トリニティ男子生徒たちが最近見つけたゲヘナ生徒二人をおもちゃにするお話 作:roborobo
原作:ブルーアーカイブ
タグ:R-18 アンチ・ヘイト ブルーアーカイブ 棗イロハ 丹花イブキ リョナ スカトロ 顔面崩壊 人権剥奪 R-18G 男子生徒アリ
※トリニティの男子生徒が出ます
「っべぇ~~~……!! 遅刻だ遅刻……!」
夕方ごろ。日も落ち始めて暗く染められていく空に背中を向けながら、足早に町中をかけていく少年が一人。
彼はキヴォトスの中でも有名校の一つ、トリニティ総合学園の二年生。他校では見られない華やかさを備えながら、白を基調とした清貧さも持ち合わせている気品のあるデザインの制服を身に纏いながらも、足早にかけていくその姿は制服を着こなすには青臭い若々しさを振りまいていた。
この日、少年は放課後に親友たちと作った『秘密基地』で集合することを約束していた。そのことは少年自体も覚えていたし、この集まりのための菓子類や玩具を用意して、彼自身も大変楽しみにしていたのだが、いざ帰路に就こうとした途端、課題の提出期限が今日だと言う事を思い出してしまったのだ。友達との約束を忘れないでおけたが、肝心の学業における約束を忘れてしまったのは痛い。
そうしてパパっと終わらせてみれば、もう空が夜になりかけている。いまごろ親友たちは秘密基地に集まって『遊んでいる』に違いない。せっかく自分が考えた例のゲームを実行しようと思ってたのに、このままでは先を越されてしまう。
「いそげいそげっ……! 間に合わなくなるのなんて嫌だよ~……!」
地を駆ける足に力が籠る。前へ前へと進むたびに、集合場所を知っているからこそ変な冷や汗が額を濡らす。
……そうしているうちに、見えてきた。トリニティ自治区の市内にある古ぼけた一軒家。少年の親友が所有している別荘だ。
親友は身内からこの家を譲り受け、何かあれば使ってくれていいと言われていたが、家の方がボロボロに古びているうえに築何十年の木造建築なためか、住むことも物置にすることも出来ず持て余していると言う曰くつき。
しかし、そんな場所であるがゆえに、少年たち共通の秘密基地としては丁度良かったわけだ。使い道もなく、取り潰す予定もないと言われたこの家は、今では少年たちのたまり場となり、彼らの青春を彩る思い出の場所として活用されていた。
「……『到着したよ』……っと」
モモトークでメッセージを送り、預けられていた鍵を使用し、中に入っていった。
家の中はしんと静まり返っていた。二階建てのため、基本的に一階にいようが二階にいようとも声は響くし聞こえるはず。そのはずなのに、家の中には喧騒どころか人の気配を感じさせなかった。
すたすたと少年の足が動き、歩みを止めない。迷うことのない足取りで通路を渡り、一番奥の突き当りに進むと一枚の扉があった。古ぼけた、鉄製の扉だった。
その扉を開けば、目の前には暗闇と地下へと続いていく階段があった。覗き込めば深淵へと堕ちていきそうな暗い空間。ちょっと足を踏み外せば、暗闇の中へと溺れていきそうな危うい空気感が肌を冷たく撫でた。
少年の足は階段を下りていった。地下へと続いていく空間へと、これからのお楽しみを心の中で思い浮かべながら降りていった。
※
「……ったく、おっせぇぞ~?」
「ははっ、ごめんごめん。あ、これから?」
ばったりと地下通路で出くわした親友の顔を見て、少年が頭を掻きながら「ごめんごめん」と軽い謝罪で返した。
思ってたよりも怒ってないかな。そう気づいたら、遅れてきたことへの罪悪感が和らいだ気がした。
彼も彼で、「ま、べつにいーけど?」と言い返し、彼と肩を並べながら歩いていく。地下通路で親友と肩を小突き合いながら、ちょっとばかり談笑をして盛り上がっていた。
「でさでさ、アレの調子はどうなの?」
「いやぁもうばっちり!! お前がいない間にいろいろとやってこうかなぁって思ってたんだけどさ。ほら、さすがにお前がいないと寂しいじゃん?」
親友の言葉に「えっ?」と返す少年。まさか、親友自身も楽しみにしていたというのに、待っていてくれたのだろうか。
「そんな……別にこっちの事なんて気にしなくてもよかったのに」
「ばーか。仲間外れなんてしねぇよ。一緒に楽しんでこそ、だろ」
にかっと白い歯を見せながら笑ってくれる。活発的で明るいその表情は、いつも親しみやすく話しかけてくれる親友の笑顔。友情という物のありがたみを感じながら、ちょっと照れくさいながらも「くっせw」と言い返して、再び馬鹿みたいに笑いあった。
ひとしきり笑い、お目当ての扉の前に到着する。地下通路にある鉄製の扉。この向こう側に、お楽しみがある。
期待を胸に秘めながら、少年は部屋の中へと入っていった――
「オラァっっ!! クソゲヘナがよぉ!!」
直後、乾いた破裂音が室内を揺るがさんばかりに響いた。同い年ほどの少年が部屋の中央で吊り下げられているモノの腹部をめがけて蹴りを見舞ったからだ。
すぱぁんっ!!と、空気が詰まった硬い風船が叩き割られるような炸裂音。部屋の中央にあった人型のそれは、年ごろの少年による加減なしの蹴りを見舞われて嗚咽の声を漏らしながら唾を飛び散らせた。
「ぶぉぉぉぉ゛ッ゛……!! オ゛、ぉぉぉっ゛……!!!」
びくんっ、びくんっ……痙攣するみたいに戦慄くその姿を見せつけて、部屋の中にいた複数人の少年たちがゲラゲラと笑い出した。
「うっひゃぁぁ~~~~~! きったねぇコイツ! 唾飛ばしやがったぞ!」
「わ、ごめんごめん……ちょっと加減するべきだったわ。……っそっ、テメェ!このクソゲヘナァ!! テメェのクソ汚らしい唾でよぉ!! 親友の制服汚してんじゃねぇぞオラァ!!」
蹴りを見舞われて口の中の物を吐き出してしまったのは少年の蹴りによるせいだが、吐くことを堪えずに吐き出してしまったのは部屋の中央の肉人形のせい。
そんな憎たらしい責任者に対して吠えながら、今度は真正面から腹へとめがけて蹴りぬくヤクザキックが人型の体を大きく揺らした。
凹む腹、吊り下げられてサンドバッグのごとく下がっていく体、ぷるぷると体を震わせながら揺れているソレは、ゲェゲェと喚きながら手を縛る鎖をジャラジャラと鳴らしていた。
「ご、ほぉぉぉ゛~~~~っ゛……!! ふ、んぐぅぅぅ゛……!!」
「はぁ~~~……ったくよぉ、テメッ、何してくれてんだ? えぇ? そんなんでよくまぁサンドバッグやれてんなぁ? あぁ?」
ふるふると震える人型のソレ。部屋の中央で両手を鎖につながれたまま吊り下げられて、文字通りのサンドバッグと化しているソレは苦悶の声をあげるだけで反論しようとしない。
出来ることならしたいのだろう。口を開ければ言葉で抗議と拒絶の言葉を並べていたかもしれない。体を自由に動かせれば相手を押しのけて逃げることが出来たかもしれない。そして、目さえあれば視線で気持ちを伝えることが出来たかもしれない。
でも、そんなことできるわけがない。やりたくても、やれるわけがないのだから。
なにせ、これは人ではあった。だが、『人型』と呼ばなけれいけないほど、人として大切な物が皮のように剥がされてしまっていた。
まず、コレの外見を一言で表すならば、肌色の部分が全部赤い色に塗りたくられたかのように薄く皮をはがされてしまっていると言う事。体も腕も足も、どの体も差別なくしっかりとカッターや包丁によって丁寧にはぎとられ、まるで狩猟によって得た獲物のごとく無様な獣の姿といったところか。
体がこの状態ならば、顔はもっとひどかった。耳と鼻を削がれ、頭部の方は頭髪がほとんどなく、毛穴と短い毛によるまだら模様を描いている。カッターやハサミによるものではなく、素手による引き千切りで無理やり引っこ抜いたからこうなってしまったのだ。
あまりにも無惨で無様。その姿をしている物が、元は人であり――元はゲヘナに通う女子生徒であることを証明する頭上のヘイローが、余計にソレの――彼女の惨めさを明確な物として演出していた。
もはや人としての躰を成しておらず、化け物とさえ言えるほどの容貌。自身の姿がこんな風になったのは、この人型の周囲にいる少年たちのせいなのは確かなのだが、そのことを知って絶望するには自分を知ることが出来なくなっていたから幸いかもしれない――なにせ、自身の目玉をえぐり取られているのだから。
小柄な肉人形は、周囲から聞こえる声だけで状況を把握している。体中に広がる痛みに耐えながら、嘲笑と冷笑に囲まれて、幾度も見舞ってくる暴力の中でジッと耐えているしかないと、そう判断していた。
「んなぁに、ボサッとしてんだよォ!!」
その場で震えるだけの肉人形の腹めがけて、先ほどから蹴りを見舞っている少年の足が再び飛んだ。
ばしぃんっ!!と軽快な音が肉人形を打ち鳴らし、じゃらじゃらと鳴らされる鎖と共に後ろへと吹っ飛んでいった。ぐらぐらと吊るされている人型のソレは、そのまま吊り下げられたまま元の場所へと揺られたまま戻ってくる。
この一連の光景を目にしながら、遅れてきたばかりの少年は感心しながら眺めていた。
「へぇ~、ここまで仕上げたんだ。ゲヘナ生徒って頑丈だねぇ」
「だろ? いやぁ~、ここまでシコむのに苦労したよ。なにせ、最初のほうはすっげぇ抵抗したからな。『二匹』とも、従順で面白いよ本当に!」
あははっ、と互いに笑いあう。目の前で吊り下げられているのは、トリニティ生徒たちに取って憎きゲヘナの生徒。汚らわしい者を罰したところで、一体何が悪いというのか。
悪辣なゲヘナを制裁することでスカッと爽快。忌々しい者を始末することで普段の学園生活によるストレスの発散を行いながら、彼らはその姿をジッと眺め続けていた。
「にしてもさぁ、『イロハ』と『イブキ』だっけ。たしか……ゲヘナの、なんかトップの?らしいけど。よく連れてこれたね」
「あぁ、まぁな。ほら、シャーレの部隊って他校の生徒たちと行動するじゃん? そん時にさ、たまたま一緒に入ったんだよ。おんなじ任務にあのクソゲヘナのチビ二人とさ」
軽快なシュート音をBGMにしながら、親友の言葉に耳を傾ける少年。
部屋の中央で吊り下げられている禿げ頭の肉人形――かつて、イロハと呼ばれていた少女が暴力に晒される姿をじっと眺めながら、友達が持ち寄ってきた菓子を頬張りながら眺めていた。
蹴りの一発一発が重々しく、その鈍重な一撃はしっかりとイロハと呼ばれている人形に確かな打撃音を残した。肉を切り裂き、骨を粉砕せんばかりの一撃だが、キヴォトスの生徒特有の頑丈さがあってか簡単に壊れることはないのだが……それがかえって、彼女に対して終わることのない苦しみを長続きさせてしまうのである。苦悶に満ちた口元が――唇を切り落とされてむき出しになった歯茎を食いしばらせ、慟哭を「ぶぅぅううぅ゛~~~~~っ゛!!!」と歯の隙間から、血をにじませた泡と共に溢れてくる。
イロハに暴力を見舞っている少年の動きは軽快だ。軽やかな足取りと共に小柄な少女に的確な拳と蹴りを見舞い、そのたびに「おぉ゛っ゛!!」「んぐっぅ゛……!ぐぉ゛ォお゛ぇ゛っ!?」とゲロを交わらせたような悲鳴が漏れた。
「にしてもさっすがだよねぇ。きれいなフックが入ってるよ。パンチの姿勢が鮮やかだ」
「だろ? なんせ、現役の正義実現委員会だからなぁ、あいつ」
親友の言葉を耳で聴きとりながら、視線はずっと殴られているイロハに夢中になっている。
今、肉人形と化した彼女を殴っているのは、トリニティで知られている正義実現委員会の男子生徒だ。有事の際には生徒たちを守るために、その力を振るっているこの部活内で、数々の功績を立ててきた彼は将来有望なる生徒として知られている。
なんと、あのツルギやハスミといった二人からも認められており、今のトップが卒業したら後に正義実現委員会のトップは彼になるのではと噂になっているくらいだ。
迷いなき正義の拳は、的確に肉人形の顔へと命中させていく。悲鳴らしき悲鳴は、出し切るその前に口元へと拳で叩き込み黙らせる。
後ろへとのけぞった彼女の体が、わずかに弓なりになるも再び少年の鉄拳が彼女の顔を捉えていった。
「ンぐぅぅぅ゛ぅぅ゛うう゛っ゛!! ンむぅ゛~~~~~~っ゛!!!」
「オラっ! このっ! 糞ったれゲヘナめ!! テメェらがデカい顔をしていられるのも今の内だと思っておけ!! 俺が正義実現委員会のトップになったらなぁ!! 絶対にお前らみたいな屑を一掃してやる!! 覚悟しておけっ……糞ったれがァ!!!」
揺るぎない正義の怒りが、終わることなく小柄な少女の顔を打楽器のごとく音を鳴り響かせた。繰り出されるビートは、抑えきれない正義の鼓動のごとく、五指の形をしっかりと少女の体に刻み込んだ。
迸る額の汗が、彼に心地よい疲労感を蓄積させていった。まるで、練習に励むボクサーのように、気持ちの良い運動をしている今の彼は、心なしかどこかさわやかな顔をしていた。
そんな青春の一ページを繰り広げながら、観戦している少年たちは雑談を続けた。
「そういえばもう一人のほうはどうしてるのさ。イブキってやつ」
「あぁ~……あれ? あれならさ、ほら……下のほう」
「……へ? 下……あ、あ~~……」
指を指している物は、床のシミ――ではなく、先ほど部屋に入ってきてから微動だにしていない肉人形の『もう一つ』。かつて、イブキと呼ばれていた物だった。
それはピクリとも動いていなかった。ケガの度合いとしてはイロハと同じくらいなのだが、床で寝転がっているソレは痙攣もわずかな動きも見せようともしていない。あまりにも動かな過ぎて、いることにすら気づけなかった。
「……生きてるの? アレ」
「おう、もちろんな。ちゃんと体調管理はしてあるからさ、ちゃーんと死なないように調整しているわけよ」
「はぁ~、さっすがだなぁ。救護騎士団の一人なだけあるよ」
少年の言葉を聞いて得意げに語る親友が「まぁな!」と胸を叩いた。
こうしてイロハとイブキと呼ばれる少女たちが狂気的な痛みに晒されている中、これっぽっちも死ぬことがないのは親友の医療知識があってこそだった。彼の知識は救護騎士団でも重宝され、その働きぶりからあのミネ団長からも一目置かれているんだとか。
彼もまた、部屋の中央で汗を流している彼のように、いつかは救護騎士団のトップに立つのではないのかと言われているほどだ……
――……ぎゅぅぅぅぅぅ……ごろごろごろっ…………
「……? なに、今の音――」
「!! ちょ、ストップストップ!! オイ! 殴るのストップ!」
サンドバッグに夢中になっていた少年を制止し、突然なり出した異音を耳にした親友が遊びを中断させた。
「え、え、なになに? なんだよ?」
「……あー、うん。ちょっとお前離れてろ。すっげぇ面白いこと起こりそうだからさ」
ニタニタと悪戯めいた笑みを浮かべた親友が、先ほどまで殴っていた少年を引きはがした。
その様を見せつけられて、周囲にいる友達もざわざわと見守っていた。
何が始まるのか期待感を込めた好奇心の視線が、ジッと部屋の中央にいるイロハに注がれていた。
「ふっ゛……!! ん、んぅぅぅうぅ゛~~~っ゛……!! ん゛っ、んぅぅぅぅぅう゛……!!」
途端、ふるふるとイロハの両足が震えた。
小柄な体を支える頼りなさげな二本足が、がたついたブロックのように崩れ去ろうとしている。
見てみれば、腹のあたりと下半身に力を込めている。そんな風に見えた。
それが何なのかを、周囲にいる少年たちもざわつきながら察したのだろう。不思議そうに描いていた彼らの表情が、急に好奇心を含ませた
「あー……これってさぁ、もしかしてさぁ……」
「ま、そーいうことよ。ここ数日、ずーっと暖房を聞かせていないさむい部屋に閉じ込めてたからさ。食わせてるもんもぜーんぶ液状のやつばっか。いまから……出すぜ、あいつ」
親友の声と共に、周囲からクスクスとした笑い声が聞こえ始めてくる。みんな、この中心で起きるだろう事態をすでに予想し終えているようで、すぐにでも彼女に待ち受けている末路が度のような絵面を描くのかを期待してまっているのだ。
イロハの下半身に力が籠められ始める。ぐぐぐぐと尻をわずかに浮かせながら、ヒクヒクと疼いているであろう菊門の感覚を彼女自身も感じているのかもしれない。
「んむっ゛……ンぅぅぅ゛~~~~っ……!! ん、ッぐぅぅぅ゛ぅぅっ゛!! ぐ、ぅ゛ぅぅぅぅぅぅ゛ー゛ーーーーーー……っ゛!!」
やだ、やだ。そんなの、やだ。苦悶の声をあげながら肉人形の中に残りカスのような羞恥心が尻の穴を塞き止めるようにと必死にこらえる。
腹の中がぐるぐると音を立てて、少年たちが用意した適当な食べ物をミキサーで混ぜ合わせた物の消化物が腸を巡っている。それが今、一気に出ようとして尻の穴を目指しているのだ。
だしたくない、だしたくない。瞳はもうないから体で感じることしかできないが、自分の腹の中で感じられる異音が、何なのかを無情にも教えてくる。
「よーし! いけいけーーー!!」
「お、堪えてんじゃねぇぞー? はやくばばっとやっちまえって!」
「イロハちゃーん? おトイレはそこじゃないんだよ~?」
ゲラゲラとヤジを飛ばしてくる少年たちの言葉に、歯を食いしばる肉人形。
羞恥、屈辱、嫌悪、悔しさ。そのどれもを噛みしめながら、滂沱のように流れる涙がだらだらと溢れていく。
そして、ついに
「ん゛、ぐぐぐぐぐっ……ぶっ゛!? ん゛ンぅぅ゛ンんん゛っ゛! ンンーーー゛ー゛ーーっ゛!!!」
ぱんっ、と。乾いた霧吹きのように、ぶしゅぶしゅと彼女の尻からソレが噴出した。
親友がこの日のために必死に仕込んできたイロハの腹具合。寒い場所へ閉じ込めて、消化の良いものを食わさずにジッと腹の中でじっくりちお仕上げた水っ腹による下痢便。薄茶色の液体が水鉄砲のように床にめがけて噴出し、黄土色の放射線を地面に描いた。
異臭を放つ汚物が、床を濡らした。所々に茶色に混じって赤い斑点が見受けられる。この数日、彼女が受けた苛烈な遊びによって出来た肛門内の傷によって出来た血だろう。血便交じりの下痢を垂れ流しながら、一種の解放感と共にどこかすっきりとした表情を浮かべるイロハ。
「あははははははは! すっげぇえ~~~~~!! めっちゃ出してんじゃんあいつぅ!」
「うっわきったね! ……ははっ! やば、きっしょ!!」
「お~い! ここはトイレじゃないって言ったじゃーん!」
びっちゃりと床を濡らしたその様が、とうとうクスクス笑いとゲラゲラとした笑いを通り越して爆笑の渦を作り出した。忌々しいゲヘナ生徒の惨めッタらしい姿を見れてご満悦の少年たちは、自分たちを笑わせてくれたイロハに対して礼の言葉を次々と述べた。
自信を取り巻く環境と自分の身に起きているあまりにも身勝手な理不尽。さすがのイロハのほうも精神的に堪えたのか、自分の腕で目元を隠そうとしている。恥じらいを感じる心がまだ残っていたのか、捕まってからどれだけ流したかわからない涙を腕で拭っていた。
呆然としたまま、がちゃりと鎖が外された。宙づりになっていた彼女の体がどさりと床に転げ落ち、地面の上でひくひくと死にかけのケダモノのように震えていた。
「……おらっ、クソッタレ。はやく床の上を片付けろよ。舐めることは出来んだろ?」
「っっ……ぷ、ぱっぁ……っ゛……ふぁぁぁっ゛……!!」
先ほどまでイロハを殴っていた少年が恫喝同然の言葉で彼女を追い詰めていく。
床にぶちまけられた放射状の汚物。これを口にしろという言葉を耳にして、イロハの目じりに涙が浮かんだ。
無理だ、出来ない。いくらなんでも自分が出した排泄物に口をつけなきゃだなんて――
「……わかってるよな。テメェと一緒にいたあの金髪のガキ。好きにしていいってんだな?」
その言葉を耳にした途端、イロハの動きが止まった。
こんな体にされてから、一度も目にしてないイブキの姿。このような男たちがイブキに手を出さないとは限らないが、今の自分の姿ではどのような話を持ち掛けられても応えるしかない。
ふらふらと、イロハが四つん這いの姿勢になり始める。床に打ち放たれた、自身が犯した粗相を片付けるために――血まみれの舌先が床を舐め始めた。
「はははははははは!!! やっべぇぇぇぇぇぇ! マージで舐めてやがんの!!」
「うっわっキッモ~~~~!! あ、ちょっと写真とっとこ……おーい、イロハちゃんこっちむいて~~!!」
「ちゃんと片づけ出来てえらいなぁ~! イロハちゃーん!」
観衆のゲラゲラとした声に囲まれながら、彼女の体は床にぶちまけられた汚物のほうに意識を向けていた。
口に広がる拒絶感によるまずさ、体が食べ物と認識できず、舌先が汚物で濡れた床を舐めるたびにすえた臭気が鼻の刺激する。人が口にするべきではないものを口にし、それでも巻き込まれたイブキに少しだけでも魔の手が伸びないようにと、ジッとイロハは少年たちの言う事に従っていた。
……その守りたい者も、イロハと同じ姿にされていることに気づかず。くり抜かれた瞳は、自分の近くで寝転がっている物に気づくことのないまま、舌先にある物をちろちろと舐めとるのだった。
――……だいじょうぶ、だいじょうぶ……だいじょうぶですからね、イブキ
――帰れる……ぜったいに、帰れるから……
――待ってくださいね……がんばったら、怖いお兄さんたちがきっとゆるしてくれるから
――……まっててね……
「がんばれがんばれ~! イブキちゃんがキミの帰りを待ってるよ!」
「おう、そうだぞ~! 頑張ってくれよな~!」
イロハの決意、覚悟、その汚れた身でありながら受け入れていくその姿勢。彼女が胸の内に切なる思いを抱いていても、この場では少年たちの娯楽としてしか消費されない。彼女の姿を眺めながら、少年たちは腹を抱えて笑いあった。