「ギルモン!」「ギルモン進化!メガログラウモン!」
俺の言葉に合わせるように、前に飛び出たギルモンは、すぐにメガログラウモンへと進化する。
それと共に襲い掛かってきたケモノガミは、両手に持った太刀を真っ直ぐとメガログラウモンに向かって、振り下ろす。
振り下ろされた太刀に対して、メガログラウモンは両腕と一体化している刃で、しっかりと受け止める。
受け止められた事で火花が散り、そして俺達を狙っていたケモノガミは距離を取る。
距離を取った瞬間。
すぐにメガログラウモンの方から、そのケモノガミの方へと接近し、そして剛腕の一撃を喰らわせる。
ケモノガミは太刀の1本を使って防ぐが、あまりの威力に体勢を崩す。
「―――ッ!!!」
太刀を受け止めたケモノガミが吠えると同時に、太刀を強く振り下ろす。その刃がメガログラウモンの胸部装甲に食い込んだ瞬間、金属を引き裂く音とともに赤錆色の液体が噴き出した。
だが獣型ケモノガミは怯まない。むしろ傷口から溢れる鉄臭いにおいに興奮したかのように唸り声を上げ、更に深く刃を押し込む。その様はまさに本能の化身だ。太刀の形状すら変貌していく。刀身から幾つもの棘が伸び、装甲の継ぎ目を狙って穿たんとしている。
その刹那、メガログラウモンの背部スラスターが轟音と共に全開となる。金属音とも獣の咆哮ともつかぬ爆音が砂漠を揺るがし、衝撃波が周囲の砂塵を天高く巻き上げた。爆発的な推進力で放たれた肘打ちが獣型ケモノガミの胴体を捉える。炸裂音と共に肉が弾け飛ぶ感触が伝わる。
獣型ケモノガミの上半身が折れ曲がり血飛沫が弧を描く中、メガログラウモンは両腕の刃を地面に突き立てて急停止する。深紅の機体から蒸気が噴出し、
その瞬間まで僅か一秒。だが両者の肉体は既に互いの攻撃によって著しく損傷していた。
獣型ケモノガミの胸部から上腕部にかけてはメガログラウモンの肘撃によって抉られた痕が生々しく脈打っている。そこから漏れ出す紫紺の体液は明らかに通常の血液ではなく、腐敗した果肉のような悪臭を放っていた。しかし最も恐るべきはその生命力だ。損傷箇所から新たに伸び出した無数の血管状の管が太刀に絡みつき、まるで生きているかのように脈動している。獣の本能的な適応能力なのか、あるいは再生能力が暴走しているのか。
獣型ケモノガミは地面を蹴り上げて後退し、太刀を地面に突き立てて支えとする。その姿勢から発せられる殺気は先ほどよりも濃密だ。
対するメガログラウモンも全身から蒸気を噴き出し、関節部から火花が散る。だがその巨体はなおも威風堂々と砂塵の中から現れる。
「相手は」
それと共に見つめた先。
そこにはケモノガミのパートナーだと思われる女性がいた。
ピンクのベアショルダーとタンクトップを重ね着している人物は、虚ろな目をしていた。