「君の元に力が集まればね♡」
その宣言と同時に彼女の唇が強引に押しつけられる。最初は柔らかい感触だったがすぐに舌が割り込んできた。予想外の大胆さに息が詰まる。
「んぅ……っ」
呻き声すら吸い取られるような激しい接吻。彼女の舌が俺の口腔内を探るたびに甘い痺れが広がっていく。歯列の裏をなぞられ上顎をくすぐられると背筋に電流が走ったような感覚に襲われた。唾液が混ざり合い喉奥へ流れ込んでくる。
「ぷはぁ……っ」
一瞬解放されるも息継ぎする暇もなく再び押し付けられる。今度は角度を変えより深く侵入してきた。彼女の両手が後頭部を固定し逃げ場を塞ぐ。
「ふぅ……んん……」
苦しくて視界が霞むほど呼吸を封じられる。酸素不足による朦朧感と舌先から伝わる官能が脳内を支配していった。
唇の端から溢れた唾液が顎へ伝う感覚すら興奮材料となっている事実を受け入れざるを得ない。舌同士が絡み合いお互いの温度が溶け合っていく錯覚さえ生まれていた。
「はぁ……もっと……」
六花が微かに囁くと同時に彼女の舌が俺の舌根まで届くように伸びる。初めての感覚に戸惑う間もなく喉奥まで侵略される錯覚に陥った。
「んぐっ……!」
生理的な反応で嗚咽しそうになるものの寸前で堪える。この程度で負けていたら負け犬呼ばわりされる未来しか見えないからだ。
「ふふっ」
その反応を楽しむように笑みを浮かべる六花。嗜虐心に満ちた表情とは裏腹に優しく頬を撫でてくる仕草には母性すら感じられるほどだ。両極端な印象のギャップがますます混乱を招いた。
「これくらいは序章にすぎないのよ」
長いキスが終わると同時に唇を離される。しかし銀色の橋が残滓となり互いの間で煌めいている。羞恥心よりも獣欲に似た衝動が心臓を焦がしていた。
「次はあなたの番」
強引に顎を持ち上げられ再び重ねられた瞬間──彼女の舌先が鋭く俺の舌を突くように動いた。痛みにも似た刺激だが快感として処理される脳機能が異常だった。
舌同士の摩擦音と唾液交換による湿った音だけが湖面を揺らしているような錯覚におちいりそうだった。外界から隔絶された空間で行われる情事ほど背徳感が増すことは明白だ。
「六花……」
言葉にならない感情が溢れるあまり名前を呼ぶしかできなくなった。しかし彼女は無言のまま応えるように激しさを増すだけだった。まるで独占欲の化身となってすべてを奪い尽くさんとする気迫すら感じられる。
困惑する俺を尻目に六花は徐々に興奮の色を濃くしていく。薄闇の中でも分かるほど彼女の頬は朱に染まり吐息が湿り気を帯びていた。そして―――
「見て……ほら」
挑発的な口調とともに彼女はシャツの裾を軽く持ち上げる。朝陽に照らされた白い腹部の上には隆起した影が2つ浮かび上がっていた。淡い桜色をした突起部分がツンと尖り布地に浮き上がっている。
「君があまりに酷いから……私こんなになっちゃった」
苦笑混じりの台詞とは裏腹に声には隠しきれない艶が滲んでいる。指先でなぞる仕草すら煽情的だった。
次に彼女はスカートを下げると濡れた布地が月光に照らされてぬらぬらと光っていた。
「ここも……すごく熱くて濡れてるよ」
誘うように片脚を僅かに広げて見せる仕草に呼吸が止まりそうになる。薄桃色の生地越しにも分かるほどの湿り具合だった。透明な雫が内腿を伝う様は妖しく淫靡だった。
「ねぇ……どう思う?」
甘えた口調で囁くと同時に彼女は膝をついて顔を近づけてきた。鼻腔をくすぐる芳醇な香りが理性を麻痺させる。
「私だけこんなに興奮してるなんて不公平じゃないかな」
指先が頬を伝い下に向かう軌道を描く。途中で鎖骨を撫でるとその感覚だけで背筋が粟立つ。
「だから……責任取って欲しいなぁ」
挑発的な微笑みと共に吐息が唇に触れる距離まで接近する。湿った感触が口腔内にまで染み込んでくるようだ。
六花は濡れた秘部を晒すように体勢を変えた。腰を高く上げた姿勢のまま、俺の目の前に全てを曝け出す。羞恥と期待が混ざり合った表情が月明かりに照らされている。
「来て……」
かすれた声が夜風に紛れる。俺は誘われるままに彼女の脚を抱え、硬直したものを押し当てた。濡れた粘膜が絡みつくような抵抗を感じる。熱い吐息と共に彼女の内部へ進むにつれ鼓動が早くなる。
「あっ……!」
短く漏れる声と共に肉の壁を押し広げる。根元まで埋没する感覚は例えようもなく甘美だった。彼女の身体は痙攣しながらも俺を受け入れ続ける。
「うっ……熱い……」
六花の内部は想像以上に熱く締め付けてくる。汗ばんだ肌同士が擦れ合い淫猥な音が湖面に響く。
「もっと……深く……」
その要求に応えるため身体を傾け重心移動する。結合部からは新たな蜜が溢れ出し湿った感触が増すばかりだ。
「はぁ……ぁあ……!」
激しい摩擦に伴う喘ぎ声が耳元で反響する。腰を打ち付けるたびに汗と粘液が飛び散る光景は異世界ならではの背徳感を煽った。理性の糸が一本ずつ切れていくような快楽地獄──この禁断の行為に溺れていく自分がいた。
「あぁ……もう……」
六花の誘うような囁きと共に膣壁が収縮する。その圧迫感が最後の一線を越えさせるトリガーとなった。視界が白く染まる中──体内から何かが噴き出す奔流を感じた。
「だめっ……なかで……」
その警告は遅すぎた。熱い白濁が勢いよく放出され六花の内側を満たしていく。痙攣する彼女の背中に覆いかぶさりながら欲望を余すことなく注ぎ込んだ。
「んん~~!!」
絶頂の声が湖畔に響き渡る。六花の爪が地面を引っ掻き肌に赤い痕を刻む。汗と愛液が混ざり合った液体が太ももを伝い草むらを濡らしていく。
射精後も数秒間硬度を保ったまま余韻に浸った。彼女の胎内で脈打つ感覚すら陶酔を誘う材料だった。ゆっくり引き抜くと粘度の高い液体が糸を引く。
「はぁ……はぁ……」
荒い呼吸音だけが夜気を満たす。月明かりに照らされた彼女の横顔には疲労と満足感が交錯していた。この淫靡な行為でどれだけ魂を削り合ったのか測り知れない。
「もっと……ほしい」
掠れた声で囁く六花。その瞳の奥には底なし沼のような欲望が渦巻いていた。俺もまた抗えない引力を感じながら次なる一歩へ踏み出す覚悟を固めていた。