べったりとくっつきお互いを慈しみ……二人の間に生まれた子供に溢れんばかりの愛情を注いでいく。
神の気まぐれか、それとも魂の結びつきが特等強いが為か……生まれた子、ルカは人間とドラゴンのクォーターとも言うべき存在になっていた。
「ヌシの魂が精液にも影響するとはの……早速ワシの権能をよぉーく使いこなしていたのかのぉ?」
「さぁ……オレはただ、メイミをひたすら愛して止まなかっただけだよ、この姿になっても……ずっとな」
秘境にて龍人と転生触手は寄り添い……影を一つにし何方ともなくそっと……手と触手を握り合う。この二人がもう悲哀に切り離されることは無い。
永遠に寄り添い幸せな時間を重ねていく事だろう。その証と言わんばかりに婚約指輪代わりの力の結晶がキラリと光っていた。
ご都合主義めなあまーい結末だったと思いますが如何でしょう?
ご拝読いただいたコトに感謝を、まぁ本文がイマイチでも挿絵は8181点たたき出せるドスケベなので……お楽しみいただけたら幸いです。
物理本からすこし加筆修正などしております。
本文:ムメイ
挿絵:瑠璃ららこ(https://www.pixiv.net/users/565736)
お送りしますは頭のおかしい個人サークル:無明庵異種姦亭苗処
初版物理本は壮大に事故った ぐやじい