ハインケル誕生日おめでとう!
ルグニカ王城・玉座の間
赤い絨毯が敷き詰められた広大な広間。
部屋の中央の一番奥、背後に竜を模した意匠が施された壁を背負い、一組の男女が周囲の者たちを見下ろす。
「お集りの皆様♥ あひっ♥♥ 本日は私♥
——従者と繋がりながら祝辞を述べる、
申し訳程度に花嫁のベール。
下着以下の面積の布地。
丸出しの恥部を淫紋とチェーンで飾った、生き恥ウエディング衣装。
後ろから突き上げられると、肥大しきった乳房がみっともなく甘く香る乳をまき散らす。
ピアッシングされた乳首もクリトリスも真っ赤に充血し、衆目の面前でビンビンに勃起している。
「ご存じの通り♥ 私、クルシュ・カルステンは♥ 王選を辞退いたします♥ あ゛うっ♥♥」
グチュッ!♥ グチュッ!♥ グチュッ!♥ グチュッ!♥♥♥
己の進退を宣言する彼女は腰砕けで、威厳も何もない。
快感のあまりプルプルの下半身は、後ろのフェリスに支えてもらわなければ、立っているのもやっと。
その割にチンポに犯してもらいやすいよう、上手に角度を調整するのだけは欠かさない。
どんな状況であれ屈服した雌のたしなみを守る、おりこうな淫売雌肉の姿を皆様にしっかりアピールする。
「最後まで私を支えて゛っ♥ くださった皆様には♥ 申し訳なく思い♥ ますが♥ 今後は私の代わりにエミリアさまぉ゛お゛っ♥ お支えいただければと♥ おもいま゛ひゅぅ゛♥♥♥♥」
嬉しそうにグラインドする結合部からは、濡れ濡れの名器で己の騎士のチンポにむしゃぶりつく音が部屋中に木霊する。
「加えて♥ 本日私は我が騎士♥ いえ、我が夫であるフェリックス・アーガイルとの婚姻を♥ 正式に宣言いたします゛っ゛♥♥」
パチュッ!♥♥ パチュッ!♥♥ パチュッ!♥♥ パチュッ!♥♥
悦に浸るまま、淫乱花嫁が宣言する。
その声に失意など微塵も感じず、あるのは玉座と衆目の狭間でする旦那様とのラブラブセックスの興奮のみ。
ぬぴゅ♥ にゅぷっ♥♥ ぐにゅちゅ♥ぢゅぷっ!♥♥♥
王選終了間際での、正気の沙汰とは思えない暴挙。
記憶を
「健やかなる時も♥ あ、お゛ぉ゛!♥♥ 病める、時もぉ♥ おごっ♥♥ 旦那様が望む、だけえ゛っ゛♥♥♥ んお゛ぉ゛!!♥♥♥ おちんぼハメてもら゛い゛…っ♥♥♥♥ 好きなだけっ!♥♥ あ゛っ♥♥ 精子コキ捨てで♥♥ んひぃ゛!♥♥♥ 頂くことを゛♥♥ 誓いまずうぅぅぅっ!!♥♥♥♥♥」
プシュウッッ!♥♥♥ プシュッ!♥♥♥
スピーチを終えた花嫁が、結婚宣言イキ潮を壇上から噴き漏らす。
シュバルツと『クルシュ』が約束した、最高の舞台。王国が変わるこの絶好の日に、彼と新しい門出を迎えられる。堕ちきった主従は今、至上の悦びの真っただ中であった。
「——♥♥ ——♥♥ ——♥♥ ——♥♥ ——♥♥」
「ありがとうございました♥ それでは以後、どうぞご歓談ください♥」
クルシュとフェリスの目下では、
パン!♥ パン!♥ パン!♥ パン!♥ パン!♥ パン!♥ パン!♥ パン!♥ パン!♥ パン!♥ パン!♥ パン!♥ パン!♥ パン!♥ パン!♥ パン!♥ パン!♥ パン!♥ パン!♥ パン!♥ パン!♥ パン!♥
——多くの男女が、狂ったように乱交に励んでいた。
誰もかれも、二人と同様に目を朱く輝かせて。
この公的な場で一糸たりとも纏わず、ひたすらに肉を叩きあう。
中にはメルティ、アナスタシア、プリシラ、アラキアも交合に参加している。皆一様に歓喜に湧き、クルシュたちと同じ気持ちを
「ん~、これじゃあ私たちの話なんて、耳に入ってなさそうですネえ」
「構わないとも。私にとってはこの幸い、お前とだけ味わえればそれで十分だ」
「やーん、フェリちゃん惚れ直しちゃう♥ それじゃあまた、クルシュ様の中にいーっぱい愛情注いじゃっても構いませんか?」
「ん♥ ふむ、我が夫の頼みならば仕方ないが…この後のことも忘れるなよ?」
フェリスにランジェリーと淫紋で猥褻に彩られた腹部をさすられながら、クルシュが優しく微笑む。了承を得た旦那チンポは、
ぶびゅりゅりゅ!!♥♥♥ どびゅるるるるる♥♥♥♥ びゅるるる♥♥♥ どぷっ♥♥ とぷっ♥♥
「あ゛う゛っ!♥♥♥ ぅ゛♥♥♥……まったく、こんな所で何の遠慮もなく出すとはな…♥ あとでお仕置きだ♥」
「だってぇ♥ 今のクルシュ様があんまりえっちすぎたからぁ♥」
結婚早々、フェリスがまた孕ませるかの如き勢いで射精する。
クルシュが記憶を取り戻した時、彼女の頭も体も、心の半分も発情しきりで戸惑ったものだ。
しかし、もう良いのだ。
「んっ♥ ちゅぱ♥ …あん♥ んう♥」
頭と首を後ろへ回し、下の口の後にはなったが、誓いの口づけを交わす。
フェリスが一緒に堕ちてくれるのであれば、この身、この心に従うまま、淫蕩に沈もうが構わない。
『クルシュ』と一つになった彼女は、罪深い今の自分を受け入れ、前へ進むと決めた。
今目の前にある幸せを、もう失わないように。
♢
地の刻・カルステン家別邸
「————そこまでだ」
刃の極致たる一閃が、別邸の屋根で権能を駆使していた『憤怒』の胴を両断する。
「ふ、ふっ。…ああ、なんて、規格外——」
内臓ごと、大罪司教『憤怒』シリウス・ロマネコンティの体が天地へ分かたれ、鮮血が屋根を染め上げた。
——その瞬間、王都中で乱痴気騒ぎに興じていた多数の王都民が。
——上半身と下半身を半分に裂かれ、死亡した。
まだ狂騒に染まっていない家族の前で。嬲り合い、抱き合いながら。方々より災害から避難してきた民もろとも。
裂ける。血が跳ねる。都市を朱く染める。
王都中に転がる民衆の亡骸に遺されたのは、あまりにも綺麗な切断面。それを可能とする使い手など、そうはいない。
『剣聖』ラインハルト・ヴァン・アストレアの唯一無二の剣閃による殺害の証拠が、王都ルグニカのそこかしこに並んだ。
「——————」
クルシュ・カルステンを中心とした、都市全土にかけた淫奔の狂気の伝染と感覚の共有化。それにより、人口三十万を超える大都市から喧騒が、命が奪われた。
続けざまに、剣聖の称号を血溜まりに沈めたラインハルト・アストレアの元へ、影が殺到する。
「っ!」
激突の衝撃で別館の天井に大穴が開き、館内へ落下したラインハルト。彼は館内の有様に驚愕を示す。
「これは……」
広間の壁と床を取り囲む封魔石。『嫉妬の魔女』さえ封印せしめる、マナの働きを著しく低下させる石のフィールドが、ラインハルトのマナ吸収を阻害する。
否。
ラインハルトが驚愕したのは——
「父上。——フェルト、様」
彼の目の前に並ぶ、裸体のハインケル・アストレア、ならびにフェルトの屍。彼らを殺傷せしめたのは、王都の民と同じ、見事な剣戟の跡だった。
「——————」
屋敷中から集まる足音。屋根の上から覗く襲撃者たちの影。使用人…が放つ気配ではない。生気を感じない、まるで人形のようだ。
「死者を…………こうも弄ぶのか」
広間の扉から出てきたのは、秘術と術者のマナで動く屍兵。
死した息子と、手にかけた孫の元へ舞い降りたのは、クルシュ・カルステンをここ二年護衛していた二振りの剣。
『剣鬼』ヴィルヘルム・ヴァン・アストレア。
先代『剣聖』テレシア・ヴァン・アストレア。
同じく、ラインハルトの頭上を塞ぐ屍兵。
『巌』マーコス・ギルダーク。
『最優の騎士』ユリウス・ユークリウス。
『不死王の秘蹟』。フェリスによって発動された禁術により、全盛期に迫る実力にて復活した彼らが、『剣聖』に対し
迫る家族と、知己による凶刃。ラインハルトの脳裏に、
『——王国のために尽くせ。家族を思うなら』
幼き日に彼の在り様を決定した、決して薄れることのない戒めがよぎる。
『剣聖』は負けない。
『剣聖』はただの死人相手に刃を鈍らせない。
『剣聖』は王国への忠義を示し続ける。
——『剣聖』ラインハルトは、大切な家族を想うほど『剣聖』に殉じる。
幼子のいたいけな想いが、彼を英雄にした。英雄の愚直なまでの在り方が、彼から家族を遠ざけた。当初の宿願を見失おうともラインハルトは変わらず、王国に尽くす『剣聖』で在り続けた。
では、
英雄に上りつめてしまった幼子の歪さが今、『傲慢』の手によって暴かれる。
♢
「俺だって、できればやりたかなかったよ。でもやっぱりラインハルトは、俺がキミに殺されるのを邪魔しちまう。ようやく怒りっぽいストーカー女から解放されて、最後は俺一人になったんだ。この舞台を邪魔されたくない。なら、こうするしか無いよな」
まあ、ちょっとした八つ当たりが含まれていない訳じゃないけれども。
「……ごめんなさい。あなたが何を言ってるのか、全然わからないの」
それでいい。君は何も、わからなくていい。変わらなくていい。
「ここまで苦労したんだぜ? こちとら『剣聖』サマと違って、何の才能もない凡人なもんでな。それでも、剣鬼の嫁取りって言うんだっけか? 努力すれば、できない事は何もない。俺は君のためなら、何だってできる」
魔女教に加担して、父親と王都内の大勢を虐殺したラインハルト・アストレア。アイツはもう、『剣聖』でも君の騎士でもない。民衆が、遺族がそれを許さない。
アイツがミドルネームを掲げることなど、もう二度とない。
元々、アイツの席を用意してやったのは俺だ。それをどうしようが、俺の勝手だよな?
『嫉妬』の大罪司教と共謀していた証拠も、どうせアストレア家から出てくる。
大丈夫。君は無関係なんだから。何も心配しなくていい。
「私のためって…私は、あなたのことなんて知らない! あなたが、私の何を知ってるって言うの!?」
————知ってるさ。
今着てるみすぼらしいジャージ姿の俺を、この世界に連れてこられた1周目の俺を助けてくれた銀色の髪を、アメジストの双眸を、銀鈴の声音を。どんなに過ってでも愛してやまなかった、君のことなら何でも知ってる。
だったら次は——俺を見ろ。
「俺は魔女教大罪司教、『傲慢』担当、ナツキ・スバル」
「——!?」
「国中に混乱をばらまいて、避難してきた民を殺すよう仕向けた張本人さ。そして、君は俺を討ち果たす。そうすりゃ四百年残り続けた恐怖を倒して、王国を救った英雄の誕生だ。完璧だろ?」
両手を広げて最期の時を待つ。
「狂人と言うほかないね。リア、さっさと片付けよう。君にはこの後も、やることがたくさんある」
「待って! 私まだ何も——!」
彼女の制止を待たず——氷の結晶が、胸の中心をすり抜けていく。
慣れ親しんだ死に近づく感触。それでも今回は、愛しのあの子が見送ってくれる。報酬は、それだけで十分だ。
『どうして』
『どうして』
『どうして』
魂が潰えるその時まで、エミリアは傍で囁いていてくれる。無垢で、純粋で、優しいあの時のままで。
なんて充実感。なんて幸福感。
アイツらにも教えてやりたいくらいだ。うまく、逃げてくれているだろうか。
ああ、でも、最後にこれだけは――。
「――愛してる」
♦
リーファウス平原・竜車内
三年の王選が終了。龍の巫女の名はエミリア。
南の帝国は衰退し、西の都市国家は紛糾し、北の聖王国は崩落した。その代わり竜の盟約は継続し、世界から脅威は消えた。これからは東の王国が、魔女の脅威を打ち払った最新の勇者が世界をリードしていくことだろう。
「お体には慣れましたかネ?」
「マナの扱いにはまだ不便するが、生活する分には支障はない。慣らしも焦る必要はないだろう。なにせ時間は、沢山あるのだからな」
屍人クルシュ・カルステンと、術者フェリックス・アーガイルが隣り合わせに語らう。その顔は安らぎに満ち、懊悩も痛痒もみられない。
もはや別の存在と言えるレベルで異なるクルシュと『クルシュ』。統合したところで、元に戻る訳ではなかった。
それでも、どれだけ彼女が変わり、罪業に塗れようとも。
――フェリスと共に在りたい。
公爵家当主でも、王選候補でも、肉奴隷でも無くなったクルシュの結論。これだけは満場一致、変わることは無かった。
「殿下には、いつか謝りに行かねばな」
「もちろんお供しますよ。三人一緒でなきゃ、殿下が泣いちゃいますからネ」
幸い王選の終結をもって、今までの世は終わる。
あの傲慢で非人間的な男と奇術師の差配によって龍は死に、歪な王国の在り方は終わりを告げる。いずれまた、獅子の時代が来ることもあるだろう。
「クルシュ様。心の底から、愛してます」
「ああ。私もだ」
最期のその時まで、二人は愛し合い続けた。
クルシュ様のウエディング姿を見た時から、こうしたいと考えておりました。屍人ユリウスがアナスタシア犯す話書いてる途中に軌道修正できて良かった。ストーリーのためにえっちパート削ったので、時間があれば番外編でただえっちなのが書きたい。
〇リューズ・オメガ
エキドナの魂を転写した存在。調教計画の責任者。原初の願いを見失った、『強欲』の成れの果て。獣護輪の少女と彼女の親友、夢幻術師や牧師と出会っていないため、本作では自己を完全にエキドナと認知。契約はしていないがシュバルツに尻尾を振る。原作よりテンション高い。王選終了時期に合わせ、エキドナは本来の力を完全に取り戻す。さらに手元には宿主を失った魔女因子。もしかしたら天上の観覧者もびっくりなトリックスターの活躍が見れるかもしれない。
〇『影獅子』ギルティラウ
フェリスとオメガのおかげで人材豊富なので出番なし。