女王は国民に予防接種を義務化すると同時に、男児が生まれにくくなる薬の投与を密かに進めた。この薬は、ある科学者が偶然発見したもので、投与すると男性ホルモンが減少し、女性が生まれやすくなるというものだった。
「これを平民たちに投与させなさい。」
そう言いながら、女王は薬の入った注射器を家臣に渡した。
「男を産めるのは王族と貴族の特権。平民が男を得るには、戦争で手柄を立てて貴族になるか、男を略奪するしかない。兵士たちは必死で戦うでしょう。女はそれほどまでに子を欲しているのだから。」
女王の言葉に、家臣たちは皆、賛同の意を示した。こうして制定された**「男子禁制法」**。平民にはその事実が隠され、男の数は徐々に減少していった。
哺乳類にはオスとメスがいる。人間にも、当然、オスとメスが存在する。ヒトという種は非常に知能が高く、世界を席巻した。しかし、個々の能力が特に高いとは言い切れない。脚は早くないし、力も強くない。体格も他の動物に比べると小さい。特にヒトのメスは、オスに比べて圧倒的に弱い。ライオンなどの動物では、メスの方が体格が大きく、強い力を持つ。だが、ヒトのメスは弱い……いや、弱かったと言うべきだろう。
いつからか、メスは体力面でもオスを圧倒する力を秘めるようになった。スポーツや力仕事などの日常で逆転が始まり、さらに戦争では女兵たちが大いに活躍し、女性の意見が強く反映される社会へと変わっていった。学者たちはその原因を、大気の流れによる身体の異常説や病原体説など、さまざまに推測した。しかし、結局その真相は分からずじまいだ。ただ一つ言えることは、それがもう過去の話だということだけである。
さて、現在に戻ろう。西域に異様な女の帝国が築かれた。西の国である。この国はラージエル家によって興され、すでに五代の君主が歳月を重ねている。現在の君主の名はラヴィア・ラージエル。その才覚は歴代の君主の中でも随一とされ、名君として名高い。
ラヴィア女王は徹底的な女性優遇政策を打ち出した。まず、政治の場に女性を積極的に登用した。これは前代未聞のことだった。次に、女性専用の学校を建設し、さらに女性のための軍隊を創設した。軍では女性の上官として士官の育成に力を入れ、隣国を次々と侵略して領土を拡大していった。今や大陸の半分以上を支配する巨大国家となっている。
この国の最大の特徴は、国民のほぼ全員が女性であることだ。女性はどんな職業にも就くことができる。これは女王の政策によるものだ。国民に予防接種を義務化すると同時に、男児が生まれにくくなる薬の投与を行った。この薬は、ある科学者が偶然発見したもので、投与すると男性ホルモンが減少し、女性が生まれやすくなるという。
「これを平民たちに投与させなさい。」
そう言って、ラヴィア女王は薬の入った注射器を家臣に渡した。
「男を産めるのは王族と貴族の特権だ。平民が男を得るには、戦争で手柄を立てて貴族になるか、男を略奪するしかない。兵士たちは必死で働くでしょう。女はそれほど子を欲しているのだから。」
ラヴィア女王の言葉に、家臣たちはみな賛同の意を示した。この政策は「男子禁制法」と呼ばれ、発布された。平民にはその事実が隠され、徐々に男の数が減らされていった。一方、隣国に男を求めて侵略を続けた。男を得たい女たちは積極的に戦争に参加し、戦いで武勲を上げた。それにより領地が増え、人口も増えていった。
レイン、メア、ウォーの三姉妹
ここまでが歴史の勉強だ。俺は傭兵のカル。多くの戦場を渡り歩いてきた。俺のような男傭兵は、西の国の男狩りのせいで随分と少なくなった。
さて、現在、東と西で戦争が起きている。
俺は東側の傭兵として戦場に身を置いているが、戦況は散々だった。
西の軍は圧倒的な戦力を誇り、精鋭揃いの女兵たちはまるで嵐のように戦場を駆け抜ける。
東側は数では勝っているものの、士気が低く、まとまりを欠いていた。特に、西の兵士たちは個々の戦闘力が高く、統率の取れた動きを見せる。
俺の周囲では次々と仲間が倒れていった。
剣が飛び交い、矢が降り注ぎ、銃声が響く。血と鉄の匂いが鼻を突き、地面は無数の屍で埋め尽くされていた。
「クソッ……このままじゃ全滅だな。」
俺は敵の猛攻を避けながら、密かに戦場を離れることを決めた。
このまま無意味に死ぬつもりはない。目的はただ一つ――西の国に潜り込み、王女や貴族の女たちと接触すること。
俺は混乱に乗じて軍を離れ、敵陣の奥へと忍び込むことにした。
だが、その途中で気配を感じた。
俺は軍隊からわざと離れ、敵陣の奥地に潜入しようとした。すると、小さな小屋を見つけた。中に入ると、一人の少女がいた。金髪の美少女だ。年齢は15~17歳くらいだろうか。彼女はこちらを振り向き、「あ! 侵入者!」と叫んだ。
猟銃を向けられたが、俺はそれを蹴り飛ばした。
「待てよ。いきなり撃つなんてひどいだろ?」
「あんた……男?」
「ああ……」
俺は仮面を外した。戦場では男狩りが横行しているため、顔を隠すために仮面をつけているのだ。
「……顔を隠してるから不細工かと思えば、意外といい顔ね。残念ね。お姉様がいれば、あんたを攫えるのに……」
お姉様? こいつは妹なのか?
「早く逃げなよ。お姉様が戻ってきたら、あんた捕まえるわよ。」
「いや、それは困るなぁ……だが、俺にも仕事がある。ここを偵察しに来たんだ。」
「じゃあ、あんたは終わりよ。」
女は笛を取り出した。
「うちの家族同士の秘密の合図よ。これで仲間が来る。」
「いや、それは困る。取引しないか?」
「何が望み?」
「抱かせてくれ。」
「……」
女は目を点にした。この時代、男が女を誘うのは普通ではない。男は女に従い、女の言いなりになるのが当たり前だ。
「あんた、娼夫?」
「いや、違う。ただの男だ。」
女は怪訝な顔で俺を見たが、やがて納得したように言った。
「まあいいわ。こっち来てよ。」
彼女はベッドに横になり、布団をめくった。
「分かった。」
俺たちはベッドで抱き合い、キスをした。舌を入れ、唾液を交換する。そして互いの服を脱ぎ、裸になった。
「俺はカルだ。お前……名前は?」
「レイン。」
「レインか。綺麗な名前だ。」
「ありがとう。」
俺は彼女の胸を揉んだ。柔らかい感触と温かさを感じる。乳首を摘み、吸うと甘い味がした。そのまま秘所に指を入れると、クチュクチュという音がした。彼女は感じているようだ。
そして俺は大きく反り立った陰茎を出した。
「これが欲しいのか?」
「うん、ちょうだい。私をめちゃくちゃにして……」
俺は彼女を持ち上げ、挿入し、激しく動いた。
「あっ……んっ……気持ちいい。もっと突いてぇ!!」
さらに速く動かし、卑猥な音が響く。
俺のモノはまだ元気だった。レインは起き上がり、俺のモノを手で掴み、口に含んで舐め始めた。亀頭をペロペロと犬のようになめ、竿全体をハムハムと刺激した。そして再び膣に入れ、腰を動かす。今度は彼女が上で上下運動をする。騎乗位と呼ばれる体位で、俺をイカせようとする。
彼女は俺に跨り、ゆっくりと腰を落としていく。そして俺たちの性器が再び繋がった。俺たちは体を重ね、激しく動き、卑猥な音が響き渡る。汗だくになりながら必死に腰を振った。
レインは快感に浸っているようだった。そして絶頂に達すると、俺は彼女を抱きしめ、膣内に大量に放出した。レインの体がビクビクと震え、潮を吹いた後、彼女はそのまま倒れ込んだ。
俺たちはベッドの上に横になり、抱き合っていた。レインは俺の胸に顔を擦り付け、甘えるような仕草を見せた。
「胸の筋肉、すごいわね。鍛えてるの?」
「そうだな。」
「触らせて。」
俺は彼女に触らせた。レインは柔らかい胸の感触を楽しみながら乳首を摘んだ。少し痛みを感じたが、俺は我慢した。そのうち彼女に揉まれたり吸われたりした。
まるで赤子のように俺の乳首をしゃぶるレイン。その姿はとても愛らしかった。胸を吸われるのは初めての経験で、父性本能が刺激されたのか、俺は思わず彼女の頭を撫でた。レインは一瞬驚いた表情を浮かべた後、嬉しそうに笑い、俺の顔を見つめてキスしてきた。舌を入れられ、唾液を流し込まれたが、俺はそれを飲み込んだ。
レインは満足げに微笑むと、再び俺の胸に吸い付いてきた。俺は優しく彼女を抱き寄せた。しばらくそのままでいると、眠気が襲ってきた。ふと気がつくと、俺はレインの豊満な胸に抱かれていた。どうやら眠っている間に寝ぼけて彼女の胸に吸い付いていたらしい。レインは幸せそうな顔で眠っていた。起こすのも忍びないので、俺は静かに身支度を整え、小屋を出た。
「初めてか? お前、貴族の娘だろう?」
「うちは貴族とはいえ貧乏なのよ。しかも、男が生まれない家系だしね。だから、お姉様は強い男を探して結婚したいの。」
「なるほどな。」
レインの家は貧しく、さらに男が生まれないため、戦争で男を攫うしかない。そのため、多くの戦場を渡り歩き、男を捕らえているのだという。
レインの家は貧乏で、男が生まれないため戦争で男を攫うしかない。そのため多くの戦場を渡り歩き、男を攫っているということらしい。
レインは満足げに笑った後、再び俺の胸に顔を埋めてきた。
俺はそっと彼女を抱き寄せ、そのまましばらく身を委ねていた。
やがて眠気が襲い、気がつくと俺はレインの豊満な胸に抱かれていた。
どうやら寝ぼけたまま、無意識に彼女の胸に顔を埋めてしまったらしい。
レインは幸せそうな表情で静かに眠っている。
起こすのも気が引けたので、俺はそっと身支度を整え、小屋を出た。
外の冷たい空気が、ぼんやりしていた頭を覚ましていく。
そして俺は、西の国の現状について考えた。
レインのような貧乏貴族にとって、この戦争は大きなチャンスだ。
ここで武功を挙げれば、貧しい生活から抜け出せるかもしれない。
だが、俺の予想では戦争の行方はすでに決していた。
東の国は首都を放棄し、焦土作戦に移行して兵力を温存。持久戦に持ち込むつもりだ。
一方、西の国は戦力を分散させ、ゲリラ戦術によって各個撃破されつつある。
このままでは、遅かれ早かれ西の国は敗北するだろう――。
■
後日、俺の予想通り、西の国は大した戦利品も得られぬまま講和を結んだ。
一応、国としての面子は保てたが、それだけのことだ。
しかし、レインたち貴族にとっては何の旨味もなく、不満が募るばかりだった。
俺は再びレインに会うことを決め、軍に出入りしている商人に手紙を託した。
数日後、返事が届く。
指定された場所に向かうと、そこにはレインがいた。
俺を見つけるなり、彼女は駆け寄ってきた。
そのまま人目を避け、静かな小屋へと入る。
扉を閉めるなり、レインは俺にキスをしてきた。
深く舌を絡め、求めるように口づけてくる。
俺もそれを受け入れ、彼女の背中を抱き寄せた。
やがて、レインは唇を離し、少し照れくさそうに言った。
「ねえ……多分、妊娠してるかも」
俺は一瞬驚いたが、すぐに彼女を優しく抱きしめ、再び口づけを落とす。
「そうか……」
レインは俺の腕の中で、くすりと笑った。
「子供ができると、やっぱり欲が出るわね……。ねえ、私のところに来てよ。今なら奴隷じゃなくて、ちゃんとした夫にしてあげる」
西の国では夫は法律で保護され、財産も持つことができる。
俺にとっても悪い話ではない。
だが、俺はゆっくりと彼女の目を見つめ、言った。
「いいぞ。ただし、条件がある」
レインは首をかしげる。
「……条件?」
「お前に、女王になってもらう」
彼女の瞳が大きく見開かれ、驚きに揺れる。
俺は微笑みながら、しっかりと彼女の腰を抱いた。
■俺はそのままミズィーリ家へと向かった。そこには三姉妹がおり、俺の出現に目を丸くした。
「レイン、男を捕まえたの?」
「すごいわ! 姉様。」
「姉のメアと妹のウォーよ。」
「カルだ。よろしく頼む。」
「いい体ね。傭兵なの?」
「ああ。」
「カルは夫よ。」
「夫? 奴隷じゃないの?」
「違うわよ。」
「へー、まあいいんじゃない。」
「私は賛成よ。こんないい男ならね。」
「姉様が言うなら私も。」
「決まりね。」
というわけで、俺は三姉妹の夫となった。
「それと、私、子供ができたみたい。」
「え? カルとしたの?」
「ええ……そうよ。」
「ふうん、まあいいわ。私たちもお願いね。」
こうして、三人の妻との生活が始まったのである。
それから半年が過ぎた。俺は三人とも妊娠させた。周りの住人は驚いていた。
「ミズィーリ家の夫はとても健康な精液を出すらしい」という噂が流れ始めた。
レインは驚いたように言った。
「あなたが言ったことは本当だったのね。」
俺は結婚する前、多くの女を孕ませることができると豪語していた。俺の父は多くの女を妻として娶り、20人の子供を産ませた。その子供たちは全員成人したらしい。この時代、健康な子供をたくさん生むことは、男子の結婚条件として重要な要素の一つだったのだ。
「噂も広まってる。俺の予想通りだ。」
「それで……本当にするの?」
「ああ……そのためにこの家に来た。」
「でも……」
「女王になれるんだ。それに王になったら、俺なんか捨ててもいいぞ。」
「嫌よ! そんなこと。」
俺たちはベッドの上で裸になり、抱き合った。レインは俺の陰部を掴むと、自分の膣内に入れた。そして腰を振った。最初はゆっくりだったが、徐々に速くなった。俺たちは同時に絶頂を迎えた。その後、何度も体を重ねた。そして、俺はレインに膣内で射精した。
レインは俺のモノから手を離すと、俺の上に倒れ込んできた。そして俺の手を強く握りしめた。しばらくして、レインが口を開いた。
「ねえ……本当にうまくいくと思う?」
「うまくいくかは分からん。だが、レインが女王になれると思うのは事実だ。お前が望めばの話だが。」
「私が望むなら……ね。分かった。やってみるわ、カル。」
レインの目には決意の色が宿っていた。
■
ミズィーリ家の隣の領地にはタウォー家がいる。そこの頭首は弱冠20歳で頭首になったコルトという女だ。
タウォー家は元々医術に秀でており、その技術のみで貴族になった一族である。
さて、このコルトに俺たちは会いに行くことにした。
夜中、パーティーのプレゼントに紛れ込んで、俺はコルトの目の前に現れた。
「コルト様、お会いできて光栄です。」
「……あなたがミズィーリ家の夫か。何のようですか?」
俺はある策略を話した。この話にコルトは目を輝かせた。
「しかし、ミズィーリ家が王になった暁にお約束するものというのは何でしょうか?」
「私です。」
「なんと!?」
「私は健康な精液を提供できます。不妊で悩んでいるコルト様に跡継ぎができるでしょう。」
タウォー家は領地に鉱山を有しており、その採掘権を商人に貸して利益を得ている。つまり、商人に金を貸すことで収入を得ているのだ。財産は多くあるため、下級貴族であるが夫がいる。しかし、結婚して2年経つがまだ子供ができないようだ。
そこで、俺の出番だ。ミズィーリ家の姉妹三人を妊娠させるほどの精力の持ち主だ。きっと子供が作れるだろうと思ったらしい。
「嘘だと思うなら、今日味見をしても構いませんよ。」
俺は服を脱いだ。コルトは息を飲んだ。
「なるほど……お願いできますか?」
「もちろん。ただし、子種はまだあげられません。」
俺たちは寝室に場所を移した。
俺はコルトにキスをした。舌を入れ、唾液を流し込む。彼女の唇は柔らかく、かすかに震えていた。コルトは一瞬驚いたように目を見開いたが、すぐにその瞳を閉じ、俺のキスに応えた。寝室の静寂の中、互いの息遣いだけが響き合い、時間が止まったかのようだった。コルトは俺の胸板に手を当てた。乳首を摘まれると、俺は思わず声を漏らした。
彼女の指先が巧みに動くたびに、快感が全身を駆け巡った。俺は抑えきれず、コルトの腰を抱き寄せ、彼女の体をベッドに押し倒した。彼女の肌は滑らかで、触れるたびに熱を帯びていくようだった。俺たちは互いの体を求め合い、激しく愛し合った。夜が更けるまで、何度も体を重ね、コルトの喘ぎ声が部屋に響き渡り、俺の心をさらに熱くした。
やがて、俺たちは疲れ果ててベッドに倒れ込んだ。コルトは俺の胸に顔を埋め、幸せそうな笑みを浮かべた。俺は彼女の髪を優しく撫でながら、彼女との絆を強く感じた。この瞬間、未来への希望が胸に広がった。ミズィーリ家とタウォー家の協力が固まり、強国への道が一歩前進したことを実感したが
■
「交渉は上手く行ったぞ」と俺はレイン達に報告した。
「そう、良かったわ」とレインが答えたが、反応は薄いものだった。
「何か不満でもあるのか?」と俺が尋ねると、
「いや、何でもない。じゃあ早速動くか」とレインが返した。
ラージエル王朝の混乱
一年が過ぎると、レインは長女を出産した。
その間にラージエル王朝では不満が日に日に増していた。度重なる出兵、増税、領民達への過酷な労役、疫病による生活苦――これらは当然の結果と言えた。
特に深刻だったのは、戦争の戦利品である男が獲れなくなったことだ。子孫を残せなければ一族を維持できないため、貴族達の間に焦りが広がっていた。そこに付け入る隙が生まれた。
俺達は貴族達にこう持ちかけた。「ミズィーリ家に味方すれば、王と上級貴族達が独占している男達を手に入れられる」と。
貴族達は欲深い生き物だ。ミズィーリ家を敵に回すリスクを考えるよりも、男を手に入れる可能性に惹かれ、次々とミズィーリ家の傘下に入った。
内乱の引き金
やがてミズィーリ家とタウォー家が諍いを起こした。
領民や使用人たちを動員し、事態は暴動にまで発展した。驚いた王は軍を派遣したが、これは全て仕組まれたものだった。
実はタウォー家とミズィーリ家は共謀しており、兵を集め、小競り合いをわざと起こしていたのだ。その隙に、俺とレイン、コルトは下級貴族達と共に宮殿に乗り込み、男100人を攫った。
これにより王族の権威は失墜した。俺達の暴挙を糾弾する力すら王には残っていなかった。そのまま一族内で内乱が勃発し、ラージエル王朝は滅亡した。
広大な西の国は分裂し、ミズィーリ家は独立を果たした。
後日、教会の神官から王位を授けられ、レイン女王が誕生した。
■ある日、俺はコルトにパーティーに誘われた。
コルトは100人以上の貴族たちを集め、盛大に祝賀会を開いた。
俺たちもその招待を受けた一人だった。
パーティーが終わりを迎えると、コルトが俺に話しかけてきた。
「今日はありがとうございました。」
「いえ、当然のことをしたまでですよ。」
コルトは俺の手を握った。
「以前の約束、覚えていますか?」
そう囁きながら、コルトは俺の耳元に顔を寄せた。そして俺の手を引いて、彼女の部屋へと案内した。
寝室に入ると、コルトは服を脱ぎ始めた。
コルトは金髪の美しい短髪で、健康的な肌色をしている。
豊満な胸に、キュッと締まったウエスト。
プリっとした魅力的な尻も印象的だった。
コルトはベッドに横になると、「さあ、来て」と俺を誘った。
俺はコルトに覆い被さり、キスをした。
舌を入れ、唾液を流し込む。
すると、コルトは俺の背中に手を当てた。俺は服を脱ぎ始め、彼女の熱い視線を感じながらベッドに身を寄せた。
コルトの指が俺の背中を滑り、柔らかくも力強い感触が伝わってくる。
「ずっと待ってたのよ」と彼女は囁き、目を細めて俺を見つめた。
俺は彼女の首筋に唇を這わせ、その甘い香りに引き込まれる。
コルトの息が少しずつ乱れ始め、部屋の中には静かな熱気が満ちていく。
コルトの肌は温かく、触れるたびに俺の鼓動が速くなる。
彼女の手が俺の髪をかき上げ、耳元で小さく吐息を漏らした。
「もっと近くにいて」と彼女は囁き、俺を引き寄せる。
俺は彼女の腰に手を回し、その柔らかな曲線を確かめるように撫でた。
コルトの唇が再び俺の唇を求め、熱いキスが交わされる。
その瞬間、時間さえも止まったかのように感じられた。
彼女の胸が俺の胸に押し当たり、互いの鼓動が重なり合う。
部屋の薄暗い明かりが彼女の金髪を照らし、まるで絵画のような美しさを際立たせていた。
俺は彼女の肩に手を滑らせ、そっと抱きしめた。
コルトは目を閉じ、静かに俺の名を呟いた。
後日、コルトは妊娠した。
その知らせを受けたレインは、コルトに宰相の任を与えたいと言ってきた。
「お前には宰相になってもらう」
「私がですか?」コルトは驚いた表情で問い返す。
「ああ。前女王が残した制度を変えなければならない。そのためには、信頼できる者が必要なの」
「……具体的には?」
レインは真剣な目で言った。
「平民と貴族に長年投与されてきた、男児が生まれにくくなる薬――あれを撤廃する。そして、タウォー家の持つ医療技術を公表し、すべての民に平等な医療を提供するわ」
コルトは息をのんだ。タウォー家は代々医療に関する高度な技術を持っていたが、それは貴族の間だけで秘匿され、一般には決して広まらなかった。
「……そんなことをしたら、貴族の反発は避けれませんよ」
「だからこそ、お前が宰相として先頭に立ってほしいの。お前は貴族中でも私達寄りだろ」
「……報酬は?」
レインは妖艶に微笑みながら、コルトの膨らみ始めたお腹にそっと手を添えた。
「報酬なら、もうその腹の中にいるじゃない」
コルトは少し顔をしかめたが、レインは構わず続けた。
「お前と私は同じカルという夫を持つ。女王の王配を子を宿した以上、この国の未来を変える責務があるわ」
コルトは深く息を吸い込み、ゆっくりと頷いた。
「ならば、私が宰相としてやるべきことを果たしましょう」
こうして、コルトは正式に宰相となった。
「ならば、私が宰相としてやるべきことを果たしましょう」
まず最初に行ったのは、貴族たちが密かに行っていた男児抑制薬の投与の撤廃だった。
宰相としての権限を駆使し、コルトは王宮内の医療機関を掌握し、薬の生産と流通を即座に停止させた。この動きに反発する貴族も少なくなかったが、レインの後ろ盾がある以上、誰も公然と異を唱えることはできなかった。
さらに、コルトはタウォー家の秘匿されていた医療技術を公表し、全ての民に平等な医療を提供する改革を推し進めた。これにより、貴族だけでなく平民にも高度な治療を受ける機会が与えられ、国全体の健康水準が飛躍的に向上した。
男子の出生率も増加し、長年続いていた人口減少の問題が徐々に解決へと向かっていった。また、医療の発展とともに労働力も安定し、経済も活性化した。
一方で、貴族の中には依然として改革に反発する者もいた。しかし、レインとコルトは決して屈することなく、賢明な政策と強い意志で国を導いていった。
一年後、レイン女王に王子が誕生した。国中が歓喜に沸き、王宮は華やかな飾り付けで彩られ、街中には祝福の音楽と踊りが響き渡った。市場では特産品やお祝いの品々が並び、広場では華やかな衣装をまとった踊り子たちが舞い、誰もが未来への希望を感じていた。
ベッドで安らかに眠る王子の顔を見つめるレイン女王は、ほっとした表情を浮かべていた。王子の誕生は、長年の悲願であり、国にとっても新たな希望の象徴だった。彼女の隣にはコルトが立ち、穏やかな視線で寝ている王子を見守っている。
その足元には、二人の俺の子供がいる。一歳になるコルトとの息子と、女王即位前に産んだレインとの長女が、興味津々で弟を見つめていた。まだ幼い彼らの目には、弟の存在が新鮮で、興味深そうにその小さな顔をじっと見つめている。
静かな部屋の中、家族全員が一つの空間に集まり、安らぎと幸福感に包まれていた。
「二人とも、お姉ちゃんとして、弟を守ってあげるんだぞ。」レインは優しく言った。
コルトも微笑んでその言葉を聞いていた。
「これからは、君たち二人が王国の未来を支えていくんですよ。しっかりと成長して、みんなを守れるように。」
長女は少しお姉さんらしく、そっと弟の手を握りしめた。
「彼らの成長を見守るのが、カルと私の使命だな。」レインは静かに言った。
「ああ、俺達の使命だ。」俺は静かに答えた。
「私も居ますよ。三人で一緒に支えていきましょう。」コルトは微笑みながら言った。
俺は頷き、心からの笑みを浮かべた。「そうだな。彼らの未来が明るいものになるように、私たちがその道を作り続けなければ。」
その言葉通り、三人の決意は揺るがなかった。王国の改革を進め、家族としても力を合わせて、次の世代に素晴らしい未来を手渡すために歩み続けること。それこそが、彼らの使命であり、これから先の道しるべとなるだろう。
俺たちは、それぞれが抱く新たな決意を胸に、明日へと向かって歩き出す準備を整えていた。