残業中ひとりエッチをしていたアリナと、それを偶然見てしまったジェイドが、シちゃうお話です。(´艸`*)

1 / 1







明日こそは絶対に残業したくないので、今夜はできるだけ仕事を進めておこうと思います

――なんか、モヤモヤする……

連日の残業で、家に帰ってもお風呂に入って寝るだけの生活が続いている。

毎日疲れ果てて、他に何かをする時間と、したいと思う心の余裕がない。

「……あのクソ上司め!」

こんなに残業が続いているのになんの対策もしてくれないカウンター長に毒づきながら、机に乗せきれずに床にまで山のように積まれた書類に囲まれて、ただひたすら目の前の仕事をこなしていく。

どんなに頑張っても仕事は減らず、むしろ増える一方だ。

 

一秒でも早く残業を終わらせたくて、夕食も摂らずにポーションを何本も使ったのがよくなかったのだと思う。

さっきからお腹の奥がカアッと熱く、頭も目も冴えているのに集中できず、ペンを握る手と書面を追う目が仕事を受け付けてくれない。

「ダメだぁ……」

机に突っ伏し、書類の山を見上げる。

いっそ仮眠を取ろうかとも考えたが、ポーションのせいで眠気もなかった。

――これは気分転換が必要かも……

「……………」

ギルド内は明かりを落とされ、残っているのは私しかいない。

「よし、ちょっとだけ、気晴らしするかな」

声に出して自分を鼓舞し、椅子に根を張っていた重い腰を上げた。

 

 

 

――アリナさん、喜んでくれるかな……

評判の店のサンドイッチと飲み物の差し入れを抱え、ギルドの薄暗い廊下を進む。静かだ。

たまたまイフールカウンターの前を通りかかり、遅くなっても小さく灯る部屋の明かりを見てアリナさんが残業していると確信し、大急ぎで店で軽食を購入して応援に駆け付けた。

手伝おうかと言っても断られていた以前と違い、追い返されたりはしないはずだ。

いつも怒られてばかりだが、今夜は差し入れも用意したし、彼女もきっと笑顔になってくれる――と、思いたい。

 

手が塞がっていたのがいけなかった。

僅かに開いていた扉から漏れる明かりでいつもの部屋に彼女がいると分かり、ドアノブを握らず身体で押して開けようとして、部屋の中から漏れる声に気が付いた。

――あれ? 話し声?

思わず息を殺して耳を澄ますと、聞こえてくるのは会話ではなくすすり泣く声だった。

――アリナさん、もしかして残業がつら過ぎて、泣いているのか!?

さすがにここは無神経に入っていく訳にはいかないと、少しだけ扉の隙間を広げて中の様子を窺う。

「!!?」

目にしてしまった光景に、驚きのあまり、抱えていた差し入れの包みを取り落としそうになった。

 

「ん♡……んっ………ん♡」

 

椅子に浅く腰かけたアリナさんが、脚を開いてスカートの中をまさぐっている。

足首には片脚だけ抜かれた下着が引っかかり、微かにクチクチと水っぽい音がした。

それまで乳房を弄っていたのだろう、ブラウスの胸元がはだけて柔らかそうな乳房の曲線が覗いている。

悩まし気な表情から漏れる喘ぎ声が、静かな部屋に響く。

 

――アリナさんが――自慰をしている!?

 

ドクン、と身体中の血が沸き立ち、下半身へと流れ込んでいくのを感じた。

見てはいけないと理性が叫んでいるのに、目が離せない。

 

「制服……汚れちゃう……」

呟いたアリナさんがスカートの裾を口に咥えた。

明かりに照らされ、アリナさんの秘部が露わになる。

トロトロに濡れて座面にまで愛液が垂れ、指を根元まで突き立てて身体を慰める姿に、耳鳴りがするほど頭がクラクラした。

ズキズキと痛み出した下半身を見下ろすと、ズボンを突き破らんばかりに勃起してしまっている。

そっと差し入れの包みを足元に置き、なんとか鎮めようと手で押さえたが、アリナさんのくぐもった喘ぎとしどけない姿を前に、とても治まりそうにない。

――すまない、アリナさん……

俺は小さく息を吐いて、ズボンの前を開けた――。

 

 

 

――イケない……

疲れているせいか濡れてはいるけれど絶頂までに至らないひとりエッチに、余計に身体は悶々としてしまう。

指だけでは物足りず、何か挿入できるものが欲しいと辺りを見回しながら指に絡まる愛液を舐め取っていると、廊下から微かな物音がした気がした。

「……?」

扉に近づき、知らぬ間に開いていた隙間から廊下を覗いて、そこにいた息を乱した人物に心臓が飛び出してしまいそうに驚く。

 

「え!? ジェイド!? なんで!? いつからそこに!?」 

 

「ア、アリナさん!? これは、その――!」

慌てて隠そうとする下半身を無理矢理覗き込むと、前を開けたズボンからそそり勃つ陰茎とハンカチが見えた。それと、鼻を突く独特の匂い。

「なんで盗み見ながらあんたまでひとりエッチしてんのよ!?」

「すまない! アリナさんがいやらし過ぎて、我慢できなかった」

「バカ! 変態!」

「そんな事言ったって、好きなひとがこんなところでそんな恰好でシているのを見たら、誰だって我慢できる訳ないだろう!?」

「なに逆ギレしてんのよ!?」

 

ブラウスの胸元のボタンを留めながら、ちらりとジェイドの下半身に目をやる。

出したはずなのに萎えず、バキバキに反り返ったままの陰茎を見てゾクゾクッと背筋に震えが走った。思わず、ゴクンと唾を飲んでしまう。

「へ、へぇー…、悪くないじゃない」

なんとか平静を装ってから、グイッとジェイドの襟元を掴んで引き寄せ、睨みつける。

「……いい? あんたは何も見なかった」

「あ、ああ! もちろんだ! 俺は何も見ていない!」

「じゃあそこのソファで仰向けに寝て」

「へ……?」

「あんた、その状態で外を出歩く気? 捕まるわよ! 明日の新聞の見出しはこうね! “イフールきっての精鋭パーティ『白銀の剣』のリーダー ジェイド・スクレイド、公然わいせつ罪で逮捕される!”」

「わあああ! 分かりました! 寝転がらさせていただきます!!」

ジェイドは勢いに押されたようにソファに仰向けになった。

 

「それで、ここから俺はどうすれば――…」

ジェイドは戸惑いながらこちらを見上げる。私の視線が恥ずかしいのか、ヒク、ヒク、と陰茎が反応していた。

「勃ててて」

「は?」

「勃てててって言ったの! あんたはただ! そこで! 勃ててて!!」

「はいぃっ!」

 

 

 

「…………んっ♡」

――アリナさんが自分で腰を振って、俺のモノに擦りつけてる……

アリナさんから甘く漏れる声を聞きながら、降って湧いた幸運に“俺は明日死ぬんだろうか? ”などと考えてしまう。

ウエストにスカートの裾を挟んでいやらしい部分が見え、ぬるぬるとした柔らかな肉の感触が擦りつけられる度に熱い愛液が溢れて絡みついてきて、漏らしてしまったように濡らして伝っていく。

 

どうしてこんな事になっているのか自分でもよく分からないが、好きなひとから誘われた以上、男として頑張るだけだ。――というか、俺の男の部分しか必要とされていない気がする。

――いや、ここで俺とアリナさんの相性がいい事を証明できれば、そこから二人の仲が進展する可能性も――…

それでいいのかという葛藤は捨て置き、とにかくこれはチャンスなのだと自分に言い聞かせる。

まずは手を繋いで、抱き締めて、キスをして、というステップをすっ飛ばしているのが気になるが――あ、いや、でも、百年祭で手は繋いだし、魔神シルハと戦った時には胸当て越しだったけど抱き締めたし、飲みかけのポーションで間接キスもした。

 

――そうだ、そうだよ。ちゃんと段階は踏んでるじゃないか! これは素直になれないアリナさんの、精一杯のアプローチなのかも……!

 

例え、アリナさんが疲れ過ぎで判断力が落ちていて、おかしなスイッチが入ってしまっているのだとしても、俺は全てを受け止める。責任だって取る。絶対に彼女に恥をかかせたりなんてしない。この一時だけでも仕事を忘れて、ひとりの女性として生きている悦びを感じさせてあげられるのなら、俺はできる限りの手助けをするだけだ。

 

 

 

――なんで私、相手がジェイドなのにこんなに濡れちゃってるんだろ……

ジェイドに跨り、硬く勃起した陰茎に性器が擦れる度、今まで感じた事がないほどゾクゾクと背筋に甘い痺れが走る。

こんな奴を相手にこんなにも発情してしまっておかしいと自覚があるのに、気持ちよ過ぎて腰が止められない。

――弱み、握られちゃうかも……

そう思いながらも“ジェイドなら大丈夫”とどこか信頼している自分に気付かないふりをする。

お腹の奥がズクンズクンと脈打つように痛いくらい疼き、もう我慢できなかった。

「……膣内に出したら、絶対に許さないからね」

「う、うん」

腰を上げると、愛液が幾筋も糸を引いて落ちていく。

身体を少しずらして位置を調整し、パンパンに膨れ上がった陰茎をゆっくりと挿入した。

「……っ♡ ――っあぁ♡」

――太っ――硬ぁっ――!

ミチミチと押し広げながら身体の中に入ってくる硬い肉棒の太さに、ブルルッと震える。

「凄、い――中、全部当たる――…♡」

挿入しただけで、イキそうになってしまう。

――こいつ、無害そうな顔してなんでこんなに立派なの!?

「アリナさんの中、うねり凄っ――」

ジェイドが耐えるようにグッと歯を食いしばった。

少しして膣が馴染むと、ゆっくりと上下に腰を打ち付け始める。

「……アリナさん」

ジェイドが手を差し出した。

「何?」

「動きづらそうだから、掴まって」

「……あんたにしては気が利くじゃない」

手の平を上に向けて差し出された手を取ろうとして、ちょっと掴みづらいな、と思う。

「手、こっちに向けて。このままだと掴まりづらい」

「え? あ、こう?」

手首を返すジェイドの手を取り、指を絡めて繋いだ。

――あれ? この繋ぎ方って――

気付くと同時に、「アリナさんと恋人繋ぎ……」と嬉しそうにジェイドが呟き、慌てて遮る。

「これは関節の角度と可動域の都合であって、断じて恋人繋ぎじゃないわ!」

「そ、そうだよな! 変な事言ってすまない!」

 

腰を落とすと押し広げられる充足感に膣が痙攣しながら肉棒を包み込み、腰を浮かせるとそのまま膣壁が持っていかれそうになるほどみっちりと絡みついていく。

「ヤバ……めっちゃ気持ちいい……♡」

本当に気持ちいい時にだけ出てくるドロドロとした愛液が奥から溢れてくるのが、自分でも分かる。だけど。

なぜか、もう少しのところから先へ行けない。

――イイ、のに……

苦しそうに喘ぐジェイドを見ながら腰を打ち付け、昇り詰めきれないもどかしさにおかしくなりそうだ。

――あとちょっとなのに――…

「……ジェイド」

「ん? アリナさん?」

「ジェイドぉ……」

 

 

 

突然、アリナさんがポロポロと涙をこぼし始めた。

「わあ!? 泣かないで、アリナさん! なになに? どうしたの!?」

「……ないの……」

「え?」

「イケないの! ――イキたいのに、どうしてもイケないの!」

ああ、と納得してしまった。それはたぶん――…

「――ごめんな、相手が俺じゃ駄目だよな」

寂しい気持ちを押し殺して謝ると、意外な事に彼女は首を横に振った。

「違う、そうじゃない! そういうんじゃなくて……」

原因が俺じゃないのだとすれば、疲れ過ぎているせいか、あるいは――。

「……あのさ、アリナさん。ちょっとだけ俺を信じて、身を任せてみてくれないか」

 

 

向き合ったアリナさんの脚を身体ごと抱え上げる。

「やだやだ! この格好、いやでもあんたに抱きつかないといけないじゃない!」

「うん、危ないから、しっかり俺に掴まって」

持ち上げられて脚が浮いてしまい、逃げられない体勢。

どんなにいやでも相手を抱き締めないと落ちてしまう不安定な体位。

 

もしかしたら、ここが仕事場なのが無意識に心にブレーキをかけているんじゃないかと思い、ちょっと無理矢理っぽいいやらしいシチュエーションを演出してみたつもりだ。

 

「……ジェイド、重くない?」

心配そうに聞くアリナさんに笑って答える。

「全然! いつも持ってる盾よりも全然軽いよ」

「そう……」

思った以上に身体が密着し、服越しに感じる柔らかな胸の圧迫感に、百年祭の時、たくさん食べるアリナさんを見て“この細い体のどこに食べたものがいくのだろう”と驚いた事を思い出す。

――胸だな。あと太もも

「なんか失礼な事、考えてない?」

さすがというべきか、鋭く察したアリナさんが少し身体を離して睨んでくる。

「うん、アリナさんの魅力について、考えてた」

「バカじゃないの?」

一蹴したアリナさんが、再びしっかりと首に腕を回して抱きつき、耳元で切なそうに囁く。

「バカジェイド……いいから早く挿れてよ……」

「お、おう」

 

 

 

抽送のたび体重がかかり、ジェイドの陰茎が奥深くまで入ってくる。

「凄い! 凄いの! 深い! 深いぃ♡」

逞しい腕に抱えられ、逃げられない体勢で跳ね上げるように抽送されると、子宮が容赦なく突き上げられる。

ボチュッ、ジュポッ、とジェイドの股間に打ち付けられる卑猥な音が、事務所に響く。

「っあぁ♡ いい♡ いいのっ、ジェイドぉ♡」

普段は絶対に聞かせられない声を上げ、ジェイドにされるがままになっている自分に興奮してしまっていた。

「可愛い! 滅茶苦茶可愛いよ、アリナさん!」

息を乱したジェイドが嬉しそうに腰を突き上げる。

ぐちゃぐちゃに濡れて膣内を満たされ擦られて、頭も腰も痺れてただ快楽に身を任せる。

「あっ♡ ……んあっ♡ ……あぁッ♡」

亀頭が子宮口に嵌る度、漏れてしまう声を抑えられない。

――ヤバい♡ これ、すぐイッちゃう!

こちらの昂りを感じ取ったのか、ジェイドが切なく懇願した。

「ね、アリナさん。俺がちゃんと支えているから、さっきみたいに顔を見せて。イク時は俺と目を合わせてイッて」

「や――恥ずかしい」

「駄目?」

「だってそんなの、恋人みたい……」

ジェイドは慌てたように否定する。

「あ、いや! ちゃんと分かっているから! 俺の事は男――というかオスの部分しか必要とされていないって」

言われた瞬間、そんな事ないと思った。

こんなところでひとりエッチしていた私が悪いのに、ジェイドをただのディルド扱いしたのに、それでもジェイドは怒りもせずに私を受け入れて、受け止めて、どうしたら私が気持ちよくなれるかまで考えてくれている。

それはあまりにいつもの事で、そんなジェイドに心のどこかで甘えている自分にも気付いていた。

「バカ……バカジェイド」

 

 

 

アリナさんは口を尖らせ、小声で言った。

「……私だって……誰でもいい訳じゃないんだから……」

一瞬、聞き間違いかと思った。

――誰でもいい訳じゃない? それは――俺だから許してくれたって事なのか?

「アリナさん!? もう一回! もう一回、言って!」

「やだ。言わない」

「お願いだ、アリナさん。もう一回だけ―― 一度でいいから――…」

懇願する俺に根負けしたようにアリナさんは、「しょうがないなぁ……」と溜め息を吐いた。

「あんたならギリギリ、本当にギリギリで! いいって言ったの! もう二度と言わないからね!」

「アリナさん!」

――あのアリナさんが、いつも俺にクソとかむかつくとか消えろとか言っているアリナさんが、俺だから“いい”って言ってくれた――!!

湧き上がった喜びが身体中に満ちて溢れ、衝動に任せて彼女を激しく突き上げる。

 

「俺、本当にアリナさんが好きだ! 初めてダンジョンで君の姿を見た時から、どうしようもないほど惹かれてた! 不機嫌な顔だって怒った顔だって好きだ。アリナさんの事を知る度にどんどん好きになって、アリナさんに出会えたおかげでもっと強くならなきゃって思えたんだ!」

 

 

 

子宮を突かれながら耳元で愛を告げられて、言葉が頭の奥に染み込んでくる。

――ズルい、ズルい! こんな――こんなの、好きになっちゃう……!

「突いて、ジェイド! もっと突いて! 奥、いっぱい突いてっ♡」

「ああ、アリナさんが望むだけ突いてあげるからな」

ジェイドの言葉で心が満たされたせいか、急激に絶頂へと昇り詰めていった。チカチカと目の奥に星が瞬き、頭の芯が痺れていく。

「ジェイド♡ ジェイドぉ♡ イッちゃう♡ もうイッちゃうっ!」

「ごめん、アリナさんの中、良過ぎて……俺ももう、ヤバい――っ」

「あああぁぁあぁッ♡♡♡」

イッた直後、ジェイドは私を持ち上げ、陰茎を抜いた。

ジェイドもほとんど同時にイッたらしく、「ウグッ!」と息を詰めてから、大きく喘いでいる。

フー、フーと息を乱したまま、ジェイドは私をゆっくりと床に下した。

「大、丈夫……中には出してない、から……」

「ん」

分かってる。ジェイドなら約束は絶対に守ってくれる。

そんな事を思いながらぼんやりと周りを見て、カッと目を見開いた。

「ちょっとやだ、ジェイド! 書類に精液が掛かっちゃってるじゃない!!」

「え!? あ、すまない!」

二人で慌てて書類に飛び散った精液を拭き取りながら、こっそり笑ってしまう。

――ちょっといいところを見せても、最後まで決まらないんだから……

まったくジェイドらしいと思っていると、不意に廊下から足音がした。

 

「「!!?」」

 

コツ、コツとヒールの音が近づいてきて、二人で顔を見合わせる。

「ちょっ!? 誰か来た!!」

「こんな時間に誰が!?」

スカートを下ろせばいつもと変わらない私と違って、ジェイドはベルトを外してズボンの前を開けたままだったので足音の主が扉に現れるまで衣類の乱れを整えられない。咄嗟に私は椅子を引いた。

「早く! 机の下に隠れて!」

ジェイドの隠れた机下が見えないように急いで椅子に座ったのと、扉が開かれたのは同時だった。

 

「せーんぱい♡ お疲れ様です!」

 

「ライラ!? どうしたの、こんな時間に?」

「友達とご飯食べにいった帰りに、たまたまここの前を通りかかったら奥に明かりが見えたので、絶対先輩がまだ残業してるって思ったんです――ん?」

スン、とライラが鼻を鳴らす。

「どうかした?」

「なんか――変な匂いが――…」

「へ、変な匂いって?」

「苦いような、生臭いような――?」

「あ、えっと、それは――そ、そう! さっきおろしたインク瓶が古かったみたいで、中身が傷んでいたの!」

「ああ~。ありますよね、同じ在庫のはずなのにハズレを引いちゃう事」

うんうん、と頷くライラに、“素直な後輩でよかった”と上手く誤魔化せた事に安堵していると、突然机下のジェイドに膝を開かれた。

「!?」

スカートの中で熱い息遣いがして、イッたばかりの敏感な秘部を、ぬるる、と舐め回される。

「……ヒッ!?」

ライラが不思議そうな顔をした。

「先輩? どうかしました?」

「な、なんでもないわ!」

――何してんの!? 人がいるのに!

愛液を舐め取る舌の感触にゾクゾクッと震えてしまうのを必死に抑え、いつもの表情を作ろうとしていると、ふと、ライラが入り口の床に視線を落とす。

「アリナ先輩、もしかしてジェイド様、来ました?」

「いや!? 来てないけど!」

「なんで食い気味なんですか……」

ライラはちょっと屈んで何かを持ち上げた。

「扉のところに置いてありましたよ。ジェイド様の差し入れじゃないですか?」

こちらに持ってきて包みを覗いたライラは、「サンドイッチと飲み物ですね」と中身を机に置く。

「別にあいつのって決まった訳ではないでしょ」

「何言ってるんですか、アリナ先輩!」

ライラは拳を握って力説した。

 

「他に誰がいるっていうんですか! いっつも、残業している先輩を心配して、気遣って、応援して、手伝ってくれて。一級冒険者でギルド幹部でもあるジェイド様って、結構忙しいはずなんですよ! 先輩はもうちょっとジェイド様を大事にした方がいいと思います。失ってからじゃ遅いんですからね!!」

 

たぶんライラは私を心配して、本気で言ってくれている。

それは分かるのだけれど、さっきからジェイドのクンニが激しくて全然頭に入ってこない。

さすがに音は立てないように気を付けているようだけど、クリを舐め上げられる度に声が出そうになり、スカートの中の頭を離そうとしてもビクともしない。

――後で憶えてなさいよ!

「――もし処刑人様が白銀の剣に入ったら、ジェイド様を寝取られ――あ、いえ! 取られちゃうかもしれないんですよ? もちろん私の最推しは処刑人様ですが、後輩としてはジェイド様とアリナ先輩はお似合いだと思いますし――」

話が脱線し始めたところで、なんとか口を挟む。

「あ、ありがとう、ライラ。今はちょっと疲れてて余裕がないけれど、後でちゃんと考えてみるわね。さ、もう遅いし、ライラも早く帰って明日に備えて休んで」

妄想の世界に浸りかけていたライラはハッと我に返り、「手を止めさせて、すみません」とバッグからポーションを取り出した。

「私からの差し入れです。私はもう帰りますが、先輩もあんまり無理しないでくださいね」

まったく、先輩思いの後輩だ。

「ありがとう。明日も頑張ろうね」

「はい!」

扉のところでもう一度手を振って、ライラは帰っていった。

 

「……いい後輩だな」

少しして机の下から這い出してきたジェイドがもう姿のないライラを見送るように優しい眼差しを扉に向けたが、その顔は愛液まみれでまったく様にならない。

「もう! いいからこれで顔拭いて!」

ジェイドにハンカチを押しつける私はと言えば、怒りたかったはずなのにライラがいなくなった途端に激しく音を立ててクリ責めされたせいで、お腹の奥が疼いて怒るどころじゃなかった。

――でもちょっと、物足りない……

欲しいけど、ねだれない私を知ってか知らずか、ジェイドはこちらに向き直った。

「ところでアリナさん。考えたんだけど」

「な、なに?」

「次は脱いでシよう」

「は!? なんでよ!?」

「普段きちんとした身なりでいないといけない場所で裸になるなんて、最高にいやらしいだろ?」

「バカな事言わないで! いいかげん仕事進めないと、残業した意味なくなっちゃう。あんたももう帰りなさいよ。あ、今日の事、誰かに話したら承知しないからね!」

ジェイドを冷ややかにあしらって、なんとか平静に戻ろうと椅子に座って未処理の書類の山から1枚取り上げた。

――うん、そうよ。一回抜いてスッキリしたし、ここから頑張れば深夜前には帰れ――…

「んうぅ!?」

突然後ろから乳房を掴まれ、揉みしだかれる。

「ジェイド!? ちょっと、やだ! 離して!」

「嫌? 服越しでも分かるくらいこんなに尖らせているのに?」

ブラウス越しにスリスリと乳首を擦り弾かれ、ジンジンと甘い疼きがお腹の奥にまで伝わる。

「アリナさんって感じやすいんだね」

「へ、変な事言わないで」

「変じゃないさ。アリナさんは感じやすくて滅茶苦茶可愛いよ。さっきムチムチの太ももに顔を挟まれながらアリナさんの大切な部分を舐めてた時も、愛液がどんどん溢れてきて敏感で凄く可愛いかった。もっとシてってスカートの上から俺の頭を押さえたりしてさ」

「してない! あれはあんたの頭を離そうと――」

「頑固だなあ。アリナさんはこっちの口のが素直で正直♡」

ジェイドの手がスカートの中に滑り込み、いつも盾を握る大きくて少し骨ばった手で優しく太ももを撫でると、長い指が膣へと入ってきた。

「ほら――自分でも分かるでしょ? 中トロットロで、“もっと欲しい”って言ってる♡」

「言って……ない……んぅ♡」

強がってはみたものの、自分でするのとは違う、節くれだった指の感触にゾクゾクが止まらない。

不意に、指が奥に触れた。

「ひんッ♡」

「アリナさん、感じる? 俺の指先が君の奥に触れてるの。もうこんなに、子宮下りてきちゃってるよ♡」

嬉しそうに言ったジェイドがコチュコチュとそこを弄る。

口でなんと言おうと身体はどうしようもないほど期待してしまっている事を暴かれ、何も言えずにただ喘ぐしかない。

もう止められないほど昂った身体を鎮める方法は、ひとつしかなかった。

「……分かったから、まずあんたから脱ぎなさいよ」

 

 

――筋肉、凄……

裸になったジェイドは着瘦せするタイプみたいで、さすが盾役というか無駄なものが一切ない引き締まった筋肉質の身体つきだ。

思わず見惚れてしまうと、ジェイドが私のブラウスに手をかける。

「待って……いい、自分で脱ぐ」

恥ずかしくてたまらないのにその先にある快楽に抗えず、ゆっくりとボタンを外してブラウスを脱ぎ、ブラを外す。乳房が空気に触れる違和感と締めつけからの解放感でホッと息を吐くと、ジェイドがゴクリと唾を飲んだ。

「……綺麗だ、アリナさん。本当にとっても綺麗だ――」

褒められた事で躊躇は消え、身に着けていた最後のスカートを落とす。

――本当に、ジェイドの目の前で裸になっちゃった……

もじもじとする私に、ジェイドがなぜかおずおずと近づいた。

「アリナさん……触れても、いいか?」

「散々ひとの身体に触っておいて、今更なに?」

「いや、さっきまではアリナさんを気持ちよくさせなきゃって思ってやってたから。でもこんな綺麗なおっぱいを見たら、俺だって冷静でいられな――」

「あんた、あんなエッチな事、ずっと冷静にやってたワケ!?」

「違っ、これは言葉のあやってやつで――!」

焦って両手を振りながら誤解を解こうとするジェイドに、つい苦笑してしまう。

 

いつも“アリナさん、アリナさん”って鬱陶しくて、どんなに冷たくしてもめげずにしつこく絡んできて、間が悪くて、不器用で、バカ真面目で、真っ直ぐで、仲間思いで、頻繁に顔を出しては当たり前のように残業を手伝ってくれる。

いつの間にか、ジェイドが傍にいる事が私の日常になってしまっていた。

そしてその日常が愛おしいと感じてしまっている。

――まあ、残業だけは日常から未来永劫なくしたいけれど

 

「もう……いいわよ、触りたいなら触りなさいよ。そもそも私が誘ったようなものだし」

「い、いいのか?」

「その代わり、気持ちよくしてくれなきゃ許さないからね!」

「おう! 任せろ!」

 

 

 

顔を見られるのが恥ずかしい、というアリナさんを後ろから抱き締める。

――これがアリナさんのおっぱい!!

柔らかくて温かくて、ふわふわでプルプルで、大きくてスベスベでいい匂いがして、簡単に指が埋もれてしまうのに、むっちりと押し返してくる。

一生揉んでいられる、と思いながら、手の中で自在に形を変える乳房を思う存分愛撫する。

「ん……んっ♡」

アリナさんに触れる事を許された事で自分が受け入れられ全てを許されたようで、その喜びが全身を満たして下半身に集中していった。

「ちょっと、ジェイド――硬いの、お尻に当たって――」

「うん、当ててる。俺がこんなに興奮してるって、アリナさんの事が凄く凄く好きだって、分かってほしくって」

「……なんであんた、私の事そんなに好きなのよ」

「初めは理不尽を捻じ伏せる強さに目を奪われた。そのフードから覗く顔が若い女の子で驚いた。出会いの何もかもが衝撃的で、だけど処刑人じゃない普段のアリナさんと過ごして色んな表情を見ているうちにひとりの女の子としてどんどん好きになって――俺、アリナさんの為ならなんだってできるし、君を悲しませない為に強くなろうって頑張れるんだ」

「ふ、ふーん……」

アリナさんはキュッと唇を噛んでから、こちらを振り向いて「ジェイド」と小さく俺の名を呼んだ。

「ん?」

薄暗い部屋でもアリナさんの翡翠色の瞳は綺麗だと思いながら、少し屈んで顔を近づける。

「どうかしたか、アリナさ――…」

一瞬、何が起きたか分からなかった。

気が付くと、つま先立ちになったアリナさんの温かい唇が重なり、塞がれていた。

柔らかな感触から温もりと同時に彼女の気持ちが伝わってくるようで、細い腰に腕を回して支え、夢中でその唇を貪る。

「ん……んっ♡ ――んぅ……♡」

――俺、今、死んでもいい――…

「……ね、アリナさん……舌、出して――」

彼女のもっと奥を知りたくてねだると、恥ずかしそうにしながらもアリナさんは言う通りにしてくれた。

――舌、ちっちゃくて可愛い……♡

小さな口から突き出された舌を舐め、ぬるぬると絡ませると、アリナさんも応えてくれる。

こうして触れているとその身体の小ささに、彼女の強さを知っていても“俺が守らなければ”と、“その為に強くなろう”と改めて強く心に決めた。

「もっと、吸って……♡」

甘く息を乱すアリナさんの舌との間に糸が引き、ツッと顎に垂れる。

「アリナさん、可愛い……可愛過ぎて俺、おかしくなりそう」

「ん♡ キスって……気持ちいいね……♡」

とろりと溶けそうな瞳と見つめ合い、舌を絡ませ合いながら乳房への愛撫を再開する。

ピンッと勃った乳首は敏感で、指先で弾くように触れただけでアリナさんから「ん♡ ん♡」と声が漏れ出た。

「ジェイド……身体が切なくて私もおかしくなりそう……早く挿れて……♡」

アリナさんが勃起した陰茎にお尻を擦りつけて、ねだる。

こんな素直なアリナさん、新人研修で絶望していた時以来だ。

「うん……いくよ」

机に両手をついて腰を突き出した彼女に、後ろから一気に挿入する。

「ああぁぁあぁっ♡ ジェイドの、太いのっ! 奥まで来ちゃう!!」

とろとろに愛液が溢れる膣内はぬるりと俺を飲み込んで、さっきよりも簡単に馴染んだ。

――俺の形になっている?

彼女の内側が自分を受け入れてくれている事実が幸せ過ぎて、今なら本当に死んでもいいと思った。

――いや、死ぬ訳にはいかない

俺はアリナさんを悲しませるような真似は絶対にしない。

今は彼女を喜ばせ――いや、悦ばせる事が、俺の使命だ。

 

――もっともっと乱れさせたい。日々の労働と残業のストレスが吹き飛んでしまうくらいに――…

 

 

 

突然、ジェイドが繋がったまま後ろから私の両脚を抱えた。

「きゃっ!? な、何!?」

さっきとは逆に身体の前面を無防備に表に晒されたまま後ろから抱えられて、身動きできない。

「俺の首に手を回せる?」

なんとかジェイドの首に掴まると、彼は事務所を出て、廊下を歩いていく。

「ちょっ!? どこに行くの!?」

着いたのは、クエストカウンターだった。

普段は冒険者たちで溢れかえっているこの部屋も、今は明かりが落とされガランとしていて、まだ外からは夜の街を出歩く人々の喧騒が遠く聞こえる。

「やだ、窓から見えたらどうするの!」

「暗いから平気だよ。それより――」

ジェイドは見慣れ過ぎた場所まで来て、部屋の中を見渡すように私を抱えて激しく抽送しながら言った。

 

「――ほら、君のカウンターだ。いつも冒険者たちの相手をし、クエストを受注し、送り出しているこのカウンターで、君は今、こんなにはしたない恰好で性器を丸出しにして、いやらしい行為に耽っているんだよ」

 

いつもの光景が視界に重なり、まるで同僚と冒険者たちの見ている前でシている錯覚に陥る。

「あ……」

――いつも仕事をしているこの場所で、私、裸でこんなエッチな事シちゃってる!!

ブルルッと身体が震えた。

「はは……アリナさん、今想像したでしょ。膣内、凄い締まった♡」

「バカジェイド……変な事言うなぁ……♡」

さっきからゾクゾクと背筋の甘い痺れが止まらない。

いやらしいシチュエーション。いやらしい体位。私の頭も身体も、完全におかしくなってしまっていた。

 

「ジェイド、シて! 私の事、滅茶苦茶にして! 仕事の事なんて忘れさせて! 残業なんてどうでもよくなるくらい滅茶苦茶に奥を掻き回して!!」

 

分かっている、と答えたジェイドはそのまま私が気を失うまで、突いて、突いて、突きまくった――…。

 

 

 

「……よし、こんなもんかな」

辺りを見回し、頷く。

カウンター周りの床や机に飛び散った精液と愛液を拭い取り、綺麗になった事を確認すると、事務所のソファに寝かせてきたアリナさんの様子を見に戻る。

――よく寝てるな

普段の彼女から考えられないほど乱れ、数えきれないほど絶頂し、気を失うように眠ってしまった。

スウスウと静かな寝息を立てる彼女の髪をそっと撫でてから、奥の机に積まれた書類の山を振り返り、自分に気合いを入れ直す。

「朝までに、少しでも片付けておかないとな」

 

 

 

 

翌日の午後、イフールカウンターに顔を出すと、俺を見た瞬間に立ち上がったアリナさんにギルドの裏手に引っ張っていかれた。

「なんであんた、今朝何も言わずに帰っちゃったの!」

「いや、アリナさんがあんまり気持ちよさそうに眠ってたから、起こすのが忍びなくて――」

むむむ、と睨みつけていたアリナさんは、目を逸らして「お礼くらい言わせてよ……」と呟いた。

「……ありがと。あんたあの後、仕事結構進めてくれてたでしょ」

「あ、うん」

 

「「……………」」

 

“あの後”という言葉で昨晩の行為を思い出し、お互い赤面しながら俯いてしまう。

「あー…アリナさんは大丈夫か? 昨日はだいぶ無理をさせてしまったけれど」

「ん、ちょっと身体が痛いけど、あんたのおかげですっごくスッキリした」

 

言いたい事がたくさんあったはずなのに、言葉が出てこない。

奥を突かれる度に甘い嬌声を上げて乱れるアリナさんが可愛かった事とか、もっと欲しいとねだる姿が最高にエロかった事とか、まるで恋人のように求め合うキスを交わしながら繋がった事とかは、この青空の下で話したらブッ飛ばされそうだ。

 

「その……昨日は俺たち、あんなに深く愛し合ったのだし、これからは恋人って事でいいんだよな?」

「え、あ、あー……」

赤くなったアリナさんの目が泳ぐ。

「そ、そうね、あんたがどうしてもって言うなら――セフレくらいになら、してあげてもいいけど」

「アリナさん、“せふれ”って?」

「エッチな事をするだけの友達よ」

エッチな事もできる友達!? それはもう、恋人なのでは!?

 

――つまりこれは、アリナさんからの交際の申し込み!!

 

「分かった! 今度からみんなには、アリナさんの事を“せふれ”だって紹介するな!」

「ア……ア……ア……」

なぜかアリナさんは怒りに震えながら拳を握り締める。

「アリナさん?」

 

「アホか!!」

 

この後、滅茶苦茶怒られた。

 

 

 

 

 




ずっと思ってました。残業中のあの薄暗い部屋で、ジェイドはよくアリナに迫らずにいられるなあ、と…!

ちょっと価値観ズレてるアリナと包容力あるジェイドのカップルが可愛い!
あとアリナの”全ての地雷を踏み抜いて一通りミスしないと身につかない不器用タイプ!”にめっちゃ共感… ワカル~( ;∀;)メッチャ ワカル~

そしてちょいちょい出てくる猫ちゃんが可愛い…
そうなの~♡ あんよの後ろ、真っ黒なの~♡ 可愛ええねぇ~♡ ←テレビの猫に全力で話しかけるタイプ |ω・;)アイツヤベエ

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
点
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。