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ユウちゃんは、相変わらずエッチな話が大好きだ。
「でね、でね、こないださ、鏡に映して見てみたんだよ」
一応休み時間の教室なので、コソコソと声は控えめで。
「そしたら……マジヤバイ感じになっててさー」
「へ、へぇー……そーなんだー……」
私も……まー……ネットで他の女の人のは見たことあるから、何となく想像はできる。できるからこそ、あまり自分で覗いてみたいとは思わないけど。
「でもせっかくだからー、って色んなとこを――」
ユウちゃんとは去年まで同じクラスだった。けど、今年は別になっている。私はともかくユウちゃんは明るいから、いまのクラスでも友だちいっぱいできたみたい。けど、こういう……エッチな話をできる相手はいないみたいで。
「クリトリスって知ってる? そこがフードみたいなのに――」
こっちの教室に来て私に話すことといえばもっぱらこんな話ばかりだ。
私の席は廊下側の一番後ろ。だから、そこから椅子をもう少し後ろにずらし、敷居を跨いで外のユウちゃんとお話している。出入り口を開いて向かい合ってるものだから、当然廊下も教室も人の流れは絶えない。そんな中、ユウちゃんは器用に周囲を窺いながら、時には声を抑えて、時には私の耳元で。
「――そこをヌルっとした感じで――」
そんなことを、息を吹きかけるように囁かれたものだから――
「……んっ♡」
ちょっとモジっとしちゃったけど……ユウちゃんは気づいてないみたい。
「でね、そこを自分で見ながらコニョコニョ~……って」
またオナニーの話題だ。最近はユウちゃんのマイブームになっているようで、どうやってシたとか、そんな話をやたらと振ってくる。
「それで気付いたんだけど、私ってこれまで、そのフードの部分をコネコネしてたみたい」
「ふ、ふーん……」
ユウちゃんは変なところでオープンというか、自分のオナニーが変じゃないかがすごく気になっているようだ。
「で、で、で……どんな感じでシてる?」
「えっ、私っ!?」
いつかは訊かれると思ってたけど……いきなりだったのでつい答えに窮してしまう。
「そーだよー。どんな感じでシてるのかなー、って」
ユウちゃんはニヤニヤしているけど。
「もっ、もー……そんな変なことシないってば」
なんてうそぶいてしまう。だからこそ、ユウちゃんの追撃は止まらない。
「またまた~、いまどきオナニーしない女子なんていないでしょ~」
そ、それはそうなんだけど……そう言っておかないと、どこまで踏み込まれるかわからないし……。
「前に教えてあげたじゃん。オナニーのやり方ー」
うん、私も自分で試してみて、これいいなー、って気に入ってしまったところはある。
それを意識し始めてしまったからこそ――
「ところでさー」
「うん?」
ユウちゃんはふいに申し訳なさそうな顔をして。
「もしかして、トイレ行きたかった?」
「えっ?」
「だって、ずっとモジモジしてるみたいだったから」
わっ、わっ、もしかして最初からバレてた!? けど……ユウちゃんがずっと変な話するから……腰止まんなくて……私、私……もう……っ!
「んっ、んんん……んんんんん……っ♡♡♡」
ヤバイ、ヤバイ……! アソコがきゅーってなって……お腹もヒクヒクして……止まんない……でも、抑えなきゃ……!
さすがに隠しきれなくて、ユウちゃんはいよいよ不安そうに。
「もしかして体調悪い? 保健委員呼ぶ?」
「保健委員……私……」
押し寄せてくるものが過ぎ去って――私はホッと一息つく。
「と、とにかく……私なら大丈夫だよ。トイレなら前の休み時間に行ってたし」
「そっかー」
私の調子が戻ったことで、ユウちゃんも安心してくれた。安心すると、ユウちゃんもすぐいつもの調子に戻ってくる。
「なら、今夜は元気にオナニーに挑戦してみない?」
「またそれぇ……?」
ホントにユウちゃん、私にオナニーさせたがる。それどころか。
「何なら、今度一緒に……シてみる?」
「え、えぇ……? それはちょっと……」
ユウちゃんがシてるとこ見ながらってのは……できるのかなぁ……?
けど、ユウちゃんの方はノリノリである。そんなこんなで、授業のチャイムが鳴ったところで。
「今度、オナニーしてるとこ、見せてもらうからねっ」
あ、そういうことならもう……とホッとした返事をする間もなく、ユウちゃんは隣の教室へ帰っていく。けど、突拍子もなく戻って来るから心臓に悪い。
「そうだそうだ、私、消しゴム借りに来たんだったよ」
「えっ!?」
本当にユウちゃんは突拍子もない。
「ほら、消しゴムふたつ持ってたでしょ。四角いのと丸いの」
「あ、あー……ごめーん、いま四角いのしかなくて」
と言いながらペンケースの中を開けて見せる。
「ちぇーっ、そっかー。仕方ないなぁ、他に余ってそうな人いないかなぁ……」
ブツブツ言いながら、ユウちゃんは今度こそ帰っていった。ごめんねユウちゃん。丸い方の消しゴムは――いま、私のパンツの中でヌルヌルになってると思うから。
***
先月くらいに、ユウちゃんからオナニーのやり方を教わって――ネットで見ていたエッチな写真、お姉さんたちがアソコに手を当てたポーズが多かったの、隠そうとしてるわりには隠れてなくて変なの、と思ってたけど……オナニーしてたんだなー、っていまさらながらしっくりきた。
それで、自分でも試してみたけど……ユウちゃんがハマるのも頷ける。アソコだけでなく、胸とか触っても気持ちいいんだよね。それで、しばらくは暇さえあればオナってたんだけど……
今日も、自宅の机に座って――明日の用意をかばんに詰めたところで、ふいに――ちょっとパジャマの上から触っていると――コンコン、というノックと共に開く扉。中からの返事を待つつもりはないらしい。
「ちょっと、まだ起きてるの」
「う、うんー……そろそろ寝ようと思ってたところー……」
夜の十時を過ぎたあたりで、お母さんが私の部屋へズカズカと入ってくる。そして、片付いた机の上をひと睨み。
「勉強してないんだったらそろそろ寝ておきなさい。寝不足だと授業に集中できないでしょっ!?」
「は、はぁい……」
なら、勉強さえしていればいくら起きててもいいってことなのかなぁ。
オナニーは関係ないけれど――関係ないと思いたいけれど――前の通知表で、私の成績はちょっと下がった。本当に、ひとつかふたつだけ。それでも、お母さんはすごく気にしていて――お母さん自身は気にしてないとは言ってるけど、明らかに小言は増えたし、こうして夜に様子を見に来ることも増えた。おかげで……う、うーん……夜、こっそり抜け出してたらバレちゃいそうで……。それどころか、オナニーの最中を見つかったら最悪だ。なので、そういうことさえなかなかできない。せっかくユウちゃんから気持ちいいことを教えてもらったのに。
普段はお母さんが家を空けてるタイミングを狙って……って感じだったけれど、最近そんな機会もなかったから。それでガマンできずに……今日は、ついに教室でこっそり……♡
最初はちょっと気持ちいいかも? くらいのつもりでパンツの中に仕込んだだけで――実際、授業中とかは消しゴムの存在感はあっても、そこまで感じなかったのに――ユウちゃんが変なこと言うもんだから、私もついもっと欲しくなっちゃって……♡
やっぱり私は、そういうギリギリな遊びが大好きだ。絶対バレないって緊張感がないのも盛り上がらないし、かといって完全にアウトなことを堂々とヤるのもやっぱり違う。多分バレないと思うけど、万が一バレたら――真横を保ったシーソーのような危なっかしさを楽しんでいたのに――最近のお母さんの様子から、自分の部屋でエッチなことをするのは無理、という方にスコンと傾いた。
そんな日々がしばらく続いていたものだから、今日のアレである。今回は誤魔化せたからよかったけど……ユウちゃん、私の様子がおかしいことには気づいてたみたいだし……次はアウトかも。これはもう、あんな危ないことはできないな、と反省する。
けど――家もダメ、学校もダメ――それじゃあ、私はどこでオナニーすればいいんだろ……?
***
朝起きると、食卓にはふたり分のご飯が乗っている。お父さんは早く仕事に出かけてしまっているから、これは私の分と、お母さんの分。だから、もうひとりのことには触れないようにしていたのに。
「……あんたはお姉ちゃんみたいになっちゃダメよ」
あー……やっぱり昨日も帰ってこなかったかー。お姉ちゃんは結構いいとこの学校に進学して、お母さんも喜んでいたのに――学年が変わったあたりから荒れ始めて、ここんところは数日に一回、深夜帯に帰って来る感じになっている。……それで、私の成績が下がったことを大袈裟に気にしているのかも。
「大学は、最低でもMARCHには行ってもらわないと……」
なんて気の早いことを私に押し付ける。お母さんがこんなだから、お姉ちゃんも家に帰りたがらなくなっちゃったんじゃないのかな。自分が行けなかった大学のことをお姉ちゃんに押し付けて、お姉ちゃんが怪しくなったら今度は私に。私はお母さんでもお姉ちゃんでもない。私は私だ。お母さんのことは好きだけど、こういうところだけはさすがにうんざりする。
***
授業中――今日は昨日みたいに変なことはしていない。けど、変な気分にはなっている。特に、こうしてみんなで黙々と答案に向かっていると。
今年の担任の先生は、何かあると小テストをやりたがる。これによって理解度が逐一数値化されてしまい、その度にお母さんの機嫌が乱高下。だから、私としてはあまり歓迎できない。
けれど――こうしてうまく問題と噛み合えば、さっと済ませることができる。それで、時間が空いてくれると――
「……♡」
あぁ……去年のことを思い出すなぁ。とある雨の日――私は授業中に、ちょっとだけ裸になったことがある。本当に偶然に偶然が重なって、ほんの少しだけ。あれは……気持ち良かったなぁ……♡
そんなことを思い出して。
「ん……ぁん……♪」
あのときはまだオナニーを知らなかったから、脱いだだけで満足してしまった。けどもし、知っていたら……
「は……あぁ……」
今日はさすがに……いまから脱いでいくってのは無理かな。真面目に解答している時間もあったし。だからせめて、こうしてパンツの上から――けど、それじゃ物足りなくなって、股布をずらして。
「ぅ、んん……はっ……あぁん……っ」
けれども、やっぱり物足りない。それは――去年のことがあるからかも。そのときと比べたら、私、服着てるし。
それに――さっきの休み時間にトイレ行ってなかったから。本気で気持ち良くなったら……おもらししちゃうかも、って。それで、自分でもちょっと手加減している気がする。
コツコツとペンを叩く音に掻き消されるくらいの煮えきらない吐息をこぼしながら、私は――私は――!
「んんんん……っ♡♡♡」
ビクビクっ、とお股からお腹の方へ一直線に緊張が走る。それが私の背中を丸めさせて――はぁ、はぁ……それでもやっぱり気持ちよくなっちゃうんだなぁ……♪
ちょうどそのとき――
ピーピーピー――
「はーい、終了ー。隣の人と交換してー」
卓上で鳴るのは先生の私物のアラーム。先生自身も何か授業とは別のお仕事をしていたようで、ふぅと一息ついてペンを置いた。
「えー、一問目から解説すると――」
私たちは先生の解説を聞きながら、隣の人の答案を採点していく。こうすることで先生の手間を省いているらしい。もちろん、ズルもいくらでもできるから、この小テストが成績に響くことはない、と先生は言っていた。けれど、お母さんは信用してくれなくて。
私は隣の山上君に答案を渡し、受け取ってもらってから山上君の答案を私が受け取る。左手一本で。ちょっともたついてしまったけれど……ごめんね、いま右手は、ベトベトになってるから。
***
授業が終わると――放課後に思いを馳せていた子たちは楽しそうに帰っていく。けれど、私はやっぱり気が重い。今日の小テストは満点だったから、今夜のお母さんの機嫌は良いだろう。けれど、もし次のテストで間違えたら――前は満点だったのに今回は――と言い出すに違いない。
そんなこと、いつまで繰り返すのかな――続けていくのかな――そう思うと足も鈍くなってくる。
下校の途中、家に帰りたくなくて小さな公園に立ち寄った。そこのベンチに座って――私はちょっと物思いに耽る。
私……毎日こんなに頑張って勉強してるのに、お母さんからは怒られてばっかり。こんなの……何のために勉強してるのかわからなくなってくる。
去年はもう少し穏やかだったのにな。お姉ちゃんもまだ毎日家にいたし。ユウちゃんともいつも教室で楽しくお喋りして。それで、露出狂の話を聞かせてくれて――
ああ、そうだった。あの頃はもっと――休日はノーパンのままお出かけしたりして――
ここは小さな公園で、水飲み場とブランコくらいしかないから遊びに来るような人も誰もいない。
だから――
座ったままスカートの裾から手を入れて――お尻を浮かせながらパンツを引っ張り下ろして――改めて誰もいないのを見計らって、かばんの中にさっとしまう。
……ふふっ、スースーして気持ちいい……♪ 誰もいない方へ向けて、足を開いてスカートをしっかりとめくり上げて――
お股のところを触ってみると――ひゃあ……ぬるぬる……。ユウちゃんは、触ってると濡れてくるって言ってた。アソコがエッチな気分になってきて。けど、私は触ってもないのに……すっかりエッチな気持ちになってたみたい。
「ん、ん……はぅん……」
公園の外の様子はとても気になる。夕方だから、人も車もちょくちょく通るし。けれども、アソコの指は止められない。いまなら誰か来てもすぐに隠すことができる。なのに……この程度じゃ物足りなくなって……!
……あ、奥の方の茂みのあたりなら……。私は敷地の隅の方へ小走りで――目当ての、葉っぱの多い木の裏側へ回り込む。そこからちらっと開けた方を覗いてみた。公園の中には誰もいないけど――前の通りをバイクが走っていく。でも、中に誰かが入ってくる気配はない。
だから、大急ぎでシャツを脱いで、スカートを下ろしたら中には何もないわけで。
「……あはっ♪」
裸になっちゃった。こんな、いつ誰が来るかわからないような公園の茂みの裏で。本当に、あの頃を思い出す。こうしてお外で裸になっていただけでドキドキしていたなぁ。……ううん、いまもドキドキはしてる。けど……もっとドキドキして、気持ちよくなれる方法を知ってるから。
「ん、ん……あぁん……♡」
割れ目の中はビチョビチョだから、それを掻き回してるだけで気持ちいい……! 乳首も……つまんだり、指先で転がしたり……あぁ……いい……いい……っ!
だったらもっと……もっと危ういところへ……! 私は心の中の私に促されて少しだけ広場の方へと出ようとするけれど――
「!」
向こうの方を買い物袋を持ったおばさんが通りがかったことで、私はびっくりして服の方へ引き返す。さすがに、この時間帯にこれ以上は無理かなぁ。けど、出てみたい……! 未練がましくガニ股でヨタヨタと行ったり戻ったりしていたけれど、その間もずっと指は動いていて。
「はぁ、はぁ……あっ、あぁ……っ」
これ以上は……さすがに……でも……っ、どうしよう……どうしよう……もう……っ!
ビクンッ!
「はうぅん♡♡♡」
ビクビクッ、ビクビク……っと――私は茂みから身体を出して、外から見える場所で――公園の外に、見せながら――
「はぁ、はぁ……」
車は一台通ったけれど、見つかったような様子はない。なので、すぐに茂みの陰に身を戻す。そして、その場でしゃがみ込むと、脱いだ服を抱きしめながら。
「ふぅ……ふふ、ふふふ……♪」
こんな危険なことをしたばかりなのに、胸から笑いがこみ上げてくる。それは、きっと――
チョロチョロチョロチョロ……
……えへへ、私、オシッコしちゃった♪ こんなところで、裸になって。
けれど――これが公園の真ん中だったらもっと気持ち良かったんだろうな――そんなワルイことを考えてしまうのだった。
***
家に帰りたくなくて回り道しているのか、遊べる場所を探し求めているのか――お姉ちゃんが酷すぎるからか、私の帰りが少々遅くてもお母さんはあまり気にしないようだ。
どっちにせよ、家では落ち着かないし――だったら、お外の方が気持ちいい♡
学校を出る前に、私はトイレで下着を脱いでから帰るようにしている。それで、歩きながらもさり気なく服の上から乳首を触ったり、スカートを捲って割れ目を触ったり――
「はぁ、はぁ……」
毎日違う道を通ることもあり、どのくらいの人とすれ違うかはその日による。今日みたいに誰もいないと……♡
「あぁっ、はぁんっ、んっ、ん……っ」
ついよろめいてしまって……イケないイケない。このままビクンてしちゃって、道端で気持ちよくなるのもいいけど……それは昨日もやったから。最近は人の少ない通りを見つけたからか、つい道路で最後までオナニーしてしまうことが増えている。
それもそれで好きなのだけど……今日は久々に……脱ぎたいな、なんて♪ それは、今日着てるのが比較的脱ぎやすいワンピースだからかもしれない。
あの、“お気に入り”のワンピースならもっと……なんだけど、同じ服ばっかり学校に着ていくわけにはいかないから。今日のワンピースは、もうちょっと普通の。シャツとスカートを別々に着る必要がないとはいえ、脱いだりかぶったりするのにちょっと時間がかかるのであんまり油断はできない。けど……けど……!
今日は、ずっと気になってた大きなマンションで。住んでいる人は当然多い。だけど、一斉に出てくることはないから。
この手のマンションはフロアの両端から上り下りできる構造が多い。片方にはエレベーター、もう片方には階段。だから私は階段の方から上がって……十二階と十三階の間に。低すぎると階段を使って上がってくる人がいるけど、最上階だと追い詰められるかもしれないから。
少し足が疲れるかな、と思っていたけど……これからのことが楽しみすぎて苦にならなかったみたい。よいしょと一枚脱いだだけで――
「あ……はぁ……♪」
廊下の柵は、目隠しで埋まってるところと埋まってないところが交互にあるタイプ。だから私は――あえて埋まってないスカスカのところへ。
「あは、あはっ、はぁん……♪」
こっちからは見通しいいけど、下から見上げても多分この角度ならわからない。こんな高い場所で街中を見渡しながら、私は胸と割れ目をクチュクチュし続ける。
「んっ、あんっ、はぁん……あぁんっ」
やっぱり少し足が疲れてたのか、私の腰がガクっと落ちた。けれど、指は止められなくて――膝立ちのまま、私は――
「んんん……あはぁ……っ♡」
ビクンッ、ビクンッ、ビクン……ッ!
はぁ……はぁ……すごい……私、またすごいことしちゃったあ……♪ 誰が来るかもわからない廊下で、裸になって……けど――自分の中で少し物足りなさは残ってる。それは、足下のワンピース――本当なら、階段に置き去りにしたまま、建物内を探検したかった。裸で、お股をいじりながら。けど――
――ガチャッ
突然扉が開く音に、私は自分の服を掴んですかさず階段へと駆け込んだ。そして、しゃがんで小さくなったまま必死にワンピースをかぶる。前とか後ろとか考える暇もなく。足音は当然エレベーターの方へ。それで、ほっと一息つく。
……はぁ、危なかったぁ。やっぱりこんな明るい時間じゃできることも限られる。
やっぱりあの頃のように人がいない時間に出歩けたらなぁ……。その日のために、“お気に入り”のワンピースは取っておこう――そんなことを考えていた。
***
オナニーしてすっきりできるからこそ、私は笑顔で家に帰れる。けれど、お母さんたちのいざこざがなくなるわけではない。
「そもそもアンタちゃんと学校行ってんの!?」
「出席日数は足りてるってば!」
あー……またふたりが言い合ってる……。その時間はだんだん遅くなっていて、布団の中でスマホを見たらもう日付は変わっていた。
「ったく、コスメなんて取りに戻らず買い直せば良かったわ」
「そんなくだらないことやってんの!?」
「くだらないってナニよ! 自分だって厚化粧のクセに!」
あちゃー……これはもうダメだ。ふたりの叫び声はもはや聞き取れず――もうちょっとして、玄関のドアが乱暴に開け閉めされた音だけが重く響いてきた。
そして、すぐに。
「あんたは……ちゃんと寝てるわね」
さっき起こされたけど。
「はぁ……あの子も姉として妹くらいちゃんとしてくれれば……」
ノックもなしに入ってきたお母さんは私の枕元でブツブツと小言を続けている。
「……あの調子なら、もっといい学校狙えたのに……」
そんなことを私に言われても困るのだけど。本人も独り言のつもりだろうけど。もしくは呪いの言葉か。
うんざりするほど愚痴をこぼした後――それでもこぼし終わらないまま、ずっとブツブツ言いながらお母さんは部屋から出ていった。
……もうイヤ。できることならいますぐ裸になって外に飛び出したいくらい。何かの拍子に戻ってこられたらマズイからできないけど。
こんな嵐のような日々も、少しは落ち着いてくれたら――そう願っていたのに、その翌週くらいのこと――
「こんな時間に帰ってくるとかナニ考えてんの!」
「顔合わせたくねーからこんな時間に帰ってきてるんでしょーが!」
そんな叫び声に目を覚ましたら……うわ、まだ朝五時にさえなってない……。ご近所様にも迷惑だよ。
いまはお姉ちゃんとやり合ってるけど、きっとしばらくしたらお姉ちゃんは出て行って、そのとばっちりで私がチクチク言われることになる……!
もう少し遅い時間だったら学校に逃げられるのに。……ううん、ちょっと早すぎるけど、深夜ってほど暗くもないから……!
それはもう、本当に勢い任せに。私はベッドから飛び起きてパジャマを脱ぐと――パンツまで脱いで――多分、いつかはやってみたい、とずっと心の奥で狙っていたことなのだと思う。いつでも着られるように出していた“お気に入り”のワンピースを――羽織るのではなく、学校に行くかばんにスマホと一緒に押し込んで――!
「毎日毎日遊び歩いて恥ずかしくないの!?」
「ヒステリックに大騒ぎするオトナよか恥ずかしくないわっ!」
ふたりの声はリビングでぶつかり合っている。だからいまのうちに、私は裸の背中にカバンを乗せると部屋を出て、玄関で靴を履いて――外の廊下に誰もいませんように……! って祈りながらドアノブを押し下げて……!
「……あ、あ、あぁ……♡」
空が……明るい……! 朝風が……気持ちいい……♪ それは、頬に……乳首に……そして、お股に……!
外に出て扉を閉めたことで、お母さんたちの言い争いはあまり聞こえなくなった。けど、お姉ちゃんが飛び出してくるのは時間の問題だろうから……!
私は全速力で階段の方へと逃げてゆき――そのまま一階へ向けて駆け下りて――もちろん、他の足音がないか耳を澄ませながら――マンションのフロントを突っ切って――!
「あ、あ、あ……あぁ……♡」
私……私……裸のままかばんだけ背負って……前からは胸も割れ目も見えちゃってるし、後ろからも……お尻、見えちゃってるかな……? こんなヤバイ格好のまま……私は……! ――一先ず、すぐ前のアパートの駐輪場へと駆け込む。一番奥のその先……物置の陰まで来れば普通は誰も来ないから。
そこで私は一息ついて――
「……あぁ……あはぁん……っ♡」
すごい……私、何も脱いでないのに胸に手を当てれば乳首が疼き、下腹部を撫でればぬるぬるに触れる。……だって、最初から脱ぐ服がないから……♡
「はっ、あ、あぁ……っ」
私……すごいことしちゃったなぁ……。裸のまま家から飛び出して、マンションからも飛び出して――ちょっとだけど道路も横切って――その間、私――私――!
胸から割れ目までスッポンポンなのに、かばんだけ背負ってるのが何だかおかしい。けど、脇を通るストラップの感触が、いまの自分の姿を思い出させてくれる。
「はぁっ、あっ、あ、あぁ……っ」
オナニーならもう何度もシてるから、このまま続けていたらどうなるか知っている。お腹がきゅーっと締まっていって……ふわっと解放されて……けど……いまそんなことになったら……朝起きて、トイレに行ってないから……。きっと、ふわっとしたとき、ガマンできないと思う……けど……前に教室でシてたときのような煮えきらなさはない。だって……ここ、お外だし……私、裸だし……!
強いていうなら、こんな狭いところでなく……大丈夫かな? 大丈夫だよね? アパートの外の方から誰か来ないかじーっと注意しつつ、それでも進む足は止められず、いじる指先も止められず……
……あぁ……わ、わ……私……せっかく隠れたのに、またアパートの前に……道路に出てきちゃって……なのに、せっかくなら、もっと……もっと道の真ん中まで……!
最後の仕上げ、といわんばかりに、私は両足を開いて立つ。アソコも胸も激しくいじり、そして――
「あはぁぁぁぁぁぁぁ……っ♡♡♡」
お腹がビクってなるのと同時に、私は両手をバンザイして――
ちゃあああああああ……
あああああ……私、私……っ。気持ち良すぎて、腰がガクッ、ガクッ、と震えている。その揺れに合わせて、オシッコも前に後ろに――
あぁ……立ったままなんて初めてなのに……しかもお外で……こんな目立つところで……!
けど、裸で良かった。内ももの方まで流れてしまったけど、濡れて困る服もないから。
「はぁ……はぁ……あぁ……」
やることをやったら、私は再び駐輪場の方へ逃げ込む。最初はここまで走ってきて、すぐに服を着るつもりだった。けどいまは……もう少し行けるんじゃないか……なんて思い始めてる。そんなのやりすぎだってわかっているのに――私には、それを止められそうになかった。
***
私は多分、ずっとこの日を待っていたのだろう。全裸登校――それを達成するにはどういう経路で――そうでなくとも、うちや学校の近所で隠れられそうな――脱げそうな場所は絶えず見繕ってきたから。日々の寄り道の中で。
道路に顔だけ出して、誰も来ないようならさーっと走って次の隠れ場所へ。短ければ数秒、長いときは数十秒――私はこの姿のまま、風を切って走り続けた。さすがに、オナニーしている余裕はない。けれど、したい気持ちは高まってきている。先ずは目標と考えていた――あの、公園へ――!
そこは、たまたまこの間考え事をしていたところ。人も来なそうな小ささだったので、私の記憶に残っていたらしい。そこへ着くと、私は――
「……ひゃっ、あぁ……」
水飲み場でおもらししてしまった内ももを洗い流す。不格好に、ガニ股で。
「ふふ……えへへ……♪」
その付け根には、ぷにぷにした割れ目が。私、足だけでなく、こんなところまで――
ドキドキする胸に手の平を重ねれば、その指は乳首に当たる。そしたらもう――ガマンできない――!
「あっ、はぁっ、あぁっ、やぁ……♪」
あのときは夕方だったから、あの葉っぱの裏から出ることは難しかった。けど、いまは――出るどころか、裸のまま入ってきて――!
考え事をしていたあのベンチ――あの日も本当は、ここに座って――
「ああああ……はぁぁぁぁぁ……っ!」
ビチャビチャビチャビチャってお汁が跳ねてるのが自分でもわかる。椅子に座って、足を上げて、ヒザを開いて、わざとお汁を飛ばすように――!
けど、それさえも物足りなくなって……私はカバンをベンチに下ろすと、軽い足取りで――
「ああああああああっ♪」
また出てきちゃった……道路に……! 遠くからでも、私の姿は見えてしまうかもしれない。けど、逆に――遠くからなら何もできないから――近づかれる前に、服を着てしまえばいいから――そんな安心感と、見られてしまうかもしれない危機感――それらが入り混じり、快感になって私のアソコから溢れ出してくる。
「あっ、あっ、あっ、ああああ……っ♡」
クリトリスだけでなくビラビラのところまで一気に掻き混ぜて――
「ふぁっ、ふぁっ、ふぁぁぁぁ……♪」
クる……クる……クる……っ! ふわっとした気持ちいいものが……!
「はぁぁぁぁぁぁぁっ♡♡♡」
ビクビクビクッ、ビクビクッ、ビクゥ……ッ
あまりの気持ちよさに、私はガクッと思わずヒザを突く。
「はぁ……ふふ……はぁ……♪」
さっきから、ずっとシたかったから……裸で走りながら、ずっと。自転車置場も良かったけど、やっぱりこういう見晴らしの良い場所が……一番楽しい♡
本当は急いで戻らなきゃいけないのに、立ち上がるのはゆっくりと。誰かが来るかもしれないけれど――いまは誰も来ていないから。
***
ここからは時間が経てば経つほど人も増えてきそう。だから、そろそろ――学校に入っておいた方がいい気がする。けれど、あとひとつだけ心残りなことがあって、もうちょっとだけ寄り道することにした。
それは、学校近くの大きなマンション――あの日は服を手元に置いておくしかなかった。けれど、さっきベンチに置いて道路でオナニーしたとき――シてみたい思いを抑えきれなくなってしまった。
例のマンションの下に着くと、私はかばんを地面に下ろしてしまう。私の唯一の服が入っているかばんを。
「はぁ、はぁ……ふふ♪」
背中にあったときでさえ、すぐに着ることは難しかった。なのに、地上階に置いたまま、私は二階へ、三階へ――!
離れれば離れるほどドキドキも増してくるのだけど……四階くらいまで来ると、ちょっと足が疲れてきた。今日はここまで何度も走ったし――オナニーもシちゃったからなぁ♡
うん、それなら――いっそのこと――!
このマンションには二度と来ないつもりで――正確には、露出プレイのためには。あとで問題になってないか気になっちゃうとは思うけど――私は五階フロアを横切って、エレベーターホールの方へ。
そしてそこで――上へのボタンを押して――!
ゴンドラは七階に止まっていたので、扉はすぐに開いてくれた。それに備えて、私は下を向き、左腕でしっかりと顔を隠しながら乗り込んで――右手で十階のボタンを押す。
「はぁ、はぁ……はぁ……っ♡」
エレベーターには絶対カメラついてるのに……! 顔は隠してるけど、身体は全然隠せてない。上からだから恥ずかしいところは見えないとはいえ、何も着てないのは見えちゃってるはず……!
そして何より……お願い、途中で誰も乗ってこないで……!
この時間なら上ろうとするより下りようとする人の方が普通だろうから、途中で下りようとしてる人がいても止まらないはず……けど、十階から下りようとしてる人がいたら……なのに、止められない――アソコの右手が止まってくれない……♡
「あっ、あっ、あぁっ、あぁんっ♪」
上からのカメラじゃアソコは映らない。けど、私が腰を突き出して、アソコをクチュクチュしてるところはわかるはず。
「はっ、はっ、あぁっ、あぁぁんっ♡」
箱の中なら少しは声が漏れても大丈夫――喉からあふれる熱い息を小さな箱の中で吐き続けて――
「はぁん……♪」
エレベーターの扉は開いた。幸い、誰かが待っていることはなかったし、閉じたあと動き出すこともない。だから私は今度こそ、隠すために上げていた腕を下ろして――その手を乳首のために――
「はぁぁぁぁぁぁぁ……♪」
私は廊下を歩く間、アソコからも乳首からも一切手を離すことができなかった。ずっと、ずっと、気持ちいいところに手を当てたまま――
「はぁ、あぁ、あぁん……あはぁ……っ」
オナニースポットは、もちろん開けている柵の方♪ 広い景色と建物の下を眺めながら――
……ああ、この時間でも意外と出歩いてる人、いるんだなぁ……。新聞配達でもないのに――そっか、犬の散歩かー。
それで私は思いつく。深夜に出歩くことは難しくなったけど、日の出直後なら――うちに飼い犬はいないけど、ジョギングってことにすれば――
「あぁっ、あぁ、はぁ、あぁ……♪」
しばらく難しいかな、と思っていた露出遊びが再開できると思うと胸の鼓動は高まってゆき、それに合わせて指の動きも――
「ああああああああっ♡♡♡」
ヒクヒクヒクヒクっ、ビクッ、ビク……ッ
今日、三度目ともなると……さすがに身体も重くなってるかも。けど、ここまで来て全裸登校失敗ー、なんてガッカリだし。ここから学校までの隠れ場所も、もちろん把握している。だからこの先は――ゴールまで一直線、かな。
――ちなみに、後日マンションの掲示板とか見に来たけど、特に警告とかは出てなかったから、多分バレなかったのだと思う。
***
さすがにここからはお遊びなしで。何しろ人通りも増えてきてたから。下りは階段でトントンと戻ってきて、かばんを回収して路上へ出るも――隠れ場所のつもりだったアパートとか、そっちからも人が出ないかも気をつけなきゃいけなくて。けど、どうにか私は学校まで辿り着いた。全裸で。
せっかくなら教室まで行きたいなー、と思っていたので――校門を乗り越えた私は、ちょっと新鮮な気持ちで敷地内をウロウロした後、体育倉庫の裏で待っていた。スマホなんかを見ながら。裸のままお外でスマホ――もちろん見るのは野外露出のエッチなページ♡ 私だってこの人たちと同じくらい――ううん、もっとすごいことしてるんだから――そんなことを考えていたら自然に指がアソコに吸い込まれていって――学校でオナニーしちゃいけません、って校則あったかな? なんて気になるほど、何度もオナニーしてるなぁ、私。
七時を過ぎた頃、中から担当の先生が昇降口の鍵を開けてくれたみたいで――ただ当番だから開けてるだけで、私のために、ってわけではないけれど――先生がいなくなったのをちゃんと確認してから、私は外履きから上履きへと履き替える。そこから上は何も着ていないのに、履き物だけ。それを思うと、またドキドキが抑えられなくて――こんな時間に他のコが来るはずないから――その場で――
やっぱり、裸っていいな、ってこういうとき思う。だって、触りたいときに、触りたいところが剥き出しになってくれてるから♡
こうして、私の全裸登校という大冒険は無事に終了した。これまでの道のりを思うと、早朝の教室で裸になってることなんて全然平気。むしろ、ギリギリまで着ていたくなくて、私は窓際の――秋本さんの席に勝手に座り、誰かが登校してくるのを待っていた。というか、見張っていた。そして、あの日のことを思い出す。いま、裸であることは……気持ちいいけど、そこまで不安はない。けど、あの日は――みんなが教室で授業している中――
そういえば、ちょうどその日の朝もこんな感じで曇っていたような気がする。それで、午後になって――
ふと、開かれた校門から入ってきたひとりの男子が校庭を横切り校舎の方へと向かってきているのが見えた。どのクラスかはわからないけれど――そろそろ、おしまい、かな。私はようやく自分の机へと着き、かばんからワンピースを取り出す。“お気に入り”の――前は五つのボタンで止める形で、肩紐で吊っていて――その一枚を羽織るけれど、私はその前を閉じない。それどころか、背中を滑らせて――ストン。
「……ふふ♪」
もう一度軽く羽織って――ストン。それはまるで――新たな挑戦に向けての練習のように。
***
教室に人が増えてくるまでは気にならなかったけど、みんなが登校してくると、急に意識し始めてしまう。私……この下に何も着てない……! こんな乳首にぷっくりされたら――コネコネするにはちょうどいいけど、ワンピースからちょんって見えてしまいそう。何より、パンツ――私、パンツ穿いてない――!
みんなの前でさえドキドキなのに、それが先生の前となると――!
「――で、先生は昼過ぎに出ちゃうから――」
先生は先生でも、朝一番に会うのは保険の先生。私、保健委員で、今日は当番だったから。
「保健室の方は昼休みだけ開けて……って大丈夫?」
「えっ!?」
「何だか体調悪そうだから」
「だっ、大丈夫ですっ!」
熱なんてみられようものなら――きっと私、熱くなってる。だって――先生の前でノーパンなんだから……♡
「うーん、とりあえず保健室の鍵は開けとくから、気分が悪くなったら自主的に休んでね」
「は、はい……ありがとうございます……」
こうして、朝の連絡事項は終わり、私は保健室を後にする。
そして、一日の授業が始まった――!
一時間目も――二時間目も――
「ん、ん……はぁ……♡」
私のお尻はずっと硬い椅子にペタリとくっついている。パンツも、スカートもなく、そのままに。その上、さっきの休み時間は、下のボタンふたつ、外したまま過ごしちゃった♪ うかつに動いたら、アソコがチラって覗いちゃいそうな危うさのまま。
そんな熱を帯びたまま、私は授業中なのに――
「んっ、んっ、あんん……♡♡♡」
はぁ……また……気持ちよくなっちゃった……。今日はもう、数え切れないほどオナニーしてるなぁ。だって、まともに服を着てないんだもん。学校までは裸だったし、いまでも裸に一枚だけだし。だから、消しゴムを仕込む必要さえない。こうして直接触り放題だ。
それでも、これはまだまだ本番じゃないんだな、って心のどこかでわかってる。私が待ち望んでるのはこんな程度じゃないって。
お昼休みの間も、私はずっとドキドキしていて――午後の授業が始まる前あたりから降り出した雨に、私は運命を感じていた。
先生の話を聞きながら開くボタンもついには四つ――自分の手で真ん中あたりを持っておかないと、机の上からでも肌色がチラチラしちゃう。
そんな中で――私は待っていた。服の中に手を入れて胸をいじりながら。少しだけ開いた足の付け根に指を差し入れながら。
そして、ついに――
「じゃー小テストやるぞー」
何となく予感はあった。雨で体育の授業がなくなってしまったので、代わりの授業を――先生にその用意がなさそうなことを。そしてそんなとき――とりあえず小テストでお茶を濁すんじゃないかと。
普段なら鬱々とする小テストだけど、今日ばかりは心待ちにしていて――だからこそ――
私の心はとっくに決まっていた。もし、小テストを行うようなら、私は――
あの日はドキドキしながらパンツを脱いでいったなぁ……。今日は脱ぐパンツさえないんだけど。お尻の下にスカートを敷いていたら、お股のぬるぬるでシミができちゃいそう。けど、これはこれで椅子から立ったときに糸引いちゃうかもね。
一度やり遂げているからこそ――そして、今日はずっとエッチな気分だったこと――だからこそ、私は迷うことなく――
「時間は二〇分なー。始めー」
先生の一声で――私の胸はパンと弾けた。もう、答案さえ目に入らない。みんなは試験のことで頭がいっぱいだろうけど、私は――
先生の号令でみんな一斉に答案に向かうので、私もこのときばかりは形だけ机に目を落とす。けど、私が気になるのは――胸……! だって、一番上のボタンしか留めてないから……! ちょっと前屈みになっただけで服と胸がふわっと離れ、広がった前から……覗けちゃいそう……!
私はすぐにペンを置き、空いた右手はその隙間に。左手は机の下の開いた方へ。
「ん、ん……んん……っ♡」
けれど、頭は動かさず、視線だけで――先生がまともに監督していたらカンニングを疑われていたかもしれない。けれど、これは先生自身の作業時間でもある。それこそ、自分でアラームをセットしないと時間を忘れてしまうほどの。
だから、私はすぐに最後のひとつのボタンも外して――
「はぁ……あぁ……っ♡」
肩紐二本だけで釣られた二枚の前身頃はテロンと傾き、先生の位置からなら気づかれてもおかしくない。けれど、気づかれない。先生は――いつも通り、自分のお仕事を始めているから。
だから――私は――
「ん、んん……あんっ、んんん……っ♡」
すごい……こんなの、おもらししちゃったみたい……。
私は机にうつ伏せになりながら、右だけ肩紐から腕を抜いて――廊下側だからみんなには気づかれてないと思う――けれど、これでもう――左手で支えてないと、背中の方までずり落ちちゃう状態で――!
「ん、ん、ん……っ」
乳首……アソコ……乳首……アソコ……! 右手ひとつじゃほしいところに全然足りない……!
少しだけ身体を起こして、私は先生の方を見る。相変わらず手元の資料に集中していて――その間に私は――左腕の肩紐も抜いてしまって――!
「はぁ、はぁ、はぁ……」
前も閉じてないから、いま、ワンピースは私の背中に頼りなく掛かっているだけ。こんな状況で、もし姿勢を戻してしまったらどうなるか――どうなるか――!
「はぁっ、はぁ……んっ、あぁん……っ」
それを想像しながら、私は、私を気持ちよくしていく。けれど――わかっているから。望んでいるから。それをシたら――少し、背中を伸ばしてあげるだけ。それだけのことで――スッとワンピースが少し下がった気がする。
「はぁ、はぁ、はぁ……っ」
やるなら、モタモタしない方がいい――だって、絶対にガマンできないから――
「はぁ……っ♡♡♡」
思わず声が出そうになってしまったけど、喉を鳴らさず大きな吐息にして誤魔化した。
お尻の後ろに落ちてしまったワンピース。
私が唯一着ていた服。
だからいまは、いまは――
「はぁっ、はぁっ、はぁっ、はぁ……っ♡」
二度目だからこそはっきりとわかる。私、いま……裸で椅子に座ってるんだって。授業中の教室で、裸で授業を受けてるんだって。
まるで全力疾走した直後かのような動悸。
呼吸の激しさだけで、隣の人に気づかれてしまいそう。
けれど、私は――
「んっ、んんっ、んん……んん……っ!」
夢中で……乳首を……アソコを……! 机でオナニーなら、ずっとシてた。けれど、それは服を着たままこっそりと。けれど、いまは――その服を脱いじゃって――授業中で――みんないるのに――なのに、また――裸になって――!
広げすぎた上履きが机の足からはみ出してる。安楽椅子にもたれかかるくらいに背中をのけぞらせて――
ピチャピチャ鳴っているのは外の雨ではなく私のアソコ――二本の指先で右の乳首を痛いくらいに摘んでギューっと引っ張って……!
こんなの――もう――こんなの――っ!
「んんんんんんん……ッッッ♡♡♡」
ビクビクビクビク……ッ! ビクビクビク……ッ!
お腹をヒクヒクさせながら――私は眺める。授業中の教室を。小テストに専念しているみんなの背中と、先生の頭を。
そして、見下ろす。自分の裸を。胸――乳首から、おへそ、股の間まで、何も身に着けていないお風呂前のような姿。
私、私……あぁ……私……っ!
お尻の方から急いでワンピースを引き上げ――けれど、オナニーの後の脱力感もあって――
「……ん? 大丈夫か?」
先生から声がかかったのは、ギリギリ肩紐に腕を通し終わったところ。机に突っ伏しながらこっそりボタンを――みっつくらい留めたところで、私はフラフラと身を起こした。
「す、すいません……体調が……」
まださっきの余韻が残ってるみたいで頭はクラクラ。何も知らない人から見たら、すっごく具合が悪そうだと思う。
そのおかげで。
「そうか、じゃあ保健室行って来い。保健委員は――」
「あ、私です……」
力なく立ち上がると……私はすぐ傍の扉を開けて廊下に出る。それ以上心配されることもなく、私は下り階段へと向かって――けれど、掃除用具のロッカーの前で、私はふいに足を止め――大丈夫だったよね? ボタン、下のふたつ留めてなかったけど。そしていまは――残りのみっつも――
少し振り返って、無人の廊下に向けて――するりとワンピースを落としてお尻を見せる。そして前には、乳首と割れ目を。
「はぁ……♡」
まだ授業中だから、雨音を伴奏に授業の声が入り混じっている。静かに染み渡る日常に耳を傾けながら、私はワンピースを拾い上げ――掃除用具のロッカーの上にひょいと置いた。
目の前の窓からは外を一望できる。暗い空と降り注ぐ雨。そして――あの日もそうだったな、と思い出す。窓の向こう側との間に薄っすらと反射する自分の胸――裸の乳首――けれど今日は、ちょっと下がると――何とかアソコまで映し出せた。
「はぁ……あぁ……♪」
この雨の中なら――おもらししてもバレないかな――? そんなことを考えながら、私は階段を下り始めていた。唯一の手荷物を置き去りにして。