朝陽差し込む道場で、汗だくの修行を終えたらんまと達也。稽古後の牛乳を交わす、いつもどおりの静かな朝──のはずだった。
これは、修行と友情と……ちょっぴり(?)セクハラの、怒涛の朝稽古コメディ!
※1話完結の短編になります。
露出しているAIイラストの挿絵があるため、R18作品としました。
小説には性描写はありません。
朝陽が道場の天窓から差し込むころ、風のない静かな空気のなかで、ふたりの息づかいだけが聞こえていた。
「ふぅ……今日はここまでにしておくとするか」
らんまが息を吐き、額の汗をぬぐった。上半身は裸。赤い髪はうなじのあたりで少しだけ湿っていて、肩から背中へと汗がゆっくりと流れている。
対する達也はまだ肩で息をしながら、拳を下ろしたまま笑った。
「相変わらず……すげぇ動きするよな、らんまは」
「ふっ、オレに本気出させるってのも、たいしたもんだぜ?」
らんまは胸を張って笑う。筋肉質というよりはしなやかで、でも明らかに鍛え抜かれた体。そのままタオルを肩にかけ、床に寝そべった。
道場の床板が冷たくて気持ちいい。
「しかしまぁ……朝からここまで動くのは、正直キツいな」
「でも、終わったあとの牛乳は格別だろ」
達也が笑って、キッチンの方を顎で示した。
「冷えてるのか?」
「冷えてる。ちゃんと昨晩から用意しといた」
「さっすがだな。気がきくじゃねぇか」
立ち上がったらんまは、そのまま上半身裸のままキッチンへ向かう。白木の床を裸足で歩き、冷蔵庫を開けた。中には二本の牛乳瓶。キンと冷えて、瓶の表面にはうっすらと水滴が浮かんでいる。
「へへっ、見るからにうまそうだ」
親指で押し上げると、ポンと軽快な音がして蓋がはじけた。
「達也、おまえの分もな」
「ありがと」
瓶を手渡すと、ふたりはそのまま向かい合って立った。らんまはタオルを首にかけ、汗がまだにじむ胸元を風にさらしながら、瓶を高く掲げる。
「んじゃ、朝稽古、おつかれってことで」
「かんぱい」
瓶を軽く合わせる音が、静かな朝に響いた。
一口。ふたりとも無言で飲み干した。
「……っはー! これだよな! 稽古の後の牛乳は!」
片手を腰にあて、ゴクゴクと牛乳を飲むらんま。
飲み干し、瓶の底に残ったわずかな牛乳をくるくると回しながら、達也も小さくうなずいた。
「疲れてるのに、体が軽くなる気がする」
「まぁ気のせいかもしんねぇけどな。でも、そういうのって大事だろ」
「うん。大事だ」
静かだった朝に、ふたりの会話が少しずつ重なっていく。らんまはタオルで軽く胸元をぬぐった。
「なぁ、達也」
「ん?」
「……いつも修行付き合ってくれて、ありがとな」
「はは、どうした急に。らしくないな、素直に礼なんて」
「うっせ。別にそういう意味じゃ……いや、そういう意味かも……って、言わせんなよ!」
らんまが顔を赤くしてそっぽを向く。
達也は少し笑って、冗談めかして言った。
「じゃあ、俺からもお礼ひとつ」
「ん?」
「いつも、おっぱい見せてくれてありがとうな!」
その瞬間、時間が止まった。
らんまの目がカッと見開かれ、顔が真っ赤に染まる。
「……てめぇ……今……なんつった……?」
「いや、だから感謝の——」
「うっるせぇええええぇぇぇえぇッッ!!!」
らんまが空になった牛乳瓶を床に投げ捨て、ダッシュ!
「おっぱい好きめぇええええーーーーッ!!!」
「違うんだ、らんま! 感謝の気持ちだったんだってばああああ!!!」
「感謝すんなぁああああッッ!!!」
キッチン内をバタバタと駆け回るふたり。
食器棚は揺れ、スリッパは舞い、廊下に避難した達也に、らんまが木刀を投げる。
「死ぬ死ぬ死ぬッ! 殺す気かぁあああ!!」
「ちょっとぐらい反省しろーーッ!!!」
追いかけ、逃げ、転び、倒れ、息も絶え絶えのドタバタが続く。
……そして。
ふと、達也がすっ転んで、仰向けの姿勢でその場に倒れた。
らんまはそのままの勢いで馬乗りになり——
「まったく、どこに目ぇつけてんだよ!! ……って、ん?」
そこでらんまの視線が、自然と達也の股間へと落ちた。
むんっ、と、明らかなテント。
「……」
「…………」
一瞬、時が止まる。
「……おま……まさか……」
達也、必死に目を逸らしつつ小声で呟く。
「いや、ほら……らんまのおっぱい、あれはもう、反射的というか……ほら、仕方なくね……?」
沈黙。
からの——
ドゴォン!!!
らんまの拳が炸裂! 達也の顔面に直撃!
「いや、わかる! わかるけどッ!! 理解はするけどォォ!!! 許すとは言ってねぇえええ!!!」
「理不尽だあああああああ!!! でもごめんなさあああああい!!!」
バシバシッ!
らんまの鉄拳制裁が、まるで打楽器のように達也の顔面にリズムよく入る。
「オレはなッ! 真剣に修行してんのッ! 乳で集中乱されてんじゃねぇえええ!!」
どこまでも続く大暴れ。
やがて、キッチン内は、見る影もなく散らかり、
「……はぁ。もう、やってらんね……」
「……でも、ありがと……いいおっぱい……でした……」
こうして朝の静寂は完全に破壊され、
キッチンには怒号と悲鳴と、わずかに残った牛乳の香りだけが残された——
(完)
あとがき
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ここまで読んでいただき、ありがとうございました!
今回は、らんまと達也の朝稽古をテーマにした1話完結の短編でしたが、今後も気まぐれに(?)別のエピソードを書いていきたいと思っています。シリアスだったりギャグだったり、いろんならんまを見てもらえるように、楽しく続けていけたらなと!
そして最近、「SeaArt」というAIイラストサイトを使い始めました。
クオリティの高いらんまのイラストが自分でも驚くほど作れて、楽しんでいます。
もしまた、らんまの新しいお話を公開したときには、ぜひ読みに来てください。
感想や反応をもらえると、本当に励みになります!
それでは、また次の物語でお会いしましょう!
【挿絵表示】