※この作品はR-18です。

デジモン漂流記   作:ボルメテウスさん

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本日から新連載となるデジモン漂流記です。こちらは、kitiさんからの応募してくれたデジモン漂流記を元に書かせて貰います。
既に活動報告でキャラクターの募集を行っています。
皆様の応募、お待ちしています。
https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=329205&uid=45956


序章

俺達は知らなかった、何気ない日常が、とても脆く儚いことを。

 

ただそこに存在しただけで奪われてしまうものがあることなんて。

 

夕暮れ迫る廃校舎の裏手──そこだけ現世と隔絶されたような濃い霧の中に“何か”がいた。赤い目を持つ小さな影だ。

 

その日、俺達は課外授業の為に、訪れていた。

 

ケモノガミ伝承の残る辺境の村で行われる民俗学研修。

 

教授の言葉を半分聞き流し、誰もが退屈な時間をやり過ごそうとしていた。

 

しかし突如発生した地震と共に景色は歪み、気づけばこの見知らぬ森へ迷い込んでいたのだ。

 

「・・・何が、起きているんだ?というよりも、ここはどこなんだ?」

 

周囲には、先程まで一緒にいたクラスメイトの姿はなかった。スマホも圏外。ただ足元には怪しく咲き乱れる鮮紅の彼岸花だけが揺れている。

 

(まるで悪夢じゃないか)

 

そんな思考が頭を掠めた刹那──鋭い音と共に茂みから黒い影が飛び出した!

 

それは熊でも猿でもない異形の怪物だった。

 

二本脚で立っており、影だけ見れば猴だろう。

 

だが、その身体は石で積み上げられた怪物。

 

大きさは、俺の脚程度の大きさしかない。

 

けれど、そんな怪物は、自らの身体の一部である石を俺に投げてきた。

 

「うわっ!」

 

なんとか避けたが、すぐ近くの木の幹にめり込んだ。

 

(あれが当たっていたら死んでいただろう)

 

恐怖で全身が震え上がる。

 

だが敵は容赦しない。

 

再び接近してくる。

 

石塊の腕が振り上げられたその時──。

 

『グアァッ!!』

 

轟音と共に火柱が上がり、化物を吹き飛ばした!

 

現れたのは炎を纏う蜥蜴のような生き物。

 

しかしその瞳は澄んだ輝きを宿している。

 

「お前は……何だ?」

 

問いかける声に応えるように蜥蜴は一瞥すると低く唸った。

 

同時に胸元の光が熱を持つのを感じる。

 

『待っていた』

 

「えっ」

 

その声に、俺は驚きながら見つめる。

 

蜥蜴は、ゆっくりと俺に近づく。

 

先程まで、怪物に襲われたばかりなので、俺は困惑を隠せない。

 

けれど、蜥蜴はまるで主人に懐く犬のように寄ってきた。

 

「僕はずっと君を探していた」

 

頭の中で響く声。

 

優しい口調。

 

恐る恐る蜥蜴に触れると、掌に温もりが広がった。

 

「おまえ……しゃべれるのか?」

 

「うん・・・ずっと待っていた」

 

「待っていたって、君は一体」

 

困惑を隠せない俺を余所に、そのまま蜥蜴は、俺の方を見つめる。

 

「僕は、ギルモン」

 

その表情には、どこか人間じみた感情があった。

 

悲しみ……いや違うな。

 

それは安堵と喜び。

 

「・・・とにかく、他の皆を探さないと」

 

それと共に、俺はギルモンと共に、逸れた皆を探す為に歩き始める。

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