昼前のアパートの一室は、淫らな空気に満ちている。
ベッドの上では、息も絶え絶え、体を赤く火照らせて絶頂の余韻を味わう金髪の美女が一人。
その傍らで、志貴はもう一人の美女と口づけを交わしていた。
「ん……ちゅ……」
「あ……ん……」
触れ合うようなバードキスは、すぐに舌を絡め合う激しいものへと変わる。お互いの粘液を絡め合う遊びに夢中になる二人の顎に、つう、と唾液が滴る。光を浴びてきらりと光るそれは、ぽつぽつとシーツに染みを作っていく。ただ、白い布に広がる染みは、それだけのものではない。
一旦、口づけを止める。じっと見つめられてもじもじと腰を動かすシエルの様子をみて、志貴は優しく微笑んだ。
そっと腰に手を回し、再び口づけをかわす。何か言いたげに体をすりよせてくるシエルの体をいやらしく撫でまわしながら、淫らな口づけが続く。
「ふ……ん、あ……んむぅ……」
押し付け合うようなディープキスの果てに、空気を求めるように互いに口を話す。志貴の目の前で、シエルは酸欠と興奮で顔を真っ赤にしながら、とろんとした虚ろな瞳で荒く息を吐いた。口元の涎をふき取る余裕もない彼女の様子に、志貴の悪辣な部分がずきんと刺激される。
「先輩……胸、触ってもいいかな?」
「……あっ。……そ、その。好きに、してください……」
「はい」
そのまま雰囲気で押し倒せる所を、あえて相手に許可を取る志貴。呼びかけられて正気に返ったシエルは、ちょっと顔を逸らしながら、恥じらうように許可を出した。
これが可愛いんだよなあ、と志貴は微笑みながら、優しく彼女の胸に触れる。
アルクェイドとのそれとはまた違う感触。金髪の姫君のそれはどこまでもやわらかいマシュマロのようなもので、揉んでいると溶けてなくなってしまうのではないかと不安になるほどだが、シエルのそれはただ柔らかいだけでなく、ハリがあってモチモチとしている。肉体的にはまだ未熟な所があるせいか、胸の奥には少ししこりがある。それを迂闊に刺激して痛みを感じないように、志貴は繊細に、かつ大胆に彼女の胸を刺激した。ふにふにと揉んだり、軽く持ち上げたり。
「はぁ……んぅ……ああん……あぁ、ふぅ……」
「気持ちいい?」
「っ、え、ええ。優しい手つき、好きです……」
言葉とは裏腹に、右手の人差し指を口元にもっていく姿勢で愛撫を受け入れるシエルは、どことなく不満そうだ。ただ、好きというのもウソではない。
もともと彼女は、愛撫の前段階……優しい肌の触れ合いが好きだった。なんならセックスしなくとも、裸で抱き合って眠っているだけでも、満足を得られていた。彼女にとって快楽は重要ではなく、好きな相手との心の好感こそが大事だった。
それが変わっていったのがいつ頃だったか、シエルは覚えていない。己の胎の奥でぐつぐつと煮え立つ欲情の熱を吐き出すように、シエルは深く息を吐いた。
志貴は勿論、そんなシエルの体の事をよく分かっている。なんならば、本人以上に体の事を理解しているともいえるだろう。
にも関わらず、煮え切らない愛撫を繰り返しているのは、そうした方が後々に“燃える”からだ。
何事も下準備が大事。じっくりとろとろ、シエルを骨の髄まで快楽地獄に落とすには、入念な段取りが必要だ。そうでなければ、人並外れた精神力を持ち合わせた彼女は快楽に落ちない。
いや、まあ。最近は、ずいぶんヨワヨワになっている気もするが。
「じゃあ、ちょっと責め方を変えますね」
「い、いちいち、言わなくていいです……っ、あっ」
右手を引いて口を寄せる。許可を求められたシエルは思わず恨み言を口にするものの、その視線は近づいてくる志貴の口元に釘付けだ。優しく乳首を吸うと、たまらない、といった嬌声があがった。
そのまま左手で胸を揉みながら、口で乳首を吸ったり、あまがみしたり。指とは違う粘液の感触に、シエルが甘い声を上げて、きゅ、と自分の指を吸って堪える。
一見すると、ずいぶん感じているように見える。
「いい……あっ、んぅ……あ……」
シエルが快楽に耽溺しているのを見て、志貴はそっと空いた右手を彼女の股へと差し入れた。膝立ちになっていた彼女の脚は無意識にか開かれて、容易く志貴の指は蜜をこんこんと湧き出す秘所へともぐりこんだ。
「あぁあっ!? と、遠野君、そこ、はぁ……っ」
「めちゃめちゃ濡れてますね、先輩。ほらこれ、滴った愛液でシーツが真っ黒になってますよ」
「い、言わないで……」
指摘されて恥じらうように顔を逸らすシエル。そんな彼女の仕草とは裏腹に、秘所は愛液を垂れ流しながら、志貴の指へ美味そうに吸い付いてくる。
それにしても、とんでもない量の愛液である。ローションのボトルをひっくり返したようだ。
これは、ベッドに上がる前からずいぶん出来上がっていたな、と志貴は微笑んだ。
「あ、んぁっ」
「じゃあ、お待ちかねのこっちも加えて、可愛がってあげますね」
「おまちかねなんかじゃ、あっ、ぁああっ!!」
人差し指と中指を揃えて、ずぶずぶ沈めていく。胸元の志貴の頭に、ぎゅっと抱きしめるようにして縋り付いてくるシエルだが、その姿勢だと胸元への刺激からも逃れられないのがわかっているのだろうか。
志貴はそのまま、乳首を甘噛み、胸を揉みしだきながら、ずぶずぶと愛液を掻きだすように指を出入りさせた。
シエルの中の良い所は全部わかっているし、開発済みだ。入り口付近と、クリトリスの裏側にあるGスポット、自分の手で開発した彼女の性感帯を容赦なく刺激する。彼女の膣は完全に解れきっていて、男の指二本を受け入れるほど蕩けていながら、きゅうきゅうと強く締め上げてくる。
これに逸物をつっこんだらさぞ気持ちがいいだろうと理解しつつも、志貴はシエルを悶えさせる事に専念した。
「はっ、ああっ、んん……あっ! あぁ……と、遠野君……っ」
「気持ちいいですか、先輩? 後輩の指は」
「はっ、あっ! きょ、今日の遠野くん、あっ、いぢわるですぅ……ああっ!」
指から逃げるように腰を悶えさせるシエルだが、志貴はしっかりと芯を捉えて逃がさない。快楽を叩きつけながらも、適度に言葉をかけて耽溺する事を許さない志貴の態度に、シエルは泣き言を漏らして喘ぎ声をあげた。どうして素直に快楽に溺れさせてくれないの、と。
しかし言葉や態度とは裏腹に、シエルの熱はどんどんと上がっていく。まるで子供のように熱く火照る彼女の体温を感じながら、志貴はもう一押しかな、と冷徹に頃合いを見計らった。
ただ、シエルの理性を完全に飛ばすにはもう一押しが欲しい。彼女の記憶に消えない烙印として焼き付けて、思い返す度に恥辱と共に胎の奥を熱くするような体験をさせるには、もうひと手間いる。
その志貴の考えを見て取ったように、ベッドの上で金の獣がのそりと身を起こした。
「ふふ……シーエール」
「ぁあっ?!」
背後へとすらりと回り込んだアルクェイドが、背後からシエルを抱きしめた。むにゅん、と柔らかな胸が二人の間で潰されて変形するのが見える。
察した志貴がシエルの胸責めを中断する。顔を話すと、入れ替わるようにアルクェイドの繊手が背後からシエルの胸を下から持ち上げるように揉みしだいた。
「あぁ……んっ?! ちょ、ちょっと、アルクェイド?! 何のつもりで……?!」
「んー? 二人が絡み合ってるの見てたら、寂しくなっちゃった。私も混ぜて?」
「ま、混ぜてって……んあっ!? ちょ、アルクェイド、本気ですか!?」
艶めかしい手つきで、シエルの胸を揉み、さらに右手を秘所にもぐりこませてくる。その手つきの淫靡さと、もたらされる志貴とは違う快楽にぞくりと背を泡立たせながら、シエルはアルクェイドの動きを掣肘しようと手を重ねる。が、力の差はいかんともしがたく、アルクェイドはシエルの抵抗など無いように、繊細かつ大胆に、彼女の性感を探り出していく。
ついには、細い指先の秘所への侵入を許してしまう。
志貴の、男の人のそれとは違う、ほっそりとした、冷たい指先。熱く蕩ける膣内をひんやりとした指先でまさぐられて、シエルの喉から甲高い嬌声があがった。
「あ、あぁあ゛っ!? ま、まって、あぁ!? 私、そういう趣味は……あぁんっ!?」
「気にする必要はないでしょ? 私、人間じゃないんだし。男とか、女とか、あまり気にしないわよ? ふふっ」
「き、気にしてください……あぁっ! ちょ、なんで、そんな……あ゛ぅっ!?」
怪しく笑うアルクェイドに翻弄されるシエル。志貴はその様子を、今は距離を置いて見守っている。思わぬ展開にちょっと驚いたが、これはこれで目福だ。
シエルの方はたまったものではない。背後を完全にとられて、良いように嬲られる。屈辱で恥ずかしく……そして、どうしようもないほど気持ちがいい。密着するアルクェイドの体は、肌はつややかで柔らかく、逞しく傷だらけな志貴のそれとは全然違う。頭の片隅で、志貴が夢中になって私達の肌を撫でまわす訳ですね、とどこか他人事のようにシエルは思った。
「あ゛ぁあっ! あ……んあああっ! ぁあ゛っ!」
「ふふ。シエル、志貴の指とは違う、って思ったでしょ?」
「っ!? ち、ちが……んぅぅっ!」
膣の性感帯を指先で探られて、否定の言葉は嬌声に変わる。
「否定しなくていいわ、反応でわかるから。ふふ、志貴の見様見真似だけど、私もそう捨てたもんじゃないわね。女同士、どうすれば気持ちいいか分かるから……かな? ねえ、シエル。どうする? このまま、志貴の前ではしたなく乱れて、果てちゃおうか?」
「や、やあっ……み、見ないで、遠野君……あぁあっ!? あっ! だ、ダメ、来る、凄いのが来る……っ!」
シエルが切羽詰まった様子で息を荒げる。アルクェイドもはぁはぁと呼吸を乱し、頬を赤く上気させてシエルの柔肌を蹂躙する。
真祖の姫君と埋葬機関の代行者。ベッドの上での色事は、圧倒的に前者が有利なまま終焉を迎えた。
「や……あっ! ぁあああああっ!? 来るっ、ああ、くるぅっ!?」
「違うよ、先輩。こういう時、何て言うんだっけ?」
志貴が、意地悪に語り掛ける。快楽で思考がぱちぱち弾けつつあるシエルは、愛しい恋人の言葉に反射的に答えた。
「イ……イきます、イクッ! あぁああ、あああああああああああああああああっ!!」
甲高い嬌声を上げて、絶頂に達するシエル。びくびくと跳ねる体を、アルクェイドが背後から押さえつけた。
やがて喜悦の波が去り、シエルはぐったりと背後のアルクェイドへと寄りかかるように力尽きた。とろん、とした目はどこを見ているのか分からず、上気した肌は汗にてかっている。
「ふふ、気持ちよかった、シエル? でも駄目よ、これからが本番なんだから……ねぇ、志貴」
「あぁ」
ぎっ、とベッドを軋ませて、志貴がシエルににじり寄った。ぼぉ、と虚ろな視線を向けたシエルは、彼の股間で激しく反り返った逸物の威容に、ごくりと唾を飲んだ。期待に、絶頂を迎えたばかりの胎が強くうずく。
「あ……」
「はい、志貴。食べごろよ、召し上がれ」
身じろぎシエルを背後から抱いたまま、アルクェイドは彼女の股を無理やり開かせる。露になった彼女の秘所は、志貴とアルクェイドによって散々に弄り回され、グロテスクな花弁を満開に開いていた。ひくひくと脈動するように動く奥から、愛液が尽きることなくこんこんと湧き出しているのが見える。その上にある陰核は尖りきり、真っ赤に充血している。ぺろり、とアルクェイドがシエルの首筋を舌で舐め、その感触にシエルはぞくぞくと背を震わせた。
志貴がのしかかるようにシエルに覆いかぶさってくる。限界以上に反り返った逸物を握りしめて押し下げ、シエルの秘所へと切っ先の角度を合わせる。
その頃になってようやく、涅槃から意識が戻ってきたシエルが状況を理解する。途端に、彼女の第六感が危機を訴えた。
すっかり出来上がった躰。志貴とアルクェイドに挟まれた状態で、目の前の志貴は目つきが怖いし、背後のアルクェイドは巧みに自分の動きを抑え込んでいる。
つまり、何をされても抵抗できない。
「ま、まっ……ぁああ゛あ゛!?」
静止の言葉は、突きこまれた逸物によって喘ぎに変わった。どろどろに蕩け切ったシエルの女陰を、志貴の剛直が刺し貫く。思わず上に逃げようとしたシエルの腰は、アルクェイドが無慈悲に抑え込んだ。
「ひっ、あ゛っ!? あぁあ゛っ、まっ、あっ!」
「ふふ、だーめ、逃がさない」
シエルが逃げないように、アルクェイドが腰に腕を絡める。蜘蛛の巣に捕らわれた女体を、志貴は最奥まで貫いた。
指では決して届かない、奥の奥。子宮の入り口を、志貴の逸物がぐぅ、と押し上げた。
「あ……ぁああ゛っ!!」