アリティアが陥落してから4章「喜びと悲しみと」のラストでシーダがホルム海岸に現れるまでの時間軸の出来事。ゲーム本編の会話と後日談の引用あり。ドルーアの情勢と港湾都市ローグは作者の創作。
※PixivとAO3にも投稿済み
「シーダ!私は城に残るわ!あなただけでも落ち延びてマルスにアリティアが落城したことを伝えて!」
「エリス様!ですが…」
「行って!早く!」
シーダはエリス王女の必死の懇願に後ろ髪を引かれつつも天馬に乗りあちこちで黒煙立ち昇る空へと羽ばたいた。
――今アリティア本軍はグルニアにいるはず。エリス様の犠牲を無駄にしないためにも早くアリティア落城をマルス様に知らせなければ。
ペガサスを南へと駆りながらシーダが悲愴な思いで言い聞かせる。その矢先。
「!」
天馬の片翼を地上から放たれた矢が貫き、一気にバランスを崩したペガサスはシーダもろとも地上へと落ちて行った――…
*
「よお、気付いたかい、嬢ちゃん。」
シーダが目を開けると、そこは物置のような狭い部屋だった。前方、少し離れた所に木の椅子に掛けたガラの悪い男が座ってこちらを見ていた。シーダは自身がベッドの上に寝かされていることに気付き、起きようとした――
「!?」
が、足を引き寄せようとして片方が枷で繋がれているのがわかった。それでもやっとのことで上体を起こすとフラフラと揺れている心地がした。
「…これは一体どういうつもりなのです?」
キッと睨んで男に問うと。
「俺はザック。サムシアン残党の頭領だ。今はガルダの海賊残党と組んであちこちを転々としながら食いつないでいる。数日前、帝国軍が動くのを見た。運が良けりゃあ、おこぼれにあずかれるかもしれねぇと思って跡をつけた。そしたらアリティアを襲い出したじゃねえか。だから俺たちゃ身を隠しながら陥落するのを待っていたのさ。いわゆる火事場泥棒ってヤツを狙ってな。そんな時、あんたが城から脱出していくのが見えたから迷わず撃ち落としてやったのよ。」
「……」
シーダはザックの言葉の『ガルダの海賊残党と組んで』という言葉に引っ掛かりを覚えた。この揺れは短くない時間、気絶していた自身の眩暈によるものだと思っていたが…
「ここは海の上なのですか?」
「察しがいいな。おうよ。今ドルーアに向かっているところだ。」
「私のペガサスは…」
「ちゃんと手当てして丁重に扱ってるぜ。けどまあ傷が治るまで飛べねえだろうなぁ。」
ザックはそう言ってニヤニヤと笑った。
「私は行かねばならないところがあるのです。船をマケドニアに向けなさい。」
「言っとくがあんた、囚われの身だぜ?指図は受けねえよ。シーダ王女サマ?」
「! なぜ私の名を…」
「アリティアのペガサスナイト、つったらあんたしかいないだろ?ところで…」
ザックの目が冷たく光った。
「二年前のこと、覚えているかい?あんたたちアリティア軍が俺らサムスーフのアジトをめちゃくちゃにしてくれたおかげで俺たち僅かな生き残りは流れの盗賊になった。その上、俺たちが苦労して集めた15000Gの金貨まで持って行きやがって…」
「元は盗んだものではないですか。」
「うるせえ!」
ザックはドン、と傍らの小さな円テーブルを拳で叩いた。
「盗賊の財産だから盗ってもいい、ってのか?ふざけるなよ。……いいか?これから王女サマにはそのお綺麗な身体でキッチリ返してもらうからな!」
とザックは下卑た笑いを浮かべた。
*
『ドルーアについたらあんたには王女ではなくただの女としてポルノショーに出てもらう。俺たちの金を盗んだとは言え、あんたの婚約者は曲がりなりにも世界を救った英雄様だ。その功績に免じて…15000G稼いだ暁にはあんたをあんたの大事な天馬とともに解放してやるよ。せいぜい頑張るんだな。』
ザックが部屋を去る前に言った言葉がシーダの耳に何度も反響する。
――ポルノショー?一体どんな…
考えれば考えるほど不安で押し潰されそうになる。天馬の居場所もわからず、飛べるかどうかもわからないとなれば、船上では逃げることもできない。そして自決はもっとありえない。シーダにはアリティア落城をマルスに伝えるという使命があるのだから。
――とにかく今は従順なふりをして天馬の居場所を探って…もし見つからなくても陸地に着けば逃げるチャンスもあるかもしれない。
シーダは自身に言い聞かせた。
船での生活はそれほど酷くはなかった。食事も十分な栄養が摂れるものを与えられたし、監視付きで枷を外してもらい、運動もできた。それもこれもショーに出す商品としての価値を落とさぬための配慮だったのだろうが、シーダにしてみれば単純に健康と体力を維持できるのはありがたかった。
*
そして数日後。船はとうとうドルーアに到着する。
「ついたぜ、姫さん。」
シーダの部屋にザックがやってきて彼女の足枷を外し、全身をすっぽり覆える暗褐色のフード付きマントを着せると『来な。』と顎をしゃくった。
――とうとう着いてしまった。武器もない、天馬の居場所もわからないまま…
ザックと数人の盗賊たちに囲まれて船を降り、街を歩きながら、シーダが絶望に陥りかけて。
――ポルノショーとやらをやり遂げて解放してもらうより他に道はないのかしら…
欝々と考えていると。
「ここはドルーア王国北端にある最大の港湾都市ローグだ。暗黒戦争で戦禍に巻き込まれなかったこの街は戦前と変わらず豊かだ。戦争を生き延びたドルーア城周辺のマムクートたちもけっこうな数がこの街に流れ込んできたって話だ。」
ザックが説明を始める。
「そしてあんたがショーを行うのはローグの歓楽街にある風俗を扱う劇場だ。いつも満員御礼らしいから一晩でかなり稼げると思うぜ?15000Gなんて直ぐさ。」
そして続けて。
「あんた、まだ処女かどうか知らねえが、処女だったら閨で金持ちの相手して稼ぐ、ってことはできねえだろ?何しろ英雄王との初夜が控えているんだから、な?」
と言ってニヤニヤと笑った。シーダは屈辱にワナワナと震える。
――今、この場でこの男を殴ってやりたい。
だがどのみち逃げることはできそうにないことと、もっと事態が悪くなるかもしれないことを考えてグッと堪えた。
やがて。目的地である劇場に到着し、裏口にいるスタッフにザックが声を掛ける。
「よお。上玉を連れてきたぜ。」
「いつもありがとよ、ザック。…さあ中へ。」
と言って建物の中に通される。広くもない通路を歩いて行くとすぐに一つの部屋に辿り着いた。
「ここがあんたの控室だ。ショーは夜からだ。まだ時間があるから寛いでいていいぜ?あと、これはもういらねえな。」
ザックはシーダからマントを引っぺがし彼女を残して数人の盗賊たちとともに部屋を出た。次の瞬間ガチャリ、と外から鍵が掛けられる。
シーダは一人になると諦めと束の間の自由による安堵からフゥ、と溜息を吐いた。
*
そして夜。ザックがシーダの控室にやってきた。
「ほらよ、こいつに着替えな。」
光沢のある白い布と白いハイヒールサンダルを放られ、シーダは布を手に取り広げて見て…驚き顔を赤らめた。
「な…こ、こんな、破廉恥なもの、着れません!」
「いいか、姫さん、あんたに選択肢はないんだ。痛い目に遭いたくなきゃ、言う通りにするんだな。5分だ。それ以上は待たねぇ。」
バタン、とドアが閉まりシーダは再び部屋の中に一人になった。
結局、シーダは急いで盗賊から渡されたものに着替えた。5分後きっかりにドアが開き、ザックが顔を覗かせたのでシーダは思わず胸と股を手で隠す。彼女が着ているのはいわゆるハイレグレオタードで尻の部分はほぼ紐、首の下から臍の下までパックリと開いていて乳房の半分が露わになっており、しかも白い布地で生地自体が薄いため、乳首と股の割れ目(マンスジ)もくっきり見えていた。
「お、着替えたな。これから見世物になるってのに隠したって意味ないぜ?…来な。」
ザックが嘲るように嗤い、くるりと背を向ける。シーダは頬を赤らめ震えながら、慣れないハイヒールを履いた足を動かしてザックの後について行った。
*
シーダが連れて行かれた先は、薄暗いホールだった。既に大勢の客が集まっており、シーダが中央の円形のステージへと伸びる”花道”をザックの背について歩いて行くと、暗がりに蠢めく人影がシーダに触れようと手を伸ばしてきて、王女はゾッとして身を竦めた。
ステージは魔道の灯りを宿した灯石が床に埋め込まれていて、ステージの上だけスポットライトに照らされてでもいるかのように明るい。そしてそのステージには劇場のスタッフらしい数人の男が待ち構えていた。シーダがステージに足を踏み入れると早速、男の一人がシーダの両手首を掴み前で交差させ、別の男が持っていた革のベルトで交差したシーダの手首を縛る。そして革のベルトを高い天井からつり下がっているロープの先のフックにかけ、シーダをIの字に拘束した。
「な…」
「なかなかそそる格好じゃねえか。…ま、頑張れよ。」
シーダが驚愕の表情を浮かべるとザックは王女を上から下まで見てニヤニヤ笑い、ステージを去っていった。元々いた男たちも派手な服のずんぐりした中背の男を残して去り、ステージの上にはシーダと中背の男のみが残された。そして徐に男がパン、と手を叩き両腕を広げて。
「さあさあ皆様お待ちかねのポルノショーが始まるよ!」
とよく通る大きな声で宣言した。すかさず観客からどよめきと拍手が起こり、ヒュウッと口笛を吹く者もいた。男はシーダの背後に回り込み…
「ひゃんっ!?」
揃えた指先でシーダのマンスジをするりと撫でたので彼女は変な声を上げてしまった。観客たちがまばらに笑う。
「今、彼女のココは濡れていませーん。」
まるで手品師が『種も仕掛けもありませーん。』という時の言い方に似ていて、いきなりそんなところを触られた怒りも相まってシーダが後ろを睨もうとするが。
「ひゃっ!?」
ハイレグレオタードの側面から手を入れられ生乳を鷲掴みにされて悲鳴を上げた。
「まずは定番のモミモミから行きまーす。」
と男はそのずんぐりした体型に似つかわしいグローブのような厚ぼったい手でシーダの乳房を揉みしだく。
「ちょ…や…っ…やめ…っ…!……」
目を閉じ眉根を寄せて白い肢体をくねらせ、ハイヒールの踵をカツカツと床に打ち付けながら太腿をもじもじと擦り合わせるシーダを、観客たちは興奮と熱気を持って鑑賞した。
「さあ、ここでオプション・乳首責め~~!」
乳房を揉む手はそのままに、男はその太く短い指の先でクリクリとシーダの乳首をこねくり回す。
「あっああんっ、いやっ、あん、や…あっ!あんっ、ぁ…ん、… …」
シーダが激しく喘ぎ、苦しみ悶える間も観客たちは『いいぞー』とか『もっとやれー』という合いの手を入れる。
そして漸く男の手が止まり胸から離れていくと、シーダは目を開け息を乱しながらぼんやりと前方の暗い観客席を見つめた。だがそれも束の間。
「次はみんな大好き、こちょこちょでーす!」
と男が言い、シーダはぎょっとして後ろの男を見ようとしたが。
「あっ!?あああんっ、いやっ、あん、…や…うふふふ…あん、やん、…ふふふ…や…ぁ…くすくす……ひゃ…っ…ふふふふ…っ… …」
突如、剥き出しの腋を擽られて身を捩った。
「いい反応ですね~~あ、そーれ、こちょこちょこちょ~~!」
と擽られている本人にしてみれば巫山戯ているとしか思えないことをしゃべりながら、存外器用な指先をリズミカルに動かして男が擽り続ける。
「あああんっ!あっ…ああ…ん!も…や…ふふふ……ぁ…あ、あ……んっ…ふふふふ……」
シーダは間断の無い擽り責めに革のベルトをぎちぎち軋ませ、服の上からでもはっきり分かるほど浮き出た乳首が露わな胸をたゆんたゆん、と揺らしながら、思わず掴みたくなる魅惑の腰を激しく揺らし喘ぎ続けた。
それから……シーダにとって永遠にも思える時間が経った頃、やっと男の手が止まった。
「はぁっ…はぁっ……」
――お、終わった、の…?
シーダが疲れ果てがっくりと頭を垂れながら肩で息をする。だが次の瞬間、男の無情な声が響いた。
「今度はお触りタイムでーす。スペシャルチケットをお持ちの方はステージにどうぞ~~」
男の言葉にシーダが思わず顔を上げると数人の観客がチケットをヒラヒラさせながらステージの方へやってくるのが見えた。
「も、もう、無理…」
「このコ、もうすぐ結婚するからキスと突っ込むのはダメだって。あと痛いのもダメ。ちゃんと守ってね?それ以外は何でもOKだよ~~」
シーダが怯えた顔でかぶりを振るが、スタッフの男は意にも介さずチケット所持者に説明する。
「へへっ…新郎よりも先に俺たちが手垢つけちまうのはちと気が引けるなぁ~~」
「もうとっくにヤッてんじゃねえの~~?」
男たちがニヤニヤとそんな会話をしながら頷き、早速シーダへと手を伸ばした…
「いやぁっ、来ないで!…あんっ!あああああ!」
無数の手が一斉に襲い掛かり、シーダが恐怖のあまり絶叫する。乳首を弄りながら乳房を揉む者、尻を鷲掴んで揉む者、マンスジをスリスリと撫でる者、腋や脇腹、臍を擽る者と様々だったが、男たちは心得たように、皆が隈なく女体に悪戯できるようにそこを十分堪能するとポジションをチェンジしローテーションする。彼らにとってその箇所を弄る時間が長いわけではなくともシーダにとっては身体中を延々と集団で弄られ続けるわけで、あまりの快楽にどうにかなってしまいそうだった。
モミモミモミモミモミ……
クリクリクリクリクリ……
スリスリスリスリスリ……
こちょこちょこちょこちょ……
「あ…ん、ああ…ん……あ……も…う…あああぁ~~…」
彼らのローテーションが一周する頃には、当初恐怖が勝っていたシーダの声も艶めいた喘ぎ声に変わっており、乳首は傍目にもわかるほどピンと立ち、内腿を溢れ出た愛液が濡らしていた。
最後は男たちが一人ずつ順番にシーダの腿の横を掴み、後ろから自身のモノを彼女の素股に当てがって擦りつけてイき、そしてその最中、疲労困憊した王女がついにカクリ、と意識を失った。それでも全員が素股でイくまでショーは続き…
「今、彼女のアソコはズブ濡れでーす。皆様、本日はご来場、ありがとうございましたー!」
彼ら皆がイき終えると中背の男の、まるで手品が成功したかのような言葉とともにその日のショーは終わりを告げたのだった。
*
「ん…んん……?」
シーダは生温かいものが乳房を包み込み蠢いている感覚に朦朧とした意識を浮上させた。はっと目を見開くと、甲に黒い毛の生えた男の手が大きな蛆虫のような指を蠢かして自身の乳房を揉みしだいていた…
「!? い、いやああぁ~~!!」
咄嗟にその手を払いのけようとするが、両手が動かないことに気付く。驚いて周囲を見回すと、シーダは浴室らしき部屋の大きな楕円形のバスタブのようなものの中に脚を前に伸ばして座っており、水平に左右に広げられた両腕の手首はバスタブの縁の穴に通された革のベルトに拘束されていた。室内は壁や床に埋め込まれた灯石のおかげで明るく、灯石でできているためかバスタブの内側も明るい。シーダの腰辺りまで白い泡に浸かっていて、彼女の両脚の外側に毛深く贅肉のついた男の脚が伸びているのが目に入り、男がシーダの背後にピッタリと重なるように座っているのがわかった。意識がはっきりするにつれ、自身の尻の割れ目にぶにゅっとした男のモノが当たっているのにも気づき吐きそうになる。
「は…離れなさい!!」
シーダが王女の威厳を込めて命じるが男はどこ吹く風で。
「ぼくちん、チミをキレイキレイしてあげようとしてたの。でもチミのここ、とっても柔らかいからつい夢中でモミモミしちゃった。…あれ、でもここ、ちょっと硬い。」
「ゃ……ぁ……!」
乳首を指先でコリコリと弄られてシーダは声にならない悲鳴を上げた。男は更に。
「ここって泡に隠れて見えないけど、どうなってるの?」
「や…っ…!」
片手を伸ばしてマンスジにぶとい指先を触れたのでシーダは即座に脚を閉じた…ところで、はっとする。
「わ…私…、服を…?い、いやあ~~!!何で裸なのぉ!?」
今、自分が全裸であることを漸く自覚して絶叫したのだが、背後の幼稚な言葉遣いの男はキョトンとしていた。
「んもぅ~だって服を着てちゃキレイにできないでしょ?だからぼくちんが脱がしてあげたんだよ。」
「な…何てことをするのよ!?」
シーダが後ろをキッと睨むと幼稚な男はヒッと息を呑んだが、すぐに拗ねた様に口を尖らせて。
「ダメだよぉ。そんな怖い顔しちゃあ。ほら、笑って?」
「きゃ…っ!?いや…っ、ああ、ん、…うふふふ…あ…ん…ぁ…あ…ん…」
腋を擽ってきたのでシーダは笑って身を捩った。すると。
「あ、笑った。やっぱり笑った方が可愛いよ♪」
と男も分厚い唇に笑みを浮かべて上機嫌でシーダをこちょこちょと擽る。
「あっ、あん、やんっ、ああんっ、…」
「ウフフ、可愛い~~♡もっと色んなところをくすぐっちゃうぞ~~?」
男はそう言ってシーダの腋だけでなく脇腹、首、乳房、乳首、お腹、臍、内腿と擽っていく。
「やっ、やあんっ、ダメッ…ああん、… …」
シーダは喘ぎながら懸命に逃れようとしたが拘束されていてはどうにもならず、身体中をいいように弄られ続けた。そして…
「うん。やっぱり腋が一番擽ったいみたいだね?」
あちこち擽った挙句、男はそう結論づけて腋を集中的に擽り出す。
「も…や…ぁ…うふふ…ああ…ん、うふふ…あン…くすくす…」
シーダは苦しさと快楽が綯い交ぜになった顔で喘ぎ。
「でもね、時々ココもちょこっと弄ってあげるといいみたい?」
と男が腋を擽る合間に不意打ちで乳首をこちょこちょっ、と弄る度にシーダはビクン、と身体を撥ねさせた。そして…終わらない責め苦にシーダが疲労と眠気で頭を揺らし始めた頃。
「うーん…楽し過ぎてこちょこちょに夢中になっちゃった。今からちゃんと洗ってあげるね?」
と言い、男はバスタブに溜まった泡を掌に掬い、シーダの身体に塗り付けては撫で廻し、洗っていった。
「あ…ぁ…」
不快なのか気持ちいいのかわからない男の愛撫にシーダが熱を帯びた喘ぎ声を漏らし、感じる処を撫でられる度にピクン、ピクンと身体を震わせた。そして男はシーダの身体のほとんどを撫で終えると。
「ちょ…!?」
ひょい、と彼女の膝裏に手を入れて脚を開かせ、内腿に自身の膝を入れて立ててM字に開脚させた。所謂”クパァ”の体勢である。
「あとはココだけだよ。ちゃんとキレイにしてあげるからね~~」
「い、いやああああ~~!!」
シーダは断末魔の叫びにも似た悲鳴を上げるが、男はやはり気にせずに股の割れ目と後腔を丁寧に優しく洗い始めた。そんな中で。
「あれぇ?ここに小さなお豆さんがある。」
「!!?」
素っ頓狂な声と共に男にクリトリスに触れられてシーダは息を呑んだ。
「やっ、やめっ…あっ…」
思わず制止の言葉を言おうとするが、ソレをきゅっと摘ままれて言葉が喉に痞える。
「あ…っ…あ、ぁ…」
男がシーダの反応を面白がって肉芽を撫でたり摘んだりを繰り返したことで、彼女の背筋にゾクゾクと快感が駆け上がって来て。
「はぁ…ん、も…、やぁ…ああんっ!」
シーダが快楽から弓なりに仰け反ると立った乳首がつん、と上を向き、男はそれを見て片手で交互にソコをこちょこちょと擽った。その度にピク、ピクン、とシーダの身体が撥ねてプルン、プルンと乳房が揺れる。そして…俗にいう”3点責め”をされながら、幾ばくかの時が過ぎた。
「はぁっ…はぁっ…はぁっ…」
漸く男が手を止めシーダの体勢を元に戻す頃には、彼女の頬は赤く染まり息も絶え絶えになっていた。
「ふぅ~~、これで全部洗い終わったね。あ、おっと。顔と髪がまだだけど、そこは自分で洗う?」
――馬鹿なの!?拘束さえされてなければ自分で洗うわよ!!
男の今更な言葉にシーダは悔しさと羞恥心で目に涙を滲ませながら、罵倒してやりたいと思ったがもはや疲れ果てて声も出せなかった。その時。
「坊や、とても上手にできたよ。偉いね。」
と老いた男の声が後方から聞こえ、シーダは初めてその時、自分たち以外の人間が室内にいることを理解した。その声に背後の男が振り向く。
「うん、パパ。ちゃんと洗えたよ。」
「ではお家に帰ろうか?さあ、身支度を整えて。」
「うん!」
男が立ち上がり、続いてザーッとお湯をかける音がしてバスタブの中に温いお湯が流れ込む。それから男はバスタブから出て気配が遠ざかっていき、ドアが開き、閉まる音がした。直後。
「これで特別オプション”洗い責め”は終わりだよー」
ショーの時にシーダを苛んでいた男スタッフの声がやはり後ろから聞こえ、シーダはまだ他にも室内に人が居たことに驚く。男スタッフはシーダの傍に来ると革のベルトの拘束を外し始める。
「一体…」
「説明するね。ここは劇場内の浴場で、今みたいに客の要望でそういう目的に使うこともある場所さ。さっきの年配の男性は劇場のパトロンさんだよ。君を洗っていたのは彼の息子さんで生まれつき頭が弱くて。たまに劇場に連れてくるんだけど、さっきのショーで君をいたく気に入って『洗ってあげたい!』って言い出してさ。ショーの後、気を失った君を運んできたんだ。」
「……」
「彼は親切心でやってるんだよね……まあ。君も彼に気に入られて災難だったかもしれないけど、ちゃんと追加料金はもらってるから。君のカレシの借金もその分、早く返せるよ?」
――借金?
男の口ぶりからするとザックはシーダが婚約者の借金のカタにショーに出ることになったと話していると思われた。否定したかったが今は疲れすぎていて何かを言う気力もなかった。
「君も身体を濯いで。お湯はそこの蛇口を捻れば出るから。着替えは外に用意してあるよ。もしこのまま気を失ったり寝てしまったら裸の君を控室まで運ぶことになるからね。…じゃ、おいらは外で待ってる。」
拘束を外し終えるとスタッフは浴室を出て行き、一人残されたシーダは意地でも裸で運ばれないように疲れ果てた身体を叱咤して入浴を終え、必死に意識を保ちながら身支度を整えて脱衣所を出た。
そして。自分の控室に戻ったシーダは泥のように眠ったのだった。
*
「出張ショーですって?」
「そうだ。」
シーダの控室のドア横の壁に寄り掛かって腕組みをしていたザックが頷いた。彼女が劇場でポルノショーに出始めてから数日が経っていた。
「ローグ校外の豪農からの依頼でな。金は弾んでくれるってぇことだから別にいいだろ。」
「…あなた、私が彼氏の借金のためにこんなことをしていると吹聴しているそうね。」
「事実とそんなに違わねぇだろが。アリティア軍が俺たちサムシアンから盗んだ金、つまり借金さ。」
「……」
「まあ、何度も言うようだがあんたに選択はねぇ。明日の午後だ。そのつもりでいてくれ。」
ザックは念を押すと部屋を出て、ドアを施錠して去った。
*
翌日。シーダはいつも劇場のショーで着る前面中央が縦にパックリと空いたハイレグレオタードの上にフード付きマントを身に着けた姿で馬車に乗せられ、劇場スタッフ数人とともに港湾都市ローグ郊外へと向かった。
やがて周囲が田園地帯に変わり、舗装されていない地道の先に幾つかの家屋が周囲にある、大きな木造の屋敷が見えてきた。
「あそこが今回出張ショーを依頼してきた豪農の館だ。」
とシーダの前に座るスタッフが説明する。だが馬車はその館ではなく、一棟の巨大な畜舎の前で止まる。
「ほら、降りな。」
スタッフの一人が言い、シーダは彼らとともに馬車を降りた。すると畜舎の中から恰幅の良い中年の男が出て来てにこやかに挨拶をする。
「おお。お待ちしてましたよ。私はここの農場主のトムです。」
「当劇場にご依頼ありがとうございます。ご要望のショーガールをお連れしました。ささ、ご検分下さい。」
スタッフが愛想笑いを浮かべながらシーダからマントを取り去るとトムは目を丸くした。
「すごいべっぴんさんじゃあないですか!」
「ええ。お客様はラッキーですよ。この子は借金を返すまでの期間限定ですからね。たっぷり可愛がってやって下さい。」
「なんと!そうですか。では早速中へ…」
トムがいそいそと畜舎の中へと一行を案内する。トムについて広い畜舎の真ん中にある空きスペースに着くと、既に周囲は観衆の小作人たちで人だかりができていた。空きスペースの中央に円い穴の開いたギロチンで罪人の首を固定するときに使う拘束板のようなものが設置されていて、シーダは酷く嫌な予感に襲われる。スタッフに小突かれて仕方なく前に進み出ると数人の小作人が近付いてきて板の上半分を外し、シーダの上体を水平に前に倒して腰を下の板の半円形の窪みに載せて上板を嵌め、彼女の腰の周囲にあった多少の隙間も丸めた布を詰めて尻を突き出すような形でがっちり固定する。後ろから見ると所謂”壁尻”の状態である。そして両手首をそれぞれ戒められて天井の梁から下がるロープに両腕をV字に吊るされた。大勢の観衆が下品な笑みを浮かべ見つめる中でシーダは悪寒を感じながらも、ただ早くショーが始まりそして終わるのを願うことしかできなかった。
*
そして…ついにショータイムが始まった。
「さあ順番順番!堪能したらなるはやで回転してね!」
と農場主が言い、パンパン!と手を叩いたのを合図に小作人たちが順番にシーダの尻の前へと並び…
「うひゃっ!?」
陰唇を揃えた指先でスリスリと撫でられてシーダの身体がビクン、と撥ねた。続けて。
「ひゃうっ!」
尻たぶを鷲掴みにされてムニムニと揉まれる。それはすぐに止んだが、またすぐに同じことが繰り返された。触られる度に白い尻を震わせて喘いでも小作人皆が触り終えるまで延々と続くのだ。そしてついに。
「私の番だね。」
とトムが嬉々としてシーダの尻の前に立つ。
「あっ、あん、あああん!」
スリスリスリスリと太い指先でアソコを擦られてシーダがプリプリと尻を揺らす。
「フフフ…」
トムは依頼者の特権とばかりに心行くまで尻と股の割れ目を撫で、擦り、揉むと漸く離れた。この頃にはシーダの股の布地は愛液でしっとりと濡れていた。
「さあてお次は”乳しぼり”だよ。」
「!? ああっ!?」
トムは前に廻ってシーダの着ているハイレグレオタードの首の前部分のファスナーを開けて解くとレオタードは彼女の乳房を納めておけずにポロン、と零れた。
「さあこれも順番順番!」
と叫び、小作人たちはまたもや一列に並び、順番にたわわに実ったシーダの胸の膨らみを背後からむにゅむにゅと揉み、乳首を弄り、無防備な腋を擽っては次々と交替していく。
「あ…ん!や…っ、あ…ん、ああ…ん!」
シーダはその間中、手首を拘束している皮のベルトを軋ませながら、ただ喘ぎ続けるしかなかった。そしてすべての小作人たちが終えると再び。
「漸く私の番だね。」
トムがシーダの傍にやってきた。やはり依頼者の特権とばかりに小作人たちよりもたっぷりシーダに悪戯する。
「きゃ…いや…っ、ああ、ん、…うふふふ…あ…ん…や…ぁ…くすくす……ひゃ…っ…ふふふふ……っ……」
シーダの乳首をクリクリしながら乳房を鷲掴んで揉みしだき、不意打ちで腋を擽る。
「あん、あん、あ…ん!」
最後はスパートをかけて腋を擽られ続けて、シーダは軽くイッてしまった。漸く解放されてシーダが息を乱し頭をガクリと垂れる。
「名残惜しいけどお触りタイムはこれでお終い。次はペロペロショーだよー!」
「!!?」
トムの声にシーダがぎょっとして顔を上げるとバケツを片手に提げた数人の小作人が前に出て来て、シーダの身体に大きな刷毛で甘い匂いのするシロップを塗り始めた。
「ちょ…や…っ…」
腋から脇腹、乳房、腹、尻、腿、と満遍なく刷毛が撫でていき、シーダは擽ったさと不快さに身を捩った。
「ああんっ!」
液体が腋と乳首、股の割れ目に特に入念に何度も塗られてシーダが喘ぐ。それが終わってほっとしたのも束の間。
カタン、カタン、カタン…と牛たちの柵が外されて。
「ひっ…!」
小作人たちに誘導された数頭の牛がシーダの方に歩んでくるのを見てこれから何が始まるのかを悟りゾッとした。
「いやぁっ、来ないで!……あんっ!」
必死に叫ぶが牛の歩みが止まるはずもなく、シーダの傍までやってきた一頭が早速シーダの身体をベロッと舐めた。他の牛たちも次々と群がり、シーダの身体を寄ってたかって舐め回す。
「あっ!?あっああんっ、いやっ、あん、…や…うふふふ…あん、やん、…ふふふ…ぁ…あ…ん…」
子牛はシーダの上半身の下に入り込み、下からたぷん、と実る乳房や腹を、特にたっぷりとシロップの塗られた乳首をペロペロペロと熱心に舐める。
「あああぁ~~…」
同じくたっぷりと液体を塗られた腋、股の割れ目を執拗に舐められてシーダは”壁尻”と化した白く形の良い尻を蠢かせて悶絶した。だがシーダが幾ら悲鳴を上げても嫌がって首を振っても、腹を空かせているらしい牛たちはただ一心不乱にシーダを舐め続ける。
ペロペロペロペロペロペロ……
観衆たちが牛たちに舐め回されるシーダを熱気と興奮の眼差しで見守る中、幾ばくかの時が過ぎ――漸くシロップを舐め尽くしたのか、牛たちが徐々にシーダから離れていった。カタン、カタン、と再びケージが閉まる音がして、牛たちが元の場所に戻されたらしいことをシーダは意識の隅で理解した。
――これで、終わり、なの…?
そう思い、シーダが安堵したのも束の間。
「最後にこのシロップと牛の唾塗れになったお嬢ちゃんをキレイにしてあげましょー!さあ皆の共同浴場に連れて行ってあげてー!」
とトムが叫び、シーダは絶望に叩き落された。
*
拘束を解かれた(おっぱいモロ出しの)シーダが小作人たちにグイグイ手首を引かれながら連れて行かれた先は彼らの宿舎の共同浴場だった。バスタブはなく、両端の壁に沿って設けられた膝くらいの高さの水路に溜められたお湯の前に、風呂いすや湯桶が並べられているだけの単なる”洗い場”のような場所だった。
浴場内中央の天井吊り下げ型の物干しに汚れたバスマットが無造作に干されていたのだが、小作人たちはそれらを取って物干し竿を渡していた輪っかに紐を結び、その紐の先をそれぞれシーダの左右の手首に結び付けて引っ張り、彼女をTの字に拘束した。
脱衣所の引き戸は開け放たれていて小作人たちがシーダを興奮した様子で見ながらショーの始まりを今か今かと待っている。そして。
「さあて、洗い責めショーの始まり始まり~~!」
トムがいやらしい笑みを浮かべながら手をパンパンと叩き宣言すると、本来なら宿舎の掃除に使われるような長い柄の先にモコモコしたモップがついたもの(だが汚れてないのできっと替えのストックだ)を手にした数人の小作人たちが湯桶で汲んだお湯でモップを濡らし、それにボディソープを垂らしてニヤニヤしながらシーダへと近づいて来た。
「観客に見えるように横、もしくは後ろから洗ってやってね!屈むなら前に陣取ってもいいよ!」
トムの指示にモップを持った6人が頷き、シーダの後ろ、左右斜め後ろ、左右横に立ち、前に一人が屈み、それぞれがポジションについて早速モコモコモップをシーダの身体へと伸ばした。
「あっ…ああ…ん!も…や…ふふふ……ぁ…あ、あ……んっ…ふふふふ……」
横から乳房と乳首を、斜め後方から腋と脇腹を、後ろから尻と股、前方下からはお腹と臍を洗われ、シーダは堪らず身をくねらせる。モップはシーダの身体を擦り始めるとすぐに泡立ち、彼女を白い泡で彩った。
「あっ、ああああっ!ああ~~!!」
程なくして後ろの男がシーダのアソコをシュッシュッと擦り出したことでシーダは仰け反って身を震わせる。牛に散々クンニされたそこは過敏になっており、モフモフが前後に出し入れされる度にゾクゾクと強烈な快感が全身に広がって、どうにかなってしまいそうだった。そして…
「あ……あぁ……あ……」
その間もずっと続いていた全身への愛撫と擦られ続けたアソコのジンジンと疼くようなもどかしい感覚により、シーダは脚をガクガクさせ、熱に浮かされたように焦点の定まらぬ目で”何か”を懇願して観衆を見た。だが。
「参ったね。『めちゃくちゃにして欲しい』って顔されても、スタッフさんから『このコ婚約してるから犯すのはダメ』って言われてるのよね。まあ、とにかく次の6人に交替して!」
トムが困ったような顔で言うと、彼の声を合図にシーダの身体からモップが離れて行き――別の小作人6人がそれを受け取って彼女の方へとやってきた。そして同じことが繰り返されて…それは小作人全員とトムがやり終えるまで続いたのだった。
*
目を開けると、帰りの馬車の中だった。シーダはぼんやりとした意識の中で自身が馬車の座席の片側に横向きに丸くなって寝ていることを理解した。
「気が付いたかい?いやあ、けっこうハードだったよね。あの後、僕たちスタッフが気を失った君をお湯で洗い流して綺麗にして農場を後にしたってわけ。」
向かいの座席に座ったスタッフの一人が説明し、シーダは無意識に起き上がろうとして。
「あっ、気を付けて。君、今そのマントの下、全裸だから。」
「!!」
と言われシーダは思わずマントの合わせ目をしっかりと掻き合わせ丸くなった。確かに言われた通りマント以外布地の感触がない。
「トムさんはさ、いい経営者なんだよ。」。
疲れ切った様子のシーダを見ながら、スタッフが話す。
「楽しみがなければ働く意欲も湧かないだろう、って今日みたいなショーを小作人たちのために時々企画するんだよね。だからウチの劇場にとってはお得意様。それでそのお陰かどうかわからないけど、彼の農場の小作人たちはよく働くし、実際に農産物・畜産物の品質もよくてさ。」
シーダにとってどうでもいい話なのでほとんど聞いていなかったのだが。
「昼間のショーでひどく疲れたと思うけど、代わりの子がいないから夜のショーも頑張ってね。」
最後の言葉で一気に目が覚め、再び絶望した。
*
シーダが港湾都市ローグに来てから半月以上の時間が経っていた。コンコン、と控室のドアをノックされ、『どうぞ』と返すとガチャリ、と鍵が開けられてザックがドアから顔を覗かせた。
「よォ、姫さん。あんたの稼ぎがとうとう15000Gを越えたぜ。思ったより早かったじゃねえか。オプションや出張を熟した甲斐があったな。約束通りペガサスを返してあんたを解放してやる。…支度しな。」
「本当に?」
「ああ。じゃ、外で待ってるぜ。」
ザックはそう言ってバタン、とドアを閉めた。
フード付きマントを着、盗賊たちに囲まれて彼らの船に戻ったシーダは少しの間、甲板で待つように言われる。そして…
「ユミエア!」
盗賊に連れられて船内から姿を現した愛馬に泣きそうになった。思わず駆け寄りその白い首筋に抱きつくと天馬は嬉しそうにヒヒン、と啼いた。
「聞くところに依るとアリティア軍はマケドニアのホルム海岸に向かった、ってぇ話だ。この情報はサービスしとくぜ。」
「わかったわ。それなら私はもう行くわね。さよなら。」
シーダはザックに頷いて見せるとひらりと天馬に跨り、空へと舞い上がった。彼女はあっという間に飛び去り、一拍遅れて彼女が街中を移動するとき使っていた目立たせないための暗褐色のマントがひらひらと甲板へと舞い落ちた。
*
「マルス様!!」
「シーダ!?どうしたの?君が、こんなところまで来るなんて…」
ホルム海岸でフィアンセであるマルスの姿を空から見つけたシーダは愛馬ユミエアを駆って一直線に彼の許に舞い降りた。
「マルス様…アリティアが…帝国軍に襲われて…アカネイア・グラ・オレルアンの連合軍に奇襲を受けて騎士団は全滅…城もおとされてしまったの…」
「な、なんだって!?まさか…アリティアが…」
「エリス様も…私を逃がすために身代りになって…マルス様…ごめんなさい。でも、マルス様にこのことを伝えたかったの…だから…」
落城の時のこと、囚われていた時のことが怒涛のように思い出されて涙が溢れて来る。マルスは痛ましい目でシーダを見つめた。
「シーダ…泣かないで。わかってるよ。君だけでも無事でいてくれて本当に、良かった。謝るのは、僕の方だ。君たちをこんな辛い目に遭わせてしまって…」
「マルス…様…」
タリスの王女は堰を切ったようにアリティアの王子の胸に泣き崩れた。
◇
それから。二度目の戦争が終わり、シーダは戦いの後、夢にまで見たマルスとの婚礼の日を迎えた。純白のドレスを身にまとった彼女の姿は数多の男たちに見世物にされ、弄ばれた過去など微塵も感じさせず清らかに見え、まるで天使のように美しかったという。
~終わり~
読んでくれてありがとう!