侯爵令嬢物語【完結】〜羞恥と快楽の果てに令嬢と女騎士の姉妹が選んだ甘美な隷従 作:ドン・ドナシアン
人目のある公園地区の陽射しが、皮膚の上を這っていた。
その感覚が、いつもよりも鮮やかだったのは、晒されている面積のせいだった。
余りにも露出の多い格好──。
ほとんど下着姿──いや、下着よりももっと扇情的な格好で、ジャンヌはルシアンから館の外に連れ出されていた。
上半身には真っ赤な前掛けだけ。
首の後ろと背中の一箇所で細い紐が結ばれているだけで、胸の下から下腹部までは、完全に肌を露出している。
腰の真紅のペニティは、完全な下着であり、小さな布で股間と臀部を包んで腰の横で紐で結んでいるだけだ。腰にはほかに身につけているものはない。脚のつけ根を縫うように細く締まり、歩くたびに臀部の奥をかすかに擦った。
脚には膝近くまでの赤いブーツ。
全身で目に付く色しか纏っていなかった。
こんな格好で街を歩く女を、通行人はどんな目で見るのか──考えるまでもなかった。
その格好をジャンヌはさせられている。
石畳に細い鎖の音が響いていた。
ルシアンが無言のまま、その先を持っていた。
アクロディア経済塾地区──ドミエンヌの館に隣接する一般解放区画である──。ただし、こちら側からは、ドミエンヌの館の姿は影も見ることはできない。
図書館や市民広場、屋外喫茶などを含んだ複合施設。平日のお昼前だというのに、人影はまばらではなかった。
本を片手に寛ぐ女学生、草の上で遊ぶ子供たち、簡素な喫茶のテーブルに肘をついたまま勉強をしている平民の青年。風景は日常そのもので、穏やかで、だが逃げ場がなかった。
ジャンヌは、その一画をルシアンに連れられて歩いていた。誰にも声をかけられず、誰にも制止されなかった。
けれど、目だけはあった。無遠慮に向けられたわけではない。むしろ、無関心のふりをした視線が、いちばん重かった。
胸を覆う布の端が、風にわずかに揺れた。
手首は両脇に添えられている。銀の帯が巻かれていた。太腿にも同じ帯があり、それぞれが離れるだけで、レコルという淫具が作動する。
セリーヌはずっと装着されているらしいが、ジャンヌは初めて装着した。
クリトリスの根元を細い金属で締めつけられ、ただでさえ疼きが発生する。振動など与えられたら、その場で快感に醜態を晒すことは間違いない。
だから、こんなところでは絶対に、手首を太腿の横から離せない。
拘束ではないが、拘束と同じ。
そのことを知っているのは、ジャンヌとルシアンだけだった。
だから、他人の目からは、ジャンヌが隠すことができるのに、隠すことなく歩いている露出狂のように思えるだろう。
まあ、実際にそれに近いものがあるのかもしれないが……。
羞恥は、とっくに飽和していた。
感情としては、もう何度も経験したはずだった。
だが、今日は違っていた。ペニティに浮いた白い染みが、すでに目に見えている。その原因を知っているのも、ルシアンとジャンヌしかいない。
今日はかせられたペニティは、特殊な素材でできていて、水や汗などではなく、女の愛液で濡れると、その部分が白く変色する仕掛けなのだ。
淫具は作動していない。
ただ、晒されているという意識が、それだけで濡らした快感だった。
それを否定できなかった。
すでに、股間の部分が丸く白色に変色している。
それこそ、ジャンヌがいつの間にか、羞恥や屈辱を快感にするヴェールスとなっている、なによりの証だった。
視線が、肌の上を滑っていく。
胸元。肩。脇腹。へそ。そして、赤いペニティ……いや、股間に白いシミのある真っ赤なペニティ──。
誰かがなにかを囁いた。内容はわからなかったが、笑い声が続いた。
すべてが、ジャンヌのほうへ流れ込んできた。いや、そんな気がする。
羞恥というものには、温度があった。
それは内側から湧き上がるものでも、突然襲ってくるものでもなく、じわじわと肌を湿らせるように広がっていく。
気づいたときには、もう逃げ場がなかった。
快感だった。
そんなはずはない……と思うたびに、股間が脈打つように反応した。
愛液が滲んでいく感覚が、はっきりとあった。
目を伏せても、なにも変わらなかった。むしろ、見えない分だけ、頭のなかで人々の顔が鮮明に浮かんできた。
気づいているかもしれない。この白い染みを──。
ペニティの染みが、さらに丸く大きくなっていく。股間に強い湿り気の粘性の体液の存在を感じる
赤のなかに浮かぶ白。それは、はじめから存在していたものではなかった。ジャンヌのなかから、いま、滲み出ているものだった。
なぜ、こんなことになっているのか。
淫具は動いていない。ルシアンはなにもしていない。ただ鎖を持っているだけだ。誰も責めていない。けれど、染みは広がっていた。
屈辱だった。
どうしようもなく、情けなく、そして……気持ちよかった。
風が、またもや胸の布を揺らした。思わず手を伸ばしそうになる。
だが、腕は動かない──いや、動かせない。太腿の帯と連動している。そのことを思い出すだけで、乳房の裏側が熱くなった。
ルシアンは、前を歩き続けていた。
喫茶の建物が、視界の端に近づいてくる。
ペニティに沁みたジャンヌの愛液は、内腿を伝い、いまは膝の裏にまで達していた。
そのとき、ルシアンがふと振り返った。
「……染みが広がっているな」
声は静かだった。
穏やかで、抑揚もなく、ただ事実を確認するような口調だった。
「い、言うな──」
ジャンヌの心臓が、ひとつ大きく脈を打った。
否定しようとしたが、それは余りにも意味がないことは自分でもわかる。
「喉が渇いたな。ちょっと寄っていこう」
そう言って、ルシアンは公園に面した屋外喫茶の方を顎で示した。
「はあ?」
ジャンヌの脚が止まりかけた。
ただ歩くだけだと思っていた。公園を一周するか、せいぜい経済塾の内縁を歩くくらいのつもりだった。
「嫌なのか?」
ルシアンが肩越しに振り返る。
表情は変わらない。だが、その瞳の奥に、挑発するような光が宿っていた。
「いや……。好きなように……。私の主はルシアンだ……」
ジャンヌは首を振った。
もう、選択は終わっていた。自分で選んだ立場なのだ。オプセリカとして、ルシアンにすべてを委ねたのだから。
「よくわかっているじゃないか。まあ、拒否してもいいけどね。欲望を口にするのは、オプセリカの特権だ。もっとも、その願いは大抵は叶えられないけどな」
ルシアンは笑った。
それは、満足げでもあり、愉しげでもあった。
「じゃあ、行くぞ。心配いらん。店員は慣れっこだ。館の裏にあるこのアクロディア経済塾も、ドミエンヌの館も、管理をしているのは僕だ。露出好きのオプセリカをここに連れてくることは許可している。奇異の目で見られることは間違いないが、訴えられることも、捕まることもない。遠慮なく恥をかいてくれ」
「なにが恥だ──」
喫茶の軒下に置かれたテーブルは、風に晒されて白く褪せていた。
椅子は簡素な木製で、背もたれは低い。表面は滑らかだが、ところどころに使用感が滲んでいる。
ルシアンはそのうちのひとつに腰を下ろすと、自分の椅子に最も近いテーブルの脚に手を伸ばし、ジャンヌのチョーカーに繋がっている鎖を、カチリと繋いだ。
「うわっ、なにを……」
ジャンヌの身体が、不自然に引かれた。
鎖が張る方向に、顔が引き寄せられたのだ。
太腿と手首の帯を崩せない。
結果として、ジャンヌはルシアンの足元近く、まるで膝を折るようにしてしゃがまされる格好になった。
両腕は脇に貼りつけたまま動かせず、身体を丸めて身を小さくする以外になかった。
前掛けの裾が少し浮き、乳房の下半分が露出する。頭の位置が低いので、当然にお尻は高くあがった。
視線を上げることはできなかった。通行人や他の客の顔が見えたら、それだけで崩れてしまいそうだった。
そして……それでも、染みは広がり続けていた。
「っ……」
ジャンヌは思わず、小さな呻き声をあげた。
「いらっしゃいませ」
声がした。
若い声。裏返るような、やや緊張の混じった少年の声だった。
木製の床を踏む音が近づく。
一瞬だけ視線を向けた。
制服姿の少年が、ふたりの前に姿を現した。十四、五歳と見える。細身で、顔立ちはまだ幼さを残している。
最初、彼の視線はルシアンに向けた感じだった。
だが、すぐに、足元へと落ちたのがわかった。
「うわっ……。あっ、申し訳ありません」
しゃがみ込むジャンヌ。肌の露出。真紅のペニティ。股間に浮かんだ、白い染み──。
少年の喉が、ごくりと鳴った。
驚愕なのか、困惑なのか。あるいは、興味すらあったのかもしれない。
ジャンヌの背中に、熱が集まった。
見られている。確実に見られている。染みも、姿勢も、すべて……。必死に太腿をすり寄せて、ちょっとでも染みを隠そうともがく。
ほかには、なにもできなかった……。
「コーヒーをひとつと、もう、ひとつはミルク」
ルシアンの声は落ち着いていた。
「……あの、かしこまりました」
少年はメモを取りかけたが、ふと迷ったように視線を戻す。
「それと……」
ルシアンは少年の視線を追うように、足元のジャンヌを見下ろした。
「下にいる子の分のミルクは、カップではなく皿で持ってきてくれ。いまは犬になる調練中でね。手を使えと言っても、どうしても口で舐めたがるんだ」
「……は、はい」
少年の顔が一瞬、凍りついたようになった。
そのまま何も言えず、頭を下げて早足で引き下がっていった。
ジャンヌは顔を伏せたまま、胸の奥が灼けるような羞恥で満たされていた。
手を使えない──それは事実だ。
けれど、それを他人に知られ、言葉にされるということが、これほどまでに堪えるものだとは思わなかった。
少年店員が動揺している様子を隠すこともできずに一度引きあげる。
ジャンヌは、すぐに顔をあげて、ルシアンを睨んだ。
「酷いぞ。あんなことを言うなんて──」
「事実だろう。なんなら、手を使ってもいいぞ。レコルが凄い勢いで刺激をすると思うけどな。ああ、ついでに、電撃も発生するようにしておくか。ジャンヌなら、簡単にそれを快感に変えられるだろう?」
ルシアンが自分の指にある指輪に触れたのがわかる。
おそらく、レコルの設定を変更したのだと思う。
ジャンヌは歯噛みした。
数分後、木の床を踏む軽い足音が再び近づいてきた。
「お、お待たせしました……。コーヒーと……ミルクです」
少年の声はかすかに震えていた。
視線をあげて、トレイを見た。
トレイの上には、透明なガラスのカップがひとつ、そして──白磁の浅い皿があった。
ルシアンは何も言わず、その光景を一瞥しただけだった。
「テーブルの上に置いてくれ。皿のほうは……床でいい」
「……かしこまりました」
少年の手が一瞬止まった気がしたが、何も言わずに皿をそっと、ジャンヌの前──ルシアンの椅子の足元、鎖の先に──置いた。
皿の縁が床に触れる音がした。その音が、ジャンヌの背中を這い上がっていく。
ただの皿。けれど、それは明らかに、犬に水を与える皿だった。ミルクが満たされていた。とろりとした表面に、わずかな気泡が浮かんでいる。
「……どうぞ、ごゆっくり」
少年は頭を下げると、すぐに背を向けた。逃げるように喫茶の奥へと戻っていった。
だが、その背中が遠ざかるまでのあいだにも、彼の視線が何度かこちらに戻った気がして、ジャンヌの頬は焼けるように熱くなっていた。
少年の姿が完全に消えた。
その直後だった。ジャンヌは声を震わせた。
「……ルシアン」
唇が震え、喉が痙攣する。
ずっと、耐えていたが、ついに限界が来たのを悟った。
「……もう、限界……だ。お小水が……したい」
言葉にした瞬間、羞恥が爆ぜた。
けれど、言わずにはいられなかった。朝から一度も許されていない。ついさっきも大量の水を飲まされた。しかも、水には利尿剤が混ぜられていたとしか思えない。
オプセリカは欲望を口にしなければならない──幾度もルシアンにそう刷り込まれてきた。
ジャンヌは、自分の中に溜まりきった圧力が、いまにもこぼれ出しそうなのを感じていた。
「……飲み終えてからだな」
その声音はやさしくすらあった。
けれど、テーブルの上のカップには口をつけない。
ジャンヌは、喉を鳴らした。
まずは、なんとか飲み終えようと、皿に顔を近づける。
舌を伸ばす。唇が皿の縁に触れる。舌先にミルクの冷たさが乗った。
羞恥と尿意。二重の苦しみが、腹部からせり上がってくる。
それでも、口を止めなかった。飲まなければ、許されない。
皿のなかのミルクは、まだ半分近く残ってい
だが、一度意識すると、もうだめだ。
ジャンヌは顔をあげた。
「……ルシアン、やっぱり……」
喉の奥を伝っていく液体の感触が、逆に膀胱を刺激していく。
しかし、今度は無視された。
仕方ない……。
再び、皿に顔をつける。
飲めば飲むほど、耐えるのが難しくなっていく。舌を動かすたび、下腹にぴりぴりとした圧が広がる。けれど、今度はやめない。
ジャンヌは、肩を震わせながら皿を舐め続けた。
羞恥という言葉では言い表せない感情が、胸の内側で渦を巻いていた。人目のある場所で皿に顔を突っ込んだことも、自分の尿意を口にしたことも、全部が……。
それでも。
舌を、またひと舐め。
そして、もう一度。
ようやく、皿の底が見えてきた。だが、同時に、膀胱が限界を告げ始めていた。
「……ルシアン……」
小さく名を呼ぶ。声にならないような微かな音だった。
やはり、返事はなかった。
ただ、ルシアンの気配だけが、じっと隣で静まり返っていた。
彼は、ジャンヌがすべて飲み終えるまで、なにも言わずに待つつもりなのだ。
皿に戻る。
ジャンヌは奥歯を噛みしめ、最後の一滴を舌ですくい取った。
唇の端に残ったミルクの感触と、耐えきれぬ尿意の波──。
「飲み終わったぞ」
顔をあげられなかった。
ただ、鎖に繋がれたまま、ルシアンの足元で、次の言葉を待っていた。
「僕はまだ半分も飲み終えてない。そのまま待て」
ルシアンの声は、氷のようだった。やわらかくも、容赦がなかった。
ジャンヌは地面に身体を沈めたまま、羞恥の姿を晒し続けるしかなかった。
昼に近づいたのだろう。喫茶店には客の数が増えてきて、公園にも人手が広がっていた。学生、家族連れ、年配の男女──いまこの瞬間にも、誰かの視線が自分に向けられているように思えた。
尿意は、相変わらず容赦なく腹部を突き上げてきた。
けれど、いまや襲いかかるのは、それだけではなかった。
得体の知れない甘美な痺れが、全身を浸していた。胸は張り詰め、乳首は硬くなり、疼いていた。股間は濡れきり、ペニティの赤が、前側だけ不自然に白く変色している。
──まるで、わざと濡らしたように。
ジャンヌは、自分の太腿がこすれるたびに、そこから生まれる甘い感覚に怯えていた。
「やっぱり、感じてるんだな」
ルシアンの声が、頭の上から降ってきた。
「……そんなこと……ない……」
ジャンヌはかすれ声で否定したが、自分の声の弱さに絶望するしかなかった。
「違うのか? 昨夜も、セリーヌとふたりで奉仕していたはずだったのに、お前は途中で失禁した。快感に負けたんだろう?」
「ちがう……っ。あれは……」
言い訳が喉につかえた。
「そうか。なら、なぜ朝に排尿を禁じられたか説明してやろう。お前の弱さへの罰だよ。自覚してると思ってたが」
「くっ……」
ジャンヌは唇を噛み締めた。すべて、言い返せなかった。
欲情していた。
羞恥に濡れ、晒され、鎖に繋がれた姿で──それでも、自分が昂ぶっていることは、明らかだった。
股間を締めるように、わずかに太腿を動かす。すると、ビリ、とした痺れが腹部を這い、頭がぼうっと熱くなる。
このまま、突き上げる尿意さえなければ、快感の頂点へと昇っていたかもしれない。
「……ルシアン……もう……無理……」
再び、囁いた。
「まだ、僕の飲み物は残っている」
そう言って、ルシアンは自分のカップを持ち、ゆっくりとひと口、コーヒーをすする。
その気配を感じるたび、ジャンヌの膀胱はひくついた。
それでも、昇りつめたいという愚かな渇望が、胸の奥に残っていた。どれだけ辱められても、いまの自分が明らかに、そこに欲を感じていることを、否定できなかった。
ルシアンがカップを置いたのは、おそらく、さらに三十分以上が過ぎていた。
テーブルの端に紙幣を数枚置くと、ゆっくりと立ち上がる。
「館に戻る。……辿り着いたら、厠でさせてやる」
淡々とした声が、空気を裂いた。
ジャンヌは、まだ限界ではなかった──そう思いたかった。
全身は汗に濡れていた。だが、それは単なる苦悶だけではなかった。
羞恥、屈辱、そして……。
そのすべてが昇華されたような、得体の知れない甘さが、身体を内側から満たしていた。
引かれた鎖が、からりと音を立てる。
ジャンヌは地面に膝をついたまま、重い身体を引きずるようにして歩き出した。
太腿を擦り合わせる動作は、もはや無意識だった。
──まだいける。
まだ、耐えられる。
限界なんて、もっと先にある。
喫茶店を出て、公園地区を横切る通りに差し掛かる。まだ館は遠い。
でも、耐えられる。
そう自分に言い聞かせながら、ひと足、またひと足と進もうとしたそのときだった。
──動けない。
脚が、止まっていた。
意識と身体が噛み合わない。
「あうっ」
鎖が再び引かれた。けれど、それに従うことができなかった。
次の瞬間、身体が前につんのめる。
そのとき、鎖が不意に緩んだ。
「うあっ──」
股間に、鋭く震えるものが走った。
突き上げるような衝撃──。
レコル──。淫具が作動したのだと、理解するより早く、ジャンヌの視界が揺れた。
顔を上げると、ルシアンがこちらを見ていた。
鎖からは手を離し、その指先が、例の指輪に触れていた。
──やられた。
「んああっ」
身体が跳ねた。反射的に身を折り、叫び声のような息がこぼれた。
感覚が白く塗りつぶされていく。全身が痺れ、力が抜ける。
膝が崩れ落ち、地面に手をつきそうになる……が、それはできなかった。
「あああっ」
強烈なエクスタシーがジャンヌの身体を突き抜けていった。
両手は、太腿から離せない。その場にしゃがみ込み、胸を張ったままの姿勢で、全身をがくがくと絶頂感に震わせる。
視線の先、公園の通路には人の流れがあった。
誰かが足を止めた気がした。
その気配だけで、皮膚が焼けるように熱を帯びた。
レコルの振動は止まったが、昇天とともに、完全に緩んだ尿道が崩壊した。
漏れ出したゆばりは、もうジャンヌの意思ではどうにもならない。堰を切ったような奔流となり、両脚の下の地面に降り注いでいく。
羞恥という言葉では、到底追いつかない。
耐えきれない感覚が、じわじわと内側から満ちていく。
周囲では、呆然とジャンヌを立ち止まって見ている。少なくともジャンヌにはそう感じた。
その眼差しを浴び、ジャンヌは放尿を続けながら、至上の愉悦に眼を閉じた。