氷室達の案内で辿り着いたのは、ケモノガミ達の村。そこにいるケモノガミ達の子供達がいる。
「ここが・・・村?」
六花が呆然と呟く。
村と呼ばれて、かなり小さな規模のものだった。
広さ的には、あまり広くない。
子供の遊び場程度の広さだろうか。
そこに木造の建物が建てられており、その中央には広場があった。
「皆さんは、ケモノガミなのか」
そうして見るが、やはり子供達が遊んでいる。
まるで普通の幼稚園児達のようだ。
「これが、ケモノガミ、可愛い」
そうして見ると、どれも可愛いケモノガミばかり。
「彼らは幼年期のケモノガミなんだ」
「幼年期?」
俺は思わず聞き返した。
「そうですよ」
すると、太田が説明する。
「デジモンには成長過程があって、幼年期→成長期→成熟期→完全体→究極体と進化していくんです。幼年期は一番若い状態で、人間でいうところの赤ちゃんや子供みたいなものです」
なるほど。確かにその通りだ。
目の前にいるケモノガミ達は見た目も幼く、言動も純真無垢そのものだ。
「この村の長老的存在がババモンさんなんだ」
氷室が補足する。
その人物は少し離れた位置にある岩屋のような小屋で編み物をしているらしい。
早速訪ねてみると小柄で皺くちゃなお婆さんが優しく迎えてくれた。
「いらっしゃい」
笑顔で迎えてくれる姿はまるで日本の田舎のおばあちゃんのようだ。
「あらまぁ~新しい子達ね」
柔和な笑みを浮かべつつ丁寧にお茶を淹れてくれた。
木製の器に入った温かいお茶を飲みながら改めて話を聞くことになった。
「さっきの知識も、あのババモンさんから教えて貰ったので」
ババモンから話を聞こうとすると、1人の女性。
「うぉっ! 新入りさん!?」
元気いっぱいの声が響き渡る。振り返ると青髪のロングヘア―が特徴的な女子高生ぐらいの女の子が立っていた。その手には大量の野菜や果実が抱えられている。
「えっと……誰?」
思わず尋ねると彼女は明るい笑顔を浮かべた。
「あたしは八奈見杏菜! 杏菜でいいよ!」
自己紹介する彼女の声にはどこか威勢の良さがあった。活発という言葉がピッタリ当てはまるような性格だ。だが何より目を引いたのは彼女が持っている食材の山だ。
「これ全部採ってきたの?」
六花が驚きの声をあげる。
「もちろん! この辺りには食べられるものが沢山あるんだ♪」
得意げに胸を張る杏菜。その仕草はどこか子供っぽく可愛らしい。しかし同時に頼もしさも感じる。彼女の存在はこの村にとって重要なライフラインになっているようだ。
「すごいなぁ……」
アヤノも感嘆の声を漏らす。実際彼女の腕っぷしは相当なもので野菜や果実だけでなくいくつかの木の実まで採取できているようだ。
「あたしはこういう食べ物を集めたから♪ こういうことなら任せといて!」
笑いながら杏菜は手際よく食材を並べ始める。その光景を見ているうちに自然とお腹が鳴った気がした。
「そうだ! 夕食作っちゃおっか♪」
杏菜の提案に一同が賛同する。広場中央にある炊事場では既に焚火が用意されていた。彼女の指導のもと俺たちも手伝うことになった。
「とりあえず、食事をしながら、詳しい事を話そうかのぅ」